(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136411
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/3827 20150101AFI20220913BHJP
H04B 1/04 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H04B1/3827 120
H04B1/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036003
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】織田 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】小杉 和宏
【テーマコード(参考)】
5K011
5K060
【Fターム(参考)】
5K011BA04
5K011EA03
5K011JA12
5K060CC04
5K060EE05
5K060LL01
5K060LL05
(57)【要約】
【課題】無線通信モジュールを後付けした場合であっても、DPR機能が有効な状態で無線通信モジュールが使用されるようにする。
【解決手段】情報処理装置は、無線による通信を行う無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールの周辺に人体を検出した場合に、前記無線通信モジュールが電波を出力する出力電力を前記人体に影響を与えないように制限する電力削減機能が、有効である場合に、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記電力削減機能が無効になっている場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするモジュール制御部であって、前記電力削減機能が有効になった際に出力される前記無線通信モジュールの有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記電力削減機能を無効にする際に出力される前記無線通信モジュールの無効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を無効にするモジュール制御部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線による通信を行う無線通信モジュールと、
前記無線通信モジュールの周辺に人体を検出した場合に、前記無線通信モジュールが電波を出力する出力電力を制限する電力削減機能が、有効である場合に、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記電力削減機能が無効になっている場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするモジュール制御部であって、前記電力削減機能が有効になった際に出力される前記無線通信モジュールの有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記電力削減機能を無効にする際に出力される前記無線通信モジュールの無効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を無効にするモジュール制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記モジュール制御部は、当該情報処理装置が起動した際に、前記無線通信モジュールの動作を無効にする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電力削減機能は、OS(Operating System)に基づく特定の処理を実行可能な所定の実行権限を有しており、
前記モジュール制御部は、
前記有効化要求の出力元が、前記所定の実行権限を有している場合に、前記有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、
前記有効化要求の出力元が、前記所定の実行権限を有していない場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にする
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記無線通信モジュールは、WWAN(Wireless Wide Area Network)モジュールである
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記無線通信モジュールは、当該情報処理装置の製品出荷後に、当該情報処理装置に装着された
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
無線による通信を行う無線通信モジュールを備える情報処理装置の制御方法であって、
モジュール制御部が、前記無線通信モジュールの周辺に人体を検出した場合に、前記無線通信モジュールが電波を出力する出力電力を制限する電力削減機能が有効である場合に、前記無線通信モジュールの動作を有効にするステップであって、前記電力削減機能が有効になった際に出力される前記無線通信モジュールの有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にするステップと、
前記モジュール制御部が、前記電力削減機能が無効になっている場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするステップであって、前記電力削減機能を無効にする際に出力される前記無線通信モジュールの無効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を無効にするステップと
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)などの情報処理装置において、無線広域ネットワーク(WWAN:Wireless Wide Area Network)に接続可能なWANNモジュールなどの無線通信モジュールを備えるものが普及してきている。このような情報処理装置では、無線通信モジュールが無線通信する際に出力する電波がSAR(Specific Absorption Rate)の所定の基準値を充たすことが要求されることがある。そのため、人体が無線通信モジュールに接近すると、電波の出力に使用する電力を制限するDPR(Dynamic Power Reduction)機能を備える情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。なお、このような情報処理装置では。一般に、例えば、米国連邦通信委員会(FCC: Federal Communication Commission)などの技術基準の認証を、DPR機能を備えた状態で取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、無線通信モジュール及びDPR機能を有していない情報処理装置が出荷された後に、ユーザが無線通信モジュールを取り付ける場合には、DPR機能も併せて機能させる必要があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、無線通信モジュールを後付けした場合であっても、DPR機能が有効な状態で無線通信モジュールが使用されるようにすることができる情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、無線による通信を行う無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールの周辺に人体を検出した場合に、前記無線通信モジュールが電波を出力する出力電力を制限する電力削減機能が、有効である場合に、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記電力削減機能が無効になっている場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするモジュール制御部であって、前記電力削減機能が有効になった際に出力される前記無線通信モジュールの有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記電力削減機能を無効にする際に出力される前記無線通信モジュールの無効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を無効にするモジュール制御部とを備える情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記モジュール制御部は、当該情報処理装置が起動した際に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記電力削減機能は、OS(Operating System)に基づく特定の処理を実行可能な所定の実行権限を有しており、前記モジュール制御部は、前記有効化要求の出力元が、前記所定の実行権限を有している場合に、前記有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にし、前記有効化要求の出力元が、前記所定の実行権限を有していない場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記無線通信モジュールは、WWAN(Wireless Wide Area Network)モジュールであってもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記無線通信モジュールは、当該情報処理装置の製品出荷後に、当該情報処理装置に装着されていてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、無線による通信を行う無線通信モジュールを備える情報処理装置の制御方法であって、モジュール制御部が、前記無線通信モジュールの周辺に人体を検出した場合に、前記無線通信モジュールが電波を出力する出力電力を制限する電力削減機能が、有効である場合に、前記無線通信モジュールの動作を有効にするステップであって、前記電力削減機能が有効になった際に出力される前記無線通信モジュールの有効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を有効にするステップと、前記モジュール制御部が、前記電力削減機能が無効になっている場合に、前記無線通信モジュールの動作を無効にするステップであって、前記電力削減機能を無効にする際に出力される前記無線通信モジュールの無効化要求に応じて、前記無線通信モジュールの動作を無効にするステップとを含む制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明上記態様によれば、無線通信モジュールを後付けした場合であっても、DPR機能が有効な状態で情報処理装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態によるノートPCの主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態によるノートPCの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態におけるBIOSの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態によるノートPCの動作の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるDPR機能の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び制御方法について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態によるノートPC1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、ノートPC1(ノートブック型パーソナルコンピュータ)は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、HDD23と、オーディオシステム24と、WLANモジュール25と、WWANモジュール26と、エンベデッドコントローラ31と、キー入力部32と、電源回路33と、センサ部34とを備える。なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、ノートPC1について説明する。
【0016】
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御する。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System:オペレーティングシステム)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0017】
ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、表示部14に描画データ(表示データ)として出力する。
【0018】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、ノートPC1のメイン画面として、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。
【0019】
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。
図1では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、HDD23と、オーディオシステム24と、WLANモジュール25と、WWANモジュール26と、エンベデッドコントローラ31とが、チップセット21に接続されている。
【0020】
BIOS(Basic Input Output System)メモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0021】
HDD(Hard Disk Drive)23(不揮発性記憶装置の一例)は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
【0022】
オーディオシステム24は、音データの記録、再生、出力を行う。
WLAN(Wireless Local Area Network)モジュール25は、ワイヤレス(無線)LANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。
【0023】
WWAN(Wireless Wide Area Network)モジュール26は、ワイヤレス(無線)WANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。WWANモジュール26は、無線通信モジュールの一例であり、不図示のアンテナを含んでいるものとする。WWANモジュール26は、例えば、WWANカードであり、当該ノートPC1の製品出荷後に、オプション部品の装着として、当該ノートPC1に装着されたものである。WWANモジュール26は、例えば、第3世代移動通信システム(3G)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)などの移動体通信システムを利用してネットワークに接続する。
【0024】
なお、本実施形態において、WWANモジュール26は、WWANモジュール26が出力する電波の出力電力を制限するDPR機能(電力削減機能)を用いることで、例えば、FCC(米国連邦通信委員会)などの技術基準の認証を取得しているものとする。なお、DPR機能の詳細については、後述する。
【0025】
エンベデッドコントローラ31(組込み制御部の一例)は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源回路33を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、キー入力部32、電源回路33、及びセンサ部34などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。
【0026】
キー入力部32は、例えば、キーボードやタッチパネルなどの入力デバイスであり、使用者からのキー入力を受け付ける。
【0027】
電源回路33は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、AC/DCアダプタなどを含んでおり、AC/DCアダプタ、又は電池ユニットから供給される直流電圧を、ノートPC1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源回路33は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて、ノートPC1の各部に電力を供給する。
【0028】
センサ部34は、例えば、加速度センサや人感センサなどである。センサ部34は、例えば、WWANモジュール26の周辺(特に、アンテナ周辺)に、人体が存在することを検知可能である。
【0029】
なお、本実施形態において、上述したCPU11及びチップセット21は、メイン制御部10に対応する。メイン制御部10は、OS(例えば、Windows(登録商標))に基づく処理を実行する。
【0030】
次に、
図2を参照して、本実施形態によるノートPC1の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態によるノートPC1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態によるノートPC1は、DPRユーティリティ41と、パワー管理ドライバ42と、通信アプリケーション43と、WWANドライバ44と、モジュール通信部61と、WWANモジュール26と、エンベデッドコントローラ31と、センサ部34とを備える。
【0031】
なお、
図2において、ノートPC1の構成として、本実施形態の発明に関する主要な機能構成のみを記載している。
また、DPRユーティリティ41と、パワー管理ドライバ42と、通信アプリケーション43と、WWANドライバ44は、HDD23が記憶するプログラムを、メインメモリ12に読み込んで、メイン制御部10に実行させることで実現される機能部である。また、これらの機能部は、OS(Windows(登録商標))に基づいて各種処理を実行する。
【0032】
また、モジュール通信部61は、BIOS60の一部であり、BIOSメモリ22が記憶するプログラムを、メインメモリ12に読み込んで、メイン制御部10に実行させることで実現される機能部である。
また、本実施形態において、パワー管理ドライバ42及びモジュール通信部61は、モジュール制御部50に対応する。
また、WWANモジュール26と、エンベデッドコントローラ31と、センサ部34とは、上述した
図1において説明したハードウェア構成である。
【0033】
DPRユーティリティ41は、DPR機能を実現する機能部である。ここで、DPR機能とは、WWANモジュール26(特にアンテナ)の周辺に人体を検出した場合に、WWANモジュール26が電波を出力する出力電力を制限する機能である。DPRユーティリティ41は、エンベデッドコントローラ31を経由して、センサ部34が検出した検出情報を取得して、当該検出情報に基づいて、WWANモジュール26の周辺の人体があるか否かを判定する。すなわち、DPRユーティリティ41は、センサ部34により、WWANモジュール26の周辺の人体があるか否かを検出する。
【0034】
DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の周辺に人体を検出した場合に、パワー管理ドライバ42及びモジュール通信部61を経由して、WWANモジュール26の出力電力を低下させる。なお、DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の周辺に人体を検出した場合に、WWANモジュール26の出力電力の上限値の設定を、低い設定値に変更するようにしてもよい。
【0035】
また、DPRユーティリティ41は、当該機能部が起動されてDPR機能が有効になる際に、モジュール制御部50のパワー管理ドライバ42に、WWANモジュール26を有効化する有効化コマンド(Enable Command:有効化要求の一例)を出力して、WWANモジュール26を有効化させる。
【0036】
また、DPRユーティリティ41は、当該機能部が動作停止されてDPR機能が無効になる際に、モジュール制御部50のパワー管理ドライバ42に、WWANモジュール26を無効化する無効化コマンド(Disable Command:無効化要求の一例)を出力して、WWANモジュール26を無効化させる。
【0037】
なお、DPRユーティリティ41は、例えば、OSのAdministrator権限などの実行権限(所定の実行権限の一例)を有しており、少なくとも有効化コマンド(Enable Command)は、当該実行権限を有している場合に実行可能である。ここでのAdministrator権限は、例えば、DPRユーティリティ41をインストールする際に、求まられる実行権限である。
【0038】
モジュール制御部50は、DPR機能が有効である場合に、WWANモジュール26の動作を有効にし、DPR機能が無効になっている場合に、WWANモジュール26の動作を無効にする。モジュール制御部50は、例えば、DPR機能が有効になった際に、DPRユーティリティ41から出力されるWWANモジュール26の有効化コマンドに応じて、WWANモジュール26の動作を有効にする。モジュール制御部50は、有効化コマンドに応じて、WWANモジュール26を有効化する“Deassert W_DISABLE#”を送信する。
【0039】
また、モジュール制御部50は、例えば、DPR機能を無効にする際にDPRユーティリティ41から出力されるWWANモジュール26の無効化コマンドに応じて、WWANモジュール26の動作を無効にする。モジュール制御部50は、無効化コマンドに応じて、WWANモジュール26を無効化する“Assert W_DISABLE#”を送信する。
【0040】
モジュール制御部50は、例えば、有効化コマンドの出力元(例えば、DPRユーティリティ41など)が、上述した実行権限(例えば、Administrator権限)を有している場合に、有効化コマンドに応じて、WWANモジュール26の動作を有効にする処理を実行する。また、モジュール制御部50は、例えば、有効化コマンドの出力元が、上述した実行権限を有していない場合に、WWANモジュール26の動作を無効にする処理を実行する。
【0041】
また、モジュール制御部50は、当該ノートPC1が起動した際に、WWANモジュール26の動作を無効にする。すなわち、モジュール制御部50は、ノートPC1が起動した際に、WWANモジュール26に対して、“Assert W_DISABLE#”を送信する。なお、ここでのノートPC1の起動には、ノートPC1の再起動も含まれる。
また、モジュール制御部50は、パワー管理ドライバ42と、モジュール通信部61とを含んでいる。
【0042】
パワー管理ドライバ42は、ノートPC1の電力制御の管理を行うPM(Power Management)ドライバである。パワー管理ドライバ42は、DPRユーティリティ41からの各種要求に応じて、モジュール通信部61を介して、WWANモジュール26の出力電力を制御する。
【0043】
モジュール通信部61は、BIOS60の一部であり、WWANモジュール26との間のインタフェースを行う。モジュール通信部61は、上述した有効化コマンドに応じて、“Deassert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する。また、モジュール通信部61は、上述した無効化コマンドに応じて、“Assert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する。なお、モジュール通信部61は、こてらのコマンドの出力元が上述した実行権限(例えば、Administrator権限)を有している場合に、これらのコマンドの処理を実行する。
【0044】
また、モジュール通信部61は、当該ノートPC1が起動した際に、WWANモジュール26の動作を無効にする“Assert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する。
【0045】
通信アプリケーション43は、WWANモジュール26を利用して通信を行うアプリケーションを実行する機能部である。通信アプリケーション43は、例えば、メールソフトやブラウザソフト、ネットワーク通信を利用する各種アプリケーションなどに該当する。通信アプリケーション43は、ネットワーク通信による行う場合に、WWANドライバ44を介して、WWANモジュール26との間で通信を行うことで、外部とのネットワーク通信を行う。
【0046】
WWANドライバ44は、WWANモジュール26の通信制御を行うデバイスドライバである。WWANドライバ44は、モジュール通信部61を経由して、WWANモジュール26との間で通信を行うことで、外部とのネットワーク通信を行う。なお、WWANドライバ44は、一般に、DPR機能に関係なく、WWANモジュール26を制御して、外部とのネットワーク通信を実行可能であるが、本実施形態では、モジュール通信部61が、DPR機能が無効である場合(WWANモジュール26が無効化されている場合)に、WWANモジュール26への制御を受け付けない。そのため、WWANドライバ44は、DPR機能が有効である場合のみ、WWANモジュール26の通信制御が可能になる。
【0047】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図3は、本実施形態におけるBIOS60の処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図3に示すように、ノートPC1のBIOS60は、ノートPC1が起動されると、まず、BIOS60の初期化処理を実行する(ステップS101)。BIOS60は、BIOSメモリ22が記憶するプログラム及びデータのチェックや、各種周辺機器の初期化処理を実行する。
【0049】
次に、BIOS60は、WWANモジュール26を無効化する(ステップS102)。BIOS60のモジュール通信部61は、WWANモジュール26の動作を無効にする“Assert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する。これにより、WWANモジュール26は、動作を確実に停止し、無効化される。
【0050】
次に、モジュール通信部61は、DPR機能が有効になったか否かを判定する(ステップS103)。モジュール通信部61は、例えば、パワー管理ドライバ42を経由して、DPRユーティリティ41からWWANモジュール26の有効化コマンドを受信したか否かに応じて、DPR機能が有効になったか否かを判定する。モジュール通信部61は、DPR機能が有効になった(DPRユーティリティ41からの有効化コマンドを受信した)場合(ステップS103:YES)に、処理をステップS104に進める。また、モジュール通信部61は、DPR機能が有効になっていない(DPRユーティリティ41からの有効化コマンドを受信していない)場合(ステップS103:NO)に、処理をステップS103に戻す。
【0051】
ステップS104において、モジュール通信部61は、WWANモジュール26を有効化する。モジュール通信部61は、例えば、WWANモジュール26の動作を有効にする“Deassert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する。これにより、WWANモジュール26は、有効化され、動作を開始する。
【0052】
次に、モジュール通信部61は、DPR機能が無効になったか否かを判定する(ステップS105)。モジュール通信部61は、例えば、パワー管理ドライバ42を経由して、DPRユーティリティ41からWWANモジュール26の無効化コマンドを受信したか否かに応じて、DPR機能が無効になったか否かを判定する。モジュール通信部61は、DPR機能が無効になった(DPRユーティリティ41からの無効化コマンドを受信した)場合(ステップS105:YES)に、処理をステップS106に進める。また、モジュール通信部61は、DPR機能が無効になっていない(DPRユーティリティ41からの無効化コマンドを受信していない)場合(ステップS105:NO)に、処理をステップS105に戻す。
【0053】
ステップS106において、モジュール通信部61は、WWANモジュール26を無効化する。モジュール通信部61は、例えば、WWANモジュール26の動作を無効にする“Assert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する。これにより、WWANモジュール26は、無効化され、動作を停止する。
【0054】
次に、BIOS60は、ノートPC1がシャットダウンするのか否かを判定する(ステップS107)。すなわち、BIOS60は、ノートPC1が動作を停止するのか否かを判定する。BIOS60は、ノートPC1がシャットダウンする場合(ステップS107:YES)に、処理を終了する。また、BIOS60は、ノートPC1がシャットダウンしない場合(ステップS107:NO)に、処理をステップS103に戻す。
【0055】
次に、
図4を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作の一例について説明する。
図4は、本実施形態によるノートPC1の動作の一例を示す図である。ここでは、DPR機能に関わるモジュール制御部50の動作の一例について説明する。
【0056】
図4に示すように、DPRユーティリティ41が起動すると、まず、DPRユーティリティ41は、DPR機能を有効にする(ステップS201)。
【0057】
次に、DPRユーティリティ41は、有効化コマンド(Enable Command)をモジュール制御部50のパワー管理ドライバ42に送信する(ステップS202)。
【0058】
次に、パワー管理ドライバ42は、DPRユーティリティ41からの有効化コマンド(Enable Command)に応じて、有効化コマンド(DPRC)をBIOS60のモジュール通信部61に送信する(ステップS203)。
【0059】
次に、BIOS60(モジュール通信部61)は、パワー管理ドライバ42からの有効化コマンド(DPRC)に応じて、“Deassert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する(ステップS204)。
【0060】
次に、WWANモジュール26は、BIOS60(モジュール通信部61)からの“Deassert W_DISABLE#”に応じて、WWANモジュール26を有効化して、動作を開始する(ステップS205)。
【0061】
次に、WWANモジュール26は、BIOS60(モジュール通信部61)、及びパワー管理ドライバ42を経由して、レスポンス(コマンド応答)を、DPRユーティリティ41に送信する(ステップS206)。
【0062】
この状態では、WWANモジュール26が有効化されている状態であるため、WWANモジュール26が使用可能である。そのため、例えば、通信アプリケーション43からの通信要求に応じて、WWANドライバ44は、WWANモジュール26を用いて、WWANによるネットワーク通信を実行する(ステップS207)。
【0063】
次に、DPRユーティリティ41が停止すると、まず、DPRユーティリティ41は、DPR機能を無効にする(ステップS208)。
【0064】
次に、DPRユーティリティ41は、無効化コマンド(Disable Command)をモジュール制御部50のパワー管理ドライバ42に送信する(ステップS209)。
【0065】
次に、パワー管理ドライバ42は、DPRユーティリティ41からの無効化コマンド(Disable Command)に応じて、無効化コマンド(DPRC)をBIOS60のモジュール通信部61に送信する(ステップS210)。
【0066】
次に、BIOS60(モジュール通信部61)は、パワー管理ドライバ42からの無効化コマンド(DPRC)に応じて、“Assert W_DISABLE#”を、WWANモジュール26に送信する(ステップS211)。
【0067】
次に、WWANモジュール26は、BIOS60(モジュール通信部61)からの“Assert W_DISABLE#”に応じて、WWANモジュール26を無効化して、動作を停止する(ステップS212)。
【0068】
次に、WWANモジュール26は、BIOS60(モジュール通信部61)、及びパワー管理ドライバ42を経由して、レスポンス(コマンド応答)を、DPRユーティリティ41に送信する(ステップS213)。
【0069】
この状態では、WWANモジュール26が無効化されている状態であるため、WWANモジュール26が使用不可能である。そのため、例えば、通信アプリケーション43からの通信要求に応じて、WWANドライバ44は、WWANモジュール26を用いて、WWANによるネットワーク通信を実行することができない(ステップS214)。ここでは、BIOS60(モジュール通信部61)が、WWANによるネットワーク通信をブロックするようにしてもよい。
【0070】
なお、上述した
図4に示す例では、ノートPC1にDPRユーティリティ41のプログラムがインストールされており、ノートPC1が、DPRユーティリティ41を備える場合について説明したが、ノートPC1が、DPRユーティリティ41を備えない場合も考えられる。ノートPC1が、DPRユーティリティ41を備えない場合には、WWANモジュール26が有効化されずに無効化されたままの状態であるため、上述したステップS214と同様の処理が実行される。
【0071】
すなわち、ノートPC1が、DPRユーティリティ41を備えない場合には、WWANモジュール26が無効化されている状態であるため、WWANモジュール26が使用不可能である。そのため、例えば、通信アプリケーション43からの通信要求に応じて、WWANドライバ44は、WWANモジュール26を用いて、WWANによるネットワーク通信を実行することができない。
【0072】
次に、
図5を参照して、本実施形態におけるDPR機能の動作について説明する。
図5は、本実施形態におけるDPR機能の処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図5に示すように、ノートPC1のDPRユーティリティ41は、起動すると、まず、有効化コマンドを出力して、WWANモジュール26を有効化する(ステップS301)。DPRユーティリティ41は、上述した
図4のステップS201からステップS205の処理により、WWANモジュール26を有効化する。
【0074】
次に、DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の周辺に人体があるか否かを判定する(ステップS302)。DPRユーティリティ41は、エンベデッドコントローラ31を介して、センサ部34の検出情報を取得して、当該検出情報に基づいて、WWANモジュール26の周辺に人体があることを検出する。DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の周辺に人体がある場合(ステップS302:YES)に、処理をステップS303に進める。また、DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の周辺に人体がない場合(ステップS302:NO)に、処理をステップS304に進める。
【0075】
ステップS303において、DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の出力を制限する。DPRユーティリティ41は、例えば、パワー管理ドライバ42及びモジュール通信部61を経由して、WWANモジュール26の出力電力を低下させる。ステップS303の処理後に、DPRユーティリティ41は、処理をステップS305に進める。
【0076】
また、ステップS304において、DPRユーティリティ41は、WWANモジュール26の出力の制限を解除する。DPRユーティリティ41は、例えば、パワー管理ドライバ42及びモジュール通信部61を経由して、WWANモジュール26の出力電力を高くして制限を解除する。ステップS304の処理後に、DPRユーティリティ41は、処理をステップS305に進める。
【0077】
ステップS305において、DPRユーティリティ41は、DPR機能を終了するか否かを判定する。DPRユーティリティ41は、DPR機能を終了する場合(ステップS305:YES)に、処理をステップS306に進める。また、DPRユーティリティ41は、DPR機能を終了しない場合(ステップS305:NO)に、処理をステップS302に戻す。
【0078】
ステップS306において、DPRユーティリティ41は、無効化コマンドを出力して、WWANモジュール26を無効化する。DPRユーティリティ41は、上述した
図4のステップS208からステップS213の処理により、WWANモジュール26を無効化する。ステップS306の処理後に、DPRユーティリティ41は、処理を終了する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、WWANモジュール26(無線通信モジュール)と、モジュール制御部50とを備える。WWANモジュール26は、無線による通信を行う。モジュール制御部50は、WWANモジュール26の周辺に人体を検出した場合に、DPR機能(電力削減機能)が有効である場合に、WWANモジュール26の動作を有効にする。ここで、DPR機能は、WWANモジュール26が電波を出力する出力電力を制限する機能である。また、モジュール制御部50は、DPR機能が無効になっている場合に、WWANモジュール26の動作を無効にする。
【0080】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、DPR機能が無効になっている場合に、WWANモジュール26の動作を無効にするため、例えば、オプションとして、WWANモジュール26(無線通信モジュール)を後付けする場合で、且つ、DPR機能を組み込まなかった場合には、WWANモジュール26を動作させることができない。そのため、確実にDPR機能が有効な状態でWWANモジュール26を動作させることができる。
【0081】
また、本実施形態によるノートPC1は、何らかの理由によりDPR機能が停止している場合、又は、DPR機能が削除(アンインストール)された場合にも、WWANモジュール26を動作させることができない。よって、DPR機能が有効でない場合にWWANモジュール26を無効化できる。
【0082】
また、本実施形態では、モジュール制御部50は、当該ノートPC1が起動した際に、WWANモジュール26の動作を無効にする。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、DPR機能が無効になっている場合に、WWANモジュール26の動作をより確実に無効にすることができる。
【0083】
また、本実施形態では、モジュール制御部50は、DPR機能が有効になった際に出力されるWWANモジュール26の有効化コマンド(有効化要求)に応じて、WWANモジュール26の動作を有効にする。また、モジュール制御部50は、DPR機能を無効にする際に出力されるWWANモジュール26の無効化コマンド(無効化要求)に応じて、WWANモジュール26の動作を無効にする。
【0084】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、コマンド処理という簡易な手段により、にDPR機能が有効になっている状態で、WWANモジュール26を動作させることができる。
【0085】
また、本実施形態では、DPR機能は、OS(例えば、Windows(登録商標))に基づく特定の処理を実行可能な所定の実行権限(例えば、Administrator権限など)を有している。モジュール制御部50は、有効化コマンドの出力元が、所定の実行権限(例えば、Administrator権限など)を有している場合に、有効化コマンドに応じて、WWANモジュール26の動作を有効にする。まら、モジュール制御部50は、有効化コマンドの出力元が、所定の実行権限(例えば、Administrator権限など)を有していない場合に、WWANモジュール26の動作を無効にする。
【0086】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、所定の実行権限(例えば、Administrator権限など)を有している場合のみ、WWANモジュール26を使用可能になり、例えば、マルウェアなどの不正なソフトウェアが、WWANモジュール26を有効化することができない。よって、本実施形態によるノートPC1は、セキュリティをさらに向上させて、WWANモジュール26(無線通信モジュール)を安全に使用することができる。
【0087】
また、本実施形態では、上述した無線通信モジュールは、WWANモジュール26である。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、無線LANなどに比べて大出力であるWWANによるネットワーク通信を、より安全に行うことができる。
【0088】
また、本実施形態では、WWANモジュール26は、当該ノートPC1の製品出荷後に、当該ノートPC1に装着される。本実施形態によるノートPC1は、DPR機能が無効化されている状態では、WWANモジュール26を使用することができないため、ノートPC1の製品出荷後に、WWANモジュール26が当該ノートPC1に装着される場合であっても、FCCなどの製品基準の認証に適合しない状態で使用されることがない。
【0089】
また、本実施形態による制御方法は、無線による通信を行うWWANモジュール26を備えるノートPC1(情報処理装置)の制御方法であって、有効化ステップと、無効化ステップとを含む。有効化ステップにおいて、モジュール制御部50が、WWANモジュール26の周辺に人体を検出した場合に、WWANモジュール26が電波を出力する出力電力を制限するDPR機能が有効である場合に、WWANモジュール26の動作を有効にする。無効化ステップにおいて、モジュール制御部50が、DPR機能が無効になっている場合に、WWANモジュール26の動作を無効にする。
【0090】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述した本実施形態によるノートPC1と同様の効果を奏し、WWANモジュール26(無線通信モジュール)を後付けした場合であっても、DPR機能が有効な状態で無線通信モジュールが使用されるようにすることができる。
【0091】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置がノートPC1である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タブレット端末装置、デスクトップPC、スマートフォンなどの他の情報処理装置であってもよい。
【0092】
また、上記の実施形態において、モジュール制御部50が、DPRユーティリティ41からのコマンドの受信に基づいて、DPR機能が有効であるか否かを判定する例を説明したが、これに限定されるものではない。ノートPC1が、DPR機能が有効であるか否かを状態を示す状態情報を記憶する記憶部を備え、モジュール制御部50は、当該記憶部が記憶する状態情報を参照して、DPR機能が有効であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0093】
また、上記の実施形態において、モジュール制御部50は、パワー管理ドライバ42を含み、パワー管理ドライバ42を経由して、有効化コマンド及び無効化コマンドを受信する例を説明したが、これに限定されるものではない。モジュール制御部50は、パワー管理ドライバ42を含まずに、モジュール通信部61が、直接、有効化コマンド及び無効化コマンドを受信するようにしてもよい。
【0094】
また、上記の実施形態において、無線通信モジュールが、WWANモジュール26である例を説明したが、これに限定されるものではない。無線通信モジュールは、DPR機能を用いる必要がある無線通信方式であれば、他の無線通信方式の無線通信モジュールであってもよい。
【0095】
なお、上述したノートPC1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0096】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0097】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 ノートPC
10 メイン制御部
11 CPU
12 メインメモリ
13 ビデオサブシステム
14 表示部
21 チップセット
22 BIOSメモリ
23 HDD
24 オーディオシステム
25 WLANモジュール
26 WWANモジュール
31 エンベデッドコントローラ
32 キー入力部
33 電源回路
34 センサ部
41 DPRユーティリティ
42 パワー管理ドライバ
43 通信アプリケーション
44 WWANドライバ
50 モジュール制御部
60 BIOS
61 モジュール通信部