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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136355
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
E03C1/05
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035257
(22)【出願日】2021-03-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】藤本 誠也
(72)【発明者】
【氏名】村橋 利行
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060BC12
2D060CA04
2D060CB03
2D060CD01
(57)【要約】
【課題】検知センサが物体を検知しているとき第1吐水モードを実行するようになっている場合であっても、検知された物体に、第1吐水モードによる水道水を吐出させず、抗菌作用又は除菌作用を作用させる機能水を吐出させて、物体に抗菌作用又は除菌作用を効果的に作用させることができる水栓装置を提供する。
【解決手段】本発明の水栓装置1の制御部は、検知センサが検知状態であるとき、水道水吐水部6から水道水を吐出させる第1吐水モード46と、操作部が操作指令を受け、第2電磁弁が開状態とされてから第1所定時間にわたって第2電磁弁の開状態が継続され、機能水吐水部8から機能水を吐出させる第2吐水モード48と、を備え、制御部38は、さらに、第2吐水モードの実行中には、検知センサが検知状態となったとしても、第1吐水モードを実行しないように制御する第2吐水モード優先機能54を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された水道水を水受けに吐水する水栓装置であって、
水道水を吐出させる水道水吐水部と、
供給される水道水よりも除菌作用を有する機能水を吐出させる機能水吐水部と、
上記水道水吐水部への水道水の供給流路の開状態と閉状態とを切り換える第1電磁弁と、
上記機能水吐水部への機能水の供給流路の開状態と閉状態とを切り換える第2電磁弁と、
上記第1電磁弁及び上記第2電磁弁を制御する制御部と、
物体を検知する検知センサと、
使用者による操作指令を受け付ける操作部と、を備え、
上記機能水吐水部は、機能水を上記検知センサの主検知範囲内に吐水するように形成され、
上記制御部は、
上記検知センサが物体を検知していると判断するとき、上記第1電磁弁を開状態として、上記水道水吐水部から水道水を吐出させる第1吐水モードと、
上記操作部が操作指令を受け付けたことにより、上記第2電磁弁が開状態とされてから第1所定時間にわたって上記第2電磁弁の開状態が継続され、上記機能水吐水部から機能水を吐出させる第2吐水モードと、を備え、
上記制御部は、さらに、上記第2吐水モードの実行中には、上記検知センサが物体を検知したと判断したとしても、上記第1吐水モードを実行しないように制御する第2吐水モード優先機能を備えることを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
上記制御部の上記第2吐水モードにおける第1所定時間は、予め設定され、
上記制御部の上記第2吐水モードは、上記第2吐水モードの実行中に、上記検知センサが物体を検知したと上記制御部が判断し、さらに、第1所定時間経過後も上記制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続する場合には、検知しているとの判断が継続する間、第1所定時間から延長して実行される、請求項1に記載の水栓装置。
【請求項3】
上記制御部は、
上記検知センサが物体を検知した検知状態から非検知状態となった後、
第2所定時間にわたって、上記機能水吐水部から機能水を吐出させる第3吐水モードを備え、
上記制御部は、さらに、上記検知センサが検知状態から非検知状態となった後であっても、上記第2吐水モードの実行後であるときには、待機状態に戻るまでに上記第3吐水モードを実行しないように制御する第3吐水モード省略機能を備える、請求項1又は2に記載の水栓装置。
【請求項4】
上記制御部は、さらに、上記第2吐水モードを開始してから、上記第1所定時間よりも長い第3所定時間が経過するとき、上記制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、上記第2吐水モードの実行の延長を終了させる第2吐水モード終了機能を備える、請求項2又は3に記載の水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓装置に係り、特に、供給された水道水を水受けに吐水する水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、利用者が自動水栓装置を第1の吐水部から水道水を吐水させて利用した後に、手洗器を清潔に保つために、第2の吐水部から電解水を自動的に吐水させる自動水栓装置が知られている。
この自動水栓装置においては、センサが検知状態であるときに実行するモードが第1吐水モードとされている場合、センサが検知状態となると、第1の吐水部から水道水を吐水させる第1吐水モードが実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-141957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の自動水栓装置は、センサが検知状態であるときに第1の吐水部から水道水を吐水させる第1吐水モードを実行させることができる機能を有しながら、検知センサが物体を検知したと判断したとしても、第1吐水モードを実行しないように制御しながら、第2の吐水部から電解水を検知センサの検知範囲内に吐水させる機能をも有することができないという問題があった。従って、例えば、歯ブラシやコップ等の物体に機能水のみを吐水して、物体に機能水の抗菌作用又は除菌作用を十分に作用させることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題や近年要請された課題を解決するためになされたものであり、検知センサが物体を検知しているとき第1吐水モードを実行するようになっている場合であっても、検知された物体に、第1吐水モードによる水道水を吐出させず、抗菌作用又は除菌作用を作用させる機能水を吐出させて、物体に抗菌作用又は除菌作用を効果的に作用させることができる水栓装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、供給された水道水を水受けに吐水する水栓装置であって、水道水を吐出させる水道水吐水部と、供給される水道水よりも除菌作用を有する機能水を吐出させる機能水吐水部と、上記水道水吐水部への水道水の供給流路の開状態と閉状態とを切り換える第1電磁弁と、上記機能水吐水部への機能水の供給流路の開状態と閉状態とを切り換える第2電磁弁と、上記第1電磁弁及び上記第2電磁弁を制御する制御部と、物体を検知する検知センサと、使用者による操作指令を受け付ける操作部と、を備え、上記機能水吐水部は、機能水を上記検知センサの主検知範囲内に吐水するように形成され、上記制御部は、上記検知センサが物体を検知していると判断するとき、上記第1電磁弁を開状態として、上記水道水吐水部から水道水を吐出させる第1吐水モードと、上記操作部が操作指令を受け付けたことにより、上記第2電磁弁が開状態とされてから第1所定時間にわたって上記第2電磁弁の開状態が継続され、上記機能水吐水部から機能水を吐出させる第2吐水モードと、を備え、上記制御部は、さらに、上記第2吐水モードの実行中には、上記検知センサが物体を検知したと判断したとしても、上記第1吐水モードを実行しないように制御する第2吐水モード優先機能を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、機能水吐水部は、機能水を上記検知センサの主検知範囲内に吐水するように形成され、上記制御部が上記検知センサが物体を検知しているとき、上記第1電磁弁を開状態として、上記水道水吐水部から水道水を吐出させる第1吐水モードと、操作部が操作指令を受け付けたことにより、上記第2電磁弁が開状態とされてから第1所定時間にわたって上記第2電磁弁の開状態が継続され、上記機能水吐水部から機能水を吐出させる第2吐水モードとを備える場合であっても、上記制御部は、さらに、上記第2吐水モードの実行中には、上記検知センサが物体を検知したとしても、上記第1吐水モードを実行しないように制御する第2吐水モード優先機能を備える。これにより、第2吐水モードの実行中に、検知センサが物体を検知したと判断したとしても、第1吐水モードによる水道水の吐出をせず、機能水吐水部は、機能水を検知センサの主検知範囲内に吐水でき、水道水が機能水と同時に吐水されてしまう場合と比べて、検知センサにより検知される物体に機能水のみを吐水することができる。これにより、検知センサが物体を検知しているとき第1吐水モードを実行するようになっている場合であっても、検知された物体に、第1吐水モードによる水道水を吐出させず、抗菌作用又は除菌作用を作用させる機能水を吐出させて、物体に抗菌作用又は除菌作用を効果的に作用させることができる。
【0007】
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記制御部の上記第2吐水モードにおける第1所定時間は、予め設定され、上記制御部の上記第2吐水モードは、上記第2吐水モードの実行中に、上記検知センサが物体を検知したと上記制御部が判断し、さらに、第1所定時間経過後も上記制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続する場合には、検知しているとの判断が継続する間、第1所定時間から延長して実行される。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の上記第2吐水モードは、上記第2吐水モードの実行中に、上記検知センサが物体を検知したと上記制御部が判断し、さらに、所定時間経過後も上記制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続する場合には、検知しているとの判断が継続する間、所定時間から延長して実行される。これにより、第2吐水モードの実行中に、検知センサの主検知範囲内において、物体の除菌を開始し、第2吐水モードの所定時間経過後も物体を主検知範囲内において除菌しようとしている場合には、第2吐水モードを所定時間から延長して実行し、物体の除菌を継続することができ、物体への機能水の吐出を継続でき、物体に必要に応じて除菌作用を作用させることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記制御部は、上記検知センサが物体を検知した検知状態から非検知状態となった後、第2所定時間にわたって、上記機能水吐水部から機能水を吐出させる第3吐水モードを備え、上記制御部は、さらに、上記検知センサが検知状態から非検知状態となった後であっても、上記第2吐水モードの実行後であるときには、待機状態に戻るまでに上記第3吐水モードを実行しないように制御する第3吐水モード省略機能を備える。
このように構成された本発明の一実施形態においては、上記制御部は、上記検知センサが物体を検知した検知状態から非検知状態となった後、第2所定時間にわたって、上記機能水吐水部から機能水を吐出させる第3吐水モードを備える。これにより、水道水の吐出後に、機能水吐水部から機能水を吐出させ、ボウル部やボウル部の排水口等を機能水により除菌しやすくできる。制御部は、さらに、上記検知センサが検知状態から非検知状態となった後であっても、上記第2吐水モードの実行後であるときには、待機状態に戻るまでに上記第3吐水モードを実行しないように制御する第3吐水モード省略機能を備える。
これにより、第2吐水モードの実行後に、第3吐水モードを実行して機能水を無駄に吐水してしまうことを抑制できる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記制御部は、さらに、上記第2吐水モードを開始してから、上記第1所定時間よりも長い第3所定時間が経過するとき、上記制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、上記第2吐水モードの実行の延長を終了させる第2吐水モード終了機能を備える。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部は、上記第2吐水モードを開始してから第3所定時間が経過するとき、制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、第2吐水モード終了機能により、上記第2吐水モードの実行の延長を終了させる。これにより、制御部が上記検知センサが物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、制御部は、第3所定時間を超えて、必要以上に機能水を吐水し続けてしまうことを抑制でき、機能水を無駄に浪費してしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水栓装置によれば、検知センサが物体を検知しているとき第1吐水モードを実行するようになっている場合であっても、検知された物体に、第1吐水モードによる水道水を吐出させず、抗菌作用又は除菌作用を作用させる機能水を吐出させて、物体に抗菌作用又は除菌作用を効果的に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による水栓装置を前方から見た側面図である。
図2】本発明の一実施形態による水栓装置のカウンタ上のスパウト部の斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿って見た断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿って見た断面図である。
図5図1のV-V線に沿って見た断面図である。
図6】本発明の一実施形態による水栓装置の吐水動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による水栓装置の第1吐水モードにおける検知センサ、操作部、第1電磁弁、第2電磁弁の動作を示すタイムチャートである。
図8】本発明の一実施形態による水栓装置の第2吐水モードにおける検知センサ、操作部、第1電磁弁、第2電磁弁の動作を示すタイムチャートである。
図9】本発明の一実施形態による水栓装置の第2吐水モードの延長動作に関する検知センサ、操作部、第1電磁弁、第2電磁弁の動作を示すタイムチャートである。
図10】本発明の一実施形態による水栓装置の第2吐水モードの第2吐水モード終了機能に関する検知センサ、操作部、第1電磁弁、第2電磁弁の動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の一実施形態による水栓装置について説明する。
まず、図1は本発明の一実施形態による水栓装置を前方から見た側面図であり、図2は、本発明の一実施形態による水栓装置の斜視図であり、図3図1のIII-III線に沿って見た断面図であり、図4図1のIV-IV線に沿って見た断面図であり、図5図1のV-V線に沿って見た断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による水栓装置1は、供給された水道水を水受けであるボウル部2に吐水する水栓装置であり、洗面台装置のボウル部2の外側にあるカウンタD上に設置されている。水栓装置1は、洗面台装置のボウル部2に吐水するものに限られず、水受けとしてのキッチン装置のシンク、トイレ装置の手洗い器、又は他の用途の吐水を受けるボウル部等に吐水するように設けられてもよい。また、水栓装置1は、カウンタD上に立ち上がるように形成されているが、カウンタDに設けられるものに限られず、縦壁状の壁面に設けられてもよく、また、浴室の水栓装置のように壁面から横方向に突き出した水栓装置の下面から下方に突出するように設けられていてもよい。例えば、水栓装置1は、縦壁状の壁面から横方向又は斜め下方にスパウト部が延びるように形成されていてもよい。また、水栓装置1は、カウンタD上に単独で立ち上がるように設けられるものに限られず、他の機器等とともに水栓装置が設けられ、後述するように水道水吐水部と機能水吐水部とが近接して設けられていてもよい。
【0013】
なお、この水栓装置1は、供給された水である水道水をボウル部2に吐水するように構成されているが、さらに、水栓装置1は加温された状態の水道水の温水を吐水する機能、温水と水道水とを混合することにより温度が調整された温水を吐水する機能等を有していてもよい。本実施形態において使用する用語「水道水」は、供給された水道水に湯が加えられた湯水であってもよく、また、供給された水道水を加温した湯水であってもよい。水道水は、温度によらず、主に水道等から供給された水であることを示している。「水道水」は、水栓装置に水道等の水供給設備から供給される水を意味しており、水道施設等で飲料用等に処理された特定の成分の水である必要はなく、液体としての水のうち塩化物イオンを含むもの(通常の自然水には塩化物イオンが含まれる)であればよい。
【0014】
この水栓装置1は、カウンタD上に立ち上がるように設置されたスパウト部4を備えている。スパウト部4は、ボウル部2に水道水を吐出させる水道水吐水部6と、ボウル部2に水道水よりも除菌作用を有する機能水を吐出させる機能水吐水部8とを備えている。
【0015】
水道水吐水部6は、スパウト部4の先端側に設けられた水道水の吐水部である。水道水吐水部6は、供給された水道水をボウル部2に吐水するように設けられる。水道水吐水部6は、ボウル部2の前部に向けて配置される。水道水吐水部6は、ボウル部2の前後方向の横断線に沿って前方向きに向けて配置される。水道水吐水部6は、水道水吐水部6より前方側且つ下方側で、ボウル部2の上方の空中の第1吐水領域B(図3参照)に向けて水道水を主に吐水するように形成される。第1吐水領域Bは、主に水道水吐水部6から前方側且つ下方側に向かう帯状の主流に沿った領域として形成されるが、水道水吐水部6から前方側且つ下方側に向かうように円錐形状に広がる領域としても規定できる。水道水吐水部6の吐水部の流路断面積は、機能水吐水部8の吐水部の流路断面積よりも大きく形成されている。よって、水道水吐水部6から吐水される水道水の単位時間あたりの流量は、機能水吐水部8から吐水される機能水の単位時間あたりの流量よりも多い。
【0016】
機能水吐水部8は、スパウト部4の先端側に設けられた機能水の吐水部である。機能水吐水部8は、供給された機能水をボウル部2に吐水するように設けられる。機能水吐水部8は、ボウル部2の前部に向けて配置される。機能水吐水部8は、水道水吐水部6よりもやや下方側に向けて配置される。機能水吐水部8は、ボウル部2の前後方向の横断線に沿って前方向きに向けて配置される。機能水吐水部8は、機能水吐水部8より前方側且つ下方側で、ボウル部2の上方の空中の第2吐水領域Cに向けて機能水を広がるように吐水するように形成される。第2吐水領域Cは、主に機能水吐水部8から前方側且つ下方側に向けて円錐形状に広がる領域としても規定される。第2吐水領域Cは、第1吐水領域Bとやや重複するように設定され、第2吐水領域Cは、第1吐水領域Bよりもやや下方側に設定されている。機能水吐水部8は、第2吐水領域Cの延長上の領域内にボウル部2の排水口部が位置するように、形成されている。機能水吐水部8は、機能水を検知センサ34の主検知範囲A内に吐水するように形成されている。なお、水道水吐水部6と機能水吐水部8は、共通の吐水部により形成されていてもよい。このとき、共通の吐水部に至る第1供給流路16と第2供給流路18とも吐水部側が共通の流路として形成され、電磁弁側の流路は、水道水と機能水とが別々に供給できるように形成されている。水道水吐水部6及び機能水吐水部8は、同じスパウト部4の内側に設けられる共通スパウト用ユニットを形成している。共通のスパウト内に水道水吐水部6及び機能水吐水部8が収納されるので、スパウトが複数ある場合と比べて洗練された外観を形成できる。
【0017】
機能水は、菌・ウイルスの増殖を抑制させる抗菌作用の機能又は菌・ウイルスを減少させる除菌作用の機能を有する液体である。吐水された機能水が接した部分に抗菌作用又は除菌作用を作用させることができる。このような機能水は、水道水よりも抗菌作用又は除菌作用を有する。よって、機能水は、水道水よりも抗菌作用の機能又は除菌作用の機能が強化されている。例えば、機能水は、ボウル部2の排水口部等又は歯ブラシやコップ等の対象物に付着する菌・ウイルスに対し、菌・ウイルスの増殖を抑制させる抗菌作用の機能又は菌・ウイルスを減少させる除菌作用の機能を有する。このような機能水の除菌作用の機能は、菌・ウイルスを殺す殺菌、菌・ウイルスを死滅させる滅菌等のために使用できる。よって、機能水は、「抗菌」、「除菌」、「殺菌」又は「滅菌」のいずれかの作用を奏する機能を有していればよい。機能水は、例えば、次亜塩素酸を含む水(例えば次亜塩素酸水)であるが、オゾンを含む水(例えばオゾン水)、強アルカリ性の電解水等であってもよい。機能水とされる次亜塩素酸を含む水には、水道水が含まれていてもよい。機能水の次亜塩素酸を含む水は、例えば、水道水の塩化物イオンを電気分解することによる電解水として得られる。このような次亜塩素酸を含む水は、時間経過によりもとの水に戻るため、比較的環境への影響を与えにくく、比較的安全な水として使用できる。このように、機能水は、水道水を改質して得られることが好ましい。なお、機能水は、電気分解以外の改質方法、例えば、液体、気体の添加や、薬剤の徐放などの方法によっても得られることができる。なお、機能水は、薬剤等を添加後に電気分解することにより高濃度の電解水として得ることもできる。また、水道等の水道水と連通された経路上に電解槽を設け、機能水を電解槽から機能水吐水部に供給する方法以外に、水道水の改質以外の方法により準備された機能水をタンクに貯留し及びポンプによりタンクから機能水を送出して機能水吐水部に供給する方法が採用されてもよい。
【0018】
図5に示すように、水栓装置1は、さらに、水道等の給水源(図示せず)から水を供給する給水管10に止水栓12を介して接続される給水路14と、給水路14から分岐して延びると共に水道水吐水部6への水道水の供給流路を形成する第1供給流路16と、給水路14から分岐して延びると共に機能水吐水部8への機能水の供給流路を形成する第2供給流路18と、を備えている。
【0019】
給水管10は、水道等の給水源(図示せず)と連通し、壁W等の建物の構造躯体側から水栓装置1が配置された室内まで延びている。給水管10には止水栓12が設けられ、給水管10と水栓装置1との間の止水を行うことができるようになっている。
【0020】
給水路14は止水栓12に接続され、水道水の給水路を形成している。給水路14は止水栓12の上方に位置するケース20内を通るように配置される。ケース20は、給水路14から第1供給流路16及び第2供給流路18等の接続部分、後述する第1電磁弁22及び第2電磁弁24等を覆うように形成されている。
【0021】
第1供給流路16は、給水路14から分岐して延び、ケース20内において給水路14と連通している。第1供給流路16は、ケース20内からケース20の上方に延び、さらに、カウンタDの下方からカウンタDの上方まで延び、スパウト部4内を通って水道水吐水部6に接続される。
【0022】
第2供給流路18は、給水路14から分岐して延び、給水路14と連通している。第2供給流路18は、ケース20内からケース20の上方に延び、さらに、カウンタDの下方からカウンタDの上方まで延び、スパウト部4内を通って機能水吐水部8に接続される。
【0023】
水栓装置1は、さらに、第1供給流路16の開状態と閉状態とを切り換える第1電磁弁22と、第2供給流路18の開状態と閉状態とを切り換える第2電磁弁24と、第2供給流路18上に設けられる電解装置26と、を備えている。さらに、第2供給流路18上には、第2電磁弁24と電解装置26との間に、圧力を調整可能な調圧弁28と、所定以上の圧力を逃がす安全弁30と、逆流を防止する逆止弁32と、が設けられている。
【0024】
第1電磁弁22は、第1供給流路16中に取付けられる。第1電磁弁22は、電気的に駆動される開閉弁を形成している。第1電磁弁22は、制御部38と電気的に接続されている。第1電磁弁22は、制御部38から送られる制御信号に基づいて流路を開閉する。
【0025】
第2電磁弁24は、第2供給流路18中に取付けられる。第2電磁弁24は、電気的に駆動される開閉弁を形成している。第2電磁弁24は、制御部38と電気的に接続されている。第2電磁弁24は、制御部38から送られる制御信号に基づいて流路を開閉する。
【0026】
電解装置26は、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解することにより次亜塩素酸を含む水を生成する装置である。電解装置26は、第2供給流路18上に設けられる。電解装置26は、ケース20内に配置される。電解装置26は、第2供給流路18から供給された水道水を貯留できると共に、電気分解された水をさらに下流側に供給できる。電解装置26は、必要に応じて水を随時電気分解して、次亜塩素酸を含む水を下流側に供給してもよい。電解装置26は、制御部38と電気的に接続され、制御部38から送られる制御信号に基づいて電気分解を行う。
【0027】
水栓装置1は、さらに、物体を検知する検知センサ34と、使用者による操作指令を受け付ける操作部36と、第1電磁弁22及び第2電磁弁24を制御する制御部38と、を備えている。第1電磁弁22、第2電磁弁24及び制御部38は、ケース20内に配置されている。このケース20は、カウンタDより下方且つ止水栓12の上方に配置されている。
【0028】
検知センサ34は、水道水吐水部6の正面側(前方側)の物体、例えば歯ブラシやコップ等の物体又は人体の手指等の物体の存在を検知する赤外線式のセンサである。検知センサ34は、スパウト部4内に配置されている。検知センサ34は、水道水吐水部6の近傍且つ水道水吐水部6の上方の位置に配置されている。検知センサ34は、水道水吐水部6と同じ方向に向けて配置されている。検知センサ34は、その主検知範囲に水道水吐水部6の主な吐水方向が含まれるように配置されている。検知センサ34の主検知範囲Aは、主に物体の存在を検知しやすい領域として設定され、例えば図3に示すように検知センサ34の前方下方におけるボウル部2内の前側部分を含むように設定される。主検知範囲Aは、例えば、検知センサ34から円錐形状に広がるように形成される。検知センサ34は、制御部38と電気的に接続されている。
【0029】
操作部36は、使用者が押し下げ操作をする押しボタン式の操作スイッチを形成している。具体的には、操作部36は、使用者が押し下げ操作をすることにより使用者による操作指令を受け付け、スイッチの操作指令有と操作指令無とを判定できるようになっている。操作部36は、これまで操作指令を受けていない状態から使用者の操作指令を受けたとき、第2吐水モード48を実行させる操作指令を受けたとして制御部38に伝達する。操作部36は、強制的に第2吐水モード48を実行させるスイッチ機能を有する。操作部36は、接触式の操作スイッチであるが、非接触式の操作スイッチであってもよい。操作部36は、赤外線センサ、静電容量式非接触センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ等の非接触式の操作スイッチであってもよい。操作部36が、操作指令を受けることにより、機能水の吐水の開始及び/又は機能水の吐水の停止をしようとする操作指令有の状態とされることができる。例えば、使用者が、操作部36を先ず押し下げて操作指令を与えるときには、機能水の吐水を開始させようとする操作指令有の状態とでき、操作部36をつづいて押し下げて操作指令を与えるときには、機能水の吐水を停止させようとする操作指令有の状態とできる。
【0030】
制御部38は、操作部36、検知センサ34、第1電磁弁22、第2電磁弁24、電解装置26等と電気的に接続されている。これらの電気的な接続は、その全体又は一部が赤外線通信、その他の方式等の無線通信により接続されていてもよい。制御部38は、操作部36での使用者の操作による操作部36からの操作指令信号を受信する。制御部38は、CPU等の演算装置及びメモリ等の記憶装置を内蔵し、所定の制御プログラム等に基づいて電気的に接続された機器の制御を行うことができる。例えば、制御部38は、第1吐水モード46、第2吐水モード48、第3吐水モード50、第3吐水モード省略機能52、第2吐水モード優先機能54、第2吐水モード終了機能56等を実行するための制御プログラムを記憶装置に記憶している。
【0031】
制御部38は、検知センサ34が物体を検知していると判断するとき、第1電磁弁22を開状態として、水道水吐水部6から水道水を吐出させる第1吐水モード46と、操作部36が操作指令を受け付けたことにより、第2電磁弁24が開状態とされてから第1所定時間にわたって第2電磁弁24の開状態が継続され、機能水吐水部8から機能水を吐出させる第2吐水モード48と、を備えている。
【0032】
制御部38は、さらに、検知センサ34が物体を検知していると判断してから検知しなくなったと判断した後、第2所定時間にわたって、機能水吐水部8から機能水を吐出させる第3吐水モード50を備える。
制御部38は、さらに、検知センサ34が検知状態から非検知状態となった後であっても、第2吐水モード48の実行後であるときには、待機状態に戻るまでに第3吐水モード50を実行しないように制御する第3吐水モード省略機能52を備える。
【0033】
制御部38は、さらに、第2吐水モード48の実行中、例えば第2吐水モード48の実行開始以後実行終了までには、検知センサ34が物体を検知したと判断したとしても、第1吐水モード46を実行しない(実行を保留又は省略する)ように制御すると共に第2吐水モードの実行を継続する第2吐水モード優先機能54を備える。
【0034】
制御部38は、さらに、第2吐水モード48を開始してから、第1所定時間よりも長い第3所定時間が経過するとき、制御部38が検知センサ34が物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、第2吐水モードの実行の延長を終了させる第2吐水モード終了機能56を備える。
【0035】
つぎに、図6図10を参照して、本発明の一実施形態による水栓装置の動作(作用)について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による水栓装置の吐水動作を示すフローチャートであり、図6において、Sは各ステップを示している。図7乃至図10において、検知センサ34が検知状態であるか非検知状態であるか、操作部36が操作指令有の状態とされたか否か、第1電磁弁22が開状態であるか閉状態であるか、第2電磁弁24が開状態であるか閉状態であるか、を横軸の時間経過に対して示している。
【0036】
先ず、図6に示すように、ステップS0において、水栓装置1は、水道水吐水部6及び機能水吐水部8からの吐水をしていない待機状態となっている。制御部38は、待機状態において、ステップS0、S1、S7、S13の判定ルートを繰り返している状態となっている。このとき、水道水吐水部6に水道水を供給するための第1電磁弁22は、閉状態とされている。機能水吐水部8に機能水を供給するための第2電磁弁24は、閉状態とされている。検知センサ34は、物体の存在を検知していない非検知状態となっている。操作部36は、使用者の操作指令を受け付けていない操作指令無状態(オフ状態)となっている。
【0037】
次いで、ステップS1では、制御部38は、検知センサ34が物体を検知するか否かを判定する。
制御部38は、検知センサ34が物体を検知した場合には、使用者の手指等、又は歯ブラシやコップ等の物体等が検知センサ34の検知範囲に存在し、検知センサ34が物体を検知している状態であると判断できるので、状況に応じた所定の吐水を行うことができるように、ステップS2に進む。
制御部38は、検知センサ34が物体を検知していない(非検知状態である)場合には、使用者の手指等、又は歯ブラシやコップ等の物体等が検知センサ34の検知範囲に存在していない状態であると判断でき、ステップS7に進む。
【0038】
ステップS2では、制御部38は、操作部36が使用者の操作指令を受けて操作指令有りの状態となったか否かを判定する。
制御部38は、操作部36が使用者の操作指令を受けておらず操作指令無の状態となっている場合には、機能水吐水部8からの機能水の吐水が要求されている状況ではないと判断できるので、ステップS3に進む。
制御部38は、操作部36が使用者の操作指令を受けており操作指令有の状態となっている場合には、機能水吐水部8からの機能水の吐水が要求されている状況であると判断できるので、ステップS8に進む。
【0039】
ステップS3では、制御部38は、第1吐水モード46を実行させ、第1電磁弁22を閉状態から開状態に切り換えて、水道水吐水部6から水道水を吐出させる。以後、制御部38は、ステップS4に進む。
【0040】
図7に示すように、第1吐水モード46についてより詳細に説明する。
待機状態(時刻t0~t1)においては、検知センサ34は、非検知状態であり、操作部36は、操作指令無の状態であり、第1電磁弁22は、閉状態とされ、第2電磁弁24は、閉状態とされている。
時刻t1において、検知センサ34が非検知状態から検知状態となり、操作部36が操作指令無の状態であることにより、第1吐水モード46が実行開始される。制御部38は、第1電磁弁22を閉状態から開状態に切り換えて、水道水吐水部6から水道水を吐出させる。水道水吐水部6からの水道水の吐水流は、主に検知センサ34の主検知範囲A内に形成される。よって、水道水吐水部6から水道水を吐出させようとする使用者は、主検知範囲A内に手指等の物体を差し出し、検知センサ34にこれらを検知させることにより、水道水吐水部6から水道水を吐出させる。よって、時刻t2に至るまで、検知センサ34が検知状態を継続している間、水道水吐水部6からの水道水の吐水が継続される。従って、使用者が必要な分だけ、水道水吐水部6からの水道水の吐水を継続させ、物体を洗浄できる。この間、第2電磁弁24は、閉状態とされている。
【0041】
図6におけるステップS4では、制御部38は、検知センサ34が物体を検知するか否かを判定する。制御部38は、検知センサ34が物体を検知している場合には、使用者の手指等、又は歯ブラシやコップ等の物体等が検知センサ34の検知範囲に存在し、水道水の吐水が要求されている状態であると判断できるので、第1吐水モード46の実行を継続するように、ステップS3に戻る。制御部38は、検知センサ34が物体を検知していない(非検知状態である)場合には、物体等が検知センサ34の検知範囲に存在していた状態から、物体等が検知センサ34の検知範囲に存在しなくなった状態へと変化したものであり、水道水の吐水の要求が終了した状態となったと判断できるので、第1吐水モード46の実行を終了するように、ステップS5に進む。図7における時刻t2において、上記ステップS4に示すように検知センサ34が検知状態から非検知状態となると、第1吐水モード46の実行を終了させる(ステップS5)。
【0042】
ステップS5では、制御部38は、第1電磁弁22を開状態から閉状態に切り換えて、水道水吐水部6からの水道水の吐出を終了させ、第1吐水モード46の実行を終了させ、ステップS6に進む。図7における時刻t2において、制御部38は、第1電磁弁22を開状態から閉状態に切り換えて、水道水吐水部6からの水道水の吐出を停止させ、第1吐水モード46の実行を終了させる。
【0043】
ステップS6では、制御部38は、上述のように検知センサ34が物体を検知しなくなったと判断した後、所定時間経過後に、第2所定時間にわたって機能水吐水部8から機能水を吐出させる第3吐水モードを実行させる。より具体的には、図7に示すように制御部38は、ステップS5における第1吐水モード46の実行の終了から所定時間経過後、好ましくは約1秒間乃至約5秒間の範囲内の時間経過後、より好ましくは約3秒間の時間経過後に、第2電磁弁24を閉状態から開状態に切り換え、機能水吐水部8から機能水を吐出させる。
つづいて、制御部38は、第2電磁弁24を、第2所定時間、好ましくは約1秒間乃至約5秒間の範囲内の時間、より好ましくは約3秒間にわたって開状態とした後、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、ステップS13に進む。制御部38は、ステップS13に進むと、一連の吐水動作を終了し、待機状態に戻り、ステップS0から再び制御を開始させる。
【0044】
図7における時刻t2~t3において、制御部38は、検知センサ34が非検知状態になってから、所定時間が経過する間、第3吐水モード50の実行開始を待機させる。この所定時間は、上述の好ましくは約1秒間乃至約5秒間の範囲内の時間である。所定時間経過後の時刻t3において、制御部38は、第2電磁弁24を閉状態から開状態に切り換え、機能水吐水部8から機能水を吐出させ、第3吐水モード50の実行を開始させる。このとき、検知センサ34は、非検知状態であり、操作部36は、操作指令無の状態であり、第1電磁弁22は、閉状態とされている。このとき、検知センサ34は、物体などを検知していないが、水道水の吐出終了後に、機能水吐水部8から機能水を吐出させ、ボウル部2やボウル部2の排水口等を機能水により除菌しやすくできる。
時刻t4において、制御部38は、第3吐水モード50の実行開始後、第2所定時間経過後に、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、第3吐水モード50の実行を終了させる。時刻t4以後において、制御部38は、第2電磁弁24を閉状態とし、待機状態に戻る。
【0045】
ステップS7では、制御部38は、操作部36のスイッチが使用者の操作指令を受けて操作指令有の状態となっているか操作指令無の状態となっているか操作部36の状態を判定する。
制御部38は、操作部36が使用者の操作指令を受けておらず操作指令無の状態となっている場合には、機能水吐水部8からの機能水の吐水が要求されている状況ではないと判断できるので、ステップS13に進む。
制御部38は、操作部36が使用者の操作指令を受けており操作指令有の状態となっている場合には、機能水吐水部8からの機能水の吐水が要求されている状況であると判断できるので、ステップS8に進む。
【0046】
ステップS8では、制御部38は、第2吐水モード48を実行させ、第2電磁弁24を閉状態から開状態に切り換え、機能水吐水部8から機能水を吐出させる。制御部38は、第2吐水モード48を実行させることにより、第2電磁弁24が開状態とされてから第1所定時間にわたって第2電磁弁24の開状態が継続され、機能水吐水部8から機能水を吐出させる。第1所定時間は、例えば約3秒間乃至約30秒間の範囲内の時間、より好ましくは約14秒間の時間、又は操作部36が機能水の吐水を開始させようとする操作指令有の状態となってから機能水の吐水を停止させようとする操作指令有の状態とされるまでの間の時間(時刻t11~t14の間の時間)としてこれらの時間設定を可能にするように予め設定できる。制御部38は、第2吐水モード48を実行させた後、ステップS9に進む。
【0047】
図8に示すように、第2吐水モード48についてタイムチャートを用いて説明する。
待機状態(時刻t10~t11)においては、検知センサ34は、非検知状態であり、操作部36は、操作指令無の状態であり、第1電磁弁22は、閉状態とされ、第2電磁弁24は、閉状態とされている。
時刻t11において、ステップS2又はステップS7において、操作部36が、スイッチ等の操作を受けて、操作指令無の状態から操作指令有の状態とされると、制御部38は、第2電磁弁24を閉状態から開状態に切り換え、機能水吐水部8から機能水を吐出させ、第2吐水モード48の実行を開始させる。このとき、検知センサ34は、非検知状態であり、第1電磁弁22は、閉状態のままである。
【0048】
時刻t12において、検知センサ34が非検知状態から検知状態となり、制御部38は、第2吐水モード48の実行中には、検知センサ34が物体を検知したと判断したとしても、第2吐水モード優先機能54により、第1吐水モード46を実行しないように制御すると共に第2吐水モード48の実行を継続する。よって、制御部38は、第2吐水モード48の実行中には、第1電磁弁22を開状態とせず、閉状態のまま維持し、また、第2電磁弁24を開状態のままとしている。操作部36は、操作指令を受けていない操作指令無の状態である。
【0049】
時刻t13において、第1所定時間経過前に、検知センサ34が検知状態から非検知状態とされるが、検知センサ34の検知状態によらず、第2吐水モード48の実行は継続される。
【0050】
ステップS9では、制御部38は、第1所定時間経過時に、検知センサ34が物体を検知するか否かを判定する。
制御部38は、第1所定時間経過時に、検知センサ34が引き続き検知状態であると判断した場合には、使用者の手指等、又は歯ブラシやコップ等の物体等が検知センサ34の主検知範囲A内に存在し、機能水の吐水が引き続き要求されている状態であると判断できるので、図9に示すように第2吐水モードの実行を継続するように、ステップS10に進む。
制御部38は、第1所定時間経過時に、検知センサ34が非検知状態であると判断した場合には、物体等が検知センサ34の主検知範囲Aに存在しておらず、機能水の吐水が以後要求されていない状態であると判断できるので、図8に示すように、第2吐水モードの実行を第1所定時間で終了するように、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、ステップS13に進む。
【0051】
図8の時刻t14において、制御部38は、検知センサ34が非検知状態となっている場合には、制御部38は、時刻t11から時刻t14までの時間、第1所定時間経過時に、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、第2吐水モード48の実行を終了させる。この場合は、制御部38は、上述のようにステップS9からステップS13に進む。
【0052】
一方で、図9に示すように、第2吐水モード48の実行中、例えば第2吐水モード48の実行開始以後実行終了までに、検知センサ34が検知状態となり、検知状態が第1所定時間経過時まで継続している場合がある。図9における時刻t10から時刻t12までにおける動作は、図8における時刻t10から時刻t12までの動作と同じであるので説明を省略する。制御部38は、時刻t14における第1所定時間経過時に、検知センサ34が引き続き検知状態であると判断した場合には、以下のステップS10に示すように、第2吐水モード48の実行を延長させる。
【0053】
ステップS10では、制御部38は、第1所定時間経過時及び第1所定時間経過後も制御部38が検知センサ34が物体を検知しているとの判断を継続する場合には、検知しているとの判断が継続する間、第2吐水モード48を第1所定時間から延長して実行させ、ステップS11に進む。すなわち、制御部38は、延長された第2吐水モード48において、第2電磁弁24を開状態のまま維持し、機能水吐水部8からの機能水の吐出時間をさらに延長させる。
【0054】
図9の時刻t14において、第1所定時間経過時に、検知センサ34が引き続き検知状態であると判断した場合には、制御部38は、第1所定時間経過時における第2吐水モード48の終了動作を省略し、代わりに第1所定時間経過後も第2吐水モード48の実行を継続させる。以後も、制御部38は、第2電磁弁24を開状態に維持する。このとき、操作部36は、操作指令無の状態であり、第1電磁弁22は閉状態とされている。
【0055】
時刻t14~時刻t15まで、制御部38は、検知センサ34が引き続き検知状態であると判定している。よって、制御部38は、第2電磁弁24の開状態を延長させ、第2吐水モード48の実行を延長して継続させている。
時刻t15において、検知センサ34が検知状態から非検知状態とされると、制御部38は、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、第2吐水モード48の実行の延長を終了させ、ステップS13に進む。図9において、時刻t14と時刻t15との間の時間が延長された時間を示している。
【0056】
ステップS11では、制御部38は、第2吐水モード48を開始してから、第3所定時間(時刻t11~t16の時間)が経過したか否かを判定する。第3所定時間は、第1所定時間よりも長く設定される。第3所定時間は、好ましくは約30秒間乃至約20分間の範囲内の時間、より好ましくは約10分間の時間として設定される。制御部38は、第2吐水モード48を開始してから、第3所定時間が経過したと判断する場合には、制御部38は、第2吐水モード終了機能56により、検知センサ34が物体を検知しているとの判断を依然として継続している場合であっても、第2吐水モードの実行の延長を終了させ、ステップS13に進む。
制御部38は、第2吐水モード48を開始してから、第1所定時間よりも長い第3所定時間が経過していないと判断する場合には、物体を機能水により十分に除菌するために想定される使用の範囲内であると判断できるので、第2吐水モード48の実行の延長を継続するように、ステップS12に進む。
【0057】
ステップS11の判定について、図10に示すように、第2吐水モードの実行中に、検知センサ34が検知状態となり、検知状態が何らかの理由により比較的長い時間継続してしまう場合をより詳細に説明する。図10における時刻t10から時刻t14までにおける動作は、図9における時刻t10から時刻t14までの動作と同じであるので説明を省略する。
時刻t14における第1所定時間経過後も、検知センサ34が引き続き検知状態であると判断した場合には、制御部38は、第2電磁弁24を開状態に維持し、第2吐水モード48の実行を延長させる。
しかしながら、何らかの理由により、検知センサ34が検知状態のまま、時刻t17まで継続してしまう場合がある。例えば、時刻t10から時刻t17までに数時間が経過してしまうような場合に、必要以上に機能水を吐水し続けてしまうのでは、機能水及び電力を無駄に浪費してしまう可能性がある。従って、制御部38は、第2吐水モード終了機能56により、第2吐水モード48を開始してから第3所定時間が経過した時刻t16において、検知センサ34が検知状態を継続している場合であっても、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、第2吐水モード48の実行の延長を終了させる。以後、制御部38は、時刻t17において、検知センサ34が検知状態から非検知状態になると、ステップS13に進む。
【0058】
ステップS12では、制御部38は、検知センサ34が物体を検知するか否かを判定する。
制御部38は、検知センサ34が物体を検知している場合には、物体等が検知センサ34の検知範囲に依然として存在し、機能水の吐水が要求されている状態であると判断できるので、第2吐水モードの実行を延長して継続するように、ステップS10に戻る。これにより、物体を第1所定時間を過ぎても主検知範囲内において除菌しようとしている場合には、物体の除菌を継続でき、物体に除菌作用を作用させやすくすることができる。制御部38は、検知センサ34が物体を検知していない(非検知状態である)場合には、物体等が検知センサ34の検知範囲に存在していた状態から、物体等が検知センサ34の検知範囲に存在しなくなった状態へと変化したものであり、機能水の吐水の要求が終了した状態となったと判断できるので、延長された第2吐水モード48の実行を終了させるように、第2電磁弁24を開状態から閉状態に切り換え、機能水吐水部8からの機能水の吐出を終了させ、ステップS13に進む。
【0059】
ステップS13では、制御部38は、水道水吐水部6からの水道水の吐出及び機能水吐水部8からの機能水の吐出のいずれも行っていない待機状態となる。制御部38は、ステップS13において一連の動作を終了し、待機状態に戻り、ステップS0から再び制御を開始させる。
なお、制御部38は、検知センサ34が物体を検知していると判断してから検知しなくなったと判断した後、第2所定時間にわたって、機能水吐水部8から機能水を吐出させる第3吐水モード50を備えている。制御部38は、検知センサ34が検知状態から非検知状態となった後であっても、ステップS8における第2吐水モード48の実行後である場合には、第3吐水モード省略機能52により、待機状態に戻るまでのステップS13までの制御において第3吐水モード50を実行しないように制御する。
【0060】
また、本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、機能水吐水部8は、機能水を検知センサ34の主検知範囲A内に吐水するように形成され、制御部38が検知センサ34が物体を検知しているとき、第1電磁弁22を開状態として、水道水吐水部6から水道水を吐出させる第1吐水モード46と、操作部36が操作指令を受け付けたことにより、第2電磁弁24が開状態とされてから第1所定時間にわたって第2電磁弁24の開状態が継続され、機能水吐水部8から機能水を吐出させる第2吐水モード48とを備える場合であっても、制御部38は、さらに、第2吐水モード48の実行中には、検知センサ34が物体を検知したとしても、第1吐水モード46を実行しないように制御する第2吐水モード48優先機能を備える。これにより、第2吐水モード48の実行中に、検知センサ34が物体を検知したと判断したとしても、第1吐水モード46による水道水の吐出をせず、機能水吐水部8は、機能水を検知センサ34の主検知範囲A内に吐水でき、水道水が機能水と同時に吐水されてしまう場合と比べて、検知センサ34により検知される物体に機能水のみを吐水することができる。これにより、検知センサ34が物体を検知しているとき第1吐水モード46を実行するようになっている場合であっても、検知された物体に、第1吐水モード46による水道水を吐出させず、抗菌作用又は除菌作用を作用させる機能水を吐出させて、物体に抗菌作用又は除菌作用を効果的に作用させることができる。
【0061】
さらに、本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、制御部38の第2吐水モード48は、第2吐水モード48の実行中に、検知センサ34が物体を検知したと制御部38が判断し、さらに、所定時間経過後も制御部38が検知センサ34が物体を検知しているとの判断を継続する場合には、検知しているとの判断が継続する間、所定時間から延長して実行される。これにより、第2吐水モード48の実行中に、検知センサ34の主検知範囲A内において、物体の除菌を開始し、第2吐水モード48の所定時間経過後も物体を主検知範囲内において除菌しようとしている場合には、第2吐水モード48を所定時間から延長して実行し、物体の除菌を継続することができ、物体への機能水の吐出を継続でき、物体に必要に応じて除菌作用を作用させることができる。
【0062】
さらに、本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、制御部38は、検知センサ34が物体を検知した検知状態から非検知状態となった後、第2所定時間にわたって、機能水吐水部8から機能水を吐出させる第3吐水モード50を備える。これにより、水道水の吐出後に、機能水吐水部8から機能水を吐出させ、ボウル部2やボウル部2の排水口等を機能水により除菌しやすくできる。制御部38は、さらに、検知センサ34が検知状態から非検知状態となった後であっても、第2吐水モード48の実行後であるときには、待機状態に戻るまでに第3吐水モード50を実行しないように制御する第3吐水モード省略機能52を備える。これにより、第2吐水モード48の実行後に、第3吐水モード50を実行して機能水を無駄に吐水してしまうことを抑制できる。
【0063】
さらに、本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、制御部38は、第2吐水モード48を開始してから第3所定時間が経過するとき、制御部38が検知センサ34が物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、第2吐水モード終了機能56により、第2吐水モード48の実行の延長を終了させる。これにより、制御部38が検知センサ34が物体を検知しているとの判断を継続している場合であっても、制御部38は、第3所定時間を超えて、必要以上に機能水を吐水し続けてしまうことを抑制でき、機能水を無駄に浪費してしまうことを抑制できる。
【符号の説明】
【0064】
1 水栓装置
2 ボウル部
6 水道水吐水部
8 機能水吐水部
22 第1電磁弁
24 第2電磁弁
34 検知センサ
36 操作部
38 制御部
46 第1吐水モード
48 第2吐水モード
50 第3吐水モード
52 第3吐水モード省略機能
54 第2吐水モード優先機能
56 第2吐水モード終了機能
A 主検知範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10