(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136361
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】足踏み器具
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
A61H39/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035914
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】591256505
【氏名又は名称】池田 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】池田 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】角南 勲
(72)【発明者】
【氏名】森谷 庸雄
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101BA01
4C101BB02
4C101BC09
4C101BD22
4C101BD26
4C101BD30
4C101BE01
(57)【要約】
【課題】
小波波板と上下丸形材とチャンネルで構成する波形面で足踏みを行うことにより、足の裏に点在している各種のツボを効果的に刺激して健康管理に寄与すると共に運動不足が解消出来る足踏み器具を提供する。
【解決手段】
市販の小波波板1を任意の四角形に成形し、波板の谷部分に山の高さと同等又は以下寸法の上丸形材2を全幅に設置し、チャンネルに小波波板1と上丸形材2の両側を挿入して左右縦枠3,4とする。成形した小波波板1上下は山部分として下面谷部分には全幅に谷の深さと同等寸法の下丸形材5を設け同じく挿入する。左右縦枠3,4端面上下は挿入した下丸形材5に小ネジ6で連結して全体を固定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
市販の小波波板を任意の四角形に成形し、波板の谷部分に山の高さと同等又は以下寸法の上丸形材を全幅に設置し、チャンネルに小波波板と上丸形材の両側を挿入して左右縦枠とする。成形した小波波板上下は山部分として下面谷部分には全幅に谷の深さと同等寸法の下丸形材を設け同じく挿入する。左右縦枠端面上下は挿入した下丸形材に小ネジで連結した足踏み器具。
【請求項2】
市販の小波波板に代え金属材料の薄板を波形に加工して任意の四角形に成形したことを特徴とする請求項1に記載の足踏み器具。
【請求項3】
成形した何れかの小波波板と金属材料の波板に銅メッキ加工を施したことを特徴とする請求項1乃至2に記載の足踏み器具。
【請求項4】
波板に設置する何れかの上丸形材に銅メッキ加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の足踏み器具。
【請求項5】
左右縦枠にチャンネルに代えてアングルを使用し上下に組み合わせ接着して縦枠としたことを特徴とする請求項1に記載の足踏み器具。
【請求項6】
左右縦枠の両端を仕切ったことを特徴とする請求項1乃至5に記載の足踏み器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は市販の小波波板を任意の四角形に成形し、波形の谷部分に波形頂部寸法と同等又は以下寸法の丸形材を全幅に設置して両端をチャンネルに挿入し、この上面に素足又は薄手の靴下を着用し足踏みを継続して行うことにより、足の裏全体を効果的に刺激して健康に寄与すると共に運動不足が解消できる足踏み器具に関する。
【背景技術】
【0002】
足裏には多くのツボがあり、このツボを適度に刺激すれば血流がよくなり健康によいとされている。その方法としてシート上に複数の突起物を不規則に設け、この上を歩くだけで爽快、リフレッシュできる足ツボマットが市販されている。更に半円形の部材で足裏の土踏まず部分を刺激する通称青竹踏み器が各種市販と提案もなされている。又、基台部の上面に、間隔を置いて複数の棒材を設け、前記各棒材の上面中央部分が棒材の上方に突出している足踏み器(特許文献1)、表面に大小複数の突起が突設されたマッサージ用健康器具(特許文献2)、床材に土踏まずと、足指の付け根に対応して、人の体重が加わると変形する程度の弾性を持った半円形の突起部材と締着受けを設けた脚踏み健康器具(特許文献3)等がそれぞれ提案されている。
【0003】
本発明者は市販の小波波板の谷部分に上部が山寸法に近似する円形素材を左右の枠に遊嵌状態で差し込み、小波波板の波部分両端は山部分とし内側に波板谷部分が接地する同寸法の横受け円形素材を左右の縦枠に固定し、下面には薄板の基台を設けた足踏み器(特許文献4)を提案している。
【0004】
足裏刺激の他の方法としては靴内に挿入して足の裏を刺激する波形又は突起部分を設けたインソールと、表面に適度に刺激を与える複数の突起を設けた健康サンダルが各種ある。これらの波形、突起等が歩くことにより足の裏を適度に刺激して健康効果を発揮する目的で使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願2017-4321
【特許文献2】特開2011-161163
【特許文献3】特開2018-143552
【特許文献4】特願2020-120317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の足ツボマットは日常生活に取り入れて使用する商品で主に台所の床に敷き家事を行いながら自然に足裏を刺激する製品であり、足踏みを意識して行う形態では無い。青竹踏み器は半円形で表面がそのままか、各種の突起物を設けているのが主流であるが使用方法は足裏の土踏まず部分をゆっくりと刺激するものであり通常の足踏み器具と同等の機能を有するものでは無い。又、特許文献1~3の足踏み器具に関する提案は、それぞれ足裏のツボを効果的に刺激する形態であるが、使用に際しての足裏の状態(素足、靴下着用等)、その効果、使用時間、刺激の程度は明確に提示されていないし形態も凝っており製作も容易でないと考えられる。特許文献4は機能面においては本発明と同様であるが、部品構成、製作手順、デザイン面において再検討を要することが判明した。インソール、健康サンダル等は、日常生活において長期間使用することにより衛生、健康面で効果が発揮されるものであり足踏み器具には当たらない。従って、発明が解決しようとする課題は、市販の素材を有効に活用することにより足踏み運動が老若男女問わず屋内にて連続して効果的に行える足踏み器具を簡単な構造で安価にて提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
市販の小波波板を任意の四角形に成形し、波板の谷部分に山の高さと同等又は以下寸法の上丸形材を全幅に設置し、チャンネルに小波波板と上丸形材の両側を挿入して左右縦枠とする。成形した小波波板上下は山部分として下面谷部分には全幅に谷の深さと同等寸法の下丸形材を設け同じく挿入する。左右縦枠端面上下は挿入した下丸形材に小ネジで連結して全体を固定する。
【発明の効果】
【0008】
単に両足を交互に同じ場所で行う足踏み効果はネット検索によると1、脂肪を燃焼する。2、便秘を改善する。3、筋肉がついて痩せやすい体質となる。4、むくみの予防や改善につながる。等の効果が記載されており消費カロリーもウォーキングの1.4倍で運動も10分続けて2分休憩後10分行えば良いとされている。従って、本足踏み器具を屋内にて使用すれば通常の足踏みに加え、足裏全体のツボがまんべんなく刺激され血流も良くなるので一層の健康効果が期待出来る。足の裏は第二の心臓と言われている。
【0009】
東京都健康長寿医療センター研究所で2000年度から65歳以上の住民約2千人を対象にした医学調査によると、一日4千歩(うち早歩き5分)でうつ病の予防が期待でき、5千歩(同7.5分)で脳卒中、心臓病,認知症、7千歩(同15分)で動脈硬化や一部の癌、骨粗しょう症、8千歩(同20分)で糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの予防が期待でき病気の発症率が十分の一に低下するとの結論が導かれている。(2020年2月4日山陽新聞朝刊より)但し、いかに効果があると言っても屋外で継続して行うことが必要であり気候変動には誰でもが対応出来ることでは無い。従って、本足踏み器具を屋内で使用すれば、いつでも好きな時に継続して足踏みを行なえるので同等以上の運動となり好結果が伴うと確信する。
【0010】
2021年2月6日の山陽新聞朝刊に京都府立医大、静岡センターのチームが「癌の体重減少に注意」との記事が掲載されていた。癌になると体重が減る現象が生じそのままだと体力が落ち治療がうまくいかなくなるので、適切な食事と運動を組み合わせて体重減少を効果的に防ぐためのプログラムが開発された。高齢の癌患者でも自宅で無理なく続けられることが特徴で、将来的には癌患者に限らず、広く高齢者の体力と健康の維持に役立てることが出来るとのことである。プログラム内容は1、椅子に座った状態から立ちあがる。2、座って片足を伸ばす。3、片膝を上げる。4、椅子につかまって踵を伸ばす。5、椅子につかまって片脚を横に上げる。これらの運動を毎日続けることにより下肢筋力が維持され食事の改善を行えば体重減少が予防され治療効果の向上が期待されるとのことである。従って、これらの運動時において本足踏み器具を立つ位置に設置すれば僅かな足の裏の刺激でも血流がよくなり相乗効果が発揮されることが期待出来る。又、椅子に座った状態で足が接する床に設置すれば単に足裏を前後するだけでも僅かな刺激となり何らかの効果が得られるのではないかと考察する。
【0011】
NHK第一放送の健康ライフによれば、血圧を下げるには1.普段の行動に動きを取り入れること(例えば歯磨きの際につま先と踵を交互にあげる)2、階段を下りる3、歩き方を変える(早くとゆっくり)等を継続して行えば効果があり又、別の日には、ステイホームによる筋肉の劣化は運動機能が低下することにより膝の機能が低下し、転倒と病気のリスク(風邪、糖尿病等)が高まるとのことであった。本足踏み器具を以上の運動に有効に活用すれば更に血圧が下がり、筋肉の劣化を予防する効果が期待出来る。
【0012】
銅には微量金属作用と呼ばれる効果があり、わずかな量で驚くべき殺菌作用を発揮する。水などに溶け出したごくわずかな量の金属イオンが殺菌類の活動を抑える効果があるとのことである。最近では銅の環境面での殺菌作用が注目され、銅と直接接触することで院内感染の原因となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌や多剤性緑膿菌を死滅させることが判明している。従って、厄介な水虫に対して本足踏み器具の波形面又は丸形材に銅成分が含まれているならば銅イオンが作用して治療効果が期待出来る。
【0013】
正しい歩き方は踵から着地するのではなく足の裏全体で着地するのが足に負担が少なくなり足の各種病気も予防出来ることが専門家によって証明され、理想的な歩き方は足踏み状態であると言われている。従って、健康の為のウォーキングが踵着地であれば逆効果となっているとのことである。本足踏み器具を使用しての屋内での足踏みは、足の裏全体着地となり足の裏全体の刺激を効果的に行うことが出来る。
【0014】
本足踏み器具を裏返すと小波波板本来の形状となり波のピッチが表面の倍となる(16mmから32mm)。下面には丸棒が配置されているので足踏みを行っても強度面では問題ない。従って、この面での足踏みはピッチが長い分刺激感覚が異なって来るので一つの足踏み器具で二種類の足踏み刺激を体感することが出来る。又、本足踏み器具の使用方法は足の裏全体を刺激するのが基本であるが使用時においては波底部が床面に接しているので足踏み時において足裏が前後にはみ出しても違和感はあまりないので使用時において足の裏を前後に移動させれば土踏まず部分をより効果的に刺激することも出来る。
【0015】
本発明者は平成26年5月(当時72歳)に左大腿骨損傷の診断受け杖を必要とする状態となった。それまではジョギングを日課としており体重は55kg前後で安定していたが以後運動不足により4年後には60kgを超えてきた。対策として足踏み運動に着目し本足踏み器具で1日約3000歩を1年続けたところ以前の体重に近づいた。従って、走り歩けなくても足踏み運動を継続して行えばジョギングに相当し屋内で健康管理が十分に行えることを体感した。
【0016】
本足踏み器具の使用の基本は足裏が波形に直角となる形で行う。(健常者であれば1分間に100~120歩可能)他に任意の角度に転回して使用すれば違った感触を得ることが出来る。足裏で踏んだ際の感触は適度の刺激となり痛みもほとんど感じなく10分~20分程度足踏みは可能であり休憩を取りながらであれば体力に応じて更に伸ばすことが出来る。又、交互に行う足踏みはその都度接触位置が微妙に異なる為に足の裏のツボがまんべんなく刺激されて健康面において大いに効果がある。尚、足踏みを行う際に健常者であれば手に支えが無くても問題はないが、高齢者とか足腰のリハビリを行う際には手の支えは必用不可欠である。対策として、本足踏み器具は軽量で持ち運びが容易であるので前方あるいは横に両手を支えることが出来るテーブル、手すり、椅子の背もたれ等の下方に置けば足踏み運動を行うことが出来る。
【0017】
本足踏み器具の使用に当たっては、上面に何もなければ次第に谷の間にゴミ,ホコリがたまり外観が悪くなり掃除もやりくい。又、家族であっても共用するには抵抗がある。対策として靴下着用かタオル又は薄布を上に掛けて行えば刺激もほとんど変わりなく得られる。通常の使用の場合には除菌スプレーをしてからが望ましい。又、専用カバーを複数備え付けておけば清潔に使用することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明に使用する市販小波波板の定尺は幅655mm、長さは3尺、4尺、5尺、6尺、7尺、8尺、9尺(1尺約303mm)がある。通常の足踏み器具以外にリハビリで両側に手すり設けている歩行訓練用の床、台所の床、部屋の一部又は全体等に定尺を有効に活用すれば足裏刺激による健康増進、運動不足解消、リフレッシュ効果が大いに期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】足踏み器具に使用する小波波板の形状規格寸法図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
市販の小波波板、チャンネル、丸形材を用い、四角形に成形した小波波板の谷部分全幅に丸形材を設置し両端をチャンネルで保持する。
【実施例0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係わる足踏み器具に使用する小波波板の形状規格寸法図、
図2は足踏み器具の平面図、
図3は
図2のA-A断面図、
図4は
図2のB-B断面図、
図5は
図2の他B―B断面図である。請求項1では、市販の小波波板1を任意の寸法(寸法は幅400mm以上、長さ320mm以上)に成形する。これは足踏み運動を行う際の立幅及び足裏寸法に対して最少必要となるものである。小波波板1の谷部分に直径が山部分の寸法に同等又は以下の上丸形材2を谷部分全幅に設置し両端をチャンネル使用の左右縦枠3,4に挿入する。チャンネルにはアルミ製で幅10mm高さ12mm厚み1mmの規格品があるのでこれを使用すれば容易に対応することが出来る。又、薄鋼板を加工してチャンネルとしてもよい。アルミチャンネルは形状寸法、長さが決まっており便利ではあるが波板の縦寸法によっては製品歩留まりが関係してくる。従って、薄鋼板を製品寸法に合わせて加工すれば波板寸法と丸形材寸法に応じて製作することが出来大量製作の場合には安価にて提供できる。成形した小波波板1の上下は山部とし下面には直径が谷寸法と同等の下丸形材5を用いて左右縦枠3,4に挿入すれば安定した状態となる。使用可能上丸形材2には8mm、9mmがある。8mmはチャンネルに容易に挿入することが出来9mmに対して足踏み時においての刺激はほとんど変わらず規格品が安価にて入手出来るので製作には適している。下丸形材5には9mmを使用すればチャンネル内寸法との差が少ない(0.3mm)ので挟持状態となり安定する。左右縦枠3,4の両端上下には小ネジ6を用いて下丸形材5と連結して固定する。小波波板の種類には、塩ビ波板、ガラスネット、ガラスクリア、ポリカボネート、カラー鉄板があるが、谷部分に丸形材が設置されピッチも小さいので強度はあまり必要としないが外見上の色は考慮しなくてはならない。又、丸形材には木丸棒、鋼管、銅管、アルミ丸パイプ、樹脂丸棒、ブラック丸パイプ等があるが、規格寸法品があり安価にて入手出来るのは木丸棒である。
請求項2では、規格品の小波波板に代えて金属材料の薄板を波形に加工して使用するものである。金属材料は鉄鋼材料と非鉄金属に分類され鉄鋼材料には鋼とステンレス、非鉄金属にはアルミ、銅、チタンがある。これら何れかの薄板を任意の波形への加工は専用機械により容易に行うことが出来る。