(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136389
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】タッチパネル装置およびこれを用いた表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220913BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20220913BHJP
G06F 3/045 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
G06F3/041 520
G06F3/041 595
G06F3/044
G06F3/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035967
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲雄
(57)【要約】
【課題】 長押し等のタッチを識別することができるタッチパネル装置を提供する。
【解決手段】 本発明のタッチパネル装置100は、タッチパネル110と、タッチパネル110をスキャンし、スキャンして得られた感知信号に基づきタッチを検出するコントローラ120とを含む。コントローラ120は、前フレームの感知信号と現フレームの感知信号の変化量△Tを算出し、この算出を複数のフレーム間で行い、得られた複数の変化量(△T1、△T2、△T3、・・・、△Tn-1)の積算値△c(△c=△T1+△T2+△T3、・・・、△Tn-1)を算出し、積算値△cが長押し検出閾値Th_U以上のとき、感知信号を長押しのタッチと識別する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、当該タッチパネルをスキャンし、スキャンして得られた感知信号に基づきタッチを検出する制御手段とを含むタッチパネル装置であって、
前記制御手段は、前フレームの感知信号と現フレームの感知信号の変化量を複数のフレーム間で算出し、算出して得られた複数の変化量の積算値を算出し、算出した積算値に基づきタッチか否かを識別する、タッチパネル装置。
【請求項2】
前記制御手段は、複数のフレーム間で複数の積算値を算出し、当該複数の積算値の平均値に基づきタッチか否かを識別する、請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記制御手段はさらに、前記複数のフレームの感知信号に基づき検出位置の動きを算出し、算出した検出位置の動きと前記積算値とに基づきタッチか否かを識別する、請求項1または2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記制御手段は、長押しのタッチか否かを識別する、請求項1ないし3いずれか1つに記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記制御手段は、タッチパネルからタッチ検出が解除されたとき、前記積算値の算出を終了する、請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
前記タッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式である、請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか1つに記載のタッチパネル装置と、表示用ディスプレイとを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作を検出するタッチパネル装置に関し、特に長押しの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ユーザーからのタッチ操作等を受け取る入力インターフェースとして液晶ディスプレイなどと一体に表示ユニット内に搭載されて利用されている。タッチパネルには、抵抗膜方式や静電容量方式が広く利用されている。静電容量方式のタッチパネルにも表面型静電容量方式や投影型静電容量方式などが存在する。
【0003】
図1に、投影型静電容量方式タッチパネルの概略平面図を示す(特許文献1)。タッチパネル6はタッチセンサ11を備える。タッチセンサ11は、X方向に沿うX側ラインセンサ12とY方向に沿うY側ラインセンサ13とを備える。X側ラインセンサ12は、X方向に沿う電極14をY方向に並列に複数離間して配置し、Y側ラインセンサ13は、Y方向に沿う電極15をX方向に並列に複数離間して配置する。相互容量方式では、例えば、X側ラインセンサ12を順次スキャンし、Y側ラインセンサ13で電極14と電極15との交差部分の静電容量を感知(センシング)する。
【0004】
また、特許文献2のタッチパネル装置は、接触物の相対加速度の実測値と異物の相対加速度の理論値との比較に基づき接触物が異物であるか否かを判定し、特許文献3のタッチパネル装置は、静電容量変化を検出しかつ近接センサで物体の近接を検出しないときは、静電容量変化がユーザー操作によるものではなく異物によるものであると判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-77755号公報
【特許文献2】特開2014-857717号公報
【特許文献3】特開2012-138026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電容量型のタッチパネル装置では、
図2(A)に示すように、コントローラ20は、タッチパネル10のスキャン/センシングを行い、静電容量の変化が生じた位置のタッチ等の操作を検出するが、この検出方法は、
図2(A)のように静電容量の変化が人の指Uの長押しによって生じているのか、
図2(B)のように物体30が置かれていることによって生じているのかを識別することが難しいという課題がある。このような課題は、抵抗膜方式のタッチパネルでも同様である。
【0007】
そこで、従来の検出アルゴリズムは、
図3に示すように、タッチパネル30をスキャンし、スキャンして得られた感知信号を測定し(S100)、感知信号がタッチ検出閾値Th以上であれば(S110)、次に、感知信号が継続する信号か否かを判定し(S120)、継続する信号がタイムアウト時間内であれば(S130)、感知信号を有効とみなし、感知信号により検出されたタッチ位置の座標をユーザーに通知する。他方、継続する信号がタイムアウト時間を超える場合には、感知信号を有効でないものととみなし、データ(感知信号)を破棄し、ユーザーにはタッチ位置を通知しない。
【0008】
しかしながら、こうしたタイムアウト処理を行うと、例えば、長時間の早送り操作やスクロール動作などの長押しが行われたとき、それらの操作の途中でタイムアウト処理によりタッチ操作が検出されなくなり、その結果、早送りやスクロールの動きが停止し、ユーザーは、早送り等の再操作を要求され、ユーザー利便性を低下させてしまう。
【0009】
本発明は、上記した従来の課題を解決し、長押し等のタッチを識別することができるタッチパネル装置および表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るタッチパネル装置は、タッチパネルと、当該タッチパネルをスキャンし、スキャンして得られた感知信号に基づきタッチを検出する制御手段とを含むものであって、前記制御手段は、前フレームの感知信号と現フレームの感知信号の変化量を複数のフレーム間で算出し、算出して得られた複数の変化量の積算値を算出し、算出した積算値に基づきタッチか否かを識別する。
【0011】
ある態様では、前記制御手段は、複数のフレーム間で複数の積算値を算出し、当該複数の積算値の平均値に基づきタッチか否かを識別する。ある態様では、前記制御手段はさらに、前記複数のフレームの感知信号に基づき検出位置の動きを算出し、算出した検出位置の動きと前記積算値とに基づきタッチか否かを識別する。ある態様では、前記制御手段は、長押しのタッチか否かを識別する。ある態様では、前記制御手段は、タッチパネルからタッチ検出が解除されたとき、前記積算値の算出を終了する。ある態様では、前記タッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のフレームにおけるフレーム間の感知信号の変化量の積算値に基づきタッチか否かを識別するようにしたので、従来のようにタイムアウト処理を用いることなく、長押し等のタッチを正確に検出することができる。これにより、ユーザーは、早送りやスクロール移動などの連続操作(長押し操作)が可能になり、ユーザー利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】静電容量型タッチパネルの概略平面図である。
【
図2】従来のタッチパネル装置の課題を説明する図である。
【
図3】従来のタッチパネル装置の検出アルゴリズムの動作フローを示す図である。
【
図4】本発明の実施例に係るタッチパネル装置の構成を示す図である。
【
図5】
図5(A)は、長押しのときの感知信号の波形の例示、
図5(B)は、タッチパネル上に物体が置かれたときの感知信号の波形の例示である。
【
図6】
図6(A)は、長押しのときの感知信号と物体が置かれたときの感知信号とを比較するグラフ、
図6(B)は、長押しのときの積算値と物体が置かれたときの積算値とを比較するグラフである。
【
図7】本発明の実施例に係るタッチパネル装置の検出アルゴリズムの動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明に係るタッチパネル装置は、タッチパネルを含み、操作対象(例えば、ユーザーの指など)のタッチを検出する。タッチは、タッチパネルへの接触または近接を含む。本発明に係るタッチパネル装置は、静電容量方式のタッチパネルまたは抵抗膜方式のタッチパネルのいずれであってもよい。また、本発明に係るタッチパネル装置は、液晶パネル等のディスプレイ上に搭載され、ユーザーインターフェース機能を搭載した表示装置または表示ユニットを提供する。このような表示装置は、例えば、車載装置、多機能型携帯電話機(スマートフォン)、携帯型情報端末(タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノート型コンピュータ)等において使用される。
【実施例0015】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図5は、本実施例に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。タッチパネル装置100は、例えば、静電容量型のタッチパネル110と、タッチパネル110のタッチ検出等を行うコントローラ120とを含んで構成される。
【0016】
タッチパネル110は、例えば
図1に示すように、絶縁体フィルムなどの下方にX方向およびY方向にマトリックス状に配列された透明な電極14、16を配置したガラスまたはプラスチック等の基板を有する。タッチパネル110に指がタッチされると、その付近の電極間の静電容量が変化し、この静電容量の変化をX方向の列およびY方向の列で特定することでタッチ位置を検出する。タッチパネル110は、例えば、図示しない液晶パネル上に搭載され、液晶パネルに表示された画像に関するユーザー入力インターフェースを提供する。
【0017】
コントローラ120は、タッチパネル110の全体の動作を制御する。コントローラ120は、
図1に示すX側ラインセンサ12の各電極14を順次スキャンするための駆動回路、Y側ラインセンサ13の各電極15を順次センスするためのセンス回路を含み、センス回路は、電極14と電極15が交差する位置(以下、センシング領域)に生じる静電容量に応じた感知信号を測定する。コントローラ120またはセンス回路は、センシング領域の静電容量に応じたアナログ感知信号を増幅する増幅回路や、増幅されたアナログ感知信号をデジタル感知信号に変換するA/Dコンバータを含むようにしてもよい。なお、スキャン側をY側ラインセンサ13とし、センス側をX側ラインセンサ12としても良い。
【0018】
コントローラ120は、駆動回路/センス回路を介してタッチパネル110の全センシング領域のスキャン/センシングを、例えば2~3ミリ秒単位で行う。ここで、タッチパネル110の全センシング領域の測定結果である感知信号の信号群をフレームという。従って、1フレームは、2~3ミリ秒単位で生成される。通常、タッチパネル110に指がタッチされる時間は、少なくとも数十ミリ秒である。仮に、1フレームの生成が3ミリ秒、指のタッチ時間が30ミリ秒であるならば、指がタッチされる期間に10フレームが生成されることになる。また、長押しであれば、タッチ期間は数秒から数十秒になることもある。
【0019】
コントローラ120は、各フレームの感知信号に基づきタッチを検出する。ある態様では、コントローラ120は、ROM/RAM等を備えたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含み、ROM/RAMに格納されたプログラムを実行することでタッチ検出のアルゴリズムを実行する。
【0020】
次に、本実施例のタッチパネル装置における長押しの識別方法について説明する。静電容量方式のタッチパネルまたは抵抗値方式のタッチパネルでは、人の操作では(例えば、指)、静電容量または抵抗値に微動が生じる。これに対し、タッチパネル上に物体を置いた場合には、静電容量または抵抗値の微動は非常に小さい。本実施例では、人の操作と物体放置のときの感知信号の挙動が異なることに基づき、人の操作(特に長押し)か、それ以外かを識別することを可能にする。
【0021】
図5(A)は、静電容量型のタッチパネル110を人の指Uでタッチしたときの感知信号の波形、
図5(B)は、静電容量型のタッチパネル110上に物体Bを置いたときの感知信号の波形であり、この波形は、約10秒間のものである。時刻t1で指Uがタッチされると、これに応答して感知信号のレベルがタッチ検出閾値Thを超え、その後、感知信号のレベルは概ね一定であるが微動が生じる。一方、時刻t1で物体Bがタッチされることに応答して感知信号のレベルがタッチ検出閾値Thを超えるが、このレベルには殆ど微動が生じない。
図6(A)は、指の長押し(実線)と物体放置(破線)のときの実際の感知信号の波形を模式的に示したグラフである。
【0022】
コントローラ120は、タッチ検出閾値Thを超えた感知信号に関し、前フレームの感知信号のレベルと現フレームの感知信号のレベルの変化量を算出し、このような変化量を複数のフレーム間で算出し、それらの変化量を積算する。すなわち、フレームF1、F2、・・・、Fnの感知信号のレベルT1、T2、・・・、Tnとしたとき、コントローラ120は、T1-T2=△T1、T2-T3=△T2、T3-T4=△T3、・・・、Tn-1-Tn=△Tn-1を算出する。そして、積算値△c=△T1+△T2+△T3、・・・+△Tn-1を算出する。
【0023】
図6(B)は、指の長押しのときの積算値△c_Uと、物体を放置したときの積算値△c_Bとの比較を示すグラフである。指の長押しの積算値△c_Uは、時間の経過(つまり、フレーム間の変化量の積算数)とともに、物体放置の積算値△c_Bよりも大きくなり、両者の差が徐々に拡大することがわかる。
【0024】
そこで、コントローラ120は、
図6(B)に示すような関係から適切な長押し検出閾値Th_Uを設定し、積算値△cが長押し検出閾値Th_U以上か否かを判定し、積算値△c≧長押し検出閾値Th_Uであれば、感知信号は指の長押しによるものと識別し、積算値△c<長押し検出閾値Th_Uであれば、感知信号は指の長押し以外によるもの(例えば、物体の放置など)と識別する。ある態様では、コントローラ120は、従来の検出アルゴリズムのタイムアウトする時刻(
図3のステップ130)に対応する時刻で、積算値△c≧長押し検出閾値Th_Uの判定を行うようにしてもよい。つまり、タイムアウトするまでにバッファリングされた複数のフレームにおいてフレーム間の変化量の積算値△cを算出し、この積算値△cを長押し検出閾値Th_Uと比較する。ある態様では、タイムアウトの時間とは無関係に、予め決められた時間あるいはフレーム数において、積算値△c≧長押し検出閾値Th_Uの判定を行うようにしてもよい。ある態様では、感知信号がタッチ検出閾値th未満になるまで、つまりタッチがリリースされるときまで、継続的に積算値△c≧長押し検出閾値Th_Uの判定を行うようにしてもよい。また、フレーム間の変化量の積算は、タッチがリリースされたときに終了させてもよいし、積算値△c≧長押し検出閾値Th_Uの判定により長押しが識別されたときに終了させてもよい。
【0025】
このように本実施例によれば、従来のようにタイムアウト処理を用いることなく、人の指によって長押しされたか、または物体が置かれたかを識別することができ、これにより、ユーザーは、早送りやスクロール移動などの連続操作(長押し操作)が可能になり、ユーザー利便性の向上を図ることができる。また、指の長押しを正確に識別することにより、誤動作(意図しないキャリブレーション動作など)を防止することができる。
【0026】
図7は、本実施例の検出アルゴリズムの一例を示すフローである。コントローラ120は、タッチパネル30をスキャンし、スキャンして得られた感知信号を測定し(S100)、感知信号がタッチ検出閾値Th以上か否かを判定する(S110)。例えば、
図5(A)に示すように、指Uがタッチパネル110をタッチすると、タッチしたセンシング領域の静電容量が変化し、タッチ検出閾値Thを超える感知信号が測定される。コントローラ120は、X方向の列とY方向の列とからタッチされたセンシング領域を特定する。
【0027】
感知信号がタッチ検出閾値Th以上のとき、コントローラ120は、感知信号が継続する信号か否かを判定し(S120)、継続する信号であれば、上記したフレーム間の感知信号の変化量の積算を複数のフレーム間で実施し、積算値△c≧長押し検出閾値Th_Uを判定する(S200)。ある態様では、コントローラ120は、感知信号がタッチ検出閾値th以上を判定した場合、当該フレームに続くフレームをFIFOメモリ等にバッファリングし、バッファリングしたフレームに基づき感知信号が継続する信号か否かの判定や、積算値△cの算出を行う。
【0028】
コントローラ120は、予め決められたフレーム数、あるいはタッチ検出から予め決められた時間期間における積算値△cを算出し、算出した積算値△cが長押し検出閾値Th_U以上であれば(S200)、静電容量の変化は、指の長押しと識別し(S210)、検出したタッチの座標位置をユーザー(例えば、表示装置のコントローラなど)に通知する。一方、算出した積算値△cが長押し検出閾値Th_U未満であれば(S200)、静電容量の変化は、物体の放置等と識別し(S220)、データ(感知信号)を破棄し、座標位置をユーザーに通知しない。
【0029】
次に、本実施例の変形例について説明する。上記実施例では、積算値△cと長押し検出閾値Th_Uとを比較するようにしたが、コントローラ120は、複数のフレーム間において複数の積算値を算出し、当該複数の積算値の平均値と長押し検出閾値Th_Uとを比較するようにしてもよい。例えば、フレーム1-フレーム3までの各変化量の積算値△c_1、フレーム4-フレーム6までの各変化量の積算値△c_2、フレーム7-フレーム9までの各変化量の積算値△c_3を算出し、平均値△c_AV=(△c_1+△c_2+△c_3)/3を算出し、△c_AV≧長押し検出閾値Th_Uを判定する。このような処理により、バッファメモリは3フレーム分のデータを格納すれば十分であり、必要なメモリ容量を低減させることができる。
【0030】
また、他の変形例として、コントローラ120は、積算値を算出することに加えて、その間の検出位置の動きを利用するようにしてもよい。物体がタッチパネル上に放置された場合には、検出位置に変化は生じないが、指をタッチした場合には、検出位置に動きが生じる場合がある。スクロールなどのスワイプ操作であれば、検出位置に動きが生じる。そこで、コントローラ120は、各フレームの感知信号に基づきタッチ位置(タッチ検出閾値Th以上の感知信号を生じさせたセンシング領域)を検出し、検出したタッチ位置の動きまたは変化量△Mを算出する。タッチ位置の変化量を算出する期間(フレーム数)は、積算値を算出する期間(フレーム数)と同一であってもよいし、それよりも短くてもよい。
【0031】
コントローラ120は、例えば、(積算値△c+動き△M)≧長押し検出閾値Th_U、または(積算値△c×動き△M)≧長押し検出閾値Th_Uのように、積算値△cを動き△Mによって重み付けすることで、長押しの識別を容易に判定できるようにする。
【0032】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。