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  • 特開-溶着性ビーズ玩具用収納ケース 図1
  • 特開-溶着性ビーズ玩具用収納ケース 図2
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  • 特開-溶着性ビーズ玩具用収納ケース 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136526
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】溶着性ビーズ玩具用収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20220913BHJP
   A63H 33/14 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A63H33/00 301Z
A63H33/00 304C
A63H33/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036176
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境 亮
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA43
2C150DD02
2C150DD22
2C150FB30
2C150FB43
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】ビーズを収納するのみならず、玩具としての面白みも呈する溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供する。
【解決手段】溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、水を噴霧することで、接触して隣接する溶着性ビーズ玩具同士が溶着する溶着性ビーズ玩具の集合体を作成するための作成台100が設けられる第1面部10と、第1面部10と対向し、設置面DT上に設置状態において、作成台100を設置面DTと略平行とする設置面当接部21,22,23を有する第2面部20と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶着性ビーズ玩具の集合体作成用の作成台が設けられる第1面部と、
前記第1面部と対向し、設置状態において前記作成台を設置面と平行とする設置面当接部を有する第2面部と、
を備えることを特徴とする溶着性ビーズ玩具用収納ケース。
【請求項2】
前記第1面部の仮想延長面と前記第2面部の仮想延長面とは交差することを特徴とする請求項1に記載の溶着性ビーズ玩具用収納ケース。
【請求項3】
内部には複数の区画された収納部を有するケースと、用具収納スペースと、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶着性ビーズ玩具用収納ケース。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶着性ビーズ玩具用収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数のビーズを収納することができる収納ケースが開示されている。例えば、特許文献1に開示されるビーズ収納容器は、本体と蓋体がヒンジにより連結され、一体に形成される。本体には凹状部が形成され、蓋体には該凹状部と対向する面に、該凹状部の縁部と合致する凸状部が形成される。蓋を閉じると本体の該凹状部は蓋体の該凸状部と当接し、閉塞される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3095833号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、水を噴霧するだけでビーズ同士が溶着し、様々な形態のビーズの結合体を作成することができる溶着性ビーズ玩具が人気を博している。このような溶着性ビーズ玩具も、従来の上記のようなビーズ収納ケースに収納することもできる。しかしながら、従来の収納ケースは、ビーズを収納するに止まり、玩具としての面白みを呈するものではなかった。
【0005】
本発明は、ビーズを収納するのみならず、玩具としての面白みも呈する溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、溶着性ビーズ玩具の集合体作成用の作成台が設けられる第1面部と、前記第1面部と対向し、設置状態において前記作成台を設置面と平行とする設置面当接部を有する第2面部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、ビーズを収納するのみならず、玩具としての面白みも呈する溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースを正面側から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースを背面側から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースを分離した状態を示す分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースを設置面に設置した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図1図4に基づいて説明する。溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、図1及び図2に示すように、装飾が施される広い面を正面とし、その反対側を背面として形成されて、背面側を第1面部10とし、正面側を第2面部20とされる。
【0010】
溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、第1面部10と第2面部20の他、底面部4、左側面部5、右側面部6、上面部7を有し、女性用のカバンを模した形態とされる。図4に示すように、左側面部5から見た側面視(右側面部6から見ても同様)において、溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、第1面部10が底面部4に対して略垂直な直角台形状に形成される。換言すれば、第1面部10の面から上方(上面部7側)に向けて延長した仮想延長面10aは、第2面部20の面を上方(上面部7側)に向けて延長した仮想延長面20aと交差する。なお、左側面部5及び右側面部6には、凹凸模様が施されている。
【0011】
また、図1及び図2に示すように、左側面部5及び右側面部6は、上方(上面部7側)が内側に傾斜して、正面視(又は背面視)において、外表面が凸湾曲状に形成される。従って、溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、正面側の第2面部20と左側面部5及び右側面部6が上面部7に向けてやや窄まるように形成される。そして、底面部4の底面の面積は、上面部7の上面の面積よりも大きい。
【0012】
また、上面部7からは、左右方向円弧状のハンドル8が突出して設けられる。ハンドル8は、図1の状態では自重で下がり、手で引き出すことができる。底面部4には、下方に向けて立設する複数の前後方向に長いリブ4aが設けられる。第2面部20に形成されるカバンの留め具を模した装飾部25は、留め具として実際に機能するものではない。装飾部25には、上下方向に長い楕円の略楕円柱状の設置面当接部21が設けられる。また、第2面部20の下方(底面部4側)における左右には、それぞれ、左右方向に長い略楕円柱状の設置面当接部22,23が設けられる。設置面当接部21,22,23は、頂部が略平坦面状に形成されている。設置面当接部21,22,23については、後述する。
【0013】
溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、上面部7上におけるハンドル8の下方に係止片部70が設けられる。係止片部70は、正面側(第2面部20側)に回動軸を備えて回動自在に設けられ、背面側(第1面部10側)の端部は第1面部10と係止する。溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、係止片部70を背面側から正面側に向かって押し上げることで第2面部20との係止が解除されて、図3に示すように、第2面部20、左側面部5、右側面部6、底面部4、ハンドル8及び係止片部70を含む上面部7が一体の本体部200、ビーズケース50、第1面部10に3分割される。ここで、第1面部10の下方には、2か所に係合爪11が設けられて、溶着性ビーズ玩具用収納ケース1の結合状態においては、本体部200の底面部4の係合爪挿入部4bに挿入されている。
【0014】
ビーズケース50は、複数の区画された収納部51が形成され、溶着性ビーズ玩具を色毎や形毎に整理して収納することができる。また、本体部200の内部は、用具収納スペース210とされて、霧吹きや、溶着性ビーズ玩具の集合体を形成する際の型紙等の用具を収納することができる。
【0015】
図2に示すように、第1面部10には、溶着性ビーズ玩具の集合体を作成するための作成台100が設けられる。ここで、溶着性ビーズ玩具は、図示しないが、水溶性材料の樹脂により球形や多面体形状等の粒状に形成されている。溶着性ビーズ玩具は、具体的には、ポリビニルアルコールを樹脂に配合して混錬して形成されている。また、溶着性ビーズ玩具を形成する樹脂は、透明材料や透光性を有する材料又は不透明材料を適宜選択して形成することができる。
【0016】
作成台100は、矩形の領域が左右2面に設けられる第1作成台110と、第1作成台110の上方に、左右方向に長い長矩形状の第2作成台120とが設けられている。第1作成台110の一方側(図2の左側)は、溶着性ビーズ玩具の集合体を作成するための作成領域111とされ、他方側(図2の右側)は、作成領域111で作成したビーズ玩具の集合体が移行されるレシーバ112とされる。第1作成台110には、作成領域111とレシーバ112との間にヒンジ部113が設けられ、テーブル114が回動自在に支持される。すなわち、テーブル114は、ヒンジ部113により回動軸を上下方向として反転させることができる。
【0017】
テーブル114やレシーバ112は公知の構造であるため、詳細な説明は省略し、その概略を説明する。なお、図2の矩形の二点鎖線P1,P2部分には、それぞれ、拡大して示すP1'、P2'で示す形状が連続的に設けられる。また、溶着性ビーズ玩具の集合体の作成は、後述するが、平板状の第1面部10(作成台100)が略水平の状態で行うことができる。テーブル114には、P1'で示す多数の孔114aが形成されており、溶着性ビーズ玩具の集合体は、作成領域111に配置されている状態のテーブル114の孔114aに溶着性ビーズ玩具を載置して作成する。テーブル114には、溶着性ビーズ玩具同士が接触した状態で載置される。
【0018】
テーブル114に載置した溶着性ビーズ玩具への水の噴霧後、テーブル114の取手114bを持ってレシーバ112側にテーブル114を反転させる。すると、P2'に示すように、複数の半円球の突起112aが設けられるレシーバ112に、テーブル114に載置される作成した溶着性ビーズ玩具の集合体(溶着性ビーズ玩具同士はやや溶着して結合されているが完全ではない)を反転して移行することができる。レシーバ112上に移行した溶着性ビーズ玩具の集合体は、短時間で乾燥する。また、レシーバ112に反転したテーブル114は、再度、作成領域111側に反転することで、次の溶着性ビーズ玩具の集合体を作成することができる。
【0019】
なお、図示しないが、図2における作成領域111のテーブル114に対向する面(すなわち、作成領域111に対応する第1面部10に形成される面)は、平坦面状の水受面が形成される。作成領域111に位置するテーブル114に載置した複数の溶着性ビーズ玩具に水を噴霧すると、テーブル114の孔114aから水受面に水が落ちて、水受面に水を溜めることができる。また、第1面部10の第1作成台110には、テーブル114の取手114bが収まる凹部101が左右それぞれに設けられる。
【0020】
第2作成台120における第1作成台110の作成領域111の上側は、湾曲作成台121が設けられる。湾曲作成台121は、湾曲面が形成されて、湾曲した溶着性ビーズ玩具の集合体を作成することができる。一方、第2作成台120における第1作成台110のレシーバ112の上側は、平坦面状に形成された帯状作成台122が設けられる。湾曲作成台121及び帯状作成台122共に、複数の半球状の突起が設けられて、溶着性ビーズ玩具同士を接触させた状態で載置可能に設けられる。
【0021】
溶着性ビーズ玩具の集合体の作成の際には、図4に示すように、溶着性ビーズ玩具用収納ケース1の第2面部20側を設置面DTに向けて、机等の机上とされる設置面DT上に溶着性ビーズ玩具用収納ケース1を載置することができる。このとき、設置面DTには、設置面当接部21,22,23が当接して設けられる。すると、第1面部10(作成台100)は、設置面DTと略水平となる。すなわち、設置面当接部21,22,23の高さは、設置状態において第1面部10(作成台100)が設置面DTと略平行となるように設定される。
【0022】
このようにして、溶着性ビーズ玩具用収納ケース1は、設置面当接部21,22,23により3点支持される。3点の設置面当接部21,22,23は、頂部を設置面当接部21として上側(上面部7側)に設けて、他の2点の設置面当接部22,23を下側(底面部4側)に配置している。そして、設置面当接部21,22,23は、傾斜面状の第2面部20に設けられるので、設置面当接部21の高さは、設置面当接部22,23よりも高く、設置面当接部22,23の高さは同じである。
【0023】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【0024】
第1の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、溶着性ビーズ玩具の集合体作成用の作成台が設けられる第1面部と、前記第1面部と対向し、設置状態において前記作成台を設置面と平行とする設置面当接部を有する第2面部と、を備える。
【0025】
この構成によれば、溶着性ビーズ玩具を収納する収納ケースを異形状、例えば、女性用のカバンを模した形状として収納ケース自体でも遊ぶことができ、さらに、溶着性ビーズ玩具の集合体を作成するための作成台を備えて収納ケースを設置面に載置することで作成台を使って溶着性ビーズ玩具の集合体を作成して遊ぶことができ、これらの多様な面白みを呈することができる。
【0026】
第2の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、前記第1面部の仮想延長面と前記第2面部の仮想延長面とは交差する。この構成によれば、収納ケースを側面視台形状とすることができ、一見して溶着性ビーズ玩具の収納のみが行えるケースと見せかけて、作成台としても使用することができる溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【0027】
第3の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、内部には複数の区画された収納部を有するケースと、用具収納スペースと、を有する。この構成によれば、溶着性ビーズ玩具を種類ごとに整理して収納できるケースや、噴霧器等の他の用具も収納できる収納スペースを備えて、作成台も一体とすることができる溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、本実施形態における溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、女性用のカバンを模した形状としたが、他の形態とすることもできる。また、設置面当接部21,22,23は、溶着性ビーズ玩具用収納ケースを設置面に設置したときに作成台が設置面と略平行となればよく、その形状は円錐台形状や他の形状とすることもできるし、個数も3か所に限定されることはなく、また、第2面部20から山型に盛り上がるような形状としてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 溶着性ビーズ玩具用収納ケース 2 左右
4 底面部 4a リブ
4b 係合爪挿入部 5 左側面部
6 右側面部 7 上面部
8 ハンドル 10 第1面部
10a 仮想延長面 11 係合爪
20 第2面部 20a 仮想延長面
21 設置面当接部 22 設置面当接部
23 設置面当接部 25 装飾部
50 ビーズケース 51 収納部
70 係止片部 100 作成台
101 凹部 110 第1作成台
111 作成領域 112 レシーバ
112a 突起 113 ヒンジ部
114 テーブル 114a 孔
114b 取手 120 第2作成台
121 湾曲作成台 122 帯状作成台
200 本体部 210 用具収納スペース
DT 設置面
図1
図2
図3
図4