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特開2022-136044生産設備の機械にリソースを配分する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136044
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】生産設備の機械にリソースを配分する方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220908BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20220908BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220908BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022033447
(22)【出願日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】202110245904.0
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519003745
【氏名又は名称】エーティーアンドエス (チャイナ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ファン チョウ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ リー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブレナー
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA08
3C100AA16
3C100AA22
3C100AA43
3C100BB03
3C100BB12
3C100BB13
3C100EE07
5L049AA09
5L049CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生産設備の機械に対するリソースの配分を改善することであり、特に、納期遵守を改善し、機械の再装備によるメンテナンスコストを低減し、及び/又はキャパシティ利用率の最大化を図る。
【解決手段】リソース(104)の計画需要及び各リソース(104)の需要偏差を示す予測データを受信するステップと、数回の反復において各リソース(104)の新規需要を生成するステップと、反復ごとに新規需要にキャパシティを割り当てるステップと、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせ(106)を将来の時間帯に割り当てるロールアウトプランを生成するステップとを含み、生成するステップにおいて、ロールアウトプランは、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせの総数が最小になるように生成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産設備(100)の機械(102)にリソース(104)を配分する方法であって、
前記リソース(104)の計画需要(214)及び需要偏差(216)を示す予測データ(204)を受信するステップと、
数回の反復において前記リソース(104)の前記計画需要(214)及び前記需要偏差(216)から各リソース(104)の新規需要(220)を生成するステップと、
リソースと機械の組み合わせ(106)を決定することによって反復ごとに前記新規需要(220)にキャパシティを割り当てるステップと、
ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせ(106)を将来の時間帯に割り当てるロールアウトプラン(228)を生成するステップと、を含み、
前記割り当てるステップにおいて、優先度ルール(226;226a、226b、226c、226d、226e)に基づいて各リソース(104)及び各機械(102)の優先度を決定され、前記リソースと機械の組み合わせ(106)は、前記優先度に従って前記リソース(104)と前記機械(102)を組み合わせることによって決定され、
前記生成するステップにおいて、前記ロールアウトプラン(228)は、ロールアウトされる前記リソースと機械の組み合わせ(106)の総数が最小になるように、異なる反復における前記リソースと機械の組み合わせ(106)と、各リソースと機械の組み合わせ(106)に対する推定ロールアウト時間とから生成される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記優先度ルール(226;226a、226b、226c、226d、226e)は、外部サプライヤによって提供できるリソース(104)が外部サプライヤによって提供できないリソース(104)より優先度が低くなるように、前記リソース(104)が外部サプライヤによって提供できるかどうかに応じて各リソース(104)の前記優先度を決定するための第1の優先度ルール(226;226a)を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
前記生産設備(100)の前記機械(102)は、異なる機械種別(A、B、C、D)に割り当てられ、より低い機械種別(A、B、C、D)の機械(102)は、より高い機械種別(A、B、C、D)の機械(102)よりも加工精度が低く、及び/又はより少ない数のリソース(104)と互換性があり、
前記優先度ルール(226;226a、226b、226c、226d、226e)は、より低い機械種別(A、B、C、D)の機械(102)が、より高い機械種別(A、B、C、D)の機械(102)よりも優先度が高くなるように、前記機械(102)の前記機械種別(A、B、C、D)に応じて各機械(102)の前記優先度を決定するための第2の優先度ルール(226;226b)を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法であって、
リソース(104)ごとに利用可能な機械(102)の数を決定し、
前記優先度ルール(226;226a、226b、226c、226d、226e)は、利用可能な機械(102)の数がより少ないリソース(104)が、利用可能な機械(102)の数がより多いリソース(104)よりも優先度が高くなるように、前記リソース(104)に対する利用可能な機械(102)の数に応じて各リソース(104)の前記優先度を決定するための第3の優先度ルール(226;226c)を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法において、
機械(102)ごとに利用可能なリソース(104)の数を決定し、
前記優先度ルール(226;226a、226b、226c、226d、226e)は、利用可能なリソース(104)の数がより少ない機械(102)が、利用可能なリソース(104)の数がより多い機械(102)よりも優先度が高くなるように、前記機械(102)に対する利用可能なリソース(104)の数に応じて各機械(102)の前記優先度を決定するための第4の優先度ルール(226;226d)を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法において、
前記優先度ルール(226;226a、226b、226c、226d、226e)は、計画需要(214)及び/又は新規需要(220)がより少ないリソース(104)が、計画需要(214)及び/又は新規需要(220)がより多いリソース(104)よりも優先度が高くなるように、前記リソース(104)に対する前記計画需要(214)及び/又は新規需要(220)に応じて各前記リソース(104)の前記優先度を決定するための第5の優先度ルール(226;226e)を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法において、
各リソース(104)の前記新規需要(220)は、前記リソース(104)の前記計画需要(214)及び前記需要偏差(216)によって規定される需要範囲(223)から値をランダムに選択することによって生成されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記需要偏差(216)は、過去の計画需要及び前記過去の計画需要に対する過去の実際需要から算出されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法において、
現在の反復における前記リソースと機械の組み合わせ(106)は、前回の反復からの前記リソースと機械の組み合わせ(106)に応じて決定されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法において、
各リソース(104)は、前記機械(102)のうちの少なくとも1つによって使用される特定のツールであり、及び/又は
各機械(102)は、回路基板に穴をあけるように適合されたレーザ穴あけ機械であることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の前記方法を実行するための装置(218、224)を備えることを特徴とするデータ処理装置(208)。
【請求項12】
コンピュータプログラムがコンピュータ(208)によって実行される際に、前記コンピュータ(208)に請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行させるコマンドを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項13】
コンピュータ(208)によって実行される際に、前記コンピュータ(208)に請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行させるコマンドを含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備の機械にリソースを配分する方法に関し、さらに、前記方法を実行するデータ処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板を生産するための生産設備などの大型生産設備には、異なる種類の製品を製造するための様々な機械が含まれる。リソースを機械に配分することは複雑なタスクであり、特に、生産設備に異なる加工能力を有する異なる世代の機械が含まれている場合はなおさらである。一般的に、リソースの配分は、適切な時間内に行われるとともに、納期遵守と低メンテナンスコストとの間で良好なバランスをとる必要がある。
【0003】
特許文献1は、工場内で半導体製品の製造プロセスを制御する方法に関する。該プロセスは、製造実行システムのコントローラによって制御される。ターゲットプロファイルは、工場の過去の性能データに基づいて指定され、作業員の経験、工場の現在の状況、及び顧客の需要に基づくウェハ生産計画に基づいて生成することができ、工場の現在の状況に基づいてシミュレータを用いて算出される。
【0004】
特許文献2は、半導体製品を製造するシステムに関し、該システムは、製造される製品のリスト、利用可能な半導体製造ツールのリスト、製品とツールのマトリックスデータベース、及び製品とツールの選択エンジンを含む。製品とツールのマトリックスデータベースは、製造される製品と利用可能なツールの性能及び製造情報を含んで構成されている。製品とツールの選択エンジンは、製造される製品と利用可能な半導体製造ツールとの強化されたマッチングを生成するように構成されている。
【0005】
特許文献3は、ワークピースを処理する複数の処理ツールが装置を共有する生産処理システムに関する。ワークピースは、半導体素子の製造に使用されるシリコンウェハであってもよい。グループコントローラは、生産実行制御情報の少なくとも一部に基づいて装置の使用計画を生成して、それを装置の処理タイミングを制御するように構成された共有コントローラに送信する。
【0006】
特許文献4は、製品を生成する手順を提供する際に用いられるデータ処理方法及びコンピュータに基づくデータ処理システムに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2019/075174A1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0143006A1号
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0277677A1号
【特許文献4】米国特許第6,633,788B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、生産設備の機械に対するリソースの配分を改善することであり、特に、納期遵守を改善し、機械の再装備によるメンテナンスコストを低減し、及び/又はキャパシティ利用率の最大化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、独立請求項の主題によって実現される。他の例示的な実施例は、従属請求項及び以下の説明から明らかである。
【0010】
本発明の第1の態様は、生産設備の機械にリソースを配分する方法に関する。既に言及したように、生産設備は、電子及び電気部品のために回路基板またはより汎用的な部品キャリアを生産することができる。
【0011】
リソースとは、生産期間において必要とするリソースとみなすことができる。例えば、リソースとは、作業員または専門家などのヒューマンリソース、材料、ツール、またはこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせであってもよい。
【0012】
機械は、生産、包装、テスト、自動光学検査などに適合されてもよい。例えば、回路基板生産設備の場合、機械は、めっき機、エッチング機、穴あけ機及び/又は旋盤を含んでもよい。各機械は、他のリソースが機械に使用されないように、一度に1つのリソースを使用するように適合されることが可能である。
【0013】
上記方法は、リソース配分システムのコントローラによって実行することができ、該コントローラは、製造実行システム(MES)の構成要素であってもよい。さらに、該方法は、別個のプログラムとして実行してリソース状態をシミュレートすることができる。製造実行システムは、原材料から完成品までの変化を追跡して記録するコンピュータ化システムであってもよい。リソース配分システムは、該方法を実行するように適合されることが可能な分散型コンピュータシステムであってもよい。リソース配分システムは、1つまたは複数のデータベースを含んでもよい。
【0014】
上記方法は、リソースの計画需要及び各リソースの需要偏差を示す予測データを受信するステップと、数回の反復においてリソースの計画需要及び需要偏差から各リソースの新規需要を生成するステップと、リソースと機械の組み合わせを決定することによって反復ごとに新規需要にキャパシティを割り当てるステップと、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせを将来の時間帯に割り当てるロールアウトプランを生成するステップと、を含み、割り当てるステップにおいて、優先度ルールに基づいて各リソースと各機械の優先度を決定され、リソースと機械の組み合わせは、優先度に従ってリソースと機械を組み合わせることによって決定され、生成するステップにおいて、ロールアウトプランは、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせの総数が最小になるように、異なる反復のリソースと機械の組み合わせと、各リソースと機械の組み合わせに対する推定ロールアウト時間とから生成される。
【0015】
予測データは、計画需要及び/又は需要偏差をそれぞれのリソースに割り当てる項目のリストを含んでもよい。例えば、特定種類の製品に対する希望生産量及び/又は希望納期を指定する注文から各計画需要を導出することができる。計画需要及び/又は需要偏差は、過去のデータ、市場データ及び/又は顧客データから導出することもできる。需要偏差は、対応する計画需要に対する負偏差及び/又は正偏差とみなすことができる。予測データは、各リソース及び/又は製品の過去の計画需要及び過去の実際需要をさらに含むことが可能である。例えば、予測データは、サーバに格納されたリアルタイムデータであってもよい。
【0016】
反復ごとに、各計画需要に対して1つまたは複数の新規需要を生成することは可能である。予測データから自動的に新規需要を生成してもよい。以下において、「自動的に」は「コンピュータプログラムによって」を意味することができる。
【0017】
例えば、新規需要は、それぞれの計画需要にそれぞれの需要偏差を加算及び/又は減算することによって限定される範囲から乱数発生器によって選択されるランダム値であってもよい。新規需要は、数学的関数を用いて算出してもよく、及び/又はルックアップテーブルから選択してもよい。
【0018】
一例として、予測データは、特定のリソースが特定の時間帯にn個の機械キャパシティを有する計画需要を示すことができ、1の機械キャパシティは、1つの機械の100%のキャパシティ利用率を示す。予測データは、計画需要に正/負mの需要偏差があることを示すこともできる。したがって、n+/-mの範囲は新規需要の生成に用いることができる。
【0019】
需要偏差は、それぞれのリソースに関する記録データ、即ち過去のデータから導出することができる。
【0020】
一般的に、計画需要及び/又は新規需要は、1つの機械のキャパシティに対して定義された値であってもよい。例えば、「1」の計画需要及び/又は新規需要は、1つの機械の100%のキャパシティ利用率に対応することができる。
【0021】
リソースと機械の組み合わせは、可能なリソースと機械の組み合わせのリストから項目を選択することによって決定することができ、各リソースと各機械は優先度に関連付けられてもよい。このリストは、オプションとして、「すぐ利用可能」、「間もなく利用可能」、または「おそらく利用可能」などのような、各可能なリソースと機械の組み合わせの利用可能性の状態を定義することができる。さらに/または、利用可能性の状態は各可能なリソースと機械の組み合わせの推定ロールアウト時間を含んでもよく、例えば、時間、日、及び/又は月で指定することができる。
【0022】
別の例として、各リソースと機械の組み合わせは、1)オンライン対応、2)パラメータ対応、即ち、数日以内にオンライン対応に移行可能、3)使用可能、即ち、数週間以内にオンライン対応に移行可能な利用可能性レベルのいずれかに関連付けられてもよい。
【0023】
ロールアウト時間は、特定のリソースを特定の機械に装備させる、即ち、特定のツールと機械の組み合わせの実現に必要なリードタイムであってもよい。
【0024】
各リソースと機械の組み合わせは、リソースのうちの1つと機械のうちの1つとの組み合わせであってもよい。1回の反復における各リソースと機械の組み合わせは固有の組み合わせであってもよい。
【0025】
各リソース及び/又は各機械の優先度は、可能なリソースと機械の組み合わせのリストのそれぞれの項目に優先度ルールを適用することによって、反復ごとに算出することができる。優先度を算出するために、優先度ルールを特定の順序で適用することができる。一般的に、優先度ルールは、生産設備のリソース及び/又は機械に対する利用可能性、希少性、及び/又は処理の緊急性を定量化するために用いられる。このような優先度ルールは、例えばモンテカルロアルゴリズムに基づいてランダムに優先度が決定される実施例とは対照的に、制御された再現可能な方法で優先度を生成することを可能にする。
【0026】
リソースと機械の組み合わせは、優先度の最も高いリソースと機械から降順で次々に生成することが可能である。反復の結果は、リソースと機械の組み合わせのソートされたリストであってもよい。ソートされたリストにおける各リソースと機械の組み合わせは、識別子に関連付けられてもよく、オプションとして、それぞれの機械のキャパシティ利用率、それぞれの機械の残りキャパシティ、及び/又はそれぞれのリソースの残り需要を定義するさらなる情報に関連付けられてもよい。リソースと機械の組み合わせは、各機械の残りキャパシティ及び/又は各リソースの残り需要を定義する最小値、例えば0まで減少するように生成することができる。
【0027】
リソースと機械の優先度は、優先度ルール及び/又は予測データに基づいて自動的に決定することができる。
【0028】
リソースと機械の組み合わせは、優先度及び/又は予測データに基づいて自動的に決定することができる。
【0029】
新規需要は、少なくとも100回の反復で、さらには少なくとも1000回の反復で生成することが可能である。言い換えれば、新規需要を生成して、新規需要にキャパシティを割り当てるステップは、それぞれが少なくとも100回、さらには少なくとも1000回実行することができる。
【0030】
計画需要及び/又は新規需要を満たすための適切なリソースと機械の組み合わせを決定した後、ロールアウトプラン(roll-out plan)を決定する必要がある。一般的に、ロールアウトプランでは、将来のどの時間帯にどの機械にどのリソースを提供しなければならないかを指定することができる。将来の時間帯とは、カレンダの週、月などであってもよい。単純なケースでは、ロールアウトプランは、日次、週次、及び/又は月次のようなスケジュールであってもよく、該スケジュールは、将来の特定の時間帯にロールアウトされるリソースと機械の組み合わせを割り当てるものである。ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせは、操作前に一定のメンテナンス及び/又はサービス時間を必要とするリソースと機械の組み合わせとみなすことができる。
【0031】
ロールアウトプランは、異なる反復の結果に基づいて、及び/又は予測データに基づいて自動的に生成することができる。
【0032】
ロールアウトプランの生成は、例えば、日次、週次、及び/又は月次のベースで定期的に実行することができ、生成されたロールアウトプランは更新することができる。
【0033】
一例として、1回目のラウンドが実行された後、表1のようなロールアウトプランを生成することができる。
【0034】
【表1】
【0035】
表1は、ツーリングT159及びT62(ツールとも呼ばれる)の形態のリソースを、例えば、「パラメータ対応」から「オンライン対応」に移行することにより、カレンダの週51に準備する必要があることを意味する。2回目のラウンドでは、これら2つの項目は「オンライン対応」とマークされる。その結果、これらは既にロールアウトされているため、2回目のラウンドで生成されたロールアウトプランには現れない。
【0036】
ロールアウトプランは、時間帯における少なくとも2つの後続シーケンスを含むことが可能であり、各シーケンスは、1回または複数回の反復に基づいて生成することができる。例えば、第1のシーケンスは、「パラメータ対応」から「オンライン対応」に移行可能なリソースと機械の組み合わせを含むことができるが、ロールアウトプランの第2のシーケンスは、「利用可能」なリソースと機械の組み合わせをさらに含むことができる。
【0037】
特に、ロールアウトプランは、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせの総数の最小化が図れるように生成される。
【0038】
いくつかのランダムな優先度から1つの勝者を選択し、または固定された優先度を手動で定義することなど、少なくとも1つの代替方法を用いて優先度を設定することができる。使用する方法は、ロールアウト結果に応じて選択することができる。
【0039】
本発明の実施例によれば、優先度ルールは、外部サプライヤによって提供できるリソースが、外部サプライヤによって提供できないリソースよりも優先度が低くなるように、リソースが外部サプライヤによって提供できるかどうかに応じて各リソースの優先度を決定するための第1の優先度ルールを含む。これは、第1の優先度ルールは、生産設備が満たさなければならない需要と、少なくとも1つの外部サプライヤ、例えば1つまたは複数の他の生産設備が満たす可能性がある需要とを区別するために用いることができることを意味する。第1の優先度ルールは、リソースごとに可能な外部サプライヤを指定するサプライヤリストに基づいて適用することができる。このようにして、生産設備においてロールアウトされるリソースと機械の組み合わせの総数を大幅に減らすことができる。特に、第1の優先度ルールは、ロールアウトプランを生成する際に、外部サプライヤによって提供できるリソースを考慮しないように構成されてもよい。
【0040】
本発明の実施例によれば、生産設備の機械は異なる機械種別に割り当てられ、より低い機械種別の機械は、より高い機械種別の機械よりも加工精度が低く、及び/又はより少ない数のリソースと互換性がある。したがって、優先度ルールは、より低い機械種別の機械がより高い機械種別の機械よりも優先度が高くなるように、機械の機械種別に応じて各機械の優先度を決定するための第2の優先度ルールを含んでもよい。例えば、異なる機械種別の機械は、異なる機械世代の機械であってもよく、より低い機械種別の機械はより古い機械であってもよく、より高い機械種別の機械はより新しい機械であってもよい。この場合、より新しい機械は、より古い機械よりも加工精度が高く、及び/又はより広範囲の製品の生産に適合されることができる。さらに、最も高い機械種別の機械は、比較的複雑な製品を生産する、及び/又は残りの機械種別の少なくとも1つの生産タスクを引き受けるように適合されることも可能である。これとは逆に、最も低い機械種別の機械は、比較的簡単な製品しか生産できない。生産設備の機械を分類するための少なくとも2つまたは好ましくは少なくとも3つの異なる機械種別が存在してもよい。各機械は、1つまたは複数の機械種別に割り当てることができる。本実施例によれば、通常、異なる世代の機械を多く含む大型生産設備の機械に対するリソースの配分を大幅に改善することができる。
【0041】
本発明の実施例によれば、リソースごとに利用可能な機械の数を決定する。優先度ルールは、利用可能な機械の数がより少ないリソースが、利用可能な機械の数がより多いリソースよりも優先度が高くなるように、リソースに対する利用可能な機械の数に応じて各リソースの優先度を決定するための第3の優先度ルールを含む。利用可能な機械は、それぞれのリソースを実際に使用する、及び/又は潜在的に使用可能な機械であってもよい。言い換えれば、リソースの優先度は、生産設備の機械との互換性、即ち、リソースと実際に組み合わせる及び/又は潜在的に組み合わせ可能な機械の数に依存してもよい。
【0042】
本発明の実施例によれば、機械ごとに利用可能なリソースの数を決定する。したがって、優先度ルールは、利用可能なリソースの数がより少ない機械が、利用可能なリソースの数がより多い機械よりも優先度が高くなるように、機械に対する利用可能なリソースの数に応じて各機械の優先度を決定するための第4の優先度ルールを含んでもよい。利用可能なリソースは、機械と実際に組み合わせる及び/又は潜在的に組み合わせ可能なリソースであってもよい。例えば、生産設備は、1つの特定のリソース、例えば1つの特定のツール、または数の少ない異なるリソースとのみ組み合わせ可能な機械を含んでもよい。本実施例によれば、このような専用機械のキャパシティ利用率を向上させることができる。
【0043】
本発明の実施例によれば、優先度ルールは、計画需要及び/又は新規需要がより低いリソースが、計画需要及び/又は新規需要がより高いリソースよりも優先度が高くなるように、リソースに対する計画需要及び/又は新規需要に応じて各リソースの優先度を決定するための第5の優先度ルールを含む。需要がより低いリソースと需要がより高いリソースとの間で競合が発生した場合、先ずキャパシティをより低い需要に割り当てることは、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせの総数を減少させることができるため、有利である。
【0044】
上記及び下記で説明する優先度ルールは、リソースと機械のそれぞれの優先度を決定するために、所定の順序で適用することが可能である。
【0045】
本発明の実施例によれば、第1の優先度ルール、第2の優先度ルール、第3の優先度ルール、第4の優先度ルール及び第5の優先度ルールの優先度ルールの順番に従って、第1の優先度ルールから次々に適用することができる。第3の優先度ルールの前に第4の優先度ルールを適用することも可能である。
【0046】
一般的に、優先度ルールが適用される順序は、使用例に応じて変更することができる。例えば、別の使用例では、特定の製品の納期を改善することができる。
【0047】
本発明の実施例によれば、各リソースの新規需要は、リソースの計画需要と需要偏差に限定される需要範囲から値をランダムに選択することによって生成される。上述したように、新規需要は、確率分布から少なくとも部分的に生成することができ、確率分布は対応するリソースに関する過去の需要変化に基づいて決定することができる。需要偏差は、過去の需要及び/又は過去の出力量から算出することができ、予測データに含まれてもよい。または、需要偏差は、所定の値であってもよく、及び/又は計画需要とともに予測データにおいて提供されてもよい。このようにして、ロールアウトプランの生成に潜在的に使用可能なリソースと機械の組み合わせの数を大幅に増加させることができる。これにより、リソースの配分を最適化する自由度を向上させることができる。
【0048】
本発明の実施例によれば、需要偏差は、過去の計画需要及び過去の計画需要に対する過去の実際需要から算出される。需要偏差は、対応する過去の計画需要及び/又は実際需要に基づいて、例えば、日次、週次、及び/又は月次のベースで定期的に更新してもよい。例えば、各リソースの需要偏差は、過去の1つまたは複数の時間帯においてリソースに対する過去の計画需要と過去の実際需要との差に基づいて算出することができる。このようにして、需要偏差を高精度に決定することができる。
【0049】
本発明の実施例によれば、現在の反復におけるリソースと機械の組み合わせは、前回の反復からのリソースと機械の組み合わせに応じて決定される。前回の反復から得られたリソースと機械の組み合わせは、例えば、「すぐ利用可能」、「間もなく利用可能」、「おそらく利用可能」、「オンライン対応」、「パラメータ対応」、または「使用可能」などのような、ある種の利用可能性の状態を有することが可能である。次回の反復では、前回の反復からのリソースと機械の組み合わせのそれぞれの利用可能性の状態に応じてリソースと機械の組み合わせを決定及び/又は更新することができる。
【0050】
本発明の実施例によれば、各リソースは、特定種類の製品を生産するために機械のうちの少なくとも1つによって使用される特定のツールである。このようなツールは、めっき、エッチング、穴あけ及び/又はソーイングのツールであってもよい。特に、該ツールは回路基板の生産に用いることができる。
【0051】
本発明の実施例によれば、各機械は、プリント回路基板に穴をあけるように適合されたレーザ穴あけ機である。この場合、リソースはレーザ穴あけツールであってもよく、製品ごとに異なってもよい。各レーザ穴あけ機は、一度に1つのレーザ穴あけツールしか使用できない。
【0052】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の実施例による方法を実行するための装置を備えるデータ処理装置に関する。該データ処理装置は、コンピュータプログラムを実行するためのプロセッサと、コンピュータプログラムを記憶するためのメモリとを備え、リソース配分システム及び/又は製造実行システムのコントローラなどのコンピュータであってもよい。該方法は、コンピュータプログラムを実行することによって実行され得る。なお、上記及び下記の方法の特徴は、上記及び下記のデータ処理装置の特徴であってもよく、その逆であってもよい。
【0053】
本発明の第3の態様は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに本発明の第1の態様の実施例による方法を実行させるコマンドを含むコンピュータプログラムに関する。
【0054】
本発明の第4の態様は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体に関する。該コンピュータプログラムは、リソース配分システム及び/又は製造実行システムの1つまたは複数の計算装置に記憶され、及び/又はそれらによって実行されることができる。
【0055】
コンピュータ可読媒体は、ハードディスク、USB(ユニバーサルシリアルバス)メモリ、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)、またはフラッシュメモリであってもよい。コンピュータ可読媒体は、プログラムコードのダウンロードを可能にするインターネットなどのデータ通信ネットワークであってもよい。一般的に、コンピュータ可読媒体は、揮発性媒体または不揮発性媒体であってもよい。
【0056】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明する実施例から明らかであり、これらの実施例を参照することで解明される。
【発明の効果】
【0057】
以上で説明したように、本発明によれば、生産設備の機械に対するリソースの配分を大幅に改善することができ、特に、納期遵守を改善し、機械の再装備によるメンテナンスコストを低減し、及び/又はキャパシティ利用率の最大化を図ることができる。
【0058】
以下、図面を参照して本発明の実施例についてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】生産設備を概略的に示す図である。
図2】本発明の実施例による方法において機械へのリソース配分に適合されたリソース配分システムを概略的に示す図である。
図3】本発明の実施例による方法を示すフローチャートである。
【0060】
図面で使用される符号及びそれらの意味は、符号の説明に記載されている。原則として、図中の同一の部分には同一の符号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、複数の機械102を有する生産設備100を示す。この例では、生産設備100は回路基板を生産し、機械102は回路基板に穴をあけるためのレーザ穴あけ機である。ただし、いかなる他の種類の生産設備及び/又は機械であってもよい。機械102は異なるリソース104と組み合わせてもよく、この例では、これらの異なるリソースは異なるレーザ穴あけツール104である。機械102とツール104の数に応じて、多くの可能なツールと機械の組み合わせ106があってもよく、例えば、1000以上または10000以上あってもよい。各ツール104の需要に応じて、合理的なメンテナンスコストで時間通りに需要を満たせるように、ツールと機械の組み合わせ106を決定しなければならないため、最適なツールと機械の組み合わせ106を決定するタスクは非常に複雑であり、人間がこのタスクを適切な時間内に実行することは困難である。
【0062】
各機械102は、複数の機械種別A、B、C、Dの1つに割り当てられることができる。この例では、機械種別Aは、最新の機械及び/又は最大範囲の製品を生産できる機械が含まれ、機械種別Dには、最も古い機械及び/又は最小範囲の製品を生産できる機械が含まれる。しかしながら、生産設備100のすべての機械102は同じ種類及び/又は同じ世代の機械であることも可能である。
【0063】
図2は、ツール104を自動的に生産設備100の機械102に配分するリソース配分システム200を示す。例えば、リソース配分システム200は、メンテナンス実行システムまたはメンテナンス実行システムの構成要素であってもよい。この例では、リソース配分システム200は、予測データ204を有するデータベース202を含む。データベース202は、関連データベースであってもよく、及び/又はSQLサーバなどの中央サーバ206に記憶されてもよい。
【0064】
リソース配分システム200は予測データ204を処理するコンピュータ208をさらに備える。コンピュータ208はデータ通信ネットワークを介して中央サーバ206に接続することができる。
【0065】
例えば、予測データ204は、ツール104の計画需要214及び需要偏差216を、カレンダの週、月などの将来の時間帯に割り当てるスケジュール212を含んでもよい。
【0066】
需要偏差216は、それぞれのツール104の過去の計画需要及び/又は過去の実際需要から導出することができる。過去の計画需要及び/又は過去の実際需要は中央サーバ206に記憶されてもよく、及び/又は予測データ204の一部であってもよい。
【0067】
コンピュータ208は、数回の反復において対応する計画需要214及び対応する需要偏差216から各ツール104の新規需要220を生成するように構成された需要生成手段218を備えることができる。生成された新規需要220は、需要アーカイブ222に記憶されてもよく、該需要アーカイブは中央サーバ206に記憶されてもよい。
【0068】
各ツール104の新規需要220は、ツール104に対する計画需要214及び需要偏差216によって限定される需要範囲223から値をランダムに選択することによって生成されることが可能である。または、新規需要220は、それぞれの計画需要214に対応できる固定値であってもよい。
【0069】
コンピュータ208のツール配分手段224は、需要アーカイブ222から、及び/又は需要生成手段218から直接新規需要220を受信することができる。ツール配分手段224は、反復ごとに新規需要220にキャパシティを割り当てるように構成されてもよい。そうするために、ツール配分手段224は、生産設備100の可能な機械及び可能なツールのリストに基づいて適切なツールと機械の組み合わせ106を決定することができる。
【0070】
リストからの項目をランダムに組み合わせることによってツールと機械の組み合わせ106を決定する代わりに、ツール配分手段224は、優先度ルール226を適用することによって、項目ごとに、即ち、可能な機械ごとに及び可能なツールごとに優先度を決定するとともに、それぞれの優先度に従って項目を組み合わせることができる。例えば、ツール配分手段224は、優先度の最も高い項目から降順で項目を選択することによって、ツールと機械の組み合わせ106を決定することができる。残りの項目の優先度は、それぞれの選択ステップの後に優先度ルール226に基づいて再計算することができる。以下では、優先度ルール226についてより詳細に説明する。
【0071】
1回の反復の結果は、表2のようなテーブルであってもよい(より明確にするために、該テーブルの最初の3行のみを示す)。
【0072】
【表2】
【0073】
この例では、リソースはツーリング(tooling)LC、T20であり、上記ではツール(tool)とも呼ばれるが、これらは機械112、8166と組み合わせることができる。各ツーリングと機械の組み合わせは、固有の組み合わせ番号(「CombinationNo」)を有し、それぞれの機械のキャパシティ利用率を示す負荷(「Load」)、それぞれの機械の残りキャパシティを示す残りキャパシティ値(「CapacityRemain」)、及び/又はそれぞれのツーリングの残り需要を示す未割り当て需要値(「UnAssignDemand」)に関連付けられてもよい。
【0074】
計算手順は、各機械の残りキャパシティ値1から開始できる。これは、両方の機械の初期キャパシティが100%であることを意味する。この例では、ツーリングLCの初期需要は1.953のキャパシティに対応し、ツーリングT20の初期需要は9.408のキャパシティに対応する。
【0075】
表2の第1行を参照すると、ツーリングLCは機械8166と組み合わせられ、その全キャパシティを使用する(「Load」列を参照)。したがって、機械8166の残りキャパシティが0になり(「CapacityRemain」列を参照)、ツーリングLCの初期需要が1減少する。ツーリングLCの残り需要(「需要ギャップ」とも呼ばれる)は、1.953-1=0.953で算出される(「UnAssignDemand」列を参照)。
【0076】
この最初の配分の後、機械8166の「CapacityRemain」及びツーリングLCの「UnAssignDemand」は、すべての組み合わせ、即ち、機械8166と他のツーリング及び/又はツーリングLCと他の機械によって更新される。次に、優先度ルールに従って組み合わせのそれぞれの優先度を再計算して、次の配分のために第2行の組み合わせを決定する。
【0077】
表2の第2行を参照すると、ツーリングLCの残り需要0.953が機械112に割り当てられている。したがって、機械112の残りキャパシティが1-0.953=0.047に変更され、ツーリングLCの残り需要が0に減少する。
【0078】
表2の第3行を参照すると、機械112の残りキャパシティがツーリングT20に割り当てられている。したがって、機械112の残りキャパシティが0に変更され、ツーリングT20の残り需要が9.408-0.047=9.361に変更される。
【0079】
計算アルゴリズムは、各機械の残りキャパシティまたは各ツーリングの残り需要が完全に割り当てられるまで、即ち、0に減少するまで、すべての機械及びツーリングを走査することができる。表2に示す1回の反復の結果は、200~250行のテーブルであってもよい。
【0080】
現在の反復における表は、前回の反復における表に応じて生成されることが可能である。
【0081】
ツール配分手段224は、どのツールと機械の組み合わせ106が将来のどの時間帯にロールアウトされる必要があるかを指定するロールアウトプラン228を生成するように構成されてもよい。そうするために、ツール配分手段224は、ツールと機械の組み合わせ106ごとにそれぞれのロールアウト時間を決定することができる。「ロールアウト時間」とは、この文脈において、「すぐ利用可能」、「間もなく利用可能」、または「おそらく利用可能」などのような、各ツールと機械の組み合わせ106の利用可能性の状態を意味しても良い。
【0082】
特に、ツール配分手段224は、ロールアウトされるツールと機械の組み合わせ106の総数、即ち、将来の時間帯における全体的なメンテナンス作業量をできるだけ削減するように、ロールアウトプラン228を生成するように構成されてもよい。これは、ツールと機械の組み合わせ106のそれぞれの推定ロールアウト時間及び/又は利用可能性の状態を考慮したうえで、異なる反復からのツールと機械の組み合わせ106を組み合わせることによって実現される。
【0083】
生成されたロールアウトプラン228は、ロールアウトプランアーカイブ230に記憶してもよく、該ロールアウトプランアーカイブは中央サーバ206に記憶してもよい。
【0084】
データベース202は、生産設備100に関するさらなる情報232をさらに含むことができ、これはさらに、ツール配分手段224によってロールアウトプラン228を生成することに用いることができる。このようなさらなる情報は、それぞれの需要212及び/又は220を満たすために、どのツール104が外部サプライヤで潜在的に利用可能かを示すオフロード情報、可能な及び/又は実際に利用可能なツールと機械の組み合わせ106のリスト、及び/又は各ツール104の現在状態を含んでもよい。
【0085】
以下では、優先度ルール226についてより詳細に説明する。
【0086】
例えば、優先度ルールは、第1の優先度ルール226a、第2の優先度ルール226b、第3の優先度ルール226c、第4の優先度ルール226d、及び第5の優先度ルール226eを含んでもよい。5つの優先度ルール226a~226eは、第1の優先度ルール226aから始まり、第5の優先度ルール226eで終わる階層順で次々に適用することができる。
【0087】
第1の優先度ルール226aは、外部サプライヤによって提供できるツール104が、生産設備100にのみ利用可能なツール104よりも優先度が低くなるように、オフロード情報(上記参照)に基づいて各ツール104の優先度を決定するように構成されてもよい。
【0088】
第2の優先度ルール226bは、機械種別A、B、C、Dに基づいて各機械102の優先度を決定するように構成されてもよい。特に、優先度は、機械種別Dが最も高い優先度を有し、機械種別Aが最も低い優先度を有するように決定されてもよい。機械種別Bは機械種別Cよりも優先度が低くてもよい。
【0089】
ツール配分手段224は、さらなる情報232及び/又は予測データ204に基づいて、ツール104ごとに利用可能な機械102の数を決定するように構成されてもよい。そして、第3の優先度ルール226cは、利用可能な機械102の対応する数に基づいてツール104の優先度を決定するために使用されてもよい。特に、第3の優先度226cは、利用可能な機械102の数がより少ないツール104が、利用可能な機械102の数がより多いツール104よりも優先度が高くなるように優先度を決定することができる。
【0090】
さらに/または、ツール配分手段224は、さらなる情報232及び/又は予測データ204に基づいて、機械102ごとに利用可能なツール104の数を決定するように構成されてもよい。そして、第4の優先度ルール226dは、利用可能なツール104の対応する数に基づいて機械102の優先度を決定するために使用されてもよい。特に、第4の優先度226dは、利用可能なツール104の数が少ない機械102が、利用可能なツール104の数が多い機械102よりも優先度が高くなるように優先度を決定することができる。
【0091】
第5の優先度ルール226eは、ツール104のそれぞれの計画需要214及び/又は新規需要220に応じて、各ツール104の優先度を決定するように構成されてもよい。特に、計画需要214及び/又は新規需要220がより低いツール104が、計画需要214及び/又は新規需要220がより高いツール104よりも優先度が高くなるように、優先度を決定することができる。
【0092】
なお、優先度ルール226の種類、数、及び/又は順序は、使用例に応じて変更することができる。
【0093】
図3は、生産設備100の機械102にツール104を配分する方法のフローチャートを示す。この方法は、リソース配分システム200のコンピュータ208によって実行されることができる。
【0094】
ステップ310では、コンピュータ208においてツール104の計画需要214及び需要偏差216を示す予測データ204を受信する。
【0095】
ステップ320では、コンピュータ208によって、数回の反復において計画需要214及び需要偏差216からツール104の新規需要220を生成する。
【0096】
ステップ330では、コンピュータ208によってツールと機械の組み合わせ106を決定することにより、各反復において新規需要220にキャパシティが割り当てられる。そうするために、優先度ルール226、即ち、226a~226eに基づいて、ツール104ごとに及び機械102ごとに優先度を決定し、ツールと機械の組み合わせ106は、優先度に従ってツール104及び機械102を組み合わせることによって決定される。
【0097】
ステップ340では、コンピュータ208によって、異なる反復のリソースと機械の組み合わせ106と、各リソースと機械の組み合わせ106の推定ロールアウト時間とから、ロールアウトされるツールと機械の組み合わせ106を将来の時間帯に割り当てるロールアウトプラン228を生成する。ロールアウトプラン228は、ロールアウトされるリソースと機械の組み合わせ106の総数の最小化を図るように生成される。
【0098】
図面及び上記の説明では、本発明について詳しく図示し、説明したが、そのような図示及び説明は、例示するためのものであり、限定するためのものではないと見なされるべきである。本発明は、開示している実施例に限定されない。図面、開示内容、及び添付の特許請求の範囲に対する研究から、開示された実施例の他の変形は、当業者によって保護を求める発明を実施することで理解し、実現することができる。特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外しない。また、不定冠詞「1」または「1つ」は、複数を除外しない。1つのプロセッサまたはコントローラまたは他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されていることは、これらの手段を組み合わせて有利に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる図面の記号も範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0099】
100 生産設備
102 機械
104 リソース、ツール
106 リソースと機械の組み合わせ、ツールと機械の組み合わせ
200 リソース配分システム
202 データベース
204 予測データ
206 中央サーバ
208 コンピュータ
212 スケジュール
214 計画需要
216 需要偏差
218 需要生成手段
220 新規需要
222 需要アーカイブ
223 需要範囲
224 ツール配分手段
226 優先度ルール
226a 第1の優先度ルール
226b 第2の優先度ルール
226c 第3の優先度ルール
226d 第4の優先度ルール
226e 第5の優先度ルール
228 ロールアウトプラン
230 ロールアウトプランアーカイブ
232 さらなる情報
A、B、C、D 機械種別
図1
図2
図3
【外国語明細書】