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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136739
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20220913BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20220913BHJP
   H04Q 9/04 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/16
H04Q9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036498
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野坂 哲郎
【テーマコード(参考)】
3K273
5K048
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA31
3K273QA39
3K273RA12
3K273SA04
3K273SA38
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA24
3K273TA25
3K273TA27
3K273TA49
3K273TA54
3K273TA55
3K273TA62
3K273TA65
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA19
3K273UA22
5K048BA07
5K048DA02
5K048DB04
5K048DC01
5K048EA23
5K048EB02
5K048EB11
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】容易に複数のコントローラの時刻を同期できる制御システムを得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る制御システムは、複数の個別機器と、前記複数の個別機器をそれぞれ制御する複数のコントローラと、を備え、前記複数のコントローラのうち主コントローラは、設定器から時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新し、他のコントローラに対して前記時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信し、前記他のコントローラの各々は、前記時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別機器と、
前記複数の個別機器をそれぞれ制御する複数のコントローラと、
を備え、
前記複数のコントローラのうち主コントローラは、設定器から時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新し、他のコントローラに対して前記時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信し、
前記他のコントローラの各々は、前記時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記他のコントローラの各々は、前記時刻情報を受信すると、前記複数のコントローラのうち自己以外のコントローラに対して前記時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記複数のコントローラの各々は、他のコントローラから前記時刻情報を受信する周波数チャネルと、制御対象の個別機器と通信する周波数チャネルとが等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
複数の個別機器と、
前記複数の個別機器をそれぞれ制御する複数のコントローラと、
を備え、
前記複数のコントローラのうち主コントローラは、制御対象の個別機器と第1周波数チャネルで通信し、設定器から時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新し、他のコントローラに対して前記時刻情報を前記第1周波数チャネルと異なる第2周波数チャネルで送信し、
前記他のコントローラは、制御対象の個別機器と前記第2周波数チャネルと異なる第3周波数チャネルで通信し、前記時刻情報を受信すると、自己の時刻情報を更新することを特徴とする制御システム。
【請求項5】
前記他のコントローラは、前記時刻情報を受信すると、前記複数のコントローラのうち自己以外のコントローラに対して前記時刻情報を前記第2周波数チャネルで送信することを特徴とする請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記複数のコントローラの各々は、通信による遅延時間を付加して前記時刻情報を他のコントローラに送信することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記複数のコントローラの各々は、フレーム番号を付加して前記時刻情報を他のコントローラに送信し、前記設定器から前記時刻情報を受信した場合に前記フレーム番号を更新し、他のコントローラから前記時刻情報を受信した場合は前記フレーム番号を更新せず、既に他のコントローラに送信したことのある前記フレーム番号が付加された前記時刻情報を受信すると前記時刻情報を破棄することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記主コントローラは、前記他のコントローラに対して前記時刻情報を送信した後、予め定められた時刻に前記他のコントローラに対して時刻情報を送信し、前記予め定められた時刻に前記時刻情報を送信する際に前記フレーム番号を更新することを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記複数の個別機器は照明器具を含むことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には照明制御システムが開示されている。この照明制御システムは、建物各階毎に設置される複数のフロアコントローラおよび各フロアコントローラと第1の各伝送線を介して接続され、かつ、それぞれ単数または複数の照明機器が接続された複数の負荷制御端末器を備える。各フロアコントローラからの制御信号により、各照明機器の動作は制御される。各負荷制御端末器は負荷の監視信号を各フロアコントローラに返送する。各フロアコントローラ間は、第2の各伝送線を介して互いに接続され、各フロアコントローラは連動制御可能に構成される。照明制御システム親器もしくは、複数のフロアコントローラ中よりタイムスケジュール制御用として設定された主フロアコントローラのいずれかより、第2の伝送線を介して接続された各フロアコントローラに対して時刻の情報が通報される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-68891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、上位コントローラと照明コントローラを有線で接続し、上位コントローラから照明コントローラへ時刻情報を送信する。これにより、照明コントローラの時刻同期を行っている。しかし、各コントローラの時刻を同期するためは、上位コントローラと照明コントローラを有線で接続する必要がある。このため、施工時に通信線の配線に手間がかかるおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易に複数のコントローラの時刻を同期できる制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る制御システムは、複数の個別機器と、前記複数の個別機器をそれぞれ制御する複数のコントローラと、を備え、前記複数のコントローラのうち主コントローラは、設定器から時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新し、他のコントローラに対して前記時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信し、前記他のコントローラの各々は、前記時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新する。
【0007】
第2の開示に係る制御システムは、複数の個別機器と、前記複数の個別機器をそれぞれ制御する複数のコントローラと、を備え、前記複数のコントローラのうち主コントローラは、制御対象の個別機器と第1周波数チャネルで通信し、設定器から時刻情報を受信すると、前記時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新し、他のコントローラに対して前記時刻情報を前記1周波数チャネルと異なる第2周波数チャネルで送信し、前記他のコントローラは、制御対象の個別機器と前記第2周波数チャネルと異なる第3周波数チャネルで通信し、前記時刻情報を受信すると、自己の時刻情報を更新する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る制御システムでは、無線で複数のコントローラの時刻を同期できる。従って、容易に複数のコントローラの時刻を同期できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る設定器、照明コントローラおよび照明器具を説明する図である。
図2】実施の形態1に係る照明コントローラの構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る照明器具の構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る照明制御システムを示すブロック図である。
図5】実施の形態1に係る周波数チャネルを説明する図である。
図6】実施の形態1に係る時刻設定時の手順を示すシーケンス図である。
図7】実施の形態1に係る時刻再設定時の手順を示すシーケンス図である。
図8】実施の形態2に係る照明制御システムを示すブロック図である。
図9】実施の形態2に係る周波数チャネルを説明する図である。
図10】実施の形態2に係る時刻設定時の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態に係る制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る設定器4、照明コントローラ2および照明器具3を説明する図である。照明制御システム1は、複数の照明コントローラ2、複数の照明器具3および設定器4を備えている。設定器4は作業者が様々な設定に用いるものである。設定器4は照明コントローラ2と赤外線通信10で通信する。照明コントローラ2は無線通信11により、複数の照明器具3および他の照明コントローラ2と通信する。図1では、照明器具3としてn個の照明器具3―1~3-nが示されている。照明コントローラ2と複数の照明器具3は、無線通信機能を備えており、1つの無線チャネルで無線通信を行う。照明コントローラ2と照明器具3の無線通信は、920MHz帯の特定小電力無線により行っても良く、2.4GHz帯の無線で行っても良い。
【0012】
図2は、実施の形態1に係る照明コントローラ2の構成を示すブロック図である。照明コントローラ2は、制御部21、タイマ部22、無線通信部23、赤外線通信部24、人検知センサ部25、明るさセンサ部26、LED状態表示部27、電源部28を有する。制御部21は、照明コントローラ2の機能を実現するための演算と、照明器具3の制御に必要な演算を実施する。タイマ部22は、スケジュール制御を行うための時間管理を行い、時刻情報を制御部21に送信する。
【0013】
無線通信部23は無線通信11における無線信号の送受信を行う。無線通信部23は受信待ちをする周波数チャネルと、送信時の周波数チャネルを選択することができる。赤外線通信部24は、設定器4との赤外線通信10における赤外線信号の送受信を行う。
【0014】
人検知センサ部25は人の存在の有無を検出して、検出した情報を制御部21に送信する。明るさセンサ部26は明るさを検出して、検出した情報を制御部21に送信する。制御部21は、タイマ部22、無線通信部23、赤外線通信部24、人検知センサ部25、明るさセンサ部26から受信した情報に基づき、無線通信部23を介して照明器具3を制御する。
【0015】
LED状態表示部27は、例えば表示用LEDを有し、照明コントローラ2の状態を表示用LEDに表示する。電源部28は、照明コントローラ2の各部の電源を生成する。制御部21は、LED状態表示部27および電源部28を制御する。
【0016】
図3は、実施の形態1に係る照明器具3の構成を示すブロック図である。照明器具3は、制御部31、無線通信部33、LED光源部34、LED制御部35、電源部38を有する。制御部31は、照明器具3の機能を実現するための演算と、LED光源部34の制御に必要な演算を実施する。
【0017】
無線通信部33は無線通信11における無線信号の送受信を行う。無線通信部33は照明コントローラ2から調光制御信号等を受信する。制御部31は、無線通信部33が受信した無線信号に応じて照明器具3の各部を制御する。また制御部31は、無線通信部33が受信した無線信号に応じて、照明器具3についての情報を、無線通信部33を介して照明コントローラ2に送信する。
【0018】
LED制御部35はLED光源部34を制御する。LED制御部35は、例えば制御部31からの制御信号に応じて、LED光源部34に供給する電力を制御する。LED光源部34は、光源を有する。光源は、例えばLED等の発光素子である。電源部38は、照明器具3の各部の電源を生成する。
【0019】
図4は、実施の形態1に係る照明制御システム1を示すブロック図である。照明制御システム1は、複数の個別機器である複数の照明器具3と、複数の個別機器を制御する複数のコントローラである複数の照明コントローラ2と、設定器4を備える。図4では照明コントローラ2として照明コントローラ2a~2cが示されているが、照明制御システム1が備える照明コントローラ2は2台以上であれば良い。照明コントローラ2aは、照明器具3a―1~3a―nを制御する。照明コントローラ2bは、照明器具3b-1~3b-nを制御する。照明コントローラ2cは、照明器具3c-1~3c-nを制御する。各照明コントローラ2が制御する照明器具3は1台以上であれば良い。
【0020】
設定器4と照明コントローラ2a、2b、2cは、それぞれ赤外線通信10で通信することができる。ユーザーは設定器4から照明コントローラ2a、2b、2cに対して、各種設定を行うことができる。
【0021】
照明コントローラ2aと照明器具3a―1~3a―nは、無線通信11aで通信を行っている。照明コントローラ2bと照明器具3b―1~3b―nは、無線通信11bで通信を行っている。照明コントローラ2cと照明器具3c―1~3c―nは、無線通信11cで通信を行っている。無線通信11a、無線通信11b、無線通信11cでは、それぞれ異なる周波数チャネルが使用される。これにより、無線通信が互いに干渉せず、安定した通信を行うことができる。
【0022】
各照明コントローラ2および各照明器具3は、それぞれ1つの周波数チャネルの受信を待ち受けており、任意の周波数チャネルで無線信号を送信することができる。
【0023】
照明コントローラ2aは、無線通信11aで送信された他の照明コントローラからの無線信号も受信することができる。照明コントローラ2bは無線通信11bで送信された他の照明コントローラからの無線信号も受信することができる。照明コントローラ2cは無線通信11cで送信された他の照明コントローラからの無線信号も受信することができる。このように、複数の照明コントローラ2の各々は、他の照明コントローラから時刻情報等を受信する周波数チャネルと、制御対象の個別機器と通信する周波数チャネルとが等しい。
【0024】
図5は、実施の形態1に係る周波数チャネルを説明する図である。無線通信11aでは周波数チャネル40が使用され、無線通信11bでは周波数チャネル42が使用され、無線通信11cでは周波数チャネル44が使用される。
【0025】
図6は、実施の形態1に係る時刻設定時の手順を示すシーケンス図である。図6のシーケンスに沿って、時刻設定の手順を説明する。ユーザーは設定器4から照明コントローラ2aに対して赤外線通信10で時刻情報を設定する。ここでは、照明コントローラ2aが主コントローラに対応する。照明コントローラ2aは赤外線通信10で時刻情報を受信すると、受信した時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新する。また、照明コントローラ2aは、設定器4から時刻情報を受信すると、制御対象の個別機器の時刻情報を更新しても良い。制御対象の個別機器は、ここでは照明器具3a-1~3a-nである。
【0026】
次に、照明コントローラ2aは他の照明コントローラと時刻情報を同期するために、照明制御システム1で使用している全ての周波数チャネルである周波数チャネル40、42、44に対して時刻情報を送信する。つまり、照明コントローラ2aは、他の照明コントローラに対して時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信する。
【0027】
照明コントローラ2aはキャリアセンスまたはランダムな待ち時間を含めて、無線信号を送信しても良い。これにより、無線信号同士が干渉するのを抑制できる。照明コントローラ2aは時刻情報に加えて、送信時に発生する遅延時間を補正値として無線通信のデータに含めても良い。これにより、他の照明コントローラは時刻情報を受信した際に、時刻情報をより正確な時刻に補正することができる。照明コントローラ2aは、周波数チャネルごとに順に送信を行い、送信毎に補正値を更新する。
【0028】
また、照明コントローラ2aは、時刻情報に固有のフレーム番号を付与する。これにより、照明コントローラ2aが同じ時刻情報を何度も送信することを防止できる。各照明コントローラ2は、赤外線通信10の受信により時刻情報を送信する場合、または、後述する特定時刻をトリガにして時刻情報を送信する場合は、フレーム番号を更新する。また、各照明コントローラ2は、他の照明コントローラからの無線信号を受けて時刻情報を送信する場合は、フレーム番号を更新しない。
【0029】
照明コントローラ2aから無線信号が届く範囲にある照明コントローラ2bは、周波数チャネル42による無線通信11bで送信された時刻情報を受信する。なお、図6に示される例では照明コントローラ2aからの無線信号は照明コントローラ2cには届かない。照明コントローラ2bは時刻情報を受信すると、受信した時刻情報を補正値で補正し、自己の時刻情報を更新する。照明コントローラ2bは時刻情報を受信すると、受信した時刻情報に基づき制御対象の個別機器の時刻情報を更新しても良い。ここでは、制御対象の個別機器は照明器具3b-1~3b-nである。
【0030】
次に、照明コントローラ2bは、他のコントローラに時刻情報を伝えるために、照明制御システムで使用している全ての周波数チャネルである周波数チャネル40、42、44に対して、時刻情報を送信する。このように、照明コントローラ2bは時刻情報を受信すると、照明コントローラ2a、2cに対して時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信する。その際、照明コントローラ2bは、受信した時刻情報の補正値に、照明コントローラ2bで発生した遅延時間を追加して補正値を更新する。このように、複数の照明コントローラ2の各々は、通信による遅延時間を付加して時刻情報を他の照明コントローラに送信する。
【0031】
ここでは、照明コントローラ2bからの無線信号が届く範囲には、照明コントローラ2a、2cがあるものとする。照明コントローラ2cは、周波数チャネル44による無線通信11cで送信された時刻情報を受信する。照明コントローラ2cは、時刻情報を受信すると、受信した時刻情報を補正値で補正し、自己の時刻情報を更新する。照明コントローラ2cは、時刻情報を受信すると、制御対象の個別機器の時刻情報を更新しても良い。ここでは、制御対象の個別機器は照明器具3c-1~3c-nである。照明コントローラ2cは他の照明コントローラに時刻情報を伝えるために、照明制御システム1で使用している全ての周波数チャネルに対して時刻情報を送信する。その際、照明コントローラ2cは、受信した時刻情報の補正値に、照明コントローラ2cで発生した遅延時間を追加し、補正値を更新する。
【0032】
照明コントローラ2aは、照明コントローラ2bから周波数チャネル40による無線通信11aで送信された時刻情報を受信する。このとき、受信した時刻情報のフレーム番号は、照明コントローラ2aが既に送信済みのフレーム番号と一致する。このため、照明コントローラ2aは、受信したデータを破棄する。つまり、照明コントローラ2aは、受信した時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新しない。
【0033】
照明コントローラ2cから無線が届く範囲には、照明コントローラ2bがあるものとする。照明コントローラ2bは、照明コントローラ2cから周波数チャネル42による無線通信11bで送信された時刻情報を受信する。このとき、受信した時刻情報のフレーム番号は、照明コントローラ2bが既に送信済みのフレーム番号と一致する。このため、照明コントローラ2bは、受信したデータを破棄する。
【0034】
このように、複数の照明コントローラ2の各々は、フレーム番号を付加して時刻情報を他のコントローラに送信する。この際、照明コントローラ2は、設定器4から時刻情報を受信した場合はフレーム番号を更新し、他の照明コントローラから時刻情報を受信した場合はフレーム番号を更新しない。照明コントローラ2は、既に他の照明コントローラに送信したことのあるフレーム番号が付加された時刻情報を受信すると、時刻情報を破棄する。これにより、照明コントローラ2が同じ時刻情報を何度も送信することを防止できる。
【0035】
以上で、設定器4から時刻設定が行われた場合に、照明制御システム1の全ての照明コントローラ2の時刻を同期することができた。
【0036】
設定器4から赤外線通信10で時刻設定された照明コントローラ2aは、照明制御システム1の時刻同期の親機の役割を果たす主コントローラである。主コントローラは、例えば1日に1回、時刻合わせの時間に時刻情報を送信する。主コントローラは、他の照明コントローラに対して時刻情報を送信した後、例えば予め定められた時刻である0時10分に他の照明コントローラに対して時刻情報を送信する。主コントローラは、予め定められた時刻に時刻情報を送信する際に、フレーム番号を更新する。また、照明コントローラ2aから無線通信11で時刻情報を受信した照明コントローラ2b、2cは、時刻同期の子機となる。子機は、無線通信11で時刻情報を受信した場合に、受信した時刻情報と同一フレーム番号の時刻情報を送信する。
【0037】
図7は、実施の形態1に係る時刻再設定時の手順を示すシーケンス図である。次に、図7に示されるシーケンスに沿って、時刻再設定の手順を説明する。ユーザーは、設定器4から照明コントローラ2cに対して、赤外線通信10で時刻情報を設定する。照明コントローラ2cは赤外線通信10で時刻情報を受信すると、照明コントローラ2cの時刻情報を更新する。次に、照明コントローラ2cは他の照明コントローラと時刻情報を同期するために、照明制御システム1で使用している全ての周波数チャネルに対して時刻情報を送信する。このように照明コントローラ2cは、図6における照明コントローラ2aと同様の手順で、照明コントローラ2b、照明コントローラ2aと時刻同期を行う。
【0038】
この時、設定器4から赤外線通信10で時刻設定された照明コントローラ2cは、照明制御システム1の時刻同期の親機の役割を果たす。このため、照明コントローラ2cは例えば1日に1回、時刻合わせの時間に時刻情報を送信する。また、無線通信で時刻情報を受信した照明コントローラ2a、照明コントローラ2bは時刻同期の子機となる。子機は、無線通信で時刻情報を受信した場合、フレーム番号を更新せず、同一フレーム番号の時刻情報を他の照明コントローラに送信する。
【0039】
このように、本実施の形態ではユーザーが1つの照明コントローラ2に対して時刻情報を設定することで、他の照明コントローラ2の時刻情報を無線通信で同期することができる。従って、無線通信により容易に複数のコントローラの時刻を同期できる。これにより、照明制御システム1の施工時に通信線の配線を削減できる。従って、複数の照明器具3のスケジュール運転を容易に実施できる。
【0040】
本実施の形態では、複数の照明コントローラ2の各々は、時刻情報を受信すると、自己の周波数チャネルを含めた全ての周波数チャネルに時刻情報をブロードキャストで送信する。これに限らず、複数の照明コントローラ2の各々は、自己以外の照明コントローラに対して時刻情報をそれぞれ異なる周波数チャネルで送信しても良い。
【0041】
また、本実施の形態では、照明コントローラ2の制御対象の個別機器は照明器具3であるものとした。これに限らず、個別機器は照明器具3以外の機器でも良い。個別機器には、各種センサ、壁スイッチ等が含まれても良い。
【0042】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る制御システムについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る制御システムについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0043】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る照明制御システム201を示すブロック図である。照明制御システム201は、照明コントローラ2として照明コントローラ2d~2fを備える。照明コントローラ2dは、照明器具3d―1~3d―nを制御する。照明コントローラ2eは、照明器具3e-1~3e-nを制御する。照明コントローラ2fは、照明器具3f-1~3f-nを制御する。
【0044】
設定器4と照明コントローラ2d、2e、2fはそれぞれ赤外線信号を送受信することができる。ユーザーは、設定器4から照明コントローラ2d、2e、2fに対して、赤外線通信10で各種設定を行うことができる。
【0045】
照明コントローラ2dと照明器具3d―1~3d―nは無線通信11dで通信を行っている。照明コントローラ2eと照明器具3e―1~3e―nは無線通信11eで通信を行っている。照明コントローラ2fと照明器具3f―1~3f―nは無線通信11fで通信を行っている。無線通信11d、無線通信11e、無線通信11fではそれぞれ異なる周波数チャネルが使用される。これにより、無線通信が互いに干渉せず、安定した通信を行うことができる。
【0046】
照明器具3d―1~3d―n、3e―1~3e―n、3f―1~3f―nの各々は、1つの周波数チャネルの受信を待ち受けている。照明器具3d―1~3d―n、3e―1~3e―n、3f―1~3f―nの各々は、任意の周波数チャネルで無線信号を送信することができる。
【0047】
照明コントローラ2d、2e、2fの各々は、複数の周波数チャネルで無線信号を受信することができる。照明コントローラ2dは、無線通信11dと無線通信11gの周波数チャネルの受信を待ち受けている。照明コントローラ2eは、無線通信11eと無線通信11gの周波数チャネルの受信を待ち受けている。照明コントローラ2fは、無線通信11fと無線通信11gの周波数チャネルの受信を待ち受けている。照明コントローラ2d、2e、2fの各々は、任意の周波数チャネルで無線信号を送信することができる。
【0048】
図9は、実施の形態2に係る周波数チャネルを説明する図である。無線通信11dでは周波数チャネル40が使用され、無線通信11eでは周波数チャネル42が使用され、無線通信11fでは周波数チャネル44が使用され、無線通信11gでは周波数チャネル46が使用される。
【0049】
図10は、実施の形態2に係る時刻設定時の手順を示すシーケンス図である。図10のシーケンスに沿って、実施の形態2に係る照明制御システム201による時刻設定の手順を説明する。ユーザーは、設定器4から照明コントローラ2dに対して赤外線通信10で時刻情報を設定する。照明コントローラ2dは赤外線通信10で時刻情報を受信すると、照明コントローラ2dの時刻情報を更新する。次に、照明コントローラ2dは、他の照明コントローラと時刻情報を同期するために、周波数チャネル46の無線通信11gにより時刻情報をブロードキャストで送信する。
【0050】
このように、本実施の形態の主コントローラは、制御対象の個別機器と第1周波数チャネルで通信する。主コントローラは設定器4から時刻情報を受信すると、受信した時刻情報に基づき自己の時刻情報を更新する。また、主コントローラは、他のコントローラに対して時刻情報を第1周波数チャネルと異なる第2周波数チャネルで送信する。
【0051】
照明コントローラ2dはキャリアセンスまたはランダムな待ち時間を含めて、無線信号を送信しても良い。これにより、無線信号同士の干渉を低減させることができる。照明コントローラ2dは、無線通信のデータ送信にかかる遅延時間を補正値として含めて、時刻情報を送信しても良い。また、実施の形態1と同様に、照明コントローラ2dは時刻情報に固有のフレーム番号を付与しても良い。
【0052】
照明コントローラ2dから無線信号が届く範囲には、照明コントローラ2eがあるものとする。照明コントローラ2eは、周波数チャネル46の無線通信11gで時刻情報を受信する。照明コントローラ2eは、時刻情報を受信すると、受信した時刻情報を補正値で補正し、自己の時刻情報を更新する。次に、照明コントローラ2eは他の照明コントローラに時刻情報を伝えるために、無線通信11gで時刻情報を送信する。その際、受信した時刻情報の補正値に、照明コントローラ2eで発生した遅延時間を追加して補正値を更新する。
【0053】
このように、本実施の形態に係る他のコントローラである照明コントローラ2eは、制御対象の個別機器と第2周波数チャネルと異なる第3周波数チャネルで通信する。照明コントローラ2eは時刻情報を受信すると、自己の時刻情報を更新する。また、照明コントローラ2eは時刻情報を受信すると、自己以外の照明コントローラに対して時刻情報を第2周波数チャネルで送信する。
【0054】
照明コントローラ2eから無線信号が届く範囲には、照明コントローラ2fがあるものとする。照明コントローラ2fは、無線通信11gで時刻情報を受信する。照明コントローラ2fは、時刻情報を受信すると、受信した時刻情報を補正値で補正して自己の時刻情報を更新する。次に、照明コントローラ2fは、他の照明コントローラに時刻情報を伝えるために、無線通信11gで時刻情報を送信する。この際、受信した時刻情報の補正値に、照明コントローラ2fで発生した遅延時間を追加して補正値を更新する。
【0055】
照明コントローラ2eから無線が届く範囲にある照明コントローラ2dは、照明コントローラ2eから無線通信11gにより時刻情報を受信する。受信した時刻情報のフレーム番号は、照明コントローラ2dが既に送信済みのフレーム番号と一致する。このため、照明コントローラ2dは受信した時刻情報を破棄する。
【0056】
照明コントローラ2fから無線が届く範囲にある照明コントローラ2eは、照明コントローラ2fから無線通信11gで時刻情報を受信する。受信した時刻情報のフレーム番号は、照明コントローラ2eが既に送信済みのフレーム番号と一致する。このため、照明コントローラ2eは受信した時刻情報を破棄する。
【0057】
以上から、設定器4から時刻設定が行われた場合に、照明制御システム201の全ての照明コントローラ2で時刻を同期することができた。
【0058】
設定器4から赤外線通信10で時刻設定された照明コントローラ2dは、照明制御システム201の時刻同期の親機の役割を果たす。親機は、例えば1日に1回、時刻合わせの時間に時刻情報を子機に送信する。また、無線通信で時刻情報を受信した照明コントローラ2e、2fは時刻同期の子機となる。子機は、無線通信で時刻情報を受信した場合に、フレーム番号を更新せず、同一フレーム番号の時刻情報を他の照明コントローラに送信する。
【0059】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0060】
1 照明制御システム、2、2a~2f 照明コントローラ、3、3a-1~3a-n、3b-1~3b-n、3c-1~3c-n、3d―1~3d―n、3e-1~3e-n、3f-1~3f-n 照明器具、4 設定器、10 赤外線通信、11、11a~11g 無線通信、21 制御部、22 タイマ部、23 無線通信部、24 赤外線通信部、25 人検知センサ部、26 センサ部、27 LED状態表示部、28 電源部、31 制御部、33 無線通信部、34 LED光源部、35 LED制御部、38 電源部、201 照明制御システム
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