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特開2022-13627岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法
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  • 特開-岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013627
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/24 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
G01N33/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016639
(22)【出願日】2021-02-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】202010617168.2
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520328464
【氏名又は名称】中国科学院地質與地球物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF GEOLOGY AND GEOPHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.19 Beitucheng West Road,Chaoyang District,Beijing 100000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】武 艶芳
(72)【発明者】
【氏名】李 暁
(72)【発明者】
【氏名】張 召彬
(72)【発明者】
【氏名】赫 建明
(72)【発明者】
【氏名】鄭 博
(57)【要約】
【課題】岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法を提供する。
【解決手段】一実施例による描写方法は、画像処理装置を用いて変形時刻の異なる岩石の原位置画像を取得するステップと、各画像に基づいて、原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得するステップと、を含む。この解決手段によれば、構造離散化の形態の違いによって結果が異なることが避けられるために、画像境界条件を簡略化する必要がなく、かつ固有の割れ目情報を含まないので、岩石割れ目ネットワークを効果的に描写し、岩石割れ目ネットワークの展開の全過程を得ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置を用いて、変形時刻の異なる岩石の原位置画像を取得するステップと、
各前記画像に基づいて、原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得するステップと、を含むことを特徴とする岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項2】
上述した原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得することは、
岩石原位置の変位場を構築するステップと、
サブピクセルのクラック分布を描写するステップと、
割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項3】
上述した岩石原位置の変位場を構築するステップでは、2つの前記画像の類似度を測定するデジタルボリューム計算処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項4】
前記デジタルボリューム計算処理は、
参照画像と変形画像を入力するステップと、
初期変形関数を設定するステップと、
割れ目分布サブセットと検索サブセットを分割するステップと、
各サブセットの変更行列を計算するステップと、
各サブセットの相関係数を計算するステップと、
相関係数の最大値と座標を見つけるステップと、
各サブセットの変位、角度を計算するステップと、
エラー要件を満たしているか否かを判定するステップと、
変形関数を求めるステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項5】
上述したエラー要件を満たしているか否かを判定するステップでは、
エラー要件を満たしていない場合、各サブセットの変更行列を再計算し、上述した各サブセットの変更行列を計算するステップから、他のステップを順次行い、
エラー要件を満たしている場合、変形関数を求めることを特徴とする請求項4に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項6】
上述したサブピクセルのクラック分布を描写するステップでは、空間のスカラーを取得することが含まれ、具体的には、
クラック面がx軸のクラックに垂直になり、x軸に沿った変位を関数uとする場合、クラック位置では、
を確立し、ここで、Kは空間のスカラーであり、Uは変位ベクトル場であり、前記スカラーを利用して、各位置で発生する破砕の傾向を評価することを特徴とする請求項2に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項7】
上述した割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築することは、
岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立するステップと、
異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、前記割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立するステップと、
割れ目頂点の感度を記述するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項8】
上述した岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立する方法は、
であり、ここで、Gは図形であり、Vは前記岩石割れ目の頂点であり、Eは前記各頂点間に形成された辺であり、
前記接続関係では、前記割れ目のそれぞれは、前記辺に対応し、
前記割れ目頂点の感度は、次の段階で発生する破砕の確率であることを特徴とする請求項7に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項9】
前記異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、前記割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立する方法は、
【請求項10】
前記割れ目ネットワークでは、前記割れ目の展開を記述し、前記割れ目の2つの頂点が接続可能であるか否かを決定し、前記割れ目の2つの頂点確率を描写する方法は、
であり、ここで、Cは割れ目ネットワークノードiのクラスタリング係数であり、Eは頂点iを通過する辺の数であり、kはノードiの感度であり、
特定の頂点iを通過する割れ目が1つしかない場合、k=1、
特定の頂点iを通過する割れ目がない場合、k=0、E=0、C=0、
クラスタリングシステムは、岩石荷重の違いによって異なり、前記クラスタリングシステムは、応力-クラスタリング係数曲線を確立し、割れ目の一点接続性を描写し、割れ目ノード度Kのクラスタリング係数を利用して岩石割れ目全体の接続性を定量的に描写するように構成され、割れ目クラスタリング係数を計算する方法は、
C(k)が圧力に従って変化した曲線の傾きの最大値は岩石の破砕時間であることを特徴とする請求項9に記載の岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩石破砕検出の技術分野に関し、具体的には、岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
岩石破砕は、岩盤工学では一般的な現象であり、岩石破砕の進化法則の研究、および岩石破砕時間やその位置の予測は、基礎的な工学の構築や天然資源の効率的な開発、深部地球における断層活性化の理解と評価に不可欠である。岩石の変形・破壊時に非連続的な超低周波音が発生し、掘削中の周囲岩石の騒音をモニタニングした結果、岩石のバーストには顕著な時間的・空間的特性があることが分かる。
【0003】
岩石破砕の時間的・空間的影響を研究するための有効な手段の一つとして、岩石割れ目ネットワークの展開が挙げられる。岩石割れ目ネットワークの描写は、主に数値シミュレーション、割れ目の幾何学的特徴法(長さ、幅、形状などを含む)、統計的手法(形状、長さなどの異なる割れ目を含む)が用いられている。
【0004】
数値シミュレーション手法では、岩石割れ目ネットワークの展開の全過程を得ることができるが、数値シミュレーションの過程では境界条件を簡略化する必要があり、また、構造離散化の形態によって得られる結果が異なる。割れ目の幾何学的特徴法や統計的手法では、固有の割れ目情報しか含まれておらず、割れ目の膨張傾向を記述することができない。
【0005】
どのように効果的に岩石割れ目ネットワークを描写するかは、現在、当業者が解決すべき問題である。
【発明の概要】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、または少なくとも部分的に上記技術的課題を解決するために、本発明は、岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法を提供する。
【0007】
岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法は、
画像処理装置を用いて、変形時刻の異なる岩石の原位置画像を取得するステップと、
前記各画像に基づいて、原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得するステップと、を含む。
【0008】
選択的に、上述した原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得することは、
岩石原位置の変位場を構築するステップと、
サブピクセルのクラック分布を描写するステップと、
割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築するステップと、を含む。
【0009】
選択的に、上述した岩石原位置の変位場を構築するステップでは、2つの前記画像の類似度を測定するデジタルボリューム計算処理を含む。
【0010】
選択的に、前記デジタルボリューム計算処理は、
参照画像と変形画像を入力するステップと、
初期変形関数を設定するステップと、
割れ目分布サブセットと検索サブセットを分割するステップと、
各サブセットの変更行列を計算するステップと、
各サブセットの相関係数を計算するステップと、
相関係数の最大値と座標を見つけるステップと、
各サブセットの変位、角度を計算するステップと、
エラー要件を満たしているか否かを判定するステップと、
変形関数を求めるステップと、を含む。
【0011】
選択的に、上述したエラー要件を満たしているか否かを判定するステップでは、
エラー要件を満たしていない場合、各サブセットの変更行列を再計算し、上述した各サブセットの変更行列を計算するステップから、他のステップを順次行い、
エラー要件を満たしている場合、変形関数を求める。
【0012】
選択的に、上述したサブピクセルのクラック分布を描写するステップでは、空間のスカラーを取得することが含まれ、具体的には、
クラック面がx軸のクラックに垂直になり、x軸に沿った変位を関数uとする場合、クラック位置では、
を確立し、ここで、Kは空間のスカラーであり、Uは変位ベクトル場であり、前記スカラーを利用して、各位置で発生する破砕の傾向を評価する。
【0013】
選択的に、上述した割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築することは、
岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立するステップと、
異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、前記割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立するステップと、
割れ目頂点の感度を記述するステップと、を含む。
【0014】
選択的に、上述した岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立する方法は、
であり、ここで、Gは図形であり、Vは前記岩石割れ目の頂点であり、Eは前記各頂点間に形成された辺であり、
前記接続関係では、前記割れ目のぞれぞれは、前記辺に対応し、
上述した割れ目頂点の感度は、次の段階で発生する破砕の確率である。
【0015】
上述した異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、前記割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立する方法は、
【0016】
選択的に、前記割れ目ネットワークでは、前記割れ目の展開を記述し、前記割れ目の2つの頂点が接続可能であるか否かを決定し、前記割れ目の2つの頂点確率を描写する方法は、
であり、ここで、Cは割れ目ネットワークノードiのクラスタリング係数であり、Eは頂点iを通過する辺の数であり、kはノードiの感度であり、
特定の頂点iを通過する割れ目が1つしかない場合、k=1、
特定の頂点iを通過する割れ目がない場合、k=0、E=0、C=0、
クラスタリングシステムは、岩石荷重の違いによって異なり、前記クラスタリングシステムは、応力-クラスタリング係数曲線を確立し、割れ目の一点接続性を描写し、割れ目ノード度Kのクラスタリング係数を利用して岩石割れ目全体の接続性を定量的に描写するように構成され、割れ目クラスタリング係数を計算する方法は、
【0017】
本発明では、構造離散化の形態の違いによって結果が異なることを避けるために、画像境界条件を簡略化する必要がなく、かつ固有の割れ目情報を含まないので、岩石割れ目ネットワークを効果的に描写し、岩石割れ目ネットワークの展開の全過程を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例によって提供されるデジタルボリューム計算処理のフローチャートの一例である。
図2】本発明の一実施例によって提供されるCT画像から直接抽出されたクラック画像の一例である。
図3】本発明の一実施例における技術的解決手段により抽出されたクラック画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記目的、特徴および利点をより明らかにするために、以下、図面および実施例を組み合わせて本発明のいくつかの実施例をより詳細に説明する。説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことを理解すべきである。以下の実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。説明される本発明の実施例に基づいて、当業者によって得られる他の全ての実施例は、本発明の保護の範囲内に属する。特に指定されていない場合、実施例で使用される技術的解決手段は、当業者が熟知している従来の手段または先行技術である。
【0020】
本文では、「第1」や「第2」などの関係用語は、あるエンティティや操作を他のエンティティや操作と区別するためにのみ使用され、これらのエンティティや操作の間の実際の関係や順序を必ずしも必要としたり、暗示したりするものではないことに留意されたい。「接続」、「連結」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されてもよく、着脱可能に接続または一体に接続されてもよいが、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよいが、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。「含む」、「包含」または他の任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、一連の要素を含む過程、方法、物品や装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはこの過程、方法、物品や装置に固有の要素をも含む。さらなる制限がない限り、「……を含む」という記述によって限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品や装置に追加した他の同一の要素を排除しない。
【0021】
本発明によって提供される一実施例は、
岩石破砕割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法であって、
画像処理装置を用いて、変形時刻の異なる岩石の原位置画像を取得するステップと、
前記原位置画像の各々に基づいて、原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得するステップと、を含む。
【0022】
本実施例では、構造離散化の形態の違いによって結果が異なることを避けるために、画像境界条件を簡略化する必要がなく、かつ固有の割れ目情報を含まないので、岩石割れ目ネットワークを効果的に描写し、岩石割れ目ネットワーク展開の全過程を得ることができる。
【0023】
画像処理装置を用いて、変形時刻の異なる岩石原位置画像を取得する。その場合、画像処理装置は、例えば高エネルギー加速器CT試験機である。CT画像は、離散的な岩石グレースケール分布を記録しており、どのような統計的手法で計算しても、その計算結果は離散的な画素を単位とし、岩石破砕変形および微小割れ目の展開も画素でしか調べることができず、岩石変形および破砕に重要なサブピクセルの情報を失うことになる。そこで、補間法を用いてCT画像に対して最初の前処理を行い、ほぼ連続した岩石グレースケール分布を得て、連続した画像を再構成する。また、最大エントロピー検出アルゴリズムとクラスタリング画像アルゴリズムを用いて、反転した連続に対して二次処理を行う。
【0024】
最大エントロピー検出アルゴリズムは、グレースケール分布が周辺環境と大きく異なる領域を強調するのに適しており、計算効率が高く、高速であるという利点を有する。しかし、最大エントロピー検出アルゴリズムは騒音の影響を受けやすいため、エッジおよび/または形状がぼやけているCT画像に対しては、より良好な認識効果が得られるクラスタリング画像アルゴリズムを用いて二次処理を行う。最大エントロピー検出アルゴリズムとクラスタリング画像アルゴリズムに基づいて、CTの画像解像度を向上させることができる。なお、最大エントロピー検出アルゴリズムとクラスタリング画像アルゴリズムは、先行技術におけるアルゴリズムであるため、詳細な説明を省略する。
【0025】
本発明によって提供される他の実施例では、
原位置のサブピクセルクラックの空間的広がりを取得することは、
岩石原位置の変位場を構築するステップと、
サブピクセルのクラック分布を描写するステップと、
割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築するステップと、を含む。
【0026】
本発明によって提供される他の実施例では、岩石原位置の変位場を構築するステップで、2つの画像の類似度を測定するデジタルボリューム計算処理を含む。
【0027】
本実施例では、異なる段階で取得したデータに基づいて、変位場とひずみ場の変化パラメータを判定する。
【0028】
例えば図1に示すように、本発明によって提供される他の実施例おいて、デジタルボリューム計算処理は、
参照画像と変形画像を入力するステップと、
初期変形関数を設定するステップと、
割れ目分布サブセットと検索サブセットを分割するステップと、
各サブセットの変更行列を計算するステップと、
各サブセットの相関係数を計算するステップと、
相関係数の最大値と座標を見つけるステップと、
各サブセットの変位、角度を計算するステップと、
エラー要件を満たしているか否かを判定するステップと、
変形関数を求めるステップと、を含む。
【0029】
本実施例のデジタルボリューム計算処理では、計算結果が安定しており、類似度の判定が困難になったり、複数の類似点の発生により相関係数の最適値の判定が困難になったりすることが回避され、さらに、このデジタルボリューム計算処理では、干渉に強く、計算結果を信頼できなくなるような騒音を多く発生させることが回避される。
【0030】
デジタルボリューム計算処理の各詳細なステップは、先行技術における計算ステップを使用する。
【0031】
本発明によって提供される他の実施例において、エラー要件を満たしているか否かを判定するステップでは、
エラー要件を満たしていない場合、各サブセットの変更行列を再計算し、各サブセットの変更行列を計算するステップから、他のステップを順次行い、
エラー要件を満たしている場合、変形関数を求める。
【0032】
本実施例では、さらに、より安定した計算結果を実現し、干渉に対する耐性を向上させる。
【0033】
本発明によって提供される他の実施例において、サブピクセルのクラック分布を描写するステップでは、空間のスカラーを取得することが含まれ、具体的には、
クラック面がx軸のクラックに垂直になり、x軸に沿った変位を関数uとする場合、クラック位置では、
を確立し、ここで、Kは空間のスカラーであり、Uは変位ベクトル場であり、スカラーを利用して、各位置で発生する破砕の傾向を評価する。
【0034】
本実施例では、取得したスカラーに基づいて、各位置で発生する破砕の傾向を評価する。
【0035】
本発明によって提供される他の実施例において、割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築するステップでは、
岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立するステップと、
異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立するステップと、
割れ目頂点の感度を記述するステップと、を含む。
【0036】
本実施例では、岩石割れ目の頂点の発達状況を定量的に特徴付けることができる。
【0037】
本発明によって提供される他の実施例において、岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立する方法は、
であり、ここで、Gは図形であり、Vは岩石割れ目の頂点であり、Eは各頂点の間に形成された辺であり、
接続関係では、割れ目のそれぞれは辺に対応し、
割れ目頂点の感度は、次の段階で発生する破砕の確率である。
【0038】
本発明によって提供される他の実施例では、異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立する方法は、
【0039】
本実施例では、岩石微割れ目の展開を定量的に特徴付けることができる。
【0040】
本発明によって提供される他の実施例では、割れ目ネットワークにおいて、割れ目の展開を記述し、割れ目の2つの頂点が接続可能であるか否かを決定し、割れ目の2つの頂点確率を描写する方法は、
であり、ここで、Cは割れ目ネットワークノードiのクラスタリング係数であり、Eは頂点iを通過する辺の数であり、kはノードiの感度であり、
特定の頂点iを通過する割れ目が1つしかない場合、k=1、
特定の頂点iを通過する割れ目がない場合、k=0、E=0、C=0、
クラスタリングシステムは、岩石荷重の違いによって異なり、応力-クラスタリング係数曲線を確立し、割れ目の一点接続性を描写し、割れ目ノード度Kのクラスタリング係数を利用して岩石割れ目全体の接続性を定量的に描写するように構成され、割れ目クラスタリング係数を計算する方法は、
C(k)が圧力に従って変化した曲線の傾きの最大値は岩石の破砕時間である。
【0041】
本実施例では、岩石割れ目展開のC(k)が力率法の形態を有し、岩石力学における応力-ひずみ曲線と1対1の対応関係を有する応力-C(K)の変化曲線を確立することができ、応力-ひずみ曲線に応答して岩石の内部破砕メカニズムを明らかにするために使用される。
【0042】
最後に、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を例示するためにのみ使用され、それらを限定するものではないことに留意すべきである。上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、上記の各実施例に記載された技術的解決手段を変更し、またはそれらの技術的特徴の一部を等価的に置き換えることができ、本発明の精神から逸脱しないことに基づいて行われた変更や置き換えは、本発明の保護の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置を用いて、時刻が異なり変形する岩石の同一位置の画像を離散的な画素を単位として取得するステップと、
各前記画像に基づいて、前記離散的な画素間におけるサブピクセルの情報を含む画像を構成し、前記サブピクセルの情報を含むサブピクセルクラックの空間的広がりを取得するステップと、を含むことを特徴とする岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項2】
前記サブピクセルクラックの空間的広がりを取得することは、
前記岩石の位置における変位場を構築するステップと、
前記サブピクセルのクラック分布を描写するステップと、
前記岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項3】
上述した前記岩石の位置における変位場を構築するステップでは、2つの前記画像の類似度を測定するデジタルボリューム計算処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項4】
前記デジタルボリューム計算処理は、
参照画像と変形画像を入力するステップと、
初期変形関数を設定するステップと、
割れ目分布サブセットと検索サブセットを分割するステップと、
各サブセットの変更行列を計算するステップと、
各サブセットの相関係数を計算するステップと、
相関係数の最大値と座標を見つけるステップと、
各サブセットの変位、角度を計算するステップと、
エラー要件を満たしているか否かを判定するステップと、
変形関数を求めるステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項5】
上述したエラー要件を満たしているか否かを判定するステップでは、
エラー要件を満たしていない場合、各サブセットの変更行列を再計算し、上述した各サブセットの変更行列を計算するステップから、他のステップを順次行い、
エラー要件を満たしている場合、変形関数を求めることを特徴とする請求項4に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項6】
上述した前記サブピクセルのクラック分布を描写するステップでは、空間のスカラーを取得することが含まれ、具体的には、
クラック面がx軸のクラックに垂直になり、x軸に沿った変位を関数uとする場合、クラック位置では、

を確立し、ここで、Kは空間のスカラーであり、Uは変位ベクトル場であり、前記スカラーを利用して、各位置で発生する破砕の傾向を評価することを特徴とする請求項2に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項7】
上述した前記岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を構築することは、
岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立するステップと、
異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、前記割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立するステップと、
割れ目頂点の感度を記述するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項8】
上述した岩石割れ目の頂点と接続関係に基づいて異なる段階の割れ目ネットワークを確立する方法は、

であり、ここで、Gは図形であり、Vは前記岩石割れ目の頂点であり、Eは前記各頂点間に形成された辺であり、
前記接続関係では、前記割れ目のそれぞれは、前記辺に対応し、
前記割れ目頂点の感度は、次の段階で発生する破砕の確率であることを特徴とする請求項7に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。
【請求項9】
前記異なる破砕段階の岩石中の割れ目を異なる割れ目ネットワーク構造として確立し、前記割れ目ネットワークに基づく隣接行列を確立する方法は、

【請求項10】
前記割れ目ネットワークでは、前記割れ目の展開を記述し、前記割れ目の2つの頂点が接続可能であるか否かを決定し、前記割れ目の2つの頂点確率を描写する方法は、

であり、ここで、Cは割れ目ネットワークノードiのクラスタリング係数であり、Eは頂点iを通過する辺の数であり、kはノードiの感度であり、
特定の頂点iを通過する割れ目が1つしかない場合、k=1、
特定の頂点iを通過する割れ目がない場合、k=0、E=0、C=0、
クラスタリングシステムは、岩石荷重の違いによって異なり、前記クラスタリングシステムは、応力-クラスタリング係数曲線を確立し、割れ目の一点接続性を描写し、割れ目ノード度Kのクラスタリング係数を利用して岩石割れ目全体の接続性を定量的に描写するように構成され、割れ目クラスタリング係数を計算する方法は、

C(k)が圧力に従って変化した曲線の傾きの最大値は岩石の破砕時間であることを特徴とする請求項9に記載の岩石破砕によって展開する岩石の割れ目ネットワークのトポロジー構造を描写する方法。