(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013653
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】関節支持装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220111BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61N1/36
A61H3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042718
(22)【出願日】2021-03-16
(31)【優先権主張番号】202010631822.5
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110053716.8
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520276844
【氏名又は名称】ホー,ホイ ミン マイケル
【氏名又は名称原語表記】Ho,Hoi Ming Michael
【住所又は居所原語表記】H2,The Terrace at The Bloomsway,28 Tsing Ying Road,Tuen Mun,NT.,Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ホイ ミン マイケル
【テーマコード(参考)】
4C046
4C053
【Fターム(参考)】
4C046AA11
4C046AA25
4C046AA45
4C046AA47
4C046BB04
4C046BB05
4C046BB08
4C046BB09
4C046CC01
4C046CC04
4C046CC11
4C046DD01
4C046DD21
4C046DD37
4C046DD39
4C046DD41
4C053JJ02
4C053JJ14
4C053JJ15
4C053JJ24
(57)【要約】
【課題】少なくとも1つの人体関節に当接しながら、屈曲状態及び非屈曲状態にある人体関節を適合し得る電極パッド部材付きの関節支持装置を提供する。
【解決手段】本発明の関節支持装置は、被覆構造体1、制御装置3及び少なくとも1つの電極パッド部材2を含む。なかでも、被覆構造体1は人体関節に装着でき、その内側に電極パッド部材2が、その外側に制御装置3が配置される。制御装置3が電流を電極パッド部材2に送信することで、電極パッド部材2は電流を筋肉に刺激または熱量を与えるために送る。人体関節が活動するとき、被覆構造体1の付勢力によって、電極パッド部材2は肌表面に密着される。そのように、人体関節を頻繁に動かしても電極パッド部材2が緩むことがない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体関節に装着され、人体関節が活動や屈曲する時、内側を前記人体関節の肌表面に密着させるように付勢する被覆構造体と、
前記被覆構造体の内側面に配置され、前記被覆構造体による付勢力で前記人体関節の肌表面に密着される少なくとも1つの電極パッド部材と、
前記被覆構造体に固定され、前記電極パッド部材のそれぞれが筋肉に刺激または熱量を与えるために電流を出力するために、電流を前記電極パッド部材に送る制御装置と、
を含む、ことを特徴とする関節支持装置。
【請求項2】
前記被覆構造体は少なくとも、
内側面に前記電極パッド部材が配置され、外側面に前記制御装置が配置される被覆体と、
前記被覆体に位置し、前記被覆体の内側面が前記人体関節の肌表面に圧力を施すために、前記被覆体の内側面の方向に向かって膨張する少なくとも1つのエアバッグと、
前記エアバッグのそれぞれと接続され、前記エアバッグの膨張寸法を変化させるために、前記エアバッグのそれぞれを膨らませたりしぼませたりする少なくとも1つのインフレータブル装置と、
一端が前記被覆体に接続され、他端に前記被覆体の外面に固定するための固定部が配置され、前記被覆体の内側面を前記人体関節の肌表面にフィットさせるために締めこまれる少なくとも1つの調整ベルトと、
を含む、請求項1に記載の関節支持装置。
【請求項3】
前記被覆体は、少なくとも第1のシート体及び第2のシート体で構成され、前記エアバッグのそれぞれは、前記第1のシート体と前記第2のシート体との間に配置され、前記電極パッド部材のそれぞれは、前記第1のシート体に配置され、前記制御装置と前記調整ベルトのそれぞれとは、前記第2のシート体に配置される、請求項2に記載の関節支持装置。
【請求項4】
前記関節支持装置は、角度が調整できる少なくとも1つのサポーターを含み、前記サポーターに少なくとも2つの板体が含まれ、かつ、前記板体同士が互いに交差して固定される角度は調整可能であり、前記板体のそれぞれにおける隣接の前記板体から遠い端部は、前記被覆体の外面に配置されたスロットに収容される、請求項3に記載の関節支持装置。
【請求項5】
前記インフレータブル装置はインフレータブル部及び少なくとも1つの空気弁を含み、前記インフレータブル部は、前記空気弁のそれぞれを介して、前記エアバッグのそれぞれに連通し、かつ、前記インフレータブル部は、前記エアバッグのそれぞれを膨らませたりしぼませたりすることが可能である、請求項2に記載の関節支持装置。
【請求項6】
前記被覆構造体は、少なくとも一種のエラストマー材料で制作され、前記被覆構造体が人体関節に装着された場合、弾性付勢力で前記人体関節の肌表面にフィットされることが可能である、請求項1に記載の関節支持装置。
【請求項7】
前記被覆構造体は、人体関節に環装するために筒状に形成される、請求項6に記載の関節支持装置。
【請求項8】
前記被覆構造体は、縦軸に沿って最大高さが31.1~37.9cmであるシート体を含む少なくとも被覆体を備え、
前記シート体は、
第1の延伸部分と、
前記第1の延伸部分と互いに対向する第2の延伸部分と、
第3の延伸部分と、
前記第3の延伸部分と互いに対向する第4の延伸部分と、
を含み、
前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第1の延伸部分のフリーエンドから前記第2の延伸部分mpフリーエンドまでの長さが50.0~58.2cmであり、
前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第3の延伸部分のフリーエンドから前記第4の延伸部分のフリーエンドまでの長さが44.3~52.1cmである、請求項1に記載の関節支持装置。
【請求項9】
前記被覆構造体は、縦軸に沿って最大高さが31.1~37.9cmであるシート体を含む少なくとも被覆体を備え、
前記シート体は、
第1の延伸部分と、
前記第1の延伸部分と互いに対向する第2の延伸部分と、
第3の延伸部分と、
前記第3の延伸部分と互いに対向する第4の延伸部分と、
を含み、
前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第1の延伸部分のフリーエンドから前記第2の延伸部分mpフリーエンドまでの長さが43.0~50.0cmであり、
前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第3の延伸部分のフリーエンドから前記第4の延伸部分のフリーエンドまでの長さが37.7~44.3cmである、請求項1に記載の関節支持装置。
【請求項10】
前記被覆構造体は少なくとも2本の調整ベルトをさらに含み、一方の調整ベルトの長さは他方の調整ベルトの長さよりも長く、長い方の前記調整ベルトの長さは57.6~70.4cmであり、短い方の前記調整ベルトの長さは51.3~62.7cmである、請求項8または9に記載の関節支持装置。
【請求項11】
前記制御装置は、
運転に必要な電力を前記制御装置に給電する直流電源部材と、
複数の制御信号を生成して送信する制御部材と、
前記制御部材と電気的に接続され、前記制御部材から送信される前記制御信号を受信し、かつ、前記直流電源部材から給電される電力を受電することが可能であり、少なくとも1つの制御信号によって、所定の波形を有する電流パルス信号を少なくとも1つ形成し、前記電流パルス信号を前記電極パッド部材のそれぞれに送信するパルス出力回路と、
を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の関節支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節支持装置に関し、特に少なくとも1つの電極パッド部材を備え、膨張式エアバッグを兼有する関節支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、膝、足首、肩、肘、手首、または背中にケガをした人は、ケガによって引き起こされる腫れや痛みを軽減するために、さまざまな治療法を求めることがある。例えば、患者は、負傷した部位の動きを制限するために器具を装着したり、体液の滞留や腫れを軽減するために圧迫療法(compression therapy)を使用したり、痛みを和らげて治癒を促すために電気療法を使用したりする。
【0003】
しかし、様々な治療方法を使用することで、患者さんに多くの時間がかかり、患者さんに多大な迷惑をかけてしまうことがある。そこで、本発明の技術分野における長年の勤務に基づき、関連技術の発展に長い間注意を払ってきた結果、従来の理学療法装置に必要とされる以下のような改善点を本発明に持ち込むだけでなく、本発明において、従来の理学療法装置に必要とされる改善点を以下に記載する。
【0004】
まず、従来の身体関節支持装置などの理学療法装置は、サイズが大きいことが多く、固定した場所に設置しなければならず、使い勝手が悪いという問題があった。また、使用者が一人である場合には、身体関節支持装置の電極を肩の後ろ側、腰の後ろ側、腰の後ろ側などの体の部位に正確に装着することが困難であるという問題点がある。さらに、患者の手足が頻繁に動いたり、動きすぎたりすると、従来の電極シートの表面が患者の皮膚にフィットしなくなり、脱落してしまうことさえある。そして、電極が体の皮膚に完全に密着していないと、導通が悪くなり、針の痛みを感じるだけでなく、治療の効果も失われてしまうことがある。即ち、電極シートを身体の腰、足首、膝、肘、肩などの関節に密着させる必要がある場合、従来の電極シートを十分に密着させることが困難であり、さらには脱落する可能性が非常に高いという問題があった。その主な理由は、人体の関節部の皮膚は、身体活動時の位置変化量が大きく、激しい揺れが発生しやすいからであり、例えば、歩行やランニング等で足首に従来の電極パッドを密着させた場合、足首に対応する皮膚が頻繁に伸びたり縮んだりすることになり、その結果、従来の電極パッドが足首の皮膚から脱落しやすくなる。
【0005】
現在、患者は様々な治療法を求めるために多くの時間と費用を費やしており、従来の理学療法装置では上述した利用者のニーズを満たすことができない。本発明は、上述した問題点を効果的に解決し、利用者にとってより便利な関節支持装置を提供することを目的としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の理学療法装置には改善の余地があることに鑑み、多くの検討と試験を繰り返した結果、本発明の電極パッド部材付きの関節支持装置をようやく開発し、前述の問題点を効果的に解決し、より完成度の高い電気療法装置を提供することができることが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用される技術的手段の1つとしては下記のような関節支持装置を提供することにある。関節支持装置は、被覆構造体、少なくとも1つの電極パッド部材及び制御装置を備える。前記被覆構造体は人体関節に装着されることが可能であり、人体関節が活動して屈曲した状態では、前記被覆構造体による付勢力によって、その内側面を前記人体関節の肌表面に密着させることが可能である。前記電極パッド部材は前記被覆構造体の内側面に配置され、前記被覆構造体による付勢力によって、前記人体関節の肌表面に密着される。前記制御装置が前記被覆構造体に固定される。前記制御装置は、電流を前記電極パッド部材のそれぞれに給電することで、前記電極パッド部材は筋肉に刺激または熱量を与えるために電流を出力することが可能である。
本発明は、前記被覆構造体は、少なくとも1つの被覆体、少なくとも1つのエアバッグ、少なくとも1つのインフレータブル装置、及び少なくとも1つの調整ベルトを含む。前記被覆体は、内側面に前記電極パッド部材が配置され、外側面に前記制御装置が配置される。前記エアバッグは前記被覆体に位置する。かつ、前記エアバッグは前記被覆体の内側面の方向に向かって膨張する。前記被覆体の内側面は、前記人体関節の肌表面に圧力をかけることができる。前記インフレータブル装置は、前記エアバッグのそれぞれと接続され、かつ、前記インフレータブル装置は、前記エアバッグのそれぞれを膨らませるたりしぼませたりすることによって、前記エアバッグのそれぞれの膨張寸法を調整できる。前記調整ベルトの一端は前記被覆体に接続され、他端に固定部が配置される。前記固定部は前記被覆体の外面に固定されることが可能であり、かつ、前記被覆体の内側面を前記人体関節の肌表面にフィットさせるために前記調整ベルトのそれぞれは、締め込むことが可能である。
【0008】
本発明は、前記被覆体は少なくとも第1のシート体及び第2のシート体で構成され、前記エアバッグのそれぞれは前記第1のシート体と前記第2のシート体との間に配置され、前記電極パッド部材のそれぞれは前記第1のシート体に配置され、前記制御装置及び各前記調整ベルトは前記第2のシート体に配置される。
【0009】
本発明は、前記関節支持装置は角度が調整できる少なくとも1つのサポーターを含む。前記サポーターは、少なくとも2つの板体を含み、かつ、前記板体同士が互いに交差して固定される角度は調整できる。前記板体のそれぞれにおける隣接の前記板体から遠い端部は、前記被覆体の外面に設けられるスロットに収容される。
【0010】
本発明は、前記インフレータブル装置は、インフレータブル部及び少なくとも1つの空気弁を含む。前記インフレータブル部は、前記空気弁のそれぞれを介して前記エアバッグのそれぞれに連通し、かつ、前記インフレータブル部は、前記エアバッグのそれぞれを膨らませたりしぼませたりすることが可能である。
【0011】
本発明は、前記被覆構造体は、少なくとも一種のエラストマー材料で制作され、前記被覆構造体は、人体関節に装着された場合、弾性付勢力によって前記人体関節の肌表面にフィットされる。
【0012】
本発明は、前記被覆構造体は、人体関節に環設するように筒状に形成される。
【0013】
本発明は、前記被覆構造体は少なくとも被覆体を含み、前記被覆体はシート体を含む。前記シート体の縦軸に沿って、前記シート体の最大の高さは31.1~37.9cmである。前記シート体は、第1の延伸部分、第2の延伸部分、第3の延伸部分及び第4の延伸部分を含む。かつ、前記第1の延伸部分は前記第2の延伸部分と互いに対向し、前記第3の延伸部分は前記第4の延伸部分と互いに対向する。好ましくは、前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第1の延伸部分のフリーエンドから前記第2の延伸部分のフリーエンドまでの長さは、50.0~58.2cmである。前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第3の延伸部分のフリーエンドから前記第4の延伸部分のフリーエンドまでの長さは44.3~52.1cmである。好ましくは、前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第1の延伸部分のフリーエンドから前記第2の延伸部分のフリーエンドまでの長さは43.0~50.0cmである。前記シート体に垂直または実質的に垂直となる縦方向軸線方向に沿って、前記第3の延伸部分のフリーエンドから前記第4の延伸部分のフリーエンドまでの長さは37.7~44.3cmである。
【0014】
本発明は、前記被覆構造体は少なくとも2本の調整ベルトを含む。その中において、一方の調整ベルトの長さは他方の調整ベルトの長さよりも長く、長い方の前記調整ベルトの長さは57.6~70.4cmであり、短い方の前記調整ベルトの長さは51.3~62.7cmである。
【0015】
本発明は、前記制御装置は、直流電源部材、制御部材、及びパルス出力回路を含む。前記直流電源部材は、前記制御装置に運転に必要な電力を給電する。前記制御部材は、複数の制御信号を生成して送信できる。前記パルス出力回路と前記制御部材とは電気的に接続することによって、前記制御部材から送信される前記制御信号を受信し、かつ、前記直流電源部材からの電力を受電できる。少なくとも1つの制御信号に基づいて、少なくとも1つの所定の波形を有する電流パルス信号を形成し、前記電流パルス信号を前記電極パッド部材のそれぞれに送信することが可能である。
【0016】
本発明は、その目的、技術的特徴、及びその有効性をさらに説明するために、特定の実施形態を添付図面と共に以下に詳細に説明するが、添付図面は参考及び説明のためだけに提供されるものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図2】本発明に係る関節支持装置を示す分解模式図である。
【
図3】本発明に係る関節支持装置を示す底面模式図である。
【
図4】本発明に係る制御装置を示すブロック図である。
【
図5】本発明に係る関節支持装置が屈曲された状態を示す斜視模式図である。
【
図6】本発明に係る他の関節支持装置を示す斜視模式である。
【
図7】本発明において、足首に装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図8】本発明において、足首に装着された関節支持装置を示す断面模式図である。
【
図9】本発明において、肘に装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図10】本発明において、ショルダーに装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図11】本発明において、膝に装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図12】本発明において、手首に装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図13】本発明において、ふくらはぎに装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図14】本発明において、腰部に装着された関節支持装置を示す斜視模式図である。
【
図15】本発明に係る制御装置がリリース/ロック機構によって位置決め部材に固定される状態を示す斜視模式図である。
【
図16】
図15における制御装置と位置決め部材を示す分解模式図である。
【
図17】
図15における制御装置と位置決め部材の細部構成を示す正面からみた分解模式図である。
【
図18】
図15における制御装置と位置決め部材の細部構成を示す背面からみた分解模式図である。
【
図19】本発明に係る他の制御装置が位置決め部材に固定される状態を示す模式図である。
【
図20】
図19における制御装置及び位置決め部材を示す正面からみた分解模式図である。
【
図21】
図19における制御装置と位置決め部材を示す背面からみた分解模式図である。
【
図22】本発明に係る他の制御装置が位置決め部材に固定される状態を示す模式図である。
【
図23】
図22における制御装置と位置決め部材を示す分解模式図である。
【
図24】
図22における位置決め部材の細部構成を示す分解模式図である。
【
図25A】本発明における電極パッド部材が電気治療部材として構成されることを示す模式図である。
【
図25B】本発明における電極パッド部材が温熱治療部材として構成される模式図である。
【
図25C】本発明における電極パッド部材が電気治療/温熱治療混合部材として構成されることを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
下記より、具体的な実施形態により本発明が開示する「電極パッド部材付きの関節支持装置」を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0019】
本明細書では、第1の、第2の等の用語は、様々な構成要素または信号を記述するために使用され得るが、構成要素または信号の各々は、用語によって制限されないことが理解されたい。前述の用語は、主に、ある構成要素を別の構成要素から、またはある信号を別の構成要素から区別するために使用される。また、その後の実験形態において言及されている「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等の方向性用語は、添付図面の方向性を参照しているに過ぎない。したがって、使用される方向性用語は、例示のためのものであり、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。さらに、本明細書で使用される「または」という用語には、場合によっては、関連して記載されたもののいずれかまたは複数のものの組み合わせが含まれるものとする。
【0020】
さらに、本明細書で使用される「実質的に」(substantially)または「約」という用語は、当該技術の当業者によって認識または決定され得る特定の値からの拡張の範囲内の値または複数の値の平均値を指すことができる。それは、測定システムまたは装置の限界を考慮して、その特定の値を測定する際に発生する可能性のある特定の誤差を含む。例えば、実質的に(substantially)記載された値は、±5%、±3%、±1%、±0.5%、±0.1%、またはその特定の値に対する1つ以上の標準偏差の範囲を含む。
【0021】
以下の実施形態では、本発明に係る技術的側面をさらに詳細に説明するが、本開示は、本発明に係る保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0022】
本発明は電極パッド部材付きの関節支持装置である。第1の実施形態において、
図1から
図3に示すように、関節支持装置Eは、被覆構造体1を含む。被覆構造体1は少なくとも1つの人体関節をフィットしたり当接したりすることが可能であり、かつ、その構成では、屈曲状態及び非屈曲状態となる人体関節に適合し得る。被覆構造体1は、少なくとも1つの調整ベルト15または被覆構造体1による弾性力によって人体関節に固定される。被覆構造体1は人体関節に付勢することができるため、例えば、使用者の肘を安定して曲げた状態に保つなど、静止した状態で安定した状態を維持するために、身体の1つ以上の関節を支持し、補助することができる。また、被覆構造体1は、人体の関節が移動する際に限られた範囲内に収まるように、より良好な支持と補助を行うことができる。例えば、被覆構造体1によれば、歩行時に使用者の足が過度に外に出てしまうことを防止することができる。すなわち、ガニ股にならない(walking with feet splayed out)。また、被覆構造体1の弾性力を利用することで、使用者が移動(例えば歩行)しているときには、身体の関節に復元力が作用して、移動している身体の関節を支持し、自然で正常な可動域に戻るように支援する。例えば、歩行時に使用者の足が屈曲すると、被覆構造体1も屈曲するため、被覆構造体1の復元力により屈曲していない状態に戻して足を支持し、ほぼ真っ直ぐな状態(水平に相当)に戻すのを助ける。被覆構造体1またはそれにおける被覆体11の内側面とは、関節支持装置Eが人体関節に適用されるとき、人体の関節に対向する表面をいう。被覆構造体1または被覆体11の外側面とは、関節支持装置Eが人体関節に適用されるとき、人体関節の肌表面に背向する表面をいう。
【0023】
図1から
図3に示すように、一部の実施形態において、関節支持装置Eは、被覆構造体1、少なくとも1つの電極パッド部材2及び制御装置3を含む。なかでも、被覆構造体1は、例えば、腰部、足首、膝、肘、ショルダーなどの人体関節に装着して被覆されることが可能である。被覆構造体1は、自体による付勢力によって、その内側面を人体関節の肌表面にフィットさせることができる。
【0024】
再度、
図2を参照する。被覆構造体1は、被覆体11、少なくとも1つのエアバッグ13、少なくとも1つのインフレータブル装置14及び少なくとも1つの調整ベルト15(
図2では、調整ベルト15が2本ある実施形態を示している)を含む。なかでも、被覆体11は、少なくとも第1のシート体111及び第2のシート体112で構成されるが、この例に制限されない。本発明に係る他の実施形態において、エアバッグ13を省略して、調整ベルト15を締め込むことで調整ベルト15を第2のシート体112に固定する時に形成したテンションと圧力によって、被覆体11の内側面を強く人体関節の肌表面にフィットさせる。特定の実施形態において、被覆体11は、単一のシート体または三層以上のシート体で構成されてもよい。本明細書に言い及ばされた第1のシート体111と第2のシート体112との内面とは、第1のシート体111と第2のシート体112とが取り付けられたとき、互いに対向する表面をいう。本明細書に言い及ばされた第1のシート体111と第2のシート体112との外面とは、第1のシート体111と第2のシート体112とが取り付けられたとき、互いに背向する表面をいう。
【0025】
上記を踏まえて、被覆体11は柔軟性または弾性を有するため、屈曲されることで、例えば、使用者の膝少なくとも1つの人体関節を被覆または取り囲むことができる。第1のシート体111の外面は、被覆体11の内側面として取り扱われてもよい。特定の実施形態において、第1のシート体111は、第1の素材を含んでもよいが、完全に第1の素材で制作されてもよい。また、第1のシート体111の外面が第1の素材で被覆されてもよい。なかでも、第1の素材としては、織物であってもよいし、織物の特性を有する素材であってもよい。このように、肌に密着されたとき、肌に良い心地を持たせることができる。第2のシート体112の外面は被覆体11の外側面として取り扱うことができる。それは第2の素材で制作されてもよい。かつ、第1のシート体111より高い構造強度を持たせるために、第2の素材の硬さは、第1の素材の硬さよりも大きいのが好ましい。例えば、プラスチック素材を利用してもよい。特定の実施形態において、製品による実際のニーズに合わせて、第2のシート体112の外面に少なくとも1つの他の部材またはフィルム(例えば、防水層)を追加してもよい。第1のシート体111と第2のシート体112とのいずれも、周囲の全部または一部は、接着剤または他の固定手段によって互いに接合することができる。かつ、第1のシート体111と第2のシート体112との間に接合されていない部分では、一緒に収容空間が形成されることで、関節支持装置Eに必要な部品を収納できる。
再度、
図1から
図3を参照する。特定の実施形態において、エアバッグ13は第1のシート体111と第2のシート体112との間に、即ち、被覆体11に配置されてもよい。エアバッグ13は、膨らまれるとき、被覆体11の内側面方向に向かって膨張することが可能である。例えば、被覆体11を使用者の膝に巻き付けた時、かつ、エアバッグ13が内側面に向かう方向に沿って膨張する時、エアバッグ13による付勢力は、第1のシート体111(即ち、被覆体11の内側面)を膝の肌表面に圧力をかけて、このように、第1のシート体111は、肌表面に押し付けられるようになる。さらに、インフレータブル装置14はエアバッグ13と接続されることが可能である。
【0026】
図1、
図2、
図5及び
図6を参照する。特定の実施形態において、インフレータブル装置14は、インフレータブル部140及び空気弁141を含む。なかでも、空気弁141はエアバッグ13と連通され、かつ、被覆構造体1に固定されることが可能である。インフレータブル部140としては、手回し式インフレータブルエアポンプであってもよいが、この例に制限されない。本発明に係る他の実施形態において、インフレータブル部140は電動式インフレータブルエアポンプであってもよい。また、エアバッグ13の膨張寸法を調整するために、インフレータブル部140は、空気弁141に直接に接続することで、インフレータブル部140がエアバッグ13を膨らませたりしぼませたりするようにしてもよい。特定の実施形態において、空気弁141内に、バネと、バネで駆動される開閉機構とが配置される。インフレータブル部140が空気弁141に接続されると、バネが圧縮され、開閉機構が開けられるため空気弁141は開状態となる。この場合、インフレータブル部140がエアバッグ13を膨らませることができる。一方、インフレータブル部140が空気弁141から取り外されると、バネは釈放され圧縮されない状態に戻るため、開閉機構が閉鎖され、空気弁141が閉状態となる。しかし、本発明はこの例に制限されない。他の実施形態において、インフレータブル装置14はさらに少なくとも1つのチューブを含んでもよい。チューブの一方端は、空気弁141に接続されるか、または第2のシート体112を通してエアバッグ13に連通される。チューブの他方端は、インフレータブル部140に接続することで、インフレータブル部140は、エアバッグ13を膨らませるたりしぼませたりすることができる。それで、エアバッグ13の膨張程度を調整できる。膨張が済まされた後、空気弁141からチューブを取り外すことができる。即ち、被覆構造体1に空気弁141のみが残され、チューブが配置されない。このように、使用者が活動する際チューブまたはインフレータブル部140に邪魔されない。
【0027】
再度、
図6を参照する。特定の実施形態において、インフレータブル装置14はさらに、空気弁141を切り替えるためのスイッチコンポーネント144が配置される。空気弁141にバネで駆動される開閉機構が配置されていない場合、スイッチコンポーネント144は、空気弁141を開状態または閉状態に切り替えることができる。即ち、スイッチコンポーネント144は、バネで駆動される開閉機構を替えて機能されることができる。特定の実施形態において、空気弁141がバネで駆動される開閉機構を備えるとする場合、スイッチコンポーネント144の構成は、バネで駆動される開閉機構を置き換えることができるか、または制御することができる。空気弁141は、バネで駆動される開閉機構を備え、かつ、インフレータブル部140またはチューブの一方端に空気弁141に組み合わせるための構成が設けられるとき、スイッチコンポーネント144はバネを押圧することで空気弁141を開状態にするように切り替えることが可能である。また、インフレータブル部140またはチューブの一方端がすでに空気弁141に組み合わされた時、空気弁141を閉状態に維持するために、スイッチコンポーネント144によってもバネが圧縮されるのを防ぐことができる。インフレータブル部140またはチューブの一方端が空気弁141に接続された場合、インフレータブル部140とチューブの一方端との接続関係、またはスイッチコンポーネント144の制御によって、空気弁141が開状態となった時、インフレータブル部140はエアバッグ13を膨らませることが可能できる。また、使用者は、スイッチコンポーネント144を操作して切り替えを行ったり、インフレータブル部140またはチューブを取り外したりすることで、空気弁141を閉状態にすることができる。これで、エアバッグ13に含まれる空気は空気弁141を介して放出されない。特定の実施形態において、空気弁141とスイッチコンポーネント144は、関節支持装置Eの全体の軽量化を図るために、アメリカンバルブ(Schrader valveまたはAmerican valve)構造に組み込むこともできる。
【0028】
再度、
図1及び
図2を参照する。調整ベルト15のそれぞれの一方端は第2のシート体112の外面に接続され、かつ、第2のシート体112の外面は被覆体11の外面とされる。調整ベルト15のそれぞれの他方端に固定部151が配置され、固定部151のそれぞれは被覆体11の外面とされた第2のシート体112の外面に固定されることが可能であり、かつ、調整ベルト15のそれぞれが被覆体11の外面に固定するように締め込まれた場合では、被覆体11の内側面は例えば、膝など人体関節の肌表面にフィットされる。特定の実施形態において、固定部151は固定特性を持つ少なくとも一種の部材である。例えば、マジックテープ(登録商標)、ボタン、フックがあげられる。被覆体11の外面に、固定部151と対応して、固定部151が固定できる固定構造が配置されてもよい。このように、固定部151は固定構造によって、被覆体11の外面に固定することができる。
【0029】
再度、
図2及び
図3を参照する。特定の実施形態において、被覆構造体1は少なくとも2本の調整ベルト15を含む。一方の調整ベルト15長さは他方の調整ベルト15の長さよりも長い。長い方の調整ベルト15における第2のシート体112の外面と接続する一方の端部から、固定部151が配置されたフリーエンドまでの第1の長さは、57.6~70.4cmであってもよいが、62.7~65.3cmであるのが好ましい。また、短い方の調整ベルト15の一方の端部から、固定部151が配置されたフリーエンドまでの第2の長さは、凡そ51.3~62.7cmであってもよいが、55.9~58.1cmであるのが好ましい。
【0030】
再度、
図2及び
図3を参照する。特定の実施形態において、第1のシート体111及び第2のシート体112における、それぞれの縦軸に沿った最大な高さが31.1~37.9cmとなり、33.8~35.2cmであるのが好ましい。第2のシート体112は第1の延伸部分1121、第2の延伸部分1122、第3の延伸部分1123及び第4の延伸部分1124を含む。なかでも、第1の延伸部分1121と第2の延伸部分1122とが互いに対向し、第3の延伸部分1123と第4の延伸部分1124が互いに対向して配置される。長い方の調整ベルト15における第2のシート体112と接続する端部は、第1の延伸部分1121と対応し、短い方の調整ベルト15における第2のシート体112と接続する端部が第3の延伸部分1123に対応する。特定の実施形態において、第2のシート体112に垂直または実質的に(substantially)垂直となる縦方向軸線方向に沿って、第1の延伸部分1121のフリーエンドから第2の延伸部分1122のフリーエンドまでの第3の長さは、50.0~58.2cmであってもよいが、53.0~55.2cmであるのが好ましい。第2のシート体112に垂直または実質的に(substantially)垂直となる縦方向軸線方向に沿って、第3の延伸部分1123のフリーエンドから第4の延伸部分1124のフリーエンドまでの第4の長さは、44.3~52.1cmであってもよいが、47.2~49.2cmであるのが好ましい。特定の実施形態において、第3の長さは、43.0~50.0cmであってもよいが、45.6~47.4cmであるのが好ましい。第4の長さが37.7~44.3cmであってもよいが、40.2~41.8cmであるのが好ましい。
【0031】
再度、
図2を参照する。第1のシート体111は、第5の延伸部分1111、第6の延伸部分1112、第7の延伸部分1113、及び第8の延伸部分1114を有する。なかでも、第5の延伸部分1111、第6の延伸部分1112、第7の延伸部分1113及び第8の延伸部分1114はそれぞれ、第1の延伸部分1121、第2の延伸部分1122、第3の延伸部分1123及び第4の延伸部分1124に対応する。かつ、第5の延伸部分1111と第6の延伸部分1112は互いに対向し、第7の延伸部分1113と第8の延伸部分1114は互いに対向して配置される。特定の実施形態において、第1のシート体111に垂直または実質的に(substantially)垂直となる縦方向軸線方向に沿って、第5の延伸部分1111のフリーエンドから第6の延伸部分1112のフリーエンドまでの第5の長さは、50.0~58.2cmであってもよいが、53.0~55.2cmであるのが好ましい。第1のシート体111に垂直または実質的に(substantially)垂直となる縦方向軸線方向に沿って、第7の延伸部分1113のフリーエンドから第8の延伸部分1114のフリーエンドまでの第6の長さは、44.3~52.1cmであってもよいが、47.2~49.2cmであるのが好ましい。特定の実施形態において、第5の長さが43.0~50.0cmであってもよいが、45.6~47.4cmであるのが好ましい。第6の長さが37.7~44.3cmであってもよいが、40.2~41.8cmであるのが好ましい。
【0032】
再度、
図2及び
図3を参照する。少なくとも1つの電極パッド部材2は、第1のシート体111の外面、即ち、被覆構造体1の内側面に配置されてもよい。電極パッド部材2は、導電性繊維、導電性フィルム、導電性布などのさまざまな導電性材料を含めることができる。特定の実施形態において、電極パッド部材2は、ワイヤー21で制御装置3に電気的に接続されてもよい。制御装置3としては、低周波治療装置(または経皮的電気神経刺激装置、Transcutaneous electrical nerve stimulator、略称TENS)、電気筋肉刺激装置(electrical muscle stimulation、略称EMS)、及びその他の機器が挙げられる。かつ、電極パッド部材2のそれぞれは、制御装置3から送信された電気刺激信号(電流パルス信号)を受信し、さらに、使用者における被覆構造体1で被覆された人体関節(例えば、膝)に対して電気刺激を出力することで、電気治療または温熱治療の効果を果たせる。
【0033】
図4を参照する。制御装置3は、第2のシート体112の外面、即ち、被覆体11の外側面に固定されることが可能であり、制御装置3は、少なくとも直流電源部材31(例えば、電池)、制御部材32、及びパルス出力回路33を含む。なかでも、直流電源部材31は、制御装置3に運転に必要な電力を給電できる。制御部材32は、複数の制御信号を生成しパルス出力回路33に送信することで、パルス出力回路33が直流電源部材31の電力を受電すると、制御信号に基づいて、所定の波形に形成された電流パルス信号を生成する。かつ、少なくとも1つの電流パルス信号は、ワイヤー21を介して電極パッド部材2に送信され、それで、電極パッド部材2は電流パルス信号を受信することで、電流パルス信号に応じた電流パルスを出力する。さらに使用者における関節支持装置Eで被覆された筋肉に刺激または熱量を与えることができる。また、制御装置3に少なくとも1つのボタンが配置される。そのボタンを操作することで、使用者は、制御装置3は、電流パルスの出力を開始または停止したり、大きさまたは周波数の異なる電流パルスを出力したりすることができる。特定の実施形態において、制御装置3は、例えば、ブルートゥース(登録商標)またはWiFi(登録商標)信号などの無線信号を受信できる。そのため、使用者は無線信号で制御装置3を制御することによって、電流パルスの出力を開始または停止したり、大きさまたは周波数の異なる電流パルスを出力したりすることができる。
【0034】
図5を参照する。例えば、使用者が被覆構造体1を屈曲して、膝等少なくとも1つの人体関節に巻き付けた時、被覆構造体1の上半部は、太ももにおける膝と隣接するエリアを被覆している。被覆構造体1の中間領域は膝を被覆している。被覆構造体1の下半部は、ふくらはぎにおける膝と隣接するエリアを被覆している。その後、使用者は、単一または複数の調整ベルト15を引っ張ることで、被覆構造体1の内側面を電極パッド部材2に連れて屈曲させて、被覆構造体1を位置の肌表面に寄り付けることができる。膝が活動する時、被覆構造体1の上半部と下半部の内側は互いに近づくように屈曲されるため、特定の実施形態において、被覆構造体1は、角度が調整できる少なくとも1つのサポーター16が配置される。サポーター16のそれぞれは、被覆構造体1に配置されるために、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼などの金属、炭素繊維、その他の剛性の高い材料、または引張強度の高い材料でできている。サポーター16のそれぞれは、その高い剛性または高い引張強度、並びに調整できる固定構成によって、被覆構造体1で被覆された人体関節に支持を与える。サポーター16は少なくとも2つの板体161を備える。二板体161は互いに対応して、同士が特定の角度をなすようにロックできるように構成される。板体161のそれぞれは、使用者は、角度調整部材162を介して調整できる。各板体161の一方端は、それぞれ角度調整部材162に接続されてもよい。それで、角度調整部材162は、板体161毎の一方端をインターロックできる。かつ、使用者のニーズに応じて、板体161のそれぞれを適当な交差角度で固定することもできる。角度調整部材162に角度目盛部材及びロック部材が設けられる。なかでも、角度目盛部材は使用者に、板体161の交差角度を示すことができる。そのため、使用者はニーズによって、適当な交差角度を選択することができる。例えば、板体161のそれぞれが人体関節の活動に支えを邪魔することなく与えることができる角度が好ましい。ロック部材は、板体161を使用者が選択した交差角度にロックする。各板体161における角度調整部材162から遠い他方端、即ち、サポーター16の両端部では、それぞれ被覆体11の外面に配置されたスロット17に収容され、対応的にスロット17で位置制限されてもよい。このように、角度が調整できるサポーター16は効果的に人体関節を支えることができる。特定の実施形態において、スロット17は、他の部材が被覆体11の外面を被覆して形成されたカバー構成であってもよいが、被覆体11の外面に形成されたカバー構成であってもよい。かつ、カバー構造と被覆体11の外面との間に板体161の他方端を収容するための空間が形成される。特定の実施形態において、調整ベルト15における第2のシート体112の外面と接続端部では、カバー構造に固定されることが可能であり、かつ、カバー構造は織物、プラスチックまたは他の素材で構成される。その構成や強度は、使用者がかける通常の引張力を耐えればよい。特定の実施形態において、板体161の重さを軽くするか、または板体161をスロット17に形成された接続構造に接続することで板体161とスロット17との固定の安定性を高めるために、板体161の他方端に穿孔が配置されてもよい。各調整ベルト15を引っ張る調整作業を完成すると、使用者はインフレータブル装置14を起動して、エアバッグ13を膨らませることができる。使用者には不快感を感じさせない限りに、エアバッグ13を膨張することで、電極パッド部材2を肌表面に密着させることが可能である。使用者が例えば、膝等の人体関節に関節支持装置Eを使用しながら、歩行またはランニングをするときに、被覆体11は膝に従って屈曲され、かつ、エアバッグ13もそれに連れて変形される。この時、エアバッグ13内の空気は、エアバッグ13から排出できないため、エアバッグ13に残っている。そのため、空気は、エアバッグ13を介して継続的に第1のシート体111に付勢力を与える。このように、第1のシート体111及びそれに付けられた電極パッド部材2はグッと関節支持装置Eが被覆した膝の肌表面にフィットさせることが可能できる。それで、電極パッド部材2は、膝に頻繁な活動による脱落の状況が発生しにくい。また、エアバッグ13の膨張に従って、被覆構造体1は、圧力をかけることで体の関節周りの体液の蓄積を抑え、圧迫療法(compression therapy)と同等の効果があり、一般的に圧迫療法(compression therapy)は、患部(脚など)に圧力をかけて静脈の壁をゆっくりと伸ばすことで循環を改善するという。したがって、使用者は、血流の収縮の程度に応じて、被覆構造体1が皮膚に加える圧力を変化させるように、エアバッグ13の膨張を調整することができる。
【0035】
特定の実施形態において、被覆構造体1の構成や形状は、人体関節の輪郭に応じて変更できる。
図6を参照する。患者の人体関節が足首であるとき、被覆構造体1は足首関節、及び足首関節に隣接する部分的なふくらはぎ及び足裏を被覆できる。また、被覆構造体1の内側に2つの電極パッド部材2が配置されてもよい。一方の電極パッド部材2は足首の内側領域に対応し、他方の電極パッド部材2が足首の外側領域に対応する。なお、本発明に係る他の実施形態において、電極パッド部材2のそれぞれの位置は実際のニーズに応じて変更でき、
図6に例示された位置に制限されない。また、制御装置3は被覆構造体1に固定されることが可能であり、かつ、電気刺激信号(電流パルス信号)を各電極パッド部材2に送信できる。被覆構造体1が足首に装着された後、制御装置3は、ふくらはぎの外側に位置し、
図6に示すように、制御装置3は、右ふくらはぎの右方向外側に位置する。このように、使用者が歩行している場合、制御装置3が左ふくらはぎによる触れたり、叩いたりするから避けることができ、制御装置3における1つまたは複数のボタンが誤ってタッチされたり、歩行中のユーザーに不快感を与えたりすることを防ぐことができるが、本発明はこの例に制限されない。
上記を踏まえて、
図6を参照する。エアバッグ13は被覆構造体1に、露出なく配置されることが可能できる。図面の複雑化を避けるために、
図6に1つのエアバッグ13しか示されていないが、理想的には、被覆構造体1に2つのエアバッグ13が配置され、かつ、エアバッグ13のそれぞれが各電極パッド部材2の位置に対応することが好ましい。このように、エアバッグ13のそれぞれを膨らませたとき、電極パッド部材2のそれぞれをきつくて肌表面にフィットさせることで、優れた電気治療及び温熱治療効果を持たせることができる。また、被覆構造体1が足首を被覆した後、調整ベルト15を被覆構造体1の外側面に巻き付けて、被覆構造体1を固定することができる。実施形態において、調整ベルト15は、足首関節に巻き付けてから、足の甲から足裏内側への方向に向かって巻き付けて、かつかかとを包まない。巻き付け方法では、足首に優れた安定性を与えることが可能であるが、本発明はこの例に制限されない。調整ベルト15が被覆構造体1を現在位置に安定的に維持でき、使用者の行動で脱落しなければ、本発明の範囲に属する。さらに、使用者のニーズに応じて、被覆構造体1は、関節を特定の状態、例えば、けがをした関節を屈曲状または平直状の制限範囲に保持されれば、被覆構造体1内にさらに金属(metal)または半剛性(semi rigid)のロッド体が配置されることで、被覆構造体1が人体関節を被覆した後、ロッド体を介して、所望の特定の状態で、限られた範囲内で関節を安定させることができる。
【0036】
特定の実施形態において、
図7及び
図8に示すように、被覆構造体1は、少なくとも一種の素材エラストマー素材(例えば、ナイロンとラテックス糸)で構成され、かつ、筒状に形成されることで、内部に環設空間10が配置される。環設空間10は、例えば、足首など人体関節に環設されることが可能である。また、1つまたは複数の電極パッド部材2は、被覆構造体1の内側に配置されてもよい。制御装置3は被覆構造体1に固定される。ここで、引っ張ってない状態にある被覆構造体1の口径は、関節支持装置Eを装着する人体関節の外径よりも小さいため、関節支持装置Eが人体関節(例えば、足首)に装着されると、被覆構造体1は、人体関節により拡張され、かつ、その自体の弾性による付勢力は、その内側面を関節の肌表面にフィットさせることになる。このように、被覆構造体1は、足首が屈曲活動による変形を適応しながら、電極パッド部材2を肌表面に密着するように連携する。
【0037】
少なくとも一種の素材エラストマー素材で被覆構造体1を制作した実施形態において、被覆構造体1は弾性力で肌表面に密着する効果を果たせるため、被覆構造体1は自体の形状や輪郭を異なる人体関節に適合するように変更し得る。かつ、被覆構造体1は、異なる人体関節に適合するために、特定の形状や輪郭に制作されたり、他の部品を含んだりしてもよい。例えば、
図9に示す関節支持装置Eは、肘の関節に装着するために設計され、例えば、
図10に示す関節支持装置Eは、ショルダーの関節にセットとして配置できるように設計される。
図11における関節支持装置Eでは、膝の関節所に環設できるように設計され、
図12に示す関節支持装置Eは、手首の関節に環設するために設計される。特定の実施形態において、関節支持装置Eは部位に制限なく様々な人体部分の人体関節に適用される。例えば、
図13に示すように、関節支持装置Eは、ふくらはぎに装着するために設計される。例えば、
図14に示すように、関節支持装置Eは、使用者の腰部に巻き付けるように設計され、かつ、それに少なくとも1つのエアバッグ13、1つまたは複数の電極パッド部材2、及びインフレータブル装置14が配置される。なかでも、電極パッド部材2を対応的なエアバッグ13の上方及び前方に配置することで、インフレータブル装置14がエアバッグ13を膨らませると、エアバッグ13の膨張によって、電極パッド部材2のそれぞれを緊密に使用者の肌に押し付ける。特定の実施形態において、関節支持装置Eが使用者の腰部に巻き付けられた時、エアバッグ13と電極パッド部材2は、腰部と隣接する下背部エリアに対応することも可能であり、このように、下背部を含む複合的な症状の緩和することができるが、本発明はこの例に制限されない。エアバッグ13と電極パッド部材2は、使用者の実際のニーズに応じて、関節支持装置Eにおけるいずれかの位置に配置されることが可能できる。特定の実施形態において、インフレータブル装置14は、少なくとも1つの手回し式インフレータブルエアポンプまたは電気駆動式インフレータブルエアポンプを含むのが好ましい。
【0038】
構成によって、使用者が一人だった場合、被覆構造体1を引っ張ることで、軽くに電極パッド部材2の位置を調整し得る。それで、電極パッド部材2を電気治療または温熱治療が必要となった位置に移動させることが可能であるため、使用上の便利性を大幅に高めることができる。
【0039】
また、制御装置3は、位置決め部Hを介して被覆構造体1に位置決められる。位置決め部Hは、リリース/ロック機構Lを備える。リリース/ロック機構Lは、制御装置3を位置決め部Hに固定することができるほか、制御装置3を位置決め部Hから釈放できる(即ち、制御装置3は位置決め部Hから脱離できる)。このように、使用者が被覆構造体1を洗濯しようとする場合、位置決め部Hから制御装置3を取り外して、制御装置3をダメージから避けることができる。特定の実施形態において、リリース/ロック機構Lは、例えば、ハーネス(harness)等バックル付き接続部品が挙げられる。また、位置決め部Hに導電部が設けられてもよい。それにより、制御装置3またはそれに配置された携帯用電池から生成した電力を電極パッド部材2のそれぞれに送電する。それで、各電極パッド部材2は電気治療または温熱治療を提供することができる。
位置決め部Hの各実施形態について説明する。
図15から
図18に示すように、特定の実施形態では、位置決め部Hは、基板H11、位置決め用本体H12、内板H13、複数の導電部H14、及び複数の導電線接続部H15を含む。なかでも、基板H11と位置決め用本体H12は互いに組み合わせことができ、基板H11の後部に少なくとも1つのマジックテープが配置されてもよい。マジックテープで、位置決め部Hは、被覆構造体1に貼り付けることができる。位置決め用本体H12は少なくとも1つの弾性素材で作られてもよい。位置決め用本体H12の前部に、収容槽H120が配置される。内板H13は収容槽H120の槽底部に位置する。また、収容槽H120の内径は、制御装置3の外径より、例えば、0.1%~5%等、僅かに小さくなる。制御装置3が収容槽H120に放置されると、収容槽H120の槽側壁は、自身の弾性力で略拡張され、制御装置3の外周縁をきつく包んで締めることによりリリース/ロック機構Lとして形成され、制御装置3を位置決め用本体H12に位置決める。制御装置3が外方に引っ張られている時、制御装置3に収容槽H120の槽側壁(リリース/ロック機構L)がかかった固定力(即ち、摩擦力または挟持力)よりも、引張力が大きい場合には、制御装置3をリリース/ロック機構Lから取り外すようになる。
【0040】
上記を踏まえて、再度、
図15から
図18を参照する。複数の導電部H14は、収容槽H120内に伸び込んで、順序に内板H13、収容槽H120の底部から、基板H11まで延伸することができる。複数の導電線接続部H15は、位置決め用本体H12と基板H11との間位置し、それぞれが対応的な導電部H14と電気的に接続される。各導電線接続部H15は少なくとも1つの外部導電線(例えば、ワイヤー21)と電気的に接続されることが可能である。また、制御装置3の後部に複数の電力導電部135が配置される。制御装置3が収容槽H120に配置された後、電力導電部135のそれぞれが、対応的な導電部H14毎と電気的に接続されるようになり、それにより、制御装置3が出力する電流(電流パルス信号)は、順序に電力導電部135から導電部H14を介して、導電線接続部H15まで伝送される。なお、本発明に係る他の実施形態において、導電部H14のそれぞれが外部導電線と電気的に接続するために、導電部H14と導電線接続部H15は共に、単一組立体(即ち、導電線接続部H15を省略)として形成されてもよい。
【0041】
リリース/ロック機構Lに係る変化の他、
図19から
図21に示すように、特定の実施形態において、位置決め部Hは、基板H21、位置決め用本体H22及び複数の導電部H24を含む。なかでも、基板H21及び位置決め用本体H22は一体に形成されてもよい。複数の導電部H24は、位置決め用本体H22に固定されてもよい。また、位置決め用本体H22の前側面に少なくとも1つの凸状レールH211が配置される。凸状レールH211は、実施形態のリリース/ロック機構Lである。制御装置3の後部に少なくとも1つの凹溝37が配置される。かつ、凹溝37の幅または長さは、それと対応した凸状レールH211の幅または長さよりも、例えば、0.1%~5%のように、僅かに小さく形成される。制御装置3が位置決め部Hに組み合わせた時、凸状レールH211は、対応的な凹溝37に嵌入されることが可能である。同時に、電力導電部135は、対応的な導電部H24に電気的に接続される。そのように、制御装置3が外方に引っ張られる時、凹溝37と凸状レールH211との互いの挟持力よりも、引張力が大きければ、制御装置3をリリース/ロック機構Lから取り外すことができる。
【0042】
図22から
図24を参照する。特定の実施形態において、位置決め部Hは、少なくとも1つの基板H31、位置決め用本体H32及び複数の導電部H34を含む。なかでも、各基板H31の前側面が位置決め用本体H32の後部にフィットし得て、各基板H31の後部が接続板H30(例えば、少なくとも1つのマジックテープ)にフィットし得る。位置決め用本体H32、基板H31及び接続板H30は、複数のバックルH36により一体に形成される。位置決め用本体H32の前側面に収容槽H320が設けられる。制御装置3は、収容槽H320に収容できる。かつ、収容槽H320の槽側壁は、リリース/ロック機構Lとして形成される。基板H31における位置決め用本体H32により遮蔽されない箇所に、少なくとも1つの固定組立体H37(例えば、ボタン)が配置される。固定組立体H37は、被覆構造体1における対応的な他方の固定組立体と互いに付けあわせることにより、位置決め部Hはより安定的に被覆構造体1に位置決められる。
【0043】
上記を踏まえて、制御装置3が位置決め部Hに位置決められたとき、使用者は、制御装置3が脱落されることなく、自由に移動したり、歩行したりすることができる。使用者の仕事中や運動中に関わらず、リリース/ロック機構Lは、制御装置3をクラッド被覆構造体1に確実に保持し、制御装置3が被覆構造体1からの脱落を防止することができる。
【0044】
また、使用者が被覆構造体1を洗浄する時、被覆構造体1が洗われる前、リリース/ロック機構Lはまず、制御装置3を位置決め部Hから取り外すために、解錠される。それにより、制御装置3における部材への水害を防止する。また、リリース/ロック機構Lが被覆構造体1に直接に配置されてもよい。すなわち、理学療法装置が位置決め部Hを介さずに被覆構造体1に配置されると共に、1つまたは複数の電極パッド部材2のそれぞれに送電するために、理学療法装置のそれぞれと電気的に接続されてもよい。
【0045】
図25Aを参照する。一部の実施形態において、電極パッド部材2には電気治療ユニットEUが配置されてもよい。電気治療ユニットEUに導電層211が配置されてもよいが、選択的に、さらにカバー層212及び連接層213が配置されてもよい。なかでも、導電層211は、電性繊維、導電性フィルム、導電性布、アルミニウム箔、またはそれらの混合物、または他の導電性材料で形成するものであってもよい。かつ、導電層211の一方側に選択的にカバー層212(例えば、織物または導電性ゲル)が配置されてもよい。また、導電層211の他方側に連接層213が配置される。導電層211は、金属部品22と電気的に接続されてもよい。かつ、金属部品22はワイヤー21に電気的に接続されてもよい。実施形態において、ワイヤー21は、絶縁テープ217に巻き付けられ、金属部品22に固定される。また、連接層213(例えば、粘着剤)は第1のシート体111に固定される。それにより、使用者が関節支持装置Eを使用する時、導電層211またはカバー層212(電極パッド部材2にカバー層212が設けられている場合)は人の皮膚表面にフィットされる。かつ、ワイヤー21が制御装置3に電気的に接続された後、制御装置3(例えば、TENS又はEMS装置)からの電力を受電することにより、電極パッド部材2は、使用者の人体関節に電気刺激を与えて、電気治療の効果を果たせることができる。しかし、電極パッド部材2は上記の構成に制限されない。本発明に係る他の実施形態において、カバー層212を省略して、導電層211が直接に皮膚と接触するように構成されてもよい。連接層213としては、布(カバー、不織布、綿)であってもよく、第1のシート体111とより良好に接着するように、導電性シート(例えば、アルミ箔)に貼り付けることができる。
【0046】
図25Bを参照する。一部の実施形態において、電極パッド部材2に温熱治療ユニットHUが配置されてもよい。温熱治療ユニットHUは、2つの分離層218(例えば、不織布,Non-wover fabric)及び発熱層219により構成されてもよい。なかでも、発熱層219としては、電流を流すと発熱するようなものであり、例えば、金属(例えば、鉄-クロム-アルミニウム合金線、ニッケル-クロム合金線)、グラフェン、炭素繊維等の電熱材料で構成されるものが挙げられる。また、発熱層219は、2つの分離層218の間に位置する。分離層218の一方の外面が対応的な第1のシート体111に固定されてもよい。発熱層219は金属部品22と電気的に接続されることにより、ワイヤー21を介して制御装置3からの電力を受電し、さらに電極パッド部材2に熱量を生成してから、各分離層218を経由して外部に発散することにより、使用者の人体関節を温熱する。そのように、使用者の血管を弛緩させ、局所の血行を促進して代謝率を上げることで、炎症性物質(inflammatory substances)の体外への排出を促進し、筋肉組織の自己修復能力を向上させることが期待される。また、温湿布(温熱療法)は、筋肉の痙攣を抑えるために、身体の軟部組織の弾力性を高めることで、感情的にリラックスできるように身体が耐えている痛みを軽減できる。なお、本発明に係る他の実施形態において、電極パッド部材2は、分離層218が省略され、発熱層219が直接に皮膚と接触するように構成されてもよい。
【0047】
図25Cを参照する。一部の実施形態において、電極パッド部材2は、電気治療/温熱治療混合ユニットであってもよい。それは、電気治療ユニットEUと温熱治療ユニットHUと組み合わせて構成されるものである。例えば、二層の分離層218の間に発熱層219を配置し、かつ、一方の分離層218の外面に導電層211(例えば、導電繊維)を被覆することで、発熱層219と導電層211は、同じ又は異なる金属部品22により制御装置3からの電力を受電することができる。なかでも、導電層211は、使用者の人体関節に電気刺激を与えることができる。発熱層219は熱量を生成して、さらにその熱量によって、分離層218及び導電層211に経由して使用者の人体関節を温熱することができる。
【0048】
上記に述べたのは、本発明に係る好ましい実施形態に過ぎず、それにより、本発明の特許請求の範囲の保護範囲が限定されるものではないので、本発明に開示された技術内容に基づいて当業者が創作的な作業を行わなくても考えられる同等の変形は、本発明の特許請求の範囲の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0049】
被覆構造体…1、被覆体…11、エアバッグ…13、インフレータブル装置…14、インフレータブル部…140、空気弁…141、スイッチコンポーネント…144、調整ベルト…15、固定部…151、第1のシート体…111、第2のシート体…112、第1の延伸部分…1121、第2の延伸部分…1122、第3の延伸部分…1123、第4の延伸部分…1124、第5の延伸部分…1111、第6の延伸部分…1112、第7の延伸部分…1113、第8の延伸部分…1114、サポーター…16、板体…161、角度調整部材…162、スロット…17、電極パッド部材…2、制御装置…3、直流電源部材…31、制御部材…32、パルス出力回路…33。