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特開2022-136850予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136850
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20220913BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036653
(22)【出願日】2021-03-08
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】513274912
【氏名又は名称】みんなのマーケット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】濱野 勇介
(72)【発明者】
【氏名】田崎 華奈
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
(57)【要約】
【課題】オンラインマーケットプレイスにおいて、緊急系役務の提供を行う為の新規な技術を提供すること
【解決手段】緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理システム1であって、前記予約管理システム1は、呼制御部101及び、予約データ生成部102を備え、前記呼制御部101は、利用者端末装置2より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置3に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置3からの応答を受信し、前記予約データ生成部102は、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理システムであって、
前記予約管理システムは、呼制御部及び、予約データ生成部を備え、
前記呼制御部は、利用者端末装置より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置からの応答を受信し、
前記予約データ生成部は、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する、
予約管理システム。
【請求項2】
前記予約管理システムは、メッセージ機能提供部を更に備え、
前記メッセージ機能提供部は、当該予約に対応付けられた前記利用者及び提供者よりメッセージを受信し、受信したメッセージを前記利用者及び提供者に表示処理し、
前記予約データ又は前記利用者に関する情報の登録状況に応じてメッセージ機能の提供が制限される一方で、前記呼制御部は、前記予約データによって対応付けられた提供者及び利用者間で通話可能に構成される、
請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項3】
前記予約管理システムは、予約データ処理部を更に備え、
前記予約データ処理部は、前記提供者から、前記予約データに対する役務提供の日時の登録を受け付け、
少なくとも、前記日時が登録されたか否かに基づいて、前記メッセージ機能の提供が制限される、
請求項2に記載の予約管理システム。
【請求項4】
前記予約データ処理部は、当該予約が行われた日時から所定時間内の日時を、前記役務提供の日時として登録可能な日時とする、
請求項3に記載の予約管理システム。
【請求項5】
前記予約管理システムは、利用者情報処理部を更に備え、
前記利用者情報処理部は、前記利用者から、利用者情報の登録を受け付け、
少なくとも、前記利用者情報のうちの所定の情報が登録されたか否かに基づいて、前記メッセージ機能の提供が制限される、
請求項2~4の何れかに記載の予約管理システム。
【請求項6】
前記呼制御部は、前記利用者端末装置からの発信に対して前記提供者端末装置が不出だった場合、当該利用者端末装置に対して前記提供者端末装置から折り返しできないように、少なくとも当該利用者端末装置の連絡先を前記提供者端末装置に送信しない、
請求項1~5の何れかに記載の予約管理システム。
【請求項7】
前記予約管理システムは、掲載管理部を更に備え、
前記呼制御部は、前記利用者端末装置からの発信履歴及び前記提供者端末装置での応答履歴を記録し、
前記掲載管理部は、前記発信履歴及び応答履歴に基づいて、前記オンラインマーケットプレイスにおける掲載状態を変更する、
請求項1~6の何れかに記載の予約管理システム。
【請求項8】
前記予約管理システムは、インシデント管理部を更に備え、
前記予約データに対する操作に基づいて、当該予約に対応付けられた提供者の情報が対応付けられたインシデント情報の登録処理を行う、
請求項1~7の何れかに記載の予約管理システム。
【請求項9】
前記予約管理システムは、検索処理部を更に備え、
個々の提供者に対して、対応可能な役務の種別及び/又は地域が設定されると共に、提供者毎に予約受付が可能な空き時間を記憶し、
前記検索処理部は、利用者端末装置より指定された前記役務の種別及び/又は地域が設定され、更に、少なくとも現在日時が空き時間として設定された前記提供者を検索すると共に、検索した前記提供者のその後の空き時間を取得して、利用者端末装置に返送する、
請求項1~8の何れかに記載の予約管理システム。
【請求項10】
緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理システムが実行する予約管理方法であって、
前記予約管理システムは、呼制御部及び、予約データ生成部を備え、
前記呼制御部が、利用者端末装置より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置からの応答を受信し、
前記予約データ生成部が、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する、
予約管理方法。
【請求項11】
緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理プログラムであって、
コンピュータを、呼制御部及び、予約データ生成部として機能させ、
前記呼制御部が、利用者端末装置より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置からの応答を受信し、
前記予約データ生成部は、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する、
予約管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約管理システム、予約管理方法及び予約管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの発展に伴って、オンラインマーケットプレイスが普及している。従来のオンラインマーケットプレイスでは、主に商品の販売が盛んに行われていたが、近年は役務の販売(予約)についても盛んに行われるようになった。
【0003】
サービスの予約に向けられた技術として、例えば、特許文献1には、ユーザから電話で予約を受け付けて、予約結果を示すメッセージを当該ユーザに送信する技術が記載されており、ウェブサイト経由の予約に加え、電話経由での予約を効率化する技術を開示している。特許文献2には、複数の業者に対し、それぞれ予約申込者を代行して予約を申し込む為の技術が記載されている。
【0004】
オンラインマーケットプレイスにおいて販売される役務のうち、特に緊急性の高い役務(以降、緊急系と呼称する)が存在する。例えば、家庭内の上下水道設備のトラブル等、日常的に利用される設備や機器の故障対応等が緊急系に該当する。
【0005】
緊急系に関する技術として、例えば、特許文献3には、加入者からエレベータのトラブルの救援依頼を受けると、現状及び希望に添ったサービス会社のサービスマンを迅速に派遣する救援サービスシステムに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-139667号公報
【特許文献2】特開2019-53337号公報
【特許文献3】特開2007-128299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特に緊急系を取り扱うオンラインマーケットプレイスにおいて、消費者(利用者)は、できる限り迅速に応対がなされること、利用者が許容可能な程度、迅速に役務提供できること、利用者が許容可能な価格で役務提供できること等、を求める場合がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術は、オンラインマーケットプレイスにおいて、利用者が不特定の提供者の中からニーズにマッチした提供者を探すという観点では、好適に利用できない。また、顧客DBに利用者の電話番号が登録されていることが前提となるため、当該オンラインマーケットプレイスを初めて利用する利用者は利用ができない。
【0009】
特許文献2の技術も同様に、好適に利用できない。緊急系を所望する利用者は、提供者によって迅速に役務が提供されることを期待している場合がある。一方、予約代行センタのオペレータは、登録された今後の予約状況については把握可能であるが、業務が押しているのか、キャンセルになって空き時間があるのか等、当日の提供者の作業状況については把握できず、緊急系予約を好適に受け付けることはできない。
【0010】
特許文献3の技術も同様に、オンラインマーケットプレイスにおいて、利用者が不特定の提供者の中からニーズにマッチした提供者を探すという観点では、好適に利用できない。
【0011】
上記事情を鑑みて、本発明は、オンラインマーケットプレイスにおいて、緊急系役務の提供を行う為の新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記発明を解決するために、本発明は、緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理システムであって、
前記予約管理システムは、呼制御部及び、予約データ生成部を備え、
前記呼制御部は、利用者端末装置より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置からの応答を受信し、
前記予約データ生成部は、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する。
【0013】
また、本発明は、緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理システムが実行する予約管理方法であって、
前記予約管理システムは、呼制御部及び、予約データ生成部を備え、
前記呼制御部が、利用者端末装置より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置からの応答を受信し、
前記予約データ生成部が、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する。
【0014】
また、本発明は、緊急系役務の提供者が役務を掲載して、その予約を管理するオンラインマーケットプレイスの予約管理プログラムであって、
コンピュータを、呼制御部及び、予約データ生成部として機能させ、
前記呼制御部が、利用者端末装置より、前記提供者を指定した発呼を受け付け提供者端末装置に伝送して、前記発信に対する提供者端末装置からの応答を受信し、
前記予約データ生成部は、前記応答が受電を示す場合、前記利用者の識別情報及び、受電した前記提供者の識別情報が対応付けられた予約データを生成する。
【0015】
このような構成とすることで、電話を受けた提供者側が、受話したか否かに応じて、予約データを生成することが可能となる。これにより、オンラインマーケットプレイスにおける通話ベースでの予約データの生成が可能になり、予約受付が効率化する。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記予約管理システムは、メッセージ機能提供部を更に備え、
前記メッセージ機能提供部は、当該予約に対応付けられた前記利用者及び提供者よりメッセージを受信し、受信したメッセージを前記利用者及び提供者に表示処理し、
前記予約データ又は前記利用者に関する情報の登録状況に応じてメッセージ機能の提供が制限される一方で、前記呼制御部は、前記予約データによって対応付けられた提供者及び利用者間で通話可能に構成される。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記予約管理システムは、予約データ処理部を更に備え、
前記予約データ処理部は、前記提供者から、前記予約データに対する役務提供の日時の登録を受け付け、
少なくとも、前記日時が登録されたか否かに基づいて、前記メッセージ機能の提供が制限される。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記予約管理システムは、利用者情報処理部を更に備え、
前記利用者情報処理部は、前記利用者から、利用者情報の登録を受け付け、
少なくとも、前記利用者情報のうちの所定の情報が登録されたか否かに基づいて、前記メッセージ機能の提供が制限される。
【0019】
このような構成とすることで、利用者又は提供者は、情報の追加が動機づけられる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記予約データ処理部は、当該予約が行われた日時から所定時間内の日時を、前記役務提供の日時として登録可能な日時とする。
【0021】
このような構成とすることで、予約データに対する日時の対応付けが効率化する。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記呼制御部は、前記利用者端末装置からの発信に対して前記提供者端末装置が不出だった場合、当該利用者端末装置に対して前記提供者端末装置から折り返しできないように、少なくとも当該利用者端末装置の連絡先を前記提供者端末装置に送信しない。
【0023】
このような構成とすることで、通話ベースでの予約を効率的に行うことができる。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記予約管理システムは、掲載管理部を更に備え、
前記呼制御部は、前記利用者端末装置からの発信履歴及び前記提供者端末装置での応答履歴を記録し、
前記掲載管理部は、前記発信履歴及び応答履歴に基づいて、前記オンラインマーケットプレイスにおける掲載状態を変更する。
【0025】
このような構成とすることで、通話ベースでの予約を効率的に行うことができる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記予約管理システムは、インシデント管理部を更に備え、
前記予約データに対する操作に基づいて、当該予約に対応付けられた提供者の情報が対応付けられたインシデント情報の登録処理を行う。
【0027】
このような構成とすることで、オンラインマーケットプレイスにおける予約を効率的に行うことができる。
【0028】
本発明の好ましい形態では、前記予約管理システムは、検索処理部を更に備え、
個々の提供者に対して、対応可能な役務の種別及び/又は地域が設定されると共に、提供者毎に予約受付が可能な空き時間を記憶し、
前記検索処理部は、利用者端末装置より指定された前記役務の種別及び/又は地域が設定され、更に、少なくとも現在日時が空き時間として設定された前記提供者を検索すると共に、検索した前記提供者のその後の空き時間を取得して、利用者端末装置に返送する。
【0029】
このような構成とすることで、通話ベースでの予約が効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、オンラインマーケットプレイスにおいて、緊急系役務の提供を行う為の新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施の形態の情報処理装置10、端末装置90のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】一実施の形態の通常系役務の予約から役務提供まで手順を示すフローチャート。
図4】一実施の形態の緊急系役務の予約から役務提供まで手順を示すフローチャート。
図5】一実施の形態のシステムにおける利用者が提供者を検索する際のフローチャート。
図6】一実施の形態のシステムにおける利用者端末装置2の画面表示例。
図7】一実施の形態のシステムにおける利用者による発呼から予約データ生成までのフローチャート。
図8】一実施の形態のシステムにおける利用者端末装置2の画面表示例。
図9】一実施の形態のシステムにおける提供者端末装置3の画面表示例。
図10】一実施の形態のシステムにおける機能の有効化に関するフローチャート。
図11】一実施の形態のシステムにおけるインシデント確認画面の画面表示例。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0033】
例えば、本実施形態では予約管理システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、クライアント端末でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させてもよい(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0034】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0035】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0036】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、予約管理システム1は、情報処理装置10及びデータベースDBを備える。予約管理システム1は、ネットワークNWを介して複数の利用者端末装置2(符号2(a)~2(c))並びに、複数の提供者端末装置3(符号3(a)~3(c))と通信可能に構成されている。情報処理装置10は、サーバとして動作し、利用者端末装置2はオンラインマーケットプレイスの利用者(消費者)が操作する端末装置であり、提供者端末装置3はオンラインマーケットプレイスに出展する役務の提供者が操作する端末装置である。
【0037】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0038】
なお、情報処理装置10として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、予約管理システム1を構成することも可能である。
【0039】
利用者端末装置2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。利用者端末装置2は、オンラインマーケットプレイスを利用する為の利用者用アプリプログラムを記憶し、このプログラムは、提供者の検索手段及び、提供者との通話手段(本実施形態では、IP通話機能)を実現するように構成される。このIP通話機能は、シームレス通話機能を含む。
【0040】
提供者端末装置3として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。提供者端末装置3は、オンラインマーケットプレイスへの出店及び予約管理を利用する為の提供者用アプリプログラムを記憶し、このプログラムは、出店管理手段、予約管理手段及び、利用者との通話手段(本実施形態では、IP通話機能)を実現するように構成される。
【0041】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、ハードウェア構成として、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
【0042】
制御部11は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る予約管理プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
【0043】
記憶部12は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係る予約管理プログラム及び、制御部11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部11が、記憶部12に記憶されている予約管理プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0044】
通信部13は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0045】
図2(b)は端末装置90(利用者端末装置2及び提供者端末装置3)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末装置90も同様に、ハードウェア構成として、制御部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0046】
端末装置90の制御部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末装置90の動作処理全体を制御する。端末装置90の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、上述の利用者用アプリプログラム又は提供者用アプリプログラム並びに、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。端末装置90の通信部93は、ネットワークとの通信を制御する。端末装置90の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、利用者/提供者による操作要求を制御部91に入力する。端末装置90の出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0047】
<機能構成>
図2(a)に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、呼制御部101、予約データ生成部102、メッセージ機能提供部103、予約データ処理部104、利用者情報処理部105、掲載管理部106、インシデント管理部107及び検索処理部108を備える。これは、ソフトウェア(記憶部12に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部11等)によって具体的に実現されたものである。
【0048】
図3~11を参照して、予約管理システムを用いた予約管理方法の説明及び各機能構成要素による処理内容について説明する。
【0049】
<オンラインマーケットプレイス>
本実施形態におけるオンラインマーケットプレイスでは、提供者が出店を行い、利用者に対して役務の販売(予約受付)を行う為のウェブシステムである。本実施形態では、利用者用アプリプログラムを実行する利用者端末装置2からリクエストを受けた情報処理装置10が、記憶部12に格納されたページソースやデータベースDBに格納された情報を処理し、処理結果を返送することで利用者がオンラインマーケットプレイスを利用する。
【0050】
提供に緊急性が要求される役務、あるいはそのような売り出し方をされる役務を、緊急系役務と呼称する。前者は、玄関の鍵開け、トイレつまり修理等、利用者の日常生活の妨げとなり、解決が急がれる性質の役務を例とする。後者は、例えば、「当日見積」、「今すぐに家具組立」等、売り出し方に緊急性を付加した役務を例とする。
【0051】
オンラインマーケットプレイスにおいて、少なくとも緊急系役務が販売される。本実施形態では、当該オンラインマーケットプレイスにおいて、緊急系役務と共に、緊急系でない役務(通常系役務と呼称する)が合わせて販売されるものとする。
【0052】
<データベースDB>
データベースDBは、提供者情報、役務マスタ、提供役務情報、スケジュール情報、利用者情報、予約データ、履歴情報、インシデント情報、担当情報を格納する。これらの一部又は全部は、記憶部12等に記憶されてもよいし、これらの一部が別のデータベース等に記憶されてよい。
【0053】
<出店のための情報登録>
提供者は、提供者用アプリプログラムを実行する提供者端末装置3又はあるいは、ウェブブラウザ等を介して、オンラインマーケットプレイスにアクセスし、データベースDBに自身の情報を提供者情報として登録すると共に、提供する役務を提供役務情報として登録する。
【0054】
提供者情報は、提供者に関する情報を示す情報である。提供者情報は、例えば、提供者の識別情報、提供者名、コメント、アイコン画像、住所、電話番号、営業する曜日、時間帯、提供地域等を有する。営業する曜日及び時間帯によって、後述するスケジュール情報における対応不可日時が自動設定される。
【0055】
役務マスタは、オンラインマーケットプレイスにおいて販売可能な役務のマスタデータである。役務マスタは、役務識別情報、役務名、カテゴリ、通常系・緊急系を示す情報を含んでいて良い。なお、通常系及び緊急系に、それぞれ同名の役務が含まれてもよい。
【0056】
提供役務情報は、提供者各々が提供可能な提供役務及びその料金等を示す情報である。提供者役務情報は、提供役務の識別情報、役務識別情報、提供役務に関するコメント及び画像並びに、オンラインマーケットプレイスへの公開可否を示す情報を有する。公開可否を示す情報は、例えばフラグであり、少なくとも公開設定された提供役務が、オンラインマーケットプレイスにおいて出店(利用者から問い合わせ可能に表示処理)される。ここで、同名の通常系及び緊急系役務に対して、異なる料金設定がなされてもよい。
【0057】
スケジュール情報は、提供者毎の対応可能日時(空き時間)及び対応不可日時を示す情報である。対応不可日時は、提供者の営業時間を示す上述の曜日及び時間帯に基づいて設定されると共に、既に通常系・緊急系役務が予約された役務提供の日時に基づいて設定される。本実施形態では、15分刻みで時間帯を登録できるが、時間帯の登録方法は任意である。利用者から対応可能日時を指定した予約を受け付けると、提供者は、対応可能日時に対して時間帯を登録して、指定した時間帯を対応不可日時に変更する。そして、提供者は、指定された日時に利用者に対して役務の提供を行う。
【0058】
<通常系役務の予約から役務提供までの概要手順>
図3は、通常系役務の予約から役務提供まで手順を示すフローチャートである。
ステップS301において、利用者は、オンラインマーケットプレイスにおいて通常系役務を提供する提供者を検索する。利用者は、提供者の提供役務やその料金、提供地域等に基づいて、オンラインマーケットプレイスに公開された提供者を選択し、ステップS302において、当該提供者の対応可能日時に基づいて予約を行う。
【0059】
利用者は、通常系役務の予約に際して、利用者情報を登録する。利用者情報は、利用者に関する情報を示し、当該オンラインマーケットプレイスにおける利用者の識別情報、利用者名、役務提供を受ける場所の住所、電話番号、メールアドレス等を含む。ここで、利用者に対して、更に、オンライン決済のための決済情報が対応付けられていてもよい。
【0060】
通常系役務の予約は、例えば、指定の提供者に、指定の役務の予約申し込みを行うウェブフォームを介して行われる。ステップS302において、利用者(利用者端末装置2)が、ウェブフォームを介して、利用者情報と、希望時間を入力して、情報処理装置10に送信すると、ステップS303において、予約データが登録される。ここで、希望時間として指定可能な日時は、指定された提供者の対応可能日時のうち、利用者がオンラインマーケットプレイスを操作している現在日時から所定日後や所定時間後以降の日時となる。
【0061】
予約データは、予約の識別情報、利用者の識別情報、提供者の識別情報、提供役務の識別情報、希望日時、予約データのステータス、予約データの受付日時等を有する。ステータスは、例えば、「仮予約」、「予約確定」、「会計済(提供完了)」、「キャンセル」等のステータスが設定される。ステップS303において、予約データを受け付けた段階では、ステータスを「仮予約」とする。
【0062】
ステップS304において、提供者は、受け付けた希望日時を確認して、当該役務の提供日時を予約データに登録する。これにより、予約データのステータスが「予約確定」として扱われる。提供日時が登録されると、スケジュール情報の対応可能日時が確保され、対応不可日時となる。なお、ステータスが「仮予約」の状態から一定時間経過した予約データについては、提供者に対して通知を行い、提供日時を対応付けるように警告してよい。
【0063】
そして、ステップS305において、提供日時に利用者情報を参照して役務提供場所に赴き、役務提供を行う。本実施形態では、役務提供を行った後、提供者は利用者より金銭を受領し、受領金額、受領日時を予約データに対応付けて格納する。これにより、予約データのステータスを「会計済(提供完了)」とする。
【0064】
<緊急系役務の予約から役務提供までの概要手順>
図4は、緊急系役務の予約から役務提供まで手順を示すフローチャートである。
ステップS401において、利用者は、利用者用アプリプログラムを利用者端末装置2で実行してオンラインマーケットプレイスにアクセスし、緊急系役務を提供する提供者を検索する。この時、利用者は、役務の性質上緊急性の高い役務を探しているものとし、提供者への問い合わせ前に、事前に利用者情報(利用者名や住所、電話番号等)を登録できていないものとする。もちろん、利用者がリピーターである場合等、緊急系役務を提供する提供者への問い合わせ前に、利用者情報が事前に登録されていても構わない。
【0065】
情報処理装置10の呼制御部101は、利用者端末装置2及び提供者端末装置3の一方から他方への通話に関して、発呼、着呼、応答、切断等の呼制御を行う。呼制御部101は、更に、発呼の履歴や応答の履歴を、履歴情報としてデータベースDBに格納する。呼制御部101は、例えばSIPサーバ等として実現されてよい。
【0066】
履歴情報は、例えば、発呼元の利用者あるいは提供者及び、発呼先の提供者あるいは利用者の識別情報、発呼先の応答種別(着呼後受話、着呼後不出、不着呼等)、発呼日時、着呼日時、呼出時間、通話時間、受話日時、切断日時等を有する。また、通話内容を録音して、通話音声データとして、履歴情報と対応付けて、データベースDBに格納する。
【0067】
ステップS401において、利用者は、提供者の提供役務やその料金、提供地域等に基づいて、オンラインマーケットプレイスに公開された提供者を選択し、ステップS402において、当該提供者に発呼を行う。この時、利用者は利用者情報を登録していない場合がある為、発呼前に利用者の電話番号を入力させ、利用者端末装置2からの発呼のリクエストともに送信させる。本実施形態では更に、利用者端末装置2は、利用者が提供を受けたい役務の種別と、役務提供の希望日時を、電話番号と共に送信する。なお、電話番号は、利用者情報未登録の利用者を識別する為の情報として利用されると共に、必要時には携帯電話網等を介して提供者及び利用者間で通話を行う為に利用される。
【0068】
利用者から発呼要求を行うと、呼制御部101は、提供者端末装置3に着呼する。そして、提供者が受話した場合(ステップS403でYES)、利用者及び提供者が通話して、緊急系役務を提供する日時や場所について会話する。
【0069】
ステップS404において、予約データ生成部102は、呼制御部101が取得した提供者端末装置3からの応答に基づいて、提供者が受話したと判断した場合、予約データを生成する。ステップS404において、予約データを生成した段階では、ステータスを「仮予約」とする。ここで、提供者が受話しなかった場合(ステップS403でNO)、利用者は、緊急系役務を提供する別の提供者を探すこととなる。
【0070】
ステップS405において、提供者は、受け付けた希望日時を確認して、当該役務の提供日時を予約データに登録する。役務提供の日時が登録されると、予約データ処理部104は、予約データのステータスを「予約確定」に変更する。また、利用者は、利用者の氏名や住所等、不足していた利用者情報を登録できる。
【0071】
そして、通常系役務と同様に、ステップS406において、提供者は、提供日時に役務提供を行い、利用者より金銭を受領し、受領金額、受領日時を予約データに対応付けて格納する。予約データ処理部104は、予約データのステータスを「会計済(提供完了)」とする。
【0072】
<緊急系役務の予約から役務提供までの詳細手順>
次いで、緊急系役務の予約から役務提供までの詳細について説明する。
【0073】
<提供者の検索>
まず、ステップS401における提供者の検索について説明する。図5は、利用者が提供者を検索する際のフローチャートである。また、図6は、利用者用アプリを用いて提供者を検索する際の画面表示例である。
【0074】
ステップS501において、利用者は、予約を所望する提供者検索画面W61を操作して、所望の役務を、所望の地域で提供する提供者を検索する。図6(a)に示すように、提供者検索画面W61は、提供役務指定領域W611、提供地域指定領域W612、希望時間指定領域W613及び、検索ボタンW614を備える。
【0075】
提供役務指定領域W611は、利用者が所望する緊急系役務の指定を行う領域である。また、提供地域指定領域W612は、利用者が役務提供を所望する地域の指定を行う領域である。ステップS501において、提供役務指定領域W611を介して所望の役務を指定すると共に、提供地域指定領域W612を介して役務を提供する地域を指定すると、利用者端末装置2はこれらを情報処理装置10に送信する。
【0076】
ステップS502において、検索処理部108は、指定された条件に該当し、現在時刻が空き時間として設定された提供者をデータベースDBから検索し、該当する提供者のその後の空き時間を取得する。
【0077】
図6(a)では、「トイレ」、「キッチン」、「お風呂」、「洗面所」のうち、「トイレ」のつまり修理が役務として指定され、提供地域として「東京都大田区」が指定されている。検索処理部108は、この条件に該当する提供者を検索する。この後利用者及び提供者間で通話を行うことから、検索処理部108は、更に、現在日時が空き時間(対応可能日時)として登録されている提供者を検索する。検索処理部108は、検索の結果得られた提供者のその後の空き時間を、希望時間指定領域W613へ表示処理する為に返送する。その後の空き時間とは、例えば、検索日時から24時間後までの時間等とする。
【0078】
ステップS503において、利用者端末装置2は、情報処理装置10から検索処理結果を受け取り、希望時間指定領域W613の表示内容が更新される。図示例では、例えば、12:30に利用者が検索を行い、検索結果として得られた1又は複数の提供者が、14:00-15:00の時間帯と、16:00-17:00の時間帯を空き時間としていたことを意味する。換言すれば、今回の条件では、15:00-16:00の時間帯を空き時間としていた提供者が検索されなかったことを意味する。
【0079】
検索の結果得られた空き時間から、希望時間指定領域W613において選択可能な時間帯が制御される。なお、「可能な限り早く」は常時選択可能に構成されてよい。ステップS504において、利用者は、希望時間を指定して、検索ボタンW614を押下することで、検索処理部108に、指定した役務、地域及び希望時間を送信する。
【0080】
検索処理部108は、条件に該当する提供者を検索処理する。情報処理装置10は、検索処理結果に基づいて提供者一覧画面を表示処理して、表示処理結果を利用者端末装置2に返送する。
【0081】
図6(b)は、提供者一覧画面W62の画面表示例である。提供者一覧画面W62は、検索処理された提供者毎に、提供者表示領域W621を表示し、提供者表示領域W621内には、通話ボタンW622が配置されている。この通話ボタンW622を押下することで、図6(c)に示すように会員登録画面W63が表示される。
【0082】
利用者情報処理部105は、利用者情報をデータベースDBに登録する。また、利用者情報処理部105は、登録された利用者情報について、情報の追加、変更、削除等を処理する。
【0083】
会員登録画面W63において、利用者が当該オンラインマーケットプレイスの会員でない場合、電話番号のみを入力させ、会員登録可能に構成している。利用者が電話番号入力欄W631に電話番号を入力し、新規会員登録ボタンW632が押下されると、利用者情報処理部105は、少なくとも電話番号を有する利用者情報をデータベースDBに登録する。そしてオンラインマーケットプレイスにログインする。なお、当該利用者が既に利用者情報を登録済の場合には、リンクW633を押下してログイン画面を表示する。
【0084】
利用者がオンラインマーケットプレイスにログインすると、図6(d)に示すように、通話画面W64が表示される。通話画面W64は、通話をしようとする提供者の情報を提供者情報表示領域W641に表示し(図示例では、アイコン画像のみ)、利用者が検索時に入力した条件の一部又は全部を条件表示領域W642に表示すると共に、通話ボタンW643を備えている。通話ボタンW643が押下されると、呼制御部101は、発呼先の提供者端末装置3に対して発呼する。
【0085】
<予約データの生成>
次いで、ステップS404における予約データの生成について説明する。
図7は、利用者による発呼から予約データ生成までのフローチャートである。
【0086】
ステップS701において、通話ボタンW643が操作され、呼制御部101は、発呼先の提供者端末装置3に対して発呼する。ステップS702において、呼制御部101は、発呼の履歴を履歴情報としてデータベースDBに格納する。また、ステップS703において、呼制御部101は、応答の履歴を履歴情報としてデータベースDBに格納する。なお、これらは分離して行われてもよいし、通話の切断後に登録される構成としてもよい。
【0087】
ここで、提供者端末装置3において呼出が行われると、呼出画面(不図示)が提供者端末装置3において表示される。提供者は、呼出画面において受話ボタンを押下することで、受話する。ここで、呼制御部101は、発呼先の提供者端末装置3に対して、利用者が検索時に入力した条件の一部又は全部を送信してよく、提供者端末装置3は、呼出画面において、条件表示領域W642における表示の如く、受信した利用者が検索時に入力した条件の一部又は全部を表示してよい。
【0088】
更に、呼制御部101は、発呼元の利用者が所定の利用者情報を登録済か否かを判別可能な情報を、発呼先の提供者端末装置3に対して送信してよく、提供者端末装置3は受信した情報を呼出画面において表示してよい。所定の利用者情報とは、例えば利用者の名前や住所等であり、呼制御部101は、利用者の名前や住所等又は、発呼元の利用者がこれらを未登録(新規会員)か否かを示す情報を発呼先の提供者端末装置3へ送信してよく、提供者端末装置3は、呼出画面に、呼出画面に利用者の名前や住所等又は、発呼元の利用者がこれらを未登録(新規会員)か否かを示す情報を表示する等してよい。
【0089】
予約データ生成部102は、提供者端末装置3から呼制御部101が受け取った応答結果に基づいて、応答種別が着呼後に受話した状態を示す場合(ステップS704でYES)、予約データを生成する(ステップS705)。本実施形態では、予約データ生成部102は、データベースDBに格納された履歴情報に基づいて、提供者が受電(受話)したか否かを判断する。予約データ生成部102は、発呼元の利用者及び、発呼先の提供者を対応付けた予約データを生成する。予約データ生成部102は、着呼後受話されたか否かに加えて、通話時間に基づいて、予約データを生成するか否か判断してよい。例えば、通話時間が一定時間を下回る場合等には、予約データを生成しないように構成してもよい。
【0090】
応答種別が着呼後に受話した状態を示さない場合(ステップS704でNO)、予約データ生成部102は、予約データを生成しない。更にステップS706において、利用者から問い合わせがあり、それに対して不出であった旨を、提供者端末装置3に対して通知する。通知は、例えば、利用者情報としてデータベースDBに登録されたメールアドレスや電話番号を宛先として行われる。
【0091】
利用者は既に他の提供者に問い合わせを行っている可能性がある為、提供者に通知される内容には、少なくとも当該利用者に連絡可能な情報が含まれないことが好ましい。問い合わせを行った利用者に関する情報が一切含まれなくてもよい。一方で、履歴に関する情報(例えば、呼出の日時、呼出時間等)は含まれてよい。同様の理由から、問い合わせに対して不出だった提供者端末装置3の提供者用アプリプログラムに対して、ソフトフォンの着信履歴を残さないのが好ましい。換言すれば、当該利用者端末装置2に対して提供者端末装置3から折り返しできないように、呼制御部101は、少なくとも当該利用者端末装置2の連絡先(利用者の識別情報、アプリID等)を提供者端末装置3に送信しない。
【0092】
<追加情報の登録>
次いで、ステップS405における追加情報の登録について説明する。
図8は、利用者端末装置2における通話終了後の画面表示例である。図8(a)に示すように、利用者からの発呼に対して提供者が受話し、その後、通話が終了すると、利用者端末装置2において、通話完了画面W81が表示される。通話完了画面W81は、追加情報登録画面への遷移ボタンW811及び、予約キャンセルのためのリンクW812を備える。遷移ボタンW811が押下されると、利用者端末装置2において、図8(b)に示す利用者情報追加画面W82が表示される。リンクW812が選択されると、情報処理装置10は、当該通話によって生成された予約データを「キャンセル」ステータスとする。
【0093】
利用者情報追加画面W82は、利用者情報入力領域W821及び、利用者情報登録ボタンW822を備える。予約を行った利用者は、利用者情報入力領域W821に追加の利用者情報を入力し、利用者情報登録ボタンW822を押下することで、利用者情報処理部105は、利用者情報に入力された情報をデータベースDBに追加する。
【0094】
一方で、利用者からの発呼に対して提供者が不出だった場合、利用者が発呼を終了させると、図8(c)に示すように、利用者端末装置2において、通話不成立画面W83が表示される。通話不成立画面W83は、不出だった提供者の情報を提供者情報表示領域W831に表示し(図示例では、アイコン画像のみ)、利用者が検索時に入力した条件の一部又は全部を条件表示領域W832に表示すると共に、戻るボタンW833を備えている。戻るボタンW833が押下されると、通話不成立画面W83が閉じられ、提供者一覧画面W62に遷移可能に構成される。
【0095】
発呼後、提供者が不出の場合に他の提供者にも発呼ができるように、通話画面W64や通話不成立画面W83から提供者一覧画面W62に遷移可能に構成される構成が好ましい。図示例では、通話画面W64及び通話不成立画面W83は、モーダルウィンドウとして、提供者一覧画面W62に重ねて表示される。なお、提供者一覧画面W62を再度表示する際に、検索処理部108は、再度同じ条件によって検索を行い、一覧に含まれる提供者を更新する構成としてよい。
【0096】
図9は、提供者端末装置3における予約管理画面の画面表示例である。
通話終了後、提供者は、予約データに対して、情報を追加する。提供者は、通話によって利用者と調整した日程を、図9(a)に示す予約管理画面W91を介して登録する。予約管理画面W91は、切替領域W911を備える。切替領域W911が操作されると、予約データに対応付けられたステータス(本実施形態では、「仮予約」、「予約確定」、「会計済(提供完了)」、「キャンセル」)に応じて、当該提供者端末装置3を操作する提供者に対応付けられた予約データの参照等が可能に構成されている。
【0097】
予約データ処理部104は、登録された予約データについて、情報の追加、変更、等を処理する。予約データ生成部102によって生成された予約データには「仮予約」ステータスが付され、切替領域W911を操作することで「仮予約」ステータスが付された予約データが、予約表示部W912に表示される。予約表示部W912を選択すると、図9(b)に示すスケジュール登録画面W92が表示される。
【0098】
スケジュール登録画面W92は、対応可能日時(空き時間)W921、対応不可日時W922がカレンダー表示され、このカレンダー表示を操作して、当該予約データに対応付ける役務提供の日時を追加することができる。ここで、当該予約が行われた(予約データの生成や、発呼あるいは終話の)日時から所定時間内の日時を、役務提供の日時として登録可能な日時としてよい。換言すれば、カレンダー表示において、予約から所定時間を超える日時は選択不可に構成される。役務提供の日時を追加して作業日時登録ボタンW923が押下されると、予約データ処理部104は、当該予約データに対して、役務提供の日時を追加する。予約データ処理部104は、役務提供の日時が追加された予約データを、「予約確定」ステータスへと変更する。
【0099】
<役務提供後>
提供者は、「予約確定」ステータスの予約データについて、登録した日時に役務提供を行う。そして、役務提供後、図9(c)に示す予約管理画面W91を介して売り上げ登録を行う。切替領域W911を操作することで「予約確定」ステータスが付された予約データが、予約表示部W913に表示される。当該予約表示部W913は、お会計ボタンW914を備え、会計ボタンW914が操作されることで、会計画面W93が表示される。
【0100】
会計画面W93は、金額入力領域W931、確定ボタンW932及び、戻るボタンW933を備える。提供者は、役務提供後、利用者からの受領金額を金額入力領域W931に入力する。そして、確定ボタンW932を押下することで、予約データ処理部104は、当該予約データに対して、受領金額及び、受領日時を追加する。また、確定ボタンW932を押下する前に、戻るボタンW933が押下されたならば、予約管理画面W91を再表示する。
【0101】
予約データに対して、受領金額及び、受領日時が追加されると、予約データ処理部104は、当該予約データを「会計済(提供完了)」ステータスへ変更する。
【0102】
<機能の有効化>
図10は、機能の有効化に関するフローチャートである。予約データ又は利用者に関する情報の登録状況に応じてメッセージ機能の提供が制限される一方で、呼制御部101は、予約データによって対応付けられた提供者及び利用者間で通話を随時可能に構成する。
【0103】
ステップS1001において、予約データ生成部102によって予約データが生成されると、ステップS1002において、利用者及び提供者間での通話機能が有効化される。これにより、予約データに対応付けられた利用者及び提供者間で、呼制御部101による通話が可能となる。また、所定の利用者情報が追加されると(ステップS803でYES)、ステップS804において、メッセージ機能提供部103によるメッセージ機能が有効化される。所定の利用者情報とは、例えば利用者の名前や住所等である。
【0104】
メッセージ機能提供部103は、当該予約に対応付けられた利用者及び提供者よりメッセージを受信し、受信したメッセージを利用者及び提供者に表示処理することで、利用者用アプリプログラム及び提供者用アプリプログラム間でメッセージの送受信を行う為のメッセージ機能を提供する。メッセージ機能提供部103は、データベースDBに格納されたメッセージデータに基づいて、利用者端末装置2及び提供者端末装置3においてメッセージを表示処理する。メッセージデータは、メッセージの送信元及び送信先の識別情報、メッセージ内容、送信日時等を有する。
【0105】
利用者がステップS803における所定の利用者情報を追加することで、その他の機能が有効化されてもよい。例えば、利用者情報に対応付けられたオンライン決済のための決済情報に基づいて提供金額をオンライン決済可能に構成してもよく、また、利用者情報処理部105によって、利用者情報に対して、オンライン決済の紐づけ処理を有効化しても(紐づけ可能にしても)よい。あるいは、少なくとも、提供者が役務提供の日時を対応付けることで、メッセージ機能が制限/有効化されてもよい。
【0106】
<インシデント情報の登録>
次いで、インシデント情報の登録について説明する。インシデント管理部107は、予約データに対する操作に基づいて、当該予約に対応付けられた提供者の情報が対応付けられたインシデント情報の登録処理を行う。データベースDBには、担当情報が記憶されており、各担当が、複数の提供者の管理や補佐、指導等を行う。また、掲載管理部106は、発信履歴及び応答履歴に基づいて、オンラインマーケットプレイスにおける利用者あるいはその役務の掲載状態を変更する。登録されたインシデント情報は、図示しないコンピュータを利用して担当者等が閲覧する。
【0107】
本実施形態では、掲載管理部106は、非掲載リストに提供者又は当該役務を追加することで、当該提供者又は役務が検索されないようにする。非掲載リストには、非掲載とする提供者の識別情報又は、役務の識別情報、及び、非掲載とする期限が対応付けられてよい。なお、役務を非掲載とする場合に、当該提供者が複数の緊急系役務を登録していれば、それら複数の緊急系役務を全て非掲載としてもよい。
【0108】
インシデント管理部107は、所定の条件に該当した場合、インシデント情報を登録する、又は、インシデント情報を社内管理システム等の外部システムに登録すべく、インシデント情報を生成する為の情報を、外部システムに送信する。また、所定の条件に該当した場合、掲載管理部106は、対象の提供者又はその役務を一定期間非掲載とする。
【0109】
所定の条件は、例えば、以下の場合である。
【0110】
(1)(条件)利用者からの発呼に対する呼出時間が所定秒数以上(例えば、20秒以上)続いても、発呼元の提供者が電話に出なかった場合:(対応)掲載管理部106は、当該提供者が掲載する緊急系役務を全て非掲載にする。非掲載処理は、所定時間後(例えば、1時間後)に解除される。
(2)(条件)不在(不出)が連続して所定回(例えば、3回)発生した場合:(対応)インシデント管理部107が、インシデント情報を登録処理する。
(3)(条件)「仮予約」ステータスの予約データが、所定時間(例えば24時間)を超えても「予約確定」ステータスに変更されない(日付が登録されない):(対応)インシデント管理部107が、インシデント情報を登録処理する。
(4)(条件)「キャンセル」ステータスへの変更回数又は頻度が、閾値を超える場合:(対応)インシデント管理部107が、インシデント情報を登録処理する。
【0111】
なお、(1)のケースでもインシデント情報を登録処理してもよい。ここで、発呼先の提供者端末装置3が受話しなかった場合に、掲載管理部106は対象の提供者又はその役務を非掲載とし、利用者端末装置2において、通話不成立画面W83が表示された際や閉じられた際に、次に遷移する提供者一覧画面W62に表示する検索結果を検索処理部108が再度同条件で検索処理して、表示更新することで、不通だった掲載書を一覧から除外するように構成してもよい。また、(2)~(4)のケースでも、非掲載処理を行ってもよい。
【0112】
図11は、インシデント確認画面W111の画面表示例である。図11(a)に示すとおり、インシデント確認画面W111は、提供者情報表示領域W1111、提供者詳細表示ボタンW1112、担当者情報表示領域W1113、インシデント表示領域W1114、コメント投稿ボタンW1115及び、コメント表示領域W1116を備える。提供者情報表示領域W1111には対象となる提供者が表示され、提供者詳細表示ボタンW1112を押下することでより詳細な情報を参照できる。担当者情報表示領域W1113には、当該提供者に対応付けられた担当者が表示される。インシデント表示領域W1114には、(2)に関するインシデントに関する内容が表示されており、この表示内容は、インシデント管理部107が履歴情報に基づいて登録処理したものである。また、コメント投稿ボタンW1115及び、コメント表示領域W1116によって、当該インシデントに対してコメントを対応付けることができる。
【0113】
図11(b)に示すインシデント確認画面W111では、インシデント管理部107が、データベースDBに格納された通話音声データ(音声データ保存場所のアドレス・パス)、履歴情報、利用者情報等に基づいて、インシデント表示領域W1114に表示されるインシデントに関する内容を登録処理している。
【符号の説明】
【0114】
1 :予約管理システム
10 :情報処理装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
101 :呼制御部
102 :予約データ生成部
103 :メッセージ機能提供部
104 :予約データ処理部
105 :利用者情報処理部
106 :掲載管理部
107 :インシデント管理部
108 :検索処理部
2 :利用者端末装置
3 :提供者端末装置
90 :端末装置
91 :制御部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
NW :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11