(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136182
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】精算装置及び精算装置を備えた商品販売処理システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20220908BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/12 321K
G07G1/12 321L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118457
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2018028490の分割
【原出願日】2018-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】石村 栄二
(57)【要約】
【課題】有価券を収容可能とした精算装置を提供する。
【解決手段】顧客自らが操作して、購入商品の精算を行う精算装置1は、精算に使用される有価券を内部に収容する収容部12を有しており、収容部12には、有価券が投入される有価券投入口12aが設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客自らが操作して、購入商品の精算を行う精算装置であって、
前記精算に使用される有価券を内部に収容する収容部、を有し、
前記収容部には、前記有価券が投入される有価券投入口、が設けられている、
精算装置。
【請求項2】
前記顧客に対して精算情報を表示する表示部、をさらに有し、
前記収容部は、前記表示部の背面側に備えられ、
前記有価券投入口は、前記表示部の背面側又は側面側に向けて設けられている、
請求項1記載の精算装置。
【請求項3】
前記収容部の上面は、物品が載置可能な載置面を構成する、
請求項1又は2記載の精算装置。
【請求項4】
決済媒体が投入される決済媒体投入口を備えた決済部、をさらに有し、
前記収容部は、前記決済部の背面側に備えられ、
前記有価券投入口は、前記決済部の背面側又は側面側に向けて設けられている、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の精算装置。
【請求項5】
前記決済媒体投入口は前記精算装置の幅方向の一端側に設けられ、前記有価券投入口は前記精算装置の幅方向の他端側に設けられている、
請求項4載の精算装置。
【請求項6】
前記収容部と前記決済部は、前記表示部の下方に配設されている、
請求項4又は5記載の精算装置。
【請求項7】
前記決済部は、前記決済媒体を前記収容部に排出する排出機構、を備え、
前記顧客が精算終了時に前記決済媒体を取り忘れた場合に、前記決済媒体を前記収容部に排出し、
前記収容部は、前記有価券と共に、前記決済部から排出された前記決済媒体を収容する、
請求項4乃至6いずれかの項に記載の精算装置。
【請求項8】
前記請求項4乃至7いずれかの項に記載の精算装置と、
前記顧客が購入する商品の登録を行い、精算情報を生成する登録装置と、によって構成され、
前記精算装置は、
前記登録装置によって生成された精算情報を取得する取得手段、をさらに有し、
前記決済部は、
前記決済媒体投入口に投入された決済媒体を前記収容部へ排出する排出機構、を備え、
一の精算処理の決済に用いられた決済媒体が前記決済媒体投入口から抜き取られていない状態で次の精算情報を受信した場合に、当該抜き取られていない状態の決済媒体を前記収容部に排出させる、
商品販売処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価券を収容可能な精算装置及び精算装置を備えた商品販売処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、買い上げ商品を店員が登録装置で登録し、その登録装置から離れた位置に設置されている精算装置にて顧客が精算を行うPOSレジシステムが普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、売り上げの集計や管理は、精算装置ごとに行いたいとの要望があった。一方、精算時には、商品券あるいは金券等の有価券が利用されることがあり、精算装置ごとに売り上げの集計及び管理をする場合には、精算装置ごとに利用された有価券を把握する必要があった。
この点、精算時に利用された有価券を登録装置側で管理するなど、当該有価券を利用した精算処理を行った精算装置と無関係に有価券を管理したのでは、売り上げの集計が煩雑になったり紛失したりする虞があった。
【0005】
そこで本発明は、有価券を紛失させることがない精算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る精算装置は、顧客自らが操作して、購入商品の精算を行う精算装置であって、前記精算に使用される有価券を内部に収容する収容部、を有し、前記収容部には、前記有価券が投入される有価券投入口、が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、精算装置内に有価券を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る精算装置、及び当該精算装置を備えた商品販売処理システムの構成を示した構成図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る精算装置の正面側を示した外観斜視図である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に係る精算装置の背面側を示した外観斜視図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態に係る精算装置を示した正面図である。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係る精算装置を示した背面図である。
【
図6】本発明の第一の実施形態に係る精算装置を示した平面図である。
【
図7】本発明の第一の実施形態に係る精算装置を示した底面図である。
【
図8】本発明の第一の実施形態に係る精算装置を示した左側面図である。
【
図9】本発明の第一の実施形態に係る精算装置を示した右側面図である。
【
図10】本発明の第一の実施形態に係る精算装置と連携する登録装置を示した外観斜視図である。
【
図11】本発明の第一の実施形態に係る精算装置と連携する登録装置を示した外観斜視図である。
【
図12】本発明の第一の実施形態に係る精算装置の収容部を示した部分拡大図である。
【
図13】本発明の第一の実施形態に係る精算装置が形成する精算ラインを示した模式図である。
【
図14】本発明の第二の実施形態に係る精算装置の正面側を示した外観斜視図である。
【
図15】本発明の第二の実施形態に係る精算装置の背面側を示した外観斜視図である。
【
図16】本発明の第二の実施形態に係る精算装置が形成する精算ラインを示した模式図である。
【
図17】本発明の第三の実施形態に係る精算装置を模式的に示した部分断面図である。
【
図18】本発明の第三の実施形態に係る精算装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図19】本発明の第三の実施形態に係る精算装置と連携する登録装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図20】本発明の第三の実施形態に係る精算装置と連携する登録装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図21】本発明の第四の実施形態に係る精算装置の収容部を示した部分拡大図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る精算装置の変形例を示した部分拡大図である。
【
図23】本発明の実施形態に係る精算装置の他の変形例を示した部分拡大図である。
【
図24】本発明の実施形態に係る精算装置の他の変形例を示した部分拡大図である。
【
図25】本発明の実施形態に係る精算装置の他の変形例を示した部分拡大図である。
【
図26】本発明の他の実施形態に係る精算装置を模式的に示した部分断面図である。
【
図27】本発明の他の実施形態に係る精算装置の機能を示した機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る精算装置及び当該精算装置を備えた商品販売処理システムについて、図を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る商品販売処理システム10a、10bは、スーパーマーケット等で商品販売に伴う精算や販売商品の登録、管理などを実行するためのシステムである。
ここで、
図1(a)は、商品販売処理システム10aが精算装置1と登録装置2によって構成された例を示している。この商品販売処理システム10aを構成する精算装置1と登録装置2は、有線又は無線で通信可能に接続されており、各種のデータを送受信することができる。
他方、
図1(b)は、商品販売処理システム10bが精算装置1と登録装置2に加え、精算装置1と登録装置2を管理するストアコントローラSCを備えた例を示している。この商品販売処理システム10bにおいても、精算装置1、登録装置2、及びストアコントローラSCは、有線又は無線で通信可能に接続されており、各種のデータを送受信することができる。
【0010】
なお、商品販売処理システム10a、10bいずれの例においても、一つ登録装置2に対して複数の精算装置1が対応付けられているが、一対一に対応付けることもできる。また、図の1の例では、一の登録装置2に対して3台の精算装置1が対応付けられている例を示しているが、一の登録装置2に対応付けられる精算装置1の数が限られることもない。さらに、複数の登録装置2が精算装置1を共有することもでき、例えば、2台の登録装置2が3台の精算装置1を共有することもできる。
【0011】
図2~
図9に示す精算装置1は、顧客自らが操作して、商品購入に伴う精算処理を行うための装置である。
この精算装置1は、有価券を収容可能な収容部12を有しており、有価券投入口12aから投入された有価券を収容部12内に収容し、保管することができる。
ここで、有価券とは、商品券、金券、クーポン券等、有価価値を有する証券であり、購入商品の価格の一部又は全部を賄うことのできるものをいう。
【0012】
また、精算装置1は、決済媒体を利用した決済を可能とする決済部11を有している。
ここで、決済媒体とは、クレジットカードや電子マネーカード、デビットカード等であり、プリペイド式やポストペイ方式を問わず、広く電子データを利用した決済に利用される媒体をいう。
【0013】
図10及び
図11に示す登録装置2は、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる情報(以下、「精算情報」ということがある)を生成する装置である。
ここで、精算情報は、精算装置1による精算処理に用いられる情報であって、当該精算情報を識別するための精算識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)に係る情報が含まれる。なお、この精算情報には、当該精算情報を生成した登録装置2を識別するための登録装置識別情報が含まれていてもよい。
【0014】
この登録装置2は、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置に加え、商品に付されているバーコードを読み取るスキャナ21、情報を入出力する入出力部22、店員が情報を入力するための操作部23、顧客に対して情報を表示する客側表示部24などのハードウェア資源を有している。また、精算情報を生成するための生成処理部、生成処理部によって参照される商品マスタを記憶した商品マスタ記憶部、精算装置1やストアコントローラSC(商品販売処理システム10bの場合)と情報を送受信するための通信処理部といったソフトウェア資源を有している。なお、商品販売処理システム10bでは、精算情報はストアコントローラSCによって生成するものとしてもよく、この場合、登録装置2は、精算情報の基礎情報となる登録情報のみをストアコントローラSCに対して送信する。
【0015】
入出力部22は例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等によって構成され、情報の入力と出力の双方の処理を実行する。この入出力部22は店員側に向けて設けられており、登録装置2を操作する店員に対し、商品マスタを参照して、商品名や価格等、商品の情報を出力する。また、入出力部22は、画面上に展開されたプリセットボタンの押下に応じて、当該プリセットボタンに予め設定登録されている商品コード等の商品情報の入力を受け付ける。
【0016】
操作部23は、登録装置2を動作させる各種のキーのほか、情報や指示を直接入力するための小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、プリセットキー等の操作ボタンなどによって構成される。
【0017】
客側表示部24は例えば、液晶ディスプレイ等によって構成される。この客側表示部24は顧客側に向けて設けられており、顧客に対して商品登録の情報を表示する。
【0018】
ストアコントローラSCは、商品販売処理システム10aにおいて、精算装置1や登録装置2を管理する装置である。また、商品マスタなどの種々の情報を管理しており、最新の商品マスタを各店員用の精算装置1と登録装置2に送信する。
なお、商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルであり、ストアコントローラSCは、最新の商品情報が反映された商品マスタを外部サーバ等から取得する。
【実施例0019】
図2~
図9に示す本発明の第一の実施形態に係る精算装置1は、情報処理を実行するためのCPUなどの演算装置、RAMやROMなどの記憶装置、情報を入出力する入出力部13、印刷部14、カードリーダ15、自動釣銭釣札機16、サインポール17等と共に、決済部11及び収容部12からなるハードウェア資源を有している。また、各ハードウェア資源を制御する制御部、登録装置2やストアコントローラSC(商品販売処理システム10bの場合)と情報を送受信するための通信処理部といったソフトウェア資源を有する。
【0020】
入出力部13は例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等によって構成され、種々の情報を表示すると共に、顧客が精算処理を行う際の操作画面となる。
【0021】
印刷部14は、顧客の精算(会計)終了後、精算処理内容を所定の紙に印刷し、レシートを発行する。なお、レシートの発行は、現金によって精算されたときは、お釣りがある場合にはお釣りを排出し、顧客がお釣りを取り除いた後に実行される。また、決済媒体で精算されたときは、決済終了後に顧客が決済媒体を受け取り易いように、決済媒体の略半分を決済媒体投入口11aから露出させた状態で待機し、顧客が決済媒体を取り除いたことを条件に実行される。
【0022】
カードリーダ15は、ポイントカード等の各種のカードから、顧客情報等を読み取る。
【0023】
自動釣銭釣札機16は、現金支払いを可能にするための機構であり、硬貨投入口161、硬貨払出口162、紙幣投入口・払出口163等を有する。
この自動釣銭釣札機16は、顧客から金銭の入金を受け付けると共に、入金された金銭を計数したり、精算額に応じて釣銭を払い出したりする。
【0024】
サインポール17は、所定の状況に応じて、精算装置1や登録装置2、あるいはストアコントローラSCからの指令に応じて発光する発光部である。例えば、一の登録装置2に対して複数の精算装置1が用意されている場合、登録装置2において商品登録が完了した後、精算を行う精算装置1を顧客に報知するために発光したり、クレジットカードによる決済が行われた後、顧客がクレジットカードを取り忘れた場合にはこれを検知して、顧客や店員に報知するために発光したりする。
【0025】
決済部11は、商品購入に伴う決済をクレジットカード等の決済媒体によって実行するための機構及び機能部であり、入出力部13が配されると共に精算を行う顧客の立ち位置となる正面側に設けられている。なお、以下においては、入出力部13が向けられている側ないしは顧客の立ち位置となる側を正面側とみなし、この正面側を基準として背面側及び側面側について説明することがある。
この決済部11は、決済媒体投入口11aと共に、内部に搬送路や決済媒体読取部を有する。
【0026】
決済媒体投入口11aは、決済媒体が投入される投入口であり、当該決済媒体投入口11aは正面側に向けて設けられ、正面側に立った顧客が決済媒体を投入できるようになっている。なお、この決済媒体投入口11aは、決済媒体の返却口を兼ねており、決済媒体が備えるICカードや磁気ストライプから決済媒体読取部によって情報が読み取られて決済処理が完了した後は、決済媒体は決済媒体投入口11aから排出されて顧客に返却されるようになっている。
【0027】
搬送路は、決済媒体投入口11aから投入された決済媒体を内部の決済媒体読取部へ搬送したり、決済媒体読取部による読み取りが完了した決済媒体を決済媒体投入口11aへ搬送したりする際の通路である。なお、この搬送路には適宜、決済媒体を搬送路上で移動させるためのローラや当該ローラを駆動させるためのモータ、決済媒体投入口11aから搬送路上へ決済媒体を引き込むための引込機構などが備えられている。
【0028】
決済媒体読取部は、決済部11の内部に組み込まれており、決済媒体投入口11aから投入された決済媒体が備えるICカードや磁気ストライプから、決済に必要な情報を読み取る。
なお、決済媒体読取部によって読み取られた決済媒体の情報は、精算装置1から外部の決済用サーバに送信されて与信処理の参照情報となる。なお、商品販売処理システム10bでは、決済媒体の情報が精算装置1からストアコントローラSCを介して外部の決済用サーバに対して送信されるようになっていてもよい。
【0029】
なお、本実施形態において、決済部11の幅は精算装置1の幅よりも小さく、精算装置1の幅方向の一端側に偏った位置に設けられている。具体的には、顧客の立ち位置となる正面側から精算装置1を見て、左手側に備えられている。
【0030】
収容部12は、精算に使用される商品券等の有価券を内部に収容する略箱状の部分である。
この収容部12は、決済部11及び入出力部13の背面側に設けられており、蓋体121と有価券投入口12aを備える。
【0031】
蓋体121は
図12に示されるように、収容部12を開閉自在にする開放又は閉止する部材であり、開いた状態では収容部12内に収容された有価券を取り出すことができ、閉じた状態では収容部12内に収容された有価券が外に出たり落ちたりするのを防ぐ。
なお、管理の観点からは、蓋体121に錠前を取り付けるのが好適である。
【0032】
有価券投入口12aは、有価券を投入可能に開口した部分である。
この有価券投入口12aは、決済部11の背面側に向けて設けられており、精算装置1の背面側に店員が立つように精算装置1が配設される場合において、店員がスムーズに有価券を有価券投入口12aへ投入できるようになっている。なお、有価券投入口12aは、本実施形態では蓋体121を避けて設けているが、蓋体121に設けることもできる。
【0033】
また、有価券投入口12aは、精算装置1の幅方向に長さを有するスリット状に形成されており、一般的に略矩形状からなる有価券の短手方向の長さよりも僅かに長い程度の長さからなる。特に限定するものではないが、具体的には7~25cm程度の長さが想定される。
なお、精算装置1の幅はおよそ30~35cm程度が想定されるのに対し、収容部12の幅が精算装置1の幅と同程度に設計されると、収容部12の幅は、有価券投入口12aの長さよりも十分に長いものとなる。そして、本実施形態では、有価券投入口12aは収容部12の幅方向において、一端側に偏った位置に設けられている。具体的には、精算装置1を背面側から見て、左手側に偏って設けられている。
【0034】
ここで、決済媒体投入口11aと有価券投入口12aの位置関係について、決済媒体投入口11aが精算装置1の幅方向の一端側に設けられる一方、有価券投入口12aは精算装置1の幅方向の他端側に設けられる。
図2図5に示されるように、本実施形態に係る精算装置1では、顧客の立ち位置となる正面側から精算装置1を見て、左手側に決済媒体投入口11aが正面側に開口して設けられ、右手側に有価券投入口12aが背面側に開口して設けられている。
【0035】
なお、有価券投入口12aには、開閉自在な庇状の蓋を取り付けてもよい。このような蓋は、収容部12内へ投入された有価券を安全に管理するのに資する。
【0036】
また、本実施形態において、収容部12は中空の略直方体形状からなるところ、その上面は適宜に物を載置できる載置面122を構成し得る。例えば、精算処理時の状況に応じて必要となるハンディスキャナを載置することができ、便利である。
【0037】
以上のような構成からなる精算装置1と登録装置2は、本実施形態において
図13の例のように配された精算ラインを形成する。
なお、
図13では、3台の精算装置1が配置されているが、個々の精算装置1を識別して言及する際の便宜のため、精算装置1A、精算装置1B、又は精算装置1Cと称することがある。
【0038】
顧客Uの購入商品の登録を行う登録装置2は、購入商品が収容された買物カゴを載置するカウンターCの長さ方向の略中央位置に配置されている。詳細には、登録装置2の客側表示部24がカウンターCの前側縁と平行となるように設置され、入出力部22が客側表示部24の背面側に位置するように配置されている。
【0039】
精算装置1は、登録装置2が設置されたカウンターCの長さ方向の一方端側に配置されている。
図7の例では、2台の登録装置2に対し、3台の精算装置1が対応するようになっており、いずれかの登録装置2において商品登録が完了すると、3台の精算装置1のうちのいずれか空いている精算装置1が選択され、当該選択された精算装置1において精算処理が実行される。
3台の精算装置1はいずれも、登録装置2側に背面を向けると共に、入出力部13が登録装置2の反対側を向くように配置されている。
【0040】
なお、精算処理時、買い物カゴはカートに載置され、精算中の顧客Uの横に置けるようにしてもよいし、精算装置1の側面に買い物カゴを載置する台を設け、当該台上に買い物カゴを載置できるようにしてもよい。
また、精算装置1の配置位置や数はこの実施形態に限られるものではないが、精算装置1の有価券投入口12aが、登録装置2を操作する店員S側を向くように配置されれば、店員Sはスムーズに有価券を精算装置1の有価券投入口12aへ投入することができる。
【0041】
続いて、精算ラインにおける会計処理の流れについて、商品販売処理システム10aの場合を例にとって説明する。
店員Sは登録装置2により、顧客Uの購入商品のバーコードをスキャンして、商品登録を行う。この際、店員Sが顧客Uから割引券などの有価券を受け取った場合、その有価券の情報をスキャナ21や入出力部22により登録する。
登録装置2での商品登録が完了し、登録装置2において精算情報が生成されると、精算処理を担う精算装置1が指定され、指定された精算装置1に対して当該精算情報が送信される。
ここで、商品登録時に有価券も登録した場合、店員Sはその有価券を、精算処理を担う精算装置1の有価券投入口12aから収容部12へ投入する。
【0042】
一方、顧客Uは登録装置2の客側表示部24に表示された合計金額を確認後、カウンターCに沿って精算装置1側へ回り、選択された精算装置1で精算処理を行う。具体的には、顧客Uは精算装置1の入出力部13に表示された合計金額を確認すると共に、クレジットカード支払いや現金払いといった支払方法を選択し、支払方法に沿って支払いを行う。クレジットカード支払いの場合には、一括払いや分割払いといった情報を選択するなどした後、決済媒体投入口11aからクレジットカードを挿入して精算処理を行う。現金払いの場合には、合計金額を紙幣や硬貨等により自動釣銭釣札機16を用いて精算処理を行う。
精算が完了すると、会計済みレシートが印刷部14から発行される。
【0043】
ここで、3台の精算装置1のうち、精算処理を担当する精算装置1の指定にはいくつかの態様がある。
第一の指定態様では、精算処理を実行させる精算装置1を、店員Sが登録装置2にて指定する。
即ち、店員Sが、精算装置1を指定する操作を登録装置2に対して行うことによって、複数の精算装置1A、1B、1Cのうちから精算処理を実行させる精算装置1を指定する。店員が精算装置1を指定すると、登録装置2は、指定された精算装置1に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
なお、この場合には、登録装置2の入出力部22において各精算装置1A、1B、1Cの稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、店員Sが入出力部2上で精算装置1を指定する際に、各精算装置1A、1B、1Cの稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0044】
また、第二の指定態様では、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置2から発行させ、店員Sから手渡しされたお会計券を、顧客Uがいずれかの精算装置1に読み取らせる。
即ち、顧客Uが、店員Sから手渡しされたお会計券を精算装置1に読み取らせることによって、複数の精算装置1のうちから精算処理を実行させる精算装置1を指定する。
お会計券には、発行元の登録装置2を示す登録装置識別情報と精算情報とが、バーコード(一次元コード)または2次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置1は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報を取得し、精算処理を実行する。
【0045】
また、第三の指定態様では、商品登録の完了に応じて入出力部22に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置2が、例えば精算装置1に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置1を認識し、使用中でない精算装置1のうちから所定の規則(例えば精算装置番号順)に従っていずれかの精算装置1を指定する。そして、登録装置2は、指定した精算装置1に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0046】
また、第四の指定態様では、予め精算装置1について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。その上で、商品登録の完了に応じて、入出力部22に精算装置1への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置2は、設定された優先順位に従った順で精算装置1の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置1について確認するようにする。その上で、登録装置2は、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置1に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0047】
また、第五の指定態様では、登録装置2が全ての精算装置1に精算情報を送信する。精算情報を受信した精算装置1は、自己が受信した精算情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行可能な状態となると、自己が精算処理を実行することを通知する精算処理実行通知を精算情報の送信元の登録装置2に送信する。登録装置2は、精算処理実行通知の受信に応じて、精算処理実行通知の送信先の精算装置1を示す表示(精算処理実行表示)を行う。店員は、精算処理実行表示を見て、精算処理を実行する精算装置1がいずれであるのかを顧客Uに案内する。
この際、精算処理実行表示とともに、精算処理実行通知を送信した精算装置1のサインポール17を所定のパターンで点灯させたり、精算装置1から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてもよい。
【0048】
また、第六の指定態様では、登録装置2にて商品登録を終えた商品が入れられた買い物カゴを、店員Sが、精算装置1ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサが備えられており、センサによりカゴ置き場に買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応する精算装置1が登録装置2から精算情報を取得して精算処理を実行する。
この場合にも、精算処理を実行することとなった精算装置1が、サインポール17の点灯や報知音の出力などにより、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0049】
また、第七の指定態様では、登録装置2は、精算情報と、複数の精算装置1間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、いずれかの精算装置1に送信する。転送順情報は、精算装置1A、1B、1C間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
例えば、転送順が精算装置1A、精算装置1B、精算装置1Cであり、精算装置1Aが最初に生産指示情報を受信した場合を例にとると、精算指示情報を受信した精算装置1Aは、自己が精算処理を実行可能であれば、精算指示情報の送信元の登録装置2に対して、精算処理実行通知を送信し、受信された精算指示情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行する。
一方、精算指示情報を受信した精算装置1Aは、自己が精算処理を実行不可である場合、受信した精算指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の精算装置1Bに対して、受信した精算指示情報を転送する。このようにして、精算装置1A、1B、1C間で精算指示情報が順次転送されるようにすることによっても、精算処理を実行させるべき精算装置1の指定に相当する手順が実現される。
【0050】
なお、上述した精算装置1の指定態様の例は、商品販売処理システム10aの場合について説明したが、ストアコントローラSCを備えた商品販売処理システム10bの場合には、精算情報が登録装置2からストアコントローラSCを経由して、精算処理を担う精算装置1に送信されて、上記と同様の指定態様が実現される。
【0051】
以上の本実施形態に係る精算装置1によれば、所定の精算装置1が実行した一連の精算処理において使用された有価券を当該所定の精算装置ごとに収容させることができる。その結果、精算装置1ごとの集計処理において、各精算処理装置1の精算処理で使用された有価券を把握しやすいため、集計処理が煩雑にならず便利であるし、有価券の紛失を防ぐことができる。
本実施形態において、有価券投入口32aは精算装置3の収容部32の両側面に、鉛直方向に長さを有したスリット状に形成されている。また、収容部32内の底には有価券投入口32aから投入された有価券が溜まるため、有価券投入口32aは、鉛直方向上方に偏った位置に設けられ、収容部32内の有価券が有価券投入口32aからはみ出したりしないようになっている。
このように有価券投入口32aが精算装置3の側面側に備えられていることにより、登録装置2と精算装置3が横並びし、精算装置3の側面側に店員が立つ状態においても、店員はスムーズに有価券を有価券投入口32aに投入することができる。
このような精算ラインによれば、いずれの精算装置1、3の有価券投入口12a、32aも、登録装置2を操作する店員S側に向けられている。その結果、店員Sはいずれの精算装置1、3の有価券投入口12a、32aへもスムーズに有価券を投入することができる。