IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -熱処理用器具 図1
  • -熱処理用器具 図2
  • -熱処理用器具 図3
  • -熱処理用器具 図4
  • -熱処理用器具 図5
  • -熱処理用器具 図6
  • -熱処理用器具 図7
  • -熱処理用器具 図8
  • -熱処理用器具 図9a
  • -熱処理用器具 図9b
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136006
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】熱処理用器具
(51)【国際特許分類】
   B23P 11/02 20060101AFI20220908BHJP
   G01J 5/00 20220101ALI20220908BHJP
   G01J 5/60 20060101ALI20220908BHJP
   G01J 5/70 20220101ALI20220908BHJP
   B23B 31/117 20060101ALI20220908BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20220908BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B23P11/02 A
G01J5/00 101Z
G01J5/60 E
G01J5/70 C
B23B31/117 610F
H05B6/10 371
B23Q17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031407
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】10 2021 105 345.5
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2021 132 211.1
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】503019925
【氏名又は名称】フランツ・ハイマー・マシーネンバウ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハイマー,フランツ
【テーマコード(参考)】
2G066
3C029
3C032
3K059
【Fターム(参考)】
2G066AA04
2G066AC11
2G066AC16
2G066BC12
2G066CA15
2G066CA16
3C029EE01
3C029EE20
3C032BB13
3K059AA08
3K059AB24
3K059AD01
3K059AD29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱処理用器具を提供する。
【解決手段】本発明は、シュリンクチャック(4)を受領するための受領装置(8)、具体的にはシュリンクチャック(4)の非接触型温度測定のための測定ユニット(14)を有する収縮器具に関する。可能な限り正確に受領開口(8)に挿入されたシュリンクチャック(4)のシェル温度を測定するために、測定ユニット(14)は、受領装置(8)を中心に配置された複数の温度センサ(16)を有し、又は測定ユニット(14)は、受領装置(8)を中心に配置された複数のセンサを有し、少なくとも第1の上記センサは、具体的には受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)のシェル温度の非接触型検出のための温度センサ(16)であり、少なくとも第2の上記センサは、受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)の別の特性の検出のための異なる型のセンサである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュリンクチャック(4)を受領するための受領装置(8)、具体的には受領開口(8)を有し、具体的には中心軸(10)に対して前記受領装置(8)を同心で包囲する熱処理ユニット(12)、具体的には誘導コイル構造(12)又は冷却ユニット(12)を有し、具体的には前記シュリンクチャック(4)の非接触型温度測定のための測定ユニット(14)を有する、軸型ツール(6)用のシュリンクチャック(4)の熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための器具(2)、具体的には収縮器具(2)又は冷却器具(2)又は冷却器具(2)を備えた収縮器具であって、
前記測定ユニット(14)は、前記受領装置(8)を中心に配置され、具体的には前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)のシェル温度の非接触型検出の役に立つ、複数の温度センサ(16)を有し、又は前記測定ユニット(14)は、前記受領装置(8)を中心に配置され、前記中心軸(10)に対して傾斜され、具体的には前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)のシェル温度の非接触型検出の役に立つ、少なくとも1つの温度センサ(16’)を有する、器具(2)。
【請求項2】
前記温度センサ(16)の少なくとも2つ、具体的には数個又は全ては、異なる構成/測定設定を有する、請求項1に記載の器具(2)。
【請求項3】
前記複数の温度センサ(16)及び/又は傾斜温度センサ(16’)のそれぞれは、放射線検出器として、具体的には前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)からの熱放射線を検出するための放射線検出器を備えたパイロメータとして構成される、請求項1又は2に記載の器具(2)。
【請求項4】
前記傾斜温度センサ(16’)の傾斜角は、30°~60°、具体的には45°である、請求項1~3のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項5】
前記複数の温度センサ(16)及び/又は前記傾斜温度センサ(16’)の少なくとも1つは、焦点調整装置(54)及び/又は遮蔽装置(54)、具体的には孔(54)を提供する、請求項1~4のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項6】
シュリンクチャック(4)を受領するための受領装置(8)、具体的には受領開口(8)を有し、具体的には中心軸(10)に対して前記受領装置(8)を同心で包囲する熱処理ユニット(60)、具体的には誘導コイル構造(12)又は冷却ユニット(62)を有し、具体的には前記シュリンクチャック(4)の非接触型温度測定のための測定ユニット(14)を有する、軸型ツール(6)用のシュリンクチャック(4)の熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための器具(2)、具体的には収縮器具又は冷却器具又は冷却器具を備えた収縮器具であって、
前記測定ユニット(14)は、前記受領装置(8)を中心に配置された複数のセンサ(60)を有し、少なくとも第1の前記センサは、具体的には前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)のシェル温度の非接触型検出のための温度センサ(16)であり、少なくとも第2の前記センサは、前記受領装置(8)内に配置された前記シュリンクチャック(4)の別の特性の検出のための異なる型のセンサ(62)である、器具(2)。
【請求項7】
異なる型の前記少なくとも1つの第2のセンサ(62)は、具体的には非接触型で測定する距離センサ(62)、具体的には光学センサ(62)又は超音波センサ(62)又はレーザセンサ(62)又は反射センサ(62)、具体的には赤外線反射センサ(62)である、請求項6に記載の器具(2)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の温度センサ(16)は、放射線検出器として、具体的には前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)からの熱放射を検出するための、放射線検出器を備えたパイロメータとして構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項9】
前記第1の温度センサ(16)の数個及び/又は異なる型の前記第2のセンサ(62)の数個は、前記受領装置(8)を中心に配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項10】
前記第1の温度センサ(16)の数個の少なくとも2つ、具体的には数個又は全ては、異なる構成/測定設定を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項11】
前記センサ(16、60、62)は、前記受領装置(8)に又は前記受領装置(8)を中心に、前記中心軸(10)に対して円形形状で及び/又は異なる軸方向の高さで配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項12】
前記熱処理ユニット(12)及び/又は前記熱処理ユニット(12)のハウジング(18、50)は、少なくとも1つ又は複数の凹部(20)を有し、前記センサ(16、60、62)の1つ又はそれぞれが、前記凹部(20)内又は前記凹部(20)に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項13】
このような凹部(20)は、前記熱処理ユニット(12)を通って、及び/又は前記熱処理ユニット(12)の前記ハウジング(18、50)を通って、前記中心軸(10)に対して具体的には実質的に半径方向に走る測定チャネル(22)として構成される、請求項12に記載の器具(2)。
【請求項14】
誘導コイル構造(12)として構成された前記熱処理ユニット(12)は、前記1つ又は複数の測定チャネル(22)を解放されたままにしておくように、巻き付けたコイル巻線(24)を有し、及び/又はその間に前記1つ又は複数の測定チャネル(22)が形成された誘導コイル構造を有する、請求項13に記載の器具(2)。
【請求項15】
前記センサ(16、60、62)の少なくとも1つは、具体的には前記少なくとも1つのセンサ(16、60、62)がこのような測定チャネル(22)を通して測定を実行するように、少なくとも一部がこのような測定チャネル(22)内又は前記測定チャネル(22)に配置され、具体的には前記センサ(16、60、62)の数個又は全てのそれぞれは、具体的には前記センサ(16、60、62)が前記測定チャネル(22)を通って測定を実行するように、少なくとも一部がこのような測定チャネル(22)内又は前記測定チャネル(22)に配置される、請求項13又は14のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項16】
具体的には熱放射に透過性である、1つの好ましくは交換可能な保護窓は、このような測定チャネル(22)に、具体的には前記センサ(16、60、62)を汚染及び/又は損傷から保護する目的で挿入される、請求項13~15のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項17】
前記センサ(16、60、62)は、実質的にリング形状の構造ユニット(56)内に、具体的には前記実質的にリング形状の構造ユニット(56)の中心軸(58)を中心に実質的に円形形状で、及び/又は前記実質的にリング形状の構造ユニット(56)の前記中心軸(58)に対して異なる軸方向の高さで、若しくは具体的には同じ軸方向の高さで配置される、請求項1~16のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項18】
前記実質的にリング形状の構造ユニット(56)は、前記器具(2)内で前記中心軸(10)に対して同軸に、具体的には前記熱処理ユニット(12)、具体的には前記誘導コイル構造(12)又は前記冷却ユニット(12)に軸方向に隣接して配置される、請求項17に記載の器具(2)。
【請求項19】
前記センサ(16、60、62)のうち、同じ型のセンサは、前記実質的にリング形状の構造ユニット(56)内に隣接して配置される、請求項17又は18のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項20】
前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)の得られるシェル温度を確認するための処理ユニット(66)であって、前記処理ユニットは、前記得られるシェル温度が、前記受領装置(8)、具体的にはマイクロ制御装置(86)内に配置された前記シュリンクチャック(4)の前記センサ(16、60、62)を使用して、具体的には複数の温度センサ(16)によって検出された、具体的にはシェル温度を使用して確認(140)できるように構成されることを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項21】
前記熱処理ユニット(12)、具体的には前記誘導コイル構造(12)又は前記冷却ユニット(12)の制御装置(68)であって、前記制御装置は、前記熱処理ユニット(12)の電力、具体的には電流供給を、具体的には誘導コイル構造(12)として構成された熱処理ユニット(12)に供給するように構成される、前記制御装置(68)は、前記得られるシェル温度に依存する手法で制御(160)することができることを特徴とする、請求項20に記載の器具(2)。
【請求項22】
具体的にはシュリンクチャック(4)の、具体的には前記受領装置(8)内に配置されたツール受容器(4)の熱状態を表示するための表示装置(64)を特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載の器具(2)。
【請求項23】
請求項1~22の少なくとも一項に記載の器具(2)を作動するため、具体的には請求項1~22の少なくとも一項に記載の器具(2)内でのシュリンクチャック(4)の誘導加熱(120)又はシュリンクチャック(4)の冷却のための方法(100)であって、
前記受領装置(8)内に配置されたシュリンクチャック(4)の得られるシェル温度は、前記受領装置(8)内に配置された前記シュリンクチャック(4)の前記複数のセンサ(16、60、62)を使用して、具体的には複数の温度センサ(16)によって検出されたシェル温度を使用して確認(140)される、方法(100)。
【請求項24】
誘導コイル構造(12)として構成された熱処理装置(12)によって包囲された、前記受領装置(8)内のシュリンクチャック(4)は、誘導加熱(120)され、ひいては拡大され、前記加熱作動は、前記得られるシェル温度を使用して制御(160)され、又は、
冷却ユニット(12)として構成された熱処理装置(12)によって包囲された、前記受領装置(8)内のシュリンクチャック(4)は冷却(120)され、前記冷却作動は、前記得られるシェル温度を使用して制御(160)される、請求項23に記載の方法(100)。
【請求項25】
異なる校正/設定、具体的には異なる放射率εは、複数の温度センサ(16)で設定され、前記複数の温度センサ(16)からの測定は、比較され及び/又は一緒に処理され、これらから前記得られるシェル温度が決定(140)される、請求項23又は24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
全く同一の放射線センサ(62)からの信号は、異なる方法で評価される、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つの温度センサ(16)での校正/設定又は調節は、異なる型の前記第2のセンサ(62)からの測定を使用して実行(180)され、又は異なる型の前記第2のセンサ(62)からの測定を使用して、前記得られるシェル温度が、具体的には複数の温度センサ(16)からの前記測定から、決定(140)される方法が決定(180)される、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
シュリンクチャック(4)を受領するための受領装置(8)、具体的には受領開口(8)を有し、具体的には中心軸(10)に対して前記受領装置(8)を同心で包囲する熱処理ユニット(12)、具体的には誘導コイル構造(12)又は冷却ユニット(12)を有し、具体的には前記シュリンクチャック(4)の非接触型温度測定のための測定ユニット(14)を有する、軸型ツール(6)用のシュリンクチャック(4)の熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための器具(2)、具体的には収縮器具(2)又は冷却器具(2)又は冷却器具(2)を備えた収縮器具であって、
前記測定ユニット(14)は、クオシェントパイロメータ(30)を有する、器具(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸型ツールのためのシュリンクチャックの熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための器具、具体的には収縮器具又は冷却器具又は(シュリンクチャックのための)冷却器具を備えた収縮器具に関する。本発明は、更にこのような器具を作動するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シュリンクチャックの熱処理のためのこのような器具、この場合、収縮器具は、(特許文献1)から公知である。上記収縮器具は、センサ式温度測定装置、この場合、放射線/IR温度計を提供し、放射線/IR温度計は、シュリンクチャックのシェル温度又は表面温度を非接触で検出し、収縮器具に離間して静止して位置付けられる。しかし温度測定のために、収縮器具の誘導コイル構造は、シュリンクチャックの表面がセンサによって感知できるように、シュリンクチャックと係合する範囲外に移動しなければならない。そのため温度測定は、加熱操作中はできない。
【0003】
誘導コイル構造を備え、(特許文献2)から公知であるように非接触で検出を実行するセンサ式温度測定装置を備えた、更なるこのような収縮器具によってこの点についての改善を達成することが求められる。この収縮器具の場合、測定チャネルは誘導コイル構造を通って延在することができ、その測定チャネルは、シュリンクチャックを受領するために受領開口に開く。更に収縮器具は、次いで上記測定チャネルに係合するシュリンクチャックのシェル温度の検出のために、温度センサ、この場合、同様に放射線温度計を有する、非接で検出を実行するセンサ式温度測定装置を設ける。
【0004】
(シュリンクチャックの場合には非接触型温度測定のために)引用した先行技術においてここで使用したこれらの放射線温度計は、本体によって放射された赤外放射線/熱放射線(ここではシュリンクチャックによって放射された赤外放射線/熱放射など)に基づいて作動する。
【0005】
あらゆる本体又はあらゆる物体は、その表面温度に対応する大量の赤外放射線又は熱放射線を放射する(その放射線は、放射線温度計によって検出され、評価される)。ここでは、赤外放射線/熱放射線の強度は、物体の温度に依存する手法で変化する。
【0006】
だが更に、「現実の本体」の赤外放射線/熱放射線の強度も、物質及び表面に依存する。つまり(現実の)本体は、理想的な熱放射線、つまり理想的な「ブラックラジエータ」の強度より物質依存性/表面依存性係数だけ低い強度で放射する。この係数は、「放射率ε」と呼ばれる。
【0007】
従って非接触型温度測定に対して、個々の本体の温度を正確に測定したい場合は、それぞれの本体の(個々の)放射率ε、つまり熱放射能力を知る必要がある。
【0008】
まさにこれは、実際にはわからない放射率εを有する(多くの異なる)現実の本体、つまりシュリンクチャック上の温度を測定することが求められるところで、その中で放射温度計を備えた公知の収縮器具を使用する場合に不都合であることを証明する。
【0009】
従って一般的に、使用する放射線温度計は、特定の放射率εに既定される(又は校正される)。つまり正確な温度測定は、非常に特定の材料/表面を備えた非常に特定の本体(詳細にはその材料/表面が丁度既定の放射率εを有する本体)のみに対して実行することができ、これにより、測定するべき全ての他の本体(又はシュリンクチャック)が他の異なる放射率εを有する場合に測定誤差をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012216186A1号
【特許文献2】独国特許出願公開第102018121883A1号
【特許文献3】欧州特許出願公開第3444064A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
処理するためにシュリンクチャック上の温度測定について、シュリンクチャックの熱処理用の先行技術で公知の収縮器具、又は一般に公知の器具を改善すること、(ひいては)高レベルの安全性をもち、取り扱いが容易な信頼できる熱処理、具体的にはシュリンクチャックの加熱又は冷却を確保することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、シュリンクチャックの熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための器具により、及びそれぞれの独立請求項の特徴を有する、このような器具を作動するための方法により達成される。
【0013】
本発明の好都合な改良は、従属請求項の主題及び以下の記述であり、1つ又は複数の器具及び方法の両方に関する。
【0014】
上、下、前、後、左、又は右などの用語は、別段に明白に定義されない限り、従来の理解に従って理解されるべきである。半径方向及び軸方向などの表現は、器具の中心軸に対する関係において理解されるべきである。
【0015】
使用する場合、表現「実質的に」は、「実際に依然としてかなりの程度に」を意味すると(最高裁判所の理解に従って)理解されてもよい。従ってこの用語によって示唆される厳密性からのあり得る逸脱は、製造又は組立公差などのために意図せず(つまりいかなる機能的基準なしに)起きることがある。
【0016】
軸型ツール用シュリンクチャックの熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための器具、具体的には収縮器具又は冷却器具又は(シュリンクチャックのための)冷却器具を備えた収縮器具は、シュリンクチャックを受領するために、シュリンクチャックのための受領領域を形成し、具体的には受領開口である受領装置を有し、具体的には中心軸に対して受領装置又は受領領域を同心で包囲する熱処理ユニット、具体的には誘導コイル構造又は冷却ユニットを有し、具体的にはシュリンクチャックの非接触型温度測定のための測定ユニットを有する。
【0017】
このような温度測定ユニットは、好ましくは非接触で測定を実行し、例えば本体の(熱)放射線の測定に基づいた測定ユニットであってもよい。つまりこのような温度測定ユニットは、好ましくは非接触で測定を実行し、例えばパイロメータの場合に、例えば放射線センサを有してもよい。
【0018】
更に本発明による器具の場合、測定ユニットは、受領装置又は受領領域を中心に配置された複数の温度センサ、或いは受領装置又は受領領域を中心に配置され、中心軸に対して傾斜した少なくとも1つの傾斜温度センサを、具体的には受領装置内/受領領域内に配置されたシュリンクチャックのシェル温度又は表面温度を非接触で検出するために、例えば1つ若しくは複数の放射線センサ、又は1つ若しくは複数の放射線センサを備えたパイロメータを有することができる。
【0019】
換言すると、複数の温度センサ及び/又は傾斜温度センサのそれぞれが、放射線検出器として、具体的には受領装置内に配置されたシュリンクチャックからの熱放射線を検出するために、放射線検出器を備えたパイロメータとして構成される場合が好都合である。
【0020】
ここでは、少なくとも1つの傾斜温度センサも、受領装置又は受領領域を中心に配置された複数の温度センサの1つであってもよい。
【0021】
傾斜温度センサの傾斜角は30°~60°、具体的には45°である場合が好ましい。
【0022】
センサの傾斜により、具体的には例えば50℃~70℃の範囲内の表面温度の測定及び/又は監視を実行することが求められる領域で、放射率εによって表面をより良好に検出することが可能になる。
【0023】
更に温度センサの傾斜により、温度センサによって監視できる検出可能な領域をより大きくすることを実現することが可能になる。
【0024】
具体的には、複数の温度センサ及び/又は傾斜温度センサの少なくとも1つが、焦点調整装置及び/又は遮蔽装置、具体的には孔を提供する場合にも好都合であることがある。
【0025】
このようにして、又はこのような焦点調整装置及び/若しくは遮蔽装置を用いて、温度センサは、例えば温度センサに接近して配置された温度放射線放射器具、例えば収縮器具からの妨害放射線に無反応である(あまり反応しない)ことを達成することができる。こうして温度センサのための追加の遮蔽を省くことができることがある。
【0026】
次いで上記複数の温度センサの少なくとも2つ、具体的には多く又は全てさえも、受領装置内/受領領域内に配置されたシュリンクチャックのシェル温度又は表面温度の測定のために併せて考慮されることもここでは好ましいことがある。
【0027】
「考慮する」とは、具体的には得られるシェル温度又は表面温度が、温度センサの少なくとも2つ、具体的には多く若しくは全てさえも、又はその測定/測定値を使用して確認されることを意味してもよい。これについての第1の最も簡潔な取り組みにより、平均値を少なくとも2つの温度センサから、具体的には温度センサの多く若しくは全てからも、又はその測定/測定値から得られるシェル温度として決定することができる。ここでは、個々の温度センサ又はその測定/測定値のそれぞれが、個々に重視されることも可能である。
【0028】
こうして温度センサの少なくとも2つ、具体的には多く又は全てさえも、異なる構成/測定設定を有することができることもある。
【0029】
「異なる構成/測定設定」(温度センサの場合)は、具体的には温度センサが、例えばシュリンクチャックの異なる材料/表面(又は異なる放射率ε)に対して異なって校正されることを意味すると理解されてもよい。これは、温度センサが異なる波長範囲(クオシェントパイロメータ参照)の測定範囲を有することを意味することもある。
【0030】
別法として本発明による器具の場合、測定ユニットは、受領装置又は受領領域を中心に配置された複数のセンサを有することも提供されており、少なくとも第1の上記センサは、具体的には受領装置内/受領領域内に配置されたシュリンクチャックのシェル温度の非接触検出のための温度センサ、例えば放射線センサ又は放射線センサを備えたパイロメータ(上記参照)であり、少なくとも第2の上記センサは、受領装置内/受領領域内に配置されたシュリンクチャックの別の特質を検出するための異なる型のセンサである。
【0031】
ここでは、少なくとも1つの傾斜センサはまた、異なる型の少なくとも1つの第2のセンサと組み合わせた、上記少なくとも1つの第1の温度センサであってもよい。
【0032】
少なくとも1つの第1の温度センサは、焦点調整装置及び/又は遮蔽装置も有してもよい。
【0033】
異なる型の少なくとも1つの第2のセンサは、具体的には非接触で測定を実行する距離センサ、又は反射センサ、具体的には光学センサ又は超音波センサ又はレーザセンサ又は赤外線(反射)センサであることが好ましいことがある。
【0034】
距離センサは、位置センサ、走行センサ、走行変換器又は距離センサとも呼ばれ、センサと物体との間の距離を測定する。距離センサは、距離、走行、及び位置などの変数を測定するために使用することができる。距離の変化は、センサによって、又はセンサ制御装置によって電気信号に変換され、電気信号は、任意選択で様々なインタフェースを介して制御ユニットに出力することができる。
【0035】
反射センサを使用して、物体の有無が、物体上の光反射を測定することによって確認される。
【0036】
温度測定は、第1の温度センサの数個及び/又は異なる型の第2の温度センサの数個が、受領装置を中心に/受領領域を中心に配置された場合に改善することができる。ここでは、今度は異なる型の複数の第2のセンサも、互いに異なる型、例えば反射センサと組み合わせた距離センサであってもよい。
【0037】
更にここでは、第1の温度センサの数個の場合に、第1の温度センサの少なくとも2つ、具体的には多く又は全てさえも、異なる構成/測定設定を有することができることもある。
【0038】
複数の放射線センサの場合の別法として、全く同じ放射線センサからの信号は、異なる構成/測定設定を持つ複数の温度センサを使用する代わりに、異なる方法で、例えば異なる放射率εに基づいて評価してもよい。
【0039】
次いで少なくとも、少なくとも1つの第1の温度センサ及び異なる型の少なくとも1つの第2の温度センサ、具体的にはこれらのそれぞれの数個の場合に、この第1の温度センサ及び異なる型のこの第2のセンサの数個、多く又は全てさえも、受領装置内/受領領域内に配置されたシュリンクチャックのシェル温度又は表面温度の測定のために使用できることが好ましいこともある。
【0040】
改良型では、センサは、中心軸に対して円形形状で(任意選択で異なる円形上に群で)及び/又は中心軸に対して異なる軸方向の高さで、受領装置/受領領域において又は受領装置/受領領域を中心に配置できることもある。これは、均一のピッチで又は非均一のピッチで実現され得る。
【0041】
ここでは、各センサは、その所定の位置、例えば熱処理ユニット内若しくは熱処理ユニット上、又はそのハウジング上に個々に締結できることもあり、或いは共通保持装置、例えば受領装置/受領領域を少なくとも部分的に包囲するリング形状の構造ユニット(測定リング)を提供できることもあり、その構造ユニット又は測定リングはセンサを受領し、次いで今度は器具内又は熱処理ユニット/ハウジング内若しくは熱処理ユニット/ハウジング上に設置される。
【0042】
ここでは、実質的にリング形状の構造ユニット又は測定リングは、器具内の中心軸に対して同心に、具体的には熱処理ユニット、具体的には誘導コイル構造又は冷却ユニットに軸方向に隣接して配置されることが好ましいことがある。
【0043】
センサの中で、同じ型のセンサが、実質的にリング形状の構造ユニット内で隣接して、例えば(扇形)部分に「まとめる」ように配置される場合にも好都合であることがある。例えば温度センサは、実質的にリング形状の構造ユニット又は測定リングの1つの扇形部分に互いに隣接して配置されてもよい。
【0044】
一改良型では、熱処理ユニットが、少なくとも1つ若しくは複数の凹部、例えば受領ユニットによって形成された受領領域に開き、具体的には放射状である(測定)チャネルを有し、又は(測定)チャネルを通って拡大できることもある。
【0045】
熱処理ユニットとしての誘導コイル構造の場合、具体的には誘導コイル構造のコイル巻線が、それぞれの凹部又はそれぞれのチャネルが解放されたままであるように、チャネルを中心に巻かれた場合に好都合であることがある。
【0046】
温度センサなどのセンサは、次いでこのような(測定)チャネル内若しくはこのような測定チャネル内の少なくとも一部に、及び/又はこのような(測定)チャネルにおいて、詳細には測定チャネルを通って測定を実行するように配置或いは挿入されてもよい。
【0047】
センサが更に熱処理ユニットのハウジングの外側にも配置される場合は、ハウジングがセンサのための(センサが通って測定を実行するための)対応する貫通凹部を提供することが好都合である。
【0048】
具体的には、測定の面から、このような測定チャネルが、熱処理ユニット及び/又はそのハウジングを通る中心軸に対して実質的に半径方向に走る場合に好都合である。
【0049】
改良型では、このような測定チャネルが誘導コイル構造の軸方向中心領域内に、好ましくはその軸方向端部の間のほぼ中心に配置できることもある。
【0050】
好ましくは交換可能な保護窓が、具体的に熱放射線に透過性であり、このような測定チャネルに、具体的には汚染及び/又は損傷に対してセンサを保護する目的で挿入される場合に更に好都合であることが証明されている。
【0051】
これについても、巻き付けた(測定)チャネルの別法として又は追加として、熱処理ユニットとしての誘導コイル構造の場合、誘導コイル構造は、複数の離間したサブコイルを有し、次いで1つ又は複数のセンサが、サブコイルの間の間隔に、チャネル配置に対応して配置される(且つそれを通って測定を実行できる)ことがある。対応する配置は、冷却ユニットの場合に熱処理ユニットとしてサブユニットを備えることもある。
【0052】
更に温度センサからの測定値の送信は、処理ユニット及び/又は制御ユニットに有線又は無線で行ってもよい。
【0053】
具体的に非接触型温度測定については、複数の温度センサのそれぞれが、非接触で測定を実行する放射線検出器/センサとして、又は(受領開口内に配置されたシュリンクチャックからの熱放射線を検出するために)放射線検出器/センサを備えたパイロメータとして構成される場合に好都合であることが証明された。
【0054】
器具には、受領装置/受領領域内に配置されたシュリンクチャックの1つ又はその得られるシェル温度を確認するための処理ユニットが提供されることも好ましいことがあり、その処理ユニットは、得られるシェル温度が、受領装置内に配置されたシュリンクチャックのセンサを使用して、具体的には複数の温度センサによって検出されたシェル温度を使用して確認できるように構成される。
【0055】
器具が制御ユニットを備えて構成される場合も好都合である。上記制御ユニットは、例えば熱処理ユニットの電力、例えば誘導コイル構造への電流供給を、センサを使用して確認したシェル温度に依存する方法で制御する制御ユニットの恩恵により、具体的には誘導コイル構造又は冷却ユニットなどの熱処理ユニットの制御に役立つことがある。
【0056】
更に器具が、具体的にはシュリンクチャックの受領装置内/受領領域内に配置された、具体的にはツール受容器の熱状態を表示するための表示装置を有する場合も好都合であることがある。これらは、例えばカラーダイオードであってもよい。異なる色は異なる熱状態を示すことができる。
【0057】
本発明は、多数のシュリンクチャックの温度を測定しなければならない場合に、放射率εが異なり不明であるという問題から、複数のセンサを使用すれば、又は温度測定が複数のセンサ、具体的には複数の温度センサ若しくは異なるセンサを用いて実行されれば、放射率εの影響(これはそれぞれのシュリンクチャックの材料及び/又は表面に依存する)を除去又は取り除くことができ(例えば数学的に相殺され)、従って温度測定は、それぞれの放射率εと無関係に行われ、又はその認識もはや必要ないという考えに基づく。
【0058】
温度測定のための(放射線)センサが単一である場合、それぞれのシュリンクチャックの特定の放射率εを(正確な温度測定/決定のために)知っている必要があり、(放射線)センサは、上記放射率εに対してその都度個々に設定する必要があるはずであり、又は(放射線)センサは、それぞれのシュリンクチャックに対して個々に校正する必要があるはずである。このことは、本発明による複数の温度センサで除去される。
【0059】
この認識は、シュリンクチャックを受領するための受領領域を形成する受領装置を有し、具体的には受領開口を有し、具体的には中心軸に対して受領装置を同心に包囲する熱処理ユニット、具体的には誘導コイル構造又は冷却ユニットを有し、具体的にはシュリンクチャックの非接触型温度測定のための測定ユニットを有し、その器具はクオシェントパイロメータ有する測定ユニットを提供する、軸型ツールのためのシュリンクチャックの熱処理のため、具体的には誘導加熱又は冷却のための本発明による代替器具、具体的には収縮器具又は冷却器具又は冷却器具を備えた収縮器具にも組み込まれる。
【0060】
クオシェントパイロメータ(二色パイロメータ又は比率パイロメータとも呼ばれる)は、異なる波長で作動するが、通常は一緒に閉じており、同じ目標に方向付けられる、2つの(放射線)検出器を使用する。
【0061】
用語「比率パイロメータ」が使用されるのは、本体上で測定される異なる波長の2つの放射線密度が、クオシェントQを形成するために「比率」で設定され、従って放射率εは除去され(つまり相殺することができ)、温度に依存した表示だけが残るからである。この依存性は、例えば黒体を使用して校正から獲得することができる。次いで温度は、放射率εを知ることなく測定することができる。
【0062】
クオシェントパイロメータは、具体的にはクオシェントパイロメータが温度センサに関連する可能性があり、及び/又はこのような特徴と組み合わせることができる場合に、上記の特徴の全てを備えて構成されることも好ましいことがある。
【0063】
具体的には、ここでは熱処理ユニットが、上述の改良特徴の全てを備えた測定チャネルを有することができることもあり、その中又はそこにクオシェントパイロメータが配置され、それを通ってクオシェントパイロメータが測定を実行する。
【0064】
実質的にリング形状の構造ユニット又は測定リングも、クオシェントパイロメータを具備してもよい。
【0065】
本発明による器具を作動するため、具体的にはシュリンクチャックの加熱又はシュリンクチャックの冷却を誘導するための方法では、受領開口内又は受領領域内に配置されたシュリンクチャックの得られるシェル温度は、次いで受領装置/受領領域内に配置されたシュリンクチャックの複数の温度センサを使用して、具体的には複数の温度センサによって検出されたシェル温度を使用して確認される。
【0066】
これは、例えばシュリンクチャックの異なる材料/表面(若しくは異なる放射率ε)に対して、例えば異なるように校正された、例えば異なる構成/測定設定を有する温度センサの恩恵により、又は異なる波長範囲における測定範囲を有する温度センサ(クオシェントパイロメータ参照)の恩恵により実現されてもよく、次いで得られるシェル温度は、複数の温度センサから確認された測定/測定値から決定される。
【0067】
換言すると、異なる校正/設定、具体的には異なる放射率εが複数の温度センサで設定され、複数の温度センサからの測定が比較され及び/又は一緒に処理され、これらから得られるシェル温度が決定されることがある。
【0068】
数学的には、ここでは具体的に、複数の温度センサの測定がある比率に設定される場合に、放射率εを除去することができるという利点を証明することができる。
【0069】
これは、例えば少なくとも1つの温度センサにおける校正/設定又は調節が、異なる型の第2のセンサからの測定を使用して実行され、又は異なる型の第2のセンサからの測定の使用を通して、得られるシェル温度を、具体的には複数の温度センサからの測定から決定する方法を決定する恩恵により実現されることもある。
【0070】
例えばこれは、具体的にはシュリンクチャックの表面(色)が、距離センサからの測定を使用して修正される、反射センサを使用して反射測定によって確認される恩恵により可能になるはずである。次いでこれに依存した手法で、(a)プリセットがその又は1つの温度センサで実行され、次いで温度センサを使用して測定を実行され、又は(b)複数のプリセット温度センサからの測定がそれに応じて処理されることが可能である。
【0071】
しかし驚くべきことに、温度制限内で、及び特定の周波数範囲内で、放射挙動は、異なる表面条件下でわずかな差異しか表さないことも観察することができた。このようにして温度は、シュリンクチャックの表面条件と無関係に好都合な周波数範囲内で作動する、単一の適切なセンサ、例えば温度センサ又はパイロメータ、具体的には単一の傾斜センサを使用して、これらの温度制限内で十分に正確に測定することが可能になる。
【0072】
収縮器具の作動は、好ましくは誘導コイル構造として構成された熱処理装置によって包囲された、受領装置内のシュリンクチャックが誘導加熱され、上記シュリンクチャックがこうして膨張されること、及び得られるシェル温度を使用して加熱作動が制御されることからなることがある。
【0073】
別法として、冷却ユニットとして構成された熱処理装置によって包囲された、受領装置内のシュリンクチャックは冷却され、得られるシェル温度を使用して冷却作動は制御される。
【0074】
この制御は、例えば得られるシェル温度に依存した手法で、熱処理ユニットに供給された電流の変形若しくは適合及び/又は制御を通して実行されてもよい。
【0075】
本発明の好都合な改良の上記は、個々の従属請求項で集合的に組み合わせた一部の場合に提示された多くの特徴を含む。しかし上記特徴は、更に有意義な組み合わせを形成するために個々に及び組み合わせて考慮することも好都合であることがある。
【0076】
一部の用語は、本明細書及び/又は特許請求の範囲でそれぞれの場合に単数形又は数字と併せて使用されているが、本発明の範囲は、上記用語の単数形又はそれぞれの数字に限定されることを意図するものではない。更に単語「a」又は「an」は、数字としてではなく、不定冠詞として理解されるべきである。
【0077】
本発明の上述の特性、特徴及び利点、並びにこれらを達成する方法は、本発明の例示的実施形態の以下の記載と併せてより明確になり、より明確に理解され、これは図面/図(同一の部品/構成要素及び機能は、図面/図では同じ参照指定で示されている)と併せてより詳細に論じられる。
【0078】
例示的実施形態は本発明の説明に役立ち、本発明をその中に明記された機能的特徴を含む特徴の組み合わせに限定しない。更にこの目的のために、各例示的実施形態の適切な特徴は明らかに、単独で考慮され、一例示的実施形態から取り出され、別の例示的実施形態を補足するために別の例示的実施形態に導入され、あらゆる請求項と組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図面では:
図1】一実施形態により、測定を非接触で実行する複数の温度センサを具備した誘導コイル構造を備えた収縮器具を示す。
図2】透視図において図1による収縮器具の誘導コイル構造を示す。
図3図1による収縮器具の誘導コイル構造を通る半径方向部分を示す。
図4図1による収縮器具の誘導コイル構造を通る軸方向部分を示す。
図5】透視図において、一実施形態による冷却器具を備え、冷却器具に一体化した測定リングを備えた収縮器具を示す。
図6】片面から示された、図5による冷却器具を備え、冷却器具に一体化した測定リングを備えた収縮器具を示す。
図7】透視図において、図5による収縮器具の測定リングを示す。
図8図5による収縮器具の測定リングの機能の概略図である。
図9a】2つの図における更なる測定リングを示す。
図9b】2つの図における更なる測定リングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
非接触型温度測定を備えた収縮器具(図1図4
図1は、測定を非接触で実行する複数の温度センサ16を具備した誘導コイル構造12を有する、シュリンクチャック4の中に又はシュリンクチャック4から、軸型ツール6若しくは(示されたような)ミリングツール6を収縮嵌合又は収縮ベースの除去120のための収縮器具2を示す。
【0081】
図2図4は、誘導コイル構造12を異なる図/部分で詳細に示す。
【0082】
図1に示されたように、収縮嵌合又は収縮ベースの除去120の目的で、収縮器具2は、そのコイル軸10に沿って変位可能であり、シュリンクチャック4を誘導加熱120する役に立つ(具体的には図2図4参照)誘導コイル構造12、及びシュリンクチャック4を処理して加熱制御160するための(概略的に例示された)制御ユニット28を有する。
【0083】
この場合図1に例示されたシュリンクチャック4は、スリーブ部分32として、円筒状中空クランプ領域34を含み、円筒状中空クランプ領域34は、ツール又はミラーシャフト40を挿入するためにシュリンクチャック4の前面端部38で面開口36を介してアクセス可能である。
【0084】
シュリンクチャック4のクランプ領域34は、上記ツールシャフトがシュリンクチャック4の(誘導)加熱120により、それ自体が公知の手法でクランプ作用により嵌合できるように、ツールシャフト40より若干小さい公称直径を有する。焼き嵌め状態において、ツール又はミラーシャフト40は、回転ツール6の前作動部分42上にトルクを伝達するために、摩擦締まり嵌めを通して回転して結合保持される。
【0085】
収縮ベースの除去については、熱膨張によりツール又はミラーシャフト40を除去するために再度解放されるまで、シュリンクチャック4のみが片面で加熱120される場合も同様である。
【0086】
ここでは図1図4に示されたように、誘導コイル構造12は、シュリンクチャック4のための受領開口8をそのコイル軸10を中心に同心に包囲する。
【0087】
誘導コイル構造12の、そのコイル軸10に沿った軸方向変位により、シュリンクチャック4は、誘導コイル構造12に関連して所望の暖め/加熱位置に運ばれる(図1参照)。この目的のために、停止要素、例えばポールディスクを誘導コイル構造上に提供することも可能である。
【0088】
図1図3及び図4から具体的に見られるように、電磁交番磁場を発生するために、誘導コイル構造12はコイルハウジング18内にコイル巻線24を含む。
【0089】
加熱120中にシュリンクチャック4のシェル温度を検出できるために、複数の、この場合には6つの、測定チャネル22は、それぞれが受領開口8に開き、誘導コイル構造12を通ってコイル軸10に対して半径方向に延在する。
【0090】
ここでは6つの測定チャネル22は、図3及び図4に示されたように、誘導コイル構造12の軸方向中心領域44内でコイル軸10に対して同じ軸方向の高さで、その軸方向端部の間でコイル軸10を中心にほぼ均一のピッチで配置され、コイル巻線24は、これらを解放されたままにしておくように6つの測定チャネル22に巻き付けられる。それぞれの測定チャネル22のコイル側内部部分46は、誘導コイルハウジング50の外壁48内の凹部26と(ひいては誘導コイルハウジング50の外壁48内の合計6つの凹部とも)位置合わせされる。
【0091】
誘導コイルハウジング50の、6つの、凹部26のそれぞれの中に、それぞれに1つずつの温度センサ16が挿入され、温度センサ16は、測定を非接触で実行し、この場合、放射線検出器16又はパイロメータ16であり、放射線検出器16又はパイロメータ16は、熱放射を(非接触で)測定し、その温度センサは、コイル巻線24内の「そのそれぞれの」測定チャネル22を通って、シュリンクチャック4によって放射された熱放射を検出する。
【0092】
制御ユニット28は、ケーブル52によって温度センサ16に入力側で結合され、従って上記温度センサから測定信号を受信し、この測定信号は、測定するべきシュリンクチャック4の得られるシェル/表面温度を獲得するために、制御ユニット28内で一緒に処理140される。第1の簡略な手法では、これは例えば平均値の計算によって実行される。例えば測定するべきシュリンクチャックの確認した得られるシェル/表面温度が、特定の設定温度を超える場合、誘導コイル構造の加熱電力は低減160される。
【0093】
この方法で、シュリンクチャック4の加熱120中、温度制御は、例えば誘導コイル構造への電流供給が制御ユニット28によって、得られるシェル温度に依存する手法で影響160される恩恵により、確認した得られるシェル温度に基づいて実行することができる。
【0094】
クオシェントパイロメータによる非接触型温度測定機能付き収縮器具(図1図4参照)
図1図4は、参照指定30(カッコ内)、「クオシェントパイロメータ」によって示された修正として、クオシェントパイロメータ30を具備した誘導コイル構造12を、この修正された場合に、備えたシュリンクチャック4の中に又はシュリンクチャック4からの、軸型ツール6若しくは(示されたように)ミリングツール6の収縮嵌合又は収縮ベースの除去120のための代替収縮器具2も示す。
【0095】
代替収縮器具のこの実施形態は、6つの測定チャネル22内に/において着座し、これらを通って測定を実行する6つの温度センサ/放射線検出器16の代わりに、図1図4に示されたように、測定チャネル22の1つの中に/においてそれに応じて配置された、単一のクオシェントパイロメータ30が使用されるという点のみが前の実施形態と異なる。従って得られるシェル/表面温度は、ここではクオシェントパイロメータ30による測定のみから獲得される。
【0096】
収縮器具2に関する前の記述の全ては同様にここに適用するので、繰り返す必要はない。
【0097】
非接触型温度測定機能付き冷却器具を備えた収縮器具(図5図8
図5及び図6は、(特許文献3)に詳細に提供され、記載されたような((特許文献3)の図1及び図4、並びに[0014]~[0026]参照)冷却器具12を備えた収縮器具2を示し、その内容は本出願に(参照文書として)組み込まれる。
【0098】
図5((特許文献3)(参照文書)の図4も参照されたい)及び図6((特許文献3)(参照文書)の図1も参照されたい)によって提示されたように、冷却器具12は、枠又はスタンド70上に変位可能に案内され、冷却されるべきシュリンクチャック4の一部の上に装着することができる、少なくとも1つの冷却取付具74を含む、冷却ヘッド72を有する。冷却取付具74は、受領開口8((特許文献3)における通路開口6参照)を含み、その内輪郭/直径は、(冷却取付具74を冷却されるべきシュリンクチャック4に押し付け/装着することができるように)冷却されるべきシュリンクチャック4(図示せず)のその部分の外輪郭/直径に適合される。
【0099】
収縮器具2及びその冷却器具12に関する更なる詳細については、(特許文献3)((特許文献3)の図1及び図4並びに[0014]~[0026]参照)を参照されたい。
【0100】
図5及び図6にも示されたように、測定又はセンサリング56(これは特定の円形リング部分の上で開く)(図7参照(代替センサリングは図9a及び図9bに示されている))は、冷却取付具74に一体化され、その測定又はセンサリングにより、冷却取付具74又はその受領開口8に受領されるシュリンクチャック4のシェル温度は、非接触で測定できる。上記一体化は、冷却取付具74の下縁部において、測定リング56(図7参照)が、冷却ヘッド72又は冷却取付具74の中心軸10に対して(その中心軸58と)同軸に配置されるものである。
【0101】
ここでは、測定リング56の内径は、冷却取付具74の内径(その下端部における)と実質的に等しく、従ってそれによって上記測定リングは、受領開口8の一部である。
【0102】
図7は、測定リング56を「上部で」切り開いた状態で測定リング56を詳細に示し、測定リング56のハウジング76の中を見ることができる。
【0103】
図7に例示されたように、測定リング56は、ほぼ閉じたリング形状の本体であり、その開口部分で互いに対向して据えられた2つのリング突出部88、90を備える。
【0104】
図7にも示されたように、測定リング56の本体を形成する測定リングハウジング76内に、異なる型の受領された数個のセンサ60、16、62、96、98、詳細には図7に図解で例示された、測定リング56の左手突出部88内の3つの相互に隣接して配置された赤外線温度センサ16と、送信機78及び受信機80を含む超音波距離センサ60、62、96と、図7に図解で例示された測定リング56の右手突出部90内の反射センサ60、62、98とが存在する。
【0105】
これらのセンサ60、16、62、96、98の全ては、それぞれの測定方向が中心軸58、10に向かって半径方向に方向付けられるように、測定リング56又はそのハウジング76内に受領される。この目的のために、測定リングハウジング76は、そこにセンサ60、16、62、96、98が配置され、それを通して上記センサが半径方向内方に測定を実行できる、半径方向内部通路又は開口92も提供する。
【0106】
図示されていない実施形態では、センサ60、16、62、96、98はまた、多くの場合に円錐形状からなるシュリンクチャック4の外殻に対して実質的に垂直に配向されてもよい。
【0107】
ライン(図示せず)を介して、センサ60、16、62、96、98は、センサ60、16、62、96、98からの測定信号が、この場合は具体的に冷却取付具74内に受領されたシュリンクチャック4の得られるシェル温度を確認140する目的で、処理のために上記マイクロ制御装置に供給されるように、同様に測定リング56内又はそのハウジング76内に受領されたマイクロ制御装置86(処理ユニット66)に接続される。
【0108】
次いでマイクロ制御装置86は、供給ライン84を介して冷却器具12の制御ユニット68、又は略して制御装置68に接続され、上記マイクロ制御装置は、得られるシェル温度などのその信号を制御装置68に送信する。次いで制御装置68は、現在確認されたシェル温度に依存する手法で(冷却取付具74内に受領されたシュリンクチャック4の)冷却作動120を制御160することができる。
【0109】
図7にも示されたように、測定リング56は、2色のLED(発光ダイオード)82、94の形のLED(熱)状態表示器64を提供し、2色のLED(発光ダイオード)82、94は、2つの突出部88、90の面側に配置され、従って使用者に見え、その一方は赤色82であり、他方は緑色94であり、同様にマイクロ制御装置86を介して制御装置68に接続され、制御装置68によって制御もされる。
【0110】
点灯している緑色LED(発光ダイオード)94は、例えば素手で安全に触れることができる程度に冷却したシュリンクチャック4の熱状態を示し、点灯している赤色LED(発光ダイオード)82は、まだ(十分に)冷めていないシュリンクチャック4の熱状態を示す。赤色に点滅している赤色LED(発光ダイオード)82は、冷却配置12により冷却動作が活性化していることを示す。
【0111】
図8は、様々なセンサ60、16、62、96、98によって実行された測定中、又は冷却によって冷却されるべきであり、若しくは冷却取付具74内に受領されたシュリンクチャック4のシェル/表面温度の確認140中の、様々なセンサ60、16、62、96、98の機能100又は相互作用200、及び制御160を示す。
【0112】
測定リング56又はそのセンサ60、16、62、96、98(及び発光ダイオード82、94)は、(1)一体化した測定リング56を備えた冷却取付具74が、冷却するべきシュリンクチャック4上で上から下方に動くとすぐ、(2)シュリンクチャック4が冷却取付具74内に受領される(及び(制御装置68によって制御した手法で(注:制御装置68は、冷却時間その他などの冷却パラメータを、任意選択でシュリンクチャック4の確認された表面温度又は表面の色を使用して設定する))冷却される)冷却作動120中、並びに(3)一体化した測定リング56を備えた冷却取付具74が、シュリンクチャック4から持ち上げられ、シュリンクチャック4から上方に押されるまで(全体として例えば「測定段階」/「測定サイクル」と呼ばれる)、活性化され又は活性状態に切り替えられる。
【0113】
測定又は測定段階((1)~(3))の開始及び終了は、距離測定によって、シュリンクチャック4が測定リング56内に据えられているかどうかを検出220する、(超音波)距離センサ62、96又は78/80によって(自動的に)確認され得る。
【0114】
(マイクロ制御装置86によって実行される)温度測定又は温度確認140中、測定リング56内に受領されたシュリンクチャック4の表面又は表面の色は、次いで距離センサ62、96、78、80によって確認された距離値を使用して、反射センサ62、98によって確認(200)される。つまりこの場合、詳細にはシュリンクチャック4が、黒色の表面を有するか否かである。
【0115】
この情報に基づいて、測定リング56内に受領された3つの赤外線温度センサ16のうち、測定リング56内に(現在)受領されているシュリンクチャック4の現在の表面(「黒色」/「黒色以外」若しくは「銀色」、「白色」)に(予め)設定した/校正した、赤外線温度センサ16が、温度確認/計算140のために選択180される。
【0116】
ここでは測定リング56の場合、1つ目の3つの赤外線温度センサ16は、黒色表面(「黒色温度センサ」)に設定/校正される一方で、その他の2つの赤外線温度センサ16は、非黒色表面、例えば銀色及び白色(「非黒色温度センサ」)に設定/校正される。
【0117】
反射センサ62、98によって、「黒色」シュリンクチャック4が測定リング56内で検出された場合は、温度確認140は単一の「黒色」赤外線温度センサ16を使用して実行され、「非黒色」シュリンクチャック4が測定リング56内で検出された場合は、温度確認140はその他の2つの「非黒色」温度センサ16を使用して、例えば2つの「非黒色」温度センサ16、16’の値から平均値を計算することにより実行される。
【0118】
次いで冷却120の制御160は、測定リング56内に据えられたシュリンクチャック4のこうして確認された表面/シェル温度に基づいて実行され、LED(熱)状態表示発光ダイオード82、94及び64は、確認された表面/シェル温度に応じて作動160される。
【0119】
詳細には、発光ダイオードは、ここでは(1)冷却取付具74がまず冷却されるべき(高温の)シュリンクチャック4の上に測定リング56で押される場合、赤色に点灯している赤色発光ダイオード82は、シュリンクチャック4又はその表面/シェルの高温状態を示すように制御され得る。
【0120】
次に冷却取付具74がシュリンクチャック4の上に完全に押され、冷却作動120が開始すると(2)、赤色発光ダイオード82は、冷却作動120中に点滅し、「冷却」120を示す。
【0121】
冷却作動120が終了し、冷却取付具74が上昇(3)すると、シュリンクチャック4が依然として熱過ぎる場合に、赤色発光ダイオード82が点灯し、シュリンクチャック4が十分に冷めた場合に、緑色発光ダイオード94が点灯する。赤色を点灯した発光ダイオード82が、依然としてシュリンクチャック4が熱過ぎることを示す場合に、再度シュリンクチャック4の上に冷却取付具74を押すことができ、更なる冷却作動120を実行することができる。
【0122】
任意選択で冷却作動120全体が温度確認140に自動的に結合され、それによって制御160されることも可能である。
【0123】
更に(予め設定した)赤外線温度センサ16の選択が反射測定(98)に基づいて行われるだけでなく、1つ又は複数の赤外線温度センサ16の設定も、現在の反射測定(98)に基づいて実行されることも可能であるはずである。次いで(現在)この方法で設定されている1つ又は複数の赤外線温度センサ16は、シュリンクチャック4のシェル/表面温度の温度確認140のために使用することができる。任意選択で、距離センサ(96、78、80)による反射測定(98)の「訂正」を省略することも可能である。
【0124】
追加として、上述の測定リング56に対応する測定リング56も、そこで誘導コイル構造12(図1図4参照)の受領開口8内に配置されたシュリンクチャック4のシェル温度を測定するために、1つの/その収縮器具2の誘導コイル構造12に配置されてもよいことも指摘されている。これに応じて、上述の測定リング56に対応する測定リング56が、独立して又は個々に作動する別個の冷却器具12に配置されることも可能である。
【0125】
図9a及び図9bは、冷却取付具74に一体化することができる代替測定リング56(代替測定リング56は、その機能について同じ方法で使用可能であり、又は使用される)を示し、図9aは、上記測定リングを全体的に示し、図9bは、上記測定リングを「上部で」切り開いた状態で詳細に示す。
【0126】
図9aに示されたように、この測定リング56はほぼ閉じたリング形状本体でもあり、その開口部分で互いに対向して据えられた2つのリング突出部88、90を備える。
【0127】
図9aにも(及び図9bに詳細に)示されたように、測定リング56の本体を形成する測定リングハウジング76内に、単一の温度センサ60、詳細には図9aに図解で例示された測定リング56の左手突出部88内の赤外線温度センサ16’が受領される。
【0128】
これと無関係に、測定リング56以外の保持装置を温度センサ16’に設けることも可能である。
【0129】
温度センサ60又は16’は、孔54を具備する。
【0130】
図7に従って)上述した測定リング56とは対照的に、この温度センサ60又は16’は、この場合、中心軸10に対して約45°の角度αだけ傾斜するように測定リングハウジング76内に受領される。
【0131】
ライン(図示せず)を介して、温度センサ60又は16’は、同様に測定リング56内又はそのハウジング76内に受領されたマイクロ制御装置86(処理ユニット66、見えない)に接続されるので、温度センサ60又は16’からの測定信号は、処理するために、この場合、具体的には冷却取付具74内に受領されたシュリンクチャック4のシェル温度を確認(140)する目的で、上記マイクロ制御装置に供給される。
【0132】
マイクロ制御装置86は、今度は供給ライン84を介して冷却器具12の制御ユニット68、又は略して制御装置68に(見えない手法で)接続され、上記マイクロ制御装置はシェル温度などのその信号を制御装置68に送信する。
【0133】
次いで制御装置68は、現在のシェル温度に依存する手法で、(冷却取付具74内に受領されたシュリンクチャック4の)冷却作動120を制御160することができる。
【0134】
図9aにも示されたように、測定リング56は、2色のLED(発光ダイオード)82、94の形のLED(熱)状態表示器64を提供し、2色のLED(発光ダイオード)82、94は、2つの突出部88、90の面側に配置され、従って使用者に見え、その一方は赤色82であり、他方は緑色94であり、同様にマイクロ制御装置86を介して制御装置68に接続されて、制御装置68によって制御もされる。
【0135】
点灯している緑色LED(発光ダイオード)94は、例えば素手で安全に触れることができる程度に冷却されたシュリンクチャック4の熱状態を示し、点灯している赤色LED(発光ダイオード)82は、まだ(十分に)冷めていないシュリンクチャック4の熱状態を示す。赤色LED(発光ダイオード)82の赤色点滅は、冷却配置12による冷却作動が活性化していることを示す。
【0136】
本発明は、好ましい例示的実施形態によってより詳細に例示され記載されているが、本発明は、開示された例によって制限されず、他の変形が、本発明の保護範囲から逸脱することなく、これらから派生されてもよい。
【符号の説明】
【0137】
参照指定のリスト:
2 熱処理用器具、収縮器具、冷却器具、冷却器具を備えた収縮器具
4 シュリンクチャック
6 軸型/回転ツール、ミラー/ミリングツール
8 受領装置、受領開口
10 中心軸、コイル軸
12 熱処理ユニット、誘導コイル構造、冷却器具/ユニット
14 測定ユニット
16、16’ 温度センサ、放射線検出器を備えたパイロメータ、放射線検出器
18 (コイル)ハウジング
20 凹部
22 測定チャネル
24 コイル巻線
26 貫通凹部
28 制御ユニット
30 クオシェントパイロメータ
32 スリーブ部分
34 クランプ領域
36 面開口
38 前面端部
40 ツールシャフト、ミラーシャフト
42 前作動部分
44 軸方向中心領域
46 コイル側内部部分
48 外壁
50 誘導コイルハウジング
52 ケーブル
54 焦点調整装置、遮蔽装置、孔
56 (環状)構造ユニット、測定/センサリング
58 (環状)構造ユニット/測定リングの中心軸
60 センサ
62 異なる型の第2のセンサ、距離センサ、光学(距離)センサ、超音波センサ、レーザセンサ、(赤外線)反射センサ
64 表示装置、(LED)(熱)状態表示器
66 処理ユニット
68 制御装置、制御ユニット
70 スタンド
72 冷却ヘッド
74 冷却取付具
76 (測定リング)ハウジング
78 送信機
80 受信機
82 (赤色)発光ダイオード
84 供給ライン
86 マイクロ制御装置
88 (左)突出部
90 (右)突出部
92 通路、凹部
94 (緑色)発光ダイオード
96 (超音波)距離センサ
98 反射センサ
100 方法
120 熱処理、加熱、収縮ベースの挿入/除去、冷却
140 得られるシェル/表面温度の確認
160 熱処理の制御、加熱/冷却の制御、加熱電力又は電流供給の制御
180 異なる型の第2のセンサ(62)を使用して少なくとも1つの(第1の)温度センサ(16)における校正/設定又は調節の実行、少なくとも1つの(第1の)温度センサ(16)の、異なる型の第2のセンサ(62)との相互作用
200 異なる型の1つ目の第2のセンサ(62)の、異なる型の2つ目の第2のセンサ(62)との相互作用
220 異なる型の第2のセンサを使用して受領装置(8)内に受領されたシュリンクチャック(4)の検出
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
【外国語明細書】