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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136838
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/80 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
G06T11/80 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036635
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】504130809
【氏名又は名称】東芝インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲裴▼ 秉哲
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 翔太
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA01
5B050DA10
5B050EA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA13
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA12
5B050FA13
5B050FA17
(57)【要約】
【課題】現実的な配管及び配線の計画を効率良く行うこと。
【解決手段】配置部172は、空間内の撮影された領域に複数の節点オブジェクトを配置する。計算部174は、配置部172によって配置された節点オブジェクト同士を結ぶように配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する。表示部14は、計算部174による計算結果に基づき、空間を撮影した画像に節点オブジェクトと線オブジェクトとを配置した画像を表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内の撮影された領域に複数の節点オブジェクトを配置する配置部と、
前記配置部によって配置された前記節点オブジェクト同士を結ぶように配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する計算部と、
前記計算部による計算結果に基づき、前記空間を撮影した画像に前記節点オブジェクトと前記線オブジェクトとを配置した画像を表示する表示部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記計算部によって計算された物理的特性が満たされるような、前記節点オブジェクト同士を結ぶ線オブジェクトを生成する生成部をさらに有し、
前記表示部は、前記画像に前記節点オブジェクトと前記生成部によって生成された前記線オブジェクトとを配置した画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記配置部は、接合位置があらかじめ定められた配管パーツを模した節点オブジェクトを配置し、
前記計算部は、前記節点オブジェクトの前記接合位置に端点が接合された状態で配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記計算部は、前記節点オブジェクト同士を結ぶように線オブジェクトを配置した場合の前記線オブジェクトの曲げの度合いを計算し、
前記表示部は、所定の線状の部材が、前記計算部によって計算された曲げの度合いを満たすような曲げに耐えられるか否かを表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配置部は、前記空間に存在する物体からあらかじめ指定された距離だけ離れた位置に前記節点オブジェクトを配置することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記配置部は、前記空間に定義された仮想的な面から、あらかじめ指定された距離だけ離れた位置に前記節点オブジェクトを配置することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置によって実行される表示方法であって、
空間内の撮影された領域に複数の節点オブジェクトを配置する配置工程と、
前記配置工程によって配置された前記節点オブジェクト同士を結ぶように配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する計算工程と、
前記計算工程による計算結果に基づき、前記空間を撮影した画像に前記節点オブジェクトと前記線オブジェクトとを配置した画像を表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現実の空間を撮影した画像上に仮想的なAR(Augmented Reality)オブジェクトを配置し、当該ARオブジェクトと他のARオブジェクトとの距離を計算することで、物体の配置をシミュレートする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-148712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、現実的な配管及び配線の計画を効率良く行うことができない場合がある。
【0005】
ここで、送水管及び電線等の配置計画を行う際には、使用する部材の物理的特性を考慮する必要がある。例えば、部材には、送水管、継ぎ手、電線等がある。また、物理的特性とは、部材の長さ、太さ、剛性等である。
【0006】
例えば、部材の物理的特性を無視した配管及び配線の計画をCAD(computer-aided design)上で仮想的に行ったとしても、その計画に適合する物理的特性を持つ部材が使用できるとは限らない。
【0007】
さらに、配管及び配線を行う建物等の情報、及び、使用可能な部材の情報を含むあらゆる情報をあらかじめCADに取り込んでおくことも考えられるが、情報収集に多大なコストを要するため、効率が低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の情報処理装置は、空間内の撮影された領域に複数の節点オブジェクトを配置する配置部と、配置部によって配置された節点オブジェクト同士を結ぶように配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する計算部と、計算部による計算結果に基づき、空間を撮影した画像に節点オブジェクトと線オブジェクトとを配置した画像を表示する表示部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示システムの概要を説明する図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る表示システムの構例を示す図である。
図3図3は、情報処理装置に装着された測距装置の正面図の一例である。
図4図4は、情報処理装置に装着された測距装置の斜視図の一例である。
図5図5は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図6図6は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図7図7は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、節点オブジェクトの配置例を示す図である。
図9図9は、線オブジェクトの表示例を示す図である。
図10図10は、物体からのオフセットを説明する図である。
図11図11は、物体からのオフセットを説明する図である。
図12図12は、距離の測定を説明する図である。
図13図13は、距離の測定を説明する図である。
図14図14は、定義面からのオフセットを説明する図である。
図15図15は、干渉の検知を説明する図である。
図16図16は、線オブジェクトの配置を説明する図である。
図17図17は、第1の実施形態に係る表示システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図18図18は、点オブジェクトを配置する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置及び表示方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、本実施形態の表示システムの概要を説明する。図1は、第1の実施形態に係る表示システムの概要を説明する図である。図1に示すように、表示システム1は、ユーザが手に持った状態で使用されてもよい。例えば、表示システム1は、アタッチメントが装着されたスマートフォンである。
【0012】
ここで、表示システム1は、現実に存在する建物等を撮影した画像に、ARオブジェクトを配置して表示部14に表示する。本実施形態では、ARオブジェクトとして節点オブジェクト及び線オブジェクトが配置される。
【0013】
節点オブジェクトは、送水管等を接合させる継ぎ手等の配管パーツを模した仮想的なオブジェクトである。また、線オブジェクトは、送水管及び電線といった管及び線を模したオブジェクトである。
【0014】
表示システム1は、節点オブジェクト及び線オブジェクトを表示することにより、配管及び配線の計画を支援する。
【0015】
(第1の実施形態の構成)
図2を用いて、表示システム1の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る表示システムの構例を示す図である。図2に示すように、表示システム1は、情報処理装置10及び測距装置20を有する。情報処理装置10及び測距装置20は、有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0016】
例えば、測距装置20は、情報処理装置10に着脱可能な機構を備えたアタッチメントである。測距装置20は、所定の通信規格に対応する通信モジュールを備え、当該通信モジュールによって情報処理装置10との間で通信を行うものであってもよい。このとき、測距装置20は、WiFi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)等の広く普及している通信規格を利用することで、幅広いデバイスとの間でデータの通信を行うことができる。
【0017】
測距装置20は、情報処理装置10から独立したバッテリーを備えたものであってもよい。また、測距装置20は、有線ケーブルにより情報処理装置10から給電を受けるものであってもよい。
【0018】
測距装置20は所定の面までの距離を測定する。このとき、測距装置20は、レーザを用いた測距センサにより距離を測定する。ここで、レーザは指向性及び直進性が高く、例えば赤外線を用いたセンサと比べて、長距離の測距を行うことができる(例えば5mから50m)。例えば、測距装置20が用いるレーザの波長は、可視光の波長以上かつ赤外線の波長未満(例えば600nm程度)であってもよい。また、測距装置20は、情報処理装置10に備えられたカメラと同じ方向にある点までの距離を測定することができる。また、測距装置20は、測定した距離を情報処理装置10に送信する。
【0019】
情報処理装置10はAR機能を有する。例えば、情報処理装置10によれば、カメラで撮影した画像内の指定した場所にARオブジェクトを配置することができる。ここで、情報処理装置10は面までの正確な距離を得ることができるため、ARオブジェクトを面に密着させて配置することが可能になる。例えば、ARオブジェクトは、厚さがないもしくは薄いシート状のオブジェクトであり、現実空間の所定の面に添付された付箋のように機能するものであってもよい。
【0020】
さらに、情報処理装置10は、カメラで撮影した画像にARオブジェクトを重畳させて表示することができる。その際、情報処理装置10は、さらに面までの距離を数値で表示することができる。
【0021】
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11、カメラ12、入力部13、表示部14、測位部15、記憶部16及び制御部17を有する。
【0022】
通信部11は、ネットワークを介して、他の装置との間で有線又は無線によるデータ通信を行う。例えば、通信部11はNIC(Network Interface Card)である。カメラ12は、画像を撮像する。カメラ12は、空間内の所定の点を含む領域の画像を撮影する。カメラ12はカメラである。入力部13は、ユーザからのデータの入力を受け付ける。入力部13は、例えば、マウスやキーボード等の入力装置である。また、表示部14は、画面の表示を行うディスプレイ等の表示装置である。なお、入力部13及び表示部14は、タッチパネルディスプレイであってもよい。
【0023】
ここで、表示部14は、測距装置20から送信された距離に関する情報に基づく距離を表示する。また、表示部14は、計算部174によって計算された距離を表示する。測距装置20は、測定した距離そのものを情報処理装置10に送信してもよいし、距離を計算するために必要な時間等の測定値を情報処理装置10に送信してもよい。
【0024】
測位部15は、空間における情報処理装置10の位置を特定する。測位部15は、例えば、赤外線、無線LAN(Local Area Network)のビーコン信号、又はGPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して位置の特定を行う。
【0025】
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等の記憶装置である。記憶部16は、情報処理装置10で実行されるOS(Operating System)やプログラムを記憶する。さらに、記憶部16は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。例えば、記憶部16は、AR情報161及びオブジェクト情報162を記憶する。
【0026】
制御部17は、情報処理装置10を制御する。制御部17は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等である。例えば、制御部17は、特定部171、配置部172、画像処理部173、計算部174及び生成部175として機能する。
【0027】
特定部171は、ARマーカの位置を原点とした場合の情報処理装置10の相対的な位置を特定することができる。また、ARマーカは、AR情報161として記憶部16に記憶されているものとする。
【0028】
配置部172は、カメラ12によって撮影された領域に含まれる基準点を基準にARオブジェクトを配置する。また、基準点は、測距装置20が距離の測定の対象とする点である。
【0029】
本実施形態では、ARオブジェクトとして、節点オブジェクト及び線オブジェクトが配置される。まず、配置部172は、空間内の撮影された領域に複数の節点オブジェクトを配置する。そして、配置部172は、節点オブジェクト同士を結ぶ線オブジェクトを配置する。
【0030】
節点オブジェクトは、配管パーツ等を模したオブジェクトである。また、線オブジェクトは、送水管及び電線等を模したオブジェクトである。
【0031】
画像処理部173は、表示部14に表示するための各種画像の生成を行う。例えば、画像処理部173は、カメラ12によって撮影された画像に、測距装置20によって測定された距離を表す数値、及び後述する計算部174によって計算された数値を重畳させた画像を生成する。また、画像処理部173は、配置済みのARオブジェクトに関する情報をオブジェクト情報162から取得し、カメラ12によって撮影された画像に当該ARオブジェクトを重畳させた画像を生成する。
【0032】
ここで、計算部174は、配置部172によって配置された節点オブジェクト同士を結ぶように配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する。
【0033】
ここで、節点オブジェクト及び線オブジェクトには物理的特性が設定されている。物理特性には、長さ、太さ、剛性等が含まれる。例えば、計算部174は、配置された節点オブジェクト間の距離から、当該節点オブジェクト間を結ぶための線オブジェクトの長さを計算することができる。
【0034】
生成部175は、計算部174によって計算された物理的特性が満たされるような、節点オブジェクト同士を結ぶ線オブジェクトを生成する。例えば、計算部174によって物理特性として長さが計算された場合、当該計算された長さを持つ線オブジェクトを生成する。
【0035】
そして、表示部14は、計算部174による計算結果に基づき、空間を撮影した画像に節点オブジェクトと線オブジェクトとを配置した画像を表示する。また、表示部14は、画像に節点オブジェクトと生成部175によって生成された線オブジェクトとを配置した画像を表示することができる。
【0036】
図2に示すように、測距装置20は、通信部21、制御部22及び測距センサ23を有する。例えば、通信部21は、情報処理装置10との間でデータの通信を行うための無線通信モジュールである。また、制御部22は、測距装置20の各部の制御を行う。例えば、制御部22は、測距センサ23が距離を測定するタイミングの制御を行う。
【0037】
測距センサ23は、レーザを用いてカメラ12から基準点までの距離に関する情報を取得する。測距センサ23は、投光部231及び受光部232を有する。測距センサ23は、レーザを利用して位相差検出方式やTOF(Time of Flight)方式等により距離を測定する。
【0038】
ここで、測距装置20の構造について説明する。測距装置20は、測距装置20を情報処理装置10に着脱可能に留める留め具を有する。留め具の少なくとも一部は、長さ及び位置の調整が可能である。
【0039】
図3は、情報処理装置に装着された測距装置の正面図の一例である。図3に示すように、測距装置20は、基部20aを有する。基部20aには、留め具として保持部20b、位置決め部20c、位置決め部20d及び保持部20eが備えられている。また、基部20aには、通信部21及び制御部22として機能する基板を収める基板部22aが備えられている。例えば、基板はマイコンである。また、投光部231及び受光部232は、投光素子又は受光素子とレンズを収めた鏡胴を有する。
【0040】
また、保持部20b及び位置決め部20cは、基部20aに設けられた溝にネジ留めされており、ネジを緩めて溝をスライドさせることで、装着する情報処理装置10の大きさや形状に合わせて位置及び長さを調整することができる。また、情報処理装置10のカメラ12を塞がないように配置されている。
【0041】
図4は、情報処理装置に装着された測距装置の斜視図の一例である。図4に示すように、保持部20bは、コの字の形状の部分で、情報処理装置10の端部を挟み込むように保持する。また、保持部20eは、保持部20bと同様の形状である。また、位置決め部20c及び位置決め部20dは、L字の形状であり、情報処理装置10が左右方向に動かないように固定する。
【0042】
ここで、保持部20eから保持部20bへ向かう方向を上方向、保持部20bから保持部20eへ向かう方向を下方向、位置決め部20cから位置決め部20dへ向かう方向を右方向、位置決め部20dから位置決め部20cへ向かう方向を左方向とする。
【0043】
図4に示すように、投光部231及び受光部232の鏡胴の長さは、情報処理装置10の厚みの2倍以上である。このように、レーザを用いた測距の有効距離や精度を向上させるためには、鏡胴を含む測距センサ23全体を大型化する必要がある。また、大型化した測距センサ23を一般的に使用されるスマートフォン等に組み込むことは現実的に困難である。このため、本実施形態のように、スマートフォン等に着脱可能な測距装置20に大型の測距センサ23を備えることで、レーザを用いた測距を容易かつ高精度に行うことが可能になる。
【0044】
また、測距装置20をスマートフォンである情報処理装置10に装着した場合、各留め具に囲まれた領域にタッチパネルディスプレイが位置する。また、各留め具は、情報処理装置10のタッチパネルディスプレイや各端子及びボタン等に干渉しないように配置される。
【0045】
図5は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。図5に示すように、表示部14は、節点オブジェクト51を含む複数の節点オブジェクトを表示する。さらに、表示部14は、各節点オブジェクト間を結ぶ線オブジェクト61を含む複数の線オブジェクトを表示する。
【0046】
また、図5に示すように、画面の左側には、設定ボタン141a、距離表示欄141b、メニュー制御ボタン141c、モード選択ボタン141d、配置ボタン141eが表示される。
【0047】
設定ボタン141aは、配置する節点オブジェクトを設定するためのボタンである。距離表示欄141bは、測距装置20の出力値を表示する。例えば、距離表示欄141bは、レーザによって計測された距離を表示する。メニュー制御ボタン141cは、右側のオプション画面の表示非表示を切り替えるためのボタンである。モード選択ボタン141dは、モードを選択するためのボタンである。
【0048】
モードには、節点オブジェクト及び線オブジェクトの表示態様を変化させるものが含まれる。例えば、表示態様を変化させるモードには、現実表示モードと強調表示モードが含まれる。
【0049】
例えば、現実表示モードが選択されると、表示部14は、実在する部材と同様の質感(鋼材、塩化ビニル等)を模したテクスチャで節点オブジェクト及び線オブジェクトを表示する。
【0050】
一方、強調表示モードが選択されると、表示部14は、節点オブジェクト及び線オブジェクトを強調して表示する。例えば、表示部14は、節点オブジェクト及び線オブジェクトを単色で塗りつぶして表示したり、点滅表示させたりする。
【0051】
配置ボタン141eが操作されると、節点オブジェクト又は線オブジェクトの配置が決定される。
【0052】
また、画面の右側には、ホームボタン143a、移動距離倍率設定欄143b、オブジェクト位置座標制御パネル143c、オブジェクト回転制御パネル143d、オブジェクト描画制御パネル143e、スケッチボタン143fが表示される。
【0053】
移動距離倍率設定欄143bは、各オブジェクトの位置座標を変更する際の移動距離を設定する。オブジェクト位置座標制御パネル143cは、3次元空間の3つの軸のそれぞれに沿ってオブジェクトを移動させるための操作を受け付ける。オブジェクト回転制御パネル143dは、所定の軸(例えば鉛直方向の軸)に沿って、オブジェクトを回転させる操作を受け付ける。
【0054】
オブジェクト描画制御パネル143eは、オブジェクトの選択及び描画に関する操作を受け付ける。また、スケッチボタン143fが操作されると、現在表示されている画面のキャプチャ画像が取得され保存される。
【0055】
図6のように、配置部172は、節点オブジェクト及び線オブジェクトを地下に相当する位置、又は建物等の死角に相当する位置に配置することができる。図6は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【0056】
また、図7のように、配置部172は、空間の奥行方向を含めたあらゆる方向に線オブジェクトを配置することができる。図7は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【0057】
(実施例1)
図8に示すように、表示部14は、配置可能な節点オブジェクトの一覧を表示する。配置部172は、リストから選択された節点オブジェクトを配置する。図8は、節点オブジェクトの配置例を示す図である。
【0058】
ここで、各節点オブジェクトは、配管パーツを模したものであり、線オブジェクトの接合位置があらかじめ定められているものとする。例えば節点オブジェクト「ティー」の接合位置は、左右及び下である。また、例えば節点オブジェクト「エルボー」の接合位置は、上及び右である。なお、各節点オブジェクトは3次元空間の任意の軸で回転可能であるものとする。
【0059】
図8のように、配置部172は、接合位置があらかじめ定められた配管パーツを模した節点オブジェクトを配置する。そして、計算部174は、節点オブジェクトの接合位置に端点が接合された状態で配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する。
【0060】
配置部172は、特に節点オブジェクト「ティー」及び「エルボー」等に隣接する節点オブジェクトの位置を、接合位置に合わせて90度に補正する。
【0061】
(実施例2)
線オブジェクトには、曲げが可能な度合いとして曲率が定められているものとする。計算部174は、節点オブジェクト同士を結ぶように線オブジェクトを配置した場合の線オブジェクトの曲げの度合いを計算する。
【0062】
そして、図9のように、表示部14は、所定の線状の部材が、計算部174によって計算された曲げの度合いを満たすような曲げに耐えられるか否かを表示する。図9は、線オブジェクトの表示例を示す図である。
【0063】
例えば、図9の左側に示す状態において、節点オブジェクト511、節点オブジェクト512、節点オブジェクト513、節点オブジェクト514を結ぶ線オブジェクト611の曲率は、あらかじめ定められた曲率を超えているものとする。
【0064】
この場合、表示部14は、線オブジェクト611を所定のスタイルで表示する。図9の例では、表示部14は、線オブジェクト611を一点鎖線で表示している。また、表示部14は、線オブジェクト611の色を変化させてもよい。
【0065】
図9の右側に示す状態では、節点オブジェクト512の位置が変更されている。これにより、線オブジェクト611の曲率は、あらかじめ設定された曲率を下回る。このとき、表示部14は、線オブジェクト611のスタイルを一点鎖線から実線に変更して表示する。
【0066】
(実施例3)
配置部172は、空間に存在する物体からあらかじめ指定された距離だけ離れた位置に節点オブジェクトを配置することができる。
【0067】
図10及び図11は、物体からのオフセットを説明する図である。図10に示すように、配置部172は、配置された節点オブジェクト521を、あらかじめ指定された配管オフセット値(例えば5cm)だけ壁から離れた位置に移動させる(節点オブジェクト522)。
【0068】
また、図11に示すように、移動後の節点オブジェクト522の位置は、オフセット方向を回転させることで定義されてもよい。
【0069】
(実施例4)
計算部174は、各オブジェクト間の距離を測定する。図12及び図13は、距離の測定を説明する図である。
【0070】
図12に示すように、計算部174は、節点オブジェクト531と直線の線オブジェクト631との間の距離を計算することができる。また、計算部174は、節点オブジェクト531と曲線の線オブジェクト632上の最近点との間の距離を計算することができる。
【0071】
図13に示すように、計算部174は、節点オブジェクト542と節点オブジェクト541との間の水平方向の距離及び垂直方向の距離を計算することができる。
【0072】
また、計算部174は、配管径及びクリアランスを考慮して距離を計算することができる。図13の例では、節点オブジェクト542を中心とする円741又は円742と、節点オブジェクト541との間の距離を計算する。
【0073】
(実施例5)
配置部172は、空間に定義された仮想的な面から、あらかじめ指定された距離だけ離れた位置に節点オブジェクトを配置する。図14は、定義面からのオフセットを説明する図である。
【0074】
図14の例では、定義面751は、節点オブジェクト551、節点オブジェクト552及び節点オブジェクト553によって定義される。節点オブジェクト554、節点オブジェクト555、節点オブジェクト556及び節点オブジェクト557は定義面751から一定距離だけ離れた位置に配置される。
【0075】
図15は、干渉の検知を説明する図である。計算部174は、節点オブジェクト561と節点オブジェクト562との間に配置された線オブジェクト661が他のオブジェクトに干渉していることを検知する。
【0076】
図16は、線オブジェクトの配置を説明する図である。生成部175は、節点オブジェクト571と節点オブジェクト572との間に配置された線オブジェクト671が他のオブジェクトに干渉する場合、干渉を回避できる線オブジェクト672を生成する。
【0077】
(第1の実施形態の処理)
図17は、第1の実施形態に係る表示システムの処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、必要に応じて節点オブジェクトの配置を行う(ステップS101)。次に、情報処理装置10は、節点オブジェクトを基に線オブジェクトの配置を計算する(ステップS102)。
【0078】
線オブジェクトが配置可能である場合(ステップS103、Yes)、情報処理装置10は、線オブジェクトを配置し画像中に表示する(ステップS104)。
【0079】
線オブジェクトが配置可能でない場合(ステップS103、No)、情報処理装置10は、線オブジェクトを配置不可能であることを通知する(ステップS105)。
【0080】
図18は、節点オブジェクトを配置する処理の流れを示すフローチャートである。図18の節点オブジェクトを配置する処理は、図17のS101の処理である。まず、情報処理装置10は、GPS等により現在の位置を測位する(ステップS201)。次に、情報処理装置10は、画像を撮影する(ステップS202)。
【0081】
情報処理装置10は、画像中のARマーカを特定できた場合(ステップS203、Yes)、配置済みのARオブジェクトを画像中に表示する(ステップS204)。情報処理装置10は、画像中のARマーカを特定できなかった場合(ステップS203、No)、ARオブジェクトを配置せずに次の処理へ進む。なお、ステップS101の測位結果は、ARマーカの特定の際に補助的な情報として用いられる場合がある。
【0082】
測距装置20は、距離を測定する(ステップS205)。そして、情報処理装置10は、測距装置20が測定した距離を画像中に表示する(ステップS206)。ここで、情報処理装置10は、ARオブジェクトを配置する操作を受け付けなかった場合は(ステップS207、No)、処理を終了する。
【0083】
情報処理装置10は、ARオブジェクトを配置する操作を受け付けた場合(ステップS207、Yes)、測定した距離を基に節点オブジェクトを配置した上で(ステップS208)、配置した節点オブジェクトを画像中に表示する。
【0084】
(第1の実施形態の効果)
これまで説明してきたように、配置部172は、空間内の撮影された領域に複数の節点オブジェクトを配置する。計算部174は、配置部172によって配置された節点オブジェクト同士を結ぶように配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する。表示部14は、計算部174による計算結果に基づき、空間を撮影した画像に節点オブジェクトと線オブジェクトとを配置した画像を表示する。
【0085】
計算結果により、配置の可否を確認することや、実際に線オブジェクトを配置することが可能になる。このため、本実施形態によれば、現実的な配管及び配線の計画を効率良く行うことができる。
【0086】
生成部175は、計算部174によって計算された物理的特性が満たされるような、節点オブジェクト同士を結ぶ線オブジェクトを生成する。表示部14は、画像に節点オブジェクトと生成部175によって生成された線オブジェクトとを配置した画像を表示する。
【0087】
このように、線オブジェクトを生成し画像を表示することで、リアルタイムに配管及び配線のシミュレーションを行うことができる。
【0088】
配置部172は、接合位置があらかじめ定められた配管パーツを模した節点オブジェクトを配置する。計算部174は、節点オブジェクトの接合位置に端点が接合された状態で配置することができる線オブジェクトの物理的特性を計算する。
【0089】
このように、実際の配管パーツを模したオブジェクトを配置することで、現実的な配管のシミュレーションを行うことができる。
【0090】
計算部174は、節点オブジェクト同士を結ぶように線オブジェクトを配置した場合の線オブジェクトの曲げの度合いを計算する。表示部14は、所定の線状の部材が、計算部174によって計算された曲げの度合いを満たすような曲げに耐えられるか否かを表示する。
【0091】
これにより、送水管及び電線等の曲げを考慮した現実的なシミュレーションを行うことができる。
【0092】
配置部172は、空間に存在する物体からあらかじめ指定された距離だけ離れた位置に節点オブジェクトを配置する。また、配置部172は、空間に定義された仮想的な面から、あらかじめ指定された距離だけ離れた位置に節点オブジェクトを配置する。
【0093】
これにより、壁等からのオフセットを考慮して配管及び配線のシミュレーションを行うことができる。
【0094】
なお、本実施形態の情報処理装置10及び測距装置20で実行されるプログラムは、ROM等にあらかじめ組み込まれて提供される。本実施形態の情報処理装置10及び測距装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0095】
さらに、本実施形態の情報処理装置10及び測距装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の情報処理装置10及び測距装置20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0096】
本実施形態の情報処理装置10及び測距装置20で実行されるプログラムは、上述した各部(特定部171、配置部172、画像処理部173、計算部174及び生成部175)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、特定部171、配置部172、画像処理部173及び計算部174が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0097】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
1 表示システム
10 情報処理装置
11、21 通信部
12 カメラ
13 入力部
14 表示部
15 測位部
16 記憶部
17、22 制御部
20 測距装置
20a 基部
20b、20e 保持部
20c、20d 位置決め部
22a 基板部
23 測距センサ
51、511、512、513、514、521、522、531、541、542、551、552、553、554、555、556、557 節点オブジェクト
61、611、631、632、661、671、672 線オブジェクト
141a 設定ボタン
141b 距離表示欄
141c メニュー制御ボタン
141d モード選択ボタン
141e 配置ボタン
142a 離隔距離表示欄
143a ホームボタン
143b 移動距離倍率設定欄
143c オブジェクト位置座標制御パネル
143d オブジェクト回転制御パネル
143e オブジェクト描画制御パネル
143f スケッチボタン
161 AR情報
162 オブジェクト情報
171 特定部
172 配置部
173 画像処理部
174 計算部
175 生成部
231 投光部
232 受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
図18