(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013691
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】鉄筋付きデッキプレート
(51)【国際特許分類】
E04B 5/40 20060101AFI20220111BHJP
E04B 9/06 20060101ALI20220111BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20220111BHJP
E04B 5/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
E04B5/40 D
E04B9/06 F
E04F13/08 101H
E04F13/08 101K
E04B5/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075125
(22)【出願日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2020112877
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390010098
【氏名又は名称】ケンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】矢口 滋
(72)【発明者】
【氏名】矢口 慎也
(72)【発明者】
【氏名】小関 陽彦
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA23
2E110AA61
2E110AB03
2E110AB23
2E110DA08
2E110DA17
2E110DC14
2E110DC21
2E110GA32W
2E110GA33W
2E110GA34W
2E110GA42W
2E110GB01W
2E110GB02Y
2E110GB26W
2E110GB28W
2E110GB62W
2E110GB63W
(57)【要約】
【課題】金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、建造物の内側に露出する金属ベースの下面をそのまま見場のよい天井面にすることができる鉄筋付きデッキプレートを提供する。
【解決手段】天井スラブの構築に使用する鉄筋付きデッキプレート10Aは、前後方向へ延びる両側縁部16及び幅方向へ延びる両端縁部17を有する所定面積の金属ベース11と、金属ベース11の上面12に設置、固定され、金属ベース11の両端縁部17の間に位置して前後方向へ延びる少なくとも1つの鉄筋トラス13と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14の側に所定の接合手段によって接合されて建造物の天井面を形成する天井仕上材15とを備えている。天井仕上材15は、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材のうちの少なくとも1つである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向へ延びる両側縁部と幅方向へ延びる両端縁部とを有する所定面積の鉄筋付きデッキプレートにおいて、
前記鉄筋付きデッキプレートが、前後方向へ延びる両側縁部及び幅方向へ延びる両端縁部を有する所定面積の金属ベースと、前記金属ベースの上面に設置、固定され、該金属ベースの両端縁部の間に位置して前後方向へ延びる少なくとも1つの鉄筋と、前記金属ベースの前記建造物の内側に露出する下面の側に所定の接合手段によって接合された天井仕上材とを備え、前記天井仕上材の装飾面が、前記建造物の天井面を形成していることを特徴とする鉄筋付きデッキプレート。
【請求項2】
前記天井仕上材が、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積のクロスと、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積の合板と、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積のサイディング材と、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積の木材とのうちの少なくとも1つであり、前記クロスと前記合板と前記サイディング材と前記木材とのうちの少なくとも1つが、前記金属ベースの下面に前記接合手段によって接合されて該金属ベースの下面全域を隠蔽しつつその装飾面が前記建造物の天井面を形成している請求項1に記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項3】
前記接合手段が、針に接着剤が塗布されたステープルであり、前記鉄筋付きデッキプレートでは、前記クロスと前記合板と前記サイディング材と前記木材とのうちの少なくとも1つが前記金属ベースの上面から打ち込まれた複数の前記ステープルによって該金属ベースの下面に接合されている請求項2に記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項4】
前記接合手段が、接着剤であり、前記鉄筋付きデッキプレートでは、前記クロスと前記合板と前記サイディング材と前記木材とのうちの少なくとも1つが前記金属ベースの下面に前記接着剤によって接合されている請求項2又は請求項3に記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項5】
前記天井仕上材が、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積のクロスと、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積の合板と、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積のサイディング材と、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積の木材と、前記前後方向と前記幅方向とへ並ぶタイル材とのうちの少なくとも1つであり、前記前後方向と前記幅方向とへ平坦に延びる所定面積の下地材が、前記金属ベースの下面に前記接合手段によって接合され、前記クロスと前記合板と前記サイディング材と前記木材と前記タイル材とのうちの少なくとも1つが、前記下地材の下面に前記接合手段によって接合されて該金属ベースの下面全域を隠蔽しつつその装飾面が前記建造物の天井面を形成している請求項1に記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項6】
前記接合手段が、針に接着剤が塗布されたステープルであり、前記鉄筋付きデッキプレートでは、前記下地材が前記金属ベースの上面から打ち込まれた複数の前記ステープルによって該金属ベースの下面に接合されているとともに、前記クロスと前記合板と前記サイディング材と前記木材とのうちの少なくとも1つが前記金属ベースの上面から打ち込まれた複数の前記ステープルによって前記下地材の下面に接合されている請求項5に記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項7】
前記接合手段が、接着剤であり、前記鉄筋付きデッキプレートでは、前記下地材が前記金属ベースの下面に前記接着剤によって接合されているとともに、前記クロスと前記合板と前記サイディング材と前記木材と前記タイル材とのうちの少なくとも1つが前記下地材の下面に前記接着剤によって接合されている請求項5又は請求項6に記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項8】
前記天井仕上材が、前記金属ベースの両側縁部に並行して前後方向へ延びる両側縁部を有し、前記金属ベースが、一方の側縁部に形成された第1係合部と、他方の側縁部に形成された第2係合部とを有し、前記鉄筋付きデッキプレートでは、前記天井仕上材の側縁部どうしを幅方向へ対向させて複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において一方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部が弾性変形し、前記天井仕上材の側縁部どうしを当接させたときに該第1係合部と該第2係合部とが係合する請求項1ないし請求項7いずれかに記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項9】
前記天井仕上材が、前記金属ベースの両側縁部に並行して前後方向へ延びる両側縁部を有し、前記金属ベースが、一方の側縁部に形成された第1係合部と、他方の側縁部に形成された第2係合部とを有し、前記鉄筋付きデッキプレートでは、複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において前記天井仕上材の側縁部どうしを当接させた後、一方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部を塑性変形させて該第1係合部と該第2係合部とを係合させる請求項1ないし請求項7いずれかに記載の鉄筋付きデッキプレート。
【請求項10】
前記クロスが、ビニールクロス、布クロス、ガラスクロス、紙壁紙、無機質壁紙、木質系壁紙、オレフィン壁紙のうちのいずれかであり、前記合板が、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、突き板化粧板、オレフィン化粧板、ポリエステル化粧板、プリント化粧板、DAP(ダップ)化粧板、塩ビ化粧板のうちのいずれかであり、前記サイディング材が、金属系サイディング、窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングのうちのいずれかであり、前記木材が、針葉樹木材、広葉樹木材のうちのいずれかであり、前記タイル材が、磁器質タイル、せっ器質タイル、陶磁質タイルのうちのいずれかであり、前記接合手段として、前記接着剤と前記ステープルとの他に、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用され、又は、前記接着剤及び前記ステープルとともに、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用されている請求項2ないし請求項9いずれかに記載の鉄筋付きデッキプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両側縁部と両端縁部とを有する所定面積の鉄筋付きデッキプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
前後方向へ延びる両側縁部および幅方向へ延びる両端縁部を有する所定面積の鉄板(金属ベース)と、鉄板の上面に設置されて前後方向へ延びる複数の鉄筋トラスと、鉄板の上面に位置して幅方向へ延びていて前後方向へ所定寸法離間して並ぶ複数の幅筋とを備えたデッキプレートが開示されている(特許文献1参照)。鉄板は、その上面から上方へ凸となって前後方向へ延びる複数の凸条を有する。鉄筋トラスは、幅方向へ並ぶ一対の凸条の間であって鉄板の上面から上方に位置して前後方向へ延びる上端筋と、一対の凸条の間であって鉄板と上端筋との間に位置して前後方向へ延びる一対の下端筋と、一対の凸条の間であって鉄板と上端筋との間で上下方向へ波状に曲折を繰り返しながら前後方向へ延びる一対のラチス筋とから形成されている。
【0003】
それらラチス筋は、上端筋に当接して凸状に曲折する上端凸部と、金属ベースの上面に当接して凹状に曲折する下端凹部とを有し、上端凸部から下端凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになっている。デッキプレートでは、それらラチス筋の上端凸部が上端筋にスポット溶接され、それらラチス筋の中間部が下端筋にスポット溶接され、それら幅筋がそれらラチス筋の下端凹部に配置されて鉄板に作られた凸条にスポット溶接され、それらラチス筋の下端凹部が鉄板の上面とそれら幅筋とに挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示のデッキプレートを利用して鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブを構築する場合、鉄板(金属ベース)の下面をそのまま天井面にすることはできず、デッキプレートに複数の吊りボルトを設置し、その吊りボルトに化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上げ材を取り付けなければならず、天井仕上げ工事が別途必要になり、そのための手間やコストがかかる。尚、吊りボルトを利用して天井仕上げ材を取り付けた吊り天井構造では、地震等による揺れ(震動)が発生したときに天井仕上げ材が落下する天井落下事故が発生する場合がある。
【0006】
本発明の目的は、金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、建造物の内側に露出する金属ベースの下面をそのまま見場のよい天井面にすることができる鉄筋付きデッキプレートを提供することにある。本発明の他の目的は、吊りボルトを利用して化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付けることなく天井スラブを構築することができ、天井仕上工事を省くことができる鉄筋付きデッキプレートを提供することにある。本発明の他の目的は、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる鉄筋付きデッキプレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前提は、前後方向へ延びる両側縁部と幅方向へ延びる両端縁部とを有して鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの構築に使用する所定面積の鉄筋付きデッキプレートである。
【0008】
前記前提における本発明の特徴は、鉄筋付きデッキプレートが、前後方向へ延びる両側縁部及び幅方向へ延びる両端縁部を有する所定面積の金属ベースと、金属ベースの上面に設置、固定され、金属ベースの両端縁部の間に位置して前後方向へ延びる少なくとも1つの鉄筋と、金属ベースの建造物の内側に露出する下面の側に所定の接合手段によって接合された天井仕上材とを備え、天井仕上材の装飾面が、建造物の天井面を形成していることにある。
【0009】
本発明の一例は、天井仕上材が、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のクロスと、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の合板と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のサイディング材と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の木材とのうちの少なくとも1つであり、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが、金属ベースの下面に接合手段によって接合されて金属ベースの下面全域を隠蔽しつつその装飾面が建造物の天井面を形成している。
本発明の他の一例は、接合手段が、針に接着剤が塗布されたステープルであり、鉄筋付きデッキプレートでは、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが金属ベースの上面から打ち込まれた複数のステープルによって金属ベースの下面に接合されている。
本発明の他の一例は、接合手段が、接着剤であり、鉄筋付きデッキプレートでは、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが金属ベースの下面に接着剤によって接合されている。
【0010】
本発明の他の一例は、天井仕上材が、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のクロスと、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の合板と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のサイディング材と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の木材と、前後方向と幅方向とへ並ぶタイル材とのうちの少なくとも1つであり、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の下地材が、金属ベースの下面に接合手段によって接合され、クロスと合板とサイディング材と木材とタイル材とのうちの少なくとも1つが、下地材の下面に接合手段によって接合されて金属ベースの下面全域を隠蔽しつつその装飾面が建造物の天井面を形成している。
本発明の他の一例は、接合手段が、針に接着剤が塗布されたステープルであり、鉄筋付きデッキプレートでは、下地材が金属ベースの上面から打ち込まれた複数のステープルによって金属ベースの下面に接合されているとともに、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが金属ベースの上面から打ち込まれた複数のステープルによって下地材の下面に接合されている。
本発明の他の一例は、接合手段が、接着剤であり、鉄筋付きデッキプレートでは、下地材が金属ベースの下面に接着剤によって接合されているとともに、クロスと合板とサイディング材と木材とタイル材とのうちの少なくとも1つが下地材の下面に接着剤によって接合されている。
【0011】
本発明の他の一例は、天井仕上材が、金属ベースの両側縁部に並行して前後方向へ延びる両側縁部を有し、金属ベースが、一方の側縁部に形成された第1係合部と、他方の側縁部に形成された第2係合部とを有し、鉄筋付きデッキプレートでは、天井仕上材の側縁部どうしを幅方向へ対向させて複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において一方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部が弾性変形し、天井仕上材の側縁部どうしを当接させたときに第1係合部と第2係合部とが係合する。
【0012】
本発明の他の一例は、天井仕上材が、金属ベースの両側縁部に並行して前後方向へ延びる両側縁部を有し、金属ベースが、一方の側縁部に形成された第1係合部と、他方の側縁部に形成された第2係合部とを有し、鉄筋付きデッキプレートでは、複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において天井仕上材の側縁部どうしを当接させた後、一方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部を塑性変形させて第1係合部と第2係合部とを係合させる。
【0013】
本発明の他の一例は、クロスが、ビニールクロス、布クロス、ガラスクロス、紙壁紙、無機質壁紙、木質系壁紙、オレフィン壁紙のうちのいずれかであり、合板が、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、突き板化粧板、オレフィン化粧板、ポリエステル化粧板、プリント化粧板、DAP(ダップ)化粧板、塩ビ化粧板のうちのいずれかであり、サイディング材が、金属系サイディング、窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングのうちのいずれかであり、木材が、針葉樹木材、広葉樹木材のうちのいずれかであり、タイル材が、磁器質タイル、せっ器質タイル、陶磁質タイルのうちのいずれかであり、接合手段として、接着剤とステープルとの他に、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用され、又は、接着剤及びステープルとともに、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る鉄筋付きデッキプレートによれば、金属ベースの下面の側に所定の接合手段によって接合された天井仕上材が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成するから、それら建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、鉄筋付きデッキプレートによって天井スラブを構築した場合、それら建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側をそのまま見場のよい天井面にすることができる。鉄筋付きデッキプレートは、金属ベースの下面の側に接合された天井仕上材を有し、天井仕上材がそれら建築物の天井スラブの天井面を形成するから、吊りボルトを利用して化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付けることなくそれら建造物の天井スラブを構築することができ、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができるとともに、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができる。鉄筋付きデッキプレートは、吊りボルトによって化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付ける必要はないから、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。鉄筋付きデッキプレートは、各種の天井仕上材から希望のそれを選択することで、所望の天井仕上材が露出する気に入った天井面を作ることができる。
【0015】
天井仕上材が、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のクロスと、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の合板と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のサイディング材と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の木材とのうちの少なくとも1つであり、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが、金属ベースの下面に接合手段によって接合されて金属ベースの下面全域を隠蔽しつつその装飾面が建造物の天井面を形成している鉄筋付きデッキプレートは、金属ベースの下面に接合されたクロス、合板、サイディング材、木材のうちの少なくとも1つの装飾面が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材の装飾面が天井スラブの天井面としてそれら建造物の内側に露出するから、建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、金属ベースの下面の側(クロス、合板、サイディング材、木材)をそのまま見場のよい天井スラブの天井面にすることができる。鉄筋付きデッキプレートは、金属ベースの下面に接合されたクロスや合板、サイディング材、木材の装飾面がそれら建築物の天井スラブの天井面を形成するから、吊りボルトを利用して化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付けることなくそれら建造物の天井スラブを構築することができ、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができるとともに、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができる。鉄筋付きデッキプレートは、吊りボルトによって化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付ける必要はないから、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、クロスや合板、サイディング材、木材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。鉄筋付きデッキプレートは、各種のクロスや合板、サイディング材、木材から希望のそれを選択することで、所望のクロス、合板、サイディング材、木材が露出する気に入った天井面を作ることができるとともに、古いクロス、合板、サイディング材、木材を希望の新しいクロス、合板、サイディング材、木材に替えることで所望の天井面に容易に作り替えることができる。
接合手段が針に接着剤が塗布されたステープルであり、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが金属ベースの上面から打ち込まれた複数のステープルによって金属ベースの下面に接合されている鉄筋付きデッキプレートは、ステープルによって金属ベースの下面に接合されたクロス、合板、サイディング材、木材のうちの少なくとも1つの装飾面が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材の装飾面が天井スラブの天井面としてそれら建造物の内側に露出するから、建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、金属ベースの下面の側(クロス、合板、サイディング材、木材)をそのまま見場のよい天井スラブの天井面にすることができるとともに、所望のクロス、合板、サイディング材、木材が露出する気に入った天井面を作ることができる。鉄筋付きデッキプレートは、クロスや合板、サイディング材、木材がステープルによって金属ベースの下面に接合されるから、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができ、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができるとともに、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、クロスや合板、サイディング材、木材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。
接合手段が接着剤であり、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが金属ベースの下面に接着剤によって接合されている鉄筋付きデッキプレートは、接着剤によって金属ベースの下面に接合されたクロス、合板、サイディング材、木材のうちの少なくとも1つの装飾面が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材の装飾面が天井スラブの天井面としてそれら建造物の内側に露出するから、建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、金属ベースの下面の側(クロス、合板、サイディング材、木材)をそのまま見場のよい天井スラブの天井面にすることができるとともに、所望のクロス、合板、サイディング材、木材が露出する気に入った天井面を作ることができる。鉄筋付きデッキプレートは、クロスや合板、サイディング材、木材が接着剤によって金属ベースの下面に接合されるから、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができ、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができるとともに、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、クロスや合板、サイディング材、木材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。
【0016】
天井仕上材が、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のクロスと、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の合板と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積のサイディング材と、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の木材と、前後方向と幅方向とへ並ぶタイル材とのうちの少なくとも1つであり、前後方向と幅方向とへ平坦に延びる所定面積の下地材が、金属ベースの下面に接合手段によって接合され、クロスと合板とサイディング材と木材とタイル材とのうちの少なくとも1つが、下地材の下面に接合手段によって接合されて金属ベースの下面全域を隠蔽しつつその装飾面が建造物の天井面を形成している鉄筋付きデッキプレートは、下地材が金属ベースの下面に接合手段によって接合され、下地材の下面に接合手段によって接合されたクロスと合板とサイディング材と木材とタイル材とのうちの少なくとも1つの装飾面が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が天井スラブの天井面として建造物の内側に露出するから、建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、金属ベースの下面の側(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)をそのまま見場のよい天井面にすることができる。鉄筋付きデッキプレートは、下地材の内面に接合されたクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材の装飾面が天井面を形成するから、吊りボルトを利用して化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付けることなく天井スラブを構築することができ、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができるとともに、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができる。鉄筋付きデッキプレートは、吊りボルトによって化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付ける必要はないから、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、下地材やクロス、合板、サイディング材、木材、タイル材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。鉄筋付きデッキプレートは、各種のクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材から希望のそれを選択することで、所望のクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が露出する気に入った天井面を作ることができるとともに、古いクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を希望の新しいクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材に替えることで所望の天井面に容易に作り替えることができる。
接合手段が針に接着剤が塗布されたステープルであり、下地材が金属ベースの上面から打ち込まれた複数のステープルによって金属ベースの下面に接合されているとともに、クロスと合板とサイディング材と木材とのうちの少なくとも1つが金属ベースの上面から打ち込まれた複数のステープルによって下地材の下面に接合されている鉄筋付きデッキプレートは、ステープルによって下地材の下面に接合されたクロス、合板、サイディング材、木材のうちの少なくとも1つの装飾面が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材の装飾面が天井スラブの天井面としてそれら建造物の内側に露出するから、建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、金属ベースの下面の側(クロス、合板、サイディング材、木材)をそのまま見場のよい天井スラブの天井面にすることができるとともに、所望のクロス、合板、サイディング材、木材が露出する気に入った天井面を作ることができる。鉄筋付きデッキプレートは、下地材がステープルによって金属ベースの下面に接合され、クロスや合板、サイディング材、木材がステープルによって下地材の下面に接合されるから、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができ、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができるとともに、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、下地材、クロス、合板、サイディング材、木材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。
接合手段が接着剤であり、下地材が金属ベースの下面に接着剤によって接合されているとともに、クロスと合板とサイディング材と木材とタイル材とのうちの少なくとも1つが下地材の下面に接着剤によって接合されている鉄筋付きデッキプレートは、接着剤によって下地材の下面に接合されたクロス、合板、サイディング材、木材、タイル材のうちの少なくとも1つの装飾面が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材の装飾面が天井スラブの天井面としてそれら建造物の内側に露出するから、建造物の内側に露出する金属ベースの下面の側の見場をよくすることができ、金属ベースの下面の側(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)をそのまま見場のよい天井スラブの天井面にすることができるとともに、所望のクロス、合板、サイディング材、木材、タイル材が露出する気に入った天井面を作ることができる。鉄筋付きデッキプレートは、下地材が接着剤によって金属ベースの下面に接合され、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が接着剤によって下地材の下面に接合されるから、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができ、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができるとともに、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、下地材、クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。
【0017】
天井仕上材が金属ベースの両側縁部に並行して前後方向へ延びる両側縁部を有し、金属ベースが一方の側縁部に形成された第1係合部と他方の側縁部に形成された第2係合部とを有し、天井仕上材の側縁部どうしを幅方向へ対向させて複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において一方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部が弾性変形し、天井仕上材の側縁部どうしを当接させたときに第1係合部と第2係合部とが係合する鉄筋付きデッキプレートは、複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において一方の鉄筋付きデッキプレートの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部を弾性変形させつつ、天井仕上材の側縁部どうしを当接させたときに第1係合部と第2係合部とが係合することで、複数のデッキプレートを幅方向へ容易に連結することができ、複数のデッキプレートを幅方向へ連結する手間を少なくすることができるとともに、連結時間を短縮することができる。鉄筋付きデッキプレートは、天井仕上材の側縁部どうしを当接させたときに第1係合部と第2係合部とが係合するから、天井仕上材の側縁部どうしを確実に当接させつつ、複数のデッキプレートを幅方向へ確実に連結することができる。
【0018】
天井仕上材が金属ベースの両側縁部に並行して前後方向へ延びる両側縁部を有し、金属ベースが一方の側縁部に形成された第1係合部と他方の側縁部に形成された第2係合部とを有し、複数のデッキプレートを幅方向へ連結する過程において天井仕上材の側縁部どうしを当接させた後、一方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの金属ベースの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部を塑性変形させて第1係合部と第2係合部とを係合させる鉄筋付きデッキプレートは、複数のデッキプレートを幅方向へ連結する場合、天井仕上材の側縁部どうしを当接させた後、一方の鉄筋付きデッキプレートの第1係合部と他方の鉄筋付きデッキプレートの第2係合部とのうちの少なくとも一方の係合部を塑性変形させて第1係合部と第2係合部とを係合させることで、複数のデッキプレートを幅方向へ容易に連結することができ、天井仕上材の側縁部どうしを確実に当接させつつ、複数のデッキプレートを幅方向へ確実に連結することができる。
【0019】
クロスがビニールクロス、布クロス、ガラスクロス、紙壁紙、無機質壁紙、木質系壁紙、オレフィン壁紙のうちのいずれかであり、合板が高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、突き板化粧板、オレフィン化粧板、ポリエステル化粧板、プリント化粧板、DAP(ダップ)化粧板、塩ビ化粧板のうちのいずれかであり、サイディング材が金属系サイディング、窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングのうちのいずれかであり、木材が針葉樹木材、広葉樹木材のうちのいずれかであり、タイル材が磁器質タイル、せっ器質タイル、陶磁質タイルのうちのいずれかであり、接合手段として、接着剤とステープルとの他に、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用され、又は、接着剤及びステープルとともに、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用されている鉄筋付きデッキプレートは、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる各種のクロス、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる各種の合板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる各種のサイディング材、装飾面の模様(木目)や厚み寸法等が異なる各種の木材、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、形状、厚み寸法等の形態が異なる各種のタイル材から希望のそれらを選択することができ、所望のクロスや所望の合板、所望のサイディング材、所望の木材、所望のタイル材が露出する気に入った天井面を作ることができるとともに、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を張り替えることで、古いクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を希望の新しいそれら各種のクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材に替えることができ、所望の天井面に容易に作り替えることができる。鉄筋付きデッキプレートは、接着剤及びステープルの他に、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つによってクロスや合板、サイディング材、タイル材が金属ベースや下地材に接合されるとともに下地材が金属ベースに接合され、又は、接着剤及びステープルとともに、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つによってクロスや合板、サイディング材、タイル材が金属ベースや下地材に接合されるとともに下地材が金属ベースに接合されるから、各種のクロスや各種の合板、各種のサイディング材、各種の木材、各種のタイル材、下地材を金属ベースに容易に接合することができ、下地材を金属ベースに強固に接合することができるとともに、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を下地材に強固に接合することができ、金属ベースからのクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材、下地材の金属ベースからの剥離や落下を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一例として示す鉄筋付きデッキプレートの部分破断斜視図。
【
図4】第1係合部と第2係合部とが係合した状態を示す部拡大斜視図。
【
図5】金属ベースの側縁部に形成された第1及び第2係合部の他の一例を示す部分拡大斜視図。
【
図6】
図5の第1係合部と第2係合部とが係合した状態を示す部拡大斜視図。
【
図7】他の一例として示す鉄筋付きデッキプレートの斜視図。
【
図10】他の一例として示す鉄筋付きデッキプレートの斜視図。
【
図13】他の一例として示す鉄筋付きデッキプレートの斜視図。
【
図16】他の一例として示す鉄筋付きデッキプレートの斜視図。
【
図19】他の一例として示す鉄筋付きデッキプレートの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一例として示す鉄筋付きデッキプレート10Aの斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る鉄筋付きデッキプレートの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aの正面図であり、
図3は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aの側面図である。
図4は、第1係合部18と第2係合部19とが係合した状態を示す部拡大斜視図であり、
図5は、金属ベース11の側縁部16に形成された第1及び第2係合部20,21の他の一例を示す部分拡大斜視図である。
図6は、
図5の第1係合部20と第2係合部21とが係合した状態を示す部拡大斜視図である。
図1,3では、鉄筋付きデッキプレート10Aの一方の端縁部17の側の図示を省略している。尚、
図1~
図3では、金属ベース11の側縁部16に第1及び第2係合部18,19が形成された状態を図示しているが、金属ベース11の側縁部16に
図5に示す第1及び第2係合部20,21が形成されていてもよい。
図1では、前後方向を矢印A、幅方向を矢印Bで示し、上下方向を矢印Cで示す。
【0022】
鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)は、複数のそれを幅方向へ連結し、鉄筋造建築物や鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの構築に使用される。鉄筋付きデッキプレート10Aは、所定面積を有する前後方向へ長い金属ベース11と、金属ベース11の上面12に設置された鉄筋トラス13(鉄筋)と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に接合(固着)された所定面積の天井仕上材15とから形成されている。
図1では、金属ベース11に2つの鉄筋トラス13が設置されているが、鉄筋トラス13の数に特に制限はなく、構築する天井スラブの大きさや必要な鉄筋の量等に応じて1つの鉄筋トラス13や3つ以上の鉄筋トラス13が金属ベース11に設置されていてもよい。
【0023】
金属ベース11には、鉄板が使用されているが、鉄板の他に、アルミニウム板やステンレス板、チタン板等の他の金属板を使用することもできる。金属ベース11は、前後方向へ延びる両側縁部16と、幅方向へ延びる両端縁部17と、略フラットな上面12及び略フラットな下面14とを有する。金属ベース11の上下面12,14には、メッキ処理が施されている。尚、金属ベース11の面積に特に限定はなく、構築する天井スラブの大きさに応じてその面積を自由に決定することができる。
【0024】
金属ベース11の一方の側縁部16には、
図1に示すように、前後方向へ所定寸法離間して並ぶ弾性変形可能な一例として示す複数の第1係合部18が形成され、他方の側縁部16には、前後方向へ延びる弾性変形可能な一例として示す第2係合部19が形成されている。それら第1係合部18は、金属ベース11の一方の側縁部16を凹凸状に切断し、幅方向側方へ延出する略矩形の凸状部18a(傾斜部分)を金属ベース11の上面12の側に向かって折り返すように折り曲げることから作られている。それら凸状部18a(第1係合部18)は、金属ベース11の一方の側縁部16から他方の側縁部16に向かって所定の角度で登り勾配に傾斜する傾斜部分である。それら凸状部18a(傾斜部分)は、上下方向へ弾性変形する。
【0025】
第2係合部19は、金属ベース11の他方の側縁部16を金属ベース11の上面12の側に向かって折り曲げ、側縁部16を幅方向外方へ向かって登り勾配に傾斜させた第1傾斜部分19aと、第1傾斜部分19aの先端から幅方向外方へ略水平に延びる水平部分19bと、水平部分19bの先端から金属ベース11の上面12に向かって折り返すように折り曲げることから作られた第2傾斜部分19cとから形成されている。水平部分19bには、前後方向へ延びる係入開口19dが形成されている。第2傾斜部分19cは、金属ベース11の上面12に向かって下り勾配に傾斜している。第1傾斜部分19a(第2係合部19)は、上下方向へ弾性変形する。
【0026】
金属ベース11の一方の側縁部16には、
図5に示すように、前後方向へ所定寸法離間して並ぶ他の一例として示す第1係合部20が形成され、他方の側縁部16には、前後方向へ延びる他の一例として示す第2係合部21が形成されている。第1係合部20は、金属ベース11の一方の側縁部16を金属ベース11の上面12の側に向かって折り返すように折り曲げることから作られている。
第1係合部20は、金属ベース11の一方の側縁部16から他方の側縁部16に向かって所定の角度で登り勾配に傾斜する傾斜部分20aであり、前後方向へ延びる係入開口20bが形成されている。第2係合部21は、金属ベース11の他方の側縁部16を金属ベース11の上面12の側に向かって折り曲げ、側縁部16を幅方向外方へ向かって登り勾配に傾斜させた傾斜部分21aと、傾斜部分21aの先端から金属ベース11の上面12に向かって折り返すように折り曲げることから作られた係入部分21bとから形成されている。係入部分21bは、金属ベース11の上面12に向かって下り勾配に傾斜している。
【0027】
尚、第1係合部18,20が金属ベース11の上面12の側と金属ベース11の下面14の側とのうちの一方に向かって折り曲げられた第1フックであり、第2係合部19,21が金属ベース11の上面12の側と金属ベース11の下面14の側とのうちの他方に向かって折り曲げられた第2フックであってもよい。この場合、第1フック(第1係合部18,20)と第2フック(第2係合部19,21)とを係合させて鉄筋付きデッキプレート10Aを幅方向へ連結する。
【0028】
金属ベース11には、その上面12から上方へ凸となる複数の凸部22(突条)が形成されている。それら凸部22は、金属ベース11の両側縁部16の間に位置して幅方向へ等間隔離間(所定間隔離間)して並び、一方の端縁部17から他方の端縁部17に向かって前後方向へ延びている。それら凸部22は、金属ベース11の一部を幅方向内方へ折り曲げ、金属ベース11の一部をその上面12から上方へ向かって山折りにすることから作られている。それら凸部22は、上下方向への高さ寸法が3~10mmであり、
図2に示すように正面形状が円弧に成形されている。尚、凸部22の正面形状が上下方向へ直状に延びるプレート状であってもよく、逆V字状であってもよい。
【0029】
それら鉄筋トラス13は、金属ベース11の両側縁部16の間に配置されて幅方向へ等間隔離間(所定間隔離間)して並び、一方の端縁部17から他方の端縁部17に向かって前後方向へ延びている。鉄筋トラス13は、1本の上端筋23と2本(一対)の下端筋24と2本(一対)の第1及び第2ラチス筋25とから組み立てられている。それら上端筋23は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。上端筋23には、その周面に複数の節(リブ)を有する異形鉄棒(異形鉄筋)が使用されている。上端筋23は、幅方向に隣接する凸部22(凸条)の間に位置し、金属ベース11の上面12から上方へ離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス13において幅方向へ並ぶ上端筋23の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら上端筋23が並行して並んでいる。
【0030】
それら下端筋24は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。下端筋24には、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。下端筋24は、幅方向に隣接する凸部22の間に位置(凸部22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、それらラチス筋25の外側に位置し、上端筋23の下方であって上端筋23の幅方向両側に位置している。下端筋24は、金属ベース11の上面12から上方へ所定寸法離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス13において幅方向へ並ぶ下端筋24の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら下端筋24が並行して並んでいる。
【0031】
第1及び第2ラチス筋25は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。それらラチス筋25は、幅方向に隣接する凸部22の間に位置(凸部22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、金属ベース11の上面12と上端筋23との間に位置している。第1及び第2ラチス筋25は、金属ベース11の上面12と上端筋23との間で上下方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら前後方向へ延びている。それらラチス筋25は、上端筋23の側に位置して上方へ向かって凸となるように弧を画く上端凸部と、金属ベース11の上面12の側に位置する下端凹部と、上端凸部及び下端凹部の間において前後方向へ傾斜して延びる中間部とを有する。それらラチス筋25は、
図2に示すように、金属ベース11の上面12に対して垂直ではなく、金属ベース11の上面12に対して所定角度で傾斜し、上端凸部から下端凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになっている。それらラチス筋25の金属ベース11に対する傾斜角度について特に制限はなく、その傾斜角度を自由に変えることができる。
【0032】
各ラチス筋25の上下方向へ波状に曲折を繰り返す角度は一定であり、単位長さ(たとえば1m)当たりのラチス筋25の曲折を繰り返す回数は同一である。ラチス筋25の上下方向へ波状に曲折を繰り返す角度(単位長さ当たりのラチス筋25の上下方向へ波状に曲折を繰り返す回数)は自由に変えることができ、その角度を調節(単位長さ当たりのラチス筋25の上下方向へ波状に曲折を繰り返す回数を調節)することで、ラチス筋25の上端凸部どうしの縦方向の離間寸法を調節することができ、ラチス筋25の下端凹部どうしの縦方向の離間寸法を調節することができる。
【0033】
第1及び第2ラチス筋25は、上端筋23を挟んで幅方向へ対称型に配置されている。したがって、幅方向に並ぶそれらラチス筋25の上端凸部どうしの位置が一致し、中間部どうしの位置が一致しているとともに、下端凹部どうしの位置が一致している。それらラチス筋25は、前後方向に隣接する上端凸部どうしの離間寸法が等しく、上端凸部が前後方向へ等間隔で並んでいるとともに、前後方向に隣接する下端凹部どうしの離間寸法が等しく、下端凹部が前後方向へ等間隔で並んでいる。第1及び第2ラチス筋25の上端凸部は、上端筋23の幅方向両側(周面)に当接した状態で、上端凸部のうちの上端筋23と交差する部(交差箇所)が上端筋23にスポット溶接によって溶着(固定)されている。それらラチス筋25の中間部は、それら下端筋24の内側に位置し、中間部のうちの下端筋24と交差する箇所(交差部分)が下端筋24にスポット溶接によって溶着(固定)されている。
【0034】
第1及び第2ラチス筋25の下端凹部は、金属ベース11の上面12と並行するように幅方向外方へ折り曲げられ、幅方向外方へ向かって凸となるように弧を画いている。下端凹部には、幅方向外方へ延びる屈曲部分が形成されている。下端凹部の曲折部分は、金属ベース11の凸部22の上に位置し、その一部が凸部22から幅方向外方へ突出しつつ、凸部22と二点(二箇所)で交差している。曲折部分のうちの凸部22と交差する箇所(交差部分)が凸部22にスポット溶接によって溶着(固定)されている。それら鉄筋トラス13では、それらラチス筋25の下端凹部が幅方向外方へ折り曲げられておらず、下端凹部に屈曲部分が作られていなくてもよい。この場合、ラチス筋25の下端凹部が金属ベース11の凸部22の1箇所に交差当接し、凸部22の1箇所に交差する下端凹部の交差箇所(交差部分)が凸部22にスポット溶接によって溶着(固定)される。鉄筋トラス付きデッキプレート10Aの端縁部17(一端部及び他端部)には、鉄棒から作られたL字型の端部材35が設置・固定されている。端部材35は、上端筋31及び下端筋32と交差する箇所(交差部分)が上端筋31及び下端筋32にスポット溶接によって溶着・固定(接合)されている。
【0035】
上端筋23や下端筋24、ラチス筋25は、それらの太さについて特に制限はなく、構築する天井スラブの大きさや天井スラブに必要な鉄筋量等に合わせて上端筋23や下端筋24、ラチス筋25の太さを自由に変えることができる。上端筋23や下端筋24、ラチス筋25は鉄から作られているが、鉄以外の金属から作ることもできる。また、上端筋23や下端筋24、ラチス筋25が鉄から作られている場合は、それらにメッキ等の防錆処理が施されていてもよい。
【0036】
天井仕上材15は、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に所定の接合手段によって接合されている。鉄筋付きデッキプレート10Aでは、天井仕上材15の装飾面26が建造物の天井面を形成する。天井仕上材15には、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の木材のうちの少なくとも1つが使用されている。
クロスや合板、サイディング材、木材は、金属ベース11の下面14に所定の接合手段によって接合されている。接合手段には、接着剤とステープル40とのうちの少なくとも1つが使用され、又は、接着剤とステープル40との他に、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用され、或いは、接着剤及びステープル40とともに、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つが使用されている。
【0037】
クロスとして、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるビニールクロス、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる布クロス、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるガラスクロス、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる紙壁紙、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる無機質壁紙、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる木質系壁紙、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるオレフィン壁紙のうちのいずれかが使用されるが、クロスには、今後開発されるあらゆる種類のそれが含まれる。
【0038】
それらクロスは、その厚み寸法が0.3~4mmの範囲にある。クロスは、金属ベース11の下面14に対向する対向面(フラット面)に接着剤(図示せず)が塗布され、第1係合部18,20及び第2係合部19,21を除く金属ベース11の下面14全域に接着剤によって接合(固着)されている。接着剤としては、硬化時に体積変化が少ないエポキシ系接着剤とホットメルト接着剤とのいずれかを使用することが好ましいが、他の種類の接着剤であってもよい。クロスは、金属ベース11の下面14全域を隠蔽しつつ、建造物の内側に露出する装飾面26が建造物の天井面を形成している。尚、クロスが接着剤及びリベット(鋲)、接着剤及びステープル40、接着剤及び釘等の接合手段(接着剤、ステープル40、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって金属ベース11の下面14に接合(固着)されていてもよい。
【0039】
例えば、幅方向へ複数の鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)を連結した場合、全てのデッキプレート10Aの金属ベース11に同一種類かつ同一形態のクロスを接合する場合のみならず、デッキプレート10Aの金属ベース11に同一種類であって異なる形態のクロスを接合し、意匠的効果を向上させ、又は、デッキプレート10Aの金属ベース11に異なる種類のクロスを接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。更に、デッキプレート10Aの金属ベース11に異なる種類であって異なる形態のクロスを接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。
【0040】
合板として、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる高圧メラミン化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる低圧メラミン化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる突き板化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるオレフィン化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるポリエステル化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるプリント化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なるDAP(ダップ)化粧板、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる塩ビ化粧板のうちのいずれかが使用されているが、合板には、今後開発されるあらゆる種類のそれが含まれる。
【0041】
それら合板は、その厚み寸法が0.5mm~10cmmの範囲にある。合板は、金属ベース11の下面14に対向する対向面(フラット面)に接着剤(図示せず)が塗布され、第1係合部18,20及び第2係合部19,21を除く金属ベース11の下面14全域にその接着剤(接合手段)によって接合(固着)されているとともに、上下方向へ延びる複数のステープル40(接合手段)によって金属ベース11に接合(固着)されている。それらステープル40(針)は、ガンタッカーやエアータッカーによって金属ベース11の上面12から合板に向かって厚み方向(上下方向)へ打ち込まれる。それらステープル40は、鉄筋トラス13の間に延びる金属ベース11の中央部41と金属ベース11の両側縁部16とに打ち込まれ、前後方向へ等間隔離間して並んでいる。
ステープル40の針には、接着剤(図示せず)が塗布され、針が合板に打ち込まれた後、接着剤が合板とステープル40の針とを強固に接着する。合板は、金属ベース11の下面14全域を隠蔽しつつ、鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の内側に露出する装飾面26がそれら建造物の天井面を形成している。尚、合板が接着剤のみ、合板がステープル40のみ、接着剤及びリベット(鋲)、接着剤及びボルト又は釘、或いは 釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つによって金属ベース11の下面14に接合(固着)されていてもよい。
【0042】
例えば、幅方向へ複数の鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)を連結した場合、全てのデッキプレート10Aの金属ベース11に同一種類かつ同一形態の合板を接合する場合のみならず、デッキプレート10Aの金属ベース11に同一種類であって異なる形態の合板を接合し、意匠的効果を向上させ、又は、デッキプレート10Aの金属ベース11に異なる種類の合板を接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。更に、デッキプレート10Aの金属ベース11に異なる種類であって異なる形態の合板を接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。
【0043】
サイディング材として、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる金属系サイディング、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる窯業系サイディング、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる木質系サイディング、模様やデザイン、装飾面の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる樹脂系サイディングのうちのいずれかが使用されているが、サイディング材には、今後開発されるあらゆる種類のそれが含まれる。
【0044】
それらサイディング材は、その厚み寸法が0.5mm~10cmmの範囲にある。サイディング材は、金属ベース11の下面14に対向する対向面(フラット面)に接着剤(図示せず)が塗布され、第1係合部18,20及び第2係合部19,21を除く金属ベース11の下面14全域にその接着剤(接合手段)によって接合(固着)されているとともに、上下方向へ延びる複数のステープル40(接合手段)によって金属ベース11に接合(固着)されている。それらステープル40(針)は、ガンタッカーやエアータッカーによって金属ベース11の上面12からサイディング材に向かって厚み方向(上下方向)へ打ち込まれる。それらステープル40は、鉄筋トラス13の間に延びる金属ベース11の中央部41と金属ベース11の両側縁部16とに打ち込まれ、前後方向へ等間隔離間して並んでいる。
ステープル40の針には、接着剤(図示せず)が塗布され、針がサイディング材に打ち込まれた後、接着剤がサイディング材とステープル40の針とを強固に接着する。サイディング材は、金属ベース11の下面14全域を隠蔽しつつ、鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の内側に露出する装飾面26がそれら建造物の天井面を形成している。尚、サイディング材が接着剤のみ、サイディング材がステープル40のみ、接着剤及びリベット(鋲)、接着剤及びボルト又は釘、或いは 釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つによって金属ベース11の下面14に接合(固着)されていてもよい。
【0045】
例えば、幅方向へ複数の鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)を連結した場合、全てのデッキプレート10Aの金属ベース11に同一種類かつ同一形態のサイディング材を接合する場合のみならず、デッキプレート10Aの金属ベース11に同一種類であって異なる形態のサイディング材を接合し、意匠的効果を向上させ、又は、デッキプレート10Aの金属ベース11に異なる種類のサイディング材を接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。更に、デッキプレート10Aの金属ベース11に異なる種類であって異なる形態のサイディング材を接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。
【0046】
木材としては、木目(装飾面)の模様や厚み寸法等が異なる針葉樹木材、木目(装飾面)や厚み寸法等の形態が異なる広葉樹木材のうちのいずれかが使用されている。それら木材は、その厚み寸法が0.5mm~10cmmの範囲にある。木材は、金属ベース11の下面14に対向する対向面(フラット面)に接着剤(図示せず)が塗布され、第1係合部18,20及び第2係合部19,21を除く金属ベース11の下面14全域にその接着剤(接合手段)によって接合(固着)されているとともに、上下方向へ延びるステープル40(接合手段)によって金属ベース11に接合(固着)されている。それらステープル40(針)は、ガンタッカーやエアータッカーによって金属ベース11の上面12から木材に向かって厚み方向(上下方向)へ打ち込まれる。それらステープル40は、鉄筋トラス13の間に延びる金属ベース11の中央部41と金属ベース11の両側縁部16とに打ち込まれ、前後方向へ等間隔離間して並んでいる。
ステープル40の針には、接着剤(図示せず)が塗布され、針が木材に打ち込まれた後、接着剤が木材と針とを強固に接着する。木材は、金属ベース11の下面14全域を隠蔽しつつ、鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の内側に露出する装飾面26がそれら建造物の天井面を形成している。尚、木材が接着剤のみ、木材がステープル40のみ、接着剤及びリベット(鋲)、接着剤及びボルト又は釘、或いは 釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つによって金属ベース11の下面14に接合(固着)されていてもよい。
【0047】
鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)を使用して鉄筋造建築物や鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブを構築する一例としては、デッキプレート10Aの第1係合部18,20と第2係合部19,21とを係合させ、複数のデッキプレート10Aを幅方向へ連結し、デッキプレート10Aの集合物(天井面)を作る。次に、連結した鉄筋付きデッキプレート10Aの集合物を鉄筋造建築物や鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の幅梁の間に配置固定する。尚、複数のデッキプレート10Aを幅梁の間に順次配置固定しつつ、それらデッキプレート10Aを幅方向へ連結してもよい。
【0048】
鉄筋付きデッキプレート10Aの集合物を建造物の幅梁の間に固定した後、デッキプレート10Aの集合物の周囲に型枠(図示せず)を組み上げ、鉄筋トラスト13の上方から金属ベース11の上面12に向かって型枠内にコンクリート(図示せず)を所定の被り寸法で打設し、コンクリートを所定期間養生する。コンクリートを鉄筋付きデッキプレート10Aに打設すると、金属ベース11や鉄筋トラスト13がコンクリートに埋没する。コンクリートの養生期間が経過した後、型枠を取り外すことで天井スラブが完成する。天井スラブでは、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材の装飾面26が鉄筋造建築物や鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井面として露出する。
【0049】
複数の鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)を幅方向へ連結する手順の一例は、以下のとおりである。天井仕上材15(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを幅方向へ対向させた状態で、複数の鉄筋付きデッキプレート10Aを幅方向へ並べ、それらデッキプレート10Aどうしを近接させるように幅方向へ移動させ、天井仕上材15の側縁部27どうしを当接させる。天井仕上材15の側縁部27どうしを当接させる過程(複数のデッキプレート10Aを幅方向へ連結する過程)において、一方のデッキプレート10Aの金属ベース11の側縁部16に形成された第1係合部18(凸状部18a(傾斜部分))が他方のデッキプレート10Aの金属ベース11の側縁部16に形成された第2係合部19の第2傾斜部分19cに当接する。
【0050】
鉄筋付きデッキプレート10Aどうしを更に幅方向へ移動させると、第2係合部19の第2傾斜部分19cが凸状部18a(第1係合部18)の上面12に乗り上げ、第2傾斜部分19cが凸状部18a(第1係合部18)を下方へ押圧し、第2傾斜部分19cによって凸状部18a(第1係合部18)が下方へ押し下げられ、その反動で凸状部18a(第1係合部18)が下方へ弾性変形するとともに、第2係合部19の第1傾斜部分19aが上方へ弾性変形する。第2係合部19の第2傾斜部分19cが凸状部18a(第1係合部18)を乗り越えた時点で、第2傾斜部分19cの押圧力が解除され、第2傾斜部分19cが下方へ弾性変形するとともに、凸状部18a(第1係合部18)が上方へ弾性変形する。凸状部18a(第1係合部18)が上方へ弾性変形すると、凸状部18a(第1係合部18)が第2係合部19の水平部分19bの係入開口19dに係入し、第1係合部18と第2係合部19とが係合する。鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)では、天井仕上材15(クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを当接させたときに第1係合部18と第2係合部19とが係合する。
【0051】
鉄筋付きデッキプレート10A~10Fは、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ連結する過程において一方のデッキプレート10A~10Fの第1係合部18(凸状部18a(傾斜部分))と他方のデッキプレート10A~10Fの第2係合部19(第1傾斜部分19a)とのうちの少なくとも一方の係合部18,19(凸状部18a、第1傾斜部分19a)を弾性変形させつつ、天井仕上材15(クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを当接させたときに第1係合部18(凸状部18a(傾斜部分))と第2係合部19(水平部分19bの係入開口19d)とが係合することで、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ容易に連結することができ、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ連結する手間を少なくすることができるとともに、連結時間を短縮することができる。鉄筋付きデッキプレート10A~10Fは、天井仕上材15の側縁部27どうしを当接させたときに第1係合部18と第2係合部19とが係合するから、天井仕上材15(クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを確実に当接させつつ、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ確実に連結することができる。
【0052】
複数の鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)を幅方向へ連結する手順の他の一例は、以下のとおりである。天井仕上材15(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを幅方向へ対向させた状態で、複数の鉄筋付きデッキプレート10Aを幅方向へ並べ、それらデッキプレート10Aどうしを近接させるように幅方向へ移動させ、天井仕上材15の側縁部27どうしを当接させる。天井仕上材15の側縁部27どうしを当接させると、金属ベース11の一方の側縁部16に形成された第1係合部20(傾斜部分20a)の係入開口20bの直上に金属ベース11の他方の側縁部16に形成された第2係合部21の係入部分21bが位置する。
【0053】
天井仕上材15の側縁部27どうしを当接させた後、第2係合部21の傾斜部分21aを下方へ塑性変形させ、又は、第1係合部20(傾斜部分20a)を上方へ塑性変形させる。第2係合部21の傾斜部分21aを下方へ塑性変形させ、又は、第1係合部20(傾斜部分20a)を上方へ塑性変形させると、第2係合部21の係入部分21bが第1係合部20(傾斜部分20a)の係入開口20bに係入し、第1係合部20と第2係合部21とが係合する。鉄筋付きデッキプレート10A(鉄筋付きデッキプレート10B~10Fを含む)では、天井仕上材15(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを当接させた後、第1係合部20と第2係合部21とのうちの少なくとも一方の係合部20,21を塑性変形させて第1係合部20と第2係合部21とを係合させる。
【0054】
鉄筋付きデッキプレート10A~10Fは、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ連結する場合、天井仕上材15(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを当接させた後、一方のデッキプレート10A~10Fの第1係合部20(傾斜部分20a)と他方のデッキプレート10A~10Fの第2係合部21(傾斜部分21a)とのうちの少なくとも一方の係合部20,21を塑性変形させて第1係合部20(傾斜部分20aの係入開口20b)と第2係合部21(係入部分21b)とを係合させることで、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ容易に連結することができ、天井仕上材15(クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材)の側縁部27どうしを確実に当接させつつ、複数のデッキプレート10A~10Fを幅方向へ確実に連結することができる。
【0055】
図7は、他の一例として示す鉄筋付きデッキプレート10Bの斜視図であり、
図8は、
図7の鉄筋付きデッキプレート10Bの正面図である。
図9は、
図7の鉄筋付きデッキプレート10Bの側面図である。
図7,9では、鉄筋付きデッキプレート10Bの一方の端縁部17の側の図示を省略している。
図7では、金属ベース11の側縁部16に
図1に示す第1及び第2係合部18,19が形成された状態を図示しているが、金属ベース11の側縁部16に
図5に示す第1及び第2係合部20,21が形成されていてもよい。尚、鉄筋付きデッキプレート10Bの金属ベース11の一方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの一方に向かって折り曲げられた第1フック(第1係合部)が形成され、金属ベース11の他方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの他方に向かって折り曲げられた第2フック(第2係合部)が形成されていてもよい。
【0056】
この鉄筋付きデッキプレート10Bが
図1のそれと異なるところは、金属ベース11の下面14に下地材28が接合され、下地材28の下面29に天井仕上材15が接合されている点にあり、その他の構成は
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一であるから、
図1と同一の符号を付すとともに
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aの説明を援用することで、この鉄筋付きデッキプレート10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0057】
鉄筋付きデッキプレート10Bは、所定面積を有する前後方向へ長い金属ベース11と、金属ベース11の上面12に設置された鉄筋トラス13(鉄筋)と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に接合(固着)された所定面積の下地材28と、下地材28の建造物の内側に露出する下面29に接合(固着)された所定面積の天井仕上材15とから形成されている。金属ベース11及び鉄筋トラス13(1本の上端筋23、2本(一対)の下端筋24、2本(一対)の第1及び第2ラチス筋25、端部材35)は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。尚、金属ベース11の両側縁部16に作られた第1係合部18及び第2係合部19は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。
【0058】
鉄筋付きデッキプレート10Bでは、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の下地材28が金属ベース11の下面14に所定の接合手段によって接合(固着)されている。下地材28には、合板(普通合板)やプラスターボード、木材が使用されている。下地材28は、その厚み寸法が0.5mm~3cmmの範囲にある。下地材28は、金属ベース11の下面14に対向する対向面(フラット面)に接着剤(図示せず)が塗布され、第1係合部18及び第2係合部19を除く金属ベース11の下面14全域にその接着剤(接合手段)によって接合(固着)されているとともに、上下方向へ延びるステープル40(接合手段)によって金属ベース11に接合(固着)されている。それらステープル(針)は、ガンタッカーやエアータッカーによって金属ベース11の上面12から下地材28に向かって厚み方向(上下方向)へ打ち込まれる。それらステープル40は、鉄筋トラス13の間に延びる金属ベース11の中央部41と金属ベース11の両側縁部16とに打ち込まれ、前後方向へ等間隔離間して並んでいる。
ステープル40の針には、接着剤(図示せず)が塗布され、針が下地材28に打ち込まれた後、接着剤が下地材28と針とを強固に接着する。下地材28は、金属ベース11の下面14全域を隠蔽している。尚、下地材28が接着剤のみ、下地材28がステープル40のみ、接着剤及びリベット(鋲)、接着剤及びボルト、接着剤及び釘等の接合手段(接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって金属ベース11の下面14に接合(固着)されていてもよい。
【0059】
天井仕上材15は、下地材28の建造物の内側(下方)に露出する下面29に所定の接合手段によって接合されている。鉄筋付きデッキプレート10Bでは、天井仕上材15の装飾面26が建造物の天井面を形成する。天井仕上材15には、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の木材、前後方向及び幅方向へ並ぶタイル材のうちの少なくとも1つが使用されている。
クロスは、接着剤によって下地材28の下面29に強固に接合(固着)されている。合板やサイディング材、木材は、接着剤及び複数のステープル40(下地材28及び金属ベース11を接合するステープル40と同一のステープル40)によって下地材28の下面29に強固に接合(固着)されている。それらステープル40は、その針が金属ベース11及び下地材28を貫通しつつ合板やサイディング材、木材に達している。ステープル40の針が合板やサイディング材、木材に打ち込まれた後、接着剤が合板やサイディング材、木材と針とを強固に接着する。尚、クロスや合板、サイディング材、木材は、所定の接合手段(接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって下地材28の下面29に接合されていればよい。
【0060】
クロスや合板、サイディング材、木材は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。タイル材として、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、形状、厚み寸法等の形態が異なる磁器質タイル、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、形状、厚み寸法等の形態が異なるせっ器質タイル、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、形状、厚み寸法等の形態が異なる陶磁質タイルのうちのいずれかが使用されるが、タイル材には、今後開発されるあらゆる種類のそれが含まれる。タイルは、下地材28の下面29に対向する対向面(フラット面)に接着剤(図示せず)が塗布され、下地材28の下面29にその接着剤(接合手段)によって強固に接合(固着)されている。
【0061】
例えば、幅方向へ複数の鉄筋付きデッキプレート10B(鉄筋付きデッキプレート10D,10Fを含む)を連結した場合、全てのデッキプレート10Bの下地材28に同一種類かつ同一形態のタイル材を接合する場合のみならず、デッキプレート10Bの下地材28に同一種類であって異なる形態のタイル材を接合し、意匠的効果を向上させ、又は、デッキプレート10Bの下地材28に異なる種類のタイル材を接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。更に、デッキプレート10Bの下地材28に異なる種類であって異なる形態のタイル材を接合し、意匠的効果を向上させる場合がある。クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材は、金属ベース11の下面14全域(下地材28の下面29全域)を隠蔽しつつ、鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の内側(下方)に露出する装飾面26がそれら建造物の天井面を形成している。
【0062】
図10は、他の一例として示す鉄筋付きデッキプレート10Cの斜視図であり、
図11は、
図10の鉄筋付きデッキプレート10Cの正面図である。
図12は、
図10の鉄筋付きデッキプレート10Cの側面図である。
図10,12では、鉄筋付きデッキプレート10Cの一方の端縁部17の側の図示を省略している。
図10では、前後方向を矢印A、幅方向を矢印Bで示し、上下方向を矢印Cで示す。
図10では、金属ベース11の側縁部16に
図1に示す第1及び第2係合部18,19が形成された状態を図示しているが、金属ベース11の側縁部16に
図5に示す第1及び第2係合部20,21が形成されていてもよい。尚、鉄筋付きデッキプレート10Cの金属ベース11の一方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの一方に向かって折り曲げられた第1フック(第1係合部)が形成され、金属ベース11の他方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの他方に向かって折り曲げられた第2フック(第2係合部)が形成されていてもよい。
【0063】
鉄筋付きデッキプレート10Cは、所定面積を有する前後方向へ長い金属ベース11と、金属ベース11の上面12に設置された鉄筋トラス30(鉄筋)と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面12に固着された所定面積の天井仕上材15とから形成されている。金属ベース11や金属ベース11の両側縁部16に作られた第1係合部18及び第2係合部19は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。
図10では、金属ベース11に4つの鉄筋トラス30が設置されているが、鉄筋トラス30の数に特に制限はなく、構築する天井スラブの大きさや必要な鉄筋の量等に応じて1つ又は2つ或いは3つの鉄筋トラス30や5つ以上の鉄筋トラス30が金属ベース11に設置されていてもよい。
【0064】
それら鉄筋トラス30は、金属ベース11の両側縁部16の間に配置されて幅方向へ等間隔離間(所定間隔離間)して並び、一方の端縁部17から他方の端縁部17に向かって前後方向へ延びている。鉄筋トラス30は、1本の上端筋31と、1本の下端筋32と、1本のラチス筋33と、鉄筋トラス30どうしを繋ぐ複数本の連結筋34とから組み立てられている。上端筋31は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。上端筋30には、その周面に複数の節(リブ)を有する異形鉄棒(異形鉄筋)が使用されている。上端筋30は、幅方向に隣接する凸部22(凸条)の間に位置し、金属ベース11の上面12から上方へ離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス30において幅方向へ並ぶ上端筋31の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら上端筋31が並行して並んでいる。
【0065】
下端筋32は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。下端筋32には、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。下端筋32は、幅方向に隣接する凸部22の間に位置(凸部22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、上端筋31の下方(直下)に位置している。下端筋32は、金属ベース11の上面12から上方へ所定寸法離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス30において幅方向へ並ぶ下端筋32の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら下端筋32が並行して並んでいる。
【0066】
ラチス筋33は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。ラチス筋33は、幅方向に隣接する凸部22の間に位置(凸部22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、上端筋31と下端筋32との間に位置している。ラチス筋33は、上端筋31と下端筋32との間で上下方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら前後方向へ延びている。ラチス筋33は、上端筋31の側に位置して上方へ向かって凸となるように弧を画く上端凸部と、下端筋32の側に位置して下方へ向かって凹となるように弧を画く下端凹部と、上端凸部及び下端凹部の間において前後方向へ傾斜して延びる中間部とを有する。ラチス筋33の上下方向へ波状に曲折を繰り返す角度(単位長さ当たりのラチス筋33の上下方向へ波状に曲折を繰り返す回数)は自由に変えることができる。ラチス筋33の上端凸部は、上端筋31の周面に当接した状態で、上端凸部のうちの上端筋31と交差する箇所(交差部分)が上端筋31にスポット溶接によって溶着(固定)されている。ラチス筋33の下端凹部は、下端筋32の周面に当接した状態で、下端凹部のうちの下端筋32と交差する箇所(交差部分)が下端筋32にスポット溶接によって溶着(固定)されている。
【0067】
それら連結筋34は、上下方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら幅方向へ延びている。連結筋34は、上端筋31を跨ぐように上端筋31の周面に当接する上端部と、金属ベース11の上面12と並行するように幅方向外方へ折り曲げられた下端部と、上端部及び下端部の間で上下方向へ延びる中間部とを有する。連結筋34の上端部は、上端筋31の周面に当接する箇所(当接部分)が上端筋31にスポット溶接によって溶着(固定)されている。連結筋34の下端部は、金属ベース11の凸部22に当接する箇所(当接部分)が凸部22にスポット溶接によって溶着・固定(接合)されている。鉄筋トラス付きデッキプレート10Cの端縁部17(一端部及び他端部)には、鉄棒から作られたL字型の端部材35が設置・固定されている。端部材35は、上端筋31及び下端筋32と交差する箇所(交差部分)が上端筋31及び下端筋32にスポット溶接によって溶着・固定(接合)されている。
【0068】
上端筋31や下端筋32、ラチス筋33、連結筋34は、それらの太さについて特に制限はなく、構築する天井スラブの大きさや天井スラブに必要な鉄筋量等に合わせて上端筋31や下端筋32、ラチス筋33、連結筋34の太さを自由に変えることができる。上端筋31や下端筋32、ラチス筋33、連結筋34、端部材35は鉄から作られているが、鉄以外の金属から作ることもできる。又、上端筋31や下端筋32、ラチス筋33、連結筋34、端部材35が鉄から作られている場合は、それらにメッキ等の防錆処理が施されていてもよい。
【0069】
天井仕上材15は、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に所定の接合手段によって接合されている。鉄筋付きデッキプレート10Cでは、天井仕上材15の装飾面26が建造物の天井面を形成する。天井仕上材15には、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の木材のうちの少なくとも1つが使用されている。クロスや合板、サイディング材、木材は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一であり、金属ベース11に対するクロスや合板、サイディング材、木材の接合手段は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれと同一である。尚、クロスや合板、サイディング材、木材が金属ベース11の下面14に所定の接合手段(接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって接合されていればよい。
【0070】
図13は、他の一例として示す鉄筋付きデッキプレート10Dの斜視図であり、
図14は、
図13の鉄筋付きデッキプレート10Dの正面図である。
図15は、
図13の鉄筋付きデッキプレート10Dの側面図である。
図13,15では、鉄筋付きデッキプレート10Dの一方の端縁部17の側の図示を省略している。
図13では、金属ベース11の側縁部16に
図1に示す第1及び第2係合部18,19が形成された状態を図示しているが、金属ベース11の側縁部16に
図5に示す第1及び第2係合部20,21が形成されていてもよい。尚、鉄筋付きデッキプレート10Dの金属ベース11の一方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの一方に向かって折り曲げられた第1フック(第1係合部)が形成され、金属ベース11の他方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの他方に向かって折り曲げられた第2フック(第2係合部)が形成されていてもよい。
【0071】
この鉄筋付きデッキプレート10Dが
図10のそれと異なるところは、金属ベース11の下面14に下地材28が接合され、下地材28の下面29に天井仕上材15が接合されている点にあり、その他の構成は
図10の鉄筋付きデッキプレート10Cのそれらと同一であるから、
図10と同一の符号を付すとともに
図10の鉄筋付きデッキプレート10Cの説明を援用することで、この鉄筋付きデッキプレート10Dのその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0072】
鉄筋付きデッキプレート10Dは、所定面積を有する前後方向へ長い金属ベース11と、金属ベース11の上面12に設置された鉄筋トラス30(鉄筋)と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に接合(固着)された所定面積の下地材28と、下地材28の建造物の内側に露出する下面29に接合(固着)された所定面積の天井仕上材15とから形成されている。金属ベース11及び鉄筋トラス30(1本の上端筋31、1本の下端筋32、1本のラチス筋33、鉄筋トラス30どうしを繋ぐ複数本の連結筋34、端部材35)は、
図10の鉄筋付きデッキプレート10Cのそれらと同一である。尚、金属ベース11の両側縁部16に作られた第1係合部18及び第2係合部19は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。
【0073】
鉄筋付きデッキプレート10Dでは、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の下地材28(厚み寸法が0.5mm~3cmmの合板(普通合板)やプラスターボード、木材)が金属ベース11の下面14に鉄筋付きデッキプレート10Bと同一の接合手段によって接合(固着)されている。下地材28は、金属ベース11の下面14全域を隠蔽している。尚、下地材28は、所定の接合手段(接着剤、ステープル、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって金属ベース11の下面14に接合されていればよい。
【0074】
鉄筋付きデッキプレート10Dでは、天井仕上材15が下地材28の建造物の内側に露出する下面29に所定の接合手段によって接合され、天井仕上材15の装飾面26が建造物の天井面を形成する。天井仕上材15には、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の木材、前後方向及び幅方向へ並ぶタイル材のうちの少なくとも1つが使用されている。クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材は、鉄筋付きデッキプレート10Bと同一の接合手段によって下地材28の下面29に接合されている。
クロスや合板、サイディング材、木材は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。タイル材は、鉄筋付きデッキプレート10Bのそれと同一である。クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材は、金属ベース11の下面14全域(下地材28の下面29全域)を隠蔽しつつ、鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の内側に露出する装飾面26がそれら建造物の天井面を形成している。尚、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材は、所定の接合手段(接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって下地材28の下面29に接合されていればよい。
【0075】
図16は、他の一例として示す鉄筋付きデッキプレート10Eの斜視図であり、
図17は、
図16の鉄筋付きデッキプレート10Eの正面図である。
図18は、
図16の鉄筋付きデッキプレート10Eの側面図である。
図16,17では、鉄筋付きデッキプレート10Eの一方の端縁部17の側の図示を省略している。
図16では、前後方向を矢印A、幅方向を矢印Bで示し、上下方向を矢印Cで示す。
図16は、金属ベース11の側縁部16に
図1に示す第1及び第2係合部18,19が形成された状態を図示しているが、金属ベース11の側縁部16に
図5に示す第1及び第2係合部20,21が形成されていてもよい。尚、鉄筋付きデッキプレート10Eの金属ベース11の一方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの一方に向かって折り曲げられた第1フック(第1係合部)が形成され、金属ベース11の他方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの他方に向かって折り曲げられた第2フック(第2係合部)が形成されていてもよい。
【0076】
鉄筋付きデッキプレート10Eは、所定面積を有する前後方向へ長い金属ベース11と、金属ベース11の上面12に設置された鉄筋トラス36(鉄筋)と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に固着された所定面積の天井仕上材15とから形成されている。金属ベース11や金属ベース11の両側縁部16に作られた第1係合部18及び第2係合部19は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。
図15では、金属ベース11に3つの鉄筋トラス36が設置されているが、鉄筋トラス36の数に特に制限はなく、構築する天井スラブの大きさや必要な鉄筋の量等に応じて1つ又は2つの鉄筋トラス36や4つ以上の鉄筋トラス36が金属ベース11に設置されていてもよい。
【0077】
それら鉄筋トラス36は、金属ベース11の両側縁部16の間に配置されて幅方向へ等間隔離間(所定間隔離間)して並び、一方の端縁部17から他方の端縁部17に向かって前後方向へ延びている。鉄筋トラス36は、1本の上端筋37と、1本のラチス筋38とから組み立てられている。上端筋37は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。上端筋37には、その周面に複数の節(リブ)を有する異形鉄棒(異形鉄筋)が使用されている。上端筋37は、幅方向に隣接する金属ベース11の凸部22(リブ)の間に位置し、金属ベース11の上面12から上方へ離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス36において幅方向へ並ぶ上端筋37の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら上端筋37が並行して並んでいる。
【0078】
ラチス筋38は、鉄を延伸した鉄棒から作られている。ラチス筋38は、幅方向に隣接する凸部22の間に位置(凸部22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、上端筋37と金属ベース11の上面12との間に位置している。ラチス筋38は、上端筋37と金属ベース11の上面12との間で上下方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら前後方向へ延びている。ラチス筋38は、上端筋37の側に位置して上方へ向かって凸となるように弧を画く上端凸部と、金属ベース11の上面12の側に位置して下方へ向かって凹となるように弧を画く下端凹部と、上端凸部及び下端凹部の間において前後方向へ傾斜して延びる中間部とを有する。
【0079】
ラチス筋38は、上端凸部から中間部が一方の凸部22(リブ)に向かって斜め下方(下り勾配)に延びていて下端凹部が一方の凸部22に当接し、一方の凸部22に当接する下端凹部から中間部が上端筋37に向かって斜め上方(登り勾配)に延びていて上端凸部が上端筋38に当接する。更に、上端凸部から中間部が他方の凸部22(リブ)に向かって斜め下方(下り勾配)に延びていて下端凹部が他方の凸部22に当接し、他方の凸部22に当接する下端凹部から中間部が上端筋37に向かって斜め上方(登り勾配)に延びていて上端凸部が上端筋37に当接する。ラチス筋38は、
図16に示すように、金属ベース11の上面12に対して垂直ではなく、金属ベース11の上面12に対して所定角度で傾斜し、上端凸部から金属ベース11の上面12に向かって幅方向外方へ末広がりになっている。
【0080】
ラチス筋38の上下方向へ波状に曲折を繰り返す角度(単位長さ当たりのラチス筋38の上下方向へ波状に曲折を繰り返す回数)は自由に変えることができる。ラチス筋38の金属ベース11に対する傾斜角度について特に制限はなく、その傾斜角度を自由に変えることができる。ラチス筋38の上端凸部は、上端筋37の周面下部に当接した状態で、上端凸部のうちの上端筋37と交差する箇所(交差部分)が上端筋37にスポット溶接によって溶着(固定)されている。ラチス筋38の下端凹部は、金属ベース12の上面11及び凸部22(リブ)の側面に当接した状態で、下端凹部のうちの凸部22と交差する箇所(交差部分)が凸部22にスポット溶接によって溶着(固定)されている。
【0081】
鉄筋トラス付きデッキプレート10Eの端縁部17(一端部及び他端部)には、鉄棒から作られた逆U字型の端部材39が設置・固定されている。端部材39は、上端筋37及び金属ベース11の凸部22と交差する箇所(交差部分)が上端筋37及び凸部22にスポット溶接によって溶着・固定(接合)されている。上端筋37やラチス筋38は、それらの太さについて特に制限はなく、構築する天井スラブの大きさや天井スラブに必要な鉄筋量等に合わせて上端筋37やラチス筋38の太さを自由に変えることができる。上端筋37やラチス筋38、端部材39は鉄から作られているが、鉄以外の金属から作ることもできる。また、上端筋37やラチス筋38、端部材39が鉄から作られている場合は、それらにメッキ等の防錆処理が施されていてもよい。
【0082】
天井仕上材15は、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に所定の接合手段によって接合されている。鉄筋付きデッキプレート10Eでは、天井仕上材15の装飾面26が建造物の天井面を形成する。天井仕上材15には、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の木材のうちの少なくとも1つが使用されている。クロスや合板、サイディング材、木材は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一であり、金属ベース11に対するクロスや合板、サイディング材、木材の接合手段は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれと同一である。尚、クロスや合板、サイディング材、木材が金属ベース11の下面14に所定の接合手段(接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって接合されていればよい。
【0083】
図19は、他の一例として示す鉄筋付きデッキプレート10Fの斜視図であり、
図20は、
図19の鉄筋付きデッキプレート10Fの正面図である。
図21は、
図19の鉄筋付きデッキプレート10Fの側面図である。
図19,21では、鉄筋付きデッキプレート10Fの一方の端縁部17の側の図示を省略している。
図18では、金属ベース11の側縁部16に
図1に示す第1及び第2係合部18,19が形成された状態を図示しているが、金属ベース11の側縁部16に
図5に示す第1及び第2係合部20,21が形成されていてもよい。尚、鉄筋付きデッキプレート10Fの金属ベース11の一方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの一方に向かって折り曲げられた第1フック(第1係合部)が形成され、金属ベース11の他方の側縁部16には、上面12の側と下面14の側とのうちの他方に向かって折り曲げられた第2フック(第2係合部)が形成されていてもよい。
【0084】
この鉄筋付きデッキプレート10Fが
図15のそれと異なるところは、金属ベース11の下面14に下地材28が接合され、下地材28の下面29に天井仕上材15が接合されている点にあり、その他の構成は
図15の鉄筋付きデッキプレート10Eのそれらと同一であるから、
図15と同一の符号を付すとともに
図15の鉄筋付きデッキプレート10Eの説明を援用することで、この鉄筋付きデッキプレート10Fのその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0085】
鉄筋付きデッキプレート10Fは、所定面積を有する前後方向へ長い金属ベース11と、金属ベース11の上面に設置された鉄筋トラス36(鉄筋)と、金属ベース11の建造物の内側に露出する下面14に接合(固着)された所定面積の下地材28と、下地材28の建造物の内側に露出する下面29に接合(固着)された所定面積の天井仕上材15とから形成されている。金属ベース11及び鉄筋トラス36(1本の上端筋37、1本のラチス筋38、端部材39)は、
図15の鉄筋付きデッキプレート10Eのそれらと同一である。尚、金属ベース11の両側縁部16に作られた第1係合部18及び第2係合部19は、
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。
【0086】
鉄筋付きデッキプレート10Fでは、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の下地材28(厚み寸法が0.5mm~3cmmの合板(普通合板)やプラスターボード、木材)が金属ベース11の下面14に鉄筋付きデッキプレート10Bと同一の接合手段によって接合(固着)されている。下地材28は、金属ベース11の下面14全域を隠蔽している。尚、下地材28は、所定の接合手段(接着剤、ステープル、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって金属ベース11の下面14に接合されていればよい。
【0087】
鉄筋付きデッキプレート10Fでは、天井仕上材15が下地材28の建造物の内側に露出する下面29に所定の接合手段によって接合され、天井仕上材15の装飾面26が建造物の天井面を形成する。天井仕上材15には、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のクロス、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の合板、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積のサイディング材、前後方向及び幅方向へ平坦に延びる所定面積の木材、前後方向及び幅方向へ並ぶタイル材のうちの少なくとも1つが使用されている。クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材は、鉄筋付きデッキプレート10Bと同一の接合手段によって下地材28の下面29に接合されている。クロスや合板、サイディング材、木材は、鉄筋付きデッキプレート10Aのそれらと同一である。タイル材は、鉄筋付きデッキプレート10Bのそれと同一である。クロスや合板、サイディング材、タイル材は、金属ベース11の下面14全域(下地材28の下面29全域)を隠蔽しつつ、建造物の内側に露出する装飾面26が建造物の天井面を形成している。尚、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材は、所定の接合手段(接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つ)によって下地材28の下面29に接合されていればよい。
【0088】
図1の鉄筋付きデッキプレート10Aや
図10の鉄筋付きデッキプレート10C、
図15の鉄筋付きデッキプレート10Eは、金属ベース11の下面14に接合(固着)されたクロス、合板、サイディング材、木材のうちの少なくとも1つの天井仕上材15の装飾面26が天井スラブの天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材の装飾面26が天井スラブの天井面として鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の内側(下方)に露出するから、それら建造物の内側(下方)に露出する金属ベース11の下面14の側の見場をよくすることができ、金属ベース11の下面14(クロス、合板、サイディング材、木材)の側をそのまま見場のよい天井面にすることができる。
【0089】
鉄筋付きデッキプレート10A,10C,10Eは、クロス、合板、サイディング材、木材のうちの少なくとも1つが金属ベース11の下面14全域に接合(固着)され、クロスや合板、サイディング材、木材が鉄筋造建築物や鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成するから、クロスや合板、サイディング材、木材を天井仕上材15として利用することができる。鉄筋付きデッキプレート10A,10C,10Eは、金属ベース11の下面14に接合(固着)されたクロスや合板、サイディング材、木材の装飾面26が天井面を形成するから、吊りボルトを利用して化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付けることなく天井スラブを構築することができ、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができるとともに、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができる。
【0090】
鉄筋付きデッキプレート10A,10C,10Eは、吊りボルトによって化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付ける必要はないから、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、クロスや合板、サイディング材、木材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。鉄筋付きデッキプレート10A,10C,10Eは、各種のクロスや合板、サイディング材、木材から希望のそれを選択することで、所望のクロス、合板、サイディング材、木材が露出する気に入った天井面を作ることができるとともに、古いクロス、合板、サイディング材、木材を希望の新しいクロス、合板、サイディング材、木材に替えることで所望の天井面に容易に作り替えることができる。
【0091】
図8の鉄筋付きデッキプレート10Bや
図13の鉄筋付きデッキプレート10D、
図18の鉄筋付きデッキプレート10Fは、下地材28が金属ベース11の下面14に接合手段によって接合(固着)され、下地材28の下面29に接合手段によって接合されたクロスと合板とサイディング材と木材とタイル材とのうちの少なくとも1つの天井仕上材15の装飾面26が鉄筋造建築物、鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井面を形成し、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が天井スラブの天井面として建造物の内側(下方)に露出するから、それら建造物の内側(下方)に露出する金属ベース11の下面14の側の見場をよくすることができ、金属ベース11の下面14(クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材)の側をそのまま見場のよい天井面にすることができる。
【0092】
鉄筋付きデッキプレート10B,10D,10Fは、クロス、合板、サイディング材、木材、タイル材のうちの少なくとも1つが下地材28の内面29全域(金属ベース11の下面14全域)に接合(固着)され、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が鉄筋造建築物や鉄筋コンクリート造建築物、鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の天井スラブの天井面を形成するから、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を天井仕上材15として利用することができる。鉄筋付きデッキプレート10B,10D,10Fは、下地材28の下面29に接合(固着)されたクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材の装飾面26が天井面を形成するから、吊りボルトを利用して化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付けることなく天井スラブを構築することができ、天井仕上材を別途設置するための天井仕上工事を省くことができるとともに、天井仕上工事のための手間やコストを省くことができる。
【0093】
鉄筋付きデッキプレート10B,10D,10Fは、吊りボルトによって化粧合板や石膏ボード、アルミパネル等の天井仕上材を取り付ける必要はないから、吊りボルトを利用して天井仕上材を取り付けた吊り天井構造と比較し、地震等による揺れ(震動)が発生したとしても、下地材やクロス、合板、サイディング材、木材、タイル材の落下の危険がなく、天井落下事故の発生を防ぐことが可能な天井スラブを構築することができる。鉄筋付きデッキプレート10B,10D,10Fは、各種のクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材から希望のそれを選択することで、所望のクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が露出する気に入った天井面を作ることができるとともに、古いクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を希望の新しいクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材に替えることで所望の天井面に容易に作り替えることができる。
【0094】
鉄筋付きデッキプレート10A~10Fは、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる各種のクロス、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる各種の合板、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、厚み寸法等の形態が異なる各種のサイディング材、装飾面26の模様(木目)や厚み寸法等が異なる各種の木材、装飾面26の模様やデザイン、色彩(色合い)、風合い、光沢、形状、厚み寸法等の形態が異なる各種のタイル材から希望のそれらを選択することができ、所望のクロスや所望の合板、所望のサイディング材、所望の木材、所望のタイル材が露出する気に入った天井面を作ることができるとともに、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を張り替えることで、古いクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を希望の新しいそれら各種のクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材に替えることができ、所望の天井面に容易に作り替えることができる。
【0095】
鉄筋付きデッキプレート10A~10Fは、接着剤、ステープル、釘、ボルト、リベットのうちの少なくとも1つによってクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材が金属ベース11や下地材28に接合(固着)され、下地材28が金属ベース11に接合(固着)されるから、各種のクロスや各種の合板、各種のサイディング材、各種の木材、各種のタイル材、下地材28を容易に接合することができ、下地材28を金属ベース11に強固に接合することができるとともに、クロスや合板、サイディング材、木材、タイル材を下地材28に強固に接合することができ、金属ベース11からのクロスや合板、サイディング材、木材、タイル材、下地材28の剥離や落下を確実に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0096】
10A 鉄筋付きデッキプレート
10B 鉄筋付きデッキプレート
10C 鉄筋付きデッキプレート
10D 鉄筋付きデッキプレート
10E 鉄筋付きデッキプレート
10F 鉄筋付きデッキプレート
11 金属ベース
12 上面
13 鉄筋トラス(鉄筋)
14 下面
15 天井仕上材
16 両側縁部
17 両端縁部
18 第1係合部
18a 凸状部(傾斜部分)
19 第2係合部
19a 第1傾斜部分
19b 水平部分
19c 第2傾斜部分
19d 係入開口
20 第1係合部
20a 傾斜部分
20b 係入開口
21 第2係合部
21a 傾斜部分
21b 係入部分
22 凸部(突条)
23 上端筋
24 下端筋
25 ラチス筋
26 装飾面
27 側縁部
28 下地材
29 下面
30 鉄筋トラス(鉄筋)
31 上端筋
32 下端筋
33 ラチス筋
34 連結筋
35 端部材
36 鉄筋トラス(鉄筋)
37 上端筋
38 ラチス筋
39 端部材
40 ステープル