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特開2022-13680免税処理方法、免税処理システム及び免税処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013680
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】免税処理方法、免税処理システム及び免税処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220111BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067229
(22)【出願日】2021-04-12
(31)【優先権主張番号】P 2020113433
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520239285
【氏名又は名称】株式会社TomoBiz
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】崔 彰桓
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB44
(57)【要約】
【課題】アウトソーシングによって、免税店の負担を軽減することができる免税処理方法、免税処理システム及び免税処理装置を提供する。
【解決手段】免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法では、複数の免税店の夫々にて取得された、商品を購入した購入者の入国資格を証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を、受信し、前記複数の免税店の夫々について、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容から、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、前記複数の免税店の中の一の免税店に関して前記条件が満たされていない場合は、免税ができないことを示す情報を前記一の免税店へ送信し、前記複数の免税店の中の一の免税店に関して前記条件が満たされている場合は、免税に応じた還付金額を特定し、前記還付金額を前記一の免税店へ送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法であって、
複数の免税店の夫々にて取得された、商品を購入した購入者の入国資格を証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を、受信し、
前記複数の免税店の夫々について、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容から、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、
前記複数の免税店の中の一の免税店に関して前記条件が満たされていない場合は、免税ができないことを示す情報を前記一の免税店へ送信し、
前記複数の免税店の中の一の免税店に関して前記条件が満たされている場合は、免税に応じた還付金額を特定し、前記還付金額を前記一の免税店へ送信する
ことを特徴とする免税処理方法。
【請求項2】
前記証明書の内容から、前記購入者が非居住者であるか否かを判定し、
前記購入者が非居住者ではない場合に、前記条件が満たされていないと判定し、
前記購入者が非居住者である場合に、前記商品購入の内容から、前記商品の種類及び価格を特定し、
前記商品の種類及び価格から、前記商品が免税の対象であるか否かを判定し、
前記商品が免税の対象ではない場合に、前記条件が満たされていないと判定し、
前記商品が免税の対象である場合に、前記条件が満たされていると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の免税処理方法。
【請求項3】
前記還付金額は、前記商品の価格に基づいて計算される免税額から手数料を差し引いた金額である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の免税処理方法。
【請求項4】
前記複数の免税店の夫々について発生した前記手数料を記録した手数料データを作成する
ことを特徴とする請求項3に記載の免税処理方法。
【請求項5】
前記複数の免税店の夫々について、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、
前記複数の免税店の夫々に関する前記購入記録情報を国税庁へ提供する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の免税処理方法。
【請求項6】
免税店、該免税店から前記証明書の画像及び前記レシートの画像を受信することによって免税に関する処理の依頼を受け付けた日時、並びに前記処理の状況を関連付けて記録したリストを出力する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の免税処理方法。
【請求項7】
端末装置と、免税処理装置とを備え、
前記端末装置は、
商品を購入した購入者の入国資格を証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得し、
前記証明書の画像及び前記レシートの画像を前記免税処理装置へ送信し、
前記免税処理装置は、
前記証明書の内容及び前記商品購入の内容から、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、
前記条件が満たされていない場合は、免税ができないことを示す情報を前記端末装置へ送信し、
前記条件が満たされている場合は、免税に応じた還付金額を特定し、前記還付金額を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、
前記還付金額を出力する
ことを特徴とする免税処理システム。
【請求項8】
免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法であって、
商品を購入した購入者が非居住者であることを示す情報を取得し、
前記商品の価格及び消費税額を示す情報を取得し、
前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得し、
前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた還付金額を特定し、
前記還付金額を通知し、
前記還付金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、
前記購入記録情報を国税庁へ提供する
ことを特徴とする免税処理方法。
【請求項9】
免税店での免税に関する処理を行う免税処理装置であって、
端末装置によって受け付けられた、商品を購入した購入者が非居住者であることを示す情報、並びに前記商品の価格及び消費税額を示す情報を取得する第1データ取得部と、
端末装置によって取得された、前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得する第2データ取得部と、
前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた還付金額を特定する金額特定部と、
前記還付金額を前記端末装置へ通知する通知部と、
前記還付金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成する作成部と、
前記購入記録情報を国税庁へ提供する提供部と
を備えることを特徴とする免税処理装置。
【請求項10】
端末装置と、免税処理装置とを備え、
前記端末装置は、
商品を購入した購入者が非居住者であることを示す情報、及び前記商品の価格及び消費税額を示す情報を受け付ける情報受付部と、
前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得する画像取得部と、
前記情報受付部が受け付けた情報、及び前記画像取得部が取得した画像を前記免税処理装置へ送信するデータ送信部とを有し、
前記免税処理装置は、
前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた還付金額を特定する金額特定部と、
前記還付金額を前記端末装置へ送信することにより、前記還付金額を通知する通知部とを有し、
前記端末装置は、更に、
前記還付金額を出力する金額出力部を有し、
前記免税処理装置は、更に、
前記還付金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成する作成部と、
前記購入記録情報を国税庁へ提供する提供部とを有する
ことを特徴とする免税処理システム。
【請求項11】
免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法であって、
商品を購入した購入者が支払いを行う前に、前記購入者が非居住者であることを示す情報と、前記商品の価格及び消費税額を示す情報と、前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像とを取得し、
前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた決済金額を特定し、
前記決済金額を通知し、
前記決済金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、
前記購入記録情報を国税庁へ提供する
ことを特徴とする免税処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗での免税に関する処理を実行する免税処理方法、免税処理システム及び免税処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外国人旅行者等の非居住者が国内で物品を購入する場合に物品にかかる消費税が免除される免税(Tax Free)の制度が存在する。免税によって、非居住者による物品の購入を促進させることができる。輸出物品販売場(いわゆる免税店)では、非居住者に対して、消費税を免除した上で物品を販売することができる。この際、免税店では、購入者が非居住者であることの確認、商品が免税対象の物品であるか否かの判定、免税額の算出、購入に関する情報の記録等、種々の作業を行う必要がある。そこで、これらの作業を補助する技術が開発されている。特許文献1には、免税に関する処理を実行する技術の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-74109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術等の従来の技術では、免税に関する処理を実行するための特別な機材を免税店に導入する必要がある。このため、機材の初期費用及び維持費用等のコストが高い。また、依然として、免税に関する作業は免税店にて行なう必要があるので、免税店では、免税に関する作業を行うための人員が必要となる。このように、免税に関する処理を実行する従来の技術を利用することは、免税店にとって負担が大きく、特に小規模な店舗にとっては困難である。免税店を増やし、免税市場を拡大させるには、免税店の負担をより軽減させることができる技術が必要である。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、アウトソーシングによって、免税店の負担を軽減することができる免税処理方法、免税処理システム及び免税処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る免税処理方法は、免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法であって、複数の免税店の夫々にて取得された、商品を購入した購入者の入国資格を証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を、受信し、前記複数の免税店の夫々について、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容から、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、前記複数の免税店の中の一の免税店に関して前記条件が満たされていない場合は、免税ができないことを示す情報を前記一の免税店へ送信し、前記複数の免税店の中の一の免税店に関して前記条件が満たされている場合は、免税に応じた還付金額を特定し、前記還付金額を前記一の免税店へ送信することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る免税処理方法は、前記証明書の内容から、前記購入者が非居住者であるか否かを判定し、前記購入者が非居住者ではない場合に、前記条件が満たされていないと判定し、前記購入者が非居住者である場合に、前記商品購入の内容から、前記商品の種類及び価格を特定し、前記商品の種類及び価格から、前記商品が免税の対象であるか否かを判定し、前記商品が免税の対象ではない場合に、前記条件が満たされていないと判定し、前記商品が免税の対象である場合に、前記条件が満たされていると判定することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る免税処理方法は、前記還付金額は、前記商品の価格に基づいて計算される免税額から手数料を差し引いた金額であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る免税処理方法は、前記複数の免税店の夫々について発生した前記手数料を記録した手数料データを作成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る免税処理方法は、前記複数の免税店の夫々について、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、前記複数の免税店の夫々に関する前記購入記録情報を国税庁へ提供することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る免税処理方法は、免税店、該免税店から前記証明書の画像及び前記レシートの画像を受信することによって免税に関する処理の依頼を受け付けた日時、並びに前記処理の状況を関連付けて記録したリストを出力することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る免税処理システムは、端末装置と、免税処理装置とを備え、前記端末装置は、商品を購入した購入者の入国資格を証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得し、前記証明書の画像及び前記レシートの画像を前記免税処理装置へ送信し、前記免税処理装置は、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容から、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、前記条件が満たされていない場合は、免税ができないことを示す情報を前記端末装置へ送信し、前記条件が満たされている場合は、免税に応じた還付金額を特定し、前記還付金額を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、前記還付金額を出力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る免税処理方法は、免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法であって、商品を購入した購入者が非居住者であることを示す情報を取得し、前記商品の価格及び消費税額を示す情報を取得し、前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得し、前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた還付金額を特定し、前記還付金額を通知し、前記還付金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、前記購入記録情報を国税庁へ提供することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る免税処理装置は、免税店での免税に関する処理を行う免税処理装置であって、端末装置によって受け付けられた、商品を購入した購入者が非居住者であることを示す情報、並びに前記商品の価格及び消費税額を示す情報を取得する第1データ取得部と、端末装置によって取得された、前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得する第2データ取得部と、前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた還付金額を特定する金額特定部と、前記還付金額を前記端末装置へ通知する通知部と、前記還付金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成する作成部と、前記購入記録情報を国税庁へ提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る免税処理システムは、端末装置と、免税処理装置とを備え、前記端末装置は、商品を購入した購入者が非居住者であることを示す情報、及び前記商品の価格及び消費税額を示す情報を受け付ける情報受付部と、前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像を取得する画像取得部と、前記情報受付部が受け付けた情報、及び前記画像取得部が取得した画像を前記免税処理装置へ送信するデータ送信部とを有し、前記免税処理装置は、前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた還付金額を特定する金額特定部と、前記還付金額を前記端末装置へ送信することにより、前記還付金額を通知する通知部とを有し、前記端末装置は、更に、前記還付金額を出力する金額出力部を有し、前記免税処理装置は、更に、前記還付金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成する作成部と、前記購入記録情報を国税庁へ提供する提供部とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る免税処理方法は、免税店での免税に関する処理を行う免税処理方法であって、商品を購入した購入者が支払いを行う前に、前記購入者が非居住者であることを示す情報と、前記商品の価格及び消費税額を示す情報と、前記購入者が非居住者であることを証明する証明書の画像及び前記購入者による商品購入の内容を記載したレシートの画像とを取得し、前記商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税に応じた決済金額を特定し、前記決済金額を通知し、前記決済金額を通知した後で、前記証明書の画像及び前記レシートの画像に基づいて、前記証明書の内容及び前記商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、前記購入記録情報を国税庁へ提供することを特徴とする。
【0017】
本発明においては、免税店の店員又は商品の購入者が端末装置を操作し、端末装置は、購入者の入国資格を証明する旅券等の証明書の画像と、商品購入の内容を記載したレシートの画像とを取得し、免税処理装置へ送信する。免税処理装置は、複数の免税店から、証明書の画像及びレシートの画像を受信し、証明書の画像及びレシートの画像に基づいて、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定する。条件が満たされていない場合は、免税処理装置は、免税ができないことを示す情報を端末装置へ送信する。条件が満たされている場合は、免税処理装置は、還付金額を特定し、還付金額を示す情報を端末装置へ送信する。端末装置は、還付金額を出力する。このように、複数の免税店での免税に関する処理を、免税処理装置が代行して実行する。免税に関する処理の多くが免税店の外部で行われ、免税店は、免税に関する処理の多くをアウトソーシングすることができる。店員又は購入者は、免税に関する作業を容易に行うことができる。
【0018】
本発明の一形態においては、証明書の内容から購入者が非居住者であるか否かを判定し、商品購入の内容から商品が免税の対象であるか否かを判定することにより、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定する。商品の購入者が非居住者であり、かつ、購入された商品が免税の対象である場合に、免税のために必要な条件が満たされていると判定される。取得された証明書の画像及びレシートの画像に基づいて、判定が可能である。免税店では、証明書及びレシートの画像を取得するだけで、免税の可否の判定結果及び還付金額を得ることができる。
【0019】
本発明の一形態においては、還付金額は、免税額から手数料を差し引いた額である。手数料を徴収することにより、購入者に対して免税のサービスを提供しながら、サービスの対価が得られる。
【0020】
本発明の一形態においては、複数の免税店の夫々について手数料を記録した手数料データを作成する。免税処理を代行する事業所は、手数料データに基づいて、手数料の支払を受けることができる。
【0021】
本発明の一形態においては、証明書の内容及び商品購入の内容を含んだ購入記録情報を作成し、国税庁へ提供する。免税の際に必要な購入記録情報の国税庁への提供が代行され、免税店の負担が軽減される。
【0022】
本発明の一形態においては、複数の免税店に係る免税に関する処理の状況を記録したリストを出力する。リストが出力されることにより、複数の免税店に係る処理の状況が明らかとなる。リストを利用して、次に実行すべき処理を選択することも可能である。
【0023】
本発明の一形態においては、購入記録情報を作成する処理を行う前に、購入者に対して、免税に応じた還付を行う。還付が行われる前に行われる処理が少なく、物品が購入されてから還付が行われるまでにかかる時間が短縮される。このため、購入者の待ち時間が短縮される。
【0024】
本発明の一形態においては、決済を行う前に免税処理を開始し、免税に応じた決済金額を特定し、特定した決済金額を利用して決済を行う。購入者は、税込みの金額を一旦支払ってから還付を受けるのではなく、予め免税された金額を支払う。このため、購入者の手間が削減される。
【発明の効果】
【0025】
本発明にあっては、免税店は、免税に関する処理の多くをアウトソーシングすることができ、免税に関する免税店の負担が軽減される。免税店の負担が軽減することによって、免税店の数が増加することが期待され、免税市場の拡大が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態1に係る免税処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】端末装置2の内部の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る免税処理装置の内部の機能構成例を示すブロック図である。
図4】商品データベースの内容例を示す概念図である。
図5】記憶装置の内部の機能構成例を示すブロック図である。
図6】実施形態1に係る免税処理システムが実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。
図7】実施形態1に係る免税処理システムが実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。
図8】端末装置が表示する案内画像の例を示す模式図である。
図9】端末装置が表示する案内画像の例を示す模式図である。
図10】実施形態1に係る処理依頼リストの内容の例を示す模式図である。
図11】手数料データの内容例を示す概念図である。
図12】実施形態1に係る端末装置が還付金額を表示する画像の例を示す模式図である。
図13】実施形態2に係る免税処理装置の内部の機能構成例を示すブロック図である。
図14】非居住者判定モデルの機能の概要を示す概念図である。
図15】商品判定モデルの機能の概要を示す概念図である。
図16】実施形態3に係る免税処理システムの構成例を示す模式図である。
図17】実施形態4に係る免税処理システムが実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。
図18】本人確認のための画面の例を示す模式図である。
図19】購入者が非居住者であることを示す情報を受け付けるための画面の例を示す模式図である。
図20】商品の価格及び消費税額を示す情報を受け付けるための画面の例を示す模式図である。
図21】消費税率が異なる商品を区別するように指示を出力するための画面の例を示す模式図である。
図22】実施形態4に係る端末装置が還付金額を表示する画像の例を示す模式図である。
図23】実施形態4に係る処理依頼リストの内容の例を示す模式図である。
図24】実施形態5に係る免税処理システムが実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。
図25】実施形態5に係る端末装置が決済金額を表示する画像の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る免税処理システム10の構成例を示す模式図である。免税処理システム10は、複数の免税店1における免税に関する業務の多くを免税処理事業所3で代行するためのシステムである。免税店1は、商品を販売する店舗である。免税の条件が満たされている場合、免税店1で購入された商品の消費税が免税される。免税の条件は、商品の購入者11が非居住者であり、かつ、購入された商品が免税の対象であることを含む。購入者11が非居住者であるか否かは、旅券等、購入者11の入国資格を証明する証明書12を用いて判定される。購入された商品が免税対象であるか否かは、キャッシュレジスタ等の精算装置13が排出したレシート14を用いて判定される。レシート14は、購入者11による商品購入の内容、例えば購入された商品の商品名、数、単価及び合計価格が記載された領収書である。免税処理システム10は、端末装置2を含んでいる。免税店1の店員15は、端末装置2を操作する。
【0028】
免税処理システム10は、免税処理事業所3に設けられた免税処理装置4を含んでいる。免税処理装置4を用いて、免税処理方法が実行される。免税処理装置4は、インターネット等の通信ネットワーク6に接続される。端末装置2は、通信を行うことが可能であり、通信ネットワーク6を介して免税処理装置4との間でデータを送受信する。国税庁5には、記憶装置50が設けられている。記憶装置50は通信ネットワーク6に接続される。免税処理装置4は、通信ネットワーク6を介して記憶装置50へデータを送信することができる。
【0029】
免税店1は複数存在する。夫々の免税店1において、少なくとも一台の端末装置2が使用される。一つの免税店1において複数の端末装置2が使用されてもよい。免税処理装置4は、複数の端末装置2とデータを送受信する。免税処理装置4は、端末装置2から受信したデータに基づいて、免税の可否の判定等の免税に必要な処理を実行する。なお、免税処理システム10は、複数の免税処理装置4を含んでいてもよい。
【0030】
図2は、端末装置2の内部の構成例を示すブロック図である。端末装置2は、スマートフォン又はタブレット型コンピュータ等、携帯型のコンピュータである。端末装置2は、演算部21と、メモリ22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26と、カメラ部27を備えている。演算部21は、例えばCPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部21は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ22は、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶する。メモリ22は、例えばRAM(Random Access Memory)である。記憶部23は、不揮発性であり、例えばハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。操作部24は、店員15からの操作を受け付けることにより、処理の開始の指示等の情報の入力を受け付ける。操作部24は、例えばタッチパネルである。表示部25は、画像を表示する。表示部25は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイ(Electroluminescent Display)である。通信部26は、無線通信により、通信ネットワーク6を介して免税処理装置4と通信を行う。カメラ部27は、撮像素子を用いて構成されており、外部を撮影する。
【0031】
記憶部23は、コンピュータプログラム231を記憶する。コンピュータプログラム231は、通信部26を用いてダウンロードされ、記憶部23に記憶される。例えば、コンピュータプログラム231は、免税処理装置4からダウンロードされる。コンピュータプログラム231は、予め記憶部23に記憶されていてもよい。或は、コンピュータプログラム231は、記憶部23ではなく、メモリ22に記憶されてもよい。例えば、コンピュータプログラム231は、免税処理システム10に関する処理を実行する際にダウンロードされ、メモリ22に記憶され、免税処理システム10に関する処理が終了する際にメモリ22から消去されてもよい。演算部21は、コンピュータプログラム231に従って必要な処理を実行する。また、記憶部23は、免税に関する必要事項を購入者11に対して説明するための画像を表す画像データを記憶している。
【0032】
図3は、実施形態1に係る免税処理装置4の内部の機能構成例を示すブロック図である。免税処理装置4は、サーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。免税処理装置4は、演算部41と、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶するメモリ42と、光ディスク又は可搬型メモリ等の記録媒体40から情報を読み取るドライブ部43と、記憶部44と、操作部45と、表示部46と、通信部47とを備えている。演算部41は、例えばCPU、GPU、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部41は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ42は、例えばRAMである。記憶部44は、不揮発性であり、例えばハードディスクである。操作部45は、免税処理事業所3での作業者31からの操作を受け付けることにより、各種の情報の入力を受け付ける。操作部45は、例えばキーボード又はポインティングデバイスである。表示部46は、画像を表示する。表示部46は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイである。通信部47は、通信ネットワーク6に接続される。通信部47は、通信ネットワーク6を介して、端末装置2と通信を行う。
【0033】
演算部41は、記録媒体40に記録されたコンピュータプログラム441をドライブ部43に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム441を記憶部44に記憶させる。演算部41は、コンピュータプログラム441に従って、免税処理装置4に必要な処理を実行する。なお、コンピュータプログラム441は、通信部47により免税処理装置4の外部からダウンロードされてもよい。この場合は、免税処理装置4はドライブ部43を備えていなくてもよい。
【0034】
記憶部44は、商品データベース442を記憶している。図4は、商品データベース442の内容例を示す概念図である。商品データベース442は、免税店1で販売される商品の商品名を記録している。商品は、一般物品、消耗品又は免税の対象外品のいずれかの種類分類されており、商品名にいずれかの特定の種類が関連付けられている。一般物品は、家電製品及び衣類等であり、消耗品は、食品及び化粧品等である。対象外品は、物品では無いサービス等である。図4に示す例では、商品名A及び商品名Bに「一般物品」が関連付けられ、商品名C及び商品名Dに「消耗品」が関連付けられ、商品名Eに「対象外品」が関連付けられている。また、記憶部44は、複数の免税店1から依頼された免税処理の状況を記録した処理依頼リスト443と、複数の免税店1で発生した免税処理の手数料を記録した手数料データ444を記録している。
【0035】
免税処理装置4は、複数のコンピュータで構成されてもよい。例えば、記憶部44は、互いに接続された複数のコンピュータで構成されてもよく、クラウドを用いて構成されてもよい。例えば、操作部45及び表示部46は、通信ネットワークを通じて演算部41及び記憶部44に接続されていてもよい。作業者31は、免税処理事業所3の従業者であってもよく、免税処理事業所3から業務を委託された人員であってもよい。又は、免税処理装置4は、免税処理システム10を構築した免税処理事業所3から業務を委託された別の事業者によって、通信ネットワーク6を通じたオンライン処理によって運用されてもよい。免税処理システム10は、複数の免税処理装置4を備えていてもよい。
【0036】
図5は、記憶装置50の内部の機能構成例を示すブロック図である。記憶装置50は、サーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。記憶装置50は、演算部501と、メモリ502と、記憶部503と、通信部505とを備えている。演算部501は、例えばCPU、GPU、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部501は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ502は、例えばRAMである。記憶部503は、不揮発性であり、例えばハードディスクである。記憶部503は、コンピュータプログラム504を記憶する。演算部501は、コンピュータプログラム504に従って、記憶装置50に必要な処理を実行する。通信部505は、通信ネットワーク6に接続される。通信部505は、通信ネットワーク6を介して、免税処理装置4と通信を行う。記憶部503は、免税に関する情報を含んだ購入記録情報を記憶する。
【0037】
次に、免税処理システム10が実行する処理を説明する。免税店1において、購入者11によって商品が購入される。購入者11は、商品の対価として、消費税を含んだ金額で支払いを行い、売買取引が一旦完了する。キャッシュレジスタ等の精算装置13は、売買取引の内容を記録し、購入者11による商品購入の内容が記載されたレシート14を排出する。レシート14には、購入された商品の商品名、購入された商品の数、購入された商品の単価、及び合計価格が記載されている。購入者11が非居住者である場合、購入者11は、旅券等、購入者11の入国資格を証明する証明書12を所持している。購入者11は、証明書12及びレシート14を店員15に提示し、証明書12及びレシート14を利用して、免税処理が行われる。証明書12としては、旅券の他に、購入者11の入国資格を証明する旅券に準ずる書面であってもよい。例えば、証明書12は、乗員上陸許可書であってもよい。免税処理は、売買取引が行われたその場所で行われてもよい。購入者11は、移動をせずに免税を受けることができる。或は、免税処理は、免税カウンター等の特定の場所で行われてもよい。この場合は、購入者11は、特定の場所へ移動し、証明書12及びレシート14を店員15に提示し、免税処理が行われる。
【0038】
購入者11は、店員15に対して、証明書12及びレシート14を提示する。店員15は、端末装置2に対して、免税処理を行うための操作を行う。なお、店員15は、免税処理の際に、レシート14に記載された商品の種類を区別するための記号をレシート14に記入してもよい。例えば、店員15は、数字を記号として用いて、一般物品の商品名に付随して数字の1を記入し、消耗品の商品名に付随して数字の2を記入する。例えば、主に一般物品を販売する免税店1において、店員15は、消耗品の商品名に付随して数字の2を記入する。例えば、主に消耗品を販売する免税店1において、店員15は、一般物品の商品名に付随して数字の2を記入する。数字以外の所定の文字又は図形が記号として用いられてもよい。精算装置13は、商品の種類を区別するための記号を記載してあるレシート14を排出する形態であってもよい。この場合は、店員15が記号を記入する必要はない。精算装置13は、商品購入の内容を商品の種類別にまとめて記載したレシート14を排出する形態であってもよい。
【0039】
図6及び図7は、実施形態1に係る免税処理システム10が実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。以下、ステップをSと略す。端末装置2は、店員15の操作を操作部24で受け付ける。端末装置2は、店員15の操作に応じて、処理開始の指示を受け付け、演算部21は、コンピュータプログラム231に従って、免税処理のためのアプリケーションを実行し、処理を開始する(S1)。演算部21は、コンピュータプログラム231に従って処理を実行する。例えば、端末装置2は、処理開始の指示を受け付けるためのアイコンを表示部25に表示し、店員15がアイコンを指定する操作を行うことに応じて、処理を開始する。
【0040】
端末装置2は、証明書12の内容と、レシート14に記載された商品購入の内容とを取得する(S2)。S2では、端末装置2は、証明書12を撮影した画像を取得することにより、証明書12の内容を取得し、レシート14を撮影した画像を取得することにより、商品購入の内容を取得する。証明書12が旅券である場合、免税処理に必要な情報は、顔写真が記録されたページと、入国スタンプが押印されたページとに記録されている。演算部21は、画像の取得を案内するための案内画像を表示部25に表示し、店員15は、案内画像に従って端末装置2を操作し、操作部24は店員15による操作を受け付ける。
【0041】
図8及び図9は、端末装置2が表示する案内画像の例を示す模式図である。図8には、旅券の顔写真が記録されたページを撮影することを案内する案内画像の例を示す。例えば、案内画像に含まれるカメラの画像を店員15が指定することに応じて、演算部21は、カメラ部27により、外部を撮影する。店員15は、旅券の顔写真が記録されたページが撮影されるように端末装置2を操作し、端末装置2は、顔写真が記録されたページを撮影した画像を取得する。また、演算部21は、旅券の入国スタンプが押印されたページを撮影することを案内する案内画像を表示部25に表示し、店員15は端末装置2を案内に応じて操作し、端末装置2は、入国スタンプが押印されたページを撮影した画像を取得する。
【0042】
更に、演算部21は、レシート14を撮影することを案内する案内画像を表示部25に表示する。図9には、レシート14を撮影することを案内する案内画像の例を示す。店員15は、案内に従って、レシート14が撮影されるように端末装置2を操作し、端末装置2は、レシート14が撮影された画像を取得する。証明書12及びレシート14の画像を取得することにより、証明書12の内容及び商品購入の内容が容易に取得される。店員15は、証明書12及びレシート14を撮影するだけで、証明書12の内容及び商品購入の内容を取得するための作業を容易に行うことができる。
【0043】
なお、S2では、店員15が証明書12の内容及び商品購入の内容を入力することにより、証明書12の内容及び商品購入の内容が取得されてもよい。例えば、店員15は、旅券の顔写真が記録されたページから、購入者11の氏名、国籍、旅券番号及び生年月日を目視により読み取り、操作部24を操作することにより、氏名、国籍、旅券番号及び生年月日を入力する。また、店員15は、旅券の入国スタンプが押印されたページから、上陸年月日及び在留資格を目視で読み取り、操作部24を操作することにより、上陸年月日及び在留資格を入力する。更に、店員15は、レシート14から、購入された商品名、各商品の数、各商品の単価及び販売価額を目視で読み取り、操作部24を操作することにより、上陸年月日及び在留資格を入力する。このとき、店員15は、商品の種類を区別するための記号を入力してもよい。端末装置2は、入力された内容を操作部24で受け付けることにより、証明書12の内容及び商品購入の内容を取得する。
【0044】
端末装置2は、次に、取得した証明書12の内容及び商品購入の内容を免税処理装置4へ送信する(S3)。S3では、演算部21は、送信指示の入力を案内する画像を表示部25に表示し、店員15は操作部24を操作することにより送信指示を入力する。例えば、図9に示す如き画像に含まれる「免税処理依頼する」と記載されたアイコンを指定する操作を行うことにより、店員15は送信指示を入力する。演算部21は、証明書12の内容及び商品購入の内容を、通信部26に、通信ネットワーク6を介して免税処理装置4へ送信させる。具体的は、端末装置2は、旅券の顔写真が記録されたページの画像、旅券の入国スタンプが押印されたページの画像、及びレシート14の画像を送信することにより、証明書12の内容及び商品購入の内容を送信する。又は、端末装置2は、入力された証明書12の内容及び商品購入の内容を含むデータを免税処理装置4へ送信してもよい。
【0045】
免税処理装置4は、端末装置2から送信された証明書12の内容及び商品購入の内容を通信部47で受信する(S4)。免税処理装置4は、証明書12の内容及び商品購入の内容を受信することによって、免税店1から、免税に関する処理を実行することの依頼を受け付ける。演算部41は、受信した証明書12の内容及び商品購入の内容を記憶部44に記憶する。例えば、演算部41は、旅券の顔写真が記録されたページの画像、旅券の入国スタンプが押印されたページの画像、及びレシート14の画像を記憶部44に記憶する。免税処理装置4は、複数の端末装置2から送信された証明書12の内容及び商品購入の内容を受信する。
【0046】
演算部41は、端末装置2から送信されたデータの受信に応じて、処理依頼リスト443を更新し、更新した処理依頼リスト443の内容を表示部46に表示する(S5)。図10は、実施形態1に係る処理依頼リスト443の内容の例を示す模式図である。複数の免税店1の店名と、各免税店1から免税に関する処理の依頼を受け付けた日時と、各免税店1から依頼された処理の状況と、担当者とが互いに関連付けて記録されている。処理の状況には、「新規依頼」、「処理中」、「処理結果通知」、「処理完了」、「処理失敗」、「再登録」、「訂正中」及び「処理拒否」等がある。担当者が未定の状況には、担当者は関連付けられていない。
【0047】
「新規依頼」は、新しく免税に関する処理の依頼を受けた状況であり、担当者は未定である。「処理中」は、免税に関する処理を行っている最中である状況である。「処理結果通知」は、免税に関する処理の内容が国税庁に登録され、処理結果を免税店1へ通知している状況である。「処理完了」は、免税店1で処理結果を確認し、免税に関する処理が全て完了している状況である。「処理失敗」は、何かしらのトラブルにより、免税に関する処理の一部又は全部が実行できなかった状況である。「再登録」は、処理の依頼をやり直している状況である。例えば、処理の依頼の内容が誤っていた場合に、処理の依頼のやり直しが行われる。「訂正中」は、免税に関する処理が終了した後に、購入者11が返品又は追加購入を要求した場合の状況である。「処理拒否」は、免税のために必要な条件が満たされておらず、処理を行わない状況である。免税店1に関連付けて、いずれかの状況が記録されている。処理依頼リスト443の内容は、処理の状況に応じて色分けして表示されてもよい。
【0048】
担当者は、夫々の依頼を担当する作業者31である。担当者の指定は、作業者31が操作部45を操作することによって行われる。演算部41は、予め登録されている作業者31の中から担当者を自動で指定してもよい。処理依頼リスト443が表示されることにより、作業者31は各免税店1に係る処理の状況を知ることができ、次に行うべき処理を選ぶことができる。作業者31が操作部45を操作して、リストの中から一つの免税処理の依頼を指定することに応じて、演算部41は、免税処理を実行する。例えば、作業者31は、処理状況が「処理中」である免税処理の依頼の中から、実行すべき免税処理の依頼を指定する。演算部41は、依頼された順に選択する等の方法により、実行すべき免税処理の依頼を自動で選択してもよい。免税処理装置4での処理は、作業者31による操作無しに自動で実行されてもよく、この場合は、処理依頼リスト443には担当者が記録されていなくてもよく、処理の状況として「自動処理中」が記録されてもよい。免税処理装置4は、プリンタを利用して処理依頼リスト443を出力する等、表示部46での表示以外の方法で処理依頼リスト443を出力してもよい。演算部41は、コンピュータプログラム441に従って処理を実行する。
【0049】
演算部41は、受信した証明書12の内容から、購入者11の入国資格に関する情報を抽出する(S6)。S6では、例えば、演算部41は、画像処理によって、旅券の顔写真が記録されたページの画像及び旅券の入国スタンプが押印されたページの画像から、氏名、国籍、旅券番号、生年月日、上陸年月日及び在留資格等、購入者11の入国資格に関する情報を抽出する。又は、S6では、演算部41は、旅券の顔写真が記録されたページの画像及び旅券の入国スタンプが押印されたページの画像を表示部46に表示し、購入者11の入国資格に関する情報を作業者31が目視で読み取り、作業者31の操作により操作部45が情報の入力を受け付けてもよい。入力された証明書12の内容を含むデータを免税処理装置4が受信している場合は、演算部41は、データから購入者11の入国資格に関する情報を抽出する。演算部41は、購入者11の入国資格に関する情報を記憶部44に記憶する。
【0050】
演算部41は、次に、購入者11が非居住者であるか否かを判定する(S7)。S7では、演算部41は、所定のアルゴリズムに従って、購入者11の入国資格に関する情報に基づいて、購入者11が非居住者であるか否かを判定する。例えば、購入者11の上陸日から六カ月以上が経過している場合は、購入者11は非居住者ではない。又は、S7では、演算部41は、購入者11の入国資格に関する情報を表示部46に表示し、情報を目視した作業者31が、購入者11が非居住者であるか否かを判定してもよい。作業者31が操作部45を操作して判定結果を入力することにより、演算部41は、購入者11が非居住者であるか否かを判定する。
【0051】
購入者11が非居住者ではない場合は(S7:NO)、免税処理装置4は、免税のために必要な条件が満たされていないと判定し、免税ができないことを示す不可情報を端末装置2へ送信する(S8)。S8では、演算部41は、通信部47に、通信ネットワーク6を介して端末装置2へ不可情報を送信させる。また、演算部41は、不可情報を記憶部44に記憶する。端末装置2は、不可情報を通信部26で受信する(S9)。演算部21は、不可情報に応じて、免税ができないことを表示部25に表示し(S10)、免税処理を終了する。S10では、演算部21は、購入者11が非居住者ではないことを表示してもよい。店員15は、購入者1・BR>Pに対して、免税ができないことを説明し、免税は行われない。
【0052】
購入者11が非居住者である場合(S7:YES)、演算部41は、購入された商品の種類及び価格を特定する(S11)。S11では、例えば、演算部41は、画像処理によって、レシート14の画像から、商品名、各商品の数、各商品の単価及び販売価額を抽出する。入力された商品購入の内容を含むデータを免税処理装置4が受信している場合は、演算部41は、データから商品名、各商品の数、各商品の単価及び販売価額を抽出する。演算部41は、商品名に応じて、購入された商品の種類、即ち商品が一般物品、消耗品又は免税の対象外品の何れの種類であるかを特定する。演算部41は、商品データベース442から商品名を検索し、商品名に関連付けられた商品の種類を特定する。演算部41は、各商品の単価及び販売価額に基づいて、各種類の商品の単価、及び種類別の合計価格を計算する。商品データベース442には、商品の種類を区別するための記号と商品の種類とが関連付けて記録されていてもよく、演算部41は、商品データベース442に記録された記号を参照して商品の種類を特定してもよい。
【0053】
又は、S11では、演算部41は、レシート14の画像を表示部46に表示し、商品名、各商品の数、各商品の単価及び販売価額を作業者31が目視で読み取り、作業者31の操作により操作部45が情報の入力を受け付けてもよい。演算部41は、商品データベース442を利用しないアルゴリズムにより、商品の種類及び価格を特定してもよい。例えば、演算部41は、通信ネットワーク6を通じて、免税処理装置4の外部に記録されたデータを利用することにより、商品の種類及び価格を特定してもよい。商品の種類を区別するための記号がレシート14に記載されている場合は、演算部41は、記号に基づいて商品の種類を特定してもよい。レシート14の画像に含まれる記号を作業者31が目視で読み取り、記号に基づいて作業者31が商品の種類を判定し、操作部45が商品の種類の入力を受け付けてもよい。商品購入の内容が商品の種類別にまとめてレシート14に記載されている場合は、商品名の記載位置に応じて、演算部41又は作業者31が商品の種類を判定してもよい。演算部41は、商品の種類及び価格を記憶部44に記憶する。
【0054】
演算部41は、次に、商品が免税の対象であるか否かを判定する(S12)。S12では、演算部41は、所定のアルゴリズムに従って、商品の種類及び価格に基づいて、商品が免税の対象であるか否かを判定する。例えば、商品が免税の対象外品である場合は、商品は免税の対象ではない。例えば、一般物品の合計価格が五千円以上である場合は、商品は免税の対象である。例えば、消耗品の合計価格が五千円以上、五十万円未満である場合は、商品は免税の対象である。又は、S12では、演算部41は、商品の種類及び価格を表示部46に表示し、表示された情報を目視した作業者31が、商品が免税の対象であるか否かを判定してもよい。作業者31が操作部45を操作して判定結果を入力することにより、演算部41は、商品が免税の対象であるか否かを判定する。
【0055】
商品が免税の対象ではない場合は(S12:NO)、免税処理装置4は、免税のために必要な条件が満たされていないと判定し、免税ができないことを示す不可情報を端末装置2へ送信する(S13)。S13では、演算部41は、通信部47に端末装置2へ不可情報を送信させる。また、演算部41は、不可情報を記憶部44に記憶する。端末装置2は、不可情報を通信部26で受信する(S14)。演算部21は、不可情報に応じて、免税ができないことを表示部25に表示し(S15)、免税処理を終了する。S15では、演算部21は、購入された商品が免税の対象ではないことを表示してもよい。店員15は、購入者11に対して、免税ができないことを説明し、免税は行われない。
【0056】
商品が免税の対象である場合(S12:YES)、演算部41は、免税のために必要な条件が満たされていると判定し、購入者11に対して還付すべき還付金額を特定する(S16)。還付金額は、免税額から手数料を差し引いた金額である。免税額は、免税対象の商品の消費税に相当する金額である。S16では、演算部41は、商品の価格及び所得税の税率に基づいて免税額を計算し、免税額から手数料を減算することにより、還付金額を特定する。又は、S16では、作業者31が還付金額を計算し、操作部45を操作して還付金額を入力することにより、演算部41は還付金額を特定してもよい。
【0057】
手数料は、免税処理システム10の利用に対する対価である。手数料の金額は、予め定められた所定の金額であってもよい。手数料の金額は、免税額又は商品の数若しくは合計価格に応じて変化する金額であり、演算部41は、所定のルールに従って手数料を計算し、還付金額を特定してもよい。手数料は特定の条件の下で無料になってもよい。手数料を特定するために必要な情報は、予め記憶部44に記憶されている。
【0058】
演算部41は、次に、免税された商品の購入に関する購入記録情報を作成する(S17)。購入記録情報は、S6で抽出した氏名、国籍、旅券番号、生年月日、上陸年月日及び在留資格等、購入者11の入国資格に関する情報を含む。また、購入記録情報は、S11で特定した商品名、商品の数、商品の単価、販売価額、商品の種類、及び種類別の合計価格等、商品の種類及び価格を含んでいる。購入記録情報は、免税額及び手数料の金額を含んでいてもよい。免税処理装置4は、購入記録情報を記憶装置50へ送信する(S18)。S18では、演算部41は、通信部47に、通信ネットワーク6を介して記憶装置50へ購入記録情報を送信させる。記憶装置50は、通信部505で購入記録情報を受信し、演算部501は、購入記録情報を記憶部503に記憶する。このようにして、免税処理事業所3から国税庁へ購入記録情報が提供され、免税に関する処理の内容が国税庁に登録される。免税の際に必要な購入記録情報の提供が免税処理装置4によって行われる。免税処理装置4は、記憶装置50から、免税に関する処理の内容が登録されたことの通知を受信してもよい。
【0059】
国税庁へ提供された購入記録情報は、適宜、保存される。なお、免税処理装置4から記憶装置50へ購入記録情報を送信する方法以外の方法で、国税庁へ購入記録情報が提供されてもよい。例えば、購入記録情報を記録した記録媒体を免税処理事業所3から国税庁へ送付する方法により、国税庁へ購入記録情報が提供されてもよい。この形態では、記憶装置50は、通信ネットワーク6に接続されなくてもよい。
【0060】
演算部41は、次に、手数料データを更新する(S19)。図11は、手数料データ444の内容例を示す概念図である。手数料データ444には、免税店1において商品を購入した購入者11、購入額、免税額、及び発生した手数料が、免税処理を行った日時に関連付けて記録されている。また、免税店1に係る複数回の免税処理において発生した手数料の合計が記録されている。複数の免税店1の夫々について、日時、購入者11、購入額、免税額、手数料、及び手数料の合計が記録されている。手数料データ444の内容に基づいて、適宜、免税店1から免税処理事業所3へ手数料に相当する金銭の支払いが行われる。免税処理事業所3は、手数料を徴収することにより、購入者11に対して免税のサービスを提供しながら、サービスの対価を得ることができる。演算部41は、手数料データ444の内容を表示部46に表示してもよい。
【0061】
免税処理装置4は、次に、還付金額を示す金額情報を端末装置2へ送信する(S20)。S20では、演算部41は、通信部47に端末装置2へ金額情報を送信させる。このとき、演算部41は、処理依頼リスト443を更新する。具体的には、当該の処理について、演算部41は、「処理中」を「処理結果通知」へ変更する。端末装置2は、金額情報を通信部26で受信する(S21)。演算部21は、金額情報が示す還付金額を表示部25に表示する(S22)。図12は、実施形態1に係る端末装置2が還付金額を表示する画像の例を示す模式図である。画像の中では、免税処理が完了したことが通知され、還付金額が表示される。また、現在の日時が表示される。店員15は、表示された内容を目視することにより、還付金額を確認する。また、店員15は、端末装置2が表示した画像を購入者11に見せることにより、還付金額を購入者11に伝達することもできる。
【0062】
演算部21は、次に、免税に関する必要事項を購入者11に対して説明するための画像を表示部25に表示する(S23)。S23では、演算部21は、記憶部23に記憶する画像データが表す画像を表示部25に表示する。例えば、画像は動画である。画像では、商品は必ず日本から持ち出すこと、出国の際には税関で旅券を提示すること、出国の際に商品を所持していない場合は消費税が徴収されること、等が説明される。購入者11は、画像を鑑賞することによって、必要事項の説明を受ける。免税の際に必要な購入者11への必要事項の説明が、容易に行われる。
【0063】
演算部21は、次に、購入者11からサインを受け付ける(S24)。S24では、演算部21はサインを受け付けるための受付画面を表示部25に表示し、受付画面に従って購入者11が操作部24を操作することにより、演算部21は購入者11のサインを受けつける。演算部21は、受け付けたサインを記憶部23に記憶する。S24では、端末装置2は、購入者11が書いたサインをカメラ部27で撮影することによって、サインを受け付けてもよい。演算部21は、受け付けたサインを表すデータを免税処理装置4へ送信してもよい。S24の処理は、省略されてもよい。その後、店員15は、還付金額の金銭を購入者11に対して還付する。例えば、現金で金銭が還付される。口座への入金、電子マネーのチャージ金額の付加、ポイントの付与、又は後払い金額の値引き等の方法によって還付が行われてもよい。端末装置2は、還付のための金融処理を実行してもよい。
【0064】
還付が行われた後、端末装置2は、免税処理の完了の指示を受け付け、免税処理の完了の指示を示す完了情報を免税処理装置4へ送信する(S25)。S25では、例えば、店員15が操作部24を操作して、図12に示す如き画像に含まれる「免税処理完了」と記載されたアイコンが指定されることにより、端末装置2は、免税処理の完了の指示を受け付ける。演算部21は、通信部26に免税処理装置4へ完了情報を送信させる。
【0065】
免税処理装置4は、端末装置2から送信された完了情報を通信部47で受信する(S26)。演算部41は、完了情報に従って、処理依頼リスト443を更新する(S27)。具体的には、当該の処理について、演算部41は、「処理結果通知」を「処理完了」へ変更する。以上で、免税処理システム10は免税処理を終了する。
【0066】
なお、免税処理システム10は、免税の可否の通知を、免税店1の端末装置2だけではなく、購入者11に対しても行ってもよい。例えば、免税処理装置4は、S8、S13又はS20において、電子メールを用いて免税の可否を購入者11へ通知してもよい。S3において端末装置2が証明書12の内容及び商品購入の内容を免税処理装置4へ送信する際に、端末装置2は、購入者11のメールアドレスを入力するための入力画面を表示部25に表示する。操作部24を購入者11又は店員15が操作することにより、端末装置2は、購入者11のメールアドレスを受け付ける。端末装置2は、受け付けたメールアドレスを免税処理装置4へ送信する。免税処理装置4は、メールアドレスを受信し、免税に関する処理の依頼に関連付けて、メールアドレスを記憶部44に記憶する。例えば、免税処理装置4は、免税に関する処理の夫々の依頼に固有の識別情報に関連付けてメールアドレスを記憶する。
【0067】
S8又はS13では、免税処理装置4は、免税に関する処理の依頼に関連付けられたメールアドレス宛に、不可情報を含む電子メールを送信する。S20では、免税処理装置4は、免税に関する処理の依頼に関連付けられたメールアドレス宛に、金額情報を含む電子メールを送信する。免税処理装置4は、金額を含まずに免税が可能であることの通知を含む電子メールを送信してもよい。購入者11は、スマートフォン等の自身の端末装置を用いて、電子メールを受信し、免税の可否を知ることができる。購入者11は、免税の処理を依頼した後は自由に時間を過ごし、免税が可能であることを通知された後に、免税店1で免税に応じた還付を受けることができる。
【0068】
免税処理システム10は、メールアドレス以外の方法で免税の可否の通知を購入者11に対して行ってもよい。例えば、端末装置2は、S3の際に、免税の可否の情報を記録したデータベースにアクセスするための情報をコード化した二次元コード等の図形コードを表示部25に表示する。例えば、免税に関する処理の依頼の識別情報が、コード化された情報に含まれる。購入者11は、自身の端末装置で図形コードを読み取る。免税処理装置4は、S8、S13又はS20において、免税の可否を示す情報をデータベースに記録する。購入者11の端末装置は、ブラウザ等、外部のデータベースにアクセスするためのプログラムを利用して、図形コードをデコードして得られた情報を用いて、データベースにアクセスし、免税の可否を示す情報を取得し、表示する。購入者11は、免税の可否を知ることができる。
【0069】
購入者11の端末装置は、専用のアプリケーションを利用して、免税の可否を通知されてもよい。購入者11の端末装置は、アプリケーションのプログラムをダウンロードし、アプリケーションをインストールしておく。免税処理装置4は、各端末装置にインストールされたアプリケーションの識別情報を購入者のメールアドレスに関連付けて記憶部44に記憶しておく。免税処理装置4は、S8、S13又はS20の際に、免税の可否の通知を含む電子メールを送信すると共に、メールアドレスに関連付けられた識別情報が識別するアプリケーションへ免税の可否を通知する。購入者11の端末装置は、アプリケーションにより免税の可否を示す情報を取得し、表示する。
【0070】
或は、端末装置2は、S3の際に、免税に関する処理の依頼の識別情報をコード化した図形コードを表示部25に表示し、購入者11の端末装置は、アプリケーションにより図形コードを取得し、処理の依頼の識別情報を免税処理装置4へ送信する。免税処理装置4は、処理の依頼の識別情報をアプリケーションの識別情報に関連付けて記憶部44に記憶する。免税処理装置4は、S8、S13又はS20の際に、処理の依頼の識別情報に関連付けたアプリケーションの識別情報を用いて、アプリケーションへ免税の可否を通知する。購入者11の端末装置は、アプリケーションにより免税の可否を示す情報を取得し、表示する。これらの方法でも、購入者11は、免税の可否を知ることができる。更に、免税処理装置4は、電子メール又はアプリケーションを利用して、処理の状況を通知してもよい。購入者11の端末装置は、電子メール又はアプリケーションを利用して、処理の状況を取得し、表示してもよい。
【0071】
以上詳述した如く、本実施形態においては、免税店1の店員15は、端末装置2を用いて、証明書12の内容及び商品購入の内容を免税処理装置4へ送信する。免税処理装置4は、複数の端末装置2から、証明書12の内容及び商品購入の内容を送信される。免税処理装置4は、証明書12の内容及び商品購入の内容を用いて、免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、条件が満たされている場合に還付金額を特定し、購入記録情報を国税庁へ提供する。このように、複数の免税店1での免税に関する処理を、免税処理装置4を用いて免税処理事業所3で代行して行われる。複数の免税店1に係る処理を集中して免税処理装置4により実行することにより、免税に関する処理を効率的に実行することができる。免税店1は、免税に関する処理の多くを免税処理事業所3へアウトソーシングすることができ、免税に関する免税店1の負担が軽減される。例えば、店員15は、証明書12及びレシート14の画像を取得するだけで、免税の可否及び還付金額を容易に知ることができる。免税に関する知識又は経験が豊富ではない店員15であっても、免税に関する作業を容易に行うことができる。免税店1の負担が軽減することによって、免税店1の数が増加することが期待され、免税市場の拡大が可能となる。
【0072】
<実施形態2>
実施形態2においては、免税処理システム10全体の構成は、実施形態1と同様である。図13は、実施形態2に係る免税処理装置4の内部の機能構成例を示すブロック図である。免税処理装置4は、購入者11が非居住者であるか否かを判定するために用いられる学習モデルである非居住者判定モデル445を備えている。非居住者判定モデル445は、購入者11の入国資格に関する情報を入力された場合に、購入者11が非居住者であるか否かの判定結果を出力するように学習されている。また、免税処理装置4は、購入された商品の種類を判定するために用いられる学習モデルである商品判定モデル446を備えている。商品判定モデル446は、購入の内容を入力された場合に、商品の種類の判定結果を出力するように学習されている。
【0073】
非居住者判定モデル445及び商品判定モデル446は、コンピュータプログラム441に従って演算部41が情報処理を実行することにより実現される。記憶部44は、非居住者判定モデル445及び商品判定モデル446を実現するために必要なデータを記憶している。或いは、非居住者判定モデル445又は商品判定モデル446は、ハードウェアを用いて構成されていてもよい。例えば、非居住者判定モデル445又は商品判定モデル446は、プロセッサと、必要なプログラムおよびデータを記憶するメモリとを含んで構成されていてもよい。また、非居住者判定モデル445又は商品判定モデル446は、量子コンピュータを用いて実現されてもよい。
【0074】
実施形態2においても、免税処理システム10は、S1~S27の免税処理を実行する。S1~S6は、実施形態1と同様に実行される。S5では、処理の状況として「自動処理中」が記録されてもよい。S6では、免税処理装置4は、画像を入力された場合に画像に含まれる文字情報を出力する学習モデルを用いて、旅券の顔写真が記録されたページの画像及び旅券の入国スタンプが押印されたページの画像から、購入者11の入国資格に関する情報を抽出してもよい。
【0075】
S7では、演算部41は、非居住者判定モデル445を用いて、購入者11が非居住者であるか否かを判定する。図14は、非居住者判定モデル445の機能の概要を示す概念図である。非居住者判定モデル445は、購入者11の国籍、旅券番号、上陸年月日及び在留資格等、購入者11の入国資格に関する情報を入力され、購入者11が非居住者であるか否かの判定結果を出力する。判定結果は、例えば、購入者11が非居住者である確率、又は購入者11が非居住者ではない確率に応じた数値である。例えば、判定結果は、0以上1以下の値をとり、1に近いほど購入者11が非居住者である確率が高く、0に近いほど購入者11が非居住者である確率が低いことを示す。非居住者判定モデル445には、現在の年月日が入力されてもよい。
【0076】
非居住者判定モデル445は、購入者11の入国資格に関する情報を入力された場合に判定結果を出力するように予め学習されている。例えば、非居住者判定モデル445は、ニューラルネットワークを用いて構成されている。多数の購入者について入国資格に関する情報と購入者が非居住者であるか否かを示す情報とが関連付けられた訓練データを用いて、教師あり学習により、非居住者判定モデル445が学習されている。学習においては、訓練データに含まれる入国資格に関する情報が非居住者判定モデル445へ入力され、非居住者判定モデル445から出力される判定結果と訓練データに含まれる判定結果とを変数とする誤差関数により誤差が計算される。誤差が最小になるように、非居住者判定モデル445を構成するニューラルネットワークのパラメータが調整される。非居住者判定モデル445は、サポートベクターマシン等、ニューラルネットワーク以外の学習モデルであってもよい。
【0077】
演算部41は、非居住者判定モデル445が出力した判定結果に応じて、購入者11が非居住者であるか否かを判定する。例えば、演算部41は、判定結果の数値が0よりも1に近い場合に、購入者11が非居住者であると判定する。演算部41は、判定結果が示す購入者11が非居住者である確率が、所定の確率よりも低い場合に、作業者31の確認を要することを告知する画像を表示部46に表示してもよい。この場合は、作業者31が入国資格に関する情報を確認し、操作部45を操作して判定結果を入力することにより、演算部41は、購入者11が非居住者であるか否かを判定する。この際には、演算部41は、処理依頼リスト443に担当者を記録し、担当者が記録された処理依頼リスト443の内容を表示部46に表示してもよい。なお、非居住者判定モデル445は、旅券の顔写真が記録されたページの画像及び旅券の入国スタンプが押印されたページの画像を入力された場合に、購入者11が非居住者であるか否かの判定結果を出力する学習モデルであってもよい。
【0078】
S8~S10は、実施形態1と同様に実行される。S11では、演算部41は、実施形態1と同様に、レシート14の画像から、商品名、各商品の数、各商品の単価及び販売価額を抽出する。演算部41は、画像を入力された場合に画像に含まれる文字情報を出力する学習モデルを用いて、レシート14の画像から、商品名、各商品の数、各商品の単価及び販売価額を抽出してもよい。
【0079】
演算部41は、商品判定モデル446を用いて、購入された商品の種類を判定する。図15は、商品判定モデル446の機能の概要を示す概念図である。商品判定モデル446は、商品名を入力され、商品が一般物品、消耗品又は免税の対象外品の何れの種類であるかの判定結果を出力する。判定結果は、例えば、商品が一般物品である確率、商品が消耗品である確率、及び商品が免税の対象外品である確率に応じた三つの数値である。
【0080】
商品判定モデル446は、商品名を入力された場合に判定結果を出力するように予め学習されている。例えば、商品判定モデル446は、ニューラルネットワークを用いて構成されている。多数の商品について商品名と商品の種類を示す情報とが関連付けられた訓練データを用いて、教師あり学習により、商品判定モデル446が学習されている。学習においては、訓練データに含まれる商品名が商品判定モデル446へ入力され、商品判定モデル446から出力される判定結果と訓練データに含まれる商品の種類とを変数とする誤差関数により誤差が計算される。誤差が最小になるように、商品判定モデル446を構成するニューラルネットワークのパラメータが調整される。商品判定モデル446は、ニューラルネットワーク以外の学習モデルであってもよい。
【0081】
演算部41は、商品判定モデル446が出力した判定結果に応じて、購入された商品の種類を判定する。例えば、演算部41は、一般物品、消耗品及び免税の対象外品の中で、確率が最も高い種類が商品の種類であると判定する。演算部41は、最も高い確率が所定の確率よりも低い場合に、作業者31の確認を要することを告知する画像を表示部46に表示してもよい。この場合は、作業者31が商品名を確認し、操作部45を操作して判定結果を入力することにより、演算部41は、商品の種類を判定する。この際には、演算部41は、処理依頼リスト443に担当者を記録し、担当者が記録された処理依頼リスト443の内容を表示部46に表示してもよい。なお、商品判定モデル446は、商品名に加えて、商品の種類を区別するための記号を入力された場合に、商品の種類の判定結果を出力する学習モデルであってもよい。商品判定モデル446は、商品の種類を区別するための記号を入力された場合に、商品の種類の判定結果を出力する学習モデルであってもよい。或は、商品判定モデル446は、レシート14の画像を入力された場合に、商品の種類の判定結果を出力する学習モデルであってもよい。
【0082】
S12~S15は、実施形態1と同様に実行される。なお、S12では、演算部41は、レシート14の画像を入力された場合に商品が免税の対象であるか否かの判定結果を出力するように学習された学習モデルを用いて、購入された商品が免税の対象であるか否かを判定してもよい。S16~S27は、実施形態1と同様に実行される。以上のようにして、免税処理システム10は免税処理を実行する。
【0083】
以上詳述した如く、実施形態2においても、免税に関する処理の多くが免税処理装置4を用いて免税処理事業所3で行われ、免税に関する免税店1の負担が軽減される。免税処理装置4で学習モデルを利用することにより免税処理事業所3で行う作業の負担が軽減され、より容易に免税に関する処理が行われる。
【0084】
<実施形態3>
実施形態1及び2においては、免税店1の店員15が端末装置2を操作して免税処理が実行される形態を示した。実施形態3においては、商品の購入者11が端末装置2を操作して免税処理が実行される形態を示す。図16は、実施形態3に係る免税処理システム10の構成例を示す模式図である。免税処理システム10全体の構成は、実施形態1及び2と同様である。但し、実施形態3では、購入者11が端末装置2を所持している。
【0085】
実施形態3においても、免税処理システム10は、S1~S27の免税処理を実行する。商品が購入され、会計が終了し、精算装置13からレシート14が排出された後、購入者11は、端末装置2を操作する。S1では、端末装置2は、購入者11の操作に応じて、処理開始の指示を受け付け、演算部21は、コンピュータプログラム231に従って、免税処理のためのアプリケーションを実行し、処理を開始する。
【0086】
S2では、演算部21は、画像の取得を案内するための案内画像を表示部25に表示し、購入者11は、案内画像に従って端末装置2を操作し、操作部24は購入者11による操作を受け付ける。購入者11が端末装置2を操作し、端末装置2は、購入者11の顔を撮影した画像及び購入者11が所持する旅券の顔写真が記録されたページを撮影した画像を取得する。演算部21は、旅券の顔写真が記録されたページの画像から顔写真を抽出し、購入者11の顔の画像と抽出した顔写真とを比較し、購入者11が証明書12で入国資格を証明された人物と同一人物であるか否かを判定する本人確認を行う。購入者11が証明書12で入国資格を証明された人物と同一人物ではない場合は、演算部21は処理を終了する。
【0087】
端末装置2は、購入者11の顔を撮影した画像及び旅券の顔写真が記録されたページを撮影した画像を免税処理装置4へ送信し、免税処理装置4が本人確認の処理を行ってもよい。免税処理装置4は、複数の顔の画像を入力された場合に複数の顔が同一人物の顔であるか否かの判定結果を出力する学習モデルを用いて、本人確認を行ってもよい。
【0088】
購入者11が証明書12で入国資格を証明された人物と同一人物である場合は、演算部21は、案内画像を表示部25に表示する。購入者11は、案内画像に従って端末装置2を操作し、購入者11が所持する旅券の入国スタンプが押印されたページを撮影した画像、並びにレシート14を撮影した画像を取得する。S3では、購入者11が送信指示を入力し、端末装置2は、購入者11の顔の画像、証明書12の内容及び商品購入の内容を免税処理装置4へ送信する。
【0089】
S4~S8は、実施形態1又は2と同様に実行される。なお、S3で端末装置2が購入者11の顔を撮影した画像を送信し、S4以降に免税処理装置4が本人確認を行ってもよい。購入者11が証明書12で入国資格を証明された人物と同一人物ではない場合は、免税処理装置4は不可情報を送信する。
【0090】
S9及びS10では、購入者11が所持する端末装置2は、不可情報を受信し、免税ができないことを表示する。購入者11は、免税ができないことを確認し、免税は行われない。S11~S13は、実施形態1又は2と同様に実行される。S14及びS15では、購入者11が所持する端末装置2は、不可情報を受信し、免税ができないことを表示する。購入者11は、免税ができないことを確認する。
【0091】
S16~S20は、実施形態1又は2と同様に実行される。S21及びS22では、購入者11が所持する端末装置2は、金額情報を受信し、還付金額を表示する。購入者11は、端末装置2が表示した還付金額を店員15に提示する。S23及びS24は、実施形態1又は2と同様に実行される。その後、店員15は、還付金額の金銭を購入者11に対して還付する。S25では、端末装置2は、購入者11が操作部24を操作することにより免税処理の完了の指示を受け付け、完了情報を免税処理装置4へ送信する。S26及びS27は、実施形態1又は2と同様に実行される。以上のようにして、免税処理システム10は免税処理を実行する。
【0092】
なお、免税処理システム10は、免税の可否の通知を、購入者11が所持する端末装置2だけではなく、免税店1に対しても行ってもよい。例えば、免税処理装置4は、S8、S13又はS20において、免税店1にある端末装置へ、電子メールを用いて免税の可否を通知してもよい。或は、免税処理システム10は、免税店1にある端末装置にインストールされた専用のアプリケーションを利用して、免税の可否を通知してもよい。免税処理システム10は、処理の状況の通知を免税店1に対しても行ってもよい。
【0093】
以上詳述した如く、実施形態3においては、購入者11が端末装置2を操作し、免税処理システム10で免税処理が行われる。免税に関する処理の多くは、免税処理装置4を用いて免税処理事業所3で行われる。免税店1で免税処理システム10が導入されていなくとも、購入者11が所持する端末装置2を利用して免税に関する処理が実行され、購入者11は免税を受けることができる。免税店1では免税処理システム10を導入する必要が無いので、免税に関する免税店1の負担がより軽減される。また、購入者11は、常に同じ方法で免税を受けることができ、免税の処理に容易に習熟することができる。
【0094】
<実施形態4>
実施形態1~3では、免税処理事業所3が免税に関する情報を含んだ購入記録情報を国税庁に登録した後に、免税に応じた還付を行う形態を示したが、実施形態4では、購入記録情報を作成する前に還付を行う形態を示す。実施形態4に係る免税処理システム10の構成は、実施形態1と同様である。購入者11が商品を購入し、決済が行われた後に、免税処理が行われる。
【0095】
図17は、実施形態4に係る免税処理システム10が実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。端末装置2の演算部21は、コンピュータプログラム231に従って以下の処理を実行し、免税処理装置4の演算部41は、コンピュータプログラム441に従って以下の処理を実行する。端末装置2は、処理開始の指示を受け付け、演算部21は、免税処理のためのアプリケーションを実行し、処理を開始する(S301)。
【0096】
端末装置2は、旅券等の証明書12が在留資格を証明している人物と購入者11とが一致するかを確認する本人確認の処理を行う(S302)。S302では、演算部21は、本人確認のための画面を表示部25に表示する。図18は、本人確認のための画面の例を示す模式図である。旅券(パスポート)の顔写真が記録されたページのサンプルイメージが表示され、旅券の顔写真の顔と購入者11の顔とが一致するかを確認することを指示するメッセージが出力される。
【0097】
店員15は、購入者11から旅券等の証明書12を預かり、証明書12が在留資格を証明している人物と購入者11とが一致することを目視で確認する。店員15は、操作部24を操作して、本人確認をしたことを入力する。例えば、図18に示す画面上で「次へ」を指定することにより、本人確認をしたことを入力する。演算部21は、本人確認が行われたことを受け付ける。証明書12が在留資格を証明している人物と購入者11とが一致しないと店員15が判断した場合は、店員15は処理を中断する。証明書12が在留資格を証明している人物と購入者11とが一致しないことが端末装置2へ入力されてもよい。
【0098】
端末装置2は、次に、購入者11が非居住者であることを示す情報を受け付ける(S303)。S303では、演算部21は、情報を受け付けるための画面を表示部25に表示する。図19は、購入者11が非居住者であることを示す情報を受け付けるための画面の例を示す模式図である。証明書12に記録された入力スタンプのサンプルイメージが表示され、入力スタンプに含まれている上陸年月日及び在留資格を入力することを指示するメッセージが出力される。
【0099】
店員15は、サンプルイメージを参考にして、購入者11から預かっている証明書12に記録されている最新の入国スタンプを探し、操作部24を操作して、入力スタンプに含まれている上陸年月日と在留資格とを入力する。図19には、複数の在留資格の中から該当する在留資格を選択することによって入力する例を示し、「短期滞在」が入力された例を示す。上陸年月日も、可能な年月日から該当する年月日が選択されることで入力されてもよい。例えば、図19に示す画面上で「次へ」を指定することにより、入力が完了する。演算部21は、上陸年月日及び在留資格が入力されることによって、購入者11が非居住者であることを示す情報を受け付ける。
【0100】
端末装置2は、次に、証明書12の画像を取得する(S304)。S304では、実施形態1と同様に、端末装置2は、旅券の顔写真が記録されたページを撮影した画像等、証明書12を撮影した画像を取得する。
【0101】
端末装置2は、次に、購入者11が購入した商品の価格及び消費税額を示す情報を受け付ける(S305)。S305では、演算部21は、情報を受け付けるための画面を表示部25に表示する。図20は、商品の価格及び消費税額を示す情報を受け付けるための画面の例を示す模式図である。税込みの購入合計額と消費税額とを入力することを指示するメッセージが出力される。消費税率が複数ある場合は、夫々の消費税率が適用された消費税額を入力することが指示される。図20には、10%の消費税率と8%の消費税率とが存在する例を示している。
【0102】
店員15は、操作部24を操作して、レシート14に記録されている商品の価格及び消費税額を入力する。演算部21は、消費税合計額を計算し、表示部25に表示する。また、店員15は、購入された商品の中に消耗品が含まれているか否かを示す情報を入力する。図20には、商品の中に消耗品が含まれていない例を示す。例えば、図20に示す画面上で「次へ」を指定することにより、入力が完了する。演算部21は、商品の価格及び消費税額を示す情報を受け付ける。S303及びS305の処理は情報受付部に対応する。
【0103】
端末装置2は、次に、レシート14の画像を取得する(S306)。消費税率が複数ある場合、演算部21は、夫々の消費税率が適用される商品を区別した上でレシート14の画像を取得するように指示するための画面を表示部25に表示してもよい。図21は、消費税率が異なる商品を区別するように指示を出力するための画面の例を示す模式図である。レシートに記録された商品の中で特定の消費税率が適用される商品に特定の印をつけるように指示するメッセージが出力され、印がつけられたレシートのサンプルイメージが出力される。店員15は、指示に従って、レシート14の画像を撮影するための作業を行う。S306では、実施形態1と同様に、端末装置2は、レシート14を撮影した画像を取得する。S304及びS306の処理は画像取得部に対応する。S302~S306の処理はその他の順で実行されてもよい。
【0104】
端末装置2は、受け付けた情報及び取得した画像を含んだデータを免税処理装置4へ送信する(S307)。端末装置2は、S302~S306の処理で取得したデータをまとめて送信してもよく、S302~S306の処理で情報を受け付ける都度又は画像を取得する都度、情報又は画像を送信してもよい。S307はデータ送信部に対応する。免税処理装置4は、端末装置2から送信されたデータを通信部47で受信する(S308)。演算部41は、受信したデータを記憶部44に記憶する。このようにして、免税処理装置4は、購入者11が非居住者であることを示す情報、商品の価格及び消費税額を示す情報、証明書12の画像、並びにレシート14の画像を取得する。S308の処理は、第1データ取得部及び第2データ取得部に対応する。
【0105】
免税処理装置4は、購入者11に対して還付すべき還付金額を特定する(S309)。還付金額は、決済時に購入者11が支払った消費税額込みの金額の中から、免税に応じて返還される金額である。S309では、演算部41は、商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税額を計算し、免税額から手数料を減算することにより、還付金額を特定する。S309の処理は金額特定部に対応する。免税処理装置4は、次に、還付金額を示す金額情報を端末装置2へ送信する(S310)。金額情報の送信により、免税処理装置4は還付金額を通知する。S310の処理は通知部に対応する。端末装置2は、金額情報を通信部26で受信する(S311)。端末装置2は、金額情報が示す還付金額を表示部25に表示する(S312)。
【0106】
図22は、実施形態4に係る端末装置2が還付金額を表示する画像の例を示す模式図である。還付金額が表示され、店員15に対するメッセージが表示される。図22には、購入者11へ旅券(パスポート)を返還することを指示し、レシート14に免税を証明するサイン又は印鑑を付けて購入者11へ返還することを指示するメッセージの例を示している。S312は金額出力部に対応する。
【0107】
店員15は、還付金額の金銭を購入者11に対して還付し、証明書12を購入者11へ返還する。また、店員15は、レシート14にサインをするか又は印鑑を付ける等、免税処理を行ったことを証明する記載をレシート14に付加し、当該レシート14を購入者11へ返還する。例えば、現金で金銭が還付される。端末装置2は、現金払い以外の方法によって還付を行うべく、口座への入金等の金融処理を実行してもよい。S312が終了した後、端末装置2での処理は終了する。なお、店員15が処理の完了を端末装置2へ入力し、端末装置2は、処理の完了を示す情報を免税処理装置4へ送信してもよい。
【0108】
S310が終了した後、免税処理装置4は、処理依頼リスト443を更新する(S313)。S301~S313の処理は、リアルタイムで実行される。演算部41は、処理依頼リスト443の内容を表示部46に表示する(S314)。
【0109】
図23は、実施形態4に係る処理依頼リスト443の内容の例を示す模式図である。実施形態4では、処理依頼リスト443は、還付を行った後に行うべき、免税に関する処理の内容を国税庁に登録する処理の状況を記録している。処理の状況には、「処理完了」、「登録作業中」及び「新規依頼」等がある。「処理完了」は、免税に関する処理の内容を国税庁に登録する処理が完了した状況である。「登録作業中」は、免税に関する処理の内容を国税庁に登録するための作業を行っている最中である状況である。「新規依頼」は、新規に処理の依頼を受けた状況であり、還付が行われた後で、免税に関する処理の内容を国税庁に登録するための作業がまだ開始されていない状態である。
【0110】
処理依頼リスト443が表示部46に表示され、処理状況が「新規依頼」である依頼の中から、実行すべき依頼が指定され、免税に関する処理の内容を国税庁に登録するための以降の処理が行われる。例えば、処理状況が「新規依頼」である依頼の中から、最上位に表示される依頼が指定される。演算部41は、免税店1の位置に応じて、依頼が表示される位置を調整してもよい。免税に関する処理の内容を国税庁に登録する処理は、購入者11が出国する前に行われる必要がある。演算部41は、購入者11が出国する前に処理を終了させることを目的として、免税店1が税関に近いほど依頼が表示される位置が上位になるように、依頼が表示される位置を調整してもよい。処理依頼リスト443の内容は、端末装置2から参照することができるようになっていてもよい。
【0111】
免税処理装置4は、選択された依頼について、免税された商品の購入に関する購入記録情報を作成する(S315)。購入記録情報は、購入者11の在留資格に関する情報等の証明書12の内容と、商品の種類及び価格等の商品購入の内容とを含んでいる。購入記録情報は、免税額及び手数料の金額を含んでいてもよい。購入記録情報は、証明書12の画像及びレシート14の画像に基づいて作成される。例えば、購入記録情報の内容の一部又は全部は、証明書12の画像及びレシート14の画像に基づいて作業者31が内容を確認し、作業者31が操作部45を操作することにより、免税処理装置4へ入力され、演算部41が購入記録情報を作成して記憶部44に記憶する。或は、演算部41が、証明書12の画像及びレシート14の画像から必要な情報を抽出し、購入記録情報を作成してもよい。S315の処理は作成部に対応する。
【0112】
免税処理装置4は、次に、購入記録情報を記憶装置50へ送信する(S316)。記憶装置50は、通信部505で購入記録情報を受信し、演算部501は、購入記録情報を記憶部503に記憶する。このようにして、免税処理事業所3から国税庁へ購入記録情報が提供され、免税に関する処理の内容が国税庁に登録される。国税庁へ提供された購入記録情報は、適宜、保存される。購入記録情報を送信する方法以外の方法で、国税庁へ購入記録情報が提供されてもよい。S316の処理は提供部に対応する。
【0113】
免税処理装置4は、次に、手数料データを更新する(S317)。演算部41は、手数料データ444の内容を表示部46に表示してもよい。S317が終了した後、演算部41は、処理依頼リスト443を更新し、処理を終了する。なお、S317は、S315よりも前に実行されてもよい。S314~S317の処理は、適宜実行され、リアルタイムでは実行されなくてもよい。S314~S317の処理は、S301~S313の処理とは並行して実行されてもよい。
【0114】
以上詳述した如く、実施形態4においては、購入者11が非居住者であることの確認及び消費税額の確認を店員15が行い、免税に関する情報を含んだ購入記録情報を作成する処理を行う前に、購入者11に対して、免税に応じた還付を行う。実施形態1のような、証明書12の内容及び商品購入の内容に基づいて免税のために必要な条件が満たされているか否かを判定し、購入記録情報を作成した後で還付を行う方法では、還付までに長い時間が必要となる。このため、購入者11の待ち時間が長く、利便性が低い。実施形態4では、免税のために必要な条件の確認を店員15がその場で行い、購入記録情報を作成する処理を行う前に還付を行うので、物品が購入されてから還付が行われるまでにかかる時間が短縮される。このため、購入者11の待ち時間が短縮され、利便性が向上する。
【0115】
実施形態4においても、免税に関する処理の多くが免税処理装置4を用いて免税処理事業所3で行われ、免税に関する免税店1の負担が軽減される。購入者11の待ち時間が短く、利便性が高いので、購入者11は、気軽に免税処理方法を利用することができる。購入者11が免税制度を利用して物品を購入する機会が増加し、市場が拡大する。
【0116】
<実施形態5>
実施形態1~4では、決済が一旦行われた後に免税に応じた還付を行う形態を示したが、実施形態5では、還付金額を差し引いた金額で決済を行う形態を示す。実施形態5に係る免税処理システム10の構成は、実施形態4と同様である。
【0117】
実施形態5では、購入者11が商品を購入し、未だ決済が行われていない段階で、精算装置13がレシート14を排出する。レシート14には、購入された商品の価格と、消費税額と、免税されない場合に購入者11が支払うべき支払い額が記載されている。例えば、支払い額は商品の価格と消費税額との合計である。この段階でのレシート14は、支払い額が記載されてはいるものの、未だ支払いが行われていない状態で発行された仮の領収書である。免税処理は、未だ決済が行われていない状態で開始される。
【0118】
図24は、実施形態5に係る免税処理システム10が実行する免税処理の手順を示すフローチャートである。端末装置2の演算部21は、コンピュータプログラム231に従って以下の処理を実行し、免税処理装置4の演算部41は、コンピュータプログラム441に従って以下の処理を実行する。端末装置2は、S301~S307の処理と同様のS401~S407の処理を実行する。
【0119】
S401では、端末装置2は、決済前に免税処理を行うか、又は決済後に免税処理を行うかを選択する指示を受け付けてもよい。決済後に免税処理を行うことを選択する指示を端末装置2が受け付けた場合は、免税処理システム10は、実施形態4に係る免税処理を実行する。決済前に免税処理を行うことを選択する指示を端末装置2が受け付けた場合は、免税処理システム10は、S401以降の処理を実行する。S405では、店員15は、操作部24を操作して、決済前の段階で発行されたレシート14に記録されている商品の価格及び消費税額を入力する。S406では、端末装置2は、決済前の段階で発行されたレシート14の画像を取得する。S402~S406の処理は他の順で実行されてもよい。
【0120】
免税処理装置4は、端末装置2から送信されたデータを通信部47で受信する(S408)。演算部41は、受信したデータを記憶部44に記憶する。免税処理装置4は、次に、購入者11が決済において支払うべき決済金額を特定する(S409)。S409では、演算部41は、商品の価格及び消費税額を示す情報に基づいて、免税額を計算し、免税額から手数料を減算し、免税額から手数料を減算した額を、免税が無い場合の支払い額から減算することにより、決済金額を特定する。免税が無い場合の支払い額は、レシート14に記載された支払い額である。免税処理装置4は、次に、決済金額を示す金額情報を端末装置2へ送信する(S410)。金額情報の送信により、免税処理装置4は決済金額を通知する。端末装置2は、金額情報を通信部26で受信する(S411)。端末装置2は、金額情報が示す決済金額を表示部25に表示する(S412)。
【0121】
図25は、実施形態5に係る端末装置2が決済金額を表示する画像の例を示す模式図である。決済金額が表示され、店員15に対するメッセージが表示される。図25には、購入者11へ旅券(パスポート)を返還することを指示するメッセージの例を示している。更に、図25には、レシート14に記載の支払い金額を、通知された決済金額に手書きで訂正し、決済を行い、レシート14に免税を証明するサイン又は印鑑を付けて購入者11へ返還することを指示するメッセージの例を示している。
【0122】
店員15は、レシート14に記載の支払い金額を決済金額に手書きで訂正し、決済を行う。このとき、店員15は、決済金額を支払う。例えば、現金で支払いが行われる。端末装置2は、現金払い以外の方法によって決済を行うべく、口座への入金等の金融処理を実行してもよい。決済が終了した後、店員15は、証明書12を購入者11へ返還する。また、店員15は、レシート14にサインをするか又は印鑑を付ける等、免税処理を行ったことを証明する記載をレシート14に付加し、当該レシート14を購入者11へ返還する。S412が終了した後、端末装置2での処理は終了する。なお、店員15が処理の完了を端末装置2へ入力し、端末装置2は、処理の完了を示す情報を免税処理装置4へ送信してもよい。
【0123】
S410が終了した後、免税処理装置4は、S313~S317の処理と同様のS413~S417の処理を実行する。S415で作成される購入記録情報には、S409で特定された決済金額が含まれてもよい。S417が終了した後、演算部41は、処理を終了する。S414~S417の処理は、適宜実行され、リアルタイムでは実行されなくてもよい。S414~S417の処理は、S401~S413の処理とは並行して実行されてもよい。
【0124】
以上詳述した如く、実施形態5においては、決済を行う前に免税処理を開始し、免税額から手数料を減算した額を免税が無い場合の支払い額から減算した決済金額を特定し、特定した決済金額を利用して決済を行う。購入者11は、税込みの金額を一旦支払ってから還付を受けるのではなく、予め免税された金額を支払う。購入者11の手間が削減され、利便性が向上する。
【0125】
実施形態5においても、免税に関する処理の多くが免税処理装置4を用いて免税処理事業所3で行われ、免税に関する免税店1の負担が軽減される。購入者11の手間が少なく、利便性が高いので、購入者11は、気軽に免税処理方法を利用することができる。購入者11が免税制度を利用して物品を購入する機会が増加し、市場が拡大する。
【0126】
なお、以上の実施形態1~5では、端末装置2は携帯型のコンピュータである形態を示したが、端末装置2は、店員15又は購入者11が操作する据え付け型の装置であってもよい。例えば、端末装置2は、精算装置13と一体になった装置であってもよい。実施形態1~5では、端末装置2がカメラ部27を用いて画像を取得する形態を示したが、端末装置2は、スキャナを用いて画像を取得する形態であってもよい。例えば、端末装置2は、コピー機と一体になった装置であってもよい。実施形態1~5では、レシート14を利用する形態を示したが、免税処理システム10は、レシート14を利用せずに商品購入の内容を取得する形態であってよい。例えば、免税処理システム10は、精算装置13から商品購入の内容を送信する形態であってもよく、精算装置13の表示部に表示された商品購入の内容を端末装置2で取得する形態であってもよい。
【0127】
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
10免税処理システム
1 免税店
11 購入者
12 証明書
13 精算装置
14 レシート
15 店員
2 端末装置
3 免税処理事業所
4 免税処理装置
40 記録媒体
5 国税庁
50 記憶装置
6 通信ネットワーク
図1
図2
図3
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