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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136844
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】災害情報システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/22 20060101AFI20220913BHJP
   G01V 1/28 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
G01V1/22
G01V1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036646
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】福本 博文
(72)【発明者】
【氏名】小山 雅人
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA03
2G105BB01
2G105BB09
2G105MM01
(57)【要約】
【課題】推測された位置における被災の状況をより正確に把握する。
【解決手段】災害情報システムは、特定の位置での被災の状況を推測した推測情報と、前記特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーから投稿された投稿情報とを取得する情報取得部を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の位置での被災の状況を推測した推測情報と、前記特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーから投稿された投稿情報とを取得する情報取得部を備える
災害情報システム。
【請求項2】
前記特定の位置に応じた範囲とは、前記特定の位置から所定の距離の範囲内、又は前記特定の位置が含まれる特定の領域に応じた領域である
請求項1に記載の災害情報システム。
【請求項3】
取得した前記推測情報と、一つ乃至複数の前記投稿情報を選択又は組み合わせた情報である選択情報とを対応付ける対応付け部を更に備える
請求項1または2に記載の災害情報システム。
【請求項4】
前記推測情報は、前記特定の位置とは異なる位置における被災の情報から推測される
請求項1~3のいずれか一項に記載の災害情報システム。
【請求項5】
前記特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーに投稿を呼び掛ける呼び掛け部を更に備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の災害情報システム。
【請求項6】
前記呼び掛け部が投稿を呼び掛ける範囲は、メッシュ単位で設定される
請求項5に記載の災害情報システム。
【請求項7】
ユーザーから投稿された前記投稿情報に基づき、前記特定の位置における前記推測情報を修正する修正部を更に備える
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の災害情報システム。
【請求項8】
前記修正部は、前記特定の位置における前記推測情報を修正した場合、修正した位置における属性及び前記推測情報と同様の属性及び前記推測情報を有する位置の推測情報を修正する
請求項7に記載の災害情報システム。
【請求項9】
前記修正部は、ユーザーからの投稿があった場合、かつ投稿があった位置での被災の状況が推測情報に示される被災の状況より大きい場合、投稿情報又は推測情報のうちいずれか大きい方を前記特定の位置における災害情報とする
請求項7又は請求項8に記載の災害情報システム。
【請求項10】
前記属性には、地図上の地域をほぼ同じ大きさのメッシュに区切った座標情報が含まれる
請求項8に記載の災害情報システム。
【請求項11】
前記特定の位置での被災の状況を推測した前記推測情報は、地震による建物被害の状況を含み、
前記特定の位置とは異なる位置における被災の情報は、地震計から取得した情報であり、
前記修正部は、被災の推測に位置の属性を用い、
前記位置の属性は、地下構造モデルおよび建物構造モデルである
請求項4に従属する請求項7から請求項10のうちいずれか一項に記載の災害情報システム。
【請求項12】
前記推測情報と前記投稿情報とを画面表示する表示部を更に備える
請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の災害情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、離散的に配置された地震計により測定された地震動に基づいて、任意の地点における震度を推測する技術があった(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-167063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来技術はあくまでも推測技術であり、推測された被害状況は、災害が生じたときの実際の被害状況と異なる場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、推測された位置における被災の状況をより正確に把握することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、特定の位置での被災の状況を推測した推測情報と、前記特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーから投稿された投稿情報とを取得する情報取得部を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記特定の位置に応じた範囲とは、前記特定の位置から所定の距離の範囲内、又は前記特定の位置が含まれる特定の領域に応じた領域である。
【0008】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、取得した前記推測情報と、一つ乃至複数の前記投稿情報を選択又は組み合わせた情報である選択情報とを対応付ける対応付け部を更に備える。
【0009】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記推測情報は、前記特定の位置とは異なる位置における被災の情報から推測される。
【0010】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーに投稿を呼び掛ける呼び掛け部を更に備える。
【0011】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記呼び掛け部が投稿を呼び掛ける範囲は、メッシュ単位で設定される。
【0012】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、ユーザーから投稿された前記投稿情報に基づき、前記特定の位置における前記推測情報を修正する修正部を更に備える。
【0013】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記修正部は、前記特定の位置における前記推測情報を修正した場合、修正した位置における属性及び前記推測情報と同様の属性及び前記推測情報を有する位置の推測情報を修正する。
【0014】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記修正部は、ユーザーからの投稿があった場合、かつ投稿があった位置での被災の状況が推測情報に示される被災の状況より大きい場合、前記投稿情報又は前記推測情報のうちいずれか大きい方を前記特定の位置における災害情報とする。
【0015】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記属性には、地図上の地域をほぼ同じ大きさのメッシュに区切った座標情報が含まれる。
【0016】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記特定の位置での被災の状況を推測した前記推測情報は、地震による建物被害の状況を含み、前記特定の位置とは異なる位置における被災の情報は、地震計から取得した情報であり、前記修正部は、被災の推測に位置の属性を用い、前記位置の属性は、地下構造モデルおよび建物構造モデルである。
【0017】
本発明の一態様に係る災害情報システムは、前記推測情報と前記投稿情報とを画面表示する表示部を更に備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、推測された位置における被災の状況をより正確に把握することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係る災害情報システムの概要について説明する図である。
図2】第1の実施形態に係る災害情報システムの機能構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る災害情報システムの一連の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】第2の実施形態に係る災害情報システムの機能構成の一例を示す図である。
図5】第2の実施形態に係る選択情報及び対応情報について説明するための図である。
図6】第3の実施形態に係る災害情報システムの機能構成の一例を示す図である。
図7】第3の実施形態に係る災害情報システムの一連の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】第4の実施形態に係る災害情報システムの機能構成の一例を示す図である。
図9】第4の実施形態に係る修正部の動作について説明するための図である。
図10】第5の実施形態に係る災害情報システムの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限定されない。
本実施形態において、災害の一例として地震が発生した場合の一例について説明するが、災害とは地震である場合の一例に限定されない。災害とは、洪水、土砂災害、暴風、積雪、落雷、霜害、噴火等の自然災害や、火災、原子力事故、化学物質汚染等の人為的災害等を広く含む。
【0021】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る災害情報システム1の概要について説明する図である。同図を参照しながら、第1の実施形態に係る災害情報システム1の概要について説明する。同図における説明において、x軸及びy軸の直交座標系によって、位置を特定する場合がある。
同図に示す一例は、ある特定の地表面をメッシュ状の区画に区切った図である。本実施形態において、地表面とは、地球の表面を意味し、陸上の土地の表面(地面)と、水面下の土地の表面(河床面や海底面等)との両方を含む。メッシュ状に区切られた各区画を、領域ARと記載する。領域ARのx軸上における位置についてAからIまでのアルファベットにより特定し、y軸上における位置について1から9までの数字により特定する場合がある。
【0022】
位置座標が(H,2)である位置P1には被災状況取得装置S1が設置され、位置座標が(C,6)である位置P2には被災状況取得装置S2が設置され、位置座標が(G,7)である位置P3には被災状況取得装置S3が設置される。以降の説明において、被災状況取得装置S1と、被災状況取得装置S2と、被災状況取得装置S3とを区別しない場合には、被災状況取得装置Sと記載する。
被災状況取得装置Sは、災害発生時における設置された地点の被災の状況を取得する。被災状況取得装置Sは、例えば、ビル等の建造物に設置される地震計であってもよい。地震計である被災状況取得装置Sは、地震発生時における地震の揺れを計測する。被災状況取得装置Sは、計測された地震動から計測震度を算出してもよい。また、被災状況とは、計測した地震の揺れから計算されたビル等の建造物の損傷であってもよい。
なお、本実施形態における地震計とは、感震ブレーカー、スマートガスメーター、スマートフォンやタブレット端末等の加速度センサを内蔵する機器等を広く含む。
【0023】
ここで、防犯カメラやインターホン等の建造物に固定された撮像装置から取得した動画又は複数の画像に基づき、経時的な画像の動きから、揺れの大きさを算出する場合がある。また、取得した動画又は画像そのものから画像認識により建物被害状況を取得する場合がある。すなわち、本実施形態における被災状況取得装置Sとは、防犯カメラやインターホン等の建造物に固定された撮像装置を含む。
【0024】
災害の一例として水害の状況を推定する場合、被災状況取得装置Sとは、水位センサ、漏水センサ等の浸水被害状況取得装置であってもよい。
また、災害の一例として火災の状況を推定する場合、被災状況取得装置Sとは、温度センサ、赤外線センサ等の温度情報取得装置であってもよい。なお、地震被害の状況として、火災被害の状況を推定してもよい。
また、災害の一例として風害の状況を推定する場合、被災状況取得装置Sとは、風速計であってもよい。風速計とは、例えば、一般住宅用に設置された風速計であってもよい。
【0025】
被災状況取得装置Sは、互いに所定の間隔をあけて設置される。すなわち、複数の被災状況取得装置Sは、それぞれ離散して設置される。被災状況取得装置Sがそれぞれ離散して設置されるため、メッシュ状に区切られた全ての領域ARについての被災の状況を被災状況取得装置Sから取得することはできない。換言すれば、メッシュ状に区切られた領域ARのうち、被災状況取得装置Sが設置されていない領域ARについては被災の状況を取得できず、そのため、得られた情報から被災の状況を推測することを要する。具体的には、第1の被災状況取得装置Sが設置された位置と、第1の被災状況取得装置Sに隣接する第2の被災状況取得装置Sが設置された位置との間に存在する特定の位置における被災の状況は、被災状況取得装置Sから取得した情報に基づき推測される。
【0026】
例えば、被災状況取得装置Sは、2km(キロメートル)間隔で設置されてもよい。被災状況取得装置Sが、2km間隔で設置される場合、取得した情報に基づき、1km間隔や、500m(メートル)間隔における被災の状況が推測されてもよい。
【0027】
図1に示す一例では、被災状況取得装置S1と、被災状況取得装置S2と、被災状況取得装置S3との間の位置である特定位置(特定の位置)SPが存在する領域ARである特定領域(特定の領域)SAにおける被災の状況が、それぞれの被災状況取得装置Sが取得した被災の状況に基づき、推測される。例えば、特定領域SAにおける被災の状況は、それぞれの被災状況取得装置Sが取得した被災の状況を単純平均することにより推測されてもよい。
【0028】
ここで、離散した位置に設置された被災状況取得装置Sが取得した情報に基づき推測された被災の状況は、正確でない場合がある。例えば、地形や地盤等の状況が異なれば、2つの被災状況取得装置Sがそれぞれ設置された位置の中間に位置する地点であっても、2つの被災状況取得装置Sがそれぞれ取得した被災の状況の単純平均とは異なる場合がある。
【0029】
本実施形態においては、特定領域SAに存在するユーザーから情報を取得することにより、推測される被災の状況をより正確に把握する。ユーザーとは、例えば、所定のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の登録者であってもよい。所定のSNSに登録されたユーザーは、災害の発生後、被災の状況等について投稿を行う。
災害情報システム1は、ユーザーにより投稿された情報に基づき、推測した被災の状況をより正確に推測する。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る災害情報システム1の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、第1の実施形態に係る災害情報システム1の機能構成の一例について説明する。災害情報システム1は、情報取得部100を備える。情報取得部100は、推測情報取得部110と、投稿情報取得部120とを備える。情報取得部100は、推測部81及び情報処理端末82から情報を取得する。
なお、推測部81及び情報処理端末82は、災害情報システム1に含まれていてもよい。
【0031】
推測部81は、被災状況取得装置Sから被災の状況を取得する。被災状況取得装置Sが地震計である場合、推測部81は、被災の状況を推測情報I1として、地震計である被災状況取得装置Sから取得する。推測部81は、取得した情報に基づき、被災状況取得装置Sが設置されていない地点における被災の状況を推測する。推測部81は、推測した情報を推測情報I1として災害情報システム1に出力する。
なお、推測部81は、被災状況取得装置Sが設置された複数の地点の間における特定の地点の被災の状況を推測してもよいし、被災状況取得装置Sが設置された複数の地点の間における複数の地点における被災の状況を推測してもよい。
【0032】
ここで、被災状況取得装置Sが被災の状況を取得する地点と、推測部81が被災の状況を推測する地点とは、異なる地点である。換言すれば、推測部81は、被災状況取得装置Sにより被災の状況が取得された地点とは異なる地点における被災の状況を推測情報I1として推測する。すなわち、推測情報I1は、特定位置SPとは異なる位置における被災の状況に関する情報から推測される。
【0033】
なお、推測部81は、公的機関に備えられる装置により実現されていてもよい。推測部81が公的機関に備えられる場合、推測情報I1は、公的機関により発行されるハザードマップ等の情報であってもよい。
【0034】
情報処理端末82は、スマートフォン、タブレット等の端末であって、ユーザーにより所持される端末である。情報処理端末82は、ユーザーにより操作される。ユーザーは、情報処理端末82を操作することにより、ユーザーが存在する地点における被災の状況を送信する。ユーザーにより送信される情報は、例えば、建造物の被害状況についての建物被害情報であってもよい。建物被害情報とは、建物内装の損傷、建物外装の損傷、建物の傾き等、ユーザーが目視で確認できる損傷の程度を含む情報である。建物被害情報は、例えば、建物内装の損傷、建物外装の損傷、建物の傾き等の各項目について、1から10の段階で程度を表した情報を含む情報であってもよい。また、建物被害情報は、実際の被害情報を撮像した画像情報を含むものであってもよい。
ユーザーは、被災の状況を、投稿情報I2として災害情報システム1に出力する。ユーザーは、例えばSNSを介して、被災の状況を出力する。
【0035】
推測情報取得部110は、推測部81から推測情報I1を取得する。推測情報I1とは、特定の位置での被災の状況を推測した情報である。投稿情報取得部120は、情報処理端末82から投稿情報I2を取得する。ここで、投稿情報取得部120が取得する投稿情報I2に含まれる被災の状況は、推測情報I1に含まれる特定の位置における被災の状況である。具体的には、投稿情報取得部120は、推測情報取得部110が取得した推測情報I1に含まれる特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーから投稿された投稿情報I2を取得する。すなわち、情報取得部100は、特定の位置での被災の状況を推測した推測情報I1と、特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーから投稿された投稿情報I2とを取得する。
【0036】
ここで、特定の位置に応じた範囲とは、特定の位置から所定の距離の範囲内であってもよい。この場合、投稿情報取得部120は、推測情報取得部110が取得した推測情報I1に含まれる特定の位置から所定の距離の範囲内に存在するユーザーから投稿された投稿情報I2を取得する。
【0037】
また、特定の範囲とは、特定位置SPが含まれる特定領域SAに応じた領域であってもよい。この場合、投稿情報取得部120は、推測情報取得部110が取得した推測情報I1に含まれる特定位置SPが含まれる特定領域SAに存在するユーザーから投稿された投稿情報I2を取得する。
【0038】
図3は、第1の実施形態に係る災害情報システム1の一連の動作の一例を示すフローチャートである。同図を参照しながら、第1の実施形態に係る災害情報システム1の一連の動作の一例について説明する。
(ステップS110)まず、災害が発生する。図3に示す一例においては、災害の一例として地震が発生した場合について説明する。
(ステップS120)被災状況取得装置Sは、災害に関するデータを取得する。災害に関するデータとは、例えば、被災の状況を示す情報である。被災の状況を示す情報とは、災害が地震である場合、位置情報と、振動情報とを含む情報であってもよい。また、被災の状況を示す情報には、時刻情報が含まれていてもよい。
【0039】
(ステップS130)推測部81は、被災状況取得装置Sが取得した情報に基づき、被災の状況を推測する。推測部81は、被災状況取得装置Sにより取得された被災の状況を示す情報に含まれる位置情報に基づき、被災状況取得装置Sが設置されていない地点における被災の状況を推測する。推測部81は、推測した推測情報I1を出力し、推測情報取得部110は、推測部81により出力された推測情報I1を取得する。
【0040】
(ステップS140)投稿情報取得部120は、ユーザーにより投稿された投稿情報I2を取得する。本実施形態において、ユーザーとは、SNS登録者である。SNSは、一般に普及されているサービスであってもよいし、災害情報システム1により提供されるサービスであってもよい。投稿情報I2には、位置情報と、当該位置における被災の状況が含まれる。投稿情報I2に含まれる被災の状況とは、例えば、地震によって生じた建物被害等の情報であってもよい。
【0041】
(ステップS150)情報取得部100は、投稿情報I2を取得した場合(すなわち、ステップS150:YES)、処理をステップS160に進める。具体的には、情報取得部100は、推測情報I1に含まれる位置情報に対応する位置情報を含む投稿情報I2を取得した場合に、処理をステップS160に進める。推測情報I1に含まれる位置情報に対応する位置情報とは、例えば、同一の領域AR内である場合であってもよい。
情報取得部100は、投稿情報を取得しない場合(すなわち、ステップS150:NO)、処理をステップS180に進める。具体的には、情報取得部100は、推測情報I1に含まれる位置情報に対応する位置情報を含む投稿情報I2を取得しない場合に、処理をステップS180に進める。
【0042】
(ステップS160)情報取得部100は、対応する位置情報を有する推測情報I1と投稿情報I2とを比較し、推測情報I1に含まれる被災の状況と、投稿情報I2に含まれる被災の状況とが一致する場合(すなわち、ステップS160:YES)、処理をステップS180に進める。ここで、推測情報I1に含まれる被災の状況と、投稿情報I2に含まれる被災の状況とが一致する場合の範囲は、厳密に一致することを要せず、所定の範囲内であればよい。所定の範囲内とは、例えば、予め定められた範囲であって、被災の状況に応じて定められた範囲であってもよい。情報取得部100は、推測情報I1に含まれる被災の状況と、投稿情報I2に含まれる被災の状況とが一致しない場合(すなわち、ステップS160:NO)、処理をステップS170に進める。
【0043】
(ステップS170)情報取得部100は、推測情報I1に含まれる被災の状況を示す情報を、投稿情報I2に含まれる被災の状況を示す情報に修正し、推測情報I1及び投稿情報I2に含まれる位置情報が示す地点における被災の状況とする。
(ステップS180)情報取得部100は、被災の状況について確定する。
【0044】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1は、情報取得部100を備えることにより、特定位置SPでの被災の状況を推測した推測情報I1を取得し、特定の位置に応じた範囲に存在するユーザーから投稿された投稿情報I2を取得する。したがって、情報取得部100は、特定の位置における推測情報I1と、投稿情報I2とを取得することができる。よって、推測情報I1と投稿情報I2とを比較し、より確からしい情報に基づき、特定の位置における被災の状況を確定することができる。例えば、情報取得部100は、投稿情報I2に示される被災の状況を確定情報として採用することにより、推測された情報より正確な被災の状況を得ることができる。よって、本実施形態によれば、情報取得部100は、推測された位置における被災の状況をより正確に把握することができる。
【0045】
また、以上説明した実施形態によれば、特定の位置に応じた範囲とは、特定の位置から所定の距離の範囲内、又は特定の位置が含まれる特定の領域に応じた領域である。すなわち、推測情報I1に含まれる位置情報が示す位置と、投稿情報I2に含まれる位置情報が示す位置とは、所定の距離の範囲内又は同一の領域ARの範囲内である。よって、本実施形態によれば、所定の距離の範囲内又は同一の領域ARの範囲内における被災の状況をより正確に把握することができる。
【0046】
また、以上説明した実施形態によれば、推測情報I1は、特定位置SPとは異なる位置に設置された被災状況取得装置Sから取得された被災の状況に関する情報から推測される。本実施形態においては、被災状況取得装置Sにより被災の状況に関する情報が取得できなかった地点、すなわち、被災の状況が推測される地点における投稿情報I2を取得する。よって、本実施形態によれば、所定の距離の範囲内又は同一の領域ARの範囲内における被災の状況をより正確に把握することができる。
【0047】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係る災害情報システム1Aの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、第2の実施形態に係る災害情報システム1Aの機能構成の一例について説明する。災害情報システム1Aは、対応付け部200を備える点において、災害情報システム1とは異なる。災害情報システム1Aの説明において、災害情報システム1と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0048】
対応付け部200は、推測情報I1と投稿情報I2とを、対応情報I4として対応づける。ここで、推測情報I1に含まれる位置情報が示す地点に対応する特定領域SAには複数のユーザーが存在し、複数のユーザーからの投稿がある場合があるため、1つの推測情報I1に含まれる位置情報が示す地点について、複数の投稿情報I2を取得する場合がある。対応付け部200は、取得した推測情報I1に含まれる位置情報と、対応する位置情報が含まれる1つ乃至複数の投稿情報I2を選択又は組み合わせる。対応付け部200により、選択又は組み合わせられた情報を選択情報I3とも記載する。対応付け部200は、推測情報I1と、対応する位置情報を有する選択情報I3とを対応情報I4として対応付ける。すなわち、対応付け部200は、取得した推測情報I1と、一つ乃至複数の投稿情報I2を選択又は組み合わせた情報である選択情報I3とを、対応情報I4として対応付ける。
【0049】
図5は、第2の実施形態に係る選択情報I3及び対応情報I4について説明するための図である。同図を参照しながら、第2の実施形態に係る選択情報I3及び対応情報I4について説明する。同図に示す一例において、同一の行に記載される推測情報I1と投稿情報I2とは、対応する位置情報を含むものとする。
同図には、推測情報I1として、推測情報I1-1と、推測情報I1-2とが存在する。また、投稿情報I2として、投稿情報I2-11と、投稿情報I2-12と、投稿情報I2-21とが存在する。推測情報I1-1は、投稿情報I2-11及び投稿情報I2-12と対応する位置情報を含み、推測情報I1-2は投稿情報I2-21と対応する位置情報を含む。
【0050】
対応付け部200は、推測情報I1-1に含まれる位置情報と対応する位置情報が含まれる投稿情報I2-11と、投稿情報I2-12とを選択し、選択情報I3-1とする。また、対応付け部200は、推測情報I1-2に含まれる位置情報と対応する位置情報が含まれる投稿情報I2-21を選択し、選択情報I3-2とする。
対応付け部200は、1つの推測情報I1と、1つの選択情報I3(すなわち、1つ乃至複数の投稿情報I2)とを対応情報I4として対応付ける。具体的には、対応付け部200は、推測情報I1-1と選択情報I3-1とを対応情報I4-1として対応付け、推測情報I1-2と選択情報I3-2とを対応情報I4-2として対応付ける。
【0051】
[第2の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1Aは、対応付け部200を備えることにより、1つの推測情報I1と、1つの選択情報I3とを対応情報I4として対応づける。1つの選択情報I3には、1つ乃至複数の投稿情報I2が含まれる。すなわち、本実施形態によれば、推測情報I1に含まれる地点における被災の状況を、複数の投稿情報I2に基づいて確定することができる。
ここで、投稿情報I2が1つ乃至少ない場合、推測情報I1の方が正確である場合がある。本実施形態によれば、複数の投稿情報I2に基づき、被災の状況を把握するため、誤った情報を含む投稿情報I2が投稿されたとしても、誤った情報を含む投稿情報I2の影響を排除することができる。よって、本実施形態によれば、所定の距離の範囲内又は同一の領域ARの範囲内における被災の状況をより正確に把握することができる。
【0052】
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係る災害情報システム1Bの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、第3の実施形態に係る災害情報システム1Bの機能構成の一例について説明する。災害情報システム1Bは、呼び掛け部300を備える点において、災害情報システム1Aとは異なる。災害情報システム1Bの説明において、災害情報システム1Aと同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0053】
呼び掛け部300は、所定の通信ネットワークNWを介して、特定位置SPに応じた範囲に存在するユーザーに、投稿情報I2の投稿を呼び掛ける。例えば、呼び掛け部300は、所定のSNSに登録されているユーザー情報や、所定のSNSを通じて取得したユーザーの位置情報に応じて、特定位置SPに応じた範囲に存在するユーザーを特定し、特定したユーザーに対して投稿情報I2の投稿を呼び掛ける。
【0054】
ここで、呼び掛け部300が投稿情報I2の投稿を呼び掛ける範囲は、メッシュ単位で設定される。具体的には、メッシュ単位とは、図1において説明した領域AR単位であってもよい。
また、本実施形態において、推測部81は、メッシュ単位で設定される範囲である特定領域SAにおける被災の状況を推測してもよい。
【0055】
図7は、第3の実施形態に係る災害情報システム1Bの動作の一例を示すフローチャートである。同図を参照しながら、第3の実施形態に係る災害情報システム1Bの一連の動作の一例について説明する。既に図3を参照しながら、第1の実施形態に係る災害情報システム1の一連の動作において説明した動作については、同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。図7を参照しながら説明する第3の実施形態に係る災害情報システム1Bの動作の一例においては、ステップS135を備える点において異なる。
【0056】
(ステップS135)呼び掛け部300は、推測部81により推測された推測情報I1に含まれる位置情報に対応する特定領域SAに存在するユーザーを特定する。呼び掛け部300は、特定したユーザーに対し、所定のSNSを介して投稿情報I2の投降を呼び掛ける。
【0057】
なお、ステップS170において、推測情報I1と投稿情報I2とに基づいて、特定領域SAにおける被災の状況を修正する際、呼び掛け部300が投稿情報I2の投稿を呼び掛けたにもかかわらず、投稿情報I2を取得できなかった場合、重篤な被害が発生していることも考えられる。したがって、呼び掛け部300が投稿情報I2の投稿を呼び掛けたにもかかわらず、投稿情報I2を取得できなかった場合は、推測情報I1が推測した情報に、投稿情報I2の返信がなかったことを考慮し、さらに被害が大きいように、被災の状況を修正してもよい。
【0058】
[第3の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1Bは、特定位置SPに応じた範囲に存在するユーザーに、投稿情報I2の投稿を呼び掛ける。特定位置SPとは、推測部81により被災の状況が推測された範囲である。したがって、本実施形態によれば、被災の状況を推測した位置における投稿情報I2を取得できるため、推測された被災の状況と実際の被災の状況との間に誤差がある場合には、投稿情報I2に基づき実際の被災の状況に修正することができる。よって、本実施形態によれば、被災の状況をより正確に把握することができる。
【0059】
また、以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1Bにおいて、呼び掛け部300が投稿情報I2の投稿を呼び掛ける範囲は、メッシュ単位で設定される。メッシュ単位とは、ある特定の地表面をメッシュ状の区画に区切った1区画である。したがって、呼び掛け部300は、投稿情報I2の投稿を呼び掛けるべきユーザーの範囲を容易に特定でき、容易に投稿情報I2の投稿を呼び掛けることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、推測部81は、メッシュ単位で設定される範囲である特定領域SAにおける被災の状況を推測する。したがって、推測部81が推測する範囲と、呼び掛け部300が投稿を呼び掛ける範囲とは、同一の単位により区切られる。したがって、呼び掛け部300は、投稿情報I2の投稿を呼び掛けるべきユーザーの範囲を更に容易に特定でき、更に容易に投稿情報I2の投稿を呼び掛けることができる。
【0060】
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係る災害情報システム1Cの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、第4の実施形態に係る災害情報システム1Cの機能構成の一例について説明する。災害情報システム1Cは、修正部400を備える点において、災害情報システム1Bとは異なる。災害情報システム1Cの説明において、災害情報システム1Bと同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0061】
修正部400は、ユーザーから投稿された投稿情報I2に基づき、特定位置SPにおける推測情報I1を修正する。具体的には、修正部400は、ユーザーからの投稿があった場合(すなわち、投稿情報I2を取得した場合)、対応する位置情報を含む推測情報I1と、投稿情報I2とを比較し、投稿情報I1又は推測情報I2のうちいずれか大きい方を特定位置SPにおける災害情報とする。具体的には、修正部400は、ユーザーからの投稿があった場合(すなわち、投稿情報I2を取得した場合)、かつ投稿があった位置(すなわち、投稿情報I2に含まれる位置情報に示される位置)での被災の状況が推測情報I1に示される被災の状況より大きい場合、投稿情報I1又は推測情報I2のうちいずれか大きい方を特定位置SPにおける災害情報とする。
【0062】
図9は、第4の実施形態に係る修正部400の動作について説明するための図である。同図を参照しながら、修正部400の動作について説明する。同図は、対応する位置情報を有する対応情報I4として、対応情報I4-11と、対応情報I4-12とに含まれる情報を示す。同図に示す被災の状況は、被災の状況を10段階で示した値である。値が大きいほど被災の状況は深刻であり、値が小さいほど被災の状況は軽微である。
【0063】
対応情報I4-11によれば、推測情報I1に含まれる被災の状況は“4”である。また、投稿情報I2に含まれる被災の状況は“5”である。この場合、修正部400は、推測情報I1に含まれる被災の状況と、投稿情報I2に含まれる被災の状況とを比較し、特定位置SPにおける被災の状況を修正する。例えば、修正部400は、投稿情報I1に含まれる被災の状況である“4”と、推測情報I2に含まれる被災の状況である“5”のうち、被災の状況が大きい推測情報I2に含まれる被災の状況である“5”を特定位置SPにおける被災の状況とする。
【0064】
対応情報I4-12によれば、推測情報I1に含まれる被災の状況は“4”である。また、投稿情報I2に含まれる被災の状況は“3”である。この場合、修正部400は、推測情報I1に含まれる被災の状況と、投稿情報I2に含まれる被災の状況とを比較し、特定位置SPにおける被災の状況を修正する。例えば、修正部400は、投稿情報I1に含まれる被災の状況である“4”と、推測情報I2に含まれる被災の状況である“3”のうち、被災の状況が大きい推測情報I1に含まれる被災の状況である“4”を特定位置SPにおける被災の状況とする。
【0065】
なお、上述した一例では、修正部400は、被災の状況が大きい方を、特定位置SPにおける被災の状況としたが、本実施形態においては、この一例に限定されない。例えば、修正部400は、単純平均、又は統計処理等により、特定位置SPにおける被災の状況としてもよい。
なお、修正部400は、災害が発生してから、投稿情報I2を取得するまでの時間、取得した投稿情報I2の数、呼び掛け部300により呼び掛けたユーザーの数に対する投稿の割合、投稿情報I2に含まれる具体的な被災の状況等により、特定位置SPにおける被災の状況としてもよい。
【0066】
図8に戻り、修正部400は、1つの特定位置SPにおける被災の状況を修正した場合、特定位置SPに対応する他の領域ARにおける被災の状況を修正する。特定位置SPに対応する他の領域ARとは、例えば、特定位置SPと同様の属性を有する領域ARであってもよい。ここで、属性とは、当該地点の標高、地下構造モデル、建物構造モデル等の被害に影響を与える属性を広く含む。
具体的には、修正部400は、取得した推測情報I1に含まれる属性と同様の属性を有する領域ARを、位置属性モデル記憶部410に基づき特定し、特定した領域ARを、特定位置SPにおける被災の状況に基づき修正する。より具体的には、位置属性モデル記憶部410は、地下属性モデル記憶部411と、建物属性モデル記憶部412とに分かれていてもよい。この場合、推測情報I1には、地震による建物被害の状況が含まれ、修正部400は、推測情報I1に含まれる建物被害の状況と、建物属性モデル記憶部412に記憶される建物属性モデルとに基づき、特定位置SPにおける被災の状況に基づき修正する。
【0067】
また、特定位置SPに対応する他の領域ARとは、例えば、特定位置SPと同様の推測情報I1を有する領域ARであってもよい。特定位置SPに対応する他の領域ARが、特定位置SPと同様の推測情報I1を有する領域ARである場合、修正部400は、修正した特定位置SPにおける被災の状況と同様の被災の状況を有する推測情報I1を特定し、特定位置SPにおける被災の状況に基づき修正する。
【0068】
すなわち、本実施形態において、修正部400は、特定位置SPにおける推測情報I1を修正した場合、修正した位置における属性及び推測情報I1と同様の属性及び推測情報I1を有する位置の推測情報を修正する。
【0069】
また、位置属性モデル記憶部410に含まれる属性には、地表面を、同様の大きさの矩形により区切った場合における座標情報が含まれていてもよい。すなわち、位置属性モデル記憶部410に含まれる属性には、地図上の地域をほぼ同じ大きさのメッシュに区切った座標情報が含まれていてもよい。
【0070】
[第4の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1Cは、修正部400を備えることにより、ユーザーから投稿された投稿情報I2に基づき、特定位置SPにおける推測情報I1を修正する。したがって、本実施形態によれば、容易に被災の状況を把握することができる。
【0071】
また、以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1Cは、修正部400を備えることにより、特定位置SPにおける推測情報I1を修正した場合、修正した位置における属性と同様の属性を有する位置の推測情報I1を修正する。また、推測情報I1と同様の推測情報を有する位置の推測情報I1を修正する。よって、本実施形態によれば、投稿情報I2を取得できない地点においても、投稿情報I2を取得できた地点の情報に基づいて、修正することができる。よって、本実施形態によれば、広範囲において、被災の状況をより正確に把握することができる。また、本実施形態によれば、ユーザーが存在せず、投稿情報I2を取得できない地域においても、被災の状況をより正確に把握することができる。
【0072】
また、以上説明した実施形態によれば、修正部400は、ユーザーからの投稿があった場合、対応する位置情報を含む推測情報I1と、投稿情報I2とを比較し、投稿情報I1又は推測情報I2のうちいずれか大きい方を特定位置SPにおける災害情報とする。よって、本実施形態によれば、被災の状況が深刻な方の情報に修正することにより、容易に被災の状況を把握することができる。
【0073】
また、以上説明した実施形態によれば、位置属性モデル記憶部410に含まれる属性には、地図上の地域をほぼ同じ大きさのメッシュに区切った座標情報が含まれている。したがって、修正部400は、メッシュに区切られた領域ARごとに修正を行うため、容易に被災の状況を把握することができる。
【0074】
[第5の実施形態]
図10は、第5の実施形態に係る災害情報システム1Dの機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、第5の実施形態に係る災害情報システム1Dの機能構成の一例について説明する。災害情報システム1Dは、表示部500を備える点において、災害情報システム1Cとは異なる。災害情報システム1Dの説明において、災害情報システム1Cと同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0075】
表示部500は、推測情報I1と投稿情報I2とを画面表示する。表示部500は、例えば、推測情報I1と投稿情報I2とを視覚的に表示する液晶ディスプレイであってもよい。
推測情報I1と投稿情報I2とは、表により一覧表示されてもよいし、推測情報I1及び投稿情報I2に含まれる位置情報に基づき、マップ上の地点を被災の状況に応じて色分けして表示されてもよい。
【0076】
なお、表示部500は、推測情報I1と投稿情報I2とを視覚的に表示することに限定されず、聴覚的に提示する(すなわち、音声により出力する)音声出力部であってもよいし、推測情報I1と投稿情報I2とを他の機器に出力し、他の機器が画面表示するように構成された情報出力部であってもよい。
【0077】
[第5の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、災害情報システム1Dは、表示部500を備えることにより、推測情報I1と、投稿情報I2とを画面表示することができる。
画面表示された推測情報I1及び投稿情報I2は、情報を活用するユーザーにより確認されてもよいし、情報を発信するオペレーターにより確認され、その後、情報を活用するユーザーに送信されてもよい。本実施形態によれば、表示部500を備えることにより、修正された被災の状況を、視覚的に、容易に確認することができる。
【0078】
なお、上述した実施形態における災害情報システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0079】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。また、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0080】
1…災害情報システム、100…情報取得部、110…推測情報取得部、120…投稿情報取得部、200…対応付け部、300…呼び掛け部、400…修正部、410…位置属性モデル記憶部、411…地下属性モデル記憶部、412…建物属性モデル記憶部、81…推測部、82…情報処理端末、S…被災状況取得装置、AR…領域、SA…特定領域、SP…特定位置、I1…推測情報、I2…投稿情報、I3…選択情報、I4…対応情報、NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10