(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136434
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11582 20170101AFI20220913BHJP
H01L 27/11575 20170101ALI20220913BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11575
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036035
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】伊豫田 健
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA12
5F083JA19
5F083JA32
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR03
5F083PR04
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR25
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH13
(57)【要約】
【課題】好適に製造可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ第1領域及び第2領域を有する基板を備える。第1領域は、第2方向に積層された複数の第1ワード線層と、第2方向に延伸し複数の第1ワード線層と対向する外周面を有する第1半導体層と、複数の第1ワード線層と第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積膜と、を備える。第2領域は、第2方向に積層された複数の第1ワード線層の一部と、第3方向において複数の第1ワード線層から離間し第2方向に積層された複数の第1絶縁層と、第2方向に延伸し複数の第1絶縁層と対向する外周面を有する第1コンタクトと、複数の第1ワード線層及び複数の第1絶縁層の間に設けられ第1方向及び第2方向に延伸する第2半導体層と、複数の第1絶縁層と第2半導体層との間に設けられた第2電荷蓄積膜と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並ぶ第1領域及び第2領域を有する基板を備え、
前記第1領域は、
前記基板の表面と交差する第2方向に積層された複数の第1ワード線層と、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第1ワード線層と対向する外周面を有する第1半導体層と、
前記複数の第1ワード線層と、前記第1半導体層と、の間に設けられた第1電荷蓄積膜と
を備え、
前記第2領域は、
前記第2方向に積層された前記複数の第1ワード線層の一部と、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向において前記複数の第1ワード線層から離間し、前記第2方向に積層された複数の第1絶縁層と、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第1絶縁層と対向する外周面を有する第1コンタクトと、
前記複数の第1ワード線層及び前記複数の第1絶縁層の間に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向に延伸する第2半導体層と、
前記複数の第1絶縁層と、前記第2半導体層と、の間に設けられた第2電荷蓄積膜と
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数の第1ワード線層よりも前記基板から遠い複数の第2ワード線層を備え、
前記第1半導体層は、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第1ワード線層と対向する第1部分と、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第2ワード線層と対向する第2部分と、
前記第1部分及び前記第2部分に接続された第3部分と
を備え、
前記第3部分の前記第3方向における幅は、前記第1部分及び前記第2部分の前記第3方向における幅よりも大きく、
前記第2半導体層は、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第1ワード線層と対向する第4部分と、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第2ワード線層と対向する第5部分と、
前記第4部分及び前記第5部分に接続された第6部分と
を備え、
前記第6部分の前記第3方向における幅は、前記第4部分及び前記第5部分の前記第3方向における幅よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記複数の第1ワード線層のうちの一つの前記第2方向における位置を第1位置とし、
前記第1半導体層の前記第1位置における前記第3方向の幅を第1の幅とし、
前記第2半導体層の前記第1位置における前記第3方向の幅を第2の幅とすると、
前記第2の幅は、前記第1の幅の0.5倍よりも大きく、前記第1の幅の2.0倍よりも小さい
請求項1又は2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2半導体層に電気的に接続された第1配線を備える
請求項1~3のいずれか1項記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
第1方向に並ぶ第1領域及び第2領域を有する基板を備え、
前記第1領域は、
前記基板の表面と交差する第2方向に積層された複数の第1ワード線層と、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第1ワード線層と対向する外周面を有する第1半導体層と、
前記複数の第1ワード線層と、前記第1半導体層と、の間に設けられた第1電荷蓄積膜と
を備え、
前記第2領域は、
前記第2方向に積層された前記複数の第1ワード線層の一部と、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向において前記複数の第1ワード線層から離間し、前記第2方向に積層された複数の第1絶縁層と、
前記第2方向に延伸し、前記複数の第1絶縁層と対向する外周面を有する第1コンタクトと、
前記複数の第1ワード線層及び前記複数の第1絶縁層の間に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向に延伸する第1導電層と、
前記第1導電層及び前記複数の第1ワード線層の間に設けられた第2絶縁層と、
前記第1導電層及び前記複数の第1絶縁層の間に設けられた第3絶縁層と
を備える半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板と、半導体基板の表面と交差する方向に積層された複数の導電層と、半導体基板の表面と交差する方向に延伸してこれら複数の導電層に対向する半導体層と、導電層及び半導体層の間に設けられたゲート絶縁膜と、を備えた半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高品質な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ第1領域及び第2領域を有する基板を備える。第1領域は、基板の表面と交差する第2方向に積層された複数の第1ワード線層と、第2方向に延伸し複数の第1ワード線層と対向する外周面を有する第1半導体層と、複数の第1ワード線層と第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積膜と、を備える。第2領域は、第2方向に積層された複数の第1ワード線層の一部と、第1方向及び第2方向と交差する第3方向において複数の第1ワード線層から離間し第2方向に積層された複数の第1絶縁層と、第2方向に延伸し複数の第1絶縁層と対向する外周面を有する第1コンタクトと、複数の第1ワード線層及び複数の第1絶縁層の間に設けられ第1方向及び第2方向に延伸する第2半導体層と、複数の第1絶縁層と第2半導体層との間に設けられた第2電荷蓄積膜と、を備える。
【0006】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ第1領域及び第2領域を有する基板を備える。第1領域は、基板の表面と交差する第2方向に積層された複数の第1ワード線層と、第2方向に延伸し複数の第1ワード線層と対向する外周面を有する第1半導体層と、複数の第1ワード線層と第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積膜と、を備える。第2領域は、第2方向に積層された複数の第1ワード線層の一部と、第1方向及び第2方向と交差する第3方向において複数の第1ワード線層から離間し第2方向に積層された複数の第1絶縁層と、第2方向に延伸し複数の第1絶縁層と対向する外周面を有する第1コンタクトと、複数の第1ワード線層及び複数の第1絶縁層の間に設けられ第1方向及び第2方向に延伸する第1導電層と、第1導電層及び複数の第1ワード線層の間に設けられた第2絶縁層と、第1導電層及び複数の第1絶縁層の間に設けられた第3絶縁層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の模式的な平面図である。
【
図2】
図1のAで示した部分の模式的な拡大断面図である。
【
図3】
図2に示す構造をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【
図4】
図3のCで示した部分の模式的な拡大図である。
【
図5】
図2に示す構造をD-D´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【
図6】
図5のEで示した部分の模式的な拡大図である。
【
図7】
図2に示す構造をF-F´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【
図8】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図9】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図10】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図11】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図12】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図13】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図14】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図15】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図16】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図17】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図18】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図19】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図20】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図21】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図22】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図23】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図24】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図25】比較例における、絶縁層200´及びブロック間構造140を含む部分のY-Z断面図である。
【
図26】第2実施形態の構造体200aを示す断面図であり、第1実施形態の
図5に示す部分に対応する第2実施形態の部分の模式的な断面図である。
【
図27】第2実施形態の支持部材400aを示す断面図であり、第1実施形態の
図7に示す部分に対応する第2実施形態の部分の模式的な断面図である。
【
図28】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図29】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図30】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図31】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図32】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図33】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図34】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図35】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図36】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図37】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図38】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図39】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【
図40】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す模式的なY―Z断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。
【0009】
また、本明細書においては、半導体基板の表面に対して平行な所定の方向をX方向、半導体基板の表面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、半導体基板の表面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0010】
また、本明細書においては、所定の平面に沿った方向を第1方向、この所定の平面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の平面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0011】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、半導体基板を基準とする。例えば、Z方向に沿って半導体基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って半導体基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端部と言う場合には、この構成の半導体基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端部と言う場合には、この構成の半導体基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0012】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0013】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の電流経路に設けられていることを意味する場合がある。
【0014】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0015】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成について説明する。尚、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成を省略することがある。
【0016】
[構造]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の模式的な平面図である。
図2は、
図1のAで示した部分の模式的な拡大断面図であり、メモリセルアレイ層中の構成を示している。
図3は、
図2に示す構造をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図4は、
図3のCで示した部分の模式的な拡大図である。
図5は、
図2に示す構造をD-D´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図6は、
図5のEで示した部分の模式的な拡大図である。
図7は、
図2に示す構造をF-F´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【0017】
第1実施形態に係る半導体記憶装置は、例えば
図1に示す様に、半導体基板100を備える。半導体基板100は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。図示の例において、半導体基板100には、X方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域R
MCAが設けられている。また、メモリセルアレイ領域R
MCAは、X方向に並ぶ複数のメモリホール領域R
MH(
図2)と、これらメモリホール領域R
MHの間に設けられた複数のコンタクト接続領域R
300(
図2)と、を備える。また、半導体基板100のY方向の端部には、周辺領域R
Pが設けられている。周辺領域R
Pは、半導体基板100のY方向の端部に沿ってX方向に延伸する。
【0018】
第1実施形態に係る半導体記憶装置は、半導体基板100と、半導体基板100上に設けられたトランジスタ層と、トランジスタ層の上方に設けられた下層側の配線層と、下層側の配線層の上方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCA1(
図3)と、メモリセルアレイ層L
MCA1の上方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCA2(
図3)と、メモリセルアレイ層L
MCA2の上方に設けられた上層側の配線層と、を備える。
【0019】
[メモリセルアレイ層L
MCA1,L
MCA2のメモリホール領域R
MHにおける構造]
例えば、
図1及び
図2に示す様に、メモリセルアレイ領域R
MCAには、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。メモリブロックBLKは、
図2に示す様に、Y方向に並ぶ複数のストリングユニットSUを備える。Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO
2)等のブロック間構造140が設けられる。
【0020】
メモリブロックBLKは、例えば
図3に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体層120と、複数の導電層110及び複数の半導体層120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。
【0021】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられている。
【0022】
導電層110の下方には、導電層111が設けられている。導電層111は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層111及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられている。導電層111は、ソース側選択トランジスタのゲート電極等として機能する。
【0023】
導電層111の下方には、半導体層112が設けられている。半導体層112は、ソース線等として機能する。
【0024】
複数の導電層110のうち、最下層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択トランジスタのゲート電極等として機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0025】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、ワード線及びメモリトランジスタのゲート電極等として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0026】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択トランジスタのゲート電極等として機能する。これら複数の導電層110は、その他の導電層110よりもY方向の幅が小さい。また、Y方向において隣り合う2つの導電層110の間には、ストリングユニット間絶縁層126が設けられている。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。
【0027】
半導体層120は、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体層120は、Z方向に並ぶ複数のメモリトランジスタ、ソース側選択トランジスタ、及び、ドレイン側選択トランジスタのチャネル領域等として機能する。半導体層120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体層120は、例えば
図3に示す様に、略有底円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層125が設けられている。
【0028】
半導体層120は、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる半導体領域120Lと、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる半導体領域120Uと、を備える。また、半導体層120は、半導体領域120L及び半導体領域120Uの間に設けられた半導体領域120Jと、半導体領域120Lの下方に設けられた不純物領域122と、半導体領域120Uの上方に設けられた不純物領域121と、を備える。
【0029】
半導体領域120Lは、Z方向に沿い下方に延伸するに従い次第に径方向の幅(X方向の幅及びY方向の幅)が小さくなる略円筒状の領域である。半導体領域120Lの外周面は、それぞれメモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110によって囲われており、これら複数の導電層110と対向している。
【0030】
半導体領域120Uは、Z方向に沿い下方に延伸するに従い次第に径方向の幅(X方向の幅及びY方向の幅)が小さくなる略円筒状の領域である。半導体領域120Uの外周面は、それぞれメモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110によって囲われており、これら複数の導電層110と対向している。
【0031】
尚、半導体領域120Lの上端部における径方向の幅W120LUと半導体領域120Uの上端部における径方向の幅W120UUは同程度である。また、半導体領域120Lの下端部における径方向の幅W120LLと半導体領域120Uの下端部における径方向の幅W120ULは同程度である。
【0032】
尚、上述した「半導体領域120Lの上端部」とは、半導体領域120Lにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また、「半導体領域120Uの上端部」とは、半導体領域120Uにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また「半導体領域120Lの下端部」とは、半導体領域120Lにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。また、「半導体領域120Uの下端部」とは、半導体領域120Uにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。
【0033】
半導体領域120Jは、それぞれメモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110よりも上方に設けられ、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110よりも下方に設けられている。半導体領域120Jの径方向の幅W120Jは、半導体領域120Lの上端部における径方向の幅W120LUや、半導体領域120Uの上端部における径方向の幅W120UUよりも大きい。
【0034】
不純物領域122は、上記半導体層112に接合されている。不純物領域122は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物を含む。
【0035】
不純物領域121は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む。不純物領域121は、図示しないコンタクトを介して図示しないビット線に接続される。
【0036】
ゲート絶縁膜130は、半導体層120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図4に示す様に、半導体層120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体層120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0037】
[ブロック間構造140の構造]
ブロック間構造140は、
図2に示すように、X方向に延伸すると共に、
図3に示すように、Z方向に延伸しており、Z方向に並ぶ複数の導電層110及び複数の絶縁層101をY方向に分断している。このブロック間構造140は、
図3に示す様に、Z方向及びX方向に延伸すると共にY方向に離間した一対の絶縁層142,142と、一対の絶縁層142,142の間に配置されてZ方向及びX方向に延伸する導電層141とを備えている。導電層141は、下端において半導体層112に接続されている。
【0038】
一対の絶縁層142,142は、
図3に示すようなY-Z断面で見たときに、Z方向に対して斜めに配置されている。しかも、Y-Z断面で見たときに、絶縁層142,142がZ方向に沿い下方に延伸するに従い、これら2つの絶縁層142の幅(Y方向幅)が次第に小さくなるように、絶縁層142,142が配置されている。この結果、ブロック間構造140の上端部のY方向の幅W
140Uは、ブロック間構造140の下端部のY方向の幅W
140Lよりも大きくなっている。
【0039】
尚、上述した「ブロック間構造140の上端部」とは、ブロック間構造140において、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また、「ブロック間構造140の下端部」とは、ブロック間構造140において、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。
【0040】
また、例えば、ブロック間構造140の幅W140U及び幅W140Lは、半導体層120における半導体領域120Lの幅W120LU,W120LLや、半導体領域120Uの幅W120UU,W120ULや、半導体領域120Jの幅W120Jよりも大きい。
【0041】
[メモリセルアレイ層L
MCA1,L
MCA2のコンタクト接続領域R
300における構造]
例えば
図2に示す様に、コンタクト接続領域R
300には、Y方向に並ぶ2つのブロック間構造140の間において、Y方向に並ぶ2つの構造体200が設けられている。また、これら2つの構造体200の間には、コンタクト接続小領域r
300が設けられている。また、ブロック間構造140と構造体200との間には、導電層接続小領域r
110が設けられている。これらの領域は、ブロック間構造140に沿ってX方向に延伸する。
【0042】
構造体200は、例えば、
図2に示す様に、X方向に延伸すると共に、
図5に示す様に、Z方向に延伸し、下端において半導体層112に接している。この構造体200は、
図5に示すように、コンタクト接続小領域r
300と、導電層接続小領域r
110と、の間の位置に配置されている。このようにして、構造体200は、コンタクト接続小領域r
300中の絶縁層101及び後述する絶縁層110Aと、導電層接続小領域r
110中の絶縁層101及び導電層110とを、Y方向に分断している。
【0043】
構造体200は、
図5に示す様に、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層220と、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層225と、ゲート絶縁膜230とにより構成されている。
【0044】
半導体層220は、
図5に示す様にY-Z断面で見たときに略U字状の形状を有すると共に、X方向に延びる構造になっている。また、半導体層220のY-Z断面形状は、半導体層120のY-Z断面形状(
図2)とほぼ同様な形状になっている。
【0045】
この半導体層220は、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれるY方向に離間した半導体領域220La及び半導体領域220Lbと、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれるY方向に離間した半導体領域220Ua及び半導体領域220Ubと、を備える。また、半導体層220は、メモリセルアレイ層LMCA1とメモリセルアレイ層LMCA2との間の領域においてY方向に離間した半導体領域220Ja及び半導体領域220Jbと、半導体領域220La及び半導体領域220Lbの下方に配置された半導体領域220Bと、を備える。
【0046】
半導体領域220Laの上端は半導体領域220Jaの下端に接続され、半導体領域220Jaの上端は半導体領域220Uaの下端に接続されている。半導体領域220Lbの上端は半導体領域220Jbの下端に接続され、半導体領域220Jbの上端は半導体領域220Ubの下端に接続されている。半導体領域220Bは、半導体領域220Laの下端部と半導体領域220Lbの下端部とを接続している。
【0047】
半導体領域220
La,220
Lbは、
図5に示すようなY-Z断面で見たときに、Z方向に対して斜めに配置されている。しかも、Y-Z断面で見たときに、半導体領域220
La,220
LbがZ方向に沿い下方に延伸するに従い、半導体領域220
La,220
Lbの幅(Y方向幅)が次第に小さくなるように、半導体領域220
La,220
Lbが配置されている。
【0048】
半導体領域220
Ua,220
Ubは、
図5に示すようなY-Z断面で見たときに、Z方向に対して斜めに配置されている。しかも、Y-Z断面で見たときに、半導体領域220
Ua,220
UbがZ方向に沿い下方に延伸するに従い、半導体領域220
Ua,220
Ubの幅(Y方向幅)が次第に小さくなるように、半導体領域220
Ua,220
Ubが配置されている。
【0049】
尚、半導体領域220La,220Lbの上端部におけるY方向の幅W220LUと、半導体領域220Ua,220Ubの上端部におけるY方向の幅W220UUは同程度である。また、半導体領域220La,220Lbの下端部におけるY方向の幅W220LLと半導体領域220Ua,220Ubの下端部におけるY方向の幅W220ULは同程度である。
【0050】
尚、上述した「半導体領域220La,220Lbの上端部」とは、半導体領域220La,220Lbにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また、「半導体領域220Ua,220Ubの上端部」とは、半導体領域220Ua,220Ubにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また「半導体領域220La,220Lbの下端部」とは、半導体領域220La,220Lbにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。また、「半導体領域220Ua,220Ubの下端部」とは、半導体領域220Ua,220Ubにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。
【0051】
半導体領域220Ja,220Jbは、それぞれメモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110よりも上方に設けられ、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110よりも下方に設けられている。半導体領域220Ja,220JbのY方向の幅W220Jは、半導体領域220La,220Lbの上端部におけるY方向の幅W220LUや、半導体領域220Ua,220Ubの上端部におけるY方向の幅W220UUよりも大きい。
【0052】
尚、半導体層220の幅W
220LU,W
220UU(
図5)は、半導体層120の幅W
120LU,W
120UU(
図2)の、0.5倍よりも大きく2.0倍よりも小さくすることができる。また、半導体層220の幅W
220LL,W
220UL(
図5)は、半導体層120の幅W
120LL,W
120UL(
図2)の、0.5倍よりも大きく2.0倍よりも小さくすることができる。また、半導体層220の幅W
220J(
図5)は、半導体層120の幅W
120J(
図2)の、0.5倍よりも大きく2.0倍よりも小さくすることができる。
【0053】
半導体層220の、半導体領域220La,220Ja,220Uaと、半導体領域220Lb,220Jb,220Ubとの間の部分には、酸化シリコン等の絶縁層225が設けられている。この絶縁層225は、Z方向に延伸すると共にX方向に延伸している。
【0054】
ゲート絶縁膜230は、半導体層220の外側面(絶縁層225が設けられている面とは反対側の面)を覆っており、Y-Z断面で見たときに略U字状の形状を有すると共に、X方向に延びる構造になっている。
【0055】
ゲート絶縁膜230は、例えば
図6に示す様に、半導体層220及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜231、電荷蓄積膜232及びブロック絶縁膜233を備える。トンネル絶縁膜231及びブロック絶縁膜233は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜232は、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜231、電荷蓄積膜232、及び、ブロック絶縁膜233は、半導体層220の外側面(絶縁層225が設けられている面とは反対側の面)に沿ってX方向に延伸する。
【0056】
尚、
図5に示す半導体層220、絶縁層225及びゲート絶縁膜230から成る構造体200のY-Z断面形状は、
図3に示す半導体層120、絶縁層125及びゲート絶縁膜130から成る構造のY-Z断面形状とほぼ同様な形状になっている。また、
図5に示す構造体200の各高さ位置におけるY方向の幅は、
図3に示す半導体層120、絶縁層125及びゲート絶縁膜130から成る構造の各高さ位置における径方向の幅の、0.5倍よりも大きく2.0倍よりも小さくすることができる。
【0057】
コンタクト接続小領域r
300は、
図5に示す様に、Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aと、Z方向に延伸する貫通コンタクト300と、を備える。
【0058】
絶縁層110Aは、X方向に延伸する略板状の絶縁層である。絶縁層110Aは、窒化シリコン(SiN)等の絶縁層を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aの間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられている。
【0059】
貫通コンタクト300は、例えば
図2に示す様に、X方向に複数並んでいる。貫通コンタクト300は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。例えば
図5に示す様に、貫通コンタクト300の外周面は、それぞれ絶縁層110A及び絶縁層101によって囲われており、これらの絶縁層110A及び絶縁層101と対向している。
【0060】
このように、貫通コンタクト300の外周面が絶縁層110A及び絶縁層101によって囲われているため、貫通コンタクト300と、ワード線等として機能する導電層110との間の、電気的な絶縁耐圧を確保することができる。尚、貫通コンタクト300は、Z方向に延伸しており、その上端が、上層側の配線層中の配線と接続されている。また、貫通コンタクト300は、その下端が、下層側の配線層中の配線と接続されており、下層側の配線を介して、この配線の下方に設けられたトランジスタ層に電気的に接続されている。
【0061】
導電層接続小領域r
110は、例えば
図2に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110の幅狭部110
300を備える。X方向において隣り合う2つのメモリホール領域R
MHに含まれる複数の導電層110は、この幅狭部110
300を介してお互いに導通している。
【0062】
図2に示す様に、コンタクト接続小領域r
300のX方向の端部領域及び導電層接続小領域r
110には、製造工程中において絶縁層101を支持する機能を果たす略円柱状の支持部材400が設けられている。支持部材400は、
図7に示す様に、Z方向に延伸し、下端において半導体層112に接続されている。支持部材400は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。例えば
図7に示す様に、支持部材400の外周面は、それぞれメモリセルアレイ層L
MCA1,L
MCA2に含まれる複数の導電層110及び絶縁層101によって囲われており、これら導電層110及び絶縁層101に対向している。
【0063】
支持部材400は、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる支持部材領域400Lと、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる支持部材領域400Uと、を備える。また、支持部材400は、支持部材領域400L及び支持部材領域400Uの間に設けられた支持部材領域400Jと、を備える。支持部材領域400Jは、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110よりも上方に設けられ、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110よりも下方に設けられている。
【0064】
尚、
図7に示す支持部材400のY-Z断面形状は、
図3に示す半導体層120、絶縁層125及びゲート絶縁膜130から成る構造のY-Z断面形状とほぼ同様な形状になっている。
【0065】
尚、支持部材領域400Lの上端部における径方向の幅W400LUと、支持部材領域400Uの上端部における径方向の幅W400UUは同程度である。また、支持部材領域400Lの下端部における径方向の幅W400LLと、支持部材領域400Uの下端部における径方向の幅W400ULは同程度である。支持部材領域400Jの径方向の幅W400Jは、支持部材領域400Lの上端部における径方向の幅W400LUや、支持部材領域400Uの上端部における径方向の幅W400UUよりも大きい。
【0066】
尚、上述した「支持部材領域400Lの上端部」とは、支持部材領域400Lにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また、「支持部材領域400Uの上端部」とは、支持部材領域400Uにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また「支持部材領域400Lの下端部」とは、支持部材領域400Lにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。また、「支持部材領域400Uの下端部」とは、支持部材領域400Uにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。
【0067】
また、
図7に示す支持部材400のY方向幅は、
図3に示す半導体層120、絶縁層125及びゲート絶縁膜130から成る構造の径方向の幅よりもやや長いか、または、ほぼ同等の寸法になっており、
図3に示すブロック間構造140のY方向幅よりも短くなっている。
【0068】
より詳述すると、支持部材400における支持部材領域400Lの上端部におけるY方向の幅W400LUと支持部材領域400Uの上端部におけるY方向の幅W400UUは、半導体層120における半導体領域120Lの上端部における幅W120LUや半導体領域120Uの上端部における幅W120UUよりもやや長いか、または、ほぼ同等の寸法になっている。また、支持部材400における支持部材領域400Lの下端部におけるY方向の幅W400LLと支持部材領域400Uの下端部におけるY方向の幅W400ULは、半導体層120における半導体領域120Lの下端部における幅W120LLや半導体領域120Uの下端部における幅W120ULよりもやや長いか、または、ほぼ同等の寸法になっている。更に、支持部材400における支持部材領域400JのY方向の幅W400Jは、半導体層120における半導体領域120Jの幅W120Jよりもやや長いか、又は、ほぼ同等の寸法になっている。
【0069】
[通電構造]
図2及び
図5に示す様に、各構造体200の半導体層220は、それぞれコンタクトC1,C2を介して、上層側の配線層に含まれている配線mに電気的に接続されている。
【0070】
【0071】
第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、まず、半導体基板100(
図1)上に、トランジスタ層及び下層側の配線層を形成する。また、下層側の配線層の上面に、絶縁層を形成する。
【0072】
次に、前記絶縁層上に、例えば
図8に示す様に、半導体層112A、犠牲層112B、半導体層112C、絶縁層101及び導電層111を形成する。また、導電層111上に、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aを交互に形成する。更に、交互に形成した複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aからなる構造の上面に、絶縁層101を形成する。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法によって行われる。
【0073】
次に、例えば
図9に示す様に、半導体層120に対応する位置に、複数のメモリホールMH
Lを形成する。メモリホールMH
Lは、Z方向に延伸し、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110A、導電層111、半導体層112C、並びに、犠牲層112Bを貫通し、半導体層112Cに至る貫通孔である。この工程は、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)等の方法によって行う。
【0074】
また、
図9に示すメモリホールMH
Lの形成と同時に、例えば
図10に示す様に、構造体200に対応する位置に、溝G
200Lを形成する。溝G
200Lは、Z方向及びX方向に延伸し、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110A、導電層111、半導体層112C、並びに、犠牲層112Bを貫通し、半導体層112Cに至る溝である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0075】
次に、例えば
図11に示す様に、メモリホールMH
Lの内部に、アモルファスシリコン膜120Aを形成する。また、図示は省略するが、この工程と同時に、
図10に示す溝G
200Lの内部にもアモルファスシリコン膜120Aを形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。尚、この工程では、アモルファスシリコン膜120Aの形成前に、酸化シリコン(SiO
2)、窒化シリコン(SiN)等の絶縁膜を形成しても良い。
【0076】
次に、アモルファスシリコン膜120Aの上端部分をウェットエッチング等により除去する。また、最上層の絶縁層101の一部をウェットエッチング等により除去して、メモリホールMHLの上端の半径及び溝G200LのY方向の幅を拡大する。また、メモリホールMHL及び溝G200Lの上端の内部に、アモルファスシリコン膜120Aを更に形成する。
【0077】
次に、図示は省略するが、例えば
図7に示す支持部材400に対応する位置に、孔H
400L(
図7)を形成する。孔H
400Lは、メモリホールMH
Lと同様に、Z方向に延伸し、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110A、導電層111、半導体層112C、並びに、犠牲層112Bを貫通し、半導体層112Aに至る貫通孔である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0078】
次に、図示は省略するが、孔H400Lの内部にアモルファスシリコン膜120Aを形成し、孔H400Lの上端の半径を拡大し、孔H400Lの上端の内部に酸化シリコン(SiO2)等を充填する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0079】
次に、例えば
図12に示す様に、
図11を参照して説明した構造の上面に、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aを交互に形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行われる。このとき、アモルファスシリコン膜120Aが形成された溝G
200L(
図10)を含む構造の上面、及び、酸化シリコン(SiO
2)等が充填された孔H
400L(
図7)を含む構造の上面にも、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aが交互に形成される。
【0080】
次に、例えば
図13に示す様に、半導体層120に対応する位置に、複数のメモリホールMH
Uを形成する。このメモリホールMH
Uは、Z方向に延伸し、絶縁層101及び絶縁層110Aを貫通し、メモリホールMH
L内のアモルファスシリコン膜120Aの上面を露出させる貫通孔である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0081】
また、
図13に示すメモリホールMH
Uの形成と同時に、例えば
図5に示す構造体200に対応する位置に、溝G
200U(
図16)を形成する。溝G
200Uは、Z方向及びX方向に延伸し、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110AをY方向に分断する溝であり、その下端面(底面)は、溝G
200L内のアモルファスシリコン膜120Aの上面を露出させる。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0082】
次に、例えば
図14に示す様に、メモリホールMH
L内のアモルファスシリコン膜120Aを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0083】
また、溝G200L内のアモルファスシリコン膜120Aを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0084】
次に、例えば
図7に示す支持部材400に対応する位置に、孔H
400U(
図7)を形成する。この孔H
400Uは、Z方向に延伸し、絶縁層101及び絶縁層110Aを貫通し、孔H
400L内の酸化シリコン(SiO
2)等の上面を露出させる貫通孔である。この孔H
400U(
図7)の内周面に、酸化シリコン(SiO
2)等を充填する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。このようにして、孔H
400L,H
400U内に酸化シリコン(SiO
2)等が充填されることにより支持部材400(
図2、
図7)が形成される。
【0085】
次に、例えば
図15に示す様に、メモリホールMH
L,MH
Uの内周面に、ゲート絶縁膜130、半導体層120及び絶縁層125を形成する。この工程では、例えば、CVD等による成膜が行われ、メモリホールMH
L,MH
Uの内部に、アモルファスシリコン膜が形成される。また、例えば、アニール処理等によって、このアモルファスシリコン膜の結晶構造を改質する。
【0086】
また、例えば
図16に示す様に、溝G
200L,G
200Uの内面(側面及び底面)に、ゲート絶縁膜230、半導体層220及び絶縁層225からなる構造体200を形成する。この工程では、例えば、CVD等による成膜が行われ、溝G
200L,G
200Uの内部に、アモルファスシリコン膜が形成される。また、例えば、アニール処理等によって、このアモルファスシリコン膜の結晶構造を改質する。この工程は、例えば
図15に示すゲート絶縁膜130、半導体層120及び絶縁層125の形成と同時に行われる。
【0087】
次に、例えば
図17に示す様に、ブロック間構造140に対応する位置に溝G
140を形成する。溝G
140は、Z方向及びX方向に延伸し、絶縁層101及び絶縁層110A、導電層111等をY方向に分断する溝である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0088】
次に、例えば
図18に示す様に、溝G
140のY方向の側面に、窒化シリコン等の保護膜P
140を形成する。この工程では、例えば、CVD等の方法によって溝G
140のY方向の側面及び底面に、窒化シリコン等の絶縁膜が形成される。また、RIE等の方法によって、この絶縁膜のうち、溝G
140の底面を覆う部分が除去される。
【0089】
次に、例えば
図19に示す様に、犠牲層112B及びゲート絶縁膜130の一部を除去し、半導体層120の一部を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行われる。
【0090】
次に、例えば
図20に示す様に、エピタキシャル成長等によって半導体層112を形成する。
【0091】
次に、例えば
図21に示す様に、保護膜P
140を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行われる。
【0092】
次に、例えば
図22に示す様に、溝G
140を介して絶縁層110Aを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行う。このように絶縁層110Aが除去されることにより、Z方向に配設された複数の絶縁層101の相互間は中空になる。このようにして中空構造となった複数の絶縁層101は、
図22に示す半導体層120、ゲート絶縁膜130及び絶縁層125からなる構造と、
図5に示す構造体200(半導体層220、ゲート絶縁膜230及び絶縁層225)と、
図7に示す支持部材400とにより支持される。
【0093】
尚、
図23に示す様に、この工程では、コンタクト接続小領域r
300、即ち、X方向に延伸すると共にY方向に離間した一対の構造体200,200の間の領域では、絶縁層110Aが残存する。
【0094】
次に、例えば
図24に示す様に、導電層110を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0095】
次に、溝G
140内にブロック間構造140(
図7)を形成する。この工程は、例えば、CVD及びRIE等の方法によって行う。
【0096】
その後、例えば
図5を参照して説明した貫通コンタクト300を形成する。貫通コンタクト300を形成する工程は、例えば、CVD及びRIE等の方法によって行う。また、ストリングユニット間絶縁層126(
図3)や、コンタクトC1,C2(
図5)や、配線m(
図2、
図5)を含む上層側の配線層等を形成する。このようにして、半導体記憶装置が製造される。
【0097】
[比較例]
上述した第1実施形態に係る半導体記憶装置では、構造体200は、
図5に示すように、ゲート絶縁膜230、半導体層220及び絶縁層225により形成されているが、比較例では、
図25に示すように、構造体200に相当する絶縁層200´は、溝内に酸化シリコン(SiO
2)等の酸化物を充填して構成されている。このように酸化シリコン(SiO
2)等の酸化物を溝内に充填した際には、この酸化シリコン(SiO
2)等の酸化物が熱収縮することにより、半導体記憶装置に「ヨレ」が発生する場合がある。
【0098】
例えば、比較例に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図22及び
図23と対応する工程において、絶縁層110Aが除去されて複数の絶縁層101を含む中空構造が形成される。このとき、絶縁層200´は、Z方向において熱収縮する。ここで、絶縁層200´のZ方向における収縮応力は、導電層接続小領域r
110(
図2、
図5、
図25)に設けられた支持部材400´(
図25)のZ方向における収縮応力よりも大きい場合がある。この様な場合、比較例に係る半導体記憶装置の製造に際し、
図22及び
図23と対応する工程において、上記中空構造のZ方向の中央部分が、コンタクト接続小領域r
300(
図2、
図5、
図25)側から溝G
140側に向かって湾曲した状態で張り出す場合がある。
【0099】
このような状態で
図24と対応する工程において導電層110を形成すると、
図25に示す様に、溝G
140のZ方向の中央部分のY方向における幅が狭くなってしまい、ブロック間構造140中の導電層141を、半導体層112と接続することが出来なくなってしまう虞がある。また、Y方向において隣り合う2つの導電層110が電気的に接続されてしまう虞がある。
【0100】
また、前述した様に、比較例では、構造体200に相当する絶縁層200´は、溝内に酸化シリコン(SiO2)等の酸化物を充填して構成されているため、半導体層120を形成する工程とは別工程で形成しなければならず、製造工程数が多くなっていた。
【0101】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態における構造体200は、
図5に示す様に、例えば、ゲート絶縁膜230と、多結晶シリコン(Si)等の半導体層220と、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層225とにより構成されている。このような構造体200のZ方向における収縮応力は、上述の様な絶縁層200´のZ方向における収縮応力よりも小さい。従って、第1実施形態に係る半導体記憶装置においては、上述の様な「ヨレ」の発生を抑制可能である。この結果、第1実施形態の半導体記憶装置は、好適に製造可能である。
【0102】
また、第1実施形態においては、例えば
図16に示す、ゲート絶縁膜230、半導体層220及び絶縁層225により構成されている構造体200を、例えば
図15に示す、ゲート絶縁膜130、半導体層120及び絶縁層125と同時に形成することができるので、製造工程数の削減を図ることができる。
【0103】
また、第1実施形態に係る半導体記憶装置では、製品完成後に、
図5に示す配線m及びコンタクトC1,C2を介して、構造体200の半導体層220に電圧を印加することにより、半導体層220と導電層110との間にショート不良が存在するか否かの検査を行うことができる。検査の結果、ショート不良が検出された場合には、そのショート不良が発生した部分を含むメモリブロックBLKの使用を禁止している。このように検査を行うことができるので、第1実施形態の半導体記憶装置は、高い品質を保持することができる。
【0104】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る構造体200(
図5)及び支持部材400(
図7)のかわりに、構造体200a(
図26)及び支持部材400a(
図27)を備えているが、他の部分の構造は、第1実施形態と同様な構造になっている。このため、以降では、構造体200a(
図26)及び支持部材400a(
図27)について詳細に説明するが、他の部分についての説明は、省略ないし簡略化する。
【0105】
[構造]
図26は、第2実施形態の構造体200aを示す断面図であり、第1実施形態の
図5に示す部分に対応する第2実施形態の部分の模式的な断面図である。
図27は、第2実施形態の支持部材400aを示す断面図であり、第1実施形態の
図7に示す部分に対応する第2実施形態の部分の模式的な断面図である。
【0106】
[構造体200aの構造]
図26に示す様に、導電層接続小領域r
110と、コンタクト接続小領域r
300との間には、Z方向及びX方向に延伸する溝G
200aが形成されている。溝G
200a内には、Z方向及びX方向に延伸する構造体200aが形成されている。構造体200aは、溝G
200aの側面、底面及び上面に備えられてZ方向及びX方向に延伸する酸化シリコン(SiO
2)等の酸化膜200a
Iと、酸化膜200a
Iの内に備えられてZ方向及びX方向に延伸するタングステン(W)から成る金属層200a
Wにより構成されている。尚、金属層200a
Wは、図示しない導電線等により接地されている。
【0107】
溝G200aの一方の側面(導電層接続小領域r110側の側面)に備えられた酸化膜200aIは、導電層接続小領域r110の複数の絶縁層101及び複数の導電層110と、金属層200aWとの間に設けられている。溝G200aの他方の側面(コンタクト接続小領域r300側の側面)に備えられた酸化膜200aIは、コンタクト接続小領域r300の複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aと、金属層200aWとの間に設けられている。
【0108】
図26に示すようなY-Z断面で見たときに、構造体200aは、Z方向下方に延伸するに従い次第にY方向の幅が小さくなるように構成されている。このため、構造体200aの上端部のY方向の幅W
200aUは、構造体200aの下端部の幅w
200aLよりも大きくなっている。
【0109】
尚、上述した「構造体200aの上端部」とは、構造体200aにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また、「構造体200aの下端部」とは、構造体200aにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。
【0110】
[支持部材400aの構造]
複数の絶縁層101及び複数の導電層110を交互に積層してなる導電層接続小領域r
110(
図27)や、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aを交互に積層してなるコンタクト接続小領域r
300(
図26)には、
図27に示す様な、Z方向に延伸する孔H
400aL,H
400aUが形成されている。孔H
400aL,H
400aUはZ方向に沿い連通しており、孔H
400aLはメモリセルアレイ層L
MCA1に形成されており、孔H
400aUはメモリセルアレイ層L
MCA2に形成されている。孔H
400aL,H
400aU内には、Z方向に延伸する支持部材400aが形成されている。支持部材400aは、孔H
400aL,H
400aUの内周面、底面及び上面に備えられてZ方向に延伸する酸化シリコン(SiO
2)等の酸化膜400a
Iと、酸化膜400a
Iの内に備えられてZ方向に延伸するタングステン(W)から成る金属層400a
Wにより構成されている。
【0111】
支持部材400aは、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる支持部材領域400aLと、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる支持部材領域400aUと、を備える。また、支持部材400aは、支持部材領域400aL及び支持部材領域400aUの間に設けられた支持部材領域400aJと、を備える。支持部材領域400aJは、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110よりも上方に設けられ、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110よりも下方に設けられれている。
【0112】
尚、
図27に示す支持部材400aのY-Z断面形状及び径方向の幅は、
図7に示す支持部材400のY-Z断面形状及び径方向の幅とほぼ同様な形状になっている。
【0113】
尚、支持部材領域400aLの上端部における径方向の幅W400aLUと、支持部材領域400aUの上端部における径方向の幅W400aUUは同程度である。また、支持部材領域400aLの下端部における径方向の幅W400aLLと、支持部材領域400aUの下端部における径方向の幅W400aULは同程度である。支持部材領域400aJの径方向の幅W400aJは、支持部材領域400aLの上端部における径方向の幅W400aLUや、支持部材領域400aUの上端部における径方向の幅W400aUUよりも大きい。
【0114】
尚、上述した「支持部材領域400aLの上端部」とは、支持部材領域400aLにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また、「支持部材領域400aUの上端部」とは、支持部材領域400aUにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最上層の導電層110に対向する位置を含めてそれより上方の位置にある部分である。また「支持部材領域400aLの下端部」とは、支持部材領域400aLにおいて、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。また、「支持部材領域400aUの下端部」とは、支持部材領域400aUにおいて、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち最下層の導電層110に対向する位置を含めてそれより下方の位置にある部分である。
【0115】
[製造方法]
次に、
図28~
図40を参照して、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明する。
図28及び
図35は、同製造方法について説明するための模式的な断面図であり、第1実施形態の
図3に示す部分に対応する第2実施形態の部分の断面を示している。
図29~
図33は、同製造方法について説明するための模式的な断面図であり、
図27に対応する断面を示している。
図34、
図36~
図40は、同製造方法について説明するための模式的な断面図であり、
図26に対応する断面を示している。なお、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の工程のうち、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の工程と同様な工程については、説明を省略する。
【0116】
第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法では、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法に含まれる工程のうち、
図14を参照して説明した工程までが実行される。ただし、支持部材400に対応する孔H
400Lには、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜ではなく、アモルファスシリコン膜120Aが形成される。また、メモリホールMH
L,MH
Uの形成に際しては、溝G
200L,G
200Uを形成しない。
【0117】
次に、
図28に示す様に、最上層の絶縁層101の上面に酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層500を形成して、メモリホールMH
Uを閉塞させる。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0118】
次に、例えば
図29に示す様に、支持部材400に対応する位置に孔H400
aUを形成し、孔H400
aL内部のアモルファスシリコン膜120Aを除去し、最上層の絶縁層101の上面に酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層500を形成して、メモリホールMH
Uを閉塞させる。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0119】
次に、
図30に示す様に、絶縁層500のうち、孔H
400aL,H
400aUに対応する部分を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0120】
次に、
図31に示す様に、孔H
400aL,H
400aUの内周面及び底面、並びに、絶縁層500の上面に、酸化シリコン(SiO
2)等の酸化膜400a
Iを形成する。また、酸化膜400a
Iの内周面及び上面に、タングステン(W)から成る金属層400a
Wを形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0121】
次に、
図32に示す様に、絶縁層500の上面、及び、孔H
400aUの上端開口部分に形成された、酸化膜400a
I及び金属層400a
Wを除去する。これにより金属層400a
Wの上面が露出する。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0122】
次に、
図33に示す様に、金属層400a
Wの上面に、酸化膜400a
Iを形成する。このようにして、支持部材400aが形成される。
【0123】
次に、
図28及び
図33等に示す絶縁層500をRIE等の方法によって除去する。
【0124】
次に、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法に含まれる工程のうち、
図15を参照して説明した工程を実行する。
【0125】
次に、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法に含まれる工程のうち、
図17を参照して説明した工程を実行する。この際、
図34に示す様に、構造体200aに対応する位置に、Z方向及びX方向に延伸し絶縁層101及び絶縁層110Aを貫通する溝G
200aを形成する。
【0126】
次に、
図35及び
図36に示す様に、最上層の絶縁層101の上面に酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層510を形成して、溝G
200a及び溝G
140を閉塞させる。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0127】
次に、
図37に示す様に、絶縁層510のうち、溝G
200aに対応する部分を除去する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0128】
次に、
図38に示す様に、溝G
200aの側面及び底面、絶縁層510の上面に、酸化シリコン(SiO
2)等の酸化膜200a
Iを形成する。また、酸化膜200a
Iの側面及び上面に、タングステン(W)から成る金属層200a
Wを形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0129】
次に、
図39に示す様に、絶縁層510の上面、及び、溝G
200aの上端開口部分に形成された、酸化膜200a
I及び金属層200a
Wを除去する。これにより金属層200a
Wの上面が露出する。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0130】
次に、
図40に示す様に、金属層200a
Wの上面に、酸化膜200a
Iを形成する。このようにして、構造体200aが形成される。
【0131】
次に、絶縁層510を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0132】
その後、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法に含まれる工程のうち、
図18~
図24を参照して説明した工程を実行することにより、第2実施形態に係る半導体記憶装置が製造される。
【0133】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、前述したように、構造体200aは、タングステン(W)から成る金属層200awを有しており、支持部材400aは、タングステン(W)から成る金属層400awを有している。金属層200aw及び金属層400awを構成するタングステン(W)は、ヤング率が大きく高剛性という特徴を有すると共に、融点が高く高耐熱性という特徴を有している。
【0134】
このように、構造体200a及び支持部材400aは、高剛性という特徴を有している。従って、第2実施形態に係る半導体記憶装置においては、上述の様な「ヨレ」の発生を抑制可能である。この結果、第2実施形態の半導体記憶装置は、好適に製造可能である。
【0135】
また、構造体200a及び支持部材400aが高耐熱性という特徴を有しているため、例えば
図24に示す様に、CVD等の方法により導電層110を形成する際の熱に対して、構造体200a及び支持部材400aは、十分に耐えることができる。これにより、第2実施形態の半導体記憶装置は、好適に製造可能である。
【0136】
[変形例]
尚、例えば
図2等を参照して説明した様に、第1実施形態において、Y方向に並ぶ一対の構造体200は、XY平面で見たときに、お互いに離間していた。同様に、第2実施形態において、Y方向に並ぶ一対の構造体200aは、XY平面で見たときに、お互いに離間していた。しかしながら、このような配置はあくまでも例示であり、具体的な配置は適宜変更可能である。例えば、XY平面で見たときに、Y方向に並ぶ一対の構造体200は、一端及び他端においてお互いに接続されていても良い。同様に、Y方向に並ぶ一対の構造体200aは、一端及び他端においてお互いに接続されていても良い。このような場合には、貫通コンタクト300を、例えば半導体層120に対して、電磁的に遮蔽することができ、電気的特性を向上させることができる。
【0137】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
100…半導体基板、110…導電層、120…半導体層、130…ゲート絶縁膜、140…ブロック間構造、200…構造体、400…支持部材。