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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136876
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】搬送装置、並びに、荷捌き装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
B65G47/28 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036690
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸治
(72)【発明者】
【氏名】尾関 将光
(72)【発明者】
【氏名】後藤 詢太郎
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA20
3F081BA01
3F081BC13
3F081CB01
3F081CC12
3F081DA02
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で搬送物の重なりを解消することが可能な搬送装置を提供する。また、様々な搬送装置と共に使用可能な荷捌き装置を提供する。
【解決手段】搬送物を搬送する搬送部2と、荷捌き装置3を有する搬送装置1において、荷捌き装置3は、搬送部2の上方に位置する接触部材31,32を有するものとする。接触部材31,32は、上下で重なる複数の搬送物のうち、上方の搬送物と接触する接触部46を備えたものとする。そして、接触部46が自動で移動しつつ上方の搬送物と接触するものとする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送する搬送部と、荷捌き装置を有し、
前記荷捌き装置は、前記搬送部の上方に位置する接触部材を有し、
前記接触部材は、上下で重なる複数の前記搬送物のうち、上方の前記搬送物と接触する接触部を備え、
前記接触部が自動で移動しつつ前記搬送物と接触することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記接触部は、上方側から下方側を経て上方側へ移動しつつ、前記搬送部の搬送方向の下流側から上流側に移動することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記接触部材は、所定方向に延在する本体部を有し、前記接触部は、前記本体部の外周面に取り付けられて外側に突出する部分であって、
前記本体部は、前記所定方向に延びる軸を中心に回転するものであり、前記本体部の回転に伴って前記接触部が移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記本体部は、モータ内蔵ローラであり、前記接触部は、弾性変形可能な毛束を有するブラシ部材であることを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記本体部は、平面視において、前記搬送部の搬送方向及び前記搬送方向と直交する方向の双方に対して傾斜する方向に延在することを特徴とする請求項3又は4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記搬送部は、前記搬送部の搬送方向と直交する方向の一方側に位置する一方側領域と、他方側に位置する他方側領域を有し、前記一方側領域と前記他方側領域で前記搬送物の搬送が可能であり、
前記接触部は、前記一方側領域の上方に配されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記他方側領域で搬送される前記搬送物を当接させる搬送規制部材を有し、
前記搬送規制部材は、前記接触部材よりも前記搬送方向の上流側に配されており、
前記搬送物が前記搬送規制部材に当接することで、当接した前記搬送物が、前記搬送方向で下流側に移動するにつれ、前記他方側領域側から前記一方側領域側に向かう方向に移動することを特徴とする請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
搬送物を搬送する搬送用装置の上方に配して使用する荷捌き装置であって、
接触部材を有し、
前記接触部材は、上下で重なる複数の前記搬送物のうち、上方の前記搬送物と接触する接触部を備え、
前記接触部は、自動で、上方側から下方側を経て上方側へ移動しつつ、前記搬送物の搬送方向の下流側から上流側に移動することを特徴とする荷捌き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物の重なりを解消して搬送可能な搬送装置に関する。また、搬送物の重なりを解消可能な荷捌き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の組み立てラインや、宅配便の集荷場では、ベルトコンベヤやローラコンベヤ等の搬送装置により、搬送物の搬送を行っている。ここで、搬送装置で搬送物を搬送する際には、上下に重なった2つの搬送物の重なりを解消して搬送したい場合がある。例えば、特許文献1には、物品の重なりを解消する荷捌き装置を有する搬送装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された搬送装置は、荷捌き装置と物品整列装置が組み合わされたものである。この搬送装置は、搬送物の底面を付勢して搬送物を移動させる搬送セルを行列状に並べて形成されたものであり、荷捌き装置、物品整列装置は、いずれも行列状に並ぶ複数の搬送セルによって構成されている。そして、物品を上流側から下流側に向かって搬送するとき、上流側の荷捌き装置を経て、下流側の物品整列装置に物品が導入される。ここで、荷捌き装置に導入された物品は、平面視において、荷捌き装置が配される荷捌きエリア内の一点を中心として旋回するように移動させられる。そして、物品は、旋回又は回転するうちに、重なりが崩れ落ちて平面状に並んだ状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-119547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1の搬送装置は、より簡易な構造で搬送物の重なりを解消するという点や、より確実に搬送物の重なりを解消するという点において改善の余地があった。また、複数の搬送セルを組み合わせて構成される搬送装置ではなく、例えば、ベルトコンベヤやローラコンベヤといった他の搬送装置においても搬送物の重なりを解消するという点において、改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、簡易な構造で搬送物の重なりを解消することが可能な搬送装置を提供することを課題とする。また、様々な搬送装置と共に使用可能な荷捌き装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、搬送物を搬送する搬送部と、荷捌き装置を有し、前記荷捌き装置は、前記搬送部の上方に位置する接触部材を有し、前記接触部材は、上下で重なる複数の前記搬送物のうち、上方の前記搬送物と接触する接触部を備え、前記接触部が自動で移動しつつ前記搬送物と接触することを特徴とする搬送装置である。
【0008】
本様相によると、簡単な構造で搬送物の重なりを解消できる。また、接触部が自動で移動しつつ重なった上側の搬送物に接触するので、上側の搬送物をしっかり押圧し、上側の搬送物を他の搬送物の上から確実に落下させることができる。
【0009】
上記した様相は、前記接触部は、上方側から下方側を経て上方側へ移動しつつ、前記搬送部の搬送方向の下流側から上流側に移動することが好ましい。
【0010】
この好ましい様相によると、上側の搬送物をより確実に落下させることができる。
【0011】
上記した様相は、前記接触部材は、所定方向に延在する本体部を有し、前記接触部は、前記本体部の外周面に取り付けられて外側に突出する部分であって、前記本体部は、前記所定方向に延びる軸を中心に回転するものであり、前記本体部の回転に伴って前記接触部が移動することが好ましい。
【0012】
この好ましい様相によると、簡易な構造で接触部を移動させることができるので、好ましい。
【0013】
上記した好ましい様相は、前記本体部は、モータ内蔵ローラであり、前記接触部は、弾性変形可能な毛束を有するブラシ部材であることがさらに好ましい。
【0014】
このさらに好ましい様相によると、接触部を移動させるためのモータ等を外部に配さなくてもよく、省スペース化を図ることができる。また、接触部が搬送物に接触する際に搬送物が傷ついたりし難い。
【0015】
上記した好ましい様相は、前記本体部は、平面視において、前記搬送部の搬送方向及び前記搬送方向と直交する方向の双方に対して傾斜する方向に延在することがさらに好ましい。
【0016】
このさらに好ましい様相によると、様々な重なり方をした搬送物の重なりを解消できる。
【0017】
上記した様相は、前記搬送部は、前記搬送部の搬送方向と直交する方向の一方側に位置する一方側領域と、他方側に位置する他方側領域を有し、前記一方側領域と前記他方側領域で前記搬送物の搬送が可能であり、前記接触部は、前記一方側領域の上方に配されていることが好ましい。
【0018】
この好ましい様相によると、接触部が他方側領域の上方にも配される構造と比べ、接触部を小型化できるので、製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
上記した好ましい様相は、前記他方側領域で搬送される前記搬送物を当接させる搬送規制部材を有し、前記搬送規制部材は、前記接触部材よりも前記搬送方向の上流側に配されており、前記搬送物が前記搬送規制部材に当接することで、当接した前記搬送物が、前記搬送方向で下流側に移動するにつれ、前記他方側領域側から前記一方側領域側に向かう方向に移動することがさらに好ましい。
【0020】
このさらに好ましい様相によると、重なった搬送物を接触部材側へ移動させることが可能であり、接触部を上側の搬送物に確実に接触させることができる。このことから、搬送物の重なりをより確実に解消できる。
【0021】
本発明の他の様相は、搬送物を搬送する搬送用装置の上方に配して使用する荷捌き装置であって、接触部材を有し、前記接触部材は、上下で重なる複数の前記搬送物のうち、上方の前記搬送物と接触する接触部を備え、前記接触部は、自動で、上方側から下方側を経て上方側へ移動しつつ、前記搬送物の搬送方向の下流側から上流側に移動することを特徴とする荷捌き装置である。
【0022】
本様相の荷捌き装置は、様々な搬送措置と共に使用できる。また、簡単な構造で搬送物の重なりを解消可能であり、重なった上側の搬送物を下側の搬送物の上から確実に落下させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、簡易な構造で搬送物の重なりを解消することが可能な搬送装置を提供できる。また、様々な搬送装置と共に使用可能な荷捌き装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
図2図1の搬送装置を示す斜視図であり、筐体部材を透過して示す。
図3図1の第一搬送部と荷捌き装置の一部を搬送方向の上流側からみた平面図であり、搬送物を搬送している様子を示す。
図4図2の第一荷捌き手段を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は本体部の長手方向と直交する方向を視線方向とした平面図、(c)は本体部の長手方向を視線方向とした平面図である。
図5図2の搬送装置を上方からみた平面図であり、筐体部材の一部を省略して示す。
図6図1の搬送規制部材の周辺を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)を搬送方向の上流側からみた平面図である。
図7図2の第一搬送部で搬送物を搬送する様子を示す説明図であり、筐体部材の一部を省略して示す。
図8図1の第一搬送部で図7とは異なる搬送物を搬送する様子をモデル化して模式的に示す説明図であり、(a)~(d)の順に搬送する。
図9図1の第一搬送部で図8とは異なる搬送物を搬送する様子を示す説明図である。
図10図1とは異なる実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
図11図1図10とは異なる実施形態に係る搬送装置を示す説明図であり、(a)、(b)は、それぞれ異なる搬送装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る搬送装置1について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0026】
本実施形態の搬送装置1は、図1図2で示されるように、搬送部2(搬送用装置)と、荷捌き装置3と、搬送規制部材4を有する。
【0027】
搬送部2は、第一搬送部10と第二搬送部11を有しており、これらが、搬送方向と直交する方向で並列配置されている。ここで、第一搬送部10と第二搬送部11とは略同様の部材であり、第一搬送部10について詳細に説明し、第二搬送部11の詳細な説明を省略する。
なお、第一搬送部10の搬送方向と、第二搬送部11の搬送方向は同方向であり、以下の説明において、単に搬送方向(搬送部2の搬送方向)とも称す。また、平面視において搬送方向と直交する方向を、単に幅方向(搬送部2の幅方向であり、第一搬送部10、第二搬送部11の幅方向)とも称す。
【0028】
第一搬送部10は、単独で搬送物を上流側から下流側に搬送可能な搬送用装置である。なお、本実施形態では、搬送用装置にローラコンベヤと称されるコンベヤ装置を採用しているが、搬送用装置は、ベルトコンベヤ等の他のコンベヤ装置であってもよい。
すなわち、本実施形態の第一搬送部10は、間隔を空けて並列配置された複数の搬送ローラ15(ローラ部材)と、フレーム部材16を備えており、それぞれの搬送ローラ15がフレーム部材16に支持されている。
なお、作図の都合上、一部の搬送ローラ15にのみ符号を付し、他への符号を省略する。また、他の部材についても、同様の部材がある場合、必要に応じて一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0029】
複数の搬送ローラ15は、一つが動力源となる駆動ローラであり、その他が自由に回転する従動ローラである。なお、本実施形態では、駆動ローラとして、モータ内蔵ローラを採用している。モータ内蔵ローラは、円筒状のローラ本体の内部にモータと、減速機と、回路基板等が内蔵されたものである。詳細な説明を省略するが、ローラ本体は、長手方向の両端が開口した金属製の筒体であり、同両端が閉塞部材によって閉塞されている。そして、それぞれの閉塞部材に対して相対回転可能な状態で固定軸が取り付けられている。
従動ローラもまた、円筒状のローラ本体と、ローラ本体の両端にそれぞれ位置する2つの固定軸を有しており、2つの固定軸のそれぞれが閉塞部材を介してローラ本体に固定されている。従動ローラは、ローラ本体内にモータ等の機器を内蔵しない点において、駆動ローラと異なる。
【0030】
隣接する搬送ローラ15同士は伝動ベルトで巻回されており、駆動ローラが回転することで、全ての従動ローラが回転する。そして、この複数の搬送ローラ15の上部によって、第一搬送部10の搬送面が形成される。なお、「搬送面」とは、搬送物が載置される部分である。
【0031】
フレーム部材16は、一対のサイドフレームである第一フレーム部16aと第二フレーム部16bを有する。第一フレーム部16a、第二フレーム部16bは、図3で示されるように、搬送部2の幅方向で離れた位置にそれぞれ配され、いずれも側壁形成部20と、上側板部21と、垂下板部22を有する。
【0032】
側壁形成部20は、搬送方向に延びる長尺状の部材であり、搬送方向と直交する方向に厚さを有する立板状の部分である。この側壁形成部20には、搬送ローラ15の固定軸が取り付けられる取付用孔が設けられている。
つまり、第一フレーム部16aの側壁形成部20に搬送ローラ15の一方の固定軸が取り付けられ、第二フレーム部16bの側壁形成部20に搬送ローラ15の他方の固定軸が取り付けられることで、フレーム部材16に搬送ローラ15が支持される。
【0033】
上側板部21は、平板状の部分であり、それぞれ側壁形成部20の上端部分と連続する。すなわち、側壁形成部20の上端から外側(搬送部2の幅方向で外側)に向かって突出する部分である。
垂下板部22は、上側板部21の突出端(外側端部)から下方に延びる立板状の部分であり、搬送部2の幅方向で側壁形成部20と離間対向する部分である。なお、本実施形態では、垂下板部22の上下方向の長さが、側壁形成部20の上下方向の長さよりも短い。
【0034】
荷捌き装置3は、図1図2で示されるように、筐体部材30と、第一荷捌き手段31と(接触部材)、第二荷捌き手段32(接触部材、図2参照)を有している。
【0035】
筐体部材30は、天板部35と、2つの筐体側壁部36を有する。
天板部35は、2つの筐体側壁部36の上側同士をつなぐ部分であり、荷捌き手段(接触部材であり、第一荷捌き手段31、第二荷捌き手段32)の上方を覆う部分である。この天板部35は、搬送部2(第一搬送部10、第二搬送部11)の上方を横切るように延びており、一部が、第一搬送部10の搬送面の上方に位置し、他部が、第二搬送部11の搬送面の上方に位置している。
【0036】
2つの筐体側壁部36は、搬送部2のフレーム部材16に載置され、固定される立壁状の部分である。具体的には、一方の筐体側壁部36が第一搬送部10の第一フレーム部16aに載置され、他方の筐体側壁部36が第二搬送部11の第二フレーム部16bに載置されている。
本実施形態では、上記したように、第一搬送部10、第二搬送部11からなる複数(2つ)のコンベヤ装置が並列配置されている。そして、複数のコンベヤ装置の内で最も搬送部2の幅方向で片側に位置するコンベヤ装置(第一搬送部10)のサイドフレームであり、同幅方向で片側に位置するサイドフレーム(第一フレーム部16a)に一方の筐体側壁部36が載置、固定される。また、複数のコンベヤ装置の内で最も搬送部2の幅方向で他方側に位置するコンベヤ装置(第二搬送部11)のサイドフレームであり、同幅方向で他方側に位置するサイドフレーム(第二フレーム部16b)にもう一方の筐体側壁部36が載置、固定される。
つまり、それぞれの筐体側壁部36は、対をなすサイドフレームの一方に載置、固定される部材であり、2つの筐体側壁部36は、搬送部2の幅方向で離れた位置に配された別のサイドフレームにそれぞれ載置、固定される。
【0037】
このことから、2つの筐体側壁部36の間に荷捌き手段(第一荷捌き手段31、第二荷捌き手段32)が配される。このように、筐体側壁部36は、荷捌き手段の側方外側に位置し、荷捌き手段の側方を覆うように配置される。
【0038】
筐体部材30は、図2図3で示されるように、荷捌き手段取付部40を有する。
荷捌き手段取付部40は、荷捌き手段(第一荷捌き手段31、第二荷捌き手段32)を支持する部材であり、2つで一対となる第一取付片部40aと、第二取付片部40bによって構成されている。
第一取付片部40aと、第二取付片部40bは、それぞれ天板部35の下面に固定されており、それぞれが上下方向に延びる立板状部分を有する。第一取付片部40aの立板状部分と、第二取付片部40bの立板状部分は、図3で示されるように、所定方向で離間対向し、荷捌き手段の2つの固定軸52(詳しくは後述する)が取り付けられる。
【0039】
第一荷捌き手段31は、図4で示されるように、本体部45と、ブラシ部46(接触部、ブラシ部材)を有している。なお、第一荷捌き手段31と第二荷捌き手段32は、略同様の部材であり、第一荷捌き手段31について詳細に説明し、第二荷捌き手段32の詳細な説明を省略する。
【0040】
本実施形態では、第一荷捌き手段31の本体部45として、モータ内蔵ローラを採用している。すなわち、本体部45は、外形が略円筒状の筒状部50を有し、この筒状部50の内部にモータと、減速機と、回路基板等が内蔵されている。
図4(a)で示すように、筒状部50は、長手方向の両端が閉塞部材51によって閉塞されている。また、本体部45は、筒状部50の長手方向の両端のそれぞれに固定軸52を有しており、これらの固定軸52が、閉塞部材51に対して相対回転可能な状態で取り付けられている。
以上のことから、第一取付片部40aと、第二取付片部40b(図3参照)に第一荷捌き手段31を支持した状態で筒状部50内のモータを稼働すると、筒状部50が回転する一方で2つの固定軸52は回転しない。
【0041】
ブラシ部46は、台座部46aと、台座部46aから突出する複数の毛束部分を有している。
台座部46aは、横断面の形状が略四角形状で細長く延びる部分である。
複数の毛束部分は、列状に並んだ状態となっており、詳細には、台座部46aの長手方向に沿って並列配置されている。それぞれの毛束部分は、弾性を有するブラシ毛(ストレート毛)を複数本含んで形成されている。なお、ブラシ毛は、自然状態(外力が加わらない)で略直線状に延びた状態を維持する程度に剛性を有している。
【0042】
ブラシ部46は、筒状部50の外周面に固定される部材であり、本実施形態では、取付部材53を介して取り付けられている。
取付部材53は、全体形状が略直方体状となる細長い金属製の部材であり、筒状部50の外周面にネジ止めや溶接等の固定手段によって一体に固定される。
また、取付部材53には、ブラシ部46の台座部46aが固定される。このことから、取付部材53を挟んだ両側に筒状部50の外周面と、ブラシ部46が位置した状態となる。なお、ブラシ部46は、取付部材53に一時締結要素等を介して取り付けてもよい。ここでいう「一時締結要素」とは、締結要素の一種であり、原則的に破壊せずに取り外しが可能な締結要素をいう。一例として、ねじ等が挙げられる。台座部46aは、取付部材53に対して取り外し可能な状態で取り付ける他、接着剤等の固定手段により、原則的に取り外しができない状態で固定してもよい。
本実施形態では、取付部材53の長さ方向と、筒状部50の長手方向が同方向となるように、取付部材53を筒状部50に取り付けている。また、台座部46aの長手方向と、取付部材53の長さ方向が同方向となるように、台座部46aを取付部材53に取り付けている。
【0043】
本実施形態では、図4(c)で示されるように、第一荷捌き手段31が複数(3つ)のブラシ部46を有している。そして、それぞれのブラシ部46が筒状部50(固定軸52)の周方向で間隔を空けて取り付けられている。
【0044】
ここで、図4(b)で示されるように、本体部45(筒状部50)には、ブラシ部46が取り付けられるブラシ取付領域55と、ブラシ部46が取り付けられない非ブラシ取付領域56に区画される。
ブラシ取付領域55は、筒状部50の長手方向における片側に位置する領域であり、非ブラシ取付領域56は、同長手方向における他方側に位置する領域である。
具体的には、筒状部50の長手方向における片側端部から中心部分を経てやや他方側端部よりの部分までがブラシ取付領域55であり、本実施形態では、ブラシ取付領域55の一部にブラシ部46が取り付けられている。詳細には、筒状部50の長手方向における片側端部からやや中心側に離れた位置から、中心部分を経てやや他方側端部よりの部分までの領域にブラシ部46を取り付けている。その一方で、筒状部50の長手方向における他方側端部から中心側に離れた位置までの間が、ブラシ部46が取り付けられない領域となる。
つまり、本実施形態の第一荷捌き手段31は、長手方向の片側端部よりの位置にブラシ部46が偏在する。そして、他方側端部と隣接する部分にブラシ部46が配されない部分を有する。
【0045】
第一荷捌き手段31は、図5で示されるように、平面視において、斜め方向に延びた状態で取り付けられる。つまり、平面視において、第一荷捌き手段31の長手方向は、搬送部2の搬送方向(図5の上下方向)と、同搬送方向に直交する方向(図5の左右方向)のそれぞれに対して傾斜する方向となる。
詳細には、第一荷捌き手段31の長手方向の一端側であり、ブラシ取付領域55(図4参照)側の端部が、他端部よりも搬送部2の搬送方向で上流側となるように配される。したがって、それぞれのブラシ部46もまた、平面視において、複数の毛束部分が斜め方向に並んだ状態となる。
【0046】
なお、第一荷捌き手段31では、搬送部2の幅方向における一方側(図5の左側)にブラシ部46が位置しているのに対し、第二荷捌き手段32では、搬送部2の幅方向における他方側(図5の右側)にブラシ部46が位置している。すなわち、第一荷捌き手段31では、同幅方向における一方側の端部が上流側に配されるのに対し、第二荷捌き手段32では、同幅方向における他方側の端部が上流側に配される。
【0047】
図5で示されるように、搬送部2(第一搬送部10、第二搬送部11)の搬送面は、搬送方向において上流側領域60と、中途領域61と、下流領域62に区画される。
中途領域61は、荷捌き手段の下方側に位置する領域である。具体的には、筒状部50の回転に伴ってブラシ部46が移動する領域を回転領域65としたとき、平面視において、中途領域61の搬送方向における上流端の位置と、回転領域65の上流端の位置とが同位置となる。そして、平面視において、中途領域61の搬送方向における下流端の位置と、回転領域65の下流端の位置とが同位置となる。
上流側領域60は、中途領域61よりも搬送方向で上流側に位置する領域であり、下流領域62は、中途領域61よりも搬送方向で下流側に位置する領域である。
【0048】
なお、図示を省略するが、本実施形態では、上流側領域60を形成する搬送ローラ15には、ローラ本体の外周面に高摩擦材が取り付けられている。高摩擦材は、ウレタン樹脂やゴム等の摩擦係数の高い材質によって形成される滑り止め部材であり、ローラ本体の外周面を覆うように取り付けられている。つまり、高摩擦材は筒状であり、内孔となる部分にローラ本体が挿入された状態となる。
なお、これに加えて、中途領域61を形成する搬送ローラ15に高摩擦材を取り付け、下流領域62を形成する搬送ローラ15には高摩擦材を取り付けない構成としてもよい。さらに、上流側領域60を形成する搬送ローラ15と、中途領域61の一部(上流側部分)を形成する搬送ローラ15に高摩擦材を取り付け、他の搬送ローラ15に高摩擦材を取り付けないものとしてもよい。
【0049】
また、図5で示されるように、搬送部2(第一搬送部10、第二搬送部11)の搬送面は、搬送部2の幅方向において、荷捌き領域70(一方側領域)と非荷捌き領域71(他方側領域)に区画される。
荷捌き領域70は、搬送部2の上流端から下流端までの間に、平面視において回転領域65と重なる部分を有する領域である。対して、非荷捌き領域71は、搬送部2の上流端から下流端までの全域で回転領域65と重ならない領域である。
【0050】
本実施形態の第一搬送部10では、上記したように、ブラシ部46が幅方向の片側端部(図5の左端)側に偏在するように第一荷捌き手段31を配している。
このため、第一搬送部10では、荷捌き領域70は、幅方向の片側端部(図5の左端)側に位置し、非荷捌き領域71は、幅方向の他方端部(図5の右端)側に位置する。対して、第二搬送部11では、荷捌き領域70は、幅方向の他方端部(図5の右端)側に位置し、非荷捌き領域71は、幅方向の片側端部(図5の左端)側に位置する。
そして、荷捌き領域70と非荷捌き領域71の境界となる位置の上方に、搬送部2の幅方向における回転領域65の端部が位置する。
【0051】
また、図3で示されるように、第一荷捌き手段31は、ブラシ部46が本体部45の下端に位置した姿勢としたとき、搬送面(搬送ローラ15の上端)とブラシ部46の間に隙間75が形成される高さに配される。つまり、ブラシ部46が本体部45の下端に位置した姿勢において、ブラシ部46の下端が搬送面から所定距離L1だけ垂直上方に離れた位置に配される様に、第一荷捌き手段31が配されている。
ここで、この所定距離L1は、搬送物を通常姿勢とした状態での高さL2以上であることが好ましい。なお、ここでいう「通常姿勢」とは、搬送物が搬送される際の姿勢であり、搬送面上に乱雑に放り出した搬送物が搬送面上で取り得る最も自然な姿勢とする。
【0052】
搬送規制部材4は、図1で示されるように、第一搬送部10と第二搬送部11のそれぞれのフレーム部材16に取り付けられている。具体的には、第一搬送部10の第二フレーム部16bと、第二搬送部11の第一フレーム部16aにそれぞれ取り付けられている。
【0053】
搬送規制部材4は、図6で示されるように、取付板部80と突起部81を有する。
取付板部80は、上側板部21上に配される平板状部分である。すなわち、取付板部80と上側板部21を上下で重ねた状態とし、取付板部80を上側板部21にねじ等の一時締結要素を介して取り付ける。このことにより、搬送規制部材4がフレーム部材16に取り付けられた状態となる。
【0054】
突起部81は、一対のサイドフレームの一方(第二フレーム部16b)から搬送面側に突出し、搬送面よりも上方に離れた位置に配される部分である。
具体的には、図5等で示されるように、この突起部81は、平面視で非荷捌き領域71と重なる位置に配される。つまり、第一搬送部10の幅方向において、ブラシ部46と近接する端部とは逆側となる端部の周辺に配される。また、荷捌き手段(第一荷捌き手段31、第二荷捌き手段32)よりも搬送方向で上流側となる位置に配される。
【0055】
突起部81は、図6で示されるように、突起天板部81aと傾斜面部81bを有する。
突起天板部81aは、取付板部80と一体の平板状部分であり、平面視形状が略三角形状となる部分である。すなわち、搬送方向で下流側になるにつれ、搬送面側への突出長さ(搬送部2の幅方向における長さ)が長くなっている。
傾斜面部81bは、突起天板部81aの突出端から垂下される立板状の部分であり、搬送方向の下流側に向かうにつれ、荷捌き領域70側(図5等参照)に向かう方向に傾斜する傾斜面を形成する。
【0056】
続いて、本実施形態の搬送装置1によって搬送物を搬送する際の動作について説明する。なお、特に限定されるものではないが、搬送装置1は、箱状の搬送物、すなわち、外形が略直方体状となる搬送物を搬送することを想定している。搬送対象となる複数の搬送物は、それぞれが違った形状、大きさであってもよく、均一の形状、大きさであってもよい。また、以下の説明では、第一搬送部10で搬送物を搬送する場合を例に挙げて説明し、第二搬送部11で搬送物を搬送する場合については、略同様の説明を省略する。
【0057】
図7で示されるように、搬送部2の上流側から搬送された搬送物のうち、非荷捌き領域71側から搬送された搬送物は、搬送規制部材4の傾斜面部81bに当接する。搬送物は、搬送ローラ15によって下流側に付勢されているので、傾斜面部81bと接触しつつ下流側に付勢され、搬送方向が変更される。すなわち、搬送物は、搬送方向で下流側に向かいつつ、荷捌き領域70側に移動する。このことにより、搬送物が第一荷捌き手段31に向かって移動する。
対して、荷捌き領域70側から搬送された搬送物は、そのまま、第一荷捌き手段31に向かって移動する。
【0058】
ここで、図8(a)で示されるように、搬送装置1では、複数の搬送物が重なった状態で搬送される場合がある。このような場合、図8(b)で示されるように、上下に重なる搬送物が第一荷捌き手段31の下方に搬送されることで、上側の搬送物にブラシ部46が搬送方向の下流側から接触する。
なお、図8では、作図の都合上、第一荷捌き手段31の一部(図8の奥側部分)を省略して示す。
【0059】
ここで、第一荷捌き手段31は、本体部45のモータを稼働して筒状部50が回転すると、筒状部50に固定されたブラシ部46が筒状部50の周方向に移動する。すなわち、ブラシ部46は、本体部45の固定軸52を回転軸とし、本体部45(筒状部50)の外側となる位置で、本体部45の周囲を循環移動する。
なお、特に限定されるものではないが、筒状部50が回転速度は、搬送ローラ15(駆動ローラ)の回転速度よりも遅くてもよい。
【0060】
このとき、筒状部50は、下側部分が搬送方向の下流側から上流側に向かい、上側部分が搬送方向の上流側から下流側に向かうように回転する。
このことから、本体部45に取り付けられたブラシ部46は、搬送方向の下流側から上流側に移動しつつ上方から下方に移動し、本体部45の下側を経て、搬送方向の上流側に移動しつつ上方に移動する。言い換えると、ブラシ部46は、本体部45の上下方向の中心よりも下側となる位置において、上方側から下方側を経て上方側へ移動しつつ、搬送方向の下流側から上流側に移動する。その後、ブラシ部46は、搬送方向の上流側から下流側に移動しつつ上方へ移動し、本体部45の上側を経て、搬送方向の下流側に移動しつつ下方に移動する。
【0061】
このため、第一荷捌き手段31の下側で上下に重なる搬送物のうち、上方の搬送物にブラシ部46が下流側から接触する(図8(b)参照)。このことから、ブラシ部46によって上方の搬送物が上流側に押圧される(弾かれる)。このことにより、搬送物の重なりが解消される。そして、重なりが解消された搬送物は、隙間75(図3参照)を経て下流側に搬送される。
【0062】
ここで、重なりが解消された搬送物が大きいもの(高さL2が所定距離L1よりも長いもの、図3参照)であった場合、搬送物が第一荷捌き手段31の下側を通過しようとすると、搬送物がブラシ部46と接触する。
ここで、上記したように、第一荷捌き手段31は、長手方向が斜め方向(平面視で搬送方向及び幅方向のそれぞれに対して傾斜する方向)となるように配されている(図5等参照)。このことから、搬送物が大きいものである場合、搬送物がブラシ部46に弾かれ、荷捌き領域70側から非荷捌き領域71側へと移動し、非荷捌き領域71で下流側へと搬送される。
【0063】
また、上記したように、第一荷捌き手段31を長手方向が斜め方向となるように配していることから、長手方向が搬送部2の幅方向と同方向となるように配する場合と比べ、より多様な搬送物の重なりを解消できる。
例えば、図9で示されるように、上方の搬送物が搬送方向の下流側から寄りかかるように重なった場合でも、斜め方向に並列する毛束部分が、搬送物の進行方向の斜め前方側から当接することで、上方の搬送物を弾くことができる。すなわち、上方の搬送物を非荷捌き領域71側(図7等参照)であって下流側に押圧し、重なりを解消することができる。
【0064】
上記した実施形態の荷捌き装置3は、筐体部材30を有するものとし、筐体部材30の天板部35から荷捌き手段取付部40が垂設されている例について説明した。しかしながら、本発明の荷捌き装置はこれに限るものではない。
荷捌き装置は、例えば、図10で示されるような、フレーム部材16に固定される荷捌き手段取付部140と荷捌き手段(図10では、第一荷捌き手段31)を有するものであってもよい。荷捌き手段取付部140は、一対の第一取付片部140aと、第二取付片部140bから構成されている。そして、第一取付片部140aと、第二取付片部140bは、それぞれフレーム部材16に載置される平板状部分と、平板状部分から上方に延びる立板状部分を有する。そして、離間対向する2つの立板状部分に荷捌き手段の2つの固定軸52が取り付けられる。
【0065】
上記した実施形態の搬送装置1では、第一搬送部10と第二搬送部11からなる2つの搬送用装置(以下、搬送系統とも称す)を設けたが、搬送系統は、1つでもよく3以上でもよい。
また、上記した例では、一つの搬送系統に対応する荷捌き手段を1つのみとしたが、一つの搬送系統に複数の荷捌き手段を対応付けてもよい。また、一つの搬送系統に複数の荷捌き手段を対応付ける場合、搬送方向に離れた位置にそれぞれ別の荷捌き手段を配してもよい。このとき、一つの荷捌き手段と他の荷捌き手段は、それぞれの長手方向が同方向となるように配置してもよく(それぞれの長手方向が互いに平行となるように配置してもよく)、それぞれ長手方向が異なる方向となるように配置してもよい。例えば、一つの荷捌き手段は、搬送部2の幅方向における片側端部が他方側端部よりも搬送方向で上流側に位置するように配し、他の荷捌き手段は、搬送部2の幅方向における片側端部が他方側端部よりも搬送方向で下流側に位置するように配してもよい。
【0066】
上記した実施形態では、荷捌き手段(第一荷捌き手段31、第二荷捌き手段32)の本体部45として、モータ内蔵ローラを採用した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、外部のギヤードモータから動力の供給を受けて回転するローラであってもよい。この際、ローラはギヤ付きのローラであってもよい。また、ローラに限らず、棒状の部材や、角筒等の円筒とは異なる形状となる筒状の部材であってもよい。ブラシ部46を取り付け可能な部材であり、所定方向に長さを有する長尺状の部材であればよい。また、荷捌き手段の接触部は、ブラシ部46に限るものではなく、搬送物を傷つけずに弾くことができればよい。例えば、ブラシ部46に替わって、ゴム等の弾性を有する原料で形成される薄板状の部材とすることが考えられる。
【0067】
上記した実施形態では、荷捌き手段(本体部45)の長手方向が斜め方向となるように荷捌き手段取付部40に支持させる例を示した。すなわち、荷捌き手段(本体部45)が、平面視において、搬送方向及び幅方向のそれぞれに対して傾斜する姿勢で取り付けた例を示した。
ここで、このように荷捌き手段(本体部45)を傾斜した姿勢で取り付ける際、その傾斜角度を変更可能(調整可能)なものとしてもよい。すなわち、荷捌き手段取付部は、荷捌き手段の傾斜角度を調整する角度調整機構を有するものであってもよい。
角度調整機構としては、例えば、荷捌き手段取付部の立板状部分に対し、荷捌き手段の固定軸52を取り付け可能な取付用部材を取り付け、立板状部分に対して取付用部材を相対移動可能とする構造とする、といった具合である。この際、取付用部材は、ボルト締め等の手段により、移動可能範囲のいずれかの場所に一時的に固定可能としてもよい。また、荷捌き手段取付部を構成する2つの取付片部の一方は、ユニバーサルジョイント等を介して固定軸52を取り付けるものとすることも考えられる。
【0068】
上記した実施形態の搬送装置1では、フレーム部材16の上にガイド部材を設けてもよい。ガイド部材は、搬送方向に延びる長尺状(壁状)の部材であり、ブラシ部46によって弾かれた搬送物の落下を阻止する部材である。すなわち、搬送物が搬送面からフレーム部材16の上側を経て外部に落下することを阻止する部材。
このガイド部材は、例えば、上記した第一搬送部10の第一フレーム部16aに取り付けるとき、図5において、第一フレーム部16aの上流端から第一取付片部40aが位置する部分までの間に取り付けてもよい。また、第一搬送部10の第二フレーム部16bに取り付けるとき、図5において、搬送規制部材4の下流側に隣接する位置から第二取付片部40bが位置する部分までの間に設けてもよい。
さらに、第二搬送部11の第一フレーム部16aに取り付けるとき、図5において、搬送規制部材4の下流側に隣接する位置から第一取付片部40aが位置する部分までの間に設けてもよい。そして、第二搬送部11の第二フレーム部16bに取り付けるとき、図5において、第二フレーム部16bの上流端から第二取付片部40bが位置する部分までの間に取り付けてもよい。
【0069】
上記した実施形態では、筒状部50を回転させるとき、筒状部50の下側部分が搬送方向の下流側から上流側に向かい、上側部分が搬送方向の上流側から下流側に向かうように回転させた例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、筒状部50は、上記した実施形態とは逆方向に回転させてもよい。すなわち、筒状部50の下側部分が搬送方向の上流側から下流側に向かい、上側部分が搬送方向の下流側から上流側に向かうように回転させてもよい。この場合、荷捌き手段(本体部45)の長手方向が搬送部2の幅方向と同方向になるように、荷捌き手段を取り付けてもよい。
【0070】
上記した実施形態では、荷捌き手段(本体部45)を傾斜した姿勢で取り付けたが、本発明は、これに限るものではない。例えば、図11(a)で示されるように、荷捌き手段(図11では第一荷捌き手段31)の長手方向が搬送方向と同方向となる姿勢で取り付けてもよい。
また、搬送用装置は、図11(b)で示されるように、第一上流側コンベヤ150、第二上流側コンベヤ151、下流側コンベヤ152を有する合流式のコンベヤ装置であってもよい。すなわち、第一上流側コンベヤ150、第二上流側コンベヤ151のそれぞれで搬送された搬送物が下流側コンベヤ152に導入され、下流側コンベヤ152で搬送されるコンベヤ装置である。
このとき、荷捌き手段(図11では第一荷捌き手段31)は、複数の上流側コンベヤ(第一上流側コンベヤ150、第二上流側コンベヤ151)と下流側コンベヤ152が合流する合流部(合流地点)の上方に設けてもよい。そして、荷捌き手段の長手方向が、平面視において、それぞれの上流側コンベヤの搬送方向及び幅方向と傾斜する方向であり、且つ、下流側コンベヤ152の幅方向と同方向となるように荷捌き手段を配してもよい。
なお、搬送用装置は、複数の上流側コンベヤと一つの下流側コンベヤを有する合流式のコンベヤ装置に限らず、一つの上流側コンベヤと複数の下流側コンベヤ分岐式のコンベヤ装置であってもよい。この場合もまた、上流側コンベヤと複数の下流側コンベヤの境界となる位置に荷捌き手段(図11では第一荷捌き手段31)を配してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 搬送装置
2 搬送部(搬送用装置)
3 荷捌き装置
4 搬送規制部材
31 第一荷捌き手段(接触部材)
32 第二荷捌き手段(接触部材)
45 本体部
46 ブラシ部(接触部、ブラシ部材)
70 荷捌き領域(一方側領域)
71 非荷捌き領域(他方側領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11