IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧 ▶ 韓国科学技術院の特許一覧

特開2022-136027発光素子とその製造方法及びその駆動方法
<>
  • 特開-発光素子とその製造方法及びその駆動方法 図1
  • 特開-発光素子とその製造方法及びその駆動方法 図2
  • 特開-発光素子とその製造方法及びその駆動方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136027
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】発光素子とその製造方法及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220908BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220908BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20220908BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H05B33/14 B
C09K11/06 660
H05B33/14 Z
H05B33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032581
(22)【出願日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0029052
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】592127149
【氏名又は名称】韓国科学技術院
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】291,Daehak-ro Yuseong-gu,Daejeon 34141,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 圭 榮
(72)【発明者】
【氏名】白 武 鉉
(72)【発明者】
【氏名】郭 丞 燕
(72)【発明者】
【氏名】孫 源 ジュン
(72)【発明者】
【氏名】崔 ヒョン 豪
(72)【発明者】
【氏名】金 承 泰
(72)【発明者】
【氏名】白 昇 烈
(72)【発明者】
【氏名】鄭 振 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 晟 漢
(72)【発明者】
【氏名】崔 炳 基
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC01
3K107CC06
3K107DD21
3K107DD26
3K107DD44X
3K107DD44Y
3K107DD45X
3K107DD45Y
3K107DD57
3K107DD58
3K107DD64
3K107DD66
3K107DD67
3K107DD71
3K107DD74
3K107DD77
3K107DD78
3K107DD84
3K107FF13
3K107FF15
3K107HH02
(57)【要約】
【課題】発光素子とその製造方法及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明の発光素子は、第1導電性膜と、下記化学式1で表される発光グループと、を有し、発光グループは、第1導電性膜の表面の原子に化学的に結合される。
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
化学式1に関する詳細な説明は、本明細書に記載されている箇所を参照する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電性膜と、
下記化学式1で表される発光グループと、を有し、
前記発光グループは、前記第1導電性膜の表面の原子に化学的に結合されることを特徴とする発光素子。
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
前記化学式1で、
*は、前記第1導電性膜の表面の原子との化学的結合サイトであり、
は、前記第1導電性膜の表面の原子に結合された原子であり、
は、連結基であり、
は、発光モイエティであり、
m1及びm2は、互いに独立して、1~10の整数であり、m1が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なり、m2が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なる。
【請求項2】
前記第1導電性膜は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、アクチニウム(Ac)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、セリウム(Ce)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、炭素、窒素、酸素、又はそれらの任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1導電性膜の表面には、複数の発光グループを含む単分子膜が配され、
前記複数の発光グループを含む単分子膜は、前記第1導電性膜の表面に直接接触することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
前記単分子膜の厚みは、0.1nm~5.0nmであることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記単分子膜は、自己組織化単分子膜であることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
【請求項6】
前記化学式1の*は、前記第1導電性膜の表面の金属、半金属、炭素、窒素、又は酸素との化学的結合サイトであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1導電性膜は、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、又はそれらの任意の組み合わせを含み、
前記化学式1の*は、前記第1導電性膜の表面の銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、又はスズ(Sn)との化学的結合サイトであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項8】
前記化学式1のAは、O又はSであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項9】
前記化学式1のAは、単一結合、置換若しくは非置換のC-C60アルキレン基、置換若しくは非置換のC-C60アルキニレン基、置換若しくは非置換のC-C60アルケニレン基、置換若しくは非置換のC-C30炭素環基、又は置換若しくは非置換のC-C30ヘテロ環基であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項10】
前記化学式1のAは、リン光性発光化合物、蛍光性発光化合物、又は量子ドットに由来する一価基であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項11】
前記化学式1のAは、遷移金属含有有機金属化合物に由来する一価基であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項12】
前記化学式1のAは、蛍光性発光化合物に由来する一価基であり、
蛍光は、瞬間蛍光(prompt fluorescence)又は遅延蛍光(delayed fluorescence)であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項13】
前記第1導電性膜に対向する第2導電性膜を更に含み、
前記化学式1のAは、前記第2導電性膜に向けて配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項14】
前記第1導電性膜と前記第2導電性膜との間に中間層が配され、
前記中間層は、
正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、又はそれらの任意の組み合わせ、或いは
絶縁物質、電解質、空気、又は不活性ガスを含むことを特徴とする請求項13に記載の発光素子。
【請求項15】
前記発光グループの電子密度は、前記第1導電性膜に印加される電圧の変化により変化することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項16】
前記発光グループから放出される光の波長は、前記第1導電性膜に印加される電圧の変化により変化することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項17】
前記発光グループから放出される光の波長は、前記第1導電性膜に印加される電圧の連続する変化により連続して変化することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項18】
第1導電性膜を提供する段階と、
前記第1導電性膜と下記化学式1Aで表される化合物とを接触させ、前記第1導電性膜の表面の原子に下記化学式1で表される発光グループを化学的に結合させる段階と、を有することを特徴とする発光素子の製造方法。
〔化1A〕
-A-(Am1-(A2)m2
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
前記化学式1A及び前記化学式1で、
は、任意のモイエティであり、
*は、前記第1導電性膜の表面の原子との化学的結合サイトであり、
は、前記第1導電性膜の表面の原子に結合された原子であり、
は、連結基であり、
は、発光モイエティであり、
m1及びm2は、互いに独立して、1~10の整数であり、m1が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なり、m2が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なる。
【請求項19】
請求項1乃至17のいずれか一項に記載の発光素子の第1導電性膜に印加される電圧を制御する段階を有することを特徴とする発光素子の駆動方法。
【請求項20】
前記発光素子の第1導電性膜に印加される電圧を制御する段階は、前記発光素子の第1導電性膜に印加される電圧を連続的又は不連続的に変化させる段階を含むことを特徴とする請求項19に記載の発光素子の駆動方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子とその製造方法及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、各種ディスプレイ、光源のような装置に使用される多様な発光素子に対する研究が活発に進められている。そのうち、有機発光素子(organic light emitting device)は、自発光型素子であり、視野角、応答時間、輝度、駆動電圧、及び応答速度などの特性に優れ、多色化が可能である。
【0003】
一例によると、有機発光素子は、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に配されて発光層を含む有機層を有する。アノードと発光層との間には正孔輸送領域が具備され、発光層とカソードとの間には電子輸送領域が具備される。アノードから注入された正孔は正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は電子輸送領域を経由して発光層に移動する。正孔と電子とは、発光層領域で再結合されて励起子(exciton)を生成する。励起子が励起状態から基底状態に変わりながら光が生成される。
【0004】
そのような有機発光素子とは別個に、有機発光素子とは異なる構造及び発光メカニズムを有する次世代発光素子への開発の必要性も続けて要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-39713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、新規の発光素子とその製造方法及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による発光素子は、
第1導電性膜(first conductive layer)と、
下記化学式1で表される発光グループと、を有し、
前記発光グループは、前記第1導電性膜の表面の原子に化学的に結合される。
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
前記化学式1で、
*は、前記第1導電性膜の表面の原子との化学的結合サイトであり、
は、前記第1導電性膜の表面の原子に結合された原子であり、
は、連結基であり、
は、発光モイエティであり、
m1及びm2は、互いに独立して、1~10の整数であり、m1が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なり、m2が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なる。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による発光素子の製造方法は、
第1導電性膜を提供する段階と、
前記第1導電性膜と下記化学式1Aで表される化合物とを接触させ、前記第1導電性膜の表面の原子に下記化学式1で表される発光グループを化学的に結合させる段階と、を有する。
〔化1A〕
-A-(Am1-(A2)m2
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
前記化学式1A及び前記化学式1で、Aは、任意のモイエティであり、*、A、A、A、m1及びm2に関する説明は、それぞれ上述の箇所を参照する。
【0009】
前記発光素子の製造方法は、前記発光素子の第1導電性膜に印加される電圧を制御する段階を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発光素子の発光グループは、第1導電性膜の表面の原子に化学的に結合されるため、第1導電性膜に印加される電圧を制御することにより、発光素子及び/又は発光グループの分子構造の変更なしに、発光グループから放出される光の強度及び/又は最大発光波長を自由に制御することができる。従って、発光素子は、多様なディスプレイ、光源、モニタなどに多様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一具現例による発光素子を概略的に示した断面図である。
図2】他の具現例による発光素子を概略的に示した断面図である。
図3】実施例1で作製された発光素子1に印加された電圧別PL(photoluminescence)スペクトルを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1に関する説明≫
【0014】
図1の発光素子10は、第1導電性膜11及び発光グループ13を含む。
【0015】
第1導電性膜11は、任意の導電性物質を含む。
【0016】
一具現例によると、第1導電性膜11は、金属、半金属、炭素、窒素、酸素、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0017】
例えば、第1導電性膜11は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、アクチニウム(Ac)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、セリウム(Ce)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、炭素、窒素、酸素、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0018】
他の具現例によると、第1導電性膜11は、金属、半金属、窒素、酸素、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0019】
更に他の具現例によると、第1導電性膜11は、金属、半金属、酸素、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0020】
更に他の具現例によると、第1導電性膜11は、上述のような金属、半金属、又はそれらの任意の組み合わせを含み、選択的に(optionally)酸素を更に含む。
【0021】
例えば、第1導電性膜11は、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、又はそれらの任意の組み合わせを含む。一具現例によると、第1導電性膜11は、Au膜である。
【0022】
更に他の例として、第1導電性膜11は、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、又はそれらの任意の組み合わせを含み、それに加えて酸素を更に含む。一具現例によると、第1導電性膜11は、ITO(indium tin oxide)膜である。
【0023】
発光グループ13は、第1導電性膜11の表面の原子(例えば、本明細書に記載されるような金属、半金属、炭素、窒素、酸素、又はそれらの任意の組み合わせ)に化学的に結合される。それは、任意の発光化合物分子が所定の電極上に任意の蒸着法(例えば、真空蒸着法など)、及び/又は任意のコーティング法(例えば、スピンコーティング法、レーザプリント法など)を介して、ランダムでありながらも物理的に積層される構造とは明確に区分される。
【0024】
第1導電性膜11の表面には複数の発光グループ13を含む単分子膜(monolayer)が配され、複数の発光グループ13を含む単分子膜は第1導電性膜11の表面に直接(directly)接触する。それは、後述するように、発光グループ13が下記化学式1で表され、上記化学式1で、*は第1導電性膜11の表面の原子との化学的結合サイトという点から明確に把握することができる。
【0025】
複数の発光グループ13を含む単分子膜の厚みDは、発光グループ13の長さによって異なり、例えば0.1nm~5.0nm、或いは0.5nm~2.0nmである。
【0026】
複数の発光グループ13を含む単分子膜は、発光グループ13以外に発光グループ13とは異なる任意のグループを更に含む。例えば、複数の発光グループ13を含む単分子膜は、下記化学式1で表されるグループのうちのAを含まないグループを更に含む。下記化学式1で表されるグループのうちのAを含まないグループは、複数の発光グループ13を含む単分子膜の形成時に、AとAとの結合が切れるか、或いはAとAとが結合されずに生成されたものである。
【0027】
複数の発光グループ13を含む単分子膜は、自己組織化単分子膜(self-assembled monolayer)である。従って、第1導電性膜11の上部には、複数の発光グループ13を含む自己組織化単分子膜が直接接触して配される。
【0028】
発光グループ13は、下記化学式1によって表される。
【0029】
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
【0030】
上記化学式1で、*は、第1導電性膜11の表面の原子との化学的結合サイトである。
【0031】
一具現例によると、上記化学式1の*は、第1導電性膜11の表面の金属、半金属、炭素、窒素、又は酸素との化学的結合サイトである。
【0032】
例えば、第1導電性膜11の表面の原子は金属を含み、金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、アクチニウム(Ac)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、セリウム(Ce)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0033】
更に他の例として、第1導電性膜11の表面の原子は半金属を含み、半金属は、ホウ素(B)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0034】
一具現例によると、第1導電性膜11は、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、又はそれらの任意の組み合わせを含み、上記化学式1の*は、第1導電性膜11の表面の銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、又はスズ(Sn)との化学的結合サイトである。
【0035】
上記化学式1のAは、発光グループ13を第1導電性膜11の表面に固定させる役割を行う原子であり、第1導電性膜11の表面の原子に結合された原子である。Aは、例えばO又はSである。
【0036】
上記化学式1のAは連結基であり、上記化学式1で、AとAとを互いに連結させて発光グループ13にロバスト性を提供する役割を行う。例えば、Aは、第1導電性膜11に電圧を印加するときに、発光モイエティであるAに電荷を伝達する役割を行うため、発光モイエティであるAとの共役系を提供するグループのうちから選択される。
【0037】
例えば、上記化学式1のAは、単一結合、置換若しくは非置換のC-C60アルキレン基、置換若しくは非置換のC-C60アルケニレン基、置換若しくは非置換のC-C60アルキニレン基、置換若しくは非置換のC-C30炭素環基、又は置換若しくは非置換のC-C30ヘテロ環基である。
【0038】
更に他の例として、上記化学式1のAは、単一結合、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C60アルケニレン基、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C60アルキニレン基、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C30炭素環基、又は少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C30ヘテロ環基である。
【0039】
本明細書において、R10aに関する説明は、本明細書において、R10に関する説明を参照する。
【0040】
更に他の例として、上記化学式1のAは、
単一結合;或いは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C20アルキル基、重水素化C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシルキ、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基(又は、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C-C20アルキル)シクロペンチル基、(C-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C-C20アルキル)シクロオクチル基、(C-C20アルキル)アダマンタニル基、(C-C20アルキル)ノルボルナニル基、(C-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、フェニル基、(C-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C-C20アルケニレン基、C-C20アルキニレン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘプタン基、シクロペンテン基、シクロヘキセン基、シクロヘプテン基、アダマンタン基、ノルボルナン基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、ベンゼン基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、ピロール基、ボロール基、ホスホール基、シクロペンタジエン基、シロール基、ゲルモール基、チオフェン基、セレノフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾボロール基、ベンゾホスホール基、インデン基、ベンゾシロール基、ベンゾゲルモール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾセレノフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾボロール基、ジベンゾホスホール基、フルオレン基、ジベンゾシロール基、ジベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾセレノフェン基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン5-オキシド基、9H-フルオレン-9-オン基、ジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、アザインドール基、アザベンゾボロール基、アザベンゾホスホール基、アザインデン基、アザベンゾシロール基、アザベンゾゲルモール基、アザベンゾチオフェン基、アザベンゾセレノフェン基、アザベンゾフラン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾボロール基、アザジベンゾホスホール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾセレノフェン基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン5-オキシド基、アザ-9H-フルオレン-9-オン基、アザジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、キノキサリン基、キナゾリン基、フェナントロリン基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、アザボロール基、アザホスホール基、アザシクロペンタジエン基、アザシロール基、アザゲルモール基、アザセレノフェン基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアジアゾール基、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン基、又は5,6,7,8-テトラヒドロキノリン基である。
【0041】
上記化学式1で、Aは、発光モイエティであり、リン光性発光化合物、蛍光性発光化合物、又は量子ドットに由来する一価基である。
【0042】
上記化学式1で、Aは、第1導電性膜11に電圧を印加するときに、発光グループ13から放出される光の最大発光波長の変化量を最大値に誘導するように、分子内のHOMO(highest occupied molecular orbital)発色団とLUMO発色団とが相対的に明確に分離される化学構造を有する発光モイエティのうちから選択される。
【0043】
上述のリン光性発光化合物、蛍光性発光化合物、又は量子ドットは、発光素子、例えば有機発光素子の一対の電極間に配される任意のリン光性発光化合物、任意の蛍光性発光化合物、又は任意の量子ドットである。
【0044】
本明細書において、「物質Xに由来する一価基」とは、物質Xにおいて、任意の原子(例えば、水素など)の分離されたサイトが隣接する他原子との結合サイトになった基を意味する。例えば、メタン(CH)に由来する一価基とは、メチル基(*-CH;ここで、*は、任意の他原子との結合サイト)を意味する。
【0045】
一具現例によると、上記化学式1で、Aは、任意の置換基で置換若しくは非置換のフェニル基ではない。
【0046】
一具現例によると、上記化学式1のAは、リン光を放出する有機金属化合物に由来する一価基である。
【0047】
他の具現例によると、有機金属化合物は、遷移金属を含む。従って、上記化学式1のAは、遷移金属含有有機金属化合物に由来する一価基である。
【0048】
他の具現例によると、有機金属化合物は、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、又は金(Au)を含む。従って、上記化学式1のAは、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、又は金(Au)を含む有機金属化合物に由来する一価基である。
【0049】
有機金属化合物は、上述のような遷移金属以外に、遷移金属に結合された少なくとも1つのリガンドを更に含む。少なくとも1つのリガンドは、下記化学式2-1~2-4のうちの一つで表されるリガンドである。
【0050】
【化(2-1)-(2-4)】
【0051】
上記化学式2-1~2-4で、
11乃至A14は、それぞれ独立して、少なくとも1つのR10で置換若しくは非置換のC-C30炭素環基、少なくとも1つのR10で置換若しくは非置換のC-C30ヘテロ環基、又は非環式(non-cyclic)基であり、
11乃至Y14は、それぞれ独立して、化学結合(例えば、共有結合、配位結合など)、O、S、N(R91)、B(R91)、P(R91)、又はC(R91)(R92)であり、
乃至Tは、それぞれ独立して、単一結合、二重結合、*-N(R93)-*’、*-B(R93)-*’、*-P(R93)-*’、*-C(R93)(R94)-*’、*-Si(R93)(R94)-*’、*-Ge(R93)(R94)-*’、*-S-*’、*-Se-*’、*-O-*’、*-C(=O)-*’、*-S(=O)-*’、*-S(=O)-*’、*-C(R93)=*’、*=C(R93)-*’、*-C(R93)=C(R94)-*’、*-C(=S)-*’、又は*-C≡C-*’であり、
上述のR10、及びR91乃至R94は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-SF、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、置換若しくは非置換のC-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC-C60アリール基、置換若しくは非置換のC-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed polycyclic group)、置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)、-N(Q)(Q)、-Si(Q)(Q)(Q)、-Ge(Q)(Q)(Q)、-B(Q)(Q)、-P(=O)(Q)(Q)、又はP(Q)(Q)であり、
、*、*、及び*は、それぞれ有機金属化合物の遷移金属との結合サイトであり、
上述の置換されたC-C60アルキル基、置換されたC-C60アルケニル基、置換されたC-C60アルキニル基、置換されたC-C60アルコキシ基、置換されたC-C10シクロアルキル基、置換されたC-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC-C10シクロアルケニル基、置換されたC-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC-C60アリール基、置換されたC-C60アリールオキシ基、置換されたC-C60アリールチオ基、置換されたC-C60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、又はC-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C10シクロアルキル基、C-C10ヘテロシクロアルキル基、C-C10シクロアルケニル基、C-C10ヘテロシクロアルケニル基、C-C60アリール基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、C-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q11)(Q12)、-Si(Q13)(Q14)(Q15)、-Ge(Q13)(Q14)(Q15)、-B(Q16)(Q17)、-P(=O)(Q18)(Q19)、-P(Q18)(Q19)、又はそれらの任意の組み合わせで置換された、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基又はC-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、C-C60アルコキシ基、C-C10シクロアルキル基、C-C10ヘテロシクロアルキル基、C-C10シクロアルケニル基、C-C10ヘテロシクロアルケニル基、C-C60アリール基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、C-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q21)(Q22)、-Si(Q23)(Q24)(Q25)、-Ge(Q23)(Q24)(Q25)、-B(Q26)(Q27)、-P(=O)(Q28)(Q29)、P(Q28)(Q29)、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C-C10シクロアルキル基、C-C10ヘテロシクロアルキル基、C-C10シクロアルケニル基、C-C10ヘテロシクロアルケニル基、C-C60アリール基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、C-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
-N(Q31)(Q32)、-Ge(Q33)(Q34)(Q35)、-B(Q36)(Q37)、-P(=O)(Q38)(Q39)、又は-P(Q38)(Q39);或いは
それらの任意の組み合わせ;であり、
上述のQ乃至Q、Q11乃至Q19、Q21乃至Q29、及びQ31乃至Q39は、それぞれ独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミジノ基;ヒドラジン基;ヒドラゾン基;カルボン酸基又はその塩;スルホン酸基又はその塩;リン酸基又はその塩;重水素、C-C60アルキル基、C-C60アリール基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC-C60アルキル基;C-C60アルケニル基;C-C60アルキニル基;C-C60アルコキシ基;C-C10シクロアルキル基;C-C10ヘテロシクロアルキル基;C-C10シクロアルケニル基;C-C10ヘテロシクロアルケニル基;重水素、C-C60アルキル基、C-C60アリール基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC-C60アリール基;C-C60アリールオキシ基;C-C60アリールチオ基;C-C60ヘテロアリール基;一価非芳香族縮合多環基;或いは一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;である。
【0052】
一具現例によると、上記化学式2-1~2-4で、A11乃至A14は、それぞれ独立して、
少なくとも1つのR10で置換若しくは非置換の、シクロペンテン基、シクロヘキサン基、シクロヘキセン基、ベンゼン基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、シクロペンタジエン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、チオフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾボロール基、ベンゾホスホール基、インデン基、ベンゾシロール基、ベンゾゲルモール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾセレノフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾボロール基、ジベンゾホスホール基、フルオレン基、ジベンゾシロール基、ジベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾセレノフェン基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン5-オキシド基、9H-フルオレン-9-オン基、ジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、アザインドール基、アザベンゾボロール基、アザベンゾホスホール基、アザインデン基、アザベンゾシロール基、アザベンゾゲルモール基、アザベンゾチオフェン基、アザベンゾセレノフェン基、アザベンゾフラン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾボロール基、アザジベンゾホスホール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾセレノフェン基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン5-オキシド基、アザ-9H-フルオレン-9-オン基、アザジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、キノキサリン基、キナゾリン基、フェナントロリン基、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアジアゾール基、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン基、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン基、アダマンタン基、ノルボルナン基、又はノルボルネン基;或いは
カルボニル基;である。
【0053】
他の具現例によると、上記化学式2-1~2-4で、Y11乃至Y14は、それぞれ独立して、化学結合(例えば、共有結合、配位結合など)、O、又はSである。
【0054】
更に他の具現例によると、上記化学式2-1~2-4で、T乃至Tは、それぞれ独立して、単一結合、*-N(R93)-*’、*-B(R93)-*’、*-P(R93)-*’、*-C(R93)(R94)-*’、*-Si(R93)(R94)-*’、*-Ge(R93)(R94)-*’、*-S-*’、*-Se-*’、又は*-O-*’である。
【0055】
更に他の具現例によると、上記化学式2-1~2-4で、上述のR10、及びR91乃至R94は、それぞれ独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SF、C-C20アルキル基、又はC-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C20アルキル基、重水素含有C-C20アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C-C20アルキル)シクロペンチル基、(C-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C-C20アルキル)シクロオクチル基、(C-C20アルキル)アダマンタニル基、(C-C20アルキル)ノルボルナニル基、(C-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、フェニル基、(C-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、又はそれらの任意の組み合わせで置換された、C-C20アルキル基又はC-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C20アルキル基、重水素含有C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C-C20アルキル)シクロペンチル基、(C-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C-C20アルキル)シクロオクチル基、(C-C20アルキル)アダマンタニル基、(C-C20アルキル)ノルボルナニル基、(C-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、フェニル基、(C-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、フェニル基、(C-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニルギ、又はアザジベンゾチオフェニル基;或いは
-N(Q)(Q)、-Si(Q)(Q)(Q)、-Ge(Q)(Q)(Q)、-B(Q)(Q)、-P(=O)(Q)(Q)、又は-P(Q)(Q);であり、
乃至Qは、それぞれ独立して、
-CH、-CD、-CDH、-CDH、-CHCH、-CHCD、-CHCDH、-CHCDH、-CHDCH、-CHDCDH、-CHDCDH、-CHDCD、-CDCD、-CDCDH、又は-CDCDH;或いは
重水素、C-C20アルキル基、フェニル基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基;である。
【0056】
有機金属化合物は、上記化学式2-1~2-4で表されるリガンド以外に、任意のリガンド、例えば、-F、-Cl、-I、-Br、アセチルアセトネートのようなリガンドを更に含む。
【0057】
更に他の具現例によると、有機金属化合物は、下記化学式2(1)によって表される。
【0058】
【化2(1)】
【0059】
上記化学式2(1)で、
Mは、本明細書に記載されるような遷移金属であり、
11は、本明細書に記載されている箇所を参照し、
11乃至R14は、それぞれ本明細書において、R10に関する説明を参照し、
a11及びa14は、互いに独立して、0~4の整数であり、
a12及びa13は、互いに独立して、0~3の整数である。
【0060】
例えば、上記化学式2(1)で、Y11は、O又はSである。
【0061】
一具現例によると、上記化学式1のAは、下記化合物PD1~PD87のうちの一つに由来する一価基である。
【0062】
【化PD1-PD33】
【化PD34-PD57】
【化PD58-PD81】
【化PD82-PD87】
【0063】
一方、上記化学式1のAは、蛍光を放出する任意の化合物である蛍光性発光化合物に由来する一価基である。
【0064】
蛍光は、瞬間蛍光(prompt fluorescence)、遅延蛍光(delayed fluorescence)などである。遅延蛍光は、熱活性化遅延蛍光(thermally activated delayed fluorescence)である。
【0065】
一具現例によると、蛍光性発光化合物は、任意の熱活性化遅延蛍光エミッタである。熱活性化遅延蛍光エミッタは、熱活性化遅延蛍光放出メカニズムにより、遅延蛍光を放出する任意の化合物のうちから選択される。
【0066】
熱活性化遅延蛍光エミッタの三重項エネルギーレベル(eV)と熱活性化遅延蛍光エミッタの一重項エネルギーレベル(eV)との差(絶対値)は、0eV以上0.5eV以下である。熱活性化遅延蛍光エミッタの三重項エネルギーレベル(eV)と熱活性化遅延蛍光エミッタの一重項エネルギーレベル(eV)との差が上述のような範囲を満足することにより、三重項状態から一重項状態への逆エネルギー移動(up-conversion)が効果的になされ、熱活性化遅延蛍光エミッタは、高効率の遅延蛍光を放出することができる。
【0067】
例えば、蛍光性発光化合物は、アミノ基含有縮合環化合物、ドナー及びアクセプタを含む化合物、ボロン含有化合物などである。
【0068】
例えば、蛍光性発光化合物は、下記化学式501で表される化合物である。
【0069】
【化501】
【0070】
上記化学式501で、
Ar501は、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換の、ナフタレン基、ヘプレン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、カルバゾール基、ベンゾフルオレン基、ジベンゾフルオレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ナフタセン基、ピセン基、ペリレン基、ペンタフェン基、又はインデノアントラセン基であり、
501乃至L503は、それぞれ独立して、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C30炭素環基、又は少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C30ヘテロ環基であり、
501及びR502は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、又はジベンゾチオフェニル基であり、
xd1乃至xd3は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
xd4は、0~4の整数である。
【0071】
例えば、上記化学式501のxd4は、2~4の整数である。
【0072】
本明細書において、R10aに関する説明は、本明細書において、R10に関する説明を参照する。
【0073】
上記化学式501で表される化合物は、瞬間蛍光を放出する。
【0074】
例えば、上記化学式1のAは、下記化合物FD1~FD14のうちの一つ、又は下記化合物FD(1)~FD(17)のうちの一つに由来する一価基である。
【0075】
【化FD1-FD8】
【化FD9-FD14】
【0076】
【化FD(1)-FD(10)】
【化FD(11)-FD(17)】
【0077】
更に他の具現例によると、蛍光性発光化合物は、下記化学式11で表される化合物を含む。
【0078】
【化11】
【0079】
上記化学式11で、Xは、単一結合、N-[(Lc4-R]、C(R)(R)、O、又はSである。
【0080】
例えば、Xは、単一結合である。
【0081】
上記化学式11で、環CY及び環CYは、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、インデン基、インドール基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾシロール基、フルオレン基、カルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、又はジベンゾシロール基である。
【0082】
例えば、環CY及び環CYは、互いに独立して、ベンゼン基、フルオレン基、カルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、又はジベンゾシロール基であり、環CY及び環CYのうちの少なくとも一つはベンゼン基である。
【0083】
及びLは、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C30炭素環基、又は少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換のC-C30ヘテロ環基である。
【0084】
例えば、L及びLは、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換若しくは非置換の、ベンゼン基、ナフタレン基、フルオレン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、カルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、又はインドロカルバゾール基である。
【0085】
c3及びc4は、それぞれL及びLの個数を示したものであり、互いに独立して、0~4の整数である。c3が2以上である場合、2以上のLは、互いに異なるか又は同一であり、c4が2以上である場合、2以上のLは、互いに同一であるか又は異なる。例えば、c3及びc4は、互いに独立して、0、1、又は2であるが、それに限定されるものではない。c3が0である場合、*-(Lc3-*’は、単一結合になり、c4が0である場合、*-(L)c-*’は、単一結合になる。
【0086】
上記化学式11で、R乃至Rに関する説明は、それぞれ本明細書において、R10に関する説明を参照する。
【0087】
一具現例によると、上記化学式11で、Rは、少なくとも1つのπ電子欠乏性含窒素環状基を含む。
【0088】
本明細書において、「π電子欠乏性含窒素環状基」とは、少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する環状基を含む基を意味するものであり、例えば、π電子欠乏性含窒素環状基は、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、インダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、シンノリン基、フェナントリジン基、アクリジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、ベンゾイミダゾール基、イソベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソベンゾオキサゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、チアジアゾール基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、アザインデン基、アザインドール基、アザベンゾフラン基、アザベンゾチオフェン基、アザベンゾシロール基、アザフルオレン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン基、又はアザジベンゾシロール基である。
【0089】
更に他の具現例によると、上記化学式11でRは、
重水素、C-C10アルキル基、C-C10アルコキシ基、フェニル基、(C-C10アルキル)フェニル基、ジ(C-C10アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジ(フェニル)フェニル基、ジ(ビフェニル)フェニル基、(ピリジニル)フェニル基、ジ(ピリジニル)フェニル基、(ピリミジニル)フェニル基、ジ(ピリミジニル)フェニル基、(トリアジニル)フェニル基、ジ(トリアジニル)フェニル基、ピリジニル基、(C-C10アルキル)ピリジニル基、ジ(C-C10アルキル)ピリジニル基、(フェニル)ピリジニル基、ジ(フェニル)ピリジニル基、(ビフェニル)ピリジニル基、ジ(ビフェニル)ピリジニル基、(ターフェニル)ピリジニル基、ビ(ターフェニル)ピリジニル基、(ピリジニル)ピリジニル基、ジ(ピリジニル)ピリジニル基、(ピリミジニル)ピリジニル基、ジ(ピリミジニル)ピリジニル基、(トリアジニル)ピリジニル基、ジ(トリアジニル)ピリジニル基、ピリミジニル基、(C-C10アルキル)ピリミジニル基、ジ(C-C10アルキル)ピリミジニル基、(フェニル)ピリミジニル基、ジ(フェニル)ピリミジニル基、(ビフェニル)ピリミジニル基、ジ(ビフェニル)ピリミジニル基、(ターフェニル)ピリミジニル基、ビ(ターフェニル)ピリミジニル基、(ピリジニル)ピリミジニル基、ジ(ピリジニル)ピリミジニル基、(ピリミジニル)ピリミジニル基、ジ(ピリミジニル)ピリミジニル基、(トリアジニル)ピリミジニル基、ジ(トリアジニル)ピリミジニル基、トリアジニル基、(C-C10アルキル)トリアジニル基、ジ(C-C10アルキル)トリアジニル基、(フェニル)トリアジニル基、ジ(フェニル)トリアジニル基、(ビフェニル)トリアジニル基、ジ(ビフェニル)トリアジニル基、(ターフェニル)トリアジニル基、ビ(ターフェニル)トリアジニル基、(ピリジニル)トリアジニル基、ジ(ピリジニル)トリアジニル基、(ピリミジニル)トリアジニル基、ジ(ピリミジニル)トリアジニル基、(トリアジニル)トリアジニル基、ジ(トリアジニル)トリアジニル基、フルオレニル基、ジ(C-C10アルキル)フルオレニル基、ジ(フェニル)フルオレニル基、ジ(ビフェニル)フルオレニル基、カルバゾリル基、(C-C10アルキル)カルバゾリル基、(フェニル)カルバゾリル基、(ビフェニル)カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、(C-C10アルキル)ジベンゾフラニル基、(フェニル)ジベンゾフラニル基、(ビフェニル)ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、(C-C10アルキル)ジベンゾチオフェニル基、(フェニル)ジベンゾチオフェニル基、(ビフェニル)ジベンゾチオフェニル基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、イソインドリル基、インドリル基、フラニル基、チオフェニル基、シロリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフラカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサジリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザインデニル基、アザインドリル基、アザベンゾフラニル基、アザベンゾチオフェニル基、アザベンゾシロリル基、アザフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、又はアザジベンゾシロリル基である。
【0090】
或いは、蛍光性発光化合物は、下記化学式14Aで表される化合物を含む。
【0091】
【化14A】
【0092】
上記化学式14Aで、R21乃至R25は、それぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、C-C10アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、又はターフェニル基である。
【0093】
一具現例によると、上記化学式1で、Aは、下記化合物D1-1~D1-19のうちの一つに由来する一価基である。
【0094】
【化(D1-1)-(D1-12)】
【化(D1-13)-(D1-19)】
【0095】
一方、上記化学式1のAは、任意の量子ドットに由来する一価基である。
【0096】
量子ドットは、半導体化合物の結晶を意味し、結晶の大きさによって異なる長さの発光波長を放出する全ての物質を包括する。量子ドットの直径は、例えば約1nm~10nmである。
【0097】
量子ドットは、III-VI族半導体化合物、II-VI族半導体化合物、III-V族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、IV族元素又はその化合物、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0098】
例えば、III-VI族半導体化合物は、Inのような二元化合物;AgInS、AgInS、CuInS、CuInSのような三元化合物;又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0099】
例えば、II-VI族半導体化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgSのような二元化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnSのような三元化合物;CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeのような四元化合物;又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0100】
例えば、III-V族半導体化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbのような二元化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNPのような三元化合物;GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbのような四元化合物;又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0101】
例えば、IV-VI族半導体化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeのような二元化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeのような三元化合物;SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeのような四元化合物;又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0102】
例えば、IV族元素又はその化合物は、Si、Geのような単一元素化合物;SiC、SiGeのような二元化合物;又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0103】
上述の二元化合物、三元化合物、又は四元化合物に含まれるそれぞれの元素は、均一な濃度で粒子内に存在するか、或いは濃度分布が部分的に異なる状態に分けられ、同一粒子内に存在する。
【0104】
一方、量子ドットは、当該量子ドットに含まれるそれぞれの元素の濃度が均一な単一構造又はコア・シェルの二重構造を有する。例えば、コアに含まれる物質とシェルに含まれる物質とは、互いに異なる。
【0105】
量子ドットのシェルは、コアの化学的変性を防止し、半導体特性を維持するための保護層の役割、及び/又は量子ドットに電気泳動特性を付与するためのチャージング層(charging layer)の役割を行う。シェルは、単層又は多重層である。コアとシェルとの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有する。
【0106】
量子ドットのシェルの例としては、金属又は非金属の酸化物、半導体化合物、或いはそれらの組み合わせなどを挙げることができる。例えば、金属又は非金属の酸化物は、SiO、Al、TiO、ZnO、MnO、Mn、Mn、CuO、FeO、Fe、Fe、CoO、Co、NiOのような二元化合物、又はMgAl、CoFe、NiFe、CoMnのような三元化合物を含むが、それらに限定されるものではない。例えば、半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSbなどを例示することができるが、それらに限定されるものではない。
【0107】
量子ドットの形態は、具体的には、球形、ピラミッド形、多重枝形(multi-arm)、或いは立方体(cubic)のナノ粒子・ナノチューブ・ナノワイヤ・ナノファイバ・ナノ板状粒子などの形態であるが、それらに限定されるものではない。
【0108】
上記化学式1で、m1及びm2は、それぞれA及びAの個数を示したものであり、互いに独立して、1~10の整数である。m1が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なり、m2が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なる。例えば、m1は、1~5であり、m2は、1又は2である。
【0109】
図2に関する説明≫
【0110】
図2は、他の具現例による発光素子20を概略的に示した断面図である。
【0111】
発光素子20の第1導電性膜11、発光グループ13、及び複数の発光グループ13を含む単分子膜の厚みDに関する説明は、それぞれ図1における発光素子10の第1導電性膜11、発光グループ13、及び複数の発光グループ13を含む単分子膜の厚みDに関する説明をそれぞれ参照する。
【0112】
発光素子20は、第1導電性膜11に対向する第2導電性膜19を更に含み、発光素子20の発光グループ13、即ち上記化学式1のAは、第2導電性膜19に向けて配される。
【0113】
第1導電性膜11はアノードであり、第2導電性膜19はカソードである。例えば、第2導電性膜19用物質としては、相対的に低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、又はそれらの任意の組み合わせを使用することができる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg-In)、マグネシウム・銀(Mg-Ag)などを、第2導電性膜19の形成用物質として使用することができる。
【0114】
第1導電性膜11と第2導電性膜19との間には、発光グループ13以外に中間層15が更に配される。発光グループ13の少なくとも一部は、中間層15内に含まれるように配される。
【0115】
中間層15は、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、又はそれらの任意の組み合わせ;或いは絶縁物質、電解質、空気、又は不活性ガス;を含み、発光素子20の構造を維持し、発光グループ13の内部における電荷移動を補助する役割を行う。
【0116】
中間層15に含まれる正孔輸送物質、発光物質、及び電子輸送物質は、通常の有機発光素子の一対の電極間に配される任意の正孔輸送物質、任意の発光物質、及び任意の電子輸送物質のうちから選択される。
【0117】
また、中間層15が、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、又はそれらの任意の組み合わせを含む場合、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、バッファ層、又はそれらの任意の組み合わせを含む正孔輸送領域(hole transport region)、及び/或いは正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又はそれらの任意の組み合わせを含む電子輸送領域(electron transport region)を含む。
【0118】
正孔輸送物質として、例えば、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、methylated-NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式201で表される化合物、下記化学式202で表される化合物、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0119】
【化(m-MTDATA)-HMTPD】
【0120】
【化201】
【0121】
【化202】
【0122】
上記化学式201で、Ar101及びAr102は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、C-C60アルコキシ基、C-C10シクロアルキル基、C-C10シクロアルケニル基、C-C10ヘテロシクロアルキル基、C-C10ヘテロシクロアルケニル基、C-C60アリール基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、C-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、又はペンタセニレン基である。
【0123】
上記化学式201で、xa及びxbは、互いに独立して、0~5の整数、又は0、1、又は2である。例えば、xaは、1であり、xbは、0である。
【0124】
上記化学式201及び上記化学式202で、上述のR101乃至R108、R111乃至R119、及びR121乃至R124は、それぞれ独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など)、又はC-C10アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基など);
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、又はそれらの任意の組み合わせで置換された、C-C10アルキル基又はC-C10アルコキシ基;或いは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C10アルキル基、C-C10アルコキシ基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、又はピレニル基;である。
【0125】
上記化学式201で、R109は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジニル基、又はそれらの任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、又はピリジニル基である。
【0126】
発光物質としては、有機発光素子の発光層に使用される任意のホストを使用することができる。
【0127】
ホストの例としては、TPBi、TBADN、ADN(「DNA」という)、CBP、CDBP、TCP、mCP、化合物H50、化合物H51、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0128】
【化TPBi-H51】
【0129】
電子輸送物質は、例えば、BCP、Bphen、Alq3、Balq、TAZ、NTAZ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0130】
【化BCP-NTAZ】
【0131】
一方、中間層15は、目的により、画素定義膜などに使用される絶縁物質、各種電池に使用される電解質、空気、又はアルゴンガスなどの不活性ガスを含む。
【0132】
上述の図1及び図2の発光素子(10、20)の第1導電性膜11に電圧を印加すると、第1導電性膜11の表面に化学的に結合される発光グループ13のそれぞれから光が放出される。
【0133】
一具現例によると、図1及び図2の発光素子(10、20)の第1導電性膜11に印加される電圧の変化(例えば、電圧強度変化)により、発光グループ13の電子密度が変化する。
【0134】
他の具現例によると、図1及び図2の発光素子(10、20)の第1導電性膜11に印加される電圧の変化により、発光グループ13から放出される光の波長が変化する。
【0135】
更に他の具現例によると、図1及び図2の発光素子(10、20)の第1導電性膜11に印加される電圧の連続する変化により、発光グループ13から放出される光の波長が連続して変化する。
【0136】
図1及び図2の発光素子(10、20)は、発光グループ13が第1導電性膜11の表面の原子に化学的に直接結合されているため、第1導電性膜11に印加される電圧を制御することにより、発光素子(10、20)及び/又は発光グループ13の分子構造の変更なしに、発光グループ13から放出される光の強度及び/又は最大発光波長を自由に制御することができる。即ち、発光グループ13の化学的構造、及び/又は発光素子(10、20)の構造変更ではない第1導電性膜11に印加される電圧を制御することにより、発光素子(10、20)から放出される光を制御することができる。それは、任意の発光化合物分子が所定の電極上に任意の蒸着法(例えば、真空蒸着法など)及び/又は任意のコーティング法(例えば、スピンコーティング法、レーザプリント法など)を介して、ランダムでありながらも物理的に積層されており、所定の電極に印加される電圧を変化させても発光化合物分子から放出される光の強度及び/又は最大発光波長が変化することがない他の発光素子とは明確に区分される。従って、発光素子(10、20)は、多様なディスプレイ、光源、モニタなどに多様に適用される。
【0137】
また、所定の色純度、半幅値、及び/又は最大発光波長を有する光を放出する発光素子(10、20)の作製のために、発光グループ13の耐熱性及び/又は電気的安定性を犠牲にしてまで発光グループ13の置換基などを制御する必要がない。即ち、耐熱性及び電気的安定性に優れる発光グループ13を第1導電性膜11の表面の原子に化学的に結合させて、発光素子(10、20)を作製した後、発光グループ13から放出される光の色純度、半幅値、及び/又は最大発光波長は、第1導電性膜11に印加される電圧を制御することによって達成することができる。従って、図1及び図2の発光素子(10、20)の寿命に影響を及ぼす発光グループ13の耐熱性及び/又は電気的安定性の犠牲なしに、発光素子(10、20)から放出される光は、容易に制御される。
【0138】
図1の発光素子10の製造方法は、
第1導電性膜11を提供する段階と、
第1導電性膜11と下記化学式1Aで表される化合物とを接触させ、第1導電性膜11の表面の原子に下記化学式1で表される発光グループ13を化学的に結合させる段階と、を有する。
【0139】
〔化1A〕
-A-(Am1-(A2)m2
【0140】
〔化1〕
*-A-(Am1-(Am2
【0141】
上記化学式1A及び上記化学式1で、
は、任意のモイエティであり、
*は、第1導電性膜11の表面の原子との化学的結合サイトであり、
は、第1導電性膜11の表面の原子に結合された原子であり、
は、連結基であり、
は、発光モイエティであり、
m1及びm2は、互いに独立して、1~10の整数であり、m1が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なり、m2が2以上である場合、2以上のAは、互いに同一であるか又は異なる。
【0142】
上記化学式1A及び上記化学式1で、*、A、A、A、m1、及びm2のそれぞれに関する説明は、本明細書に記載されている箇所を参照する。
【0143】
一具現例によると、上記化学式1Aで、Aは、水素、又は置換若しくは非置換のC-C60アルキル基である。
【0144】
他の具現例によると、上記化学式1Aで表される化合物は、本明細書に記載されているようなリン光性発光化合物、蛍光性発光化合物、又は量子ドットにおいて、任意の水素がヒドロキシル基(-OH)又はチオール基(-SH)で置換された化合物である。
【0145】
更に他の具現例によると、上記化学式1Aで表される化合物は、例えば、下記化合物PD80A、PD86A、D1-19A、又はFD(17)Aである。
【0146】
【化PD80A-FD(17)A】
【0147】
更に他の具現例によると、第1導電性膜11と上記化学式1Aで表される化合物とを接触させ、第1導電性膜11の表面の原子に上記化学式1で表される発光グループ13を化学的に結合させる段階は、上記化学式1Aで、AがSであり、Aが水素である場合、金属(例えば、Au)・チオール反応によって遂行される。
【0148】
なお、図2の中間層15は、発光グループ13が化学的に結合された第1導電性膜11上に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成される。
【0149】
真空蒸着法によって中間層15を形成する場合、その蒸着条件は、中間層15の材料として使用する化合物、目的とする中間層15の構造、及び熱的特性などによって異なり、例えば、蒸着温度約100~約500℃、真空度約10-8~約10-3torr、蒸着速度約0.01~約100Å/secの範囲のうちから選択される。
【0150】
スピンコーティング法によって中間層15を形成する場合、コーティング条件は、中間層15の材料として使用する化合物、目的とする中間層15の構造、及び熱的特性によって異なり、約2,000rpm~約5,000rpmのコーティング速度で行われ、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃~200℃の温度範囲のうちから選択される。
【0151】
或いは、発光素子20の中間層15は、第1導電性膜11と第2導電性膜19との間にスペーサを配して間隙を確保した後、毛細管現象を利用して、絶縁物質、電解質、空気、又は不活性ガスなどを、第1導電性膜11と第2導電性膜19との間に充填することによって形成される。
【0152】
上述の図1及び図2の発光素子(10、20)の駆動方法は、発光素子(10、20)の第1導電性膜11に印加される電圧を制御する段階を含む。それにより、発光素子(10、20)の発光グループ13から放出される光の強度及び/又は最大発光波長を制御することができる。
【0153】
例えば、発光素子(10、20)の第1導電性膜11に印加される電圧を制御する段階は、発光素子の第1導電性膜に印加される電圧を連続的又は不連続的に変化させる段階を含む。
【0154】
以下、合成例及び実施例を通じて、発光素子について更に具体的に説明する。
【0155】
〔実施例〕
【0156】
≪合成例1(化合物PD86A)≫
【0157】
【化CPD86A】
【0158】
<中間体PD86A-1の合成>
【0159】
2,6-ジクロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン6.70g(24.5mmol)、1-ブロモ-3,5-ジ-tert-ブチルベンゼン7.90g(29.4mmol)、Pd(PPh)4 1.41g(1.22mmol)、及び炭酸カリウム10.1g(73.4mmol)を、テトラヒドロフラン(THF)80mLと水40mLとの混合物に入れた後、24時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、抽出を通じて水溶液層を除去した後、シリカゲルで減圧濾過して得られた濾過液を減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体PD86A-1 2.40g(収率29%)を得た。
液体クロマトグラフィー/質量(LC-Mass)分析(計算値:335.12g/mol、測定値:M+1=336g/mol)
【0160】
<中間体PD86A-2の合成>
【0161】
中間体PD86A-1 2.30g(6.84mmol)、(2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸1.00g(7.18mmol)、Pd(PPh 0.553g(0.479mmol)、及び炭酸カリウム3.78g(27.4mmol)を、THF 25mLと水12mLとの混合物に入れた後、16時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、抽出を通じて水溶液層を除去した後、シリカゲルで減圧濾過して得られた濾過液を減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体PD86A-2 2.10g(収率78%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:393.19g/mol、測定値:M+1=394g/mol)
【0162】
<中間体PD86A-3の合成>
【0163】
4-(メチルチオ)フェニルボロン酸5.00g(29.8mmol)、2-ブロモ-4-ヨードピリジン8.45g(29.8mmol)、Pd(PPh 3.44g(2.98mmol)、及び炭酸カリウム12.3g(89.3mmol)を、THF 100mLと水50mLとの混合物に入れた後、24時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、抽出を通じて水溶液層を除去した後、シリカゲルで減圧濾過して得られた濾過液を減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体PD86A-3 6.30g(収率76%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:278.97g/mol、測定値:M+1=280g/mol)
【0164】
<中間体PD86A-4の合成>
【0165】
中間体PD86A-3 6.00g(21.4mmol)、(3-ブロモフェニル)ボロン酸4.73g(23.6mmol)、Pd(PPh 1.24g(1.07mmol)、及び炭酸カリウム8.88g(64.2mmol)を、THF 70mLと水35mLとの混合物に入れた後、4時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、抽出を通じて水溶液層を除去した後、シリカゲルで減圧濾過して得られた濾過液を減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体PD86A-4 5.40g(収率71%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:355.00g/mol、測定値:M+1=356g/mol)
【0166】
<中間体PD86A-5の合成>
【0167】
中間体PD86A-4 1.50g(4.21mmol)を窒素置換条件下で、THF 20mLに溶かした後、-78℃まで冷却し、n-BuLi 3.16mL(ヘキサン5.05mmol内の1.6M溶液)を徐々に添加した後、30分間撹拌した。その後、2-イソプロピル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン1.72mL(8.42mmol)を徐々に添加し、30分後に室温まで昇温させた後、12時間撹拌した。反応終了後、抽出を通じて有機層を分離した後、減圧濃縮し、目的化合物である中間体PD86A-5を得た後、追加精製なしに、次の反応に活用した。
【0168】
<中間体PD86A-6の合成>
【0169】
中間体PD86A-2 1.20g(3.05mmol)、中間体PD86A-5 1.35g(3.35mmol)、Pd(PPh 0.246g(0.213mmol)、炭酸カリウム1.26g(9.14mmol)、及び水酸化バリウム0.157g(0.914mmol)を、THF 12mLと水6mLとの混合物に入れた後、18時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、抽出を通じて水溶液層を除去した後、シリカゲルで減圧濾過して得られた濾過液を減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体PD86A-6 1.05g(収率54%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:634.30g/mol、測定値:M+1=635g/mol)
【0170】
<中間体PD86A-7の合成>
【0171】
中間体PD86A-6 0.150g(0.242mmol)とKPtCl 0.120g(0.290mmol)とを、酢酸3mLと水0.5mLとの混合物に入れた後、20時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、濾過して得られた固体を水で洗浄し、目的化合物である中間体PD86A-7 0.041g(収率21%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:827.25g/mol、測定値:M+1=828g/mol)
【0172】
<化合物PD86Aの合成>
【0173】
中間体PD86A-7 40mg(0.0484mmol)とエタンチオールナトリウム40mg(80%、0.386mmol)をDMF 1mL溶液に入れた後、20時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、NHCl(水溶液(aq.))溶液を添加して生成された固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、化合物PD86A(6mg、収率15%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:813.24g/mol、測定値:M+1=814g/mol)
【0174】
≪合成例2(化合物D1-19A)≫
【0175】
【化C(D1-19A)】
【0176】
<中間体D1-19A-1の合成>
【0177】
9-(4-(4-クロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル)-9H-カルバゾール5.00g(11.6mmol)、4-(メチルチオ)フェニルボロン酸2.14g(12.7mmol)、Pd(PPh 1.34g(1.15mmol)、及び炭酸カリウム4.79g(34.7mmol)を、THF 40mLと水20mLとの混合物に入れた後、12時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、抽出を通じて水溶液層を除去した後、シリカゲルで減圧濾過して得られた濾過液を減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体D1-19A-1 4.73g(収率79%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:520.17g/mol、測定値:M+1=521g/mol)
【0178】
<化合物D1-19Aの合成>
【0179】
中間体D1-19A-1 1.00g(1.92mmol)とエタンチオールナトリウム1.62g(80%、15.4mmol)とを、DMF 10mL溶液に入れた後、24時間還流撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、アイスバスに入れた後、3N HCl溶液を120mL添加して生成された固体を濾過し、再結晶を介して分離させ、化合物D1-19A(0.41g、収率42%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:506.16g/mol、測定値:M+1=507g/mol)
【0180】
≪合成例3(化合物FD(17)A)≫
【0181】
【化CFD(17)A】
【0182】
<中間体FD(17)A-1の合成>
【0183】
[1-[(3,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル)(3,5-ジメチル-2H-ピロール-2-イリデン)メチル]-4-ヨードベンゼン](ジフルオロボラン)([1-[(3,5-Dimethyl-1H-pyrrol-2-yl)(3,5-dimethyl-2H-pyrrol-2-ylidene)methyl]-4-iodobenzene](difluoroborane))0.420g(0.933mmol)、トリイソプロピルシランチオール(triisopropylsilanethiol)0.249g(1.31mmol)、Pd(PPh 0.065g(0.0560mmol)、及び炭酸セシウム0.426g(1.40mmol)を、トルエン10mLに入れた後、100℃で20時間撹拌した。反応終了後、常温まで冷却し、NHCl(水溶液)溶液10mLを添加した後、抽出を通じて水溶液層を除去し、減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、目的化合物である中間体FD(17)A-1 0.40g(収率82%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:512.27g/mol、測定値:M+1=513g/mol)
【0184】
<化合物FD(17)Aの合成>
【0185】
中間体FD(17)A-1 0.30g(0.586mmol)を、THF 3mlとEtOH 3mLとの混合物に入れた後、(濃縮(conc.))HCl 0.20mL(2.34mmol)を入れて5時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮して溶媒を除去した後、DCMに溶かして濾過し、更に減圧濃縮した。そこから得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し、上記化合物FD(17)A(0.125g、収率60%)を得た。
LC-Mass分析(計算値:356.13g/mol、測定値:M+1=357g/mol)
【0186】
≪実施例1≫
【0187】
Au膜をピラニア溶液(piranha solution)に1時間浸して取り出して洗浄した後、つや出し紙(polishing paper)を利用して、表面を滑らかに処理した後、0.1M硫酸溶液に浸し、サイクリックボルタンメトリ(cyclic voltammetry)を10サイクル遂行し、Au膜の表面の異物を完全に除去した。その後、0.15M KCl溶液に、Au膜を浸し、クロノアンペロメトリ(chronoamperometry)とサイクリックボルタンメトリとを活用して、Au膜の表面を更に洗浄した。次に、Au膜を、化合物FD(17)Aとエチルアルコールとの混合物(5mMの濃度)に浸した後、Au膜の表面のAuと化合物FD(17)Aとの化学反応が起こるように一日保管した後で洗浄し、Au膜の表面のAuと下記化学式FD(17)Bで表される発光グループとが化学的に結合される発光素子1を作製した。
【0188】
【化FD(17)B】
【0189】
上記化学式FD(17)Bにおいて、*は、Au膜の表面のAuとの化学的結合サイトである。
【0190】
≪評価例1≫
【0191】
発光素子1に対する印加電圧を、下記表1に記載されているように変更させながら、キセノン(xenon)ランプが装着されているISC PC1分光蛍光計(spectrofluorometer)を利用して、印加電圧別発光素子1のPL(photoluminescence)スペクトル(常温におけるもの)を測定した。それにより、それぞれの印加電圧に対する発光素子1の最大発光波長及び色純度(CIE座標及びCIE座標)を評価し、その結果を下記表1及び図3に示した。
【0192】
【表1】
【0193】
上記表1から、発光素子1は、印加電圧の変化により、多様な波長及び色純度を有する光を放出するということを確認することができる。
【0194】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0195】
10、20 発光素子
11 第1導電性膜
13 発光グループ
15 中間層
19 第2導電性膜

図1
図2
図3