(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136585
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】椅子システム、サーバ、サーバによる情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220913BHJP
A47C 31/12 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
A47C31/12
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036267
(22)【出願日】2021-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】520358922
【氏名又は名称】株式会社TOYO H&I
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】松本 誠司
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB04
4C117XC03
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE60
4C117XF03
4C117XG03
4C117XH16
4C117XJ03
4C117XJ13
4C117XJ45
4C117XJ52
4C117XL01
4C117XL11
(57)【要約】
【課題】椅子を利用している人の肉体的または精神的な状態に関する有用な情報を取得するための技術を提供する。
【解決手段】椅子200と、サーバ100とを備える椅子システム1が提供される。椅子は、座面201に設置される少なくとも1つの荷重センサ241と、座面または背もたれ202に設置される少なくとも1つの加速度センサ233と、を含む。椅子は、少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値をサーバに送信する。サーバは、メモリ120と、プロセッサ110と、を含む。プロセッサは、椅子からの第1の測定値と第2の測定値とをメモリに蓄積し、少なくとも第1の測定値に基づいて人が椅子に座っていることを検知し、その後に取得される第1の測定値と第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子と、
サーバとを備え、
前記椅子は、座面に設置される少なくとも1つの荷重センサと、前記座面または背もたれに設置される少なくとも1つの加速度センサと、を含み、
前記椅子は、前記少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と前記少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値を前記サーバに送信し、
前記サーバは、メモリと、プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記椅子からの前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積し、少なくとも前記第1の測定値に基づいて人が前記椅子に座っていることを検知し、その後に取得される前記第1の測定値と前記第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて前記椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断する、椅子システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2の測定値の変動が所定の閾値よりも大きい頻度が所定値以上である場合に、人が正常な状態で前記椅子に座っていると判断する、請求項1に記載の椅子システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の測定値の変動が所定の閾値よりも大きい頻度が所定値以上である場合に、人が正常な状態で前記椅子に座っていると判断する、請求項1または2に記載の椅子システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、少なくとも前記第1の測定値に基づいて人が前記椅子に座っていることを所定の期間以上検知できない場合に、指定された通信端末に警告を送信する、請求項1から3のいずれか1項に記載の椅子システム。
【請求項5】
通信インターフェイスと、
メモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信して、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積し、少なくとも前記第1の測定値に基づいて人が前記椅子に座っていることを検知し、その後に取得される前記第1の測定値と前記第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて前記椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断する、サーバ。
【請求項6】
サーバによる情報処理方法であって、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信する第1のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積する第2のステップと、
前記プロセッサが、少なくとも前記第1の測定値に基づいて人が前記椅子に座っていることを検知する第3のステップと、
前記プロセッサが、前記第3のステップの後に取得される前記第1の測定値と前記第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて前記椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断するステップと、を備えるサーバによる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子から取得できる情報を利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、高齢者などの下肢筋力を測定するための技術が知られている。たとえば、特開2007-130190号公報(特許文献1)によると、フレームと、このフレームに載置される座席部と、座席部に略水平に対向して傾動可能に前記フレームに枢設される筋力測定器とを備える下肢筋力測定装置が提供される。筋力測定器は、座席部に腰掛けた被験者が両足を載せる踏み付け板と、その下面に設けられた圧力センサと、この圧力センサを保持するベースプレートと、踏み付け板をフレームに傾動可能に枢設する支持脚及び傾動軸と、踏み付け板の傾斜角度を調節可能に枢設される支持ボルトとを有し、圧力センサの出力を変換して筋力を解析する演算部と、この演算部で解析された結果を表示する表示部とを有するものである。
【0003】
また、特開2004-248937号公報(特許文献2)によると、着座状態における人の安定姿勢を採形する座姿勢評価装置が提供される。左右方向に延びる分割プレートの複数を上下方向に並べて並設支持せしめ背部を構成して、それら各分割プレートの突出量を左右方向両側部分で調節するアクチュエータを設けて各分割プレートを突出方向で移動および傾動可能とすると共に、それら各分割プレートに及ぼされる体圧を検出するセンサ手段を設けて、センサ手段の検出信号に基づいてアクチュエータを作動制御することにより適当な体圧分布が実現され得るような座姿勢補助形態を検出可能とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-130190号公報
【特許文献2】特開2004-248937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、椅子を利用している人の肉体的または精神的な状態に関する有用な情報を取得するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に従うと、椅子と、サーバとを備える椅子システムが提供される。椅子は、座面に設置される少なくとも1つの荷重センサと、座面または背もたれに設置される少なくとも1つの加速度センサと、を含む。椅子は、少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値をサーバに送信する。サーバは、メモリと、プロセッサと、を含む。プロセッサは、椅子からの第1の測定値と第2の測定値とをメモリに蓄積し、少なくとも第1の測定値に基づいて人が椅子に座っていることを検知し、その後に取得される第1の測定値と第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断する。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、椅子を利用している人の肉体的または精神的な状態に関する有用な情報を取得することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態にかかる椅子システムの全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる椅子の正面斜視図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる椅子の主な構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるサーバの主な構成を表わすブロック図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる機器情報データを示すイメージ図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかるサーバの処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態にかかるデータのやり取りを示す表である。
【
図8】第1の実施の形態にかかる通信端末の構成を示すブロック図である。
【
図9】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第1のイメージ図である。
【
図10】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第2のイメージ図である。
【
図11】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第3のイメージ図である。
【
図12】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第4のイメージ図である。
【
図13】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第5のイメージ図である。
【
図14】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第6のイメージ図である。
【
図15】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第7のイメージ図である。
【
図16】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第8のイメージ図である。
【
図17】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第9のイメージ図である。
【
図18】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第10のイメージ図である。
【
図19】第2の実施の形態にかかる体動の有無を判定するための処理を示す第11のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<椅子システムの全体構成>
【0010】
まず
図1を参照して、本実施の形態にかかる椅子システム1の全体構成について説明する。椅子システム1は、主たる装置として、本サービスを提供するためのサーバ100と、ルータやインターネットなどを介してサーバ100とデータをやり取りする椅子200と、インターネットなどを介してサーバ100とデータをやり取りするスマートフォンなどの通信端末300などを含む。
【0011】
なお、椅子200は、高齢者や障害者などの見守りの対象ユーザの住居のリビングやダイニングや寝室などに置かれる。通信端末300は、スマートフォンに限られず、タブレット端末や、ウェアラブル端末や、パーソナルコンピュータなどによって実現され、椅子200を利用する高齢者を見守りたい家族や介護者などによって利用される。
<椅子システムの動作概要>
【0012】
次に
図1および
図2を参照して、本実施の形態にかかる椅子システム1の動作概要について説明する。
【0013】
本実施の形態にかかる椅子200は、座面201に、複数の加速度センサ231,232と、複数の荷重センサ241,242,243,244と、が取り付けられる。背もたれ202には、複数の加速度センサ233,234,235が取り付けられる。椅子200には、他にも、スピーカや、マイクや、照度センサや、通信アンテナや、音量センサ、時計などを搭載することが好ましい。なお、後述するように、加速度センサや荷重センサの数や位置は特に限定されるものではない。
【0014】
椅子200は、定期的に、座面201の複数の加速度センサ231,232や複数の荷重センサ241,242,243,244や、背もたれ202の複数の加速度センサ233,234,235による測定結果をサーバ100にアップロードする。サーバ100は、椅子200からの測定データに基づいて、対象ユーザなどが椅子200に座ったことや立ち上がったことを検知したり、対象ユーザの肉体的または精神的な状態を判定したりする。
【0015】
たとえば、椅子200は、加速度センサや荷重センサで検知される座面201や背もたれ202の加速度や振動や荷重などをサーバ100に送信する。サーバ100は、椅子200からのデータに基づいて、椅子に人が座ったことを検知したり、座っている人が心肺停止状態に陥ったことを検知したり、長時間椅子に座りすぎていることを検知したり、所定期間以上椅子を利用していないことを検知したり、これらの検知結果や測定結果を、対象ユーザの家族や介護者の通信端末300などに提供したりするものである。なお、以下では、垂直上向きをZ軸の正の向きとし、垂直下向きをZ軸の負の向きとし、前方をY軸の正の向きとし、後方をY軸の負の向きとし、右方をX軸の正の向きとし、左方をX軸の負の向きとする。
【0016】
このように、本実施の形態にかかる椅子システム1は、椅子200の各種のセンサによる測定結果や検知結果に基づいて、対象ユーザの肉体的または精神的な状態を判定して家族や介護者に情報を提供することができる。つまり、有用な情報を効率的に取得したり提供したりすることができる。以下、このような機能を実現するための椅子システム1の各装置の構成について詳述する。
<椅子200の構成>
【0017】
まず、
図2および
図3を参照して、椅子システム1を構成する椅子200の構成の一態様について説明する。椅子200は、主たる構成要素として、前脚や後脚などの支持フレーム205,205・・・と、支持フレーム205,205・・・によって支持される座面201と、背もたれ202と、CPU210と、メモリ220と、複数の加速度センサ231,232,233,234,235と、複数の荷重センサ241,242,243,244と、照度センサ251と、時計255と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280などを含む。
【0018】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、椅子200の各部を制御する。たとえば、CPU210は、見守り用の制御命令に基づいて各種のセンサの値をサーバ100にアップロードしたり、サーバ100からの音声データをスピーカ270から出力したりする。
【0019】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、CPU210によって実行される見守りプログラムやその他のプログラムや、各種のセンサの測定結果や、サーバ100や他の装置から受信した各種のデータなどを記憶する。
【0020】
本実施の形態においては、座面201に、複数の加速度センサ231,232が取り付けられ、背もたれ202に、複数の加速度センサ233,234,235が取り付けられる。各々の加速度センサ231,232,233,234,235は、測定した加速度や姿勢や傾きをCPU210に入力する。CPU210は、測定した加速度や姿勢や傾きを日時とともにメモリ220に蓄積していく。
【0021】
本実施の形態においては、座面201に、複数の荷重センサ241,242,243,244が取り付けられる。各々の荷重センサ241,242,243,244は、測定した荷重をCPU210に入力する。CPU210は、測定した4つの荷重やそれらの合計値を日時とともにメモリ220に蓄積していく。
【0022】
時計255は、現在の日付や時刻を測ってCPU210に入力する。また、時計255は、ある時点からの経過時間を測ってCPU210に入力する。
【0023】
通信インターフェイス260は、無線LAN通信あるいは有線LANなどの通信モジュールによって実現され、有線通信あるいは無線通信によってサーバ100などの他の装置との間でデータをやり取りする。たとえば、CPU210は、定期的に、所定期間分の、測定した加速度や、測定した荷重や、取得した音声データを、通信インターフェイス260を介して、サーバ100にアップロードする。あるいは、CPU210は、加速度や荷重や照度に変化があった場合に、所定期間分の、測定した加速度や、測定した荷重や、取得した音声データを、通信インターフェイス260を介して、サーバ100にアップロードする。
【0024】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。たとえば、CPU210は、メモリ220に予め登録された音声データやサーバ100から受信した音声データをスピーカ270から出力する。
【0025】
マイク280は、取得した音声のデータをCPU210に入力する。CPU110は、音声データをメモリ220に蓄積したり、音声の大きさを取得したり、通信インターフェイス160を介して音声データや音声の大きさをサーバ100に送信したりする。
<サーバ100の構成>
【0026】
次に、
図4を参照して、サーバ100の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかるサーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0027】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0028】
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、機器情報データ121、加速度履歴データ122、荷重履歴データ123、音声履歴データ124などを記憶する。
【0029】
図5を参照して、機器情報データ121は、本サービスに登録されている椅子毎に、椅子の識別情報、椅子の通信アドレス、椅子を利用する対象ユーザの識別情報、対象ユーザの名称、対象ユーザの性別や年齢や住所、測定結果や判定結果を提供する家族や介護者などの通知先ユーザの識別情報、通知先ユーザの名称、通知先ユーザの通信端末の通信アドレスなどの対応関係を格納する。
【0030】
加速度履歴データ122は、本サービスに登録されている椅子200毎に、加速度センサ231,232,233,234,235毎の、測定データと日時データとの対応関係を格納する。
【0031】
荷重履歴データ123は、本サービスに登録されている椅子200毎に、荷重センサ241,242,243,244毎の、測定データと日時データとの対応関係を格納する。
【0032】
音声履歴データ124は、椅子200毎に、マイク280から取得した音声データと音声の大きさと日時データとの対応関係を格納する。
【0033】
図4に戻って、操作部140は、サービスの管理者などからの操作を受け付けて、各種の命令をCPU110に入力する。
【0034】
通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して椅子200や通信端末300などの他の装置と、各種データをやり取りする。CPU110は、通信インターフェイス160を介して椅子200から、加速度センサ231,232,233,234,235の測定データと日時データとを受信したり、荷重センサ241,242,243,244の測定データと日時データとを受信したり、マイク280で取得された音声データを受信したりする。逆に、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、椅子200に紐づけられている通信端末300や椅子200に、測定結果や判定結果を示す情報の音声データやテキストデータを送信する。
<サーバ100の情報処理>
【0035】
次に、
図6および
図7を参照して、本実施の形態におけるサーバ100の情報処理について説明する。サーバ100のCPU110は、定期的に、あるいは椅子200からデータを受信するたびに、メモリ120のプログラムに従って以下のような処理を実行する。
【0036】
まず、CPU110は、静止状態において、定期的に以下の処理を実行する(ステップS100)。
【0037】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して椅子200から受信した座面201の荷重センサ241,242,243,244の測定データに基づいて、所定の重さ、たとえば10kgなど、以上のものが座面上にあると検知した場合(ステップS102)、人が着座されたと判断する(ステップS108)。
【0038】
CPU110は、椅子に人が座っていると判断した状態で、椅子200からの座面の荷重センサ241,242,243,244の測定データの履歴に基づいて、所定の重さ、たとえば10kgなど、以上のものが座面上にない期間が所定の期間、たとえば5秒など、続いた場合(ステップS110にてYESである場合)、椅子200から人が立ち上がったと判断する(ステップS112)。
【0039】
所定の重さ、たとえば10kgなど、以上のものが座面上にない期間が所定の期間続いていない場合(ステップS110にてNOである場合)、CPU110は、健全な状態で着座されていると判断する(ステップS114)。
【0040】
CPU110は、椅子に人が座っていると判断した状態で、定期的に、直近の所定の期間、たとえば10分間など、における椅子200から新たに受信した加速度センサ231,232,233,234,235、と荷重センサ241,242,243,244の測定データの履歴に基づいて、人の体動を検知したか否かを判断する(ステップS116)。たとえば、CPU110は、所定の期間において、所定の加速度センサの所定方向に関して、所定の大きさ以上の加速度が所定回数以上検知されたか否かを判断する。あるいは、CPU110は、所定の期間において、荷重センサの測定値の有意な変動が所定の回数以上検知されたか否かを判断する。
【0041】
体動が検知できた場合(ステップS116にてYESである場合)、CPU110は、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0042】
体動が検知できなくなった場合(ステップS116にてNOである場合)、CPU110は、着座していた人が心肺停止した、すなわち着座していた人に異常が発生したと、判断する(ステップ118)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、椅子200のユーザに対応付けられている通信端末300に、着座していた人が心肺停止している可能性が高い旨、または着座していた人に異常が発生した旨の警告情報を送信する。
【0043】
本実施の形態においては、健全な状態で着座されている場合(ステップS114にてYESである場合)、CPU110は、着座状態が所定時間、たとえば3時間など、以上継続しているか否かを判断する(ステップS120)。
【0044】
着座状態が所定時間以上継続している場合(ステップS120にてYESである場合)、CPU110は、長時間座りすぎていると判断する(ステップS122)。CPU110は、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、椅子200のユーザに対応付けられている通信端末300および/または椅子200に、着座している人が長時間座りすぎている旨の警告情報を送信する。椅子200のCPU210は、サーバ100からの情報に基づいて、スピーカ270に座りすぎている旨のメッセージを音声出力させる。通信端末300のCPUは、サーバ100からの情報に基づいて、スピーカに椅子200に座りすぎている旨のメッセージを音声出力させたり、ディスプレイに椅子200に座りすぎている旨のメッセージを表示させたりする。
【0045】
CPU110は、着座状態が所定時間、たとえば4時間など、以上継続しているか否かを判断する(ステップS124)。
【0046】
着座状態が所定時間以上継続している場合(ステップS124にてYESである場合)、CPU110は、居眠り、もしくは気絶などの異常が発生していると判断する(ステップS126)。CPU110は、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、椅子200のユーザに対応付けられている通信端末300および/または椅子200に、着座している人が長時間座りすぎている旨の警告情報を送信する。椅子200のCPU210は、サーバ100からの情報に基づいて、スピーカ270に座りすぎている旨のメッセージを音声出力させる。通信端末300のCPUは、サーバ100からの情報に基づいて、スピーカに椅子200に座りすぎている旨のメッセージを音声出力させたり、ディスプレイに椅子200に座りすぎている旨のメッセージを表示させたりする。
<通信端末300の構成>
【0047】
最後に、椅子200を利用する対象ユーザの家族や介護者などの見守り側のユーザが利用する通信端末300の構成の一態様について説明する。通信端末300は、スマートフォンや、ウェアラブル端末や、タブレットや、パーソナルコンピュータなどのような、サーバ100とデータ通信可能な装置である。
図8を参照して、通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380などを含む。
【0048】
CPU310は、メモリ320あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0049】
メモリ320は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現される。メモリ320は、CPU310によって実行される各種のアプリケーションプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したテキストデータや画像データや音声データや、操作部340を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0050】
ディスプレイ330は、CPU310からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部340は、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。ディスプレイ330と操作部340は、タッチパネル350によって実現されてもよい。
【0051】
通信インターフェイス360は、無線LAN通信あるいは有線LANなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス360は、有線通信あるいは無線通信によってサーバ100などの他の装置との間でデータを送受信する。
【0052】
スピーカ370は、CPU310からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク380は、外部からの音声に基づいて音声信号を作成し、CPU310に入力する。
【0053】
本実施の形態においては、たとえば、CPU310は、メモリ320のプログラムに従って、通信インターフェイス360を介して、サーバ100からの各種の情報を受信する。たとえば、サーバ100から対象ユーザが心肺停止である旨の情報や対象ユーザに異常があった旨を受信して、CPU310は、スピーカ370から当該情報のメッセージを音声出力させたり、ディスプレイ330から当該情報のテキストメッセージや画像などを表示させたりする。
<第2の実施の形態>
【0054】
上記の実施の形態においては、背もたれや座面に予め定められている加速度以上の数値が検知された場合に、椅子200に座っている人の体動が検知されたと判断するものであった。しかしながら、体動を検知するための方法は、そのような方法には限られない。たとえば、座面201や背もたれ202の加速度の標準偏差や、座面201や背もたれ202の荷重の標準偏差などに基づいて、体動の有無を判断してもよい。
【0055】
本実施の形態においては、
図6のステップS116などにおける体動の検知の有無を判断するために、以下のような処理を実行する。
【0056】
まず、椅子200のCPU210は、所定期間毎、たとえば0.2秒毎など、に加速度センサ231,232,233,234,235による加速度の測定を行い、通信インターフェイス260を介して、測定結果をサーバ100に送信する。つまり、所定時間毎に、3軸×5つ=15個の加速度データをサーバ100に送信する。また、CPU210は、所定期間毎、たとえば0.2秒毎など、に荷重センサ241,242,243,244による荷重の測定を行い、通信インターフェイス260を介して、それらの合計値をサーバ100に送信する。つまり、所定時間毎に、1個の荷重データをサーバ100に送信する。
【0057】
図9を参照して、まず加速度に関して、サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、椅子200から加速度センサ231,232,233,234,235の測定データを取得して、椅子200の識別情報に対応付けてメモリ120に格納していく(1)。
【0058】
図10に示すように、CPU110は、30モーション(つまり6秒毎)の数値の標準偏差を各軸に関して計算する(2)。
【0059】
図11に示すように、CPU110は、加速度センサ231,232,233,2334,235の各軸の標準偏差の合計値を求める(3)。
【0060】
図12に示すように、CPU110は、30モーション毎に、この計算を繰り返すことによって、体動の有無を判断するアルゴリズムに必要な30モーション毎(6秒)の標準偏差を求める(4)。
【0061】
図13は、30モーション毎(6秒)の標準偏差の数値の推移をグラフにしたものである(5)。
【0062】
図14に示すように、当該グラフには、着座中の人の動きが顕著に反映される(6)。
【0063】
図15に示すように、体動による揺れと自然環境の揺れによる加速度の偏差の値との境を示す閾値の線(この図では偏差35の位置)を引いてみると、aおよびbのように、自然環境による揺れであっても閾値を超える値が検知される場合がある(7)。
【0064】
そのため、偏差の値が閾値を超えたか否かの判定だけでは精度が低くなってしまう。そこで、本実施の形態においては、CPU110は、
図16に示すように、偏差35を下回る割合が所定値、たとえば80%を超えた場合に「体動無し」と判断する。これによって、高精度に体動の有無を判定することができる(8)。
【0065】
以上のように、本実施の形態においては、CPU110は、加速度センサによる体動の有無の判定において以下の判定を行う。すべての加速度センサのXYZ値それぞれの過去30モーション(6秒)の標準偏差を合計した値が35を下回ることが、3000モーション中(10分間)の内、80%を超えると体動がないと判断する。しかしながら、線路沿いなど自然環境の揺れが多いところでは体動の有無の判定が遅れたりすることや、誤発報(心肺停止していないのに心肺停止していると判定)してしまう可能性があるため、CPU110は、荷重センサの値の標準偏差も、加速度センサと同様に、以下のような手順で計算する。そして、両センサの測定値から体動の有無を判定することでより高精度に判定することができる(9)。
【0066】
上記の手順(4)で算出した枠(イ)の30モーション毎の荷重の合計の標準偏差を、加速度の標準偏差と同様にグラフ化した場合も、
図17に示すように、体動の有無が反映されるようになる。本実施の形態においては、CPU110は、
図17に示すように、荷重の合計値の標準偏差に関しても閾値、例えば1.5など、を設定する。
【0067】
荷重に関するアルゴリズムに関しても、
図18に示すように、閾値をまたいでしまうポイントがある為、CPU110は、上記の手順(8)と同様に、偏差1.5を下回る割合が、80%以上である場合に「体動無し」と判断する。
【0068】
加速度センサの標準偏差と荷重センサの標準偏差の値は一定の相関関係にはあるが、必ずしも正比例関係にはない。したがって、
図19に示すように、本実施の形態においては、CPU110は、加速度センサの測定に基づいた判定結果が体動無しの場合で、且つ、荷重センサの測定に基づいた判定結果が体動無しの場合に、
図6のステップS116などにおいて「体動なし」とする。
【0069】
なお、本実施の形態においては、加速度センサによる体動の判断と、荷重センサによる体動の判断と、の2つの結果に基づいて、体動の有無を判断するものであるが、荷重センサによる判断を行わずに加速度センサによる体動の判断によって
図6のステップS116などにおいて「体動なし」と判断したり、逆に、加速度センサによる判断を行わずに荷重センサによる体動の判断によって
図6のステップS116などにおいて「体動なし」と判断したりしてもよい。
<第3の実施の形態>
【0070】
上記の実施の形態においては、座面に2つの加速度センサ231,232が配置され、背もたれに3つの233,234,235が配置されるものであった。しかしながら、このような形態には限られない、座面201にさらに多くの加速度センサが取り付けられてもよいし、背もたれ202にさらに多くの加速度センサが取り付けられてもよい。逆に、座面201に1つだけの加速度センサが取り付けられてもよいし、背もたれ202に1つまたは2つだけの加速度センサが取り付けられてもよいし、座面や背もたれにセンサが取り付けられない形態も考えられる。
<第4の実施の形態>
【0071】
上記の実施の形態においては、座面に4つの荷重センサ241,242、243、244が配置されるものであった。しかしながら、このような形態には限られない、座面201にさらに多くの荷重センサが取り付けられてもよいし、背もたれ202に荷重センサが取り付けられてもよい。逆に、座面201にもっと少ない荷重センサが取り付けられてもよい。
<第5の実施の形態>
【0072】
上記の実施の形態の椅子システム1のサーバ100や椅子200や通信端末300などの各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100の処理の一部または全部を椅子200や通信端末300が担ったり、椅子200の機能の一部をサーバ100や通信端末300が担ったりしてもよい。
【0073】
たとえば、サーバ100の役割を、クラウド上の多数のサーバによって分担して実現してもよい。
【0074】
あるいは、
図6におけるサーバ100の処理の一部や全部を椅子200で実行してもよい。たとえば、体動の有無の判断までを椅子200のCPU210が、ローカルで実行して、判断結果をサーバ100に送信してもよい。
<まとめ>
【0075】
上記の実施の形態においては、椅子と、サーバとを備える椅子システムが提供される。椅子は、座面に設置される少なくとも1つの荷重センサと、背もたれに設置される少なくとも1つの加速度センサと、を含む。椅子は、少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値をサーバに送信する。サーバは、メモリと、プロセッサと、を含む。プロセッサは、椅子からの第1の測定値と第2の測定値とをメモリに蓄積し、少なくとも第1の測定値に基づいて人が椅子に座っていることを検知し、その後に取得される第1の測定値と第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断する。
【0076】
好ましくは、プロセッサは、第2の測定値の変動が所定の閾値よりも大きい頻度が所定値以上である場合に、人が正常な状態で椅子に座っていると判断する。
【0077】
好ましくは、プロセッサは、第1の測定値の変動が所定の閾値よりも大きい頻度が所定値以上である場合に、人が正常な状態で椅子に座っていると判断する。
【0078】
好ましくは、プロセッサは、少なくとも第1の測定値に基づいて人が椅子に座っていることを所定の期間以上検知できない場合に、指定された通信端末に警告を送信する。
【0079】
上記の実施の形態においては、通信インターフェイスと、メモリと、プロセッサと、を備えるサーバが提供される。プロセッサは、通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信して、第1の測定値と第2の測定値とをメモリに蓄積し、少なくとも第1の測定値に基づいて人が椅子に座っていることを検知し、その後に取得される第1の測定値と第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断する。
【0080】
上記の実施の形態においては、サーバによる情報処理方法が提供される。情報処理方法は、プロセッサが、通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信する第1のステップと、プロセッサが、第1の測定値と第2の測定値とをメモリに蓄積する第2のステップと、プロセッサが、少なくとも第1の測定値に基づいて人が椅子に座っていることを検知する第3のステップと、プロセッサが、第3のステップの後に取得される第1の測定値と第2の測定値の少なくともいずれかに基づいて椅子に座っている人が異常な状態であるか否かを判断するステップと、を備える。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 :椅子システム
100 :サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :機器情報データ
122 :加速度履歴データ
1221 :所要時間履歴データ
123 :荷重履歴データ
124 :音声履歴データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :椅子
201 :座面
202 :背もたれ
205 :支持フレーム
210 :CPU
220 :メモリ
231 :加速度センサ
232 :加速度センサ
233 :加速度センサ
234 :加速度センサ
235 :加速度センサ
241 :荷重センサ
242 :荷重センサ
243 :荷重センサ
244 :荷重センサ
245 :荷重センサ
255 :時計
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
300 :通信端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
【手続補正書】
【提出日】2021-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子と、
サーバとを備え、
前記椅子は、座面に設置される少なくとも1つの荷重センサと、前記座面または背もたれに設置される少なくとも1つの加速度センサと、を含み、
前記椅子は、前記少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と前記少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値を前記サーバに送信し、
前記サーバは、メモリと、プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記椅子からの前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積し、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断し、人が椅子に座っている場合、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、椅子システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2の測定値としての前記加速度センサの各軸の値の所定の期間内における標準偏差を計算し、当該標準偏差の合計値が所定の閾値よりも大きい割合が所定値以上である場合に、人が正常な状態で前記椅子に座っていると判断する、請求項1に記載の椅子システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合、かつ前記第1の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に、前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、請求項1または2に記載の椅子システム。
【請求項4】
椅子と、
サーバとを備え、
前記椅子は、座面に設置される少なくとも1つの荷重センサを含み、
前記椅子は、前記少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値を前記サーバに送信し、
前記サーバは、メモリと、プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記椅子からの前記第1の測定値を前記メモリに蓄積し、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断し、人が椅子に座っている場合、前記第1の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、椅子システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の測定値としての前記荷重センサの値の所定の期間内における標準偏差を計算し、当該標準偏差が所定の閾値よりも大きい割合が所定値以上である場合に、人が正常な状態で前記椅子に座っていると判断する、請求項4に記載の椅子システム。
【請求項6】
通信インターフェイスと、
メモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信して、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積し、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断し、人が椅子に座っている場合、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、サーバ。
【請求項7】
通信インターフェイスと、
メモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値を受信して、前記第1の測定値を前記メモリに蓄積し、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断し、人が椅子に座っている場合、前記第1の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、サーバ。
【請求項8】
サーバによる情報処理方法であって、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信する第1のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積する第2のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値が所定値である場合に人が前記椅子に座っていると判断する第3のステップと、
前記プロセッサが、人が椅子に座っている場合、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する第4のステップと、を備えるサーバによる情報処理方法。
【請求項9】
サーバによる情報処理方法であって、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値を受信する第1のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値を前記メモリに蓄積する第2のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断する第3のステップと、
前記プロセッサが、人が椅子に座っている場合、前記第1の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する第4のステップと、を備えるサーバによる情報処理方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子と、
サーバとを備え、
前記椅子は、座面に設置される少なくとも1つの荷重センサと、前記座面または背もたれに設置される少なくとも1つの加速度センサと、を含み、
前記椅子は、前記少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と前記少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値を前記サーバに送信し、
前記サーバは、メモリと、プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記椅子からの前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積し、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断し、人が椅子に座っている場合、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、椅子システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2の測定値としての前記加速度センサの各軸の値の所定の期間内における標準偏差を計算し、当該標準偏差の合計値が所定の閾値よりも大きい割合が所定値以上である場合に、人が正常な状態で前記椅子に座っていると判断する、請求項1に記載の椅子システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合、かつ前記第1の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に、前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、請求項1または2に記載の椅子システム。
【請求項4】
通信インターフェイスと、
メモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信して、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積し、前記第1の測定値が所定値以上である場合に人が前記椅子に座っていると判断し、人が椅子に座っている場合、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する、サーバ。
【請求項5】
サーバによる情報処理方法であって、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して椅子からの少なくとも1つの荷重センサの第1の測定値と少なくとも1つの加速度センサの第2の測定値とを受信する第1のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記メモリに蓄積する第2のステップと、
前記プロセッサが、前記第1の測定値が所定値である場合に人が前記椅子に座っていると判断する第3のステップと、
前記プロセッサが、人が椅子に座っている場合、前記第2の測定値の変動が所定の程度よりも小さい場合に前記椅子に座っている人が心肺停止状態であると判断する第4のステップと、を備えるサーバによる情報処理方法。