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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136845
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】保安灯
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20220913BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20220913BHJP
   B60Q 7/00 20060101ALI20220913BHJP
   H05B 45/12 20200101ALI20220913BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20220913BHJP
   E01F 9/00 20160101ALI20220913BHJP
   E01F 9/608 20160101ALI20220913BHJP
   E01F 9/688 20160101ALI20220913BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220913BHJP
【FI】
H05B47/11
F21S9/02
B60Q7/00 A
H05B45/12
H05B47/17
E01F9/00
E01F9/608
E01F9/688
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036647
(22)【出願日】2021-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】591050947
【氏名又は名称】ダンレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木橋 拓也
(72)【発明者】
【氏名】堀口 範人
【テーマコード(参考)】
2D064
3K273
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA21
2D064BA03
2D064DA09
2D064EB05
2D064EB38
2D064GA03
3K273PA06
3K273QA07
3K273QA21
3K273QA30
3K273QA36
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA08
3K273SA04
3K273SA08
3K273SA33
3K273SA35
3K273SA39
3K273SA46
3K273SA47
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA09
3K273TA11
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA47
3K273UA22
3K273UA27
3K273UA29
3K273UA30
(57)【要約】
【課題】電力を有効活用でき、且つ、二次電池の劣化を抑制することのできる保安灯を提供すること。
【解決手段】光エネルギーを電力に変換する太陽電池20と、太陽電池20で変換した電力を蓄える二次電池25と、二次電池25から供給される電力によって発光する発光部30と、二次電池25の電圧を検出する電圧検出部61と、周囲の照度を検出する照度検出部65と、電圧検出部61で検出した電圧と照度検出部65で検出した照度とに基づいて発光部30の光度を制御する光度制御部62と、を備え、光度制御部62は、発光部30の光度を、通常光度と、通常光度よりも光度が大きい超高光度とに切り替えることが可能になっており、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、所定の閾値である満充電閾値より高く、且つ、照度検出部65で検出した照度が、所定の閾値である超高照度閾値より高い場合は、発光部30の光度を超高光度にする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギーを電力に変換する太陽電池と、
前記太陽電池で変換した電力を蓄える二次電池と、
前記二次電池から供給される電力によって発光する発光部と、
前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、
周囲の照度を検出する照度検出部と、
前記電圧検出部で検出した電圧と前記照度検出部で検出した照度とに基づいて、前記発光部に供給する電力を制御することにより前記発光部の光度を制御する光度制御部と、
を備え、
前記光度制御部は、
前記発光部の光度を、通常光度と、前記通常光度よりも光度が大きい超高光度とに切り替えることが可能になっており、
前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、所定の閾値である満充電閾値より高く、且つ、前記照度検出部で検出した照度が、所定の閾値である超高照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記超高光度にすることを特徴とする保安灯。
【請求項2】
前記光度制御部は、照度に対する閾値である前記超高照度閾値と、日中照度閾値と、低照度閾値とに基づいて前記発光部の光度を、光度が前記通常光度よりも大きく前記超高光度よりも小さい高光度と、前記通常光度と、前記超高光度とに切り替えることが可能になっており、
前記日中照度閾値は、前記超高照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、
前記低照度閾値は、前記日中照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、
前記光度制御部は、
前記照度検出部で検出した照度が、前記超高照度閾値以下で、且つ、前記日中照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記通常光度にし、
前記照度検出部で検出した照度が、前記日中照度閾値以下で、且つ、前記低照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記高光度にし、
前記照度検出部で検出した照度が、前記低照度閾値以下である場合は、前記発光部の光度を前記通常光度にする請求項1に記載の保安灯。
【請求項3】
前記光度制御部は、前記発光部の光度を前記超高光度に切り替えた場合は、
前記照度検出部で検出した照度が、前記超高照度閾値以下になっても前記発光部の光度を前記超高光度で維持し、
前記照度検出部で検出した照度が、前記日中照度閾値以下になったら、前記発光部の光度を前記高光度にする請求項2に記載の保安灯。
【請求項4】
前記光度制御部は、
前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、前記満充電閾値以下で、且つ、前記満充電閾値より低い閾値である低電圧閾値より高い場合に、前記発光部の光度を前記通常光度または前記高光度にし、
前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、前記低電圧閾値以下である場合は、前記発光部の光度を、前記通常光度よりも小さい省電力光度にする請求項1~3のいずれか1項に記載の保安灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保安灯に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行をする道路上で工事を行う場合、工事を行う作業者の安全性の確保や、走行する車両の安全性を確保するために、歩行者や車両の運転者に対して工事箇所を示す必要がある。このように工事箇所を示すための手段としては、太陽電池を備え、太陽電池によって発電した電力を用いて発光体を自発光させる装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された視線誘導装置は、光エネルギーを電力に変換するソーラーバッテリーと、ソーラーバッテリーで変換した電力を蓄電する二次電池とを備え、周囲が暗くなったら二次電池で充電した電力によって発光部を点滅させるものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-017280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、太陽電池で変換した電力を二次電池に充電するように構成される場合、光エネルギーを太陽電池によって電力に変換することができる環境下では、二次電池が満充電の状態においても、太陽電池から二次電池に電力が供給される。この場合、二次電池は過充電状態となり、太陽電池から供給される電力を二次電池に有効的に充電できなくなるため、太陽電池によって変換した電力を無駄にしてしまう虞がある。
【0005】
また、一般的に二次電池は、満充電状態でさらに電力を供給すると、二次電池は劣化し易くなる傾向にある。このため、二次電池が満充電の状態において、二次電池に対して太陽電池から電力が供給された場合、二次電池は劣化し易くなる。従って、太陽電池で変換した電力を二次電池に充電する構成においては、電力の有効活用と二次電池の劣化抑制の観点で、改良の余地があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電力を有効活用でき、且つ、二次電池の劣化を抑制することのできる保安灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る保安灯は、光エネルギーを電力に変換する太陽電池と、前記太陽電池で変換した電力を蓄える二次電池と、前記二次電池から供給される電力によって発光する発光部と、前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、周囲の照度を検出する照度検出部と、前記電圧検出部で検出した電圧と前記照度検出部で検出した照度とに基づいて、前記発光部に供給する電力を制御することにより前記発光部の光度を制御する光度制御部と、を備え、前記光度制御部は、前記発光部の光度を、通常光度と、前記通常光度よりも光度が大きい超高光度とに切り替えることが可能になっており、前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、所定の閾値である満充電閾値より高く、且つ、前記照度検出部で検出した照度が、所定の閾値である超高照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記超高光度にすることを特徴とする。
【0008】
また、上記保安灯において、前記光度制御部は、照度に対する閾値である前記超高照度閾値と、日中照度閾値と、低照度閾値とに基づいて前記発光部の光度を、光度が前記通常光度よりも大きく前記超高光度よりも小さい高光度と、前記通常光度と、前記超高光度とに切り替えることが可能になっており、前記日中照度閾値は、前記超高照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、前記低照度閾値は、前記日中照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、前記光度制御部は、前記照度検出部で検出した照度が、前記超高照度閾値以下で、且つ、前記日中照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記通常光度にし、前記照度検出部で検出した照度が、前記日中照度閾値以下で、且つ、前記低照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記高光度にし、前記照度検出部で検出した照度が、前記低照度閾値以下である場合は、前記発光部の光度を前記通常光度にすることが好ましい。
【0009】
また、上記保安灯において、前記光度制御部は、前記発光部の光度を前記超高光度に切り替えた場合は、前記照度検出部で検出した照度が、前記超高照度閾値以下になっても前記発光部の光度を前記超高光度で維持し、前記照度検出部で検出した照度が、前記日中照度閾値以下になったら、前記発光部の光度を前記高光度にすることが好ましい。
【0010】
また、上記保安灯において、前記光度制御部は、前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、前記満充電閾値以下で、且つ、前記満充電閾値より低い閾値である低電圧閾値より高い場合に、前記発光部の光度を前記通常光度または前記高光度にし、前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、前記低電圧閾値以下である場合は、前記発光部の光度を、前記通常光度よりも小さい省電力光度にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る保安灯は、電力を有効活用でき、且つ、二次電池の劣化を抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る保安灯の正面図である。
図2図2は、図1のA-A矢視図である。
図3図3は、図2のB-B矢視図である。
図4図4は、図1に示す保安灯の斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る保安灯の機能ブロック図である。
図6図6は、24時間発光モードにおける発光部の発光状態についての遷移図である。
図7図7は、24時間発光モードにおいて発光部の発光状態を切り替える際の制御の流れを示すフロー図である。
図8図8は、12時間発光モードにおける発光部の発光状態についての遷移図である。
図9図9は、12時間発光モードにおいて発光部の発光状態を切り替える際の制御の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る保安灯の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る保安灯1の正面図である。図2は、図1のA-A矢視図である。図3は、図2のB-B矢視図である。図4は、図1に示す保安灯1の斜視図である。なお、以下の説明では、保安灯1の通常の使用状態における上下方向を、保安灯1における上下方向として説明し、保安灯1の通常の使用状態における上側を、保安灯1における上側とし、保安灯1の通常の使用状態における下側を、保安灯1における下側として説明する。また、保安灯1の通常の使用状態における水平方向を、保安灯1においても水平方向として説明する。
【0015】
本実施形態に係る保安灯1は、本体部5とソーラーユニット10と取付部40とを備えている。このうち、本体部5は、所定の厚みを有する略板状の形状で形成されており、ソーラーユニット10は、本体部5の一端側に配置されており、取付部40は、本体部5におけるソーラーユニット10が配置される側の反対側に配置されている。保安灯1は、本体部5に対してソーラーユニット10が配置される側が上側となり、取付部40が配置される側が下側となる向きで使用される。
【0016】
本体部5の一端側に配置されるソーラーユニット10は、略矩形の板状の形状で形成され、厚み方向が上下方向になる向きになっており、ソーラーユニット10の内側には、光エネルギーを電力に変換する太陽電池20が配置されている。また、ソーラーユニット10における本体部5が位置する側の反対側の面、即ち、ソーラーユニット10における上側の面には、光を透過するソーラーカバー15が配置されている。ソーラーカバー15は、例えば、透明の樹脂材料により形成される。ソーラーユニット10は、このように上側の面にソーラーカバー15が配置されることにより、ソーラーユニット10に対して主に上側から照射される光を、ソーラーユニット10の内部に透過させることができる。これにより、ソーラーユニット10は、ソーラーユニット10の外側からソーラーユニット10に対して照射する光を、ソーラーユニット10の内部に配置される太陽電池20で受けることができる。
【0017】
取付部40は、保安灯1を使用する際に、保安灯1の設置場所に保安灯1を取り付けるための部位になっている。本実施形態では、取付部40は、略円板状の形状で形成され、厚み方向が上下方向になる向きで、本体部5におけるソーラーユニット10が配置される側の反対側に配置される。即ち、取付部40は、保安灯1における下端に配置されている。保安灯1における下端に配置される取付部40は、取付部40を厚み方向に貫通する複数の孔が形成されており、取付部40は、この孔にボルト等の取り付け用の部材(図示省略)を通すことにより、保安灯1を任意の場所に取り付けることが可能になっている。
【0018】
本体部5には、本体部5の厚み方向における一方側の面に、発光ユニット6を有している。発光ユニット6は、略円板状の形状で形成されており、円板の厚み方向が水平方向となる向きで、本体部5の厚み方向における一方の面側に配置されている。発光ユニット6の内側には、複数の発光部30が配置されている。発光部30は、太陽電池20で変換した電力によって発光することが可能になっており、発光ユニット6における本体部5が位置する側の反対側に向けて、光を照射することが可能になっている。
【0019】
本実施形態では、発光部30としては、発光時に緑色で発光する緑色発光部30Gと、発光時に赤色で発光する赤色発光部30Rとが、それぞれ複数設けられている。このうち、緑色発光部30Gは、発光ユニット6における外周付近に複数が配置されており、赤色発光部30Rは、発光ユニット6において緑色発光部30Gよりも内周寄りの位置に複数が配置されている。これらの発光部30は、それぞれ自発光する光源であるLED(Light Emitting Diode)と、LEDから発した光を任意の配光パターンにするレンズとを有している。レンズとしては、例えば、コリメータレンズが用いられる。
【0020】
また、発光ユニット6における本体部5が位置する側の反対側の面、即ち、発光部30が配置される側の面には、光を透過する透明カバー7が配置されている。透明カバー7は、例えば、透明の樹脂材料により形成されており、複数の発光部30を覆っている。発光ユニット6は、このように発光部30が配置される側の面に透明カバー7が配置されることにより、発光部30で発光した光を、発光ユニット6の外部に透過させることができる。これにより、発光ユニット6は、発光部30で発光した光を、発光ユニット6の外側に向けて照射することができる。
【0021】
本体部5における発光ユニット6が配置される側の面の反対側の面には、電源スイッチ50とモード切替スイッチ51とが配置されている。電源スイッチ50は、押しボタン式のスイッチになっており、押すたびにONとOFFとを切り替えることが可能になっている。電源スイッチ50は、保安灯1における電気回路上に配置され、ONとOFFとを切り替えることにより、発光部30に対して電力を供給可能な状態と電力の供給が不可の状態とを切り替えることが可能になっている。つまり、電源スイッチ50は、ONとOFFとを切り替えることにより、保安灯1を使用する状態と使用しない状態とを切り替えることが可能になっている。
【0022】
モード切替スイッチ51は、発光部30を発光する際における発光モードを切り替えることが可能になっている。発光モードとしては、本実施形態では、24時間発光モードと12時間発光モードとが設定されている。24時間発光モードは、保安灯1の使用時には昼夜問わず発光部30を発光させ続ける発光モードである。12時間発光モードは、保安灯1の使用時において、日中等の保安灯1の周囲が明るい環境下では発光部30を発光させず、夜間等の保安灯1の周囲が比較的暗い環境下でのみ発光部30を発光させる発光モードである。このため、12時間発光モードにおける「12時間」は、1日において厳密に12時発光させることを意味するものではなく、1日の約半分の時間を発光させることを示すものとして、便宜上「12時間」と呼称している。
【0023】
モード切替スイッチ51は、押しボタン式のスイッチになっており、押すたびに24時間発光モードと12時間発光モードとを切り替えることが可能になっている。モード切替スイッチ51は、後述する制御部60(図5参照)に電気的に接続され、制御部60において発光部30の発光を制御する際における発光モードを、モード切替スイッチ51を押すたびに、24時間発光モードまたは12時間発光モードに切り替えることが可能になっている。
【0024】
発光ユニット6には、発光部30が配置される面と同じ面に、現在の発光モードを表示するモード表示部55が配置されている。モード表示部55は、発光モードが24時間発光モードであるときに点灯する24時間発光モード表示部55aと、発光モードが12時間発光モードであるときに点灯する12時間発光モード表示部55bとを有している。24時間発光モード表示部55aと12時間発光モード表示部55bとを有するモード表示部55は、モード切替スイッチ51により切り替えられる発光モードに応じて、24時間発光モード表示部55aと12時間発光モード表示部55bとのいずれかが点灯する。
【0025】
図5は、実施形態に係る保安灯1の機能ブロック図である。保安灯1は、発光部30に供給する電力を制御することにより、発光部30の発光の状態を切り替えることができる制御部60を有している。制御部60は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、RAM(Random Access Memory)等の記憶部を備える電子制御装置として構成されており、保安灯1の本体部5の内部に配置されている。
【0026】
制御部60には、太陽電池20と、二次電池25と、発光部30と、モード表示部55とが接続されている。太陽電池20は、保安灯1で用いる電力の発電部になっており、周囲から受けた光を用いて電力の発電を行う。また、太陽電池20は、本実施形態では、周囲の照度を検出する照度検出部65としても用いられており、照度検出部65を兼ねている。つまり、太陽電池20は、太陽電池20で受けた光エネルギーを電力に変換するため、太陽電池20で発生する電力は、太陽電池20で受ける光の光量に応じて変化する。即ち、太陽電池20は、受けた光の光量が多い場合には、多くの電力を発生し、受けた光の光量が少ない場合には、発生する電力が少なくなるので、太陽電池20で発生した電力を検出することにより、保安灯1の周囲の照度を検出することが可能になっている。
【0027】
二次電池25は、太陽電池20で変換した電力を蓄える蓄電部になっており、保安灯1で用いる電力の電源になっている。二次電池25には、周囲から受けた光より太陽電池20で変換した電力が制御部60を介して供給され、蓄電を行う。また、二次電池25は、発光部30で用いる電力を、制御部60を介して発光部30に供給し、発光部30は、二次電池25から供給された電力により発光する。即ち、発光部30は、太陽電池20で変換した電力が二次電池25を介して供給されることにより発光する。また、制御部60も、二次電池25から供給される電力により駆動する。
【0028】
発光部30は、複数の発光部30のそれぞれが有する光源であるLEDが、制御部60に接続されている。制御部60は、各発光部30に供給する電力を制御することにより、発光部30の光度を制御することが可能になっている。なお、図5では、発光部30は1つしか図示していないが、発光ユニット6に配置される複数の発光部30は、全て制御部60に接続され、制御部60によって光度を制御することが可能になっている。
【0029】
モード表示部55は、LEDを備えており、制御部60は、モード切替スイッチ51によって切り替えられる発光モードに応じて、モード表示部55が有するLEDを発光させることにより、発光モードに応じてモード表示部55を点灯させる。なお、図5では、モード表示部55は1つしか図示していないが、モード表示部55として発光ユニット6に配置される24時間発光モード表示部55aと12時間発光モード表示部55bとのいずれも、制御部60に接続されている。
【0030】
制御部60は、電圧検出部61と光度制御部62とを、機能的に有している。このうち、電圧検出部61は、二次電池25の電圧を検出する。二次電池25は、充電量に応じて電圧が変化するため、電圧検出部61は、二次電池25の電圧を検出することにより、電圧の大きさに基づいて、二次電池25の充電量を検出することが可能になっている。
【0031】
光度制御部62は、二次電池25から発光部30に対して供給する電力を制御することにより、発光部30の光度を制御することが可能になっている。光度制御部62で、発光部30の光度を制御する際には、光度制御部62は、電圧検出部61で検出した電圧と照度検出部65で検出した照度とに基づいて、発光部30に供給する電力を制御することにより発光部30の光度を制御する。これにより、発光部30は、電圧検出部61で検出した電圧と、照度検出部65で検出した照度とに基づいて、光度が変化する。
【0032】
保安灯1は、これら以外に、外部電源75から供給される電力を二次電池25に供給して二次電池25の充電を行う充電部68が備えられている。充電部68は、ACアダプタ70を介して外部電源75に接続されることにより、外部電源75から供給される電力を二次電池25に供給し、二次電池25に対して充電を行うことが可能になっている。
【0033】
詳しくは、充電部68は制御部60に接続されており、外部電源75から供給される電力を、制御部60を介して二次電池25に供給することができる。ACアダプタ70は、例えば、保安灯1の本体部5に設けられる接続部(図示省略)に対して着脱自在に接続することが可能になっており、ACアダプタ70を接続部に接続した状態では、ACアダプタ70は、充電部68に対して電気的に接続される。また、ACアダプタ70は、外部電源75に対しても、着脱自在に電気的に接続することが可能になっており、これにより、ACアダプタ70は、外部電源75から供給される電力を、充電部68に供給することが可能になっている。外部電源75としては、例えば、100Vの商用電源が用いられる。
【0034】
本実施形態に係る保安灯1は、以上のような構成を含み、以下、その作用について説明する。保安灯1を使用する際には、本体部5の下側に配置される取付部40を、ボルト等の取り付け部材を用いて任意の場所に取り付けることにより、保安灯1の場所に設置する。保安灯1は、例えば、工事現場に、注意喚起を促すために設置する看板や表示板の上端に取り付ける。保安灯1を看板等の任意の場所に設置したら、本体部5に配置されている電源スイッチ50をONにする。これにより、保安灯1の使用を開始する。
【0035】
保安灯1は、太陽電池20を備えており、太陽電池20は、太陽電池20で受けた光のエネルギーを電力に変換することが可能になっている。太陽電池20によって変換された電力は、制御部60を介して二次電池25に供給され、二次電池25で蓄えられる。太陽電池20は、保安灯1が取付部40によって看板等の上端に取り付けられた状態では、保安灯1における上端側に位置することになるため、太陽電池20は、日中に太陽光が直接、或いは間接的に照射され易い位置に配置される状態になる。このため、太陽電池20は、日中は多くの光エネルギーを効率よく電力に変換することができ、変換した電力を二次電池25で蓄えることができる。
【0036】
制御部60は、発光部30を発光させる際には、このように二次電池25に蓄えられた電力を発光部30に供給することにより発光させる。また、制御部60は、発光部30に供給する電力を制御することにより、発光部30の発光の状態を切り替えることが可能になっている。
【0037】
なお、本実施形態に係る保安灯1は、電源スイッチ50をONにした際に、発光部30の発光によって二次電池25の充電量を確認することが可能になっている。具体的には、保安灯1は、電源スイッチ50をONにした際に、電圧検出部61によって検出した二次電池25の電圧に基づいて二次電池25の充電量を測定し、電源スイッチ50をONにした後の一定時間、二次電池25の充電量に応じて発光部30の発光のさせ方を異ならせる。
【0038】
例えば、二次電池25の充電量が十分な場合は、電源スイッチ50をONにした後に緑色発光部30Gを点滅させ、二次電池25の充電量が少ない場合は、電源スイッチ50をONにした後に赤色発光部30Rを点滅させる。これにより、保安灯1は、二次電池25の充電量を確認することができるようになっている。
【0039】
保安灯1の実際の使用時に、発光部30を発光させる際には、制御部60は、複数の発光部30を点滅させる。即ち、制御部60は、緑色発光部30Gと赤色発光部30Rとを適宜点滅させながら、発光部30を発光させる。制御部60は、例えば、発光ユニット6の形状である円板の周方向に光が回転して見えるように、複数の発光部30を順に点滅させる。また、保安灯1の実際の使用時は、保安灯1を使用する周囲の環境や保安灯1の状態に応じて、発光部30の発光の状態を切り替える。発光部30の発光の状態は、保安灯1の周囲の照度と、二次電池25に蓄えられた電力の状態に基づいて切り替える。
【0040】
保安灯1の周囲の照度に基づく発光部30の発光の状態を切り替えは、保安灯1の周囲の照度と、照度に対して予め設定されている閾値とを比較し、照度が閾値以下であるか否かに基づいて行う。照度に対する閾値としては、超高照度閾値と、日中照度閾値と、低照度閾値とが設定されており、超高照度閾値が最も大きく、低照度閾値が最も小さい閾値になっている。
【0041】
詳しくは、日中照度閾値は、超高照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、低照度閾値は、日中照度閾値よりも値が小さい閾値になっている。超高照度閾値は、例えば、保安灯1の周囲の照度である環境照度が、快晴に近い照度等、日中においてかなり明るい状況であることを示す閾値になっている。本実施形態では、超高照度閾値は、8万lx以上の値で設定されている。また、日中照度閾値は、日中と夕方との境目や、明け方と日中との境目を、環境照度に基づいて判定するための閾値になっている。本実施形態では、日中照度閾値は、300lx以上7000lx以下の範囲内で設定されている。なお、日中照度閾値は、500lx以上2000lx以下の範囲内で設定されるのが好ましい。また、低照度閾値は、夕方と夜間の境目や、夜間と明け方との境目を、環境照度に基づいて判定する閾値になっている。本実施形態では、低照度閾値は、300lx以下の値で設定されている。これらの超高照度閾値、日中照度閾値、低照度閾値は、予め設定されて、制御部60に備えられる記憶部に記憶されている。
【0042】
また、保安灯1の周囲の照度は、太陽電池20が兼ねる照度検出部65により検出する。即ち、太陽電池20によって光エネルギーから変換した電力の大きさに基づいて、周囲の照度を検出する。太陽電池20によって変換した電力の大きさに基づいて照度を検出する際には、例えば、太陽電池20に照射される光の照度と、太陽電池20によって光エネルギーから変換する電力の電圧との関係を、予め求めて制御部60の記憶部に記憶しておく。制御部60は、太陽電池20で変換した電力の電圧を取得して電圧の大きさを測定し、制御部60の記憶部に記憶されている照度と電圧との関係に、太陽電池20で変換した電力の電圧を照らし合わせる。これにより、保安灯1の周囲の照度を求めることができる。
【0043】
二次電池25に蓄えられた電力の状態に基づく発光部30の発光の状態を切り替えは、二次電池25の電圧と、電圧に対して予め設定されている閾値とを比較し、二次電池25の電圧が閾値以下であるか否かに基づいて行う。二次電池25の電圧に対する閾値としては、満充電閾値と、低電圧閾値とが設定されており、低電圧閾値は、満充電閾値より低い閾値になっている。詳しくは、二次電池25の電圧は、二次電池25の充電量に応じて概ね変化し、二次電池25の充電量が多くなるに従って二次電池25の電圧は高くなり、二次電池25の充電量が少なくなるに従って二次電池25の電圧は低くなる傾向にある。二次電池25の電圧に対して設定される閾値は、二次電池25の電圧を介して、二次電池25の充電量を検出することを目的として設定される。
【0044】
二次電池25の電圧に対して設定される閾値のうち、満充電閾値は、二次電池25の充電量が満充電に近い状態における電圧の大きさになっており、二次電池25の充電量が満充電に近い状態であることを示す閾値になっている。一方、低電圧閾値は、二次電池25の充電量が任意の充電量よりも少ない状態における電圧の大きさになっており、二次電池25の充電量が少なくなってきていることを示す閾値になっている。これらの満充電閾値及び低電圧閾値は、予め設定されて、制御部60に備えられる記憶部に記憶されている。
【0045】
満充電閾値と低電圧閾値とのうち、満充電閾値は、例えば、公称電圧に対して任意の大きさで大きい値で設定され、低電圧閾値は、公称電圧に対して任意の大きさで小さい値で設定される。満充電閾値と低電圧閾値とは、二次電池25の仕様等に応じて適宜設定されるのが好ましい。
【0046】
二次電池25の電圧は、制御部60が有する電圧検出部61によって検出する。制御部60は、電圧検出部61によって二次電池25の電圧を検出することにより、電圧を介して二次電池25の充電量を検出し、発光部30の発光の状態を切り替える制御に用いる。
【0047】
また、制御部60によって切り替える発光部30の発光の状態としては、通常光度と、超高光度と、高光度と、省電力光度と、消灯とが設定されている。通常光度は、発光部30を発光させる際における通常の光度であり、発光部30を発光時における多くの時間帯、或いは環境下での光度である。超高光度は、通常光度よりも大きい光度である。高光度は、通常光度よりも大きく、超高光度よりも小さい光度である。省電力光度は、通常光度よりも小さい光度である。
【0048】
つまり、発光部30を発光させる際における光度として設定されている光度は、省電力光度、通常光度、高光度、超高光度の順で大きくなって設定されている。これらのように設定される光度は、制御部60に備えられる記憶部に記憶されている。また、消灯は、複数の発光部30の全てを発光させずに、消灯する状態である。
【0049】
発光部30の発光の状態の切り替えは、制御部60が有する光度制御部62で、発光部30に供給する電力を制御することによって発光部30の光度を制御することにより行う。即ち、発光部30を高光度で発光させる際には、通常光度で発光させる場合よりも発光部30に供給する電力を増加させ、発光部30を超高光度で発光させる際には、高光度で発光させる場合よりも発光部30に供給する電力を増加させる。また、発光部30を省電力光度で発光させる際には、通常光度で発光させる場合よりも発光部30に供給する電力を低減することにより、二次電池25の電力消費量を低減する。
【0050】
本実施形態では、発光部30の光度の制御は、発光部30の輝度を変化させることにより行う。つまり、本実施形態では、発光部30の光度を大きくする際には、発光部30の輝度を高くし、発光部30の光度を低くする際には、発光部30の輝度を低くする。
【0051】
制御部60は、超高照度閾値、日中照度閾値、低照度閾値と、照度検出部65で検出した照度とを比較し、また、満充電閾値及び低電圧閾値と、制御部60が有する電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧とを比較することにより、発光部30の光度を制御する。発光部30の光度の制御は、制御部60が有する光度制御部62により、発光部30に供給する電力を制御することにより行う。発光部30の光度を制御する際には、制御部60は、24時間発光モードと12時間発光モードとで制御を異ならせる。
【0052】
具体的には、24時間発光モードでは、光度制御部62は、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値以下で、且つ、日中照度閾値より高い場合は、発光部30の光度を通常光度にする。つまり、照度検出部65によって検出した、保安灯1の周囲の環境照度が、現在は日中であると判断できる照度である場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を通常光度にする。
【0053】
また、光度制御部62は、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高い場合は、発光部30の光度を高光度にする。つまり、照度検出部65によって検出した環境照度が、夕方や明け方等、日中よりも薄暗く、夜間よりは明るいと判断できる照度である場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を高光度にし、発光部30の光度を通常光度よりも大きくする。
【0054】
また、光度制御部62は、照度検出部65で検出した照度が、低照度閾値以下である場合は、発光部30の光度を通常光度にする。つまり、照度検出部65によって検出した環境照度が、現在は夜間であると判断できる照度である場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を通常光度にする。
【0055】
また、光度制御部62は、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値より高く、且つ、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値より高い場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度にする。つまり、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、二次電池25の充電量は満充電に近い状態であることを示しており、且つ、照度検出部65で検出した環境照度が、快晴に近い照度等、かなり明るい状況であると判断できる照度である場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度にする。
【0056】
光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度に切り替えた場合は、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値以下になっても発光部30の光度を超高光度で維持し、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値以下になったら、発光部30の光度を高光度にする。つまり、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度に切り替えた場合は、照度検出部65で検出した照度が日中照度閾値以下になるまで、発光部30の光度を超高光度のまま維持する。
【0057】
なお、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度に切り替えていない状態においては、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値より高くても、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が満充電閾値以下である場合は、発光部30の光度を通常光度にする。
【0058】
24時間発光モードでは、これらのように光度制御部62によって発光部30の光度を制御することにより、制御部60は、通常光度、高光度、超高光度のいずれかの光度で発光部30を発光させ続ける。
【0059】
また、12時間発光モードでは、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高い場合は、光度制御部62は、24時間発光モードと同様に、発光部30の光度を高光度にする。また、照度検出部65で検出した照度が、低照度閾値以下である場合は、光度制御部62は、24時間発光モードと同様に、発光部30の光度を通常光度にする。一方、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値より高い場合は、24時間発光モードとは異なり、光度制御部62は、発光部30を消灯させる。
【0060】
12時間発光モードでは、これらのように光度制御部62によって発光部30の光度を制御することにより、制御部60は、発光部30を発光させる際には、通常光度または高光度で発光させ、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値より高い場合は、発光部30を消灯させる。
【0061】
さらに、光度制御部62は、発光部30を発光させる際において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が低電圧閾値以下である場合は、照度検出部65で検出した照度に関わらず、発光部30の光度を、通常光度よりも小さい省電力光度にする。換言すると、光度制御部62は、発光部30を発光させる際には、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30の光度を通常光度または高光度に発光部30の光度を制御する。
【0062】
工事現場に設置する看板等の上端に取り付けられた保安灯1は、これらのように保安灯1の周囲の照度や二次電池25に蓄えられた電力の状態に基づいて、発光部30の発光の状態を切り替えることにより、保安灯1の周囲の照度や二次電池25の充電量に適した光度で発光部30が発光する。次に、保安灯1の周囲の照度や、二次電池25の電圧の変化に対する、発光部30の発光状態の遷移について説明する。
【0063】
発光部30の発光状態の遷移について、まず、発光モードが24時間発光モードに切り替えられた場合における遷移について説明する。図6は、24時間発光モードにおける発光部30の発光状態についての遷移図である。発光部30の発光モードの切り替えは、モード切替スイッチ51を操作することにより行う。モード切替スイッチ51を操作することにより、発光モードが24時間発光モードに切り替えられた場合には、発光ユニット6に配置されるモード表示部55のうち、24時間発光モード表示部55aが点灯し、12時間発光モード表示部55bは消灯する。これにより、保安灯1の使用者は、モード表示部55を視認することにより、発光モードが24時間発光モードであることを認識できる。
【0064】
保安灯1を24時間発光モードで使用する場合、保安灯1は、発光部30の光度を変化させながら、昼夜問わず発光部30を発光させ続けるが、日中は、主に発光部30を通常発光させる(ST1)。この場合における通常発光は、発光部30を通常光度で発光させる発光部30の発光状態をいう。
【0065】
ここで、制御部60は、発光部30の光度を制御する際における、照度に対する閾値として、超高照度閾値と、日中照度閾値と、低照度閾値とを用いるが、超高照度閾値は、保安灯1の周囲の照度が、快晴等の、日中においてかなり明るい状況であることを示す照度の閾値になっている。また、日中照度閾値は、日中と夕方との境目や、明け方と日中との境目を判定するための、照度に対する閾値になっている。このため、制御部60が有する光度制御部62で、日中に照度に基づいて、発光部30を通常光度で発光させる際の基準としては、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値以下で、且つ、日中照度閾値より高い場合に、発光部30の光度を通常光度にする。
【0066】
また、光度制御部62は、二次電池25の電圧によっても、発光部30の光度を切り替える。つまり、二次電池25の電圧に対しては、閾値として、二次電池25の充電量が満充電に近い状態であることを示す閾値である満充電閾値と、二次電池25の充電量が少なくなってきていることを示す閾値である低電圧閾値とが設定されている。光度制御部62が、二次電池25の電圧に基づいて発光部30を通常光度で発光させる際の基準としては、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、このように設定される二次電池25の電圧の閾値に対して、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30の光度を通常光度にする。
【0067】
つまり、保安灯1の発光モードを24時間発光モードにした場合、日中は、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値以下で、且つ、日中照度閾値より高く、また、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30の光度を通常光度にし、発光部30を通常発光させる。
【0068】
これにより、車両の運転者や歩行者は、発光部30から照射される光を視認することにより、保安灯1からの距離が離れた位置からでも保安灯1を意識することになり、保安灯1が取り付けられる看板等によって示される道路上の工事箇所等を、早期に認識することができる。
【0069】
発光部30を通常発光させた状態で時間が経過し、夕暮れとなって保安灯1の周囲の照度が日中照度閾値以下に低下した場合には、光度制御部62は、発光部30を薄暮発光させる(ST2)。この場合における薄暮発光は、発光部30を高光度で発光させる発光部30の発光状態をいう。つまり、太陽電池20が兼ねる照度検出部65により検出される照度が、日中照度閾値以下で、低照度閾値より高い場合は、制御部60が有する光度制御部62は、発光部30の光度を、通常光度よりも光度が大きい高光度にする。具体的には、薄暮発光では、発光部30の発光時の輝度を、通常発光の輝度よりも高くする。
【0070】
また、光度制御部62は、二次電池25の電圧によっても、発光部30の光度を切り替えるが、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30の光度をこのように高光度にし、発光部30を薄暮発光させる。つまり、光度制御部62は、照度検出部65により検出される照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高い場合において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30を薄暮発光させる。
【0071】
夕暮れ時のような薄暮時は、日中よりも照度が低下しているものの、夜間のように暗くはなっておらず、太陽光によって周囲の状況を視認できる状態なので、車両の運転者の多くは、車両のヘッドライトを点灯させることなく、走行を継続する。しかし、薄暮時は、太陽光による照度自体は日中よりも低下しているため、視認性は低下している。このような場合は、発光部30から照射する光により、車両の運転者に対して保安灯1を認識させることができるが、薄暮時は夜間より明るいため、夜間と同様の光度で発光部30を発光させても、車両の運転者に対して保安灯1を効果的に認識させ難くなる。
【0072】
このため、薄暮時には、通常発光の光度よりも光度が大きい高光度で発光部30を発光させて、発光部30を薄暮発光させることにより、太陽光により夜間よりも明るい薄暮時であっても、発光部30からの光を目立たせることができる。従って、車両の運転者は、光度が大きい発光部30の光によって保安灯1を認識することができ、保安灯1が取り付けられた看板等によって示される道路上の工事箇所等を、適切に認識することができる。
【0073】
発光部30を薄暮発光させた状態で時間が経過し、夜間になって保安灯1の周囲の照度が低照度閾値以下に低下した場合には、光度制御部62は、発光部30を通常発光させる(ST3)。つまり、太陽電池20が兼ねる照度検出部65により検出される照度が、低照度閾値以下である場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を、高光度よりも光度が小さい通常光度にする。その際に、光度制御部62は、二次電池25の電圧によっても、発光部30の光度を切り替えるため、光度制御部62は、照度検出部65により検出される照度が、低照度閾値以下の場合において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が低電圧閾値より高い場合に、発光部30を通常発光させる。
【0074】
夜間は、日中や薄暮時と比較して大幅に暗くなっているため、発光部30の光度を大きくしなくても、発光部30を通常光度で発光させることにより、発光部30からの光を十分目立たせることができる。従って、車両の運転者は、周囲が暗い夜間に発光する発光部30の光によって保安灯1を認識することができ、保安灯1が取り付けられた看板等によって示される道路上の工事箇所等を、適切に認識することができる。
【0075】
発光部30を通常発光にした状態で時間が経過し、朝明けとなって保安灯1の周囲の照度が低照度閾値より高くなった場合には、光度制御部62は、発光部30を薄暮発光させる(ST4)。つまり、太陽電池20が兼ねる照度検出部65により検出される照度が、夕暮れ時と同様に、日中照度閾値以下で、低照度閾値より高い場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を、通常光度よりも光度が大きい高光度にする。即ち、光度制御部62は、照度検出部65により検出される照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高い場合において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が低電圧閾値より高い場合に、発光部30を薄暮発光させる。
【0076】
朝明け時は、夕暮れ時と同様に、日中よりも照度が低いものの、夜間のように暗くはないので、車両の運転者の多くは、車両のヘッドライトを点灯させることなく走行をするが、太陽光による照度が日中より低いため、視認性は日中よりも低くなっている。このため、朝明け時は、夕暮れ時と同様に、通常発光の光度よりも光度が大きい高光度で発光部30を発光させて、発光部30を薄暮発光させることにより、太陽光により夜間よりも明るい朝明け時であっても、発光部30からの光を目立たせることができる。従って、車両の運転者は、光度が大きい発光部30の光によって保安灯1を認識することができ、保安灯1が取り付けられた看板等によって示される道路上の工事箇所等を、適切に認識することができる。
【0077】
発光部30を薄暮発光にした状態で時間が経過し、日中となって保安灯1の周囲の照度が日中照度閾値より高くなった場合には、光度制御部62は、発光部30の光度を通常光度にして、発光部30を通常発光させる(ST1)。即ち、光度制御部62は、照度検出部65により検出される照度が、超高照度閾値以下で、且つ、日中照度閾値より高い場合において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30を通常発光させる。
【0078】
朝明けから時間が経過して日中になった場合は、照度が高くなるため、発光部30の発光を通常発光にしても、車両の運転者や歩行者は、発光部30からの光と太陽光とによって、保安灯1を明確に視認することができる。これにより、車両の運転者や歩行者は、保安灯1が取り付けられる看板等によって示される道路上の工事箇所等を認識することができる。
【0079】
日中に保安灯1を使用している場合、保安灯1は、保安灯1に照射される太陽光を太陽電池20によって電力に変換し、変換した電力を二次電池25で蓄えながら、発光部30を発光させる。このため、二次電池25の充電量は、太陽電池20で変換した電力の量が、発光部30によって消費する電力の量よりも多い場合は、徐々に増加し、太陽電池20で変換した電力の量が、発光部30によって消費する電力の量よりも少ない場合は、徐々に減少する。従って、快晴等、保安灯1に照射される太陽光の量が多いことにより、太陽電池20で変換する電力の量が多い場合には、二次電池25の充電量は増加し易くなり、満充電になり易くなる。
【0080】
二次電池は、満充電の状態のときに、さらに電力が供給されると、劣化し易くなる傾向にある。このため、本実施形態に係る保安灯1は、二次電池25の充電量が満充電に近い状態で、且つ、二次電池25への電力の供給量が多くなる場合は、電力の消費量を増加させる制御を行う。
【0081】
具体的には、保安灯1は、二次電池25の電圧が、二次電池25の充電量が満充電に近い状態であることを示す満充電閾値より高く、且つ、保安灯1の周囲の環境照度が、快晴に近い照度等のかなり明るい状況であることを示す超高照度閾値より高い場合は、発光部30を満充電発光させる(ST5)。この場合における満充電発光は、発光部30を超高光度で発光させる発光部30の発光状態をいい、本実施形態では、満充電発光では、発光部30の発光時の輝度を、通常発光や薄暮発光の輝度よりも高くする。
【0082】
つまり、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が満充電閾値より高く、且つ、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値より高い場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度にすることにより、発光部30を満充電発光させる。これにより、二次電池25の充電量が満充電に近い状態において、保安灯1の周囲の環境照度が高く、太陽電池20で変換する電力が多くなることにより二次電池25に供給される電力の量が多くなる場合には、発光部30での電力の消費量を増加させる。このため、二次電池25の充電量が満充電に近い状態のまま電力が供給されることにより、二次電池25に過剰に充電されることが抑制される。
【0083】
また、保安灯1の周囲の環境照度が高い場合、発光部30を発光させても、車両の運転者は発光部30からの光を認識し難くなるが、発光部30の光度を超高光度にして満充電発光させることにより、環境照度が高い環境下であっても、発光部30からの光を目立たせることができる。従って、車両の運転者は、光度が大きい発光部30の光によって保安灯1を認識することができ、保安灯1が取り付けられた看板等によって示される道路上の工事箇所等を、適切に認識することができる。
【0084】
なお、日中に発光部30を通常発光させている場合において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が満充電閾値より高い場合でも、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値以下である場合は、光度制御部62は、発光部30の発光を通常発光で維持する。また、日中に発光部30を通常発光させている場合において、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値より高い場合でも、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が満充電閾値以下の場合も同様に、光度制御部62は、発光部30の発光を通常発光で維持する。
【0085】
また、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度に切り替えて発光部30の発光を満充電発光にした場合において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が満充電閾値以下になったら、発光部30の光度を通常光度にすることにより、発光部30の発光を通常発光に切り替える(ST1)。一方、光度制御部62は、発光部30の発光を満充電発光にした場合には、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値以下になっても、発光部30の光度を超高光度で維持し、発光部30の発光を満充電発光で維持する。
【0086】
これに対し、発光部30の発光を満充電発光にした場合において、例えば、夕刻が近付くことにより、照度検出部65で検出した照度が日中照度閾値以下になったら、光度制御部62は、発光部30の光度を高光度にし、発光部30の発光を薄暮発光に切り替える(ST2)。
【0087】
保安灯1は、これらのように、照度検出部65によって検出した照度や、電圧検出部61によって検出した二次電池25の電圧に応じて光度を切り替えながら発光部30を発光させるが、発光部30は、二次電池25から供給される電力によって発光する。二次電池25は、太陽電池20で光エネルギーより変換した電力を蓄え、このように蓄えた電力を発光部30に供給するため、二次電池25の充電量は、太陽電池20によって変換する電力の量と、発光部30での電力の消費量によって変化する。このため、二次電池25は、例えば、発光部30での電力の消費量が、太陽電池20で変換する電力の量よりも多い場合は、充電量が徐々に低下することになる。
【0088】
二次電池25の充電量が低下することにより、発光部30を発光させるのに必要な電力を二次電池25から発光部30に対して供給できなくなった場合は、発光部30は、発光することができなくなる。このため、光度制御部62は、発光部30を発光させる際には、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下であるか否かを判定し、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下である場合は、省電力発光をさせる(ST6)。この場合における省電力発光は、発光部30を省電力光度で発光させる発光部30の発光状態をいい、本実施形態では、省電力発光では、発光部30の発光時の輝度を、通常発光や薄暮発光、満充電発光の輝度よりも低くする。
【0089】
つまり、低電圧閾値は、二次電池25の充電量が少なくなってきていることを電圧に基づいて判断するための、電圧に対する閾値になっており、省電力光度は、光度が通常光度よりも小さく、発光部30での電力の消費量が通常光度よりも少ない光度になっている。このため、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、低電圧閾値以下である場合は、光度制御部62は、発光部30の光度を省電力光度にして発光部30を省電力発光させることにより、二次電池25から発光部30に供給する電力を、通常発光時に供給する電力よりも低下させる。これにより、発光部30は、光度は通常発光時の光度よりも低くなるものの、消費電力が低下するため、発光部30を発光させることによる、二次電池25の充電量の低下を抑制することができる。
【0090】
省電力発光においても、光度は低いものの発光部30は発光するため、車両の運転者や歩行者は、発光部30が消灯した状態の保安灯1よりも、保安灯1を認識し易くなる。特に、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下になる状況は、曇り等によって照度が低下することにより、太陽電池20で変換する電力の量が少なくなる状況であることが多いため、太陽光による照度が低下している状況では、光度が低くても発光部30が発光することにより、車両の運転者や歩行者は、保安灯1を認識し易くなる。これにより、車両の運転者や歩行者は、看板等によって示される道路上の工事箇所等を認識することができる。
【0091】
発光部30が省電力発光をしている状態で時間が経過し、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が低電圧閾値以上になったら、発光部30の光度を通常光度にすることにより、発光部30の発光を通常発光に切り替える(ST1)。つまり、発光部30の光度を省電力光度にすることによって、発光部30での電力の消費量を低下させた状態で発光部30を発光させることにより、二次電池25の充電量が増加し、二次電池25の電圧が低電圧閾値以上になった場合は、光度制御部62は、発光部30の発光を通常発光に切り替える。これにより、車両の運転者や歩行者は、保安灯1を認識し易くなるため、保安灯1が取り付けられる看板等によって示される道路上の工事箇所等を適切に認識することができる。
【0092】
次に、このように発光部30の発光状態を切り替える際における制御の手順について説明する。図7は、24時間発光モードにおいて発光部30の発光状態を切り替える際の制御の流れを示すフロー図である。24時間発光モードでの保安灯1の使用時は、保安灯1はまず、保安灯1の周囲の照度である環境照度が超高照度閾値より高いか否かを、制御部60で判定する(ステップST11)。つまり、制御部60は、照度検出部65を兼ねる太陽電池20によって光エネルギーより変換した電力の電圧を測定し、測定した電圧を、制御部60の記憶部に記憶されている照度と電圧との関係に照らし合わせることにより、環境照度を求める。制御部60は、このように求めた環境照度と、制御部60の記憶部に記憶されている超高照度閾値とを比較し、現在の環境照度は超高照度閾値より高いか否かを判定する。
【0093】
制御部60での判定により、環境照度は超高照度閾値より高くないと判定された場合(ステップST11、No判定)、即ち、環境照度は超高照度閾値以下であると判定された場合は、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下であるか否かを判定する(ステップST12)。つまり、制御部60は、制御部60の記憶部に記憶されている低電圧閾値と、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧とを比較し、現在の二次電池25の電圧は、低電圧閾値以下であるか否かを判定する。
【0094】
制御部60での判定により、二次電池25の電圧は低電圧閾値以下ではないと判定された場合(ステップST12、No判定)、即ち、二次電池25の電圧は低電圧閾値より高いと判定された場合は、制御部60は、環境照度が日中照度閾値より高いか否かを判定する(ステップST13)。即ち、制御部60は、太陽電池20が兼ねる照度検出部65により検出した環境照度と、制御部60の記憶部に記憶されている日中照度閾値とを比較し、現在の環境照度は日中照度閾値より高いか否かを判定する。
【0095】
制御部60での判定により、環境照度は日中照度閾値より高いと判定された場合(ステップST13、Yes判定)は、制御部60は、発光部30を通常発光させる(ステップST14)。即ち、制御部60は、光度制御部62によって、発光部30の光度を通常光度にして、発光部30を発光させる。
【0096】
これに対し、制御部60での判定により、環境照度は日中照度閾値より高くないと判定された場合(ステップST13、No判定)、即ち、環境照度は日中照度閾値以下であると判定された場合は、制御部60は、環境照度が低照度閾値より高いか否かを判定する(ステップST15)。つまり、制御部60は、照度検出部65によって検出した環境照度と、制御部60の記憶部に記憶されている低照度閾値とを比較し、現在の環境照度は低照度閾値より高いか否かを判定する。
【0097】
制御部60での判定により、環境照度は低照度閾値より高いと判定された場合(ステップST15、Yes判定)は、制御部60は、発光部30を薄暮発光させる(ステップST16)。つまり、現在の環境照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高いと判定された場合は、制御部60は、光度制御部62によって、発光部30の光度を高光度にすることにより、発光部30を薄暮発光させる。これにより、発光部30の光度を、薄暮のような、日中よりも暗く、夜間よりは明るい環境下において、発光部30からの光を認識し易くすることのできる光度にする。
【0098】
これに対し、制御部60での判定により、環境照度は低照度閾値より高くないと判定された場合(ステップST15、No判定)、即ち、環境照度は低照度閾値以下であると判定された場合は、制御部60は、発光部30を通常発光させる(ステップST14)。つまり、現在の環境照度が、低照度閾値以下である場合は、制御部60は光度制御部62によって、発光部30の光度を通常光度にすることにより、夜間に眩しくなり過ぎることなく発光部30を認識することができる光度にする。
【0099】
これらに対し、ステップST11での判定で、環境照度は超高照度閾値より高いと判定された場合(ステップST11、Yes判定)は、二次電池25の電圧が満充電閾値より高いか否かを判定する(ステップST17)。つまり、制御部60は、制御部60の記憶部に記憶されている満充電閾値と、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧とを比較し、現在の二次電池25の電圧は、満充電閾値より高いか否かを判定する。
【0100】
制御部60での判定により、二次電池25の電圧は満充電閾値より高くないと判定された場合(ステップST17、No判定)、即ち、二次電池25の電圧は満充電閾値以下であると判定された場合は、ステップST12に向かい、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下であるか否かを判定する(ステップST12)。
【0101】
これに対し、二次電池25の電圧は満充電閾値より高いと判定された場合(ステップST17、Yes判定)は、制御部60は、発光部30を満充電発光させる(ステップST18)。つまり、現在の環境照度が、超高照度閾値より高く、且つ、二次電池25の電圧が満充電閾値より高いと判定された場合は、制御部60は、光度制御部62によって、発光部30の光度を超高光度にすることにより、発光部30を満充電発光させる。これにより、太陽電池20で光エネルギーから変換する電力の量が多く、且つ、二次電池25の充電量が満充電に近い状態になっている場合に、発光部30によって二次電池25から消費する電力の消費量を増加させる。
【0102】
発光部30を満充電発光させたら、次に、二次電池25の電圧が満充電閾値以下であるか否かを判定する(ステップST19)。つまり、制御部60は、制御部60の記憶部に記憶されている満充電閾値と、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧とを比較し、現在の二次電池25の電圧は、満充電閾値以下であるか否かを判定する。
【0103】
制御部60での判定により、二次電池25の電圧は満充電閾値以下ではないと判定された場合(ステップST19、No判定)、即ち、二次電池25の電圧は満充電閾値より高いと判定された場合は、制御部60は、環境照度が日中照度閾値以下であるか否かを判定する(ステップST20)。即ち、制御部60は、照度検出部65により検出した環境照度と、制御部60の記憶部に記憶されている日中照度閾値とを比較し、現在の環境照度は日中照度閾値以下であるか否かを判定する。
【0104】
制御部60での判定により、環境照度は日中照度閾値以下であると判定された場合(ステップST20、Yes判定)は、制御部60は、発光部30を薄暮発光させる(ステップST16)。つまり、発光部30を満充電発光させている状態において、時間が経過することにより環境照度が日中照度閾値以下になった場合は、制御部60は、光度制御部62によって発光部30の光度を高光度にし、発光部30を薄暮発光させる。
【0105】
これに対し、環境照度は日中照度閾値以下ではないと判定された場合(ステップST20、No判定)は、ステップST18に戻り、発光部30の満充電発光を維持する(ステップST18)。
【0106】
また、発光部30の満充電発光が行われている状態で、二次電池25の電圧は満充電閾値以下であると判定された場合(ステップST19、Yes判定)は、ステップST12に向かい、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下であるか否かを判定する(ステップST12)。
【0107】
ステップST12における制御部60での判定により、二次電池25の電圧は低電圧閾値以下であると判定された場合(ステップST12、Yes判定)は、制御部60は、光度制御部62によって、発光部30の光度を省電力光度にすることにより、発光部30を省電力発光させる(ステップST21)。これにより、二次電池25の充電量が少なくなっている際における発光部30の光度を、電力の消費量を少なくすることのできる光度にする。
【0108】
24時間モードでの保安灯1に使用時は、これらを繰り返すことにより、環境照度と二次電池25の充電量に適した光度で、発光部30を継続的に発光させる。
【0109】
次に、発光モードが12時間発光モードに切り替えられた場合における発光部30の発光状態の遷移について説明する。図8は、12時間発光モードにおける発光部30の発光状態についての遷移図である。モード切替スイッチ51を操作することにより、発光モードが12時間発光モードに切り替えられた場合には、発光ユニット6に配置されるモード表示部55のうち、12時間発光モード表示部55bが点灯し、24時間発光モード表示部55aは消灯する。これにより、保安灯1の使用者は、モード表示部55を視認することにより、発光モードが12時間発光モードであることを認識できる。
【0110】
保安灯1を12時間発光モードで使用する場合、保安灯1は、日中は発光部30を発光させず、保安灯1の周囲が薄暗い状況や夜間にかけて、発光部30を発光させる。このため、12時間発光モードでは、日中は発光部30を消灯する(ST7)。つまり、制御部60は、太陽電池20が兼ねる照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値より高い場合に、発光部30を消灯する。
【0111】
保安灯1の周囲の照度が、日中照度閾値より高くなった場合は、発光部30を消灯しても、車両の運転者や歩行者は、保安灯1が取り付けられる看板等を太陽光によって視認することができるため、看板等によって示される道路上の工事箇所等を認識することができる。また、保安灯1の周囲の照度が、日中照度閾値より高くなった場合は、太陽電池20には、多くの光が照射されるため、太陽電池20は、多くの光エネルギーを電力に変換して二次電池25に供給できる一方で、発光部30を消灯することにより、二次電池25に蓄えられている電力の消費量は低下する。これにより、12時間発光モードでは、日中は、多くの電力を二次電池25に蓄えることができる。
【0112】
発光部30を消灯した状態で時間が経過し、夕暮れとなって保安灯1の周囲の照度が日中照度閾値以下に低下した後は、夜が明けて保安灯1の周囲の照度が日中照度閾値より高くなるまで、制御部60は、24時間発光モードと同様の制御を行う。
【0113】
つまり、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高い場合は、制御部60が有する光度制御部62は、発光部30を薄暮発光させる(ST2)。
【0114】
発光部30を薄暮発光させた状態で時間が経過し、夜になることにより、照度検出部65で検出する照度が低照度閾値以下になった場合は、光度制御部62は、発光部30を通常発光させる(ST3)。
【0115】
発光部30を通常発光させた状態で時間が経過し、明け方になることにより、照度検出部65で検出する照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高くなった場合は、光度制御部62は、発光部30を薄暮発光させる(ST4)。
【0116】
明け方に発光部30を薄暮発光させた状態で時間が経過し、照度検出部65で検出する照度が、日中照度閾値より高くなった場合は、光度制御部62は、発光部30を消灯する(ST7)。
【0117】
さらに、発光部30を発光させている際において、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、低電圧閾値以下である場合は、光度制御部62は、発光部30を省電力発光させる(ST6)。
【0118】
発光部30を省電力発光させている状態で時間が経過することにより、照度検出部65で検出する照度が、日中照度閾値より高くなった場合は、光度制御部62は、発光部30を消灯する(ST7)。
【0119】
12時間発光モードでは、これらを繰り返すことにより、日中は発光部30が消灯し、保安灯1の周囲が薄暗い状況や夜間にかけて、保安灯1の周囲の照度や、二次電池25の電圧に応じて、発光時の光度を切り替えながら、発光部30を発光させる。これにより、車両の運転者や歩行者は、保安灯1の周囲の照度に関わらず、発光部30からの光を視認し易くなり、保安灯1を認識し易くなるため、保安灯1が取り付けられる看板等によって示される道路上の工事箇所等を適切に認識することができる。
【0120】
次に、このように発光部30の発光状態を切り替える際における制御の手順について説明する。図9は、12時間発光モードにおいて発光部30の発光状態を切り替える際の制御の流れを示すフロー図である。12時間発光モードでの保安灯1の使用時は、保安灯1はまず、保安灯1の周囲の環境照度が日中照度閾値より高いか否かを、制御部60で判定する(ステップST51)。つまり、制御部60は、24時間発光モードにおける制御と同様に、照度検出部65を兼ねる太陽電池20によって光エネルギーより変換した電力の電圧を測定し、測定した電圧を、制御部60の記憶部に記憶されている照度と電圧との関係に照らし合わせることにより、環境照度を求める。制御部60は、このように求めた環境照度と、制御部60の記憶部に記憶されている日中照度閾値とを比較し、現在の環境照度は日中照度閾値より高いか否かを判定する。
【0121】
制御部60での判定により、環境照度は日中照度閾値より高いと判定された場合(ステップST51、Yes判定)は、制御部60は、光度制御部62によって発光部30を消灯させる(ステップST52)。
【0122】
これに対し、制御部60での判定により、環境照度は日中照度閾値より高くないと判定された場合(ステップST51、No判定)、即ち、環境照度は日中照度閾値以下であると判定された場合は、二次電池25の電圧が低電圧閾値以下であるか否かを判定する(ステップST53)。つまり、制御部60は、制御部60の記憶部に記憶されている低電圧閾値と、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧とを比較し、現在の二次電池25の電圧は、低電圧閾値以下であるか否かを判定する。
【0123】
制御部60での判定により、二次電池25の電圧は低電圧閾値以下ではないと判定された場合(ステップST53、No判定)は、即ち、二次電池25の電圧は低電圧閾値より高いと判定された場合は、制御部60は、環境照度が低照度閾値より高いか否かを判定する(ステップST54)。つまり、制御部60は、照度検出部65によって検出した環境照度と、制御部60の記憶部に記憶されている低照度閾値とを比較し、現在の環境照度は低照度閾値より高いか否かを判定する。
【0124】
制御部60での判定により、環境照度は低照度閾値より高いと判定された場合(ステップST54、Yes判定)は、制御部60は、発光部30を薄暮発光させる(ステップST55)。つまり、現在の環境照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高いと判定された場合は、制御部60は、光度制御部62によって、発光部30の光度を高光度にすることにより、発光部30を薄暮発光させる。
【0125】
これに対し、制御部60での判定により、環境照度は低照度閾値より高くないと判定された場合(ステップST54、No判定)、即ち、環境照度は低照度閾値以下であると判定された場合は、制御部60は、発光部30を通常発光させる(ステップST56)。つまり、現在の環境照度が、低照度閾値以下である場合は、制御部60は、光度制御部62によって発光部30の光度を通常光度にすることにより、発光部30を通常発光させる。
【0126】
これらに対し、ステップST53での判定で、二次電池25の電圧は低電圧閾値以下であると判定された場合(ステップST53、Yes判定)は、制御部60は、光度制御部62によって、発光部30の光度を省電力光度にすることにより、発光部30を省電力発光させる(ステップST57)。これにより、二次電池25の充電量が少なくなっている際における発光部30の光度を、電力の消費量を少なくすることのできる光度にする。
【0127】
12時間モードでの保安灯1に使用時は、これらを繰り返すことにより、日中は発光部30を消灯することによって電力の消費量を低減しつつ、太陽電池20によって変換した電力を二次電池25に供給することにより二次電池25の充電量を確保し、保安灯1の周囲が比較的暗い環境では、環境照度と二次電池25の充電量に適した光度で発光部30を発光させる。
【0128】
以上の実施形態に係る保安灯1は、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧と、照度検出部65で検出した保安灯1の周囲の照度とに基づいて、発光部30の光度を制御する光度制御部62を備え、光度制御部62は、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が満充電閾値より高く、且つ、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値より高い場合は、発光部30の光度を超高光度にしている。このため、二次電池25の充電量が満充電に近く、且つ、光エネルギーより太陽電池20によって変換する電力の量が多い場合は、発光部30での電力消費量を増加させることができ、二次電池25の電力を多く消費することができる。これにより、二次電池25の充電量が満充電のまま、さらに電力が供給されることを抑制でき、二次電池25が過充電状態になることを抑制できる。
【0129】
従って、二次電池25の充電量が満充電に近く、且つ、太陽電池20によって変換する電力の量が多い場合は、発光部30の光度を超高光度にすることによって、環境照度が高い状況下における発光部30からの光の視認性を高めると共に、二次電池25の過充電に起因して、二次電池25が劣化することを抑制できる。この結果、電力を有効活用でき、且つ、二次電池25の劣化を抑制することができる。
【0130】
また、光度制御部62は、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値以下で、且つ、日中照度閾値より高い場合や、照度検出部65で検出した照度が、低照度閾値以下である場合は、発光部30の光度を通常光度にし、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値以下で、且つ、低照度閾値より高い場合は、発光部30の光度を、通常光度よりも光度が大きい高光度にして発光部30を発光させる。これにより、保安灯1の周囲の照度が、日中よりは低く、夜間よりも高い時間帯では、日中や夜間に発光部30を発光させる際における光度よりも、大きな光度で発光部30を発光させることができる。従って、薄暮時のように、環境照度が夜間より高いことにより発光部30の光を認識し難い時間帯においても、発光部30の光を目立たせることができ、車両の運転者や歩行者等に対して、保安灯1を認識させ易くすることができる。この結果、薄暮時のような薄暗い環境下における保安灯1の視認性を向上させることができる。
【0131】
また、光度制御部62は、発光部30の光度を超高光度に切り替えた場合は、照度検出部65で検出した照度が、超高照度閾値以下になっても発光部30の光度を超高光度で維持し、照度検出部65で検出した照度が、日中照度閾値以下になったら、発光部30の光度を高光度にする。これにより、照度検出部65で検出した照度が超高照度閾値より高いことにより、発光部30の光度を超高光度に切り替えた場合は、照度検出部65で検出した照度が日中照度閾値以下になるまでは超高光度で維持するため、二次電池25の充電量が満充電に近い状態の場合に、より確実に二次電池25の電力の消費量を多くすることができる。従って、二次電池25の充電量が満充電に近く、且つ、太陽電池20によって変換する電力の量が多い場合に、発光部30からの光の視認性をより確実に高めると共に、二次電池25の過充電に起因して、二次電池25が劣化することを抑制できる。この結果、より確実に電力を有効活用でき、且つ、二次電池25の劣化を抑制することができる。
【0132】
また、光度制御部62は、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、満充電閾値以下で、且つ、低電圧閾値より高い場合に、発光部30の光度を通常光度または高光度にし、電圧検出部61で検出した二次電池25の電圧が、低電圧閾値以下である場合は、発光部30の光度を省電力光度にするため、二次電池25の充電量が低下した場合における電力消費量を低減することができる。これにより、二次電池25の充電量が、発光部30を発光させることができなくなるまで減少することを抑制することができ、発光部30を発光させる必要があるときに、発光部30を発光させることができなくなることを抑制することができる。この結果、より確実に保安灯1の視認性を向上させることができる。
【0133】
また、保安灯1は、ACアダプタ70を接続可能になっており、外部電源75から供給される電力を、ACアダプタ70を介して充電部68に供給することにより、二次電池25の充電を行うことが可能になっている。このため、二次電池25の充電量が少なくなっている場合でも、ACアダプタ70を用いて二次電池25に充電することにより、二次電池25の充電量を確保することができる。これにより、例えば、保安灯1を使用していない時に、ACアダプタ70を用いて二次電池25に充電をすることにより、太陽電池20によって変換した電力のみで二次電池25の充電を行う場合よりも、より確実に充電を行うことができ、二次電池25の充電量をより確実に確保することができる。従って、発光部30を発光させる必要があるときに、二次電池25の充電量不足によって発光部30を発光させることができなくなることを抑制することができる。この結果、保安灯1の使用状況に関わらず、保安灯1の視認性をより確実に向上させることができる。
【0134】
[変形例]
なお、上述した実施形態では、照度を検出する照度検出部65は、太陽電池20が兼ねているが、照度検出部65は、太陽電池20とは別の部材が用いられていてもよい。照度検出部65は、例えば、受光した光の照度を検出することのできる照度センサが用いられていてもよい。照度検出部65は、保安灯1の周囲の照度を検出することができ、検出結果を、発光部30の発光と消灯との切り替えや、発光時における光度の制御に用いることができるものであれば、その手段や構成は問わない。
【0135】
また、上述した実施形態では、発光部30は、発光時の輝度が変化することにより、光度を変化させることが可能になっているが、発光部30は、輝度が変化すること以外によって、光度が変化するように構成されていてもよい。発光部30は、例えば、発光する発光部30の数を変化させることにより、発光時における光度を変化させるように構成されていてもよい。つまり、薄暮発光では、通常発光よりも発光する発光部30の数を多くすることにより、薄暮発光の光度が、通常発光の光度よりも大きくなるようにしてもよい。発光部30は、薄暮発光が通常発光よりも明るくなるように発光することができれば、発光時の光度を変化させるための手法は問わない。
【0136】
また、上述した実施形態では、発光部30には、LEDが用いられているが、発光部30は、LED以外の光源が用いられてもよい。また、発光部30は、赤色発光部30Rと緑色発光部30Gとを有しているが、発光部30が発光する際における光の色は、赤や緑以外であってもよい。発光部30が発光する際における光の色は、赤や緑以外であったり、単色や三色以上であったりしてもよい。また、発光部30の発光時における点滅の仕方も、実施形態で示した点滅パターン以外であってもよい。発光部30は、発光時に車両の運転者等が認識し易く、注意喚起を行い易い色が用いられるのが好ましく、点滅パターンも、注意喚起を行い易いパターンが用いられるのが好ましい。
【0137】
また、上述した実施形態では、太陽電池20で変換した電力を蓄える蓄電部として、二次電池25が用いられているが、蓄電部は、二次電池25以外であってもよい。蓄電部は、例えば、キャパシタが用いられてもよい。
【0138】
また、上述した実施形態では、超高照度閾値は8万lx以上の値で設定されているが、超高照度閾値は、これ以外の値であってもよい。超高照度閾値は、太陽電池20が光エネルギーから電力に変換する際における効率や、二次電池25の容量等に応じて適宜設定するのが好ましい。
【0139】
また、低照度閾値や日中照度閾値は、環境照度が変化する方向によって値を異ならせてもよい。例えば、日中照度閾値は、日中から夜間に向かう場合のように環境照度が低くなる際における日中照度閾値と、夜間から日中に向かう場合のように環境照度が高くなる際における日中照度閾値とで値を異ならせてもよい。低照度閾値も同様に、日中から夜間に向かう場合のように環境照度が低くなる際における低照度閾値と、夜間から日中に向かう場合のように環境照度が高くなる際における低照度閾値とで値を異ならせてもよい。環境照度が変化する方向、即ち、発光部30の発光状態の切り替えの方向によって、低照度閾値や日中照度閾値の大きさを異ならせることにより、環境照度が、発光部30の発光状態が切り替わる付近の照度である際に、照度の僅かな変化によって、発光部30の発光状態が頻繁に切り替わることを抑制することができる。
【0140】
また、上述した実施形態では、看板や表示板等の上端に取り付けて使用する保安灯1について説明しているが、保安灯1は、看板等に取り付ける形態以外であってもよい。保安灯1は、例えば、道路上等に直接配置することにより、工事箇所等を示すことができるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1 保安灯
5 本体部
6 発光ユニット
7 透明カバー
10 ソーラーユニット
15 ソーラーカバー
20 太陽電池
25 二次電池
30 発光部
30R 赤色発光部
30G 緑色発光部
40 取付部
50 電源スイッチ
51 モード切替スイッチ
55 モード表示部
55a 24時間発光モード表示部
55b 12時間発光モード表示部
60 制御部
61 電圧検出部
62 光度制御部
65 照度検出部
68 充電部
70 ACアダプタ
75 外部電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギーを電力に変換する太陽電池と、
前記太陽電池で変換した電力を蓄える二次電池と、
前記二次電池から供給される電力によって発光する発光部と、
前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、
周囲の照度を検出する照度検出部と、
前記電圧検出部で検出した電圧と前記照度検出部で検出した照度とに基づいて、前記発光部に供給する電力を制御することにより前記発光部の光度を制御する光度制御部と、
を備え、
前記光度制御部は、
前記発光部の光度を、通常光度と、前記通常光度よりも光度が大きい超高光度とに切り替えることが可能になっており、
前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、所定の閾値である満充電閾値より高く、且つ、前記照度検出部で検出した照度が、所定の閾値である超高照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記超高光度にすることを特徴とする保安灯。
【請求項2】
前記光度制御部は、照度に対する閾値である前記超高照度閾値と、日中照度閾値と、低照度閾値とに基づいて前記発光部の光度を、光度が前記通常光度よりも大きく前記超高光度よりも小さい高光度と、前記通常光度と、前記超高光度とに切り替えることが可能になっており、
前記日中照度閾値は、前記超高照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、
前記低照度閾値は、前記日中照度閾値よりも値が小さい閾値になっており、
前記光度制御部は、
前記照度検出部で検出した照度が、前記超高照度閾値以下で、且つ、前記日中照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記通常光度にし、
前記照度検出部で検出した照度が、前記日中照度閾値以下で、且つ、前記低照度閾値より高い場合は、前記発光部の光度を前記高光度にし、
前記照度検出部で検出した照度が、前記低照度閾値以下である場合は、前記発光部の光度を前記通常光度にする請求項1に記載の保安灯。
【請求項3】
前記光度制御部は、前記発光部の光度を前記超高光度に切り替えた場合は、
前記照度検出部で検出した照度が、前記超高照度閾値以下になっても前記発光部の光度を前記超高光度で維持し、
前記照度検出部で検出した照度が、前記日中照度閾値以下になったら、前記発光部の光度を前記高光度にする請求項2に記載の保安灯。
【請求項4】
前記光度制御部は、
前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、前記満充電閾値以下で、且つ、前記満充電閾値より低い閾値である低電圧閾値より高い場合に、前記発光部の光度を前記通常光度または前記高光度にし、
前記電圧検出部で検出した前記二次電池の電圧が、前記低電圧閾値以下である場合は、前記発光部の光度を、前記通常光度よりも小さい省電力光度にする請求項2または3に記載の保安灯。