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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136689
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】卓上カレンダー
(51)【国際特許分類】
   B42D 5/04 20060101AFI20220913BHJP
   B43K 23/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
B42D5/04 J
B43K23/00 200H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036414
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石渡 徹也
(57)【要約】
【課題】糊付けせずに、かつ、安価で、カレンダー用紙の大きさを小さくすることなく、小物を入れることができる卓上カレンダーを得る。
【解決手段】上方の左右に複数の孔(21、31)を有する表板(2)と複数のカレンダー用紙(5)と裏板(3)と、それらの孔を貫く綴じ具(6)と、前記表板下端と裏板下端とに繋止する底板(4)と、からなり、表板と裏板とカレンダー用紙の左右の孔の間に切り欠き(22,32)を設け、表板と裏板と底板との間に、底板に並行な表板と裏板との間隔を保持する挿入板(7)を挿篏したことを特徴とする卓上カレンダー(1)である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方の左右に複数の孔を有する表板と複数のカレンダー用紙と裏板と、それらの孔を貫く綴じ具と、前記表板下端と裏板下端とに繋止する底板と、からなり、
表板と裏板とカレンダー用紙の左右の孔の間に切り欠きを設け、
表板と裏板と底板との間に、底板に並行な表板と裏板との間隔を保持する挿入板を挿篏したことを特徴とする卓上カレンダー。
【請求項2】
底板が、表板下端と裏板下端との繋止する二本の罫線の中心線を罫線とし、全体が平らに折り畳めることを特徴とする請求項1に記載の卓上カレンダー。
【請求項3】
挿入板が、端辺に平行で左右等間隔な二本の罫線を有し、端辺両端が表板下端や裏板下端が底板と繋止する罫線に当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の卓上カレンダー。
【請求項4】
綴じ具が、切り欠きのある円弧を中心軸方向に繋ぎ合わせた形状からなる線材、又は帯材で形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の卓上カレンダー。
【請求項5】
綴じ具の切り欠きのある円弧を、表板と裏板の底板との角度が垂直より大きくならない大きさとしたことを特徴とする請求項4に記載の卓上カレンダー。
【請求項6】
綴じ具の切り欠きのある円弧を、長円や楕円としたことを特徴とする請求項5又は4に記載の卓上カレンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記用具等を立てて収納可能とする自立式の卓上カレンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
自立式の卓上カレンダーは、プラスチックや剛性の高い厚紙で製造されるケースにカレンダー用紙を収めたカレンダーや、自立式の台座にカレンダー用紙を掛けたカレンダーなどがある。
ここで、卓上では、狭いので、何かと筆記用具などが必要になり、それらも収納可能な卓上カレンダーが求められる。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数枚のカレンダー用紙を表に保持する正面板と、前記正面板の上部に連設された背面板と、前記正面板の下部及び前記背面板の下部に連設された底面板とで三角筒に形成された卓上カレンダー用スタンドにおいて、
前記正面板には前記カレンダー用紙を保持するカレンダー用紙ホルダーが形成されるとともに、前記正面板の上部には筆記具が抜き差し可能に保持される筆記具保持用孔が形成され、前記底面板には前記筆記具保持用孔に差し込まれた前記筆記具の下端部を受けて移動を規制するストッパーが形成されていることを特徴とする卓上カレンダー用スタンドを提案している。
【0004】
この卓上カレンダー用スタンドは、折り畳み状態から使用形態に変形させるのが容易であると共に、カレンダー用紙が綴じ具で繋止されているので、カレンダー用紙が紛失するなどの問題が発生しにくい。
しかしながら、この卓上カレンダーは、リーフレットなどを正面から見える位置に収納可能とするには、カレンダー用紙の大きさを縮小してしまうなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3204488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
糊付けせずに、かつ、安価で、カレンダー用紙の大きさを小さくすることなく、小物を入れることができる卓上カレンダーを得ることが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上方の左右に複数の孔を有する表板と複数のカレンダー用紙と裏板と、それらの孔を貫く綴じ具と、前記表板下端と裏板下端とに繋止する底板と、からなり、
表板と裏板とカレンダー用紙の左右の孔の間に切り欠きを設け、
表板と裏板と底板との間に、底板に並行な表板と裏板との間隔を保持する挿入板を挿篏したことを特徴とする卓上カレンダーである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の卓上カレンダーは、日にちを表示するカレンダー用紙を小さくすることなく、底板を広げ、表板と裏板と底板との隙間に、挿入板を挿入するだけで、小物を差し込んで保管する空間を得ることができる。しかも、畳んでしまうことも容易で、廃棄する時にも最小に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の卓上カレンダーの実施形態例を示す外観斜視図である。
図2】本発明の卓上カレンダーを構成する表板、底板、裏板のブランクと、挿入板のブランクと、それを折り曲げて挿入する形態とした実施例を示す図である。
図3】本発明の卓上カレンダーに使用する綴じ具の実施形態例である。
図4】本発明の卓上カレンダーに使用するカレンダー用紙の実施形態例である。
図5】本発明の卓上カレンダーのカレンダー用紙をめくっている状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の卓上カレンダーについて、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の卓上カレンダー1の実施形態例を示す外観斜視図である。卓上カレンダー1は、表板2と裏板3と底板4とが繋止したベース体10と、複数のカレンダー用紙5と、それらを綴じる綴じ具6と、挿入板7と、から構成される。
【0011】
底板4は中央に底折罫線41を有する長方形の板材からなり、該底折罫線41に平行な両端には、一方の端辺に表板2の下端が、他方の端辺に裏板3の下端が繋止している。
【0012】
表板2と裏板3は、上方の左右に複数の孔21、31と、上端の中央では左右の孔の間に切り欠き22、32を設けている。
少なくとも、上記表板2と裏板3の複数の孔21、31は、ピッチや位置などを同じ位置に開孔する。
【0013】
図2は、本発明の卓上カレンダー1を構成するブランク11と、挿入板7の実施形態例を示す図である。
図2-1に示すブランク11は、中央に長方形の底板4があって、その中央に中心線を罫線とする底折罫線41が設けられている。
また、底板の両端には、一方の端辺には表板の表下端辺23が罫線によって繋止し、他方の端辺には裏板の裏下端辺33が罫線によって繋止している。
【0014】
表板2の上方には、左右に複数の孔21と、上端の中央では左右の孔の間に切り欠き22を設けている。
同じように、裏板3の上方にも、左右に複数の孔31と、上端の中央では左右の孔の間に切り欠き32を設けている。
【0015】
上記表板2と裏板3、底板4は、形状が、底折罫線41に対して、ほぼ、線対称の形状に形成する。
この為、ブランク11は、上記構成になっているので、底折罫線41で折ると、ベース体10を容易に折り畳むことができる。
【0016】
図3は、綴じ具6の実施形態例である。
綴じ具6は、切り欠きのある円弧を中心軸方向に繋ぎ合わせた形状からなる線材、又は帯材で形成されている。素材としては、ステンレス線のばね材や、ピアノ線、ステンレス板のばね材、あるいは、ポリエチレンテレフタレート樹脂シートや、セルロイド、ポリプロピレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、などのプラスチックによって作成しても良い。図3-1は、ステンレス線からなるばね材を、図のような形状に成形し、焼き入れて製造した綴じ具6の実施形態例で、一度組み込んだ後には、孔21、31から抜けにくいように、端部を横に曲げてある。
線材で成形した綴じ具6の場合には、孔21、31には、二本ずつ通るようにすると良い

成形する綴じ具6は、表板2と裏板3の底板4と成す角度が、垂直より大きくならない程度の直径の円弧とし、表板2上端と裏板3上端ができるだけ、開かせて、その間に小物などを収納可能とすることが好ましい。
この為、綴じ具6の形状を、真円の円弧でなく、長円や楕円の円弧としても良い。
この時、その綴じ具6長径の大きさは、底板の幅よりも短くする。
【0017】
綴じ具6を、線材で成形しないで、帯材や板材によって形成する場合には、図3-2の(ア)ように、平板材をプレスして櫛刃のような形状に抜く。
その後(イ)のように、丸める加工を施して、櫛刃の形状部分を、刃を繋いでいる横板形状部分に重ねた形状に加工している。金属の場合には、ここで焼き入れを行う。
樹脂の場合には、成形時に最終形状に射出成型しても良いが、シートや線材に押し出してから成形しても良い。
【0018】
図2-3は、挿入板7の実施形態例で、ブランクの形状と、それを挿入するように罫線で折り曲げた形状の実施例4を示した。
挿入板7は、剛性を有する板材からなり、長方形形状の台板71と、台板71の向かい合う二辺からなる罫線72を介して繋止する立て板73と、から構成されている。
罫線72で繋止する立て板73は、罫線72に向かい合う端辺が、表板下端や裏板下端が底板と繋止する罫線近傍に当接し、表板2下方内面や、裏板3下方内面に当接する。立て板73の下端が罫線近傍に当接することによって、挿入板7の上に小物を置いても、その掛かる重さを受けることができる。
台板71の幅は、底板4の幅よりも充分に狭く、かつ、表板2上方の切り欠きと、裏板3情報の切り欠きと、が成す間隔を、充分に広くできる幅とする。すなわち、挿入板7によって、表板2と裏板3との隙間を確実に一定幅以上に広げて、それを保持し、表板2と裏板3の切り欠きの隙間に小物の出し入れを容易にする。
【0019】
図4は、カレンダー用紙5の実施形態例である。
カレンダー用紙5は、少なくとも、上方の左右に、表板2や裏板3の孔21、31と同じ位置に開孔した孔51を有し、かつ、左右の孔51の間に切り欠き52を有している。
カレンダー用紙5は、表板2などベース体10のシートよりも薄い用紙でかまわない。
ただ、表板2の外形よりも大きくしないことが望ましい。
【0020】
図5は、本発明の卓上カレンダーのカレンダー用紙をめくっている状態を示す外観斜視図である。
カレンダー用紙5の高さは、表板2の高さよりも充分に低く設定している。
このことによって、カレンダー用紙5の下端が、卓上カレンダーを置く机等の面に当接することなく、カレンダー用紙5をめくることができる。
カレンダー用紙5上方の孔51と綴じ具の挿入部の断面とは、隙間があるので、その隙間分以上に、表板2の高さとカレンダー用紙5の高さを低くしておく必要がある。
【0021】
本発明の卓上カレンダーは、組み立てると、図1のようになる。
表板2の切り欠き22と、裏板3の切り欠き32と、の隙間12には、ペンやカッターナイフ、メモ用紙などの小物を収納可能な収納部が形成される。
表板2の孔21や裏板3の孔31に係止している綴じ具6の形状や大きさを調整し、表板2切り欠き22と裏板3切り欠き32との隙間を充分にとって、挿入板7によって、さらに隙間を確実に広げた状態で保持することができるので、嵩張るものでも、収納が可能になる。
さらに、側面では、挿入板7の上にも、挿入板7の下にも小物を収納することができるので、便利である。
【0022】
本発明の卓上カレンダーで、表板、底板、裏板、挿入板などに使用される板材は、坪量90~500g/mの上質紙からなる板紙やミルクカートン紙、特殊紙、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリプロピレンシートなどが使用できる。
また、カレンダー用紙に使用されるのは、上記板材であっても良いが、もっと薄い60g/mの程度の板材であっても良い。
【0023】
本発明の卓上カレンダーは、以上のようなもので、日にちを表示するカレンダー用紙を小さくすることなく、挿入板によって底板を広げ、表板と裏板の切り欠きを、挿入板によって確実に間隔を開き、容易に小物を出し入れ可能である。
さらに、挿入板を挿入することによって、上記上方から挿入できるだけではなく、側面からも小物を収納できる。
また、挿入板を底から外せば、卓上カレンダー全体を折り畳んで、送付しやすく平らにすることができるなど、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0024】
1・・・・・・・・・卓上カレンダー
10・・・・・・・・ベース体
11・・・・・・・・ブランク
12・・・・・・・・隙間
2・・・・・・・・・表板
21・・・・・・・・孔(表板)
22・・・・・・・・切り欠き(表板)
23・・・・・・・・表下端辺(罫線)
3・・・・・・・・・裏板
31・・・・・・・・孔(裏板)
32・・・・・・・・切り欠き(裏板)
33・・・・・・・・裏下端辺(罫線)
4・・・・・・・・・底板
41・・・・・・・・底折罫線
5・・・・・・・・・カレンダー用紙
51・・・・・・・・孔(カレンダー用紙)
52・・・・・・・・切り欠き(カレンダー用紙)
6・・・・・・・・・綴じ具
7・・・・・・・・・挿入板
71・・・・・・・・台板
72・・・・・・・・罫線
73・・・・・・・・立て板
図1
図2
図3
図4
図5