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特開2022-136050接着テープを製作するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136050
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】接着テープを製作するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20220908BHJP
【FI】
B23K26/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022033680
(22)【出願日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】21161079
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】517007312
【氏名又は名称】サートプラスト・テヒニシェ・クレーベベンダー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】certoplast Technische Klebebaender GmbH
【住所又は居所原語表記】Muengstener Strasse 10, 42285 Wuppertal, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ランブッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルネ ランブッシュ
(72)【発明者】
【氏名】カイ ルーナウ
(72)【発明者】
【氏名】ティーモ レーアマン
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CB04
4E168EA15
4E168GA01
4E168GA02
4E168JA17
4E168JA25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明の対象は、接着テープを製作するための方法および装置の提供。
【解決手段】帯状の、場合により接着コーティング(3)を備える繊維製の支持体(1)が、ストックユニット(2)を起点として供給される。帯状の支持体(1)は、レーザユニット(4,5)によって長手方向に個々の接着テープ(6)へと切断される。本発明によれば、帯状の支持体(1)の個々の長手方向セグメント(8,8,8)に各々の接着テープ(6)を形成する複数のレーザユニットが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着テープ(6)を製作するための方法であって、ストックユニット(2)を起点として、帯状のかつ場合により接着コーティング(3)を備える繊維製の支持体(1)を供給し、前記帯状の支持体(1)をレーザユニット(4,5)によって長手方向に個々の接着テープ(6)へと切断する、方法において、
前記帯状の支持体(1)の個々の長手方向セグメント(8,8,8)に各々の接着テープ(6)を形成する複数のレーザユニット(4,5;4,5;4,5)が設けられていることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記個々の長手方向セグメント(8,8,8)は、互いに間隔なしに隣接していて、前記帯状の支持体(1)の幅全体にわたって延在していることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
各々の長手方向セグメント(8,8,8)において、複数の接着テープ(6)を、対応する前記レーザユニット(4,5;4,5;4,5)によって製作することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記接着テープ(6)を、各々の前記長手方向セグメント(8,8,8)において、それぞれ同じ幅で切断することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記帯状の支持体(1)を、横方向(Q)において、それぞれ同じ幅の前記長手方向セグメント(8,8,8)に分割することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記レーザユニット(4,5)は、レーザ源(4)とビーム偏向ユニット(5)とを備え、該ビーム偏向ユニット(5)は、対応する前記長手方向セグメント(8,8,8)に個々の前記接着テープ(6)を形成するために、前記レーザユニット(4)を起点としたレーザビーム(12)をそれぞれ長手方向に偏向させ、これによって、予め設定された長さの複数の切断縁部(7)を実現することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ビーム偏向ユニット(5)は、同じ長さ(L)のそれぞれ平行な切断縁部(7)を前記長手方向セグメント(8,8,8)に形成することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記切断縁部(7)の数が、前記長手方向セグメント(8,8,8)に設けられる前記接着テープ(6)の数を予め設定していることを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記ビーム偏向ユニット(5)は、各々の前記長手方向セグメント(8,8,8)に、予め設定された長さ(L)の互いに平行な前記切断縁部(7)をそれぞれ機械方向(MR)で互いに続くように形成することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記互いに平行な切断縁部(7)は、ずれることなく互いに続くことを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記帯状の支持体(1)の速度と前記ビーム偏向ユニット(5)の速度とは、互いに適合させられていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
接着テープ(1)を製作するための、特に請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置であって、帯状のかつ場合により接着コーティング(3)を備える繊維製の支持体(1)を供給するためのストックユニット(2)と、前記帯状の支持体(1)を長手方向で個々の前記接着テープ(6)へと切断するためのレーザユニット(4,5)とを備える、装置において、
前記帯状の支持体(1)の個々の長手方向セグメント(8,8,8)に各々の前記接着テープ(6)を形成する複数のレーザユニット(4,5;4,5;4,5)が設けられていることを特徴とする、装置。
【請求項13】
各々の前記レーザユニット(4,5)は、レーザ源(4)とビーム偏向ユニット(5)とを備えることを特徴とする、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記ビーム偏向ユニット(5)は、互いに直交して位置する2つの平面内で旋回可能である少なくとも2つの偏向ミラー(14,15)を有することを特徴とする、請求項13記載の装置。
【請求項15】
両方の前記偏向ミラー(14,15)は、旋回のために、それぞれガルバノメータスキャナ(16,17)を備えることを特徴とする、請求項14記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着テープを製作するための方法および対応する装置であって、帯状のかつ場合により接着コーティングを備える繊維製の支持体をストックユニットを起点として供給し、帯状の支持体をレーザユニットによって長手方向に個々の接着テープへと切断する、方法および装置に関する。
【0002】
典型的には、接着テープの製作は、帯状のかつ接着コーティングを備えた繊維製の支持体が、ストックユニットから切断装置に供給されるようにして行われる。この切断装置は、例えば回転式のナイフを備えているため、こうして、帯状の支持体が個々の接着テープへと切断され、その後、この接着テープ自体が巻き上げられ、引き続き仕上げ処理される。このようなプロセスは、とりわけ、前提部を成す国際公開第2017/009049号による先行技術に全く一般的に記載されている。
【0003】
しかしながら、これに加えて、前提部を成す前述した開示範囲に一般的に記載されているように、先行技術には基本的にすでに、繊維製の帯状の支持体からの個々の接着テープの切断を1つの超音波ユニットおよび/または1つのレーザユニットによって行うことができることも記載されている。1つのレーザユニットは、例えば、仕上げ処理すべき接着テープの交換時もしくはその幅の変更時に、回転式のナイフの場合に必要となるような手間のかかる調整措置が不要であるという基本的な利点を有している。なぜならば、回転式のナイフでは、相応の機械的な調整が不可欠であるのに対して、1つのレーザユニットでは、調整を機械的な介入なしに変更することができるからである。
【0004】
同じく関連する米国特許出願公開第2007/0234862号明細書による先行技術の範囲内では、1つのレーザによって、長手方向に切断縁部が形成されるだけでなく、基本的に任意の断面パターンを形成することができるように、プロセスが行われる。このために、レーザは、プロッタの形態のX/Y調整ユニットに接続されている。
【0005】
先行技術は、基本的に好適であることが判っているものの、繊維製の帯状の支持体から多数の接着テープを製作すべき場合には限界に突き当たってしまう。さらに、これまで、先行技術によって廉価に競争力のある接着テープを実現できるようにするために、十分な製作速度を実際に実現することができていない。ここが本発明の発端となっている。
【0006】
本発明の根底にある技術的な問題は、冒頭に記載した特徴の接着テープを製作するための方法および装置を改良して、全体として、従来のプロセスに比べて製作速度が高められており、ひいては、競争力のある製品が提供されるようにすることである。
【0007】
この技術的な問題を解決するために、前提部に記載の方法が、本発明の範囲において、帯状の支持体の個々の長手方向セグメントに各々の接着テープを形成する複数のレーザユニットが設けられていることを特徴としている。
【0008】
つまり、本発明は、まず厳密に云うと、この文脈中の先行技術に教示されていると共に予め定められているような1つ(だけ)のレーザユニットに頼るものではない。むしろ、複数のレーザユニット、つまり、2つまたはそれ以上のレーザユニットが使用される。これによって、基本的に製作速度を高めることができる。このことは総じて、驚くべきことに、レーザユニットが典型的には高価であるという背景を前にしても成功に繋がる。
【0009】
しかしながら、本発明は、2つまたはそれ以上のレーザユニットに頼ることによって、相応に広幅の帯状の支持体の場合、複数のレーザユニットによって多数の接着テープを同時にかつ互いに平行に切断することができる可能性が切り開かれることを認識した。この高められた製作速度によって、高額の初期投資コストが相殺される。このことは一般的に予想することができなかった。
【0010】
本発明の選択されたプロセスは、特にこうして形成される接着テープの幅を各々のレーザユニットによって簡単かつ迅速に変更することができるという利点を相変わらず有している。このためには、通常、各々の長手方向切断部を形成する相応のビーム偏向ユニットを異なるように制御することしか必要とならない。このことは、たいてい、プログラミング可能な制御ユニットによって行われる。こうして、帯状の支持体から、それぞれ異なる幅を有する接着テープを一気に機械長手方向で切断することさえ可能となる。これによって、本発明に係る方法は、先行技術に比べて高められた製作速度を特徴とするだけでなく、必要に応じて、その都度の要求に最適に適合させることができる実際に任意の幅の接着テープを同時に実現することもできる。つまり、その都度の形成量に関して特別なフレキシビリティが提供される。
【0011】
当然ながら、基本的には、各々の長手方向セグメントに、それぞれ異なる幅の接着テープを製作することさえできる。これに加えて、各々の長手方向セグメントに、それぞれ同じ幅の接着テープを製作することも可能である。長手方向セグメントごとに、それぞれ異なる幅の接着テープが形成されるように作業が行われる。この場合、長手方向セグメントは、対応するレーザユニットによってカバーされ、予め設定された幅の長手方向における帯状の支持体のうちの1つのストリップに対応している。
【0012】
プロセスは、たいてい、個々の長手方向セグメントが、互いに間隔なしに隣接しているように行われる。しかしながら、基本的には、各々のレーザユニットに割り当てられた個々の長手方向セグメントは、互いに離間させられて帯状の支持体の長手方向もしくは機械方向に延在していてもよい。長手方向セグメントが互いに間隔なしに隣接している限り、長手方向セグメントは、通常、帯状の支持体の幅全体にわたって延在していて、この帯状の支持体を実際に完全にカバーしている。
【0013】
さらに、プロセスは、たいてい、各々の長手方向セグメントに複数の接着テープを、対応するレーザユニットによって切断するように行われる。例えば、対応するレーザユニットによって、例えば3~10本の接着テープを、対応する長手方向セグメントに形成することが可能である。この場合、ここでさらに、例えば3つのレーザユニットが使用されると、こうして同時に30本の接着テープを並行して製作することができる。このことは、当然ながら単なる一例でしかなく、ストックユニットから供給される帯状の支持体をどの程度の幅に設計するかにも左右される。たいてい、本明細書では、(マスタロールに関して)最小350mmであるロール幅を前提としている。
【0014】
すでに説明したように、接着テープは、一般的に、レーザユニットに対応する各々の長手方向セグメントにおいて、それぞれ同じ幅で切断される。当然ながら、該当する長手方向セグメントにおいて、互いに異なる幅を有するように作業が行われてよい。また、本発明の範囲内には、各々の長手方向セグメントに、それぞれ同じ幅を有する接着テープを形成し、長手方向セグメントごとに幅を変更することも含まれる。さらに、プロセスは、たいてい、帯状の支持体を、横方向において、それぞれ同じ幅の長手セグメントに分割するように行われる。当然ながら、横方向において、それぞれ異なる幅の長手方向セグメントで同じく良好に作業を行うこともできる。
【0015】
こうして、それぞれ多数の接着テープが、帯状の支持体から前述した長手方向切断部によって形成される。次いで、個々の接着テープを接着テープロールへと仕上げ処理することができる。一般的には、繊維製の帯状の支持体が、最初から接着コーティングを備えていることが可能である。このためには、接着コーティングが、繊維製の支持体に全面にわたって被着されていてよい。基本的には、当然ながら、ストリップコーティングも可能である。
【0016】
さらに、本発明の範囲内には、コーティングされていない繊維製の帯状の支持体をレーザユニットによって個々の接着テープへと切断し、これに続いて初めて、個々の接着テープに接着コーティングを設けることが含まれる。このことは、全面にわたって行われてよい。しかしながら、一般的には、このようなプロセスでは、レーザユニットにより切断された個々の接着テープに接着剤のストリップコーティングが被着されるように作業が行われる。これに関連して、接着剤としてアクリレート系のホットメルト接着剤または加熱溶融型接着剤が使用されると好適であることが判った。コーティングは、相応に狭幅に設けられたノズルによってストリップコーティングとして、該当する接着テープに被着されてよい。基本的には、加熱溶融型接着剤をストリップとして、予め切断された接着テープに被着するために、マスクを用いて作業が行われてもよい。
【0017】
繊維製の支持体には、基本的にあらゆるテキスタイル、例えば不織布、織物、編物または混合形態も適している。たいてい、ここでは、織物支持体を用いて作業が行われる。本明細書では、例えばPA(ポリアミド)織物、PET(ポリエチレンテレフタレート)織物等が可能である。繊維製の支持体は、典型的にはプラスチック繊維に頼っている。こうして、それぞれリントフリーの切断縁部が形成される。なぜならば、レーザユニットによる切断プロセスに際して、少なくとも一時的に、プラスチック繊維が切断縁部の領域で溶融され、リントフリーの綺麗な切断縁部が形成されるからである。
【0018】
このことは、特に赤外領域内で放射するレーザユニットを用いて作業が行われる事例に当てはまる。実際、ここでは、特にCOレーザが有利であると判った。このCOレーザは、典型的には約10.6μmの波長で放射する。このような波長は、たいてい黒色の繊維製の支持体によって特に良好に吸収され、熱に変換され、これによって、切断縁部の領域で材料が少なくとも部分的に蒸発させられ、溶融される。該当するレーザユニットの出力は、基本的には、単に一例として最大1kWまたは最大2kWまたはそれ以上であってよい。さらに、レーザユニットは、連続的にまたはパルス制御式に運転されてよい。
【0019】
通常、レーザユニットは、レーザ源とビーム偏向ユニットとを備えている。たいてい、付加的にさらに制御ユニットが実現されている。本発明によれば、複数のレーザユニットを用いて作業が行われるので、一般的に、全てのレーザユニットを一緒に制御することができるようにするために、中央の制御ユニットが使用される。各々のビーム偏向ユニット自体によって、レーザユニットから出射したレーザビームが、対応する長手方向セグメントに個々の接着テープを形成するために、しかも、予め設定された長さの複数の切断縁部を実現するために、それぞれ長手方向に偏向させられる。通常、プロセスは、ビーム偏向ユニットが、同じ長さのそれぞれ平行な切断縁部を長手方向セグメントに形成するように行われる。つまり、長手方向セグメントは個々の区分に分割されてよい。これらの個々の区分は、それぞれ同じ長さの互いに平行な切断縁部によって特徴付けられている。これに関連して、この場合、たいていプロセスは、該当する区分における切断縁部の数が、長手方向セグメントに設けられる接着テープの数に対応しているように行われる。
【0020】
それぞれ異なる長さの接着テープを形成することができるようにするために、ビーム偏向ユニットによって、各々の長手方向セグメントに、予め設定された長さの互いに平行な切断縁部がそれぞれ機械方向で互いに続く。つまり、ビーム偏向ユニットによって、まず、長手方向セグメントに区分が形成される。該当する区分には、予め設定された長さの互いに平行な切断縁部が実現されている。この長さは、例えば50mmまたは100mmまたはそれ以上であってよい。
【0021】
接着テープは、通常、数メートルの長さを有しているので、ビーム偏向ユニットは、個々の区分が互いに続くように働く。このために、予め設定された長さの互いに平行な切断縁部は、それぞれ機械方向で互いに続くように、ビーム偏向ユニットによって形成される。このことは、一般的に、互いに平行な切断縁部が、ずれることなく互いに続くように行われる。しかしながら、基本的には、互いに平行な切断縁部が、ずれを伴って互いに続くことも可能である。したがって、プロセスは、例えば、形成するべき接着テープの端部で異なる幅の接着テープに切り換えたい場合に行われる。
【0022】
さらに、一般的には、プロセスは、帯状の支持体の速度とビーム偏向ユニットの速度とが、互いに適合させられているように行われる。帯状の支持体の速度を検出するために、ストックユニットから供給された帯状の支持体に、速度測定のためのセンサが割り当てられてよい。この速度測定のためのセンサは、摩擦ローラ、つまり、帯状の支持体の表面に当て付けられ、機械方向への帯状の支持体の運動によって回転させられるローラであってよい。ローラの回転は速度信号に対応している。この速度信号は、中央の制御ユニットにより処理され、ビーム偏向ユニットを制御するための速度に同期させられる。
【0023】
しかしながら、代替的または付加的には、帯状の支持体が、例えば規則的な間隔を置いて存在するマーキングを有しており、このマーキングが、速度測定のためのセンサによって検出され、機械方向への帯状の支持体の通走時の相応の速度信号に対応していることも可能である。この場合にも、センサの信号は、中央の制御ユニットによって処理され、ビーム偏向ユニットを制御するための速度に同期させられる。
【0024】
一方で帯状の支持体の速度を、他方でビーム偏向ユニットに同期させることは、中央の制御ユニットの側で、ビーム偏向ユニットが、例えば、機械方向への帯状の支持体の速度に追従することができるように行われる。この速度は、数10m/分、例えば最大60m/分またはそれ以上であってよい。いずれにせよ、例えば、機械方向への帯状の支持体の速度が50m/分の場合、一例として10個の切断縁部を、対応する長手方向セグメントにそれぞれ区分から区分へと形成することができるように、ビーム偏向ユニットも迅速に制御されるかまたは制御することができることが必要となる。この前提には、各々の個々の切断縁部を偏向ユニットによって、少なくとも帯状の支持体の速度と比較して10倍の速度で製作するということがある。なぜならば、ビーム偏向ユニットによって、レーザビームが長手方向セグメントの範囲内で切断縁部から切断縁部へと移動するからである。
【0025】
このために、ビーム偏向ユニットは、通常、互いに直交して位置する2つの平面内で旋回可能である少なくとも2つの偏向ミラーを備えている。さらに、該当する偏向ミラーを旋回させるためには、通常、いわゆるガルバノメータスキャナが使用される。その結果として、ビーム偏向ユニットは、典型的には三軸のガルバノメータスキャナとして形成されている、つまり、特に平面内でかつ実際に任意の長手方向および横方向で切断を可能にする。この場合、長手方向が機械方向に合致しているのに対して、横方向は、長手方向に対して横方向に延びている。本発明の対象は、請求項12以降に記載するような対応する装置でもある。
【0026】
以下に本発明を、ただ1つの実施例を示した図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】接着テープを製作するための本発明に係る装置の概略図および帯状の支持体の原理的な平面図である。
図2】装置の斜視的な拡大図である。
図3】レーザユニットの領域における図2の部分図である。
図4】ビーム偏向ユニットの概略的な詳細図である。
【0028】
図面には、接着テープを製作するための装置が示してある。このために、まず、帯状の支持体1が認められる。この帯状の支持体1は、ストックユニット2を起点として、帯状の支持体1の長手方向に合致する機械方向MRで供給される。帯状の支持体1は繊維製の帯状の支持体1であり、具体的には織物、例えばPA織物である。この織物は、片面の接着コーティング3を全面にわたって備えている。
【0029】
このように既製の繊維製の帯状の支持体1は、機械方向MRにおいてレーザユニット4,5によって長手方向もしくは機械方向MRに個々のストリップ状の接着テープ6へと切断される。これらの接着テープ6は出口側に認められる。このために、それぞれレーザユニット4,5によって帯状の支持体に長手方向もしくは機械方向MRで切断縁部7が加工される。このことは、帯状の支持体1の平面図に基づき認めることができる。
【0030】
本発明によれば、複数のレーザユニット4,5が実現されている。個々のレーザユニット4,5を区別するために、これらのレーザユニット4,5は、それぞれ指数を付して4,5;4,5および最後に4,5の形で示してあり、こうして、互いに区別することができる。このことは、図2および図3に基づき認められる。これらの複数のレーザユニット4,5もしくは4,5;4,5および4,5によって、繊維製の帯状の支持体1が、対応する長手方向セグメント8,8,8において加工され、すでに前述した切断縁部7を備える。この場合、設計は、全体として、レーザユニット4,5が長手方向セグメント8の加工のために用いられるように行われる。レーザユニット4,5は長手方向セグメント8に対応しており、レーザユニット4,5は長手方向セグメント8の加工を行う。
【0031】
長手方向セグメント8,8および8は、それぞれストリップとして繊維製の帯状の支持体1の長手方向、つまり、機械方向MRに延在している。さらに、個々の長手方向セグメント8,8および8が、該当する長手方向もしくは機械方向MRで複数の区分9に分割されていることが認められる。
【0032】
個々の長手方向セグメント8,8および8は、それぞれ互いに間隔なしに隣接していて、まとまって帯状の支持体1の幅B全体にわたって延在している。この帯状の支持体1の幅Bは、数cm~1mまたはそれ以上であってよい。実際には、帯状の支持体1は、巻取りドラムとして形成されたストックユニット2に巻き付けられ、個々の偏向ローラ10を介して最終的にレーザユニット4,5もしくは複数のレーザユニット4,5;4,5および4,5に供給される。これらのレーザユニット4,5;4,5および4,5によって、帯状の支持体1に個々の長手方向切断部もしくは切断縁部7が加工された後、こうして形成されたストリップ状の接着テープ6が、例えば分割され、巻付けローラ11によって巻き上げられ、例えば螺線状の接着テープロールへと仕上げ処理される。
【0033】
まず、図示の3つの長手方向セグメント8,8および8の各々に、対応するレーザユニット4,5;4,5および最後に4,5によって複数の接着テープ6が切断される。本実施例によれば、レーザユニット4,5によって、対応する長手方向セグメント8に3つの切断縁部7が形成されるため、こうして出口側において全部で4つのストリップ状の接着テープ6が、帯状の支持体1の該当する長手方向セグメント8から形成される。残りの長手方向セグメント8および8にも同等のことを行うことができる。しかしながら、レーザユニット4,5によって、対応する長手方向セグメント8に異なる数の切断縁部7を製作して、その結果、長手方向セグメント8と比較して異なる数の接着テープ6を出口側において形成することも可能である。しかしながら、このことは詳細に図示していない。つまり、接着テープ6は、各々の長手方向セグメント8,8および8において、それぞれ同じ幅で切断される。さらに、設計は、帯状の支持体1が、横方向Q、つまり、機械方向もしくは長手方向MRに対して直行方向で、それぞれ同じ幅の長手方向セグメント8,8および8に分割されるように行われる。
【0034】
図2および図3に基づき、レーザユニット4,5;4,5および4,5が、それぞれレーザ源4,4,4と、対応するビーム偏向ユニット5,5,5とを備えていることが認められる。レーザ源4,4,4は、それぞれ機械方向MRに対して横方向に向けられている。ビーム偏向ユニット5,5,5によって、レーザユニット4を起点とした、特に図4に認めることができるレーザビーム12が、対応する長手方向セグメント8,8,8に個々のストリップ状の接着テープ6を形成するために、それぞれ長手方向に偏向させられ、これによって、予め設定された長さLの個々の切断縁部7が製作される。実際には、設計は、ビーム偏向ユニット5もしくは5,5,5によって、対応する長手方向セグメント8,8,8において、まず、1つの切断縁部7が、予め設定された長さLで区分9に形成されるように行われる。
【0035】
実際には、区分9ひいては切断縁部7は、例えば50mm~100mmまたはそれ以上の長さLを有していてよい。レーザユニット4,5が長手方向セグメント8に第1の切断縁部7を形成した後、レーザビーム12が第2の切断縁部7に移動し、この第2の切断縁部7を同じ長さLで形成し、その後、本実施例によれば、3つの全ての切断縁部7が、長手方向セグメント8と、そこの区分9とに長さLで製作される。つまり、ビーム偏向ユニット5もしくは概してレーザユニット4,5は、同じ長さLのそれぞれ平行な切断縁部7を、対応する長手方向セグメント8,8および8に製作する。切断縁部7の数は、こうして製作される接着テープ6の数を出口側において予め設定している。さらに、設計は、レーザユニット4,5もしくはビーム偏向ユニット5が、各々の長手方向セグメント8,8および8に、予め設定された長さLの互いに平行な切断縁部7をそれぞれ機械方向MRで互いに続くように形成するように行われる。ビーム偏向ユニット5の速度は、帯状の支持体1の速度と比較して少なくとも3倍でなければならない。
【0036】
全体として、数メートルの長さを有するストリップ状の接着テープ6を、一例として出口側で提供しかつ製作するために、設計は、互いに平行な切断縁部7が、それぞれずれることなく互いに続くように行われる。つまり、一例として、レーザユニット4,5が、長手方向セグメント8の第1の区分9において、そこに本実施例で設けられる図示の3つの切断縁部7を長さLで形成すると、全体的に機械方向MRへの帯状の支持体1の送りによって、次いで、長手方向セグメント8に設けられた切断縁部7を、これに続く後続の第2の区分9に製作することができる。この場合、それぞれ平行な切断縁部7は、ずれることなく互いに続いている。さらに、設計は、帯状の支持体1の速度とビーム偏向ユニット5の速度とが、長手方向セグメント8の考えられる一例として互いに適合させられているように行われる。この適合のために、中央の制御ユニット13が用いられる。このために、この中央の制御ユニット13は、繊維製の帯状の支持体1の軌道速度を測定しかつ中央の制御ユニット13に伝送するセンサ20の信号を獲得する。さらに、中央の制御ユニット13は、それぞれ個々のレーザユニット4,5;4,5および4,5に接続されているため、これらのレーザユニット4,5;4,5および4,5によって、長手方向縁部7を相応の長手方向セグメント8,8,8の対応する区分9に製作することができるように、レーザユニット4,5;4,5および4,5が相応に制御される。センサ20の信号に応じて、中央の制御ユニット13によって、繊維製の支持体1用の駆動装置が、機械方向MRにおける支持体1の速度を調整するために制御される別の可能性は明確に図示していない。
【0037】
図4に示した詳細図に基づき、ビーム偏向ユニット5が少なくとも2つの偏向ミラー14,15を備えていることが明らかとなる。両方の偏向ミラー14,15は、互いに直交して位置する2つの平面内で旋回することができる。このために、各々の偏向ミラー14,15は、対応するガルバノメータスキャナ16,17を備えている。このガルバノメータスキャナ16,17自体は、中央の制御ユニット13によって制御され、動作させられる。
【0038】
図4には、付加的にさらに、レーザビーム12が帯状の支持体1の平面に合焦されていることが認められる。このために、拡大光学系18が実現されており、この拡大光学系18によって、レーザビーム12の追従合焦(Nachfokussieren)が可能となる。このために、拡大光学系18は、レーザビーム12の方向でモータにより移動可能なレンズ19を有している。このレンズ19は、2つのガルバノメータスキャナ16,17と同様に中央の制御ユニット13に接続されている。
【0039】
制御ユニット13によってレーザビーム12の合焦を変えるほかに、最後にさらに、制御ユニット13は、横方向Qにおける帯状の支持体1の位置の補正を行うことができる。このために、例えば個々のまたは全ての偏向ローラ10(ならびに場合によりストックユニット2)をその長手方向ひいては横方向Qに制御ユニット13によって必要に応じて移動させることができ、これによって、個々の切断縁部7が実際に区分9から区分9へとずれることなく互いに続いていることが確保される。偏向ミラー14,15の最大の位置安定性を達成するために、ビーム偏向ユニット5をそれぞれ、例えば水で冷却する可能性は図示していない。また、中央の制御ユニット13が上位のネットワーク、例えばインターネットに接続されており、こうして、遠隔監視を行うことができるかもしくは外部から、各々のレーザユニット4,5を制御するためのプログラムを入力することができるオプションも図示していない。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】