IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビトロ フラット グラス エルエルシーの特許一覧

特開2022-136289酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減
<>
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図1
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図2
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図3A
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図3B
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図4A
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図4B
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図5
  • 特開-酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136289
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減
(51)【国際特許分類】
   F23L 7/00 20060101AFI20220908BHJP
   F23J 7/00 20060101ALI20220908BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
F23C99/00 310
F23C99/00 317
F23J15/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121253
(22)【出願日】2022-07-29
(62)【分割の表示】P 2020520582の分割
【原出願日】2018-10-24
(31)【優先権主張番号】15/799,288
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518301590
【氏名又は名称】ビトロ フラット グラス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イグダール、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】マッカミー、ジェイムズ、ダブリュー.
(57)【要約】
【課題】燃焼プロセスのためのプラントにおいて、酸素燃焼炉からのNOx排出をさらに制限すること。
【解決手段】本発明によれば、プラントは、材料を加熱する炉12を有する。バーナ16が、炭素系燃料を酸化ガスと燃焼させて炉内へと炎を提供するように構成される。酸化ガスは、少なくとも80重量パーセントの酸素を有する。炉は、炉と煙道26との間の連通をもたらす排気出口20、22を有する。排気出口は、炭素系燃料の燃焼中に生成された排気ガスを炉から煙道へと除去するように構成される。煙道に位置付けられたノズル30が、煙道にアンモニアを注入して排気ガス中のNOx排出量を削減するように構成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼プロセスのためのプラントであって、
材料を加熱する炉と、
前記炉において酸化ガス及び炭素系燃料を燃焼させるように構成されたバーナであって、前記酸化ガスが少なくとも80体積パーセントの酸素を有する、バーナと、
前記炉と煙道との間の連通を提供する排気出口であって、前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記煙道へと除去するように構成された排気出口と、
前記煙道内に位置決めされ、前記煙道及び/又は前記排気ガスへとアンモニアを注入するように構成されたノズルであって、前記アンモニアが、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はそれらの組合せからなる群から選択される、ノズルと
を有するプラント。
【請求項2】
前記燃焼プロセスがガラスを製作するために使用され、前記炉において加熱される前記材料がガラス・バッチ材料である、請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記煙道が上流端壁を有し、前記ノズルが、前記上流端壁において前記煙道内に位置決めされている、請求項1又は2に記載のプラント。
【請求項4】
前記煙道が第1の側壁を有し、前記ノズルが、前記第1の側壁において前記煙道内に位置決めされている、請求項1から2までに記載のプラント。
【請求項5】
前記ノズルが前記煙道の下流端壁に位置決めされている、請求項1又は2に記載のプラント。
【請求項6】
前記煙道を前記排気出口に連結する下降管をさらに有し、前記ノズルは、前記下降管が前記煙道へと連結する前記端壁又は前記側壁において前記煙道内に位置決めされている、請求項1又は2に記載のプラント。
【請求項7】
前記排気出口が上流排気出口であり、前記プラントが下流排気出口をさらに有し、前記上流排気出口及び前記下流排気出口が前記煙道と連通しており、前記プラントが、前記下流排気出口を前記煙道に連結する最下流下降管と、前記上流排気出口を前記煙道に連結する最上流下降管とをさらに有し、前記ノズルが、前記最下流下降管又は前記下流排気出口の下流の位置で前記側壁に位置決めされている、請求項1から6までのいずれかに記載のプラント。
【請求項8】
前記ノズルは、前記排気ガスが850℃から1200℃の間の反応温度であるところで前記煙道内に位置決めされている、請求項1から7までのいずれかに記載のプラント。
【請求項9】
前記プラントが、前記アンモニアを前記排気ガスと反応させる触媒を含まない、請求項1から8までのいずれかに記載のプラント。
【請求項10】
前記アンモニアが、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))の総アンモニア流量で前記排気ガスへと注入され、前記流量が最大で832.79ml/分(0.22GPM)になり得る、請求項1から9までのいずれかに記載のプラント。
【請求項11】
前記排気出口が上流排気出口であり、前記プラントが下流排気出口をさらに有し、前記上流排気出口及び前記下流排気出口が前記煙道と連通しており、前記プラントが、前記下流排気出口を前記煙道に連結する最下流下降管と、前記上流排気出口を前記煙道に連結する最上流下降管とをさらに有し、前記ノズルが、前記煙道の下流端壁と、前記最下流下降管又は前記下流排気出口との間に位置決めされている、請求項1、2、8、9、及び10のいずれかに記載のプラント。
【請求項12】
前記排気出口が上流排気出口であり、前記プラントが下流排気出口をさらに有し、前記上流排気出口及び前記下流排気出口が前記煙道と連通しており、前記プラントが、前記下流排気出口を前記煙道に連結する最下流下降管と、前記上流排気出口を前記煙道に連結する最上流下降管とをさらに有し、前記ノズルが、前記最下流下降管又は前記下流排気出口と、前記最上流下降管又は前記上流排気出口との間に位置決めされている、請求項1、2、4、8、9、及び10のいずれかに記載のプラント。
【請求項13】
前記プラントが、唯一前記煙道の下流端壁内へアンモニアを注入するように構成されている、請求項1、2、5、8、9、及び10に記載のプラント。
【請求項14】
前記プラントが、唯一前記煙道の側壁内へアンモニアを注入するように構成されている、請求項1、2、4、及び請求項6から10までのいずれかに記載のプラント。
【請求項15】
前記炉が酸素燃焼炉である、請求項1から14までのいずれかに記載のプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素燃焼方式炉からの窒素酸化物(NOx)を削減することに関する。そのような炉は、ガラス溶融プラントを含む工業プロセスに使用される。
【背景技術】
【0002】
窒素酸化物(NOx)は、問題とされている空気汚染物質である。これはガス状の一酸化窒素及び二酸化窒素である。これらのガスによりスモッグ及び酸性雨、並びに対流圏オゾンが形成される。炭化水素燃料などの燃料が高温で燃焼している間に窒素が酸素と反応すると、NOxガスが生成される。
【0003】
炉内の窒素の主要な発生源の1つは空気から来ている。空気は約78体積パーセントの窒素と、21体積パーセントの酸素とを含む。この窒素が炉内で酸素と反応して、NOxガスを形成する。NOx排出は、米国環境保護庁などの政府、及び州政府によって規制されている。
【0004】
空気燃焼炉では、NOx排出は電気集塵装置(「EP:electrostatic precipitator」)及び選択触媒還元(「SCR:selective catalytic reduction」)システムによって制御される。NOx削減システムではEPの後にSCRが続き、したがって、NOx排出物を含む排気ガスはEPを通過し、次いでSCRシステムを通過する。
【0005】
SCRシステムは触媒の存在下でアンモニアを排気ガスに注入するものであり、それによってNOxをアンモニアと反応させて、水及び窒素ガスを形成する。SCR削減システムでは、通常は無水アンモニア、アンモニア水、又は尿素が、排気ガスがEPとSCRの間の触媒に到達する前に添加されるアンモニアになる。煙道は排気ガスを含み、排気ガスはNOxガスを含む。触媒は、一般にバナジウム、モリブデン又はタングステンなどのいくつかの卑金属、ゼオライト、又は他の貴金属を含む。バナジウムやタングステンなどの金属触媒の問題点の1つは、それらが高温下において耐久性がないということである。また、金属触媒によりSOがSOに変換される場合があり、それにより、酸による損傷がシステムに生じる。金属触媒よりもゼオライト触媒の方がより高い温度においてより安定しており、SOをさらに酸化させる可能性がより低い。しかし、触媒は時が経つにつれて劣化し、交換が必要になる場合がある。
【0006】
触媒に関連するこれらの問題を考えて、空気燃焼炉において触媒なしでNOxを還元する方法及び設計が開発されてきており、これらは無触媒選択還元(「SNCR:selective non-catalytic reduction」)として知られている。SNCRは空気燃料炉からの排気ガス流にアンモニアを注入するものであり、これはLyonの米国特許第3,900,554号に開示されている。このプロセスが狭い排気ガス温度範囲においてのみ効果的であることを除けば、こうした技法は魅力的に思われるであろう。限界範囲を下回る温度ではいずれの反応も目立って起こらず、したがってNOx排出は改善されない。温度範囲内では反応が優勢になり、したがってNOxが純減する。より高い温度では、アンモニアと余剰酸素の反応がより顕著になり、その結果、排気ガス流中のNOxの量が増加する。したがって、このNOx還元は、アンモニア注入についての明確で安定した温度ゾーンを特定及び利用することができるボイラなどに、その適用範囲が限定されると考えられてきた。
【0007】
Hughesの米国特許第4,328,020号では、空気燃料炉の排気流に一定の条件下でアンモニアを注入することによるSNCRが開示された。各加熱サイクルのかなりの部分に関して、1次リジェネレータ・チャンバと2次リジェネレータ・チャンバとを連結する煙道において、NOxのアンモニア還元に適した条件が存在するか、又は作り出され得る。煙道を通過する排気ガスの温度が870℃から1090℃(水素を伴う場合700℃から1090℃)の範囲を外れるたびに、アンモニア注入が中断される。前述の特許に開示された別の実施例では、アンモニアは、各ゾーンの温度が効果的なNOx還元範囲を通過するとき、リジェネレータの2つ以上のゾーンに順次注入される。この応用の方法では、排気ガスからNOxの大部分を除去することができるが、排気ガス温度が不適当である各加熱サイクルのかなりの部分の間はアンモニア還元技法の効果がないので、全体的な効率は低下する。また、最適な条件であっても、アンモニア還元反応の効率は100パーセントではない。
【0008】
SNCRシステムの限界を考えて、NOxを還元する他の方法が開発されてきた。こうした方法の1つは、空気ではなく酸素燃焼ガスを使用することである。これらの炉は、空気ではなく純粋な酸素、又はほぼ純粋な酸素を使用する。ほとんどすべての窒素が炉内の大気から除去される。窒素がない場合、NOx排出は劇的に減少するので、現在のNOx排出基準を満たすためにSCRは必要とされない。
【0009】
しかし、酸素燃焼炉は気密封止されていない。必然的に、窒素を含むいくらかの空気が炉に入る。さらに、炉で燃やされる炭素系燃料もいくらかの窒素を含む場合がある。したがって、生成されるNOxの水準はこれまでの基準の下では許容可能な排出であったほど十分に低いが、酸素燃焼炉であっても、いくらかのNOxが生成される。
【0010】
この理由から酸素燃焼炉には必然的にいくらかの窒素が存在するが、SCR又はSNCRが著しいアンモニア・スリップをもたらすことなくNOxを減少させるはずであると信じる理由は存在しないので、酸素燃焼炉においてSCR及びSNCRのNOx削減システムは使用されていない。アンモニア・スリップは、未反応のアンモニアが大気へと放出されることである。放出することができるアンモニアの量には制限があるので、SCR及びSNCRのNOx削減システムは、酸素燃焼炉では使用されてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,900,554号
【特許文献2】米国特許第4,328,020号
【特許文献3】米国特許第4,372,770号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、NOxの環境影響を考えると、酸素燃焼炉からのNOx排出をさらに制限する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一般に、酸素燃焼炉と、アンモニアを煙道に注入するように構成されたノズルを有する、煙道内のNOx削減システムとを有するプラントに関する。さらに、本発明は、(酸素燃焼炉としても知られている)酸素燃料炉の排気ガスへとアンモニアを注入して、NOx排出を低減させることに関する。注入は、排気ガスが炉から出て行った後、いくつかの箇所で煙道になされる。
【0014】
燃焼プロセスのためのプラントは、酸素燃焼炉を含む。炉は材料を熱するように構成される。材料はバーナによって熱される。バーナにより、酸化ガス及び炭素系燃料を炉に供給するように構成された、炉へと出る炎が形成される。酸化ガスは、少なくとも80重量パーセントの酸素を有する。炉の内部では、炭素系燃料が酸化ガスの存在下で燃焼して炎を作り出す。炉は、大気に5体積パーセント未満の窒素を有する。燃焼により、排気ガスも作り出される。排気出口により、炉と煙道との間の連通が可能になる。排気出口は、燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを炉から煙道へと除去するように構成される。排気ガスはNOxを含む。NOx削減制御装置が煙道に存在する。NOx削減制御装置は、煙道に位置付けられて排気ガスにアンモニアを注入するように構成された注入ノズルを含む。アンモニアは、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、及びこれらの組合せからなる群から選択することができる。排気ガスにアンモニアを注入することにより、NOxがアンモニアと反応して、煙道から放出されるNOxの量を減少させる。
【0015】
酸素燃焼炉でのNOx生成を減少させる方法は、酸化ガス中で炭素系燃料を燃やすステップを含む。酸化ガスは、少なくとも80重量パーセントの酸素を有する。酸化ガス中で炭素系燃料を燃やすことにより、NOxを含む排気ガスが生成される。排気ガスは、排気出口を通って煙道へと排出される。煙道では、排気ガスがアンモニアと反応し、このアンモニアは、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はこれらの組合せでもよい。反応により排気ガス中のNOxの量が減少して、NOxが減少した排気ガスを形成する。この反応は、触媒を使用することなくなされる。NOxが減少した排気ガスは、煙道から排出される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】酸素燃焼炉を有するプラントを上から見下ろした概略図である。
図2】酸素燃焼炉を有するプラントの断面図である。
図3A】煙道及び下降管の内側側壁を示す図である。
図3B】煙道及び下降管の内側側壁を示す図である。
図4A】煙道及び下降管の外側側壁を示す図である。
図4B】煙道及び下降管の外側側壁を示す図である。
図5】各実例において排気ガス及び煙道へと注入されるアンモニア水の流量の表である。
図6】酸素燃焼炉、2つの上流排気出口、2つの下流排気出口、2つの最上流下降管、2つの最下流下降管、2つの煙道、コネクタ煙道、及び煙突を有するプラントの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書において、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上」、「下」などの空間用語又は方向用語は、各図面に示されているときの本発明に関する。しかし、本発明は種々の代替の配向を想定してもよく、したがって、こうした用語を限定的なものであると考えるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲において使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分の量、反応条件などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものと理解されたい。したがって、逆のことが示されていなければ、以下の明細書及び特許請求の範囲に述べられる数値は、本発明が得ようとする所望の特性に応じて変化することができる。最低でも、また特許請求の範囲に記載の範囲に均等論を適用することを制限しようとするものではないが、各数値は、少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、また通常の端数処理技法を適用することによって解釈されるべきである。さらに、本明細書に開示されるあらゆる範囲は、その範囲の開始値及び終了値、並びにその中に含まれる任意の部分範囲及びすべての部分範囲を包含すると理解されたい。たとえば、「1から10」という指定範囲は、最小値である1と最大値である10の間の(且つそれらを含む)任意の部分範囲及びすべての部分範囲、つまり1か又はそれより大きい最小値で始まり10か又はそれより小さい最大値で終わるあらゆる部分範囲、たとえば1から3.3、4.7から7.5、5.5から10などを含むと考えられるべきである。さらに、本明細書において参照される、発行特許及び特許出願などであるがこれらに限定はされないあらゆる文書は、全体として「参照によって援用される」と考えられるべきである。別段の指定がない限り、量についてのいずれの参照も「体積パーセント」によるものである。
【0018】
本明細書における本発明の議論は、いくつかの特徴をいくつかの制約の範囲内で「具体的には」又は「好ましくは」と記載する場合がある(たとえばいくつかの制約の範囲内で「好ましくは」、「より好ましくは」、又は「さらに好ましくは」)。本発明はこれらの具体的な制約又は好ましい制約に限定されるものではなく、本開示の範囲全体を包含することを理解されたい。
【0019】
本発明の議論は、構成要素を「上流」又は「下流」であるとして言及する。これらの用語は、排気ガスの流れに関連して使用される。
【0020】
本発明は、工業プロセスのためのプラントに関する。工業プロセスは、酸素燃焼炉を使用することができる任意の工業プロセスでもよい。たとえば、工業プロセスはガラスの製造でもよい。
【0021】
プラントは炉を有する。炉は大容量の炉でもよい。たとえば、炉はガラス生産炉でもよい。炉は、原料を炉に送給することができる第1の端部又は開口を含むことができる。炉に入ると、原料は溶融されて溶融材料を形成する。溶融材料は、第2の端部又は吐出端部を通って流れることができる。
【0022】
炉は、燃焼チャンバ及び溶融タンクを有する。溶融タンクはフィーダと連通している。溶融タンクは、原料が溶融される場所である。フィーダは未溶融の原料を保持し、未溶融の原料を溶融タンクに供給する。炉内の溶融タンクの上方が燃焼チャンバである。燃焼チャンバは、燃焼のための酸化ガス及び炭素系燃料を供給し、それによって溶融タンクにおいて材料を溶融させる熱を提供する1つ又は複数のバーナを有する。
【0023】
一実例では、原料はガラス原料でもよい。ガラス原料は、投入装置又はフィーダにより、炉への第1の端部又は開口において炉に入れられる。炉の内部では、ガラス原料が溶融されて溶融ガラスを形成する。溶融ガラスは吐出部から清澄ゾーンへと流れ出る。
【0024】
バーナが、炉の側壁の開口に位置決めされる。炉は、通常は少なくとも2つの側壁(第1の側壁及び第2の側壁)を有し、第1の側壁は第2の側壁に対向する。側壁は、バーナを受けるように構成された開口を有する。バーナは、酸素燃焼ガス、燃料、及び/又は酸素燃焼ガスと燃料の混合物を炉に供給するように構成され、燃料が燃焼して炎を形成する。バーナからの炎により、原料を溶融させるのに必要とされるエネルギーが提供される。バーナは、炉の壁を通って、又は炉の天井を通って延在することができる。炉は、一方の側壁にバーナを有する場合もあり、第1の側壁及び第2の側壁にバーナを有する場合もある。炉は、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、少なくとも10個、若しくは少なくとも12個のバーナを有してもよく、且つ/又は最大で30個のバーナ、最大で24個のバーナ、最大で20個のバーナ、最大で16個のバーナを有してもよい。第1の側壁のバーナは、第2の側壁のバーナと(一直線にではなく)互い違いに配置されてもよい。
【0025】
炉は酸素燃焼炉である。酸素燃料燃焼炉では、熱供給に対する対流の寄与は限定的である。したがって、バーナは、ガラス原料を溶融させるのに適したエネルギーの分散を可能にするために、溶融材料の表面から一定の距離で側壁に配置されなければならない。たとえば、バーナは、溶融材料の表面から少なくとも0.25m又は少なくとも0.40m、且つ1.0m未満又は0.8m未満でもよい。
【0026】
酸素燃焼ガスは、少なくとも80体積パーセント、少なくとも85体積パーセント、少なくとも90体積パーセント、少なくとも92体積パーセント、少なくとも94体積パーセント又は少なくとも95体積パーセントの酸素を有する。酸素燃焼ガスは、酸素燃焼ガスを含む酸素供給源との連結部を通ってバーナへと送給される。
【0027】
炉は、酸素燃焼又は酸素燃料炉である。炉は、溶融材料の上に大気を有する。炉内の大気は、窒素をほとんど又はまったく有しない。たとえば、炉内の大気は20体積パーセント未満、15体積パーセント未満、10体積パーセント未満、5体積パーセント未満、3体積パーセント未満、2体積パーセント未満、1体積パーセント未満、又は0体積パーセントの窒素を有する。窒素の濃度はより高い場合もあり、制御されていない場合もある。窒素は、たとえば炉の壁面レンガの間の漏れ口から炉に入る場合がある。
【0028】
炭素系燃料は、一般に工業炉において燃やされる任意の炭化水素でもよい。炭素系燃料の実例には、天然ガス、燃料油、コークス、石炭、又はディーゼル油が含まれる。
【0029】
酸化ガスと炭素系燃料の比が存在する。この比は、少なくとも酸化ガス1に対して炭素系燃料1、少なくとも酸化ガス1.5に対して炭素系燃料1、酸化ガス2に対して炭素系燃料1、酸化ガス2.5に対して炭素系燃料1、若しくは酸化ガス3.0に対して炭素系燃料1であり、且つ/又は最大で酸化ガス8に対して炭素系燃料1、最大で酸化ガス7に対して炭素系燃料1、最大で酸化ガス6に対して炭素系燃料1、若しくは最大で酸化ガス5に対して炭素系燃料1である。
【0030】
燃焼プロセスにより、燃焼チャンバ内に排気ガスが形成される。排気ガスはNOxガスを含む。NOxガスは、酸素が窒素ガスと反応することによって形成される。炉内に高熱が存在することにより、反応が生じる。ガスの温度が酸素ガスを窒素ガスと反応させるのに十分な高さである限り、反応は、下降管、煙道、又は他の場所でも生じる場合がある。窒素ガスは溶融チャンバ、炉、又は煙道に意図的に送り込まれていない場合があるが、これらの構成要素は気密封止されておらず、又は溶融される原料から窒素ガスが放出されるので、窒素ガスは溶融チャンバ、炉、又は煙道へと侵入する。
【0031】
炉には排気出口が存在する。排気出口は炉の側壁に存在する場合もあり、炉の屋根又は天井に存在する場合もある。排気出口は、側壁又は天井において、バーナの上に位置決めされてもよい。排気出口により、炉と煙道との間の連通が可能になる。排気出口は、燃焼プロセス中に生成された排気ガスを炉から除去するように構成される。炉は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれを超える排気出口でもよい。2つ以上の排気出口を有する実施例では、少なくとも1つの排気出口が下流で炉に位置決めされてもよく、少なくとも1つの第2の排気出口が上流で炉に位置決めされてもよい。
【0032】
任意選択で、下降管により、排気出口が煙道に連結されてもよい。下降管は、排気ガスが排気出口から煙道へと下方に進むダクトである。したがって、煙道は排気出口の下に位置決めされることになる。当然、下降管は必要とされず、また、煙道が排気出口と同じ水平面に、又は排気出口の上に位置決めされる場合もある。
【0033】
煙道は、第1の側壁すなわち左側壁と、第2の側壁すなわち右側壁と、第1の端壁すなわち上流端壁と、第2の端壁すなわち下流端壁とを含む。煙道は煙突と連通している。たとえば、煙道は、煙道の下流端壁又はその近くにおいて煙突又はコネクタ煙道へと連結し、コネクタ煙道により、煙道と煙突の間の連通が可能になる。
【0034】
プラントは、2つ以上の煙道を有する場合もある。こうしたプラントでは、炉は、互いに対向する第1の側壁及び第2の側壁を有する。第1の側壁は第1の排気出口を有することができ、第2の側壁は第2の排気出口を有することができる。第1の排気出口は第1の煙道と連通しており、第2の排気出口は第2の煙道と連通している。第1の排気出口は、第1の排気出口を煙道に連結させる任意選択の第1の下降管によって第1の煙道と連通していてもよく、第1の煙道は第1の排気出口の下に位置決めされる。同様に、第2の排気出口は、第2の排気出口を第2の煙道に連結させる任意選択の第2の下降管によって第2の煙道と連通していてもよく、第2の煙道は第2の排気出口の下に位置決めされる。通常、こうしたプラントは、第1の煙道と流体連通して第1の煙道と炉の間の流体連通を可能にする第1の上流排気出口及び第1の下流出口を有することになり、それにより、排気ガスは炉から第1の煙道へと流れ出ることができる。同様に、プラントは、第2の煙道と流体連通して第2の煙道と炉の間の流体連通を可能にする第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口を有することになり、それにより、排気ガスは炉から第2の煙道へと流れ出ることができる。
【0035】
煙道の内部には、NOx削減制御装置が存在する。NOx削減制御装置は、煙道へと、また排気ガスへとアンモニアを注入するように構成された1つ又は複数のノズルを含む。アンモニアは、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はこれらの組合せでもよい。
【0036】
1つ又は複数のノズルはマウント(図示せず)に取り付けられる。マウントは煙道に挿入されるように構成される。たとえば、煙道がレンガで構築されている場合、マウントは、レンガが取り外された場所に挿入されるように構成することができる。
【0037】
ノズルは、煙道内の種々の場所に配置することができる。ノズルは側壁、端壁、又はこれらの組合せに配置されてもよい。側壁において、ノズルは最上流下降管が煙道へと連結する場所に配置されてもよく、最上流下降管と最下流下降管との間に配置されてもよく、最下流下降管が煙道へと連結する場所に配置されてもよく、最下流下降管と下流端壁又はコネクタ煙道との間の位置に配置されてもよい。
【0038】
ノズルは、排気ガスが、アンモニアがNOxと反応する反応温度になる煙道内の場所に配置されてもよい。反応温度は850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間である。
【0039】
煙道は排気出口と連通している。煙道は排気出口に直接連結してもよく、排気出口と連通していてもよい。煙道は、排気出口とほぼ同じ水平面に存在してもよく、排気出口の上に存在してもよく、排気出口の下に存在してもよい。煙道は、下降管によって排気出口に連結されてもよい。
【0040】
煙道は、上流端壁及び下流端壁を有する。下流端壁において、煙道は煙突へと連結する場合もあり、煙突及び/又は第2の煙道への連通を可能にするコネクタ煙道に連結する場合もある。
【0041】
煙道の上流端壁は煙道の上流端部に位置決めされる。通常、これは最上流下降管が煙道へと連結する場所になるか、又は別法として、上流排気出口が煙道へと連結する場所になる。
【0042】
煙道の下流端壁は、煙道がプラントの他の構成要素へと連結する、最下流下降管の下流のある地点に存在する。これは、通常、第1の煙道と第2の煙道の間又は煙道と煙突の間の連通を可能にするコネクタ煙道に、煙道が連結する地点であることになる。
【0043】
NOx削減装置用のノズルは、上流端壁、下流端壁、又はこれらの組合せに配置されてもよい。
【0044】
追加的に、又は別法として、NOx削減装置用のノズルは、煙道の側壁、屋根、又は床面に位置付けられる。ノズルは、側壁、屋根、又は床面のどこに存在してもよい。側壁は、(煙道の床面に対して)垂直な壁である。通常、各煙道は、2つの側壁並びに第1の側壁及び第2の側壁、床面、又は屋根を有する。ノズルは第1の側壁、第2の側壁、屋根、床面、又はこれらの組合せに配置することができる。たとえば、ノズルは、最下流下降管又は下流排気出口の下流のある位置で側壁に配置されてもよく、最下流端壁と最下流下降管又は下流排気出口との間で側壁に配置されてもよく、最下流の下降管又は排気出口と最上流の下降管又は排気出口との間で側壁に配置されてもよい。ノズルは、最下流下降管又は下流排気出口と最下流端壁との間に位置決めされることが好ましく、最下流端壁よりも最下流下降管若しくは下流排気出口に近いところに、又は最下流下降管が煙道に連結する接合部に位置決めされることがより好ましい。
【0045】
NOx削減装置用のノズルは、上流端壁、下流端壁、第1の側壁、第2の側壁、煙道の床面、煙道の屋根、又はこれらの組合せに配置されてもよい。ノズルは上流端壁のみに位置決めされてもよく、下流端壁のみに位置決めされてもよく、第1の側壁のみに位置決めされてもよく、第2の側壁のみに位置決めされてもよく、煙道の屋根のみに位置決めされてもよく、煙道の床面のみに位置決めされてもよい。
【0046】
プラントは2つの煙道(第1の煙道及び第2の煙道)を有することができる。こうしたプラントでは、NOx削減装置用のノズルは、本明細書に述べた任意の場所において両方の煙道に配置されても一方のみの煙道に配置されてもよく、この場合、他方の煙道はアンモニアを注入するためのノズルのみを含まない。これにより、アンモニアは第1の煙道にのみ、又は第2の煙道にのみ注入される。いくつかの場合には、NOx削減装置用のノズルは、本明細書に述べられる任意の場所において第1の煙道及び第2の煙道に配置されてもよく、第2の煙道のノズルは閉じられ、したがって第2の煙道にはアンモニアが注入されず、第1の煙道のノズルのみが開かれ、したがって第1の煙道にのみアンモニアが注入される。
【0047】
各ノズルは、ある速度で煙道及び/又は排気ガスにアンモニアを注入する。アンモニアはアンモニア水でもよく、無水アンモニアでもよい。アンモニア水の場合、アンモニアは任意の濃度でもよい。すべてのノズルから注入されるアンモニアの速度は、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM:gallons per minute))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)でもよく、且つ/又は速度は最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)でもよい。本明細書において論じるアンモニアの速度は、注入されているアンモニアの量を指す。これは、たとえば単に注入され得るいかなる水も除外する。したがって、たとえば264.98ml/分(0.07GPM)のアンモニアを注入しようと望んでおり、溶液が20体積パーセントのアンモニアを含む場合、アンモニア水は1324.89ml/分(0.35GPM)の速度で注入されることになる。この速度でいくと、アンモニアは264.98ml/分(0.07GPM)の速度で注入されることになるからである。
【0048】
煙道及び/又は排気ガスへと注入されるアンモニアは、無水アンモニア、アンモニア水、尿素又はこれらの組合せでもよい。
【0049】
任意選択で、煙道に空気が注入されてもよい。理想的には、空気は排気ガス温度が少なくとも700℃、少なくとも750℃、又は少なくとも760℃になる場所で注入されるべきであり、排気ガス温度は1000℃未満、950℃未満、900℃未満、又は890℃未満であるべきである。空気は、少なくとも5ml/分、少なくとも7ml/分、若しくは少なくとも10ml/分の速度で注入されるべきであり、且つ/又は最大で700ml/分、最大で600ml/分、若しくは最大で500ml/分の速度で注入されるべきである。空気は、上流下降管が煙道へと連結する場所の側壁、上流下降管と下流下降管の間の側壁、下流下降管が煙道へと連結する場所の側壁、下流下降管と下流端壁若しくはコネクタ煙道との間の位置の側壁、下流端壁、又は上流端壁を含め、煙道内の任意の場所で煙道へと注入されてもよい。
【0050】
プラントには、煙道ガス熱回収システム又はリジェネレータ・システムは存在しない。リジェネレータ・システムは、排気ガスから熱を回収するシステムである。これは、排気ガスの流れを周期的に逆にすることによってなされる。煙道は、レンガなど、排気ガスに含まれる熱のうちのいくらかを吸収することができる材料で製作される。空気燃料炉を効率的に運転するには、空気は燃焼の前に事前加熱されるべきである。これは、レンガに閉じ込められた熱を使用して空気を熱するリジェネレータ・システムによってなされる。こうしたシステムの一実例がKrumwiedeらの米国特許第4,372,770号に提示されている。本明細書において記載及び請求される本発明は、リジェネレータ・システムを使用する必要がない。
【0051】
本明細書に記載のNOx削減システムを使用するプラントは、電気集塵装置、又はNOxをアンモニアと反応させる触媒も必要としない。
【0052】
本発明は、工業プロセス中に生成される排気ガスからNOx排出を減少させる方法にも関する。排気ガスは、炉において酸化ガス中で炭素系燃料を燃やすことによって作り出される。炉は、ガラス生産炉などの大容量の炉でもよい。原料は炉に送給される。炉に入ると、原料は溶融されて溶融材料を形成する。原料は、酸化ガス中で炭素系燃料を燃焼させることによって溶融される。
【0053】
酸化ガスは、少なくとも80体積パーセント、少なくとも85体積パーセント、少なくとも90体積パーセント、少なくとも92体積パーセント、少なくとも94体積パーセント、又は少なくとも95体積パーセントの酸素を有する。酸化ガスは、バーナを通って炉へと送給される。たとえば、バーナは酸化ガス供給源及び炭素系燃料供給源に連結され、バーナにより、酸化ガス及び炭素系燃料が炉に供給される。
【0054】
酸化ガスと炭素系燃料は、酸化ガス1に対して炭素系燃料1、少なくとも酸化ガス1.5に対して炭素系燃料1、酸化ガス2に対して炭素系燃料1、酸化ガス2.5に対して炭素系燃料1、若しくは酸化ガス3.0に対して炭素系燃料1の比で、且つ/又は最大で酸化ガス8に対して炭素系燃料1、最大で酸化ガス7に対して炭素系燃料1、最大で酸化ガス6に対して炭素系燃料1、若しくは最大で酸化ガス5に対して炭素系燃料1の比で供給される。
【0055】
炉は大気を有する。大気は、炉がほとんど又はまったく窒素を有しないように制御される。たとえば、炉は5体積パーセント未満、3体積パーセント未満、2体積パーセント未満、1体積パーセント未満、又は0体積パーセントの窒素を有する。
【0056】
酸化ガス中で炭素系燃料を燃焼させる結果として、排気ガスが形成される。排気ガスは1つ又は複数の排気出口を通って炉から排出される。たとえば、排気ガスは、少なくとも2つの排気出口、少なくとも3つの排気出口、少なくとも4つの排気出口、又はそれより多い排気出口を通って炉から排出されてもよい。排気出口は、炉の側壁、又は炉の屋根若しくは天井に位置決めされる。2つ以上の排気出口が存在する場合、排気出口の1つは炉の第1の側壁に位置決めされてもよく、第2の排気出口は、第1の側壁に対向する、炉の第2の側壁に位置決めされてもよい。最下流排気出口及び最上流排気出口が存在する場合もある。
【0057】
排気出口は煙道と流体連通している。排気ガスは、炉から煙道へと流れ出ることができる。煙道は、排気出口とほぼ同じ水平面に位置決めされてもよく、排気出口の上に位置決めされてもよく、排気出口の下に位置決めされてもよい。煙道は、下降管によって排気出口に連結されてもよい。こうした場合、排気ガスは排気出口から下降管を下り、煙道へと流れ出ることになる。
【0058】
アンモニアは、1つ又は複数のノズルによって煙道に注入される。アンモニアは排気ガスと反応する。具体的には、アンモニアは排気ガス中のNOxと反応して、水及び窒素ガスを形成する。アンモニアは、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はこれらの組合せでもよい。
【0059】
アンモニアは、すべてのノズルに基づいて計算される、ある速度で注入される。アンモニアは、無水アンモニア、アンモニア水、尿素、又はこれらの組合せでもよい。すべてのノズルから注入されるアンモニアの総流量は、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)でもよく、且つ/又は速度は最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)でもよい。本明細書において論じるアンモニアの速度は、注入されているアンモニアの量を指す。これは、たとえば単に注入され得るいかなる水も除外する。したがって、たとえば264.98ml/分(0.07GPM)のアンモニアを注入しようと望んでおり、溶液が20体積パーセントのアンモニアを含む場合、アンモニア水は1324.89ml/分(0.35GPM)の速度で注入されることになる。この速度でいくと、アンモニアは264.98ml/分(0.07GPM)の速度で注入されることになるからである。
【0060】
アンモニアは、排気ガスが反応温度になる場所で煙道に注入されるべきである。反応温度は850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間である。
【0061】
アンモニアは、煙道の一方若しくは両方の側壁、煙道の端壁、煙道の屋根若しくは天井、煙道の床面、又はこれらの組合せから注入されてもよい。アンモニアは、最上流下降管が煙道へと連結する端壁である上流端壁から注入されてもよく、最上流下降管と最下流下降管の間の煙道の側壁、天井、又は床面において注入されてもよく、最下流下降管が煙道へと連結する煙道の側壁又は床面において注入されてもよく、最下流下降管と下流端壁、コネクタ煙道又は煙突との間の煙道の側壁、天井又は床面において注入されてもよい。
【0062】
アンモニアは、これらの場所において複数のノズルによって注入されてもよい。たとえば、少なくとも2個、少なくとも4個、若しくは少なくとも6個のノズルがそれぞれの場所に存在してもよく、且つ/又は最大で14個、最大で12個、若しくは最大で10個のノズルがそれぞれの場所に存在してもよい。アンモニアが単一の場所において複数のノズルによって注入される場合、ノズルは別のノズルに対して水平に、且つ/又は垂直に位置合わせされてもよい。たとえば、アンモニアは、側壁若しくは端壁の上半分、側壁若しくは端壁の下半分、端壁の左半分、又は端壁の右半分に位置決めされたノズルによって注入されてもよい。特定の実例では、アンモニアは4個のノズル又は8個のノズルによって煙道に注入される。
【0063】
煙道に注入されると、排気ガス中のNOxはアンモニアと反応して窒素ガス及び水を形成し、それによってNOx排出を減少させる。窒素ガス及び水は煙道の残りの部分を通って任意選択でコネクタ煙道へと進み、煙突から吐出される。
【0064】
「実例1」
図1及び図2には、本発明によるNOx削減システムを備えた例示的なプラントが示してある。プラントは炉12を有し、投入開口14を通してこの炉12へとガラス材料を送給又は投入することができる。ガラス原料は、図1の矢印Aによって示されているように、投入開口14から炉12へと送給される。
【0065】
炉は複数のバーナ16を有し、バーナ16は炭素系燃料と酸化ガスの混合物を供給し、また炭素系燃料を酸化ガスと燃焼させて複数の酸素燃料燃焼炎18を形成するように構成される。バーナ16は、炉12の側壁24の開口に位置決めされる。側壁24の各バーナ16の開口は、対向する側壁24のバーナ16の開口とは互い違いに配置されており、したがって、別のバーナとまっすぐに対向したバーナ16開口はない。各バーナ16は、酸化ガス供給源及び炭素系燃料供給源へと、各供給源についての個別の供給ラインによって連結されている。酸化ガスは主として酸素であり、少なくとも95体積パーセントの酸素を有する。酸化ガスは1体積パーセント未満の窒素ガスを含んでいたか、又は窒素ガスを含んでいなかった。この実例での炭素系燃料は天然ガスである。この酸化ガス及び炭素系燃料は、バーナ16を通って炉12へと送り込まれる。酸化ガス及び炭素系燃料は、少なくとも酸化ガス1.5に対して炭素系燃料1の比から最大で酸化ガス2.5に対して炭素系燃料1の比で、又はより好ましくはおおよそ酸化ガス2に対して炭素系燃料1の比で炉12に送り込まれる。
【0066】
炉12は、異なる酸化ガス、具体的には空気又は5体積パーセントを上回る窒素ガスを有するガスの存在下で炭素系燃料を燃焼させるいかなるバーナ16も含まない。したがって、炉12は酸素燃焼炉又は酸素燃料炉である。したがって、燃焼チャンバは、その大気中に5体積パーセント未満の窒素ガスを有する。
【0067】
炉12の内部では、酸化ガスの存在下で炭素系燃料が燃焼して、炎18を形成する。炎はガラス原料を溶融させ、溶融ガラス44を形成する。炭素系燃料と酸化ガスの燃焼により、排気ガスが形成される。
【0068】
この実例での炉12は、4つの排気出口を有する。2つの上流排気出口20が各側壁24に1つ存在し、2つの下流排気出口22が一方は第1の側壁に、もう一方は第2の側壁24に存在する。排気出口20、22により、炉12と2つの煙道26(第1の煙道及び第2の煙道)との間の連通が可能になる。
【0069】
第1の煙道及び第2の煙道26は、下降管27、28によって排気出口20、22に連結される。2つの下降管27、28が第1の煙道26に連結し、他の2つの下降管27、28が排気出口20、22への第2の煙道26に連結する。排気ガスは排気出口20、22を通って炉12から流れ出し、排気通路Bに沿って第1の煙道26及び第2の煙道26へと流れる。
【0070】
図3図5を参照すると、各煙道26はNOx削減装置を有し、このNOx削減装置は、少なくとも1つのノズル30、又は複数のノズル30を含む。この実例では、4個のノズル30が第1の側壁32に位置決めされ、4個のノズル30が第1の煙道及び第2の煙道26の第2の側壁34に位置決めされており、4個のノズル30が第1の煙道及び第2の煙道26の上流端壁36に配置される。したがって、各煙道は3つの場所で12個のノズルを含む。各ノズル30は、アンモニアを添加する場所を制御するために、独立してオン又はオフにすることができる。アンモニア・ポンプにより、アンモニアを供給する流量が制御される。したがって、操作者は煙道26へとアンモニアを送り込む場所、及び煙道26へと送り込まれるアンモニアの量を制御することができる。
【0071】
具体的には、最下流下降管28が煙道26へと連結する煙道26の各32、34側壁に、8個のノズルを設置した。図3図4に示されているように、各煙道26の各側壁32、34は、側壁の上部に2つのノズル30を有し、側壁32、34の下部に2つのノズル30を有する。したがって、各煙道26は第1の側壁32に4個のノズル30を有し、第2の側壁34に4個のノズル30を有する。合計では、各煙道26は、最下流下降管28が煙道26へと連結するおおよその場所で、両方の側壁32、34の間に8個のノズル30を有する。
【0072】
ノズル30の数は重要ではなく、各実例において、単にアンモニアの流量を制御する手段として使用された。そのノズル30が煙道内の排気ガスの量に対して適当な体積のアンモニアを送達することができる限り、本明細書に記載のいずれかの場所の単一のノズル30で十分なはずであることが予見できる。
【0073】
各図には示されていないアンモニア配管を介して、各ノズル30をアンモニア・ポンプに連結した。やはり各図には示されていない局所的空気供給源にも、ノズル30を連結した。アンモニアを、37.85ml/分(0.01GPM)から3028.33ml/分(0.8GPM)の速度で排気ガスに注入した。この注入速度は、すべてのノズル30全体でアンモニアが添加される速度である。好ましくは、アンモニア流量は189.27ml/分(0.05GPM)から832.79ml/分(0.22GPM)の間であるべきである。
【0074】
第1の煙道及び第2の煙道26は、第1の煙道及び第2の煙道の下流端壁38で、又はその近くで、コネクタ煙道40へと連結する。コネクタ煙道40により、第1の煙道26、第2の煙道26、及び煙突42の間の連通が可能になる。排気出口20、22、下降管27、28、第1の煙道及び第2の煙道26、コネクタ煙道40、並びに煙突42は、炉12から排出されたガスを煙突42からプラントの外に排出するように構成される。煙突42から排出される排気ガスのNOxの量は、炉12において認められる排気ガスと比較して減少している。
【0075】
この実例ではノズル30の具体的な場所、及びそれぞれの場所としてのノズル30の具体的な数が提示されているが、ノズル30の場所及び数はノズル30の他の場所又は他の数へと変更されてもよいことが、当業者には容易に理解されるはずである。たとえば、それぞれの場所に1つだけのノズルが使用されてもよく、又は場所は最下流下降管28と下流端壁38の間でも、下流端壁38でも、最下流下降管28と上流端壁36の間でも、最上流下降管27が煙道26へと連結する場所の側壁32若しくは34でもよい。さらに、NOx削減装置及び/又はノズル30はこれらの場所のうちの1つ又は複数に設置されてもよく、第1の煙道26のみに設置されてもよく、第2の煙道26のみに設置されてもよい。別法として、ノズル30は第1の煙道及び/又は第2の煙道26の天井(若しくは屋根)、又は床面に設置されてもよい。
【0076】
開口又は投入端部14において、投入装置を介して炉12へとガラス原料を送給した。炉12の内部では、バーナ16により酸素燃焼ガス及び炭素系燃料が供給され、炭素系燃料は酸素燃焼ガスの存在下で燃焼する。炉12の大気に意図的に添加された窒素はほとんど又はまったく存在しなかった。炉12は気密封止されていなかったので、窒素ガスが存在した限り、窒素は炉12に入り込んだはずである。
【0077】
炭素系燃料と酸素が燃焼することにより、溶融ガラス44及び排気ガスが形成されることになる。いくらかの窒素が炉12に入り込んだはずであるので、排気ガスはいくらかのNOxを含んでいた。排気ガスは、炉12から左右の排気出口20及び22を介して左右の下降管27及び28へと吐出されることになる。排気ガスは、通路Bに沿って第1の煙道及び第2の煙道26へと進むことになる。
【0078】
煙道の内部では、上述の場所において煙道26に設置されたノズル30により、アンモニアが注入されることになる。アンモニアはNOxと反応して窒素及び水を形成し、それにより、酸素燃焼炉12によって生成されるNOx排出を減少させることになる。
【0079】
実例1~22では、煙道26の側壁32、34、及びノズル30が側壁32、34に設置される場所を参照する。明確に述べられていない限り、側壁33、34のノズル30は煙道26の側壁32、34の任意の位置に配置されてもよく、煙道26の屋根及び煙道26の床面は側壁32、34の適当な代替物になることが理解される。
【0080】
「実例2」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは第1の煙道及び第2の煙道26の上流端壁36において煙道に注入されるか、又は第1の煙道及び第2の煙道26の上流端壁36においてのみ煙道に注入される。
【0081】
「実例3」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の第1の側壁32及び第2の側壁34のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズル30はオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは第1の煙道及び第2の煙道26の第1の側壁32及び第2の側壁34において注入されるか、又は第1の煙道及び第2の煙道26の第1の側壁32及び第2の側壁34のみにおいて注入される。
【0082】
「実例4」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方の煙道26又は第1の煙道26のみの上流端壁36のみに位置決めされ、両方の煙道には位置決めされないことを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズル30はオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは上流端壁36において一方の煙道若しくは第1の煙道26に注入されるか、又は上流端壁36において一方の煙道若しくは第1の煙道26のみに注入される。
【0083】
「実例5」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方の煙道26又は第1の煙道26のみの第1の側壁32及び第2の側壁34のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズル30はオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは第1の側壁32及び第2の側壁34において第1の煙道26に注入されるか、又は第1の側壁32及び第2の側壁34において第1の煙道26のみに注入される。
【0084】
「実例6」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の下流端壁38のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38においてのみ煙道26に注入される。
【0085】
「実例7」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、及び第2の側壁34のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、及び第2の側壁34において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、及び第2の側壁34においてのみ煙道26に注入される。
【0086】
「実例8」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の下流端壁38及び上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38及び上流端壁36において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38及び上流端壁36においてのみ煙道26に注入される。
【0087】
「実例9」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方の煙道26又は第1の煙道26のみの下流端壁38のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、下流端壁38において一方の煙道26に注入されるか、又は下流端壁38において一方の煙道26のみに注入される。
【0088】
「実例10」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方の煙道26又は第1の煙道26のみの下流端壁38、第1の側壁32、及び第2の側壁34のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、一方の煙道26若しくは第1の煙道26のみの下流端壁38、第1の側壁32、及び第2の側壁34において煙道26に注入されるか、又は一方の煙道26若しくは第1の煙道26のみの下流端壁38、第1の側壁32、及び第2の側壁34においてのみ煙道26に注入される。
【0089】
「実例11」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、第2の側壁34、及び上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、第2の側壁34、及び上流端壁36において注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、第2の側壁34、及び上流端壁36のみにおいて注入される。
【0090】
「実例12」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、第2の側壁34、及び上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、第2の側壁34、及び上流端壁36において注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、第1の側壁32、第2の側壁34、及び上流端壁36のみにおいて注入される。
【0091】
「実例13」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の一方の側壁のみ(第1の側壁32又は第2の側壁34のみ)に位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズル30はオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道及び第2の煙道26の一方の側壁のみ(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)において煙道に注入されるか、又は第1の煙道及び第2の煙道26の一方の側壁のみ(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)においてのみ煙道に注入される。
【0092】
「実例14」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方のみの煙道26(第1の煙道26)の一方のみの側壁(第1の側壁32又は第2の側壁34)のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズル30はオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、一方のみの煙道26(第1の煙道26)の一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)において煙道に注入されるか、又は一方のみの煙道26(第1の煙道26)の一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)においてのみ煙道に注入される。
【0093】
「実例15」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の上流端壁36、第1の側壁32、及び第2の側壁34のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26及び第2の煙道26の上流端壁36、第1の側壁32、及び第2の側壁34において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の上流端壁36、第1の側壁32、及び第2の側壁34においてのみ煙道26に注入される。
【0094】
「実例16」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方のみの煙道26(第1の煙道26)の上流端壁36、第1の側壁32、及び第2の側壁34のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、一方のみの煙道26(第1の煙道煙道26)の上流端壁36、第1の側壁32、及び第2の側壁34において煙道26に注入されるか、又は一方のみの煙道26(第1の煙道煙道26)の上流端壁36、第1の側壁32、及び第2の側壁34においてのみ煙道26に注入される。
【0095】
「実例17」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の上流端壁36及び一方のみの側壁(第1の側壁32又は第2の側壁34)のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26及び第2の煙道26の上流端壁36、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の上流端壁36、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)においてのみ煙道26に注入される。
【0096】
「実例18」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方のみの煙道26(第1の煙道26)の上流端壁36及び一方のみの側壁(第1の側壁32又は第2の側壁34)のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26のみの上流端壁36、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26のみの上流端壁36、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)においてのみ煙道26に注入される。
【0097】
「実例19」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方のみの煙道26(第1の煙道26)の下流端壁38及び上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26のみの下流端壁38及び上流端壁36において煙道26に注入されるか、又は第1の煙道26のみの下流端壁38及び上流端壁36においてのみ煙道26に注入される。
【0098】
「実例20」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが第1の煙道及び第2の煙道26の下流端壁38、一方のみの側壁(第1の側壁32又は第2の側壁34)、及び上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)、及び上流端壁36において注入されるか、又は第1の煙道26及び第2の煙道26の下流端壁38、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)、及び上流端壁36のみにおいて注入される。
【0099】
「実例21」
この実例では、プラントは、NOx削減装置ノズルが一方のみの煙道26(第1の煙道26)の下流端壁38、一方のみの側壁(第1の側壁32又は第2の側壁34)、及び上流端壁36のみに位置決めされることを除いて、実例1と同様に構成される。NOx削減装置ノズル30が任意の他の場所に存在する限りこれらのノズルはオフにされており、したがって、その他の場所においてアンモニアを煙道に送り込むことはできない。したがって、アンモニアは、第1の煙道26のみの下流端壁38、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)、及び上流端壁36において注入されるか、又は第1の煙道26のみの下流端壁38、一方のみの側壁(第1の側壁32若しくは第2の側壁34)、及び上流端壁36においてのみ注入される。
【0100】
「実例22」
実例1~21のいずれかを使用して、アンモニア水を指定された流量で排気ガス及び煙道へと送り込んだ。流量は図5に提示してある。アンモニアが酸素燃焼炉からの排気ガスに注入されたとき、驚くことに、NOxの顕著な減少が生じた。顕著な、また驚くべきNOxの減少は、19体積パーセントのアンモニア水の、排気ガスへのわずか719.23ml/分(0.19GPM)の流量(すなわち136.27ml/分(0.036GPM)のアンモニア流量)で観察された。より大きい流量ではより著しい減少が観察されたが、3785.41ml/分(1.0GPM)を上回る流量の19体積パーセントのアンモニア水(すなわち719.23ml/分(0.19GPM)のアンモニア流量)では、アンモニア・スリップが問題となった。
【0101】
番号付けされた以下の条項において、本発明をさらに説明する。
【0102】
条項1:燃焼プロセスのためのプラントであって、材料を熱する炉と、前記炉において酸化ガス及び炭素系燃料を燃焼させるように構成されたバーナであって、前記酸化ガスが、少なくとも80体積パーセントの酸素、具体的には少なくとも85体積パーセント、より具体的には少なくとも90体積パーセント、より具体的には少なくとも92体積パーセント、より具体的には少なくとも94体積パーセント、又は少なくとも95体積パーセントの酸素を有する、バーナと、前記炉と煙道との間の連通を可能にし、前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記煙道へと除去するように構成された排気出口と、前記煙道に位置決めされ、前記煙道及び/又は前記排気ガスへとアンモニアを注入するように構成されたノズルとを有し、前記アンモニアが、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はこれらの組合せからなる群から選択される、プラント。
【0103】
条項2:前記燃焼プロセスがガラスを製作するために使用され、前記炉において熱される前記材料がガラス・バッチ材料である、条項1に記載のプラント。
【0104】
条項3:前記煙道が上流端壁を有し、前記ノズルが前記上流端壁において前記煙道に位置決めされている、条項1又は2に記載のプラント。
【0105】
条項4:前記煙道が第1の側壁を有し、前記ノズルが、前記第1の側壁において前記煙道に位置決めされている、条項1から2までに記載のプラント。
【0106】
条項5:前記煙道が第2の側壁を有し、第2のノズルが、前記第1のノズルにほぼ対向するか又は対向して、前記第2の側壁において前記煙道に位置決めされている、条項4に記載のプラント。
【0107】
条項6:前記ノズルが前記煙道の下流端壁に位置決めされている、条項1又は2に記載のプラント。
【0108】
条項7:前記煙道を前記排気出口に連結する下降管をさらに有する、条項1から6までのいずれかに記載のプラント。
【0109】
条項8:前記ノズルが、前記下降管が前記煙道へと連結する前記端壁又は側壁において前記煙道に位置決めされている、条項7に記載のプラント。
【0110】
条項9:前記排気出口が上流排気出口であり、前記プラントが下流排気出口をさらに有し、前記上流排気出口及び前記下流排気出口が前記煙道と連通している、条項1から6までのいずれかに記載のプラント。
【0111】
条項10:前記下流排気出口を前記煙道に連結する最下流下降管と、前記上流排気出口を前記煙道に連結する最上流下降管とをさらに有する、条項9に記載のプラント。
【0112】
条項11:前記ノズルが、前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口の下流の位置、前記煙道の下流端壁と前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口との間の位置、及び/又は前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記最上流下降管若しくは前記上流排気出口との間の位置において前記側壁に位置決めされている、条項9又は10に記載のプラント。
【0113】
条項12:前記ノズルが開くか又は閉じるように構成されている、条項1から11までのいずれかに記載のプラント。
【0114】
条項13:前記ノズルが、前記アンモニアの流量を増加又は減少させるように構成されている、条項1から12までのいずれかに記載のプラント。
【0115】
条項14:前記アンモニアが、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)の総アンモニア流量で前記排気ガスへと注入され、且つ/又は速度が最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)になり得る、条項1から13までのいずれかに記載のプラント。
【0116】
条項15:前記ノズルが、前記排気ガスが850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間の反応温度になる前記煙道に位置決めされている、条項1から14までのいずれかに記載のプラント。
【0117】
条項16:前記プラントが前記煙道の側壁のみへとアンモニアを注入するように構成されている、条項1、2、4、5、条項7から15までのいずれかに記載のプラント。
【0118】
条項17:前記ノズルが、おおよそ前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記煙道との間、又は前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記煙道との間の接合部において、前記煙道の前記側壁に位置決めされている、条項16に記載のプラント。
【0119】
条項18:前記ノズルが、前記最下流下降管又は前記煙道の下流端壁の間で前記煙道の前記側壁に位置決めされている、条項16に記載のプラント。
【0120】
条項19:前記プラントが前記煙道の上流端壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項1から3まで、又は条項7から15までのいずれかに記載のプラント。
【0121】
条項20:前記プラントが、前記煙道の下流端壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項1、2、又は条項6から15までのいずれかに記載のプラント。
【0122】
条項21:前記プラントが、前記アンモニアを前記排気ガスと反応させる触媒を含まない、条項1から20までのいずれかに記載のプラント。
【0123】
条項22:前記炉が酸素燃焼炉である、条項1から21までのいずれかに記載のプラント。
【0124】
条項23:前記排気ガスが、誘引煙突効果、又は前記煙道に位置付けられた誘引ファンによって除去される、条項1から22までのいずれかに記載のプラント。
【0125】
条項24:前記排気ガスが誘引煙突効果によって除去される、条項1から22までのいずれかに記載のプラント。
【0126】
条項25:燃焼プロセスのためのプラントであって、材料を熱する炉と、前記炉において酸化ガス及び炭素系燃料を燃焼させるように構成されたバーナであって、前記酸化ガスが少なくとも80体積パーセントの酸素、具体的には少なくとも85体積パーセント、より具体的には少なくとも90体積パーセント、より具体的には少なくとも92体積パーセント、より具体的には少なくとも94体積パーセント、又は少なくとも95体積パーセントの酸素を有する、バーナと、前記炉と煙道との間の連通を可能にし、前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記煙道へと除去するように構成された排気出口と、前記煙道に位置決めされ、前記煙道及び/又は前記排気ガスへとアンモニアを注入するように構成された複数のノズルとを有し、前記アンモニアが、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はこれらの組合せからなる群から選択される、プラント。
【0127】
条項26:前記燃焼プロセスがガラスを製作するために使用され、前記炉において熱される前記材料がガラス・バッチ材料である、条項25に記載のプラント。
【0128】
条項27:前記煙道が上流端壁、第1の側壁、第2の側壁、及び下流端壁を有し、前記複数のノズルが、前記上流端壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記下流端壁、又はこれらの任意の組合せに位置決めされている、条項25又は26に記載のプラント。
【0129】
条項28:前記煙道を前記排気出口に連結する下降管をさらに有し、前記複数のノズルのうちの少なくとも一部が、前記下降管が前記煙道へと連結する位置で前記煙道の前記側壁及び/又は前記上流端壁に位置決めされている、条項25から27までのいずれかに記載のプラント。
【0130】
条項29:前記排気出口が上流排気出口であり、前記プラントが下流排気出口をさらに有し、前記上流排気出口及び前記下流排気出口が前記煙道と連通している、条項25から27までのいずれかに記載のプラント。
【0131】
条項30:前記下流排気出口を前記煙道に連結する最下流下降管と、前記上流排気出口を前記煙道に連結する最上流下降管とをさらに有する、条項29に記載のプラント。
【0132】
条項31:前記複数のノズルが、前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口の下流の位置、前記煙道の下流端壁と前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口との間の位置、及び/又は前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記最上流下降管若しくは前記上流排気出口との間の位置において前記側壁に位置決めされている、条項29又は20に記載のプラント。
【0133】
条項32:前記ノズルが開くか又は閉じるように構成されている、条項25から31までのいずれかに記載のプラント。
【0134】
条項33:前記ノズルが、前記アンモニアの流量を増加又は減少させるように構成されている、条項25から32までのいずれかに記載のプラント。
【0135】
条項34:前記アンモニアが、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)の総アンモニア流量で前記排気ガスへと注入され、且つ/又は速度が最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)になり得る、条項25から33までのいずれかに記載のプラント。
【0136】
条項35:前記ノズルが、前記排気ガスが850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間の反応温度になる前記煙道に位置決めされている、条項25から34までのいずれかに記載のプラント。
【0137】
条項36:前記プラントが前記煙道の側壁のみへとアンモニアを注入するように構成されている、条項25から34までに記載のプラント。
【0138】
条項37:前記ノズルが、おおよそ前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記煙道との間、又は前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記煙道との間の接合部において、前記煙道の前記側壁に位置決めされている、条項36に記載のプラント。
【0139】
条項38:前記ノズルが、前記最下流下降管又は前記煙道の下流端壁の間で前記煙道の前記側壁に位置決めされている、条項36に記載のプラント。
【0140】
条項39:前記プラントが、前記煙道の上流端壁の側壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項25から34までに記載のプラント。
【0141】
条項40:前記プラントが、前記煙道の下流端壁の側壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項25から34までに記載のプラント。
【0142】
条項41:前記プラントが、前記アンモニアを前記排気ガスと反応させる触媒を含まない、条項25から40までのいずれかに記載のプラント。
【0143】
条項42:前記炉が酸素燃焼炉である、条項25から41までのいずれかに記載のプラント。
【0144】
条項43:前記排気ガスが、誘引煙突効果、又は前記煙道に位置付けられた誘引ファンによって除去される、条項25から42までのいずれかに記載のプラント。
【0145】
条項44:前記排気ガスが誘引煙突効果によって除去される、条項25から42までのいずれかに記載のプラント。
【0146】
条項45:燃焼プロセスのためのプラントであって、材料を熱する炉と、前記炉において酸化ガス及び炭素系燃料を燃焼させるように構成されたバーナであって、前記酸化ガスが少なくとも80体積パーセントの酸素、具体的には少なくとも85体積パーセント、より具体的には少なくとも90体積パーセント、より具体的には少なくとも92体積パーセント、より具体的には少なくとも94体積パーセント、又は少なくとも95体積パーセントの酸素を有する、バーナと、前記炉と第1の煙道との間の連通を可能にし、前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記第1の煙道へと除去するように構成された第1の排気出口と、前記第1の煙道に位置決めされ、前記第1の煙道及び/又は前記排気ガスへとアンモニアを注入するように構成された1つ又は複数の第1の煙道ノズルであって、前記アンモニアが、アンモニア水、無水アンモニア、尿素、又はこれらの組合せからなる群から選択される、1つ又は複数の第1の煙道ノズルと、前記炉と第2の煙道との間の連通を可能にし、前記燃焼プロセスの間に生成された前記排気ガスを前記炉から前記第2の煙道へと除去するように構成された第2の排気出口とを有する、プラント。
【0147】
条項46:前記第2の煙道が、前記第2の煙道へと前記アンモニアを注入するように構成されたいかなるノズルも含まない、条項45に記載のプラント。
【0148】
条項47:前記第2の煙道が1つ又は複数の第2の煙道ノズルを有し、前記第2の煙道ノズルがオフ位置に構成されており、したがって、アンモニアが前記第2の煙道へと注入され得ない、条項45に記載のプラント。
【0149】
条項48:前記第2の煙道が、前記第2の煙道へと前記アンモニアを注入するように構成された1つ又は複数の第2の煙道ノズルを有する、条項45に記載のプラント。
【0150】
条項49:前記燃焼プロセスがガラスを製作するために使用され、前記炉において熱される前記材料がガラス・バッチ材料である、条項45から48までのいずれかに記載のプラント。
【0151】
条項50:前記第1の煙道が上流端壁、第1の側壁、第2の側壁、及び下流端壁を有し、前記1つ又は複数のノズルが、前記上流端壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記下流端壁、又はこれらの任意の組合せに位置決めされている、条項45から49までのいずれかに記載のプラント。
【0152】
条項51:前記第1の煙道を前記第1の排気出口に連結する下降管をさらに有し、前記1つ又は複数のノズルが、前記第1の煙道の前記側壁、及び/又は前記第1の煙道の前記上流端壁に位置決めされている、条項45から50までのいずれかに記載のプラント。
【0153】
条項52:前記第1の排気出口が第1の上流排気出口であり、前記プラントが第1の下流排気出口をさらに有し、前記第1の上流排気出口及び前記第1の下流排気出口が前記第1の煙道と連通している、条項45から51までのいずれかに記載のプラント。
【0154】
条項53:前記第1の下流排気出口を前記第1の煙道に連結する第1の最下流下降管と、前記第1の上流排気出口を前記煙道に連結する第1の最上流下降管とをさらに有する、条項52に記載のプラント。
【0155】
条項54:前記1つ又は複数のノズルが、前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口の下流の位置、前記煙道の下流端壁と前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口との間の位置、前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記最上流下降管若しくは前記上流排気出口との間の位置、又はこれらの任意の組合せにおいて前記側壁に位置決めされている、条項45から53までのいずれかに記載のプラント。
【0156】
条項55:前記1つ又は複数のノズルが開くか又は閉じるように構成されている、条項45から54までのいずれかに記載のプラント。
【0157】
条項56:前記1つ又は複数のノズルが、前記アンモニアの流量を増加又は減少させるように構成されている、条項45から55までのいずれかに記載のプラント。
【0158】
条項57:前記アンモニアが、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)の総アンモニア流量で前記排気ガスへと注入され、且つ/又は速度が最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)になり得る、条項45から56までのいずれかに記載のプラント。
【0159】
条項58:前記1つ又は複数のノズルが、前記排気ガスが850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間の反応温度になる前記第1の煙道に位置決めされている、条項45から57までのいずれかに記載のプラント。
【0160】
条項59:前記プラントが、前記第1の煙道の側壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項45から58までに記載のプラント。
【0161】
条項60:前記1つ又は複数のノズルが、おおよそ前記第1の最下流下降管若しくは前記第1の下流排気出口と前記第1の煙道との間、又は前記第1の最下流下降管若しくは前記第1の下流排気出口と前記第1の煙道との間の接合部において、前記煙道の前記側壁に位置決めされている、条項59に記載のプラント。
【0162】
条項61:前記1つ又は複数のノズルが、前記第1の最下流下降管又は前記第1の煙道の第1の下流端壁の間で前記第1の煙道の前記側壁に位置決めされている、条項59に記載のプラント。
【0163】
条項62:前記プラントが、前記第1の煙道の第1の上流端壁の側壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項45から61までに記載のプラント。
【0164】
条項63:前記プラントが、前記第1の煙道の第1の下流端壁の側壁のみにアンモニアを注入するように構成されている、条項45から62までに記載のプラント。
【0165】
条項64:前記プラントが、前記アンモニアを前記排気ガスと反応させる触媒を含まない、条項45から63までのいずれかに記載のプラント。
【0166】
条項65:前記炉が酸素燃焼炉である、条項45から64までのいずれかに記載のプラント。
【0167】
条項66:前記排気ガスが、誘引煙突効果、又は前記煙道に位置付けられた誘引ファンによって除去される、条項45から65までのいずれかに記載のプラント。
【0168】
条項67:前記排気ガスが誘引煙突効果によって除去される、条項45から66までのいずれかに記載のプラント。
【0169】
条項68:前記炉が、前記第2の煙道と前記炉との間の連通を可能にする第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口を有し、任意選択で、前記第2の上流排気出口を前記第2の煙道に連結する第2の上流下降管を有し、任意選択で、前記第2の下流排気出口を前記第2の煙道に連結する第2の下流下降管を有する、条項45から67までのいずれかに記載のプラント。
【0170】
条項69:前記第2の煙道が上流端壁、第1の側壁、第2の側壁、及び下流端壁を有し、前記1つ又は複数のノズルが、前記上流端壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記下流端壁、又はこれらの任意の組合せに位置決めされている、条項68に記載のプラント。
【0171】
条項70:前記第2の煙道の前記1つ又は複数のノズルが、前記排気ガスが前記第2の煙道において850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間の反応温度になるところに位置決めされている、条項68から69までのいずれかに記載のプラント。
【0172】
条項71:酸素燃焼炉でのNOx排出を減少させる方法であって、少なくとも80体積パーセントの酸素、具体的には少なくとも85体積パーセント、より具体的には少なくとも90体積パーセント、より具体的には少なくとも92体積パーセント、より具体的には少なくとも94体積パーセント、又は少なくとも95体積パーセントの酸素を有する酸化ガス中で炭素系燃料を燃やすステップと、排気出口から煙道へと排気ガスを排出するステップと、前記煙道において前記排気ガスをアンモニアと反応させるステップと、前記煙道から前記排気ガスを排出するステップとを有する、方法。
【0173】
条項72:前記酸素燃焼炉が酸素燃焼ガラス溶融炉である、条項71に記載の方法。
【0174】
条項73:前記酸素燃焼炉において原料を溶融させるステップをさらに有する、条項71又は72に記載の方法。
【0175】
条項74:前記原料がガラス・バッチである、条項73に記載の方法。
【0176】
条項75:前記アンモニアが、上流端壁、第1の側壁、第2の側壁、下流端壁、又はこれらの組合せにおいて前記煙道へと注入される、条項71から74までのいずれかに記載の方法。
【0177】
条項76:前記アンモニアが前記第1の側壁において前記煙道へと注入される、条項71から75までのいずれかに記載の方法。
【0178】
条項77:前記アンモニアが、前記第1の側壁において、且つ前記第1の側壁の注入場所にほぼ対向するか又は対向する地点で前記第2の側壁において前記煙道へと注入される、条項71から76までのいずれかに記載の方法。
【0179】
条項78:前記アンモニアが前記煙道の下流端壁において前記煙道へと注入される、条項71から74までのいずれかに記載の方法。
【0180】
条項79:前記排気ガスが前記炉から出て前記排気出口を通り、下降管から前記煙道へと排出される、条項71から78までのいずれかに記載の方法。
【0181】
条項80:前記アンモニアが、前記下降管が前記煙道へと連結する前記端壁又は前記側壁において前記煙道へと注入される、条項79に記載の方法。
【0182】
条項81:前記排気出口が上流排気出口であり、前記排気ガスが、下流排気出口及び最下流下降管から、且つ前記上流排気出口から上流下降管を通って前記煙道へとさらに排出され、アンモニアが、前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口の下流の位置、前記煙道の下流端壁と前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口との間の位置、前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記最上流下降管若しくは前記上流排気出口との間の位置、又はこれらの組合せにおいて前記煙道へと注入される、条項71から78までのいずれかに記載の方法。
【0183】
条項82:アンモニアの前記注入が、増加又は減少させることができる流量で注入される、条項71から81までのいずれかに記載の方法。
【0184】
条項83:前記アンモニアが、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)の総アンモニア流量で前記排気ガスへと注入され、且つ/又は速度が最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)になり得る、条項71から82までのいずれかに記載の方法。
【0185】
条項84:前記アンモニアが、前記排気ガスが850℃から1200℃の間、又は875℃から1150℃の間、900℃から1100℃の間、又は950℃から1050℃の間の反応温度になる前記煙道に注入される、条項71から83までのいずれかに記載の方法。
【0186】
条項85:前記アンモニアが前記煙道の側壁へと注入される、条項71から84までに記載のプラント。
【0187】
条項86:アンモニアが、おおよそ前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記煙道との間、又は前記最下流下降管若しくは前記下流排気出口と前記煙道との間の接合部においてのみ注入される、条項71から85までのいずれかに記載の方法。
【0188】
条項87:前記アンモニアが、前記最下流下降管又は前記煙道の下流端壁の間で前記煙道の前記側壁へと注入される、条項71から86までのいずれかに記載の方法。
【0189】
条項88:前記アンモニアが前記煙道の第1の側壁のみ、前記煙道の第2の側壁のみ、前記煙道の下流端壁のみ、前記煙道の上流端壁のみ、又は前記煙道の前記第1の側壁及び前記第2の側壁のみに注入される、条項71から87までのいずれかに記載の方法。
【0190】
条項89:前記排気ガスが第2の煙道へと排出され、第1の煙道及び前記第2の煙道が煙突と連通している、条項71から88までのいずれかに記載の方法。
【0191】
条項90:アンモニアが前記第2の煙道に注入されない、条項89に記載の方法。
【0192】
条項91:アンモニアが前記第2の煙道の上流端壁、第1の側壁、第2の側壁、下流端壁、又はこれらの組合せにおいて前記第2の煙道へと注入される、条項89又は90に記載の方法。
【0193】
条項92:前記アンモニアが、少なくとも37.85ml/分(0.01ガロン毎分(GPM))、少なくとも113.56ml/分(0.03GPM)、少なくとも189.27ml/分(0.05GPM)、少なくとも264.98ml/分(0.07GPM)、少なくとも340.69ml/分(0.09GPM)、少なくとも416.40ml/分(0.11GPM)、少なくとも492.10ml/分(0.13GPM)、若しくは少なくとも567.81ml/分(0.15GPM)の総アンモニア流量で前記排気ガスへと注入され、且つ/又は速度が最大で1514.16ml/分(0.4GPM)、最大で1324.89ml/分(0.35GPM)、最大で1211.33ml/分(0.32GPM)、最大で1135.62ml/分(0.3GPM)、最大で1059.92ml/分(0.28GPM)、最大で946.35ml/分(0.25GPM)、若しくは最大で832.79ml/分(0.22GPM)になり得る、条項91に記載の方法。
【0194】
条項93:前記アンモニアを前記排気ガスと反応させるために触媒を使用しない、条項71から92までのいずれかに記載の方法。
【0195】
条項94:前記炉が酸素燃焼炉である、条項71から93までのいずれかに記載の方法。
【0196】
条項95:前記排気ガスが、誘引煙突効果、又は前記煙道に位置付けられた誘引ファンによって除去される、条項71から94までのいずれかに記載の方法。
【0197】
条項96:前記排気ガスが誘引煙突効果によって除去される、条項71から94までのいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6