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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136760
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】二方向開閉式カーテン
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/303 20060101AFI20220913BHJP
   E06B 9/384 20060101ALI20220913BHJP
   E06B 9/06 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
E06B9/303
E06B9/384
E06B9/06 620H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036531
(22)【出願日】2021-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】599122271
【氏名又は名称】億豐綜合工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Nien Made Enterprise Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】19F-1 No.236 Sec.2 Wuquan W. Road Taichung City 408 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 琳
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA02
2E043AA04
2E043BB15
2E043BC03
2E043DB01
(57)【要約】
【課題】二方向開閉式カーテンは上梁、中梁と下梁を含み、上梁のところに昇降制御構造が取り付けられ、中梁と下梁の間に遮蔽構造が取り付けられる。
【解決手段】前記昇降制御構造が第一回転軸または第二回転軸を操作して回転させることで、第一引きコードまたは第二引きコードを同時に巻き戻しまたは引き出し、前記第一引きコードが中梁を移動させて、第二引きコードが下梁を移動させる。また、上梁にワンウェイクラッチと予力ユニットが設置されており、下梁が前記中梁を上へ押して移動する時に、前記ワンウェイクラッチが第一回転軸と昇降制御構造の連動を切断し、前記予力ユニットで発生する駆動力が直ちに第一回転軸を回転させ、かつ前記第一引きコードを巻き戻すことで、引きコードの張り詰めた状態を維持する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二方向開閉式カーテンであって、
上梁と、
前記上梁の下方に可動的に位置する中梁と、
前記中梁の下方に可動的に位置する下梁と、
前記中梁と前記下梁との間に設置された遮蔽構造と、
前記上梁に設置され、第一回転軸または第二回転軸を操作して回転させる昇降制御構造と、
前記上梁に設置され、かつ前記第一回転軸と連動する予力ユニットと、
前記第一回転軸と前記昇降制御構造との間に位置するワンウェイクラッチとを含み、
前記第一回転軸が第一引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第一引きコードの一端が前記中梁に固定され、
前記第二回転軸が第二引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第二引きコードの一端が前記下梁に固定され、
前記下梁が前記中梁を上へ押して移動する時に、前記ワンウェイクラッチが前記第一回転軸と前記昇降制御構造の連動を切断し、前記予力ユニットが前記第一回転軸に対し駆動力を提供し、前記駆動力が前記第一回転軸を回転させ、かつ前記第一引きコードを巻き戻す、二方向開閉式カーテン。
【請求項2】
前記予力ユニットがバネを含み、前記バネが連動可能に前記第一回転軸に接続されて、前記第一回転軸に対し前記駆動力を提供する、請求項1に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項3】
前記予力ユニットが軸スリーブを含み、前記バネが前記軸スリーブに接続され、
前記第一回転軸が前記軸スリーブを通って、かつ前記軸スリーブと連動して設置され、
前記バネが前記軸スリーブによって前記第一回転軸に前記駆動力を提供する、請求項2に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項4】
前記予力ユニットがボックスを含み、前記軸スリーブが回転可能に前記ボックス中に設置され、
前記バネが第一端と第二端を有し、前記第一端が前記ボックスに連結されて固定不動の支持点を構成し、前記第二端が前記軸スリーブと連動する、請求項3に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項5】
前記予力ユニットはボックスを含み、前記軸スリーブが回転可能に前記ボックス中に設置され、
前記バネが連動する作用部と巻き戻し部を含み、前記巻き戻し部が前記ボックス中に位置し、前記作用部が前記軸スリーブに巻いて設置され、かつ一端が前記軸スリーブに接続され、
前記バネが前記軸スリーブによって前記第一回転軸に前記駆動力を提供する、請求項3に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項6】
前記予力ユニットはボックス及び巻き軸を含み、前記巻き軸が回転可能に前記ボックス中に設置され、
前記バネが連動する作用部と巻き戻し部を含み、前記巻き戻し部が前記ボックス中に位置し、
前記作用部が前記巻き軸に巻いて設置され、かつ一端が前記巻き軸に接続され、
前記巻き軸の一端に第一歯部が設置され、前記軸スリーブの一端に第二歯部が設置されており、前記第一歯部と前記第二歯部が噛合い、
前記バネが前記巻き軸によって前記軸スリーブと連動し、前記第一回転軸に前記駆動力を提供する、請求項3に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項7】
前記ボックスの内部に支持部が設置されており、前記バネの前記巻き戻し部が前記支持部に巻いて設置されている、請求項5または6に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項8】
前記二方向開閉式カーテンが連動軸を含み、
前記連動軸の一端が前記昇降制御構造に接続され、
前記ワンウェイクラッチの両側がそれぞれ前記第一回転軸と前記連動軸に合わせられている、請求項1から6の何れか一項に記載の二方向開閉式カーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーテン構造に関し、特にカーテンの透光(または遮蔽)面積を変更可能な二方向開閉式カーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
二方向開閉式カーテン(top down、bottom up、TDBU)の構成は上梁、中梁、下梁を含み、かつ、前記中梁と下梁の間に遮蔽構造が設置され、この遮蔽構造の両端がそれぞれ中梁及び下梁に接続される。前記中梁と下梁がそれぞれ異なる引きコードと連動することで、それぞれ上下の変位及び定位(fixed position)を果たし、遮蔽構造の展開または収束状態を変更し、前記二方向開閉式カーテンの透光(または遮蔽)面積を任意に変更する目的を達成できる。
【0003】
従来の二方向開閉式カーテンは、露出されている制御コードを引くことで中梁または下梁を操作し、移動させるものであり、前記制御コードが昇降制御構造にクラッチ、アクチュエータ及びラッチを組み合わせることで、第一回転軸または第二回転軸を単独に回転させる目的を実現する。なお、前記第一回転軸が前記中梁を移動させる引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第二回転軸が前記下梁を移動させる引きコードを巻き戻しまたは引き出す。しかし、前記従来の二方向開閉式カーテンは、前記下梁を実際に操作して上昇させ、透光面積を増大させる過程において、下梁が既に遮蔽構造を完全に収束した時(即ち、下梁と中梁の間の距離が最小になった時)、人が意識的にまたは無意識に制御コードを引っ張り続けると、前記下梁が上へ移動し続けて、さらに前記中梁を上へ押し上げた場合、上梁と中梁の間の距離が縮小するため、前記上梁と中梁の間に位置して中梁を移動させるコード部分が圧迫され、また、第一回転軸が駆動回転していないため、圧迫されている前記コード部分を巻き戻すことができず、緩めた状態になり、カーテン全体の美観を損なうのみならず、前記コード部分が露出されて絡むと、復位できなくなってカーテンが破損し、さらに、他の物体が引っ掛かって起こり得る安全問題も潜んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題を鑑み、本発明の目的は二方向開閉式カーテンを提供し、下梁が上へ移動して中梁を押し上げる時に、上梁と中梁の間に位置する引きコードを確実に巻き戻し、カーテン全体の美観を維持し、カーテン操作に滞りないことを確保し、かつ引きコードにその他の物体が引っ掛かる可能性を低減できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は、上梁、中梁と下梁を含み、かつ遮蔽構造と昇降制御構造を含む二方向開閉式カーテンを提供する。なお、中梁が可動的に前記上梁の下方に位置し、下梁が可動的に前記中梁の下方に位置し、遮蔽構造が前記中梁と前記下梁との間に設置され、昇降制御構造が前記上梁に設置され、前記昇降制御構造が第一回転軸または第二回転軸を操作して回転させ、第一回転軸が第一引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第一引きコードの一端が前記中梁に固定され、第二回転軸が第二引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第二引きコードの一端が前記下梁に固定されている。また、前記カーテンはさらに前記上梁に設置された予力(pre-stress)ユニットを含み、かつ前記予力ユニットと前記第一回転軸が連動する。前記カーテンはさらにワンウェイクラッチを含み、前記ワンウェイクラッチが前記第一回転軸と前記昇降制御構造との間に位置し、前記下梁が前記中梁を押し上げて移動させる時に、前記ワンウェイクラッチが前記第一回転軸と前記昇降制御構造の連動を切断し、前記予力ユニットが前記第一回転軸に対し駆動力を提供し、前記駆動力により前記第一回転軸が回転し、かつ前記第一引きコードを巻き戻す。
【0006】
前記予力ユニットはバネを含み、前記バネが連動可能に前記第一回転軸に接続されて、前記第一回転軸に対し前記駆動力を提供する。
【0007】
前記予力ユニットが軸スリーブを含み、前記バネが前記軸スリーブ接続され、前記第一回転軸が前記軸スリーブを通り、かつ前記軸スリーブと連動して設置され、前記バネが前記軸スリーブを通して前記第一回転軸に対し前記駆動力を提供する。
【0008】
前記予力ユニットがボックスを含み、前記軸スリーブが回転可能に前記ボックス中に設置され、前記バネが第一端と第二端を有し、前記第一端が前記ボックスに連結されて固定不動の支持点を構成し、前記第二端が前記軸スリーブと連動する。
【0009】
前記予力ユニットはボックスを含み、前記軸スリーブが回転可能に前記ボックス中に設置され、前記バネが連動する作用部と巻き戻し部を含み、前記巻き戻し部が前記ボックス中に位置し、前記作用部が前記軸スリーブに巻いて設置され、かつ一端が前記軸スリーブに接続され、前記バネが前記軸スリーブによって前記第一回転軸に対し前記駆動力を提供する。
【0010】
前記予力ユニットがボックス及び巻き軸を含み、前記巻き軸が回転可能に前記ボックス中に設置され、前記バネが連動する作用部と巻き戻し部を含み、前記巻き戻し部が前記ボックス中に位置し、前記作用部が前記巻き軸に巻いて設置され、かつ一端が前記巻き軸に接続され、前記巻き軸の一端に第一歯部が設置され、前記軸スリーブの一端に第二歯部が設置されており、前記第一歯部と前記第二歯部が噛合い、前記バネが前記巻き軸によって前記軸スリーブと連動し、前記第一回転軸に対し前記駆動力を提供する。
【0011】
前記ボックスの内部に支持部が設置され、前記バネの前記巻き戻し部が前記支持部に巻いて設置されている。
【0012】
連動軸を含み、前記連動軸の一端が前記昇降制御構造に接続され、前記ワンウェイクラッチの両側がそれぞれ前記第一回転軸と前記連動軸に合わせられている。
【0013】
本発明の効果は、前記予力ユニットが前記第一回転軸に対し駆動力を提供することによって、前記中梁が下梁に押し上げられる時に、前記駆動力が適時に第一回転軸を回転させて、中梁を引っ張る引きコードを巻き戻し、引きコードの張り詰めた状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施例に基づく二方向開閉式カーテンの立体図。
図2図1が示すカーテンの上面図。
図3図1が示すカーテンにおける一部構成の分解図。
図4図3におけるワンウェイクラッチの分解図。
図5図2の線5-5に沿った断面図。
図6図3における予力ユニットの分解図。
図7図2の線7-7に沿った断面図。
図8】本発明の第二実施例に基づく異なる予力ユニットと巻線組の立体図。
図9図8における予力ユニットのある視角の立体分解図。
図10図8における予力ユニットの別の視角の立体分解図。
図11】本発明の第三実施例に基づくさらに別の予力ユニットと巻線組の立体図。
図12図11における予力ユニットのある視角の立体分解図。
図13図11における予力ユニットの別の視角の立体分解図。
図14図11における予力ユニットの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明をより明確に示すために、以下はその好ましい実施例を挙げるとともに、図面を参照しながら詳しく説明する。図1ないし図3を参照すると、本発明の第一実施例の二方向開閉式カーテン100は上梁10、中梁12と下梁14を含み、かつ中梁12と下梁14との間に光を遮るための遮蔽構造16が設置されている。前記遮蔽構造16はベネシャンブラインド、ハニカムブラインド、ローマンブラインドまたはローラーブラインドを含むてもよいが、これに限定されない、本実施例はハニカムブラインドの例である。また、前記二方向開閉式カーテン100はさらに、上梁10に設置された第一巻線組20、第二巻線組30、昇降制御構造40、ワンウェイクラッチ50及び予力ユニット60を含む。また、中梁12と上梁10との間に別の遮蔽構造を設置してもよいが、これに限定されないと理解すべきである。
【0016】
本実施例の第一巻線組20は一つの第一回転軸22と二つの第一巻線ロール24を含み、前記第一回転軸22が前記二つの第一巻線ロール24に対し空回りできないように前記二つの第一巻線ロール24を通っており、第一回転軸22と前記二つの第一巻線ロール24が同時にかつ同じ方向に回転できる。前記二つの第一巻線ロール24がそれぞれ一本の第一引きコード26に接続され(図1参照)、第一引きコード26の一端が上梁10を通り、かつ下へ延伸して中梁12に固定接続される。前記第二巻線組30は一つの第二回転軸32と二つの第二巻線ロール34を含み、前記第二回転軸32も同じく、前記二つの第二巻線ロール34に対し空回りできない方式で前記二つの第二巻線ロール34を通り、第二回転軸32と前記二つの第二巻線ロール34が同時にかつ同じ方向に回転できる。前記二つの第二巻線ロール34がそれぞれ一本の第二引きコード36に接続され(図1参照)、第二引きコード36の一端が上梁10を通ってから下へ延伸し、中梁12と遮蔽構造16を順に通った後に下梁14に固定接続される。本実施例において、第一回転軸22と第二回転軸32がそれぞれ多角形棒体であり、第一巻線ロール24が第一回転軸22を通すための多角形孔24aを有し、第二巻線ロール34が第二回転軸32を通すための多角形孔34aを有し、これにより互いに対し空回りしない目的を実現できる。
【0017】
前記昇降制御構造40は上梁10の一側に取り付けられて、前記第一回転軸22または第二回転軸32を操作して回転され、回転する第一回転軸22が第一巻線ロール24を動かして第一引きコード26を巻き戻しまたは引き出し、回転する第二回転軸32が第二巻線ロール34を動かして第二引きコード36を巻き戻しまたは引き出す。本実施例の前記目的を実現するための昇降制御構造40は、露出されてかつループ状の制御コード42を含み、制御コード42の前側コード部分または後側コード部分を下へ引っ張り続け、さらに昇降制御構造40中に含まれるアクチュエータとクラッチを組み合わせることで、第一回転軸22または第二回転軸32を独立に操作して回転させることができ、選択的に第一巻線ロール24または第二巻線ロール34を動かして回転させ、さらに選択的に第一引きコード26または第二引きコード36を巻き戻して、中梁12または下梁14の高さを変えることができる。制御コード42を引っ張る動作を終えた後、昇降制御構造40中に含まれるラッチが第一回転軸22及び第二回転軸32の回転を制限し、中梁12及び下梁14を操作停止の高さに確実に維持する。昇降制御構造40は従来技術に属するため、ここでその中に設置されるアクチュエータ、クラッチとラッチを別途開示しないとする。
【0018】
中梁12または下梁14を操作して下へ移動させたい時に、制御コード42の前側コード部分または後側コード部分を下へ引っ張ると、前記ラッチが選択的に第一回転軸22または第二回転軸32に対する制限を解除し、制限が解除された第一回転軸22または第二回転軸32が自由に回転できるようになり、同時に、第一回転軸22または第二回転軸32が中梁12または下梁14(及び遮蔽構造16)の重量によって回転し、かつ、第一巻線ロール24または第二巻線ロール34から第一引きコード26または第二引きコード36が引き出され、中梁12または下梁14を必要な位置まで降下させることができる。ここで、第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻す回転方向を第一回転方向と定義し、第一引きコード26を引き出す回転方向が第一回転方向と逆の第二回転方向とする。このような昇降制御構造は当該技術分野おいて異なる多様な形があり、また、その代わりに電動制御構造を用いることもできる。また、本実施例において例示された、上梁10の片側に設置され、かつ中梁12及び下梁14を制御できる単一昇降制御構造の他に、上梁10の両側にそれぞれ設置されて、中梁12及び下梁14を各自に独立して制御できる二つの昇降制御構造もあるため、ここでは昇降制御構造の細部構造の説明を省略する。
【0019】
本実施例において、第一回転軸22は連動軸44及びワンウェイクラッチ50によって昇降制御構造40に接続され、前記連動軸44が多角形棒体であり、かつ一端が前記昇降制御構造40に接続されて連動してもよい。前記ワンウェイクラッチ50の両側がそれぞれ前記第一回転軸22の一端と前記連動軸44の一端に合わせられ、前記ワンウェイクラッチ50の一つの作用は、連動軸44が昇降制御構造40のラッチに制限されて動けない時、または昇降制御構造40のアクチュエータと連動して第一回転方向に回転する時、中梁12(及び中梁12の下方に吊り下げられて、かつ下梁14に支持されない一部の遮蔽構造16)の重力により、第一回転軸22に対し、第一回転方向と逆の第二回転方向の力が常に印加されて、中梁12が干渉を受けずに自然に垂れ下がっている時に、ワンウェイクラッチ50が結合して伝動可能な状態になり、この時の昇降制御構造40が前記連動軸44を通して前記第一回転軸22を第一回転方向に回転させることができ、同時に、第一回転軸22に設置された第一巻線ロール24を回転させて、その上に巻き付いている第一引きコード26を巻き戻す。一方、連動軸44が受ける昇降制御構造40のラッチの制限が解除された時、中梁12及び下梁14に支持されていない一部遮蔽構造16の重量により第一回転軸22が第一回転方向と逆の第二回転方向に回転する時、同時に第一回転軸22に設置され第一巻線ロール24を回転させて、その上に巻き付いている第一引きコード26を引き出す。これと同時に、制限を受けていない連動軸44が自由状態になり、第一回転軸22に動かされて、第一回転軸22と同時にかつ同じ方向に回転する。
【0020】
図4及び図5が示すように、本実施例の前記操作を実現するためのワンウェイクラッチ50が一つの外輪52、一つの内輪54と複数個の回転柱56を含み、外輪52と内輪54が相対的に回転できる方式で合わせられ、前記複数個の回転柱56が外輪52と内輪54との間に設置されている。より具体的に言うと、外輪52の一端に第一回転軸22を挿設するための多角形孔を有することで、外輪52が第一回転軸22と連動できるようになり、外輪52の他端に環状フレーム52aが形成されている。内輪54の一端に連動軸44を挿設するための多角形孔を有するため、内輪54が連動軸44と連動できるようになり、内輪54の他端に突出柱54aが形成され、かつ突出柱54aの周縁に複数個のリブ54bが一体形成されている。図5が示すように、内輪54と外輪52を合わせた後、内輪54の突出柱54aが外輪52の環状フレーム52a中に位置し、環状フレーム52aの内面と二個毎の隣接するリブ54bに囲まれて、その間に複数個の楔形空間Sが形成され、これら楔形空間Sの両端の大きさが異なっており、前記回転柱56がそれぞれ各楔形空間S中に対応して位置している。
【0021】
連動軸44が昇降制御構造40のラッチの制限を受けて動けない時、内輪54も不動に維持され、または、連動軸44が昇降制御構造40のアクチュエータと連動して第一回転方向へ回転し、かつ内輪54を動かして同じ方向に回転する時、中梁12(及び中梁12の下方に吊り下げられて、かつ下梁14の支持を受けていない一部遮蔽構造16)の重力作用により、第一回転軸22に対し第一回転方向と逆の第二回転方向の力が常に印加され、その影響で前記複数個の回転柱56が動かされて、楔形空間Sのうち比較的に小さい一端に近いリブ54b上に当接し、かつ環状フレーム52aの内面と突出柱54aの周面に密接し、図5が示すように、この時、回転柱56が楔形空間S中における位置により、内輪54と外輪52において、内輪54が第一回転方向に向かうのに対し外輪52が第二回転方向に向かう相対回転が発生できなくなるが、内輪54と外輪52の間に依然として、内輪54が第一回転方向に向かうのに対し外輪52が第二回転方向に向かう相対回転の傾向が保持され、これにより、ワンウェイクラッチ50が結合して伝動可能な状態になる。即ち、この状態において、連動軸44が昇降制御構造40のラッチの制限を受けている時に、ユーザは制御コード42を引っ張ることで連動軸44を制御し、第一回転方向へ回転させ、かつワンウェイクラッチ50の内輪54と外輪52によって第一回転軸22まで伝動し、前記第一回転軸22を同じように第一回転方向へ回転させて、第一引きコード26を巻き戻す目的を実現できる。逆に、昇降制御構造40のラッチが連動軸44に対する制限を解除した後、ユーザは第一引きコード26を引き出して、遮蔽構造16を展開する目的を実現できる。
【0022】
以上からわかるように、回転柱56が楔形空間Sのうち比較的に小さい一端に近いリブ54bに当接している時に(図5が示す通り)、ワンウェイクラッチ50が前記ように結合して伝動可能な状態にあり、この状態とは、ワンウェイクラッチ50の内輪54と外輪52において、内輪54が第一回転方向に向かうに対し外輪52が第二回転方向に向かって相対回転することが発生せず、第一回転軸22と連動軸44とで連動が発生しかつ保持されることを意味する。一方、本発明で強調したいのは、回転柱56が楔形空間Sのうち比較的に大きい一端(即ち、楔形空間Sの他端)に近いリブ54bに当接している時に、ワンウェイクラッチ50が分離して連動が切断された状態になり、この状態とは、ワンウェイクラッチ50の内輪54と外輪52がそれぞれ独立に、内輪54が第二回転方向に向かって、または外輪52が第一回転方向に向かって回転することができるため、第一回転軸22と連動軸44との間の連動関係が切断されることを意味する。ワンウェイクラッチ50を分離させて連動状態を切断する状況について後述する。
【0023】
また、注意すべきなのは、本発明において、第一実施例を例にすると、ワンウェイクラッチ50が必ず予力ユニット60と組み合わせしなければ、下梁が上へ移動して中梁を押し上げる時に、上梁と中梁との間に位置する引きコードを確実に巻き戻すことができないため、以下はまず予力ユニット60について説明する。
【0024】
本発明の第一実施例によれば、予力ユニット60が前記第一巻線組20の第一回転軸22に対し第二回転方向に向かう駆動力を印加することができる。図6及び図7を参照すると、本実施例の予力ユニット60は、前記目的を実現するための構造としてボックス62、軸スリーブ64、アイドラー66及びバネ68を含む。ここで、ボックス62は一つの第一シェル621と一つの第二シェル622が分離可能に合わせられることで構成されており、第一シェル621と第二シェル622がそれぞれ貫通孔621aと貫通孔622aを有し、第一シェル621内面の貫通孔621aの外周縁に突出した止め壁621bが一体形成され、かつ止め壁621bに近いところに一つの突出柱621cが突き出て構成した支持部を有する。軸スリーブ64とアイドラー66が何れも円筒体であり、かつそれぞれ軸孔64aと軸孔66aを有し、貫通孔621aと貫通孔622aの孔形状と第一回転軸22の断面が互いを干渉しないが、軸孔64aの孔形状と第一回転軸22の断面輪郭が整合し、軸スリーブ64と第一回転軸22が同時に回転できる。バネ68がS型に巻かれ、軸スリーブ64とアイドラー66の間を廻り、かつ一端が前記軸スリーブ64に接続されており、ここで、前記バネ68の軸スリーブ64に巻いて設置された部分を作用部68aと定義し、アイドラー66に巻いて設置された部分を巻き戻し部68bと定義し、かつ、作用部68aと巻き戻し部68bが連動関係にあり、前記第一回転軸22の回転に従って、第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻す多寡が変更されると同時に、作用部68aと巻き戻し部68bの互いの巻き数が対応して変更されて、バネ68が前記軸スリーブ64に対する巻き戻し引張力が蓄積または放出され、前記巻き戻し引張力は即ち本発明で定義される駆動力である。
【0025】
なお、バネ68の巻き戻し引張力(即ち、駆動力)と中梁12及び遮蔽構造16の重力が第一巻線ロール24及び第一回転軸22にいんかされる方向が逆であるため、即ち、巻き戻し引張力は第一巻線ロール24を第一回転軸22とともに第一回転方向へ回転させようとするが、中梁12及び遮蔽構造16の重力は第一巻線ロール24を第一回転軸22とともに第二回転方向へ回転させようとする。ユーザが制御コード42を操作して中梁12を降下させる時に(即ち、昇降制御構造40のラッチが連動軸44に対する制限が解除された時)、中梁12がバネ68の巻き戻し引張力的の作用によって自身の重力で降下できなくなることを防ぐために、バネ68の巻き戻し引張力を中梁12(または一部の遮蔽構造16を加える)の重力より小さく設定して、昇降制御構造40のラッチが連動軸44に対する制限が解除された時に、第一引きコード26が順調に引き出せるようにする。
【0026】
再度図6を参照し、前記予力ユニット60の組立てについてさらに具体的に説明する。既にバネ68が巻かれている軸スリーブ64を前記止め壁621bに囲まれた範囲内に設置し、同時に前記突出柱621cをアイドラー66の軸孔66aから通し、続いて前記第二シェル622を前記第一シェル621に係合させて嵌め合わせ、これにより、軸スリーブ64とアイドラー66を回転可能に前記ボックス62中に位置させ、かつ予力ユニット60をモジュール化する目的を実現できる。
【0027】
第一巻線組20の第一回転軸22が一つの第一巻線ロール24を通った後、前記予力ユニット60の第一シェル621の貫通孔621a、軸スリーブ64の軸孔64a、第二シェル622の貫通孔622aを順に通って、さらにもう一つの第一巻線ロール24を通ってから、前記端によって前記ワンウェイクラッチ50と合わせられ、かつ連動するようにする。本実施例の予力ユニット60は最終的に前記二つの第一巻線ロール24の間に取り付けられるが、必要に応じて任意の一つの第一巻線ロール24の外側に取り付けてもよい。
【0028】
前記説明からわかるように、人が制御コード42を引っ張って前記下梁14を上昇させ、かつ下梁14の移動によって中梁12が押し上げられる前に、中梁12は第一引きコード26に支持されて自然に垂れ下がっている状態であり、この期間に、第一引きコード26が中梁12及びその下方の遮蔽構造16の重量を受けている関係で、張り詰めた状態になり、かつ、この重量によって前記バネ68の巻き戻し引張力が抑制されるため、巻き戻し引張力が不足になり、前記軸スリーブ64が第一回転軸22を動かして回転させできない。
【0029】
しかし、人が意識的にまたは無意識に制御コード42を引っ張り続けて下梁14を上へ移動続けれ、かつ下梁14の上への移動により中梁12を上へ押し上げた時は、中梁12自身及びそれに加える遮蔽構造16の重量が既に上へ移動している下梁14によって相殺されたことを意味し、言い換えれば、この時のバネ68の巻き戻し引張力が抑制されることなく放出される。連動軸44は昇降制御構造40のラッチの制限によって回転不能な状態に保持されるが、バネ68が軸スリーブ64に対し放出する巻き戻し引張力によって第一回転軸22と第一巻線ロール24が第一回転方向に向かって回転するため、第一回転軸22と連動軸44が相対的に回転し、それぞれ第一回転軸22及び連動軸44と連動する外輪52及び内輪54も相対的に回転し、かつ、この相対的な回転によって前記回転柱56が動かされて、楔形空間Sのうち比較的に大きい一端に近いリブ54bに当接し、ワンウェイクラッチ50が結合して伝動可能な状態から分離して連動が切断された状態に変換される。ここまで、連動軸44が依然として昇降制御構造40のラッチの制限を受けるが、この時にワンウェイクラッチ50の内輪54と外輪52がそれぞれ独立して回転するため、前記バネ68が提供する巻き戻し引張力が即時に前記軸スリーブ64に作用し、かつ軸スリーブ64を動かして第一回転方向(即ち、第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻す回転方向)へ回転させ、連動する第一回転軸22が第一巻線ロール24とともに、同時に第一回転方向へ回転して第一引きコード26を巻き戻す。このようなメカニズムにより、従来構造であれば、この状態において第一引きコード26の上梁10と中梁12との間に位置するコード部分が不都合に緩くなる欠点を改善できる。本発明の構造において、中梁12が下梁14に押し上げられる時に、第一引きコード26の上梁10と中梁12との間に位置するコード部分を即時に巻き戻すことができ、第一引きコード26を張り詰めた状態に維持し、カーテン全体の美觀を保ち、かつ、引きコードが露出して絡み合う故に復位不能となって、カーテンが損傷すること、またはその他の物体に引っ掛かる可能性を低減することができる。
【0030】
以上は本発明の第一実施例の二方向開閉式カーテン100を説明したが、開示された予力ユニット60がS型に巻かれたバネ68を含み、その作用部68aと巻き戻し部68bの巻き数は、第一回転軸22が軸スリーブ64を回転させることに従って変化し、軸スリーブ64を引っ張って回転させるために必要な駆動力を生成(蓄積)する。なお、実務上、予力ユニットの構造形態が以上に限定されず、少なくとも、図8ないし図10が示す構造、または図11ないし図13が示す構造であってもよく、これについて後述する。
【0031】
図8は本発明の第二実施例が開示する別の予力ユニット70と前記第一実施例が示す第一巻線組20及び第二巻線組30の相対位置関係である。前記予力ユニット70も同じように前記二つの第一巻線ロール24の間に取り付けられて、駆動力を生成して、中梁12(及び遮蔽構造16)の重力作用を受けていない第一回転軸22を回転させる。図9及び図10を参照すると、予力ユニット70はボックス71、固定座72、巻き軸73、軸スリーブ74及びバネ75を含む。ここで、ボックス71は、一つの筐体711と一つの側蓋712が分離可能に合わせられることで構成され、筐体711の内部に比較的に大きい収容空間を有し、かつ二つの側壁には対応する貫通孔711aを有し、側蓋712の一側面に二つの環状収容槽712aが一体形成されている。固定座72が筐体711と側蓋712との間に設置され、かつ固定座72の対向する二つの側面にそれぞれ一つの軸座721と一つ円筒722が一体成形されており、軸座721が収容孔721aを有し、円筒722が本発明で定義される支持部を構成し、また、固定座72がさらに貫通孔723を有する。
【0032】
予力ユニット70の巻き軸73が一つの円盤73a及び一つの回転軸73bを有し、回転軸73bが円盤73aの回転中心から外へ延伸して構成され、前記巻き軸73はその回転軸73bが前記固定座72の貫通孔723を通った後に傘歯車からなる第一歯部76に固定接続されることで、前記第一歯部76が前記巻き軸73の一端に設置され、かつ、前記第一歯部76が固定座72の軸座721を有する一側に位置し、円盤73aが固定座72の円筒722を有する一側に位置する。巻き軸73が第一歯部76に固定接続された後、両者が同時に回転できる。前記軸スリーブ74は管部74a及び、前記管部74aの一端に接続され、かつ傘歯車によって構成される第二歯部74bを有し、前記軸スリーブ74は前記管部74aと前記第二歯部74bを貫通する軸孔74cを有し、前記軸スリーブ74の管部74aが回転可能に前記固定座72の軸座721の収容孔721aに穿設されている。軸スリーブ74と前記第二歯部74bが同時に回転できる。前記第二歯部74bが前記第一歯部76と噛合うことで、軸スリーブ74と巻き軸73が同時に回転可能にボックス71内に設置されている。
【0033】
前記バネ75の構造は第一実施例におけるバネ68の構造と同様に、連動可能な作用部75aと巻き戻し部75bを有し、前記作用部75aが巻き軸73の円盤73aに巻いて設置され、かつ一端が円盤73aに接続されており、前記巻き戻し部75bが固定座72の円筒722に巻いて設置され、同様に、第一回転軸22の回転によって作用部75aと巻き戻し部75bの巻き数を変更し、対応する駆動力を生成(蓄積)して前記巻き軸73を回転させることができる。
【0034】
モジュール化組立てが完了した予力ユニット70における軸スリーブ74と前記第一歯部76が筐体711の収容空間中に位置し、バネ75の作用部75a及び巻き戻し部75bがそれぞれ側蓋712の対応する収容槽712a中に位置する。前記第一回転軸22が筐体711の貫通孔711aと軸スリーブ74の軸孔74cを通り、前記貫通孔711aが第一回転軸22の回転を影響しないが、第一回転軸22と軸孔74cの配置関係は同様に互いに空回りできないものである。このように、下梁14が中梁12を押し上げるてる時に、前記バネ75が提供する巻き戻し引張力(即ち、駆動力)が作用部75aを介して前記巻き軸73を回転させ、回転する巻き軸73がさらに第一歯部76を介して第二歯部74bと噛合い伝動することで、軸スリーブ74を回転させる。同じように、第一回転軸22が軸スリーブ74と同時かつ同方向に回転して、第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻し、中梁12(及びその負担する遮蔽構造16)の重量が上昇する下梁14によって相殺された時に、第一引きコード26の上梁10と中梁12との間に位置するコード部分の張り詰めた状態を維持できる。
【0035】
図11は本発明の第三実施例によって開示された別の予力ユニット80と第一実施例が示す第一巻線組20及び第二巻線組30の相対位置関係である。前記予力ユニット80は同じように、前記二つの第一巻線ロール24の間に取り付けられて、駆動力を生成して、中梁12(及び遮蔽構造16)の重力作用を受けていない第一回転軸22を回転させる。図12及び図13を参照すると、予力ユニット80はボックス82、軸スリーブ84及びバネ86を含む。ここで、ボックス82は、一つの第一シェル821と一つの第二シェル822が分離可能に合わせられることで構成され、第一シェル821と第二シェル822がそれぞれ貫通孔821aと貫通孔822aを有し、かつ、貫通孔821a及びと貫通孔822aの孔形状と第一回転軸22の断面輪郭が互いに干渉せず、第一回転軸22が貫通孔821a及び貫通孔822a中に自由に回転できる。第一シェル821の内面の貫通孔821aの外周縁に突出した止め壁821bが一体形成されており、止め壁821bが欠け口821cを有する。軸スリーブ84は軸孔841aを有する軸管841を含み、かつ、軸管841の外周面に円盤842が一体的に接続されており、円盤842の一側面に定位突起ブロック842aを有する。前記バネ86は第一端86aと第二端86bを有し、前記第一端86aがボックス82に連結されて固定不動な支持点を構成し、前記第二端86bが前記軸スリーブ84と連動する。図14を参照すると、本実施例のバネ86は渦巻きバネであり、一部軸管841の外部に巻いて設置され、かつ、前記止め壁821bに囲まれた範囲内に位置し、バネ86の第一端86aが前記止め壁821bの欠け口821c中に嵌め込まれて、不動に定位され、バネ86の第二端86bが湾曲状であり、かつ前記定位突起ブロック842aに係合する。このように、前記バネ86で蓄積された巻き戻し力が前記軸スリーブ84に持続して作用することができる。
【0036】
前記第一回転軸22がボックス82上の貫通孔821a、軸孔841aと貫通孔822aを通り、かつ第一回転軸22と軸孔841aの配置関係が依然として互いに空回りできないものである。これにより、下梁14が中梁12を押し上げて移動させる時に、前記バネ86が提供する巻き戻し引張力(即ち、駆動力)が直接に軸スリーブ84及び第一回転軸22を動かして、同時かつ同方向に回転させ、かつ、第一巻線ロール24によって第一引きコード26を巻き戻し、緩み防止の目的を実現できる。
【0037】
以上からわかるように本発明はバネ68、75、86から第一回転軸22に提供される巻き戻し引張力を利用して、第一回転軸22を第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻す第一回転方向へ回転させ、かつ、ワンウェイクラッチ50の一方向のクラッチ機能により、中梁12が自然に垂れ下がった状態において、ワンウェイクラッチ50が結合して伝動可能な状態に保持され、連動軸44と第一回転軸22が同時動作の関係を保持して、ユーザが昇降制御構造40を操作して第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻しまたは引き出して、中梁12の高さを任意に変えることに有利である。下梁14の移動により中梁12がさらに持ち上げれて、中梁12及びその下に吊り下げられている遮蔽構造16が第一巻線ロール24及び第一回転軸22に対する重力作用が相殺された時に、バネ68、75、86が提供する駆動力が第一回転軸22を第一回転方向へ回転させ、同時に、ワンウェイクラッチ50の状態を分離して伝動不能の状態に変えて、第一回転軸22と連動軸44との間の連動関係を切断し、第一回転軸22の回転が昇降制御構造40のラッチの制限を受けないことを確保し、駆動力の作用に自由に任せて、第一巻線ロール24が第一引きコード26を巻き戻すことができ、第一引きコード26が緩まない状態を保持する。
【0038】
前記目的から、各実施例の予力ユニット60、70、80の構造は、その作用がバネ68、75、86と第一回転軸22を安定的かつ連動させて配置し、中梁12が昇降制御構造40に操作される時に、それに応じた巻き戻し引張力を蓄積または放出することができ、かつ、中梁12が下梁14によって持ち上げられた時に、バネ68、75、86が順調に駆動力を出力する。その他に、前記異なる実施形態は、異なる上梁10の空間配置のニーズに対応するためでもある。従って、同じ機能を有する任意の構造配置、固定または成形を含む手段変化は全て等価の範囲に属すると理解すべきである。また、その構造中にバネ68、75の巻き戻し部68b、75bを巻くためのアイドラーを有するか否か、または、ボックスに対応する空間が形成されて巻き戻し部68b、75bの位置を制限するように変えたもの同じである。バネ68、75、86に定荷重バネまたは不定荷重バネを用いることは、設計上のニーズに応じて選択するものであり、これを限定しない。また、理解すべきなのは、一方向クラッチ作用を達成できるワンウェイクラッチの種類が豊富であり、前記実施例で開示したワンウェイクラッチ50に限定されず、その他の常用のワンウェイクラッチも技術的に等価の範囲に属する。
【0039】
以上は本発明の好ましい実施例のみであり、本発明の明細書及び請求の範囲で行われた等価な変更は、全て本発明の範囲内に属するとする。
【符号の説明】
【0040】
100 二方向開閉式カーテン
10 上梁
12 中梁
14 下梁
16 遮蔽構造
20 第一巻線組
22 第一回転軸
24 第一巻線ロール
24a 多角形孔
26 第一引きコード
30 第二巻線組
32 第二回転軸
34 第二巻線ロール
34a 多角形孔
36 第二引きコード
40 昇降制御構造
42 制御コード
44 連動軸
5-5 線
50 ワンウェイクラッチ
52 外輪
52a 環状フレーム
54 内輪
54a 突出柱
54b リブ
56 回転柱
60 予力ユニット
62 ボックス
621 第一シェル
621a 貫通孔
621b 止め壁
621c 突出柱
622 第二シェル
622a 貫通孔
64 軸スリーブ
64a 軸孔
66 アイドラー
66a 軸孔
68 バネ
68a 作用部
68b 巻き戻し部
7-7 線
70 予力ユニット
71 ボックス
711 筐体
711a 貫通孔
712 側蓋
712a 収容槽
72 固定座
721 軸座
721a 収容孔
722 円筒
723 貫通孔
73 巻き軸
73a 円盤
73b 回転軸
74 軸スリーブ
74a 管部
74b 第二歯部
74c 軸孔
75 バネ
75a 作用部
75b 巻き戻し部
76 第一歯部
80 予力ユニット
82 ボックス
821 第一シェル
821a 貫通孔
821b 止め壁
821c 欠け口
822 第二シェル
822a 貫通孔
84 軸スリーブ
841 軸管
841a 軸孔
842 円盤
842a 定位突起ブロック
86 バネ
86a 第一端
86b 第二端
S 楔形空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二方向開閉式カーテンであって、
上梁と、
前記上梁の下方に可動的に位置する中梁と、
前記中梁の下方に可動的に位置する下梁と、
前記中梁と前記下梁との間に設置された遮蔽構造と、
前記上梁に設置され、第一回転軸または第二回転軸を操作して回転させる昇降制御構造と、
前記上梁に設置され、かつ、バネと軸スリーブを含む予力ユニットと、
前記第一回転軸と前記昇降制御構造との間に位置するワンウェイクラッチとを含み、
前記第一回転軸が前記軸スリーブを通って、前記軸スリーブと連動して設置され、前記バネが前記軸スリーブによって前記第一回転軸に駆動力を提供し、
前記第一回転軸が第一引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第一引きコードの一端が前記中梁に固定され、
前記第二回転軸が第二引きコードを巻き戻しまたは引き出し、前記第二引きコードの一端が前記下梁に固定され、
前記下梁が前記中梁を上へ押して前記中梁を上に移動させる時に、前記ワンウェイクラッチが前記第一回転軸と前記昇降制御構造の連動を切断し、前記予力ユニットが前記第一回転軸に対し前記駆動力を提供し、前記駆動力が前記第一回転軸を回転させ、かつ前記第一引きコードを巻き戻す、二方向開閉式カーテン。
【請求項2】
前記予力ユニットがボックスを含み、前記軸スリーブが回転可能に前記ボックス中に設置され、
前記バネが第一端と第二端を有し、前記第一端が前記ボックスに連結されて固定不動の支持点を構成し、前記第二端が前記軸スリーブと連動する、請求項に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項3】
前記予力ユニットはボックスを含み、前記軸スリーブが回転可能に前記ボックス中に設置され、
前記バネが連動する作用部と巻き戻し部を含み、前記巻き戻し部が前記ボックス中に位置し、前記作用部が前記軸スリーブに巻いて設置され、かつ一端が前記軸スリーブに接続され、
前記バネが前記軸スリーブによって前記第一回転軸に前記駆動力を提供する、請求項に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項4】
前記予力ユニットはボックス及び巻き軸を含み、前記巻き軸が回転可能に前記ボックス中に設置され、
前記バネが連動する作用部と巻き戻し部を含み、前記巻き戻し部が前記ボックス中に位置し、
前記作用部が前記巻き軸に巻いて設置され、かつ一端が前記巻き軸に接続され、
前記巻き軸の一端に第一歯部が設置され、前記軸スリーブの一端に第二歯部が設置されており、前記第一歯部と前記第二歯部が噛合い、
前記バネが前記巻き軸によって前記軸スリーブと連動し、前記第一回転軸に前記駆動力を提供する、請求項に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項5】
前記ボックスの内部に支持部が設置されており、前記バネの前記巻き戻し部が前記支持部に巻いて設置されている、請求項またはに記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項6】
前記二方向開閉式カーテンが連動軸を含み、
前記連動軸の一端が前記昇降制御構造に接続され、
前記ワンウェイクラッチの両側がそれぞれ前記第一回転軸と前記連動軸に合わせられている、請求項1からの何れか一項に記載の二方向開閉式カーテン。