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特開2022-136908鋼板の曲げ加工装置及び鋼板の曲げ加工方法
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  • 特開-鋼板の曲げ加工装置及び鋼板の曲げ加工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136908
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】鋼板の曲げ加工装置及び鋼板の曲げ加工方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/08 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
B21D5/08 N
B21D5/08 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036736
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】鶴 斎治
(72)【発明者】
【氏名】三橋 克則
(72)【発明者】
【氏名】濱田 勝久
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA11
4E063AA13
4E063BB03
4E063CA03
4E063EA12
4E063LA09
4E063LA17
4E063MA07
(57)【要約】
【課題】作業者に関係なく、加工精度のバラツキを抑え、均一の品質を有する製品を製造すること。
【解決手段】鋼板の曲げ加工装置(100)は、鋼板(P)の一方の面に接触する第1のローラ(1)と、鋼板の他方の面に接触し、第1のローラに対して接近及び離間する方向に往復移動自在とされた第2のローラ(2)と、回転量に応じて第2のローラの移動量を調節する操作部(3)と、を備え、操作部は、第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準マーク(4)を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板の曲げ加工装置であって、
鋼板の一方の面に接触する第1のローラと、
前記鋼板の他方の面に接触し、前記第1のローラに対して接近及び離間する方向に往復移動自在とされた第2のローラと、
回転量に応じて前記第2のローラの移動量を調節する操作部と、を備え、
前記操作部は、前記第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準マークを備えることを特徴とする鋼板の曲げ加工装置。
【請求項2】
前記操作部とは独立して固定され、前記第2のローラを前記基準位置に位置合わせする際の前記基準マークの位置を指し示すガイド部を備えることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の曲げ加工装置。
【請求項3】
前記第1のローラ及び前記第2のローラを収容する筐体部を備え、
前記ガイド部は、前記筐体部に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の鋼板の曲げ加工装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記基準マークから回転方向に沿って所定の回転量毎に設けた少なくとも一つの工程マークを備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の鋼板の曲げ加工装置。
【請求項5】
前記操作部は、複数の前記基準マークを備えており、
各基準マークに対してそれぞれ設けられ、回転方向に沿って互いに異なる回転量毎に設けられた少なくとも一つの工程マークを備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の鋼板の曲げ加工装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の鋼板の曲げ加工装置を用いた鋼板の曲げ加工方法であって、
前記操作部を回転させて前記基準マークを所定位置まで移動させて、前記第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準位置合わせステップと、
前記第1のローラと前記第2のローラとの間に前記鋼板を通して曲げ加工する曲げ加工ステップと、
を有することを特徴とする鋼板の曲げ加工方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の鋼板の曲げ加工装置を用いた鋼板の曲げ加工方法であって、
前記操作部を回転させて前記基準マークを所定位置まで移動させて、前記第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準位置合わせステップと、
前記第1のローラと前記第2のローラとの間に前記鋼板を通して曲げ加工する曲げ加工ステップと、
前記曲げ加工ステップ後、前記工程マークを前記所定位置まで移動させる工程位置合わせステップと、
前記工程位置合わせステップ後、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に前記鋼板を通して曲げ加工する第2の曲げ加工ステップと、を有し、
前記工程位置合わせステップと、前記第2の曲げ加工ステップとを少なくとも1回行うことを特徴とする請求項6に記載の鋼板の曲げ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガードレールのビーム等の鋼板を曲げる鋼板の曲げ加工装置及び鋼板の曲げ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼板や鋼管を曲げ加工する曲げ加工装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、鋼管の曲げ加工装置は、プレス加工により曲げ加工を行うものであり、鋼管をダイス上に支持させ、その中間をポンチによって加圧して局部的に曲げ加工し、鋼管の軸方向に移動させて同様に曲げ加工することにより、必要な長さ分の曲げ加工を行うものである。
ここで、ポンチによる加圧の度合いは、熟練した作業者の感覚により行われていることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-279745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、作業者の感覚に依存してしまうと、作業者によって曲げ加工の精度にバラツキがあるため、均一の品質を有する製品を製造することは困難である。また、作業者の熟練度が不十分である場合には、曲げ加工後に手直し加工や手直し加工後の検査が必要となり、製品の生産性が低下してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、作業者に関係なく、加工精度のバラツキを抑え、均一の品質を有する製品を製造することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る態様は、鋼板の曲げ加工装置であって、鋼板の一方の面に接触する第1のローラと、前記鋼板の他方の面に接触し、前記第1のローラに対して接近及び離間する方向に往復移動自在とされた第2のローラと、回転量に応じて前記第2のローラの移動量を調節する操作部と、を備え、前記操作部は、前記第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準マークを備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記操作部とは独立して固定され、前記第2のローラを前記基準位置に位置合わせする際の前記基準マークの位置を指し示すガイド部を備えることが好ましい。
【0008】
また、前記第1のローラ及び前記第2のローラを収容する筐体部を備え、前記ガイド部は、前記筐体部に固定されていることが好ましい。
【0009】
また、前記操作部は、前記基準マークから回転方向に沿って所定の回転量毎に設けた少なくとも一つの工程マークを備えることが好ましい。
【0010】
また、前記操作部は、複数の前記基準マークを備えており、各基準マークに対してそれぞれ設けられ、回転方向に沿って互いに異なる回転量毎に設けられた少なくとも一つの工程マークを備えることが好ましい。
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る態様は、上記の鋼板の曲げ加工装置を用いた鋼板の曲げ加工方法であって、前記操作部を回転させて前記基準マークを所定位置まで移動させて、前記第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準位置合わせステップと、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に前記鋼板を通して曲げ加工する曲げ加工ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明に係る態様は、上記の鋼板の曲げ加工装置を用いた鋼板の曲げ加工方法であって、前記操作部を回転させて前記基準マークを所定位置まで移動させて、前記第2のローラを曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする基準位置合わせステップと、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に前記鋼板を通して曲げ加工する曲げ加工ステップと、前記曲げ加工ステップ後、前記工程マークを前記所定位置まで移動させる工程位置合わせステップと、前記工程位置合わせステップ後、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に前記鋼板を通して曲げ加工する第2の曲げ加工ステップと、を有し、前記工程位置合わせステップと、前記第2の曲げ加工ステップとを少なくとも1回行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る態様によれば、作業者に関係なく、加工精度のバラツキを抑え、均一の品質を有する製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】鋼板の曲げ加工装置の斜視図である。
図2】鋼板の曲げ加工装置による曲げ加工のメカニズムを説明する図である。
図3】(a)は第2のローラを基準位置に位置合わせしたときの操作部の状態を説明する図であり、(b)は(a)の状態で行われる鋼板の曲げ加工を説明する図である。
図4】(a)は第2のローラを基準位置から第2の曲げ加工位置に位置合わせしたときの操作部の状態を説明する図であり、(b)は(a)の状態で行われる鋼板の曲げ加工を説明する図である。
図5】(a)は第2のローラを第2の曲げ加工位置から第3の曲げ加工位置に位置合わせしたときの操作部の状態を説明する図であり、(b)は(a)の状態で行われる鋼板の曲げ加工を説明する図である。
図6】(a)は第2のローラを第3の曲げ加工位置から第4の曲げ加工位置に位置合わせしたときの操作部の状態を説明する図であり、(b)は(a)の状態で行われる鋼板の曲げ加工を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施の形態をとりうる。
【0016】
<鋼板の曲げ加工装置の構成>
図1から図3に示すように、鋼板の曲げ加工装置(以下、曲げ加工装置という)100は、例えば、湾曲したガードレールのビームを形成するために、直線状のビームを曲げ加工するものである。
曲げ加工装置100は、第1のローラ1と、第2のローラ2と、操作部3と、ガイド部6と、筐体部7と、を備えている。
【0017】
第1のローラ1は、搬送されてきた鋼板(ビーム)Pの一方の面(下面側)に接触し、第2のローラ2とで鋼板Pを挟み込んで曲げ加工する。第1のローラ1は、筐体部7内に収容されており、位置が固定されている。第1のローラ1は、鋼板Pの搬送方向に沿って二つ設けられており、モータ等の駆動部により軸回りに回転自在とされている。
【0018】
第2のローラ2は、搬送されてきた鋼板(ビーム)Pの他方の面(上面側)に接触し、第1のローラ1とで鋼板Pを挟み込んで曲げ加工する。第2のローラ2は、筐体部7内に収容されており、第1のローラ1に対して接近及び離間する方向に往復移動自在に設けられている。具体的には、第2のローラ2は、二つの第1のローラ1の間に向けて第1のローラ1の上方から接近及び離間するように設けられている。第2のローラ2は、第1のローラ1の上方に一つ設けられており、モータ等の駆動部により軸回りに回転自在とされている。第2のローラ2は、操作部3の操作により、第1のローラ1に対して接近及び離間する方向に往復移動する。
【0019】
操作部3は、例えば、軸回りに回転するハンドルから構成されている。操作部3は、第1のローラ1に対して接近及び離間する方向、すなわち、上下方向に延在する軸部8に回転自在に螺合されている。操作部3は、一方向(時計回り)に回転させることにより、第2のローラ2と共に第1のローラ1に向けて接近するように下降し、他方向(反時計回り)に回転させることにより、第2のローラ2と共に第1のローラ1から離間するように上昇する。したがって、操作部3は、その回転量に応じて第2のローラ2の移動量(上下動量)を調節することができる。
【0020】
操作部3は、基準マーク4と、工程マーク5と、を備えている。
基準マーク4は、鋼板Pの曲げ加工を開始する基準位置に第2のローラ2を位置合わせする際に用いる。基準マーク4は、操作部3の把持部3aと一体に形成され、操作部3の回転軸を共有する筒状部3bの表面に設けられている。
基準マーク4は、例えば、筒状部3bの表面に回転軸線方向に沿って記された直線状の目印である。基準マーク4は、視認しやすいように、筒状部3bの表面の色と異なる色が付されている。
基準マーク4は、筒状部3bに複数設けられている。各基準マーク4a,4bは、筒状部3bの軸線方向に沿って配置されており、最終的に得ようとする鋼板Pの曲率によって設ける位置が異なっている。
【0021】
工程マーク5は、鋼板Pの曲げ加工を複数回にわたって行う場合に、二回目以降の曲げ加工を行う位置に第2のローラ2を位置合わせする際に用いる。工程マーク5は、筒状部3bの表面に設けられている。
工程マーク5は、例えば、筒状部3bの表面に回転軸線方向に沿って記された直線状の目印である。工程マーク5は、視認しやすいように、筒状部3bの表面の色と異なる色が付されている。ここで、工程マーク5が複数ある場合、直線状の目印に交差する横線が各工程マーク5に付されており、この横線の数が各工程マーク5で異なっている。
工程マーク5は、各基準マーク4に対応して筒状部3bにそれぞれ複数設けられている。各工程マーク5は、対応する各基準マーク4から操作部3の回転方向に沿って所定の回転量毎に設けられており、鋼板Pを各工程でどの程度まで曲げ加工するかによって設ける位置(間隔)が異なっている。すなわち、基準マーク4aに対応する工程マーク5Aa,5Ab,・・・と、基準マーク4bに対応する工程マーク5Ba,5Bb,・・・は、互いに異なる間隔で設けられている。
【0022】
ガイド部6は、操作部3とは独立して固定され、第2のローラ2を基準位置に位置合わせする際の基準マーク4の位置を指し示すものである。また、ガイド部6は、基準マーク4だけでなく、工程マーク5の位置を指し示すものでもある。ガイド部6は、先端部が尖るように形成されており、基端部が筐体部7に固定されている。操作部3に設けられている基準マーク4及び工程マーク5をガイド部6の先端部に合わせることで、第2のローラ2の位置合わせを行うことができる。すなわち、基準マーク4及び工程マーク5がガイド部6の先端部に位置合わせされているときは、第2のローラ2は、鋼板Pを曲げ加工できる位置にあるということになる。
【0023】
筐体部7は、少なくとも第1のローラ1と第2のローラ2を収容する保護ケースである。筐体部7の上面には貫通孔7aが形成されており、この貫通孔7aから第2のローラ2に連結された操作部3が筐体部7の外側に張り出している。貫通孔7aの縁部近傍にガイド部6が固定されている。
【0024】
<鋼板の曲げ加工方法>
次に、曲げ加工装置100を用いた鋼板の曲げ加工方法について説明する。所定の曲率の鋼板Pを得るためには、曲げ加工を数回に分けて段階的に行うことで、ねじれや残留応力が少なく、安定した製品を得ることができ、さらに曲げ加工装置を小型化することができる。以下では、四回の曲げ加工を施すことにより鋼板Pの最終的な曲率が得られる例について説明する。
鋼板Pの曲げ加工を行う際には、図3に示すように、作業者が操作部3の把持部3aを把持し、操作部3を回転させて曲げ加工に用いる基準マーク4a(4)をガイド部6の先端部に対向する位置まで移動させて、第2のローラ2を曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせする。
次に、鋼板Pを筐体部7の内部、すなわち、第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第1の曲げ加工を施す。
【0025】
第1の曲げ加工を行った後、図4に示すように、作業者が操作部3の把持部3aを把持し、操作部3を回転させて基準マーク4に隣接する工程マーク5Aa(5)をガイド部6の先端部に対向する位置まで移動させて、第2のローラ2を第2の曲げ加工を開始する位置に位置合わせする。
次に、鋼板Pを筐体部7の内部、すなわち、第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第2の曲げ加工を施す。このとき、鋼板Pは、第1の曲げ加工工程で既に第1のローラ1と第2のローラ2との間を通過しているため、第1の曲げ加工とは反対側(図4の紙面における右側)から鋼板Pを第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第2の曲げ加工を施す。
【0026】
第2の曲げ加工を行った後、図5に示すように、作業者が操作部3の把持部3aを把持し、操作部3を回転させて第2の曲げ加工で用いた工程マーク5Aaに隣接する工程マーク5Ab(5)をガイド部6の先端部に対向する位置まで移動させて、第2のローラ2を第3の曲げ加工を開始する位置に位置合わせする。
次に、鋼板Pを筐体部7の内部、すなわち、第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第3の曲げ加工を施す。このとき、鋼板Pは、第2の曲げ加工とは反対側(図5の紙面における左側)から鋼板Pを第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第3の曲げ加工を施す。
【0027】
第3の曲げ加工を行った後、図6に示すように、作業者が操作部3の把持部3aを把持し、操作部3を回転させて第3の曲げ加工で用いた工程マーク5Abに隣接する工程マーク5Ac(5)をガイド部6の先端部に対向する位置まで移動させて、第2のローラ2を第4の曲げ加工を開始する位置に位置合わせする。
次に、鋼板Pを筐体部7の内部、すなわち、第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第4の曲げ加工を施す。このとき、鋼板Pは、第3の曲げ加工とは反対側(図6の紙面における右側)から鋼板Pを第1のローラ1と第2のローラ2との間に通して鋼板Pに第4の曲げ加工を施す。これをもって、鋼板Pは最終的に得ようとする曲率となる。
なお、操作部3を回転させて曲げ加工に用いる基準マーク4b(4)をガイド部6の先端部に対向する位置まで移動させて、第2のローラ2を曲げ加工を開始する基準位置に位置合わせして曲げ加工を行うことにより、上述の曲げ加工とは異なる曲率で鋼板Pを曲げ加工することができる。
【0028】
以上のように、曲げ加工装置100を用いて鋼板Pの曲げ加工をする際には、作業者は、基準マーク4をガイド部6に位置合わせした後、鋼板Pを第1のローラ1と第2のローラ2の間に通すだけでよいので、作業者の熟練度に関係なく、同じ曲率で鋼板Pに曲げ加工を施すことができる。よって、従来のように、作業者の感覚に依存することがなく、作業者によって曲げ加工の精度にバラツキがなくなり、均一の品質を有する製品(例えば、ガードレールのビーム)を製造することができる。また、作業者の熟練度が不十分であっても、曲げ加工後に手直し加工や手直し加工後の検査が不要となり、製品の生産性が低下することもない。
また、操作部3による第2のローラ2の位置合わせの際には、基準マーク4や工程マーク5をガイド部6の先端部に対向するように位置合わせするだけでよいので、第2のローラ2の位置合わせ作業を簡単に行うことができる。
また、ガイド部6は筐体部7に設けられているので、ガイド部6を簡単に取り付けることができる。
また、基準マーク4及び工程マーク5は、操作部3の回転方向に沿って並んで配置されているので、操作部3を回転させるだけでガイド部6に簡単に位置合わせをすることができる。
また、複数種類の曲げ加工を行う場合であっても、複数の基準マーク4及び各基準マーク4に対応する工程マーク5を操作部3の軸線方向(操作部3の往復移動方向)に沿って並べて配置することにより、複数種類の曲げ加工にも柔軟に対応することができる。
【0029】
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更することができる。
例えば、基準マーク4は少なくとも一つあればよく、曲げ加工の種類が多い場合、すなわち、曲率の異なる複数種類の曲げ加工を行う場合には、その曲げ加工の種類分だけ基準マーク4を設けるとよい。
また、工程マーク5は、曲げ加工が一回なら基準マーク4だけでよいので不要となり、曲げ加工の回数に応じて複数設けることができる。
また、基準マーク4及び工程マーク5は、筒状部3bに限らず、操作部3と共に回転する部位であれば、操作部3の他の場所に設けてもよい。
また、ガイド部6は、新たに設ける場合に限らず、曲げ加工装置100に既に設けられている部分、例えば、筐体部7の一部分をガイド部としてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 第1のローラ
2 第2のローラ
3 操作部
3a 把持部
3b 筒状部
4 基準マーク
5 工程マーク
6 ガイド部
7 筐体部
7a 貫通孔
8 軸部
P 鋼板
100 鋼板の曲げ加工装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6