(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136958
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】搬送ユニット、並びに、搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 39/18 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
B65G39/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167623
(22)【出願日】2021-10-12
(62)【分割の表示】P 2021036789の分割
【原出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 友哉
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033GA06
3F033GB08
3F033GE07
(57)【要約】
【課題】大きな設置場所を必要とせず、任意の方向に搬送物を搬出することができる搬送ユニット、並びに、搬送装置を提供することである。
【解決手段】駆動体4の第1動力伝達部4aは、回転力伝達部材5の駆動体側伝達部5bを介して外部と回転力の伝達が行われ、回転体2の副回転部2bは搬送物に接触せず、回転体2の主回転部2aが搬送物に接触して搬送物を付勢可能であり、支持体3は、支持軸と第2動力伝達部3aを有し、第2動力伝達部3aは、回転力伝達部材5の支持体側伝達部5aを介して外部と回転力の伝達が行われ、主回転部2a及び副回転部2bが、支持体3の支持軸に沿って取り付けられていて、支持軸を中心に互いに独立して回転可能であり、主回転部2a及び副回転部2bが、駆動体4の動力付与部と接触して少なくとも主回転部2aに回転力が付与され、支持体3と、駆動体4と、回転力伝達部材5が一体化されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と、支持体と、駆動体と、回転力伝達部材を有し、
前記回転力伝達部材は、支持体側伝達部と駆動体側伝達部を有し、
前記駆動体は、第1動力伝達部と、動力付与部を有し、
前記第1動力伝達部は、前記回転力伝達部材の駆動体側伝達部と係合し、前記駆動体側伝達部を介して外部と回転力の伝達が行われ、
前記回転体は、主回転部と副回転部を有し、
前記支持体は、支持軸と第2動力伝達部を有し、
前記第2動力伝達部は、前記回転力伝達部材の支持体側伝達部と係合し、当該支持体側伝達部を介して外部と回転力の伝達が行われ、
前記回転体の前記主回転部及び前記副回転部が、前記支持体の前記支持軸に沿って取り付けられていて、前記支持軸を中心に互いに独立して回転可能であり、
前記駆動体は、前記支持軸に対して交差する方向の第1軸芯を中心に動力によって回転し、
前記主回転部及び前記副回転部が、前記動力付与部と接触して、少なくとも前記主回転部に回転力が付与され、
前記副回転部は搬送物に接触せず、前記主回転部が搬送物に接触して当該搬送物を付勢可能であり、
前記支持体と、前記駆動体と、前記回転力伝達部材が一体化されており、
前記支持体と前記駆動体が、互いに独立して前記第1軸芯周りに回転可能であることを特徴とする搬送ユニット。
【請求項2】
前記回転力伝達部材の前記支持体側伝達部と前記駆動体側伝達部が、同一の第2軸芯上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項3】
前記駆動体は、環状構造を有する板形状を呈しており、
環状構造の前記駆動体の内周部に前記動力付与部が設けられており、
前記駆動体の外周部に前記第1動力伝達部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送ユニット。
【請求項4】
前記支持体と、前記駆動体と、前記回転力伝達部材を保持する筐体を有し、
前記筐体は、凹凸嵌合部を有し、
前記凹凸嵌合部を介して、別の前記搬送ユニットと結合できることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の搬送ユニット。
【請求項5】
前記主回転部と前記副回転部を合わせた外観形状が、球状又は樽状又は円柱状であり、前記回転体の向きに係わらず、前記主回転部と前記副回転部の前記支持軸方向の一部の周囲が前記駆動体の前記動力付与部と接し、前記主回転部と前記副回転部の他の部位は、前記動力付与部と実質的に非接触であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の搬送ユニット。
【請求項6】
前記主回転部と前記副回転部における前記駆動体の前記動力付与部と接触する部位を弾性変形可能な素材で形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の搬送ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の前記搬送ユニットが、複数、面状に配され、隣接する前記搬送ユニットの前記第1動力伝達部同士の間で動力が伝達され、隣接する前記搬送ユニットの前記第2動力伝達部同士の間で動力が伝達されることを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物を搬送する搬送装置に関するものである。また、本発明は、このような搬送装置を構成する搬送ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送物の搬送方向を切り換えることができる搬送装置(移載装置)が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているような従来の搬送装置は、コンベヤ装置のコンベヤラインの交差する部位に設けられており、搬送物の搬送方向を切り換えることができるものである。すなわち、特許文献1に開示されている搬送装置によって、搬送物の搬送方向を切り換えることにより、搬送物を所望の搬送先へ搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の搬送装置は、導入された搬送物を特定の二方向に選択的に搬出するものである。そのため、従来のコンベヤ装置で搬送物を搬送先毎に仕分けするには、複雑に枝分かれしたコンベヤラインが必要になる。
【0005】
そこで本発明は、大きな設置場所を必要とせず、任意の方向に搬送物を搬出することができる搬送ユニット、並びに、搬送装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の第一の様相は、回転体と、支持体と、駆動体と、回転力伝達部材を有し、前記回転力伝達部材は、支持体側伝達部と駆動体側伝達部を有し、前記駆動体は、第1動力伝達部と、動力付与部を有し、前記第1動力伝達部は、前記回転力伝達部材の駆動体側伝達部と係合し、前記駆動体側伝達部を介して外部と回転力の伝達が行われ、前記回転体は、主回転部と副回転部を有し、前記支持体は、支持軸と第2動力伝達部を有し、前記第2動力伝達部は、前記回転力伝達部材の支持体側伝達部と係合し、当該支持体側伝達部を介して外部と回転力の伝達が行われ、前記回転体の前記主回転部及び前記副回転部が、前記支持体の前記支持軸に沿って取り付けられていて、前記支持軸を中心に互いに独立して回転可能であり、前記駆動体は、前記支持軸に対して交差する方向の第1軸芯を中心に動力によって回転し、前記主回転部及び前記副回転部が、前記動力付与部と接触して、少なくとも前記主回転部に回転力が付与され、前記副回転部は搬送物に接触せず、前記主回転部が搬送物に接触して当該搬送物を付勢可能であり、前記支持体と、前記駆動体と、前記回転力伝達部材が一体化されており、前記支持体と前記駆動体が、互いに独立して前記第1軸芯周りに回転可能であることを特徴とする搬送ユニットである。
【0007】
ここで「軸芯」は、回転中心となる軸線の意味であり、実体の無い、仮想的な軸線を含む概念である。これに対して、「支持軸」は、実体がある「物」である。
本様相によると、搬送ユニットは、回転体と、支持体と、駆動体と、回転力伝達部材を有し、回転力伝達部材は、支持体側伝達部と駆動体側伝達部を有し、駆動体は、第1動力伝達部と、動力付与部を有し、回転体は、主回転部と副回転部を有し、支持体は、支持軸と第2動力伝達部を有する。
第1動力伝達部は、回転力伝達部材の駆動体側伝達部と係合し、駆動体側伝達部を介して外部と回転力(動力)の伝達が行われる。すなわち、駆動体は、回転力伝達部材の駆動体側伝達部を介して回転力(動力)が伝達されて回転する。
回転体の主回転部及び副回転部が、支持体の支持軸に沿って取り付けられていて、支持軸を中心に互いに独立して回転可能であり、駆動体は、支持軸に対して交差する方向の第1軸芯を中心に動力によって回転し、主回転部及び副回転部が、動力付与部と接触して、少なくとも主回転部に回転力(動力)が付与される。すなわち、駆動体が回転すると、回転体の少なくとも主回転部が回転する。
ここで「交差する方向」とは、直交する方向の他、傾斜する方向に交差する構成を含む。また「交差」とは軸同士が交わる場合の他、立体的に交差する状態を含む。即ち食い違い状態に交差する場合を含む。
主回転部は、搬送物に接触して搬送物を付勢可能であるので、主回転部が回転することにより、搬送物を搬送することができる。
ここで、支持軸は、支持軸に沿って取り付けられた主回転部と副回転部に接触した駆動体から外力(押圧力)を受ける。そのため、駆動体から支持軸に作用する力が均等化される。
換言すると、支持軸が駆動体から受ける外力(押圧力)は、支持軸における主回転部が取り付けられた部位と、副回転部が取り付けられた部位を介して支持軸に作用する。ここで、主回転部と副回転部は、支持軸に沿って取り付けられており、当該外力は、支持軸における特定の偏った部位に作用しない。
すなわち、当該外力(押圧力)が、支持軸に沿って離れた部位に分散されて作用するので、支持軸が傾くことがなく、支持軸に取り付けられた回転体の姿勢が安定する。
駆動体は、主回転部及び副回転部の双方と接触して動力を伝達するので、駆動体についても姿勢が安定する。
また、搬送物は、副回転部には接触せず、副回転部には付勢されない。換言すると、搬送物は、副回転部から付勢力を受けることがなく、副回転部が主回転部と逆向きに回転していても、搬送物は主回転部のみに付勢されて搬送される。そのため、搬送物の搬送が安定する。
一方、第2動力伝達部は、回転力伝達部材の支持体側伝達部と係合し、支持体側伝達部を介して外部と回転力(動力)の伝達が行われる。すなわち、支持体は、回転力伝達部材の支持体側伝達部を介して回転力(動力)が伝達されて回転する。支持体が回転することにより、支持軸の向きが変更され、主回転部による搬送物の付勢方向が変更される。そのため、搬送物の付勢方向(搬送方向)を変更することができる。
また、支持体と、駆動体と、回転力伝達部材が一体化されてユニット化されている。すなわち搬送ユニットは、支持体と、駆動体と、回転力伝達部材で構成が完結している。そのため、搬送ユニットの取扱いが容易である。
さらに、支持体と駆動体が、互いに独立して同じ第1軸芯周りに回転可能であるので、支持体と駆動体が占める領域は小さい。すなわち、搬送ユニットは、省スペース化を図ることができ、限られた領域に配置することができる。
【0008】
前記回転力伝達部材の前記支持体側伝達部と前記駆動体側伝達部が、同一の第2軸芯上に配置されているのが好ましい。
【0009】
この構成によれば、回転力伝達部材の支持体側伝達部と駆動体側伝達部が、同一の第2軸芯上に配置されているので、回転力伝達部材が占める領域は小さい。この回転力伝達部材が占める領域を小さくすることによって、搬送ユニットを小型化することができる。
【0010】
前記駆動体は、環状構造を有する板形状を呈しており、環状構造の前記駆動体の内周部に前記動力付与部が設けられており、前記駆動体の外周部に前記第1動力伝達部が設けられているのが好ましい。
【0011】
この構成によれば、駆動体は、環状構造を有する板形状を呈しており、環状構造の駆動体の内周部に動力付与部が設けられており、駆動体の外周部に第1動力伝達部が設けられているので、駆動体の高さ寸法を小さくすることができる。そのため、搬送ユニットの高さ寸法を小さくすることができる。
【0012】
前記支持体と、前記駆動体と、前記回転力伝達部材を保持する筐体を有し、前記筐体は、凹凸嵌合部を有し、前記凹凸嵌合部を介して、別の前記搬送ユニットと結合できるのが好ましい。
【0013】
この構成によれば、支持体と、駆動体と、回転力伝達部材を保持する筐体を有し、筐体は、凹凸嵌合部を有し、凹凸嵌合部を介して、別の搬送ユニットと結合できるので、搬送ユニット同士の位置合わせが容易であり、搬送ユニット同士を組み合わせ易い。また、搬送ユニット同士が位置ずれする懸念がない。
【0014】
前記主回転部と前記副回転部を合わせた外観形状が、球状又は樽状又は円柱状であり、前記回転体の向きに係わらず、前記主回転部と前記副回転部の前記支持軸方向の一部の周囲が前記駆動体の前記動力付与部と接し、前記主回転部と前記副回転部の他の部位は、前記動力付与部と実質的に非接触であるのが好ましい。
ここで、「実質的に」とは、主回転部と副回転部が全く接触していない状態のみならず、主回転部と副回転部が互いに相手側に力を及ぼさない程度に接触する場合を含んでいる。
【0015】
この構成によれば、主回転部と副回転部を合わせた外観形状が左右対称形となり、主回転部と副回転部を介して駆動体から支持軸に外力(押圧力)を均等に付与し易い。そして、支持軸の向きに係わらず、主回転部と副回転部の支持軸の方向の一部の周囲が駆動体と接し、主回転部と副回転部の他の部位は、駆動体と実質的に非接触であるので、主回転部及び副回転部の回転が安定する。その結果、回転体(主回転部)は、搬送物をいかなる方向にも同様に付勢することができる。
ここで、「主回転部と副回転部を合わせた外観形状」とは、隣接する主回転部と副回転部の互いに対向する部位を除き、主回転部と副回転部を含めた全体の周囲の形状(輪郭)を意味している。
【0016】
前記主回転部と前記副回転部における前記駆動体の前記動力付与部と接触する部位を弾性変形可能な素材で形成するのが好ましい。
【0017】
この構成によれば、主回転部と副回転部における駆動体と接触している部位が弾性変形し、駆動体に対する主回転部と副回転部の接触する領域が拡がる。そのため、駆動体から主回転部と副回転部に対して動力が伝達され易い。
ここで、弾性変形とは、主回転部及び副回転部の外観形状が変化してしまう程の大きな変形ではなく、駆動体が接触する部位が若干凹む程度の局部的な変形を意味している。
【0018】
前記搬送ユニットが、複数、面状に配され、隣接する前記搬送ユニットの前記第1動力伝達部同士の間で動力が伝達され、隣接する前記搬送ユニットの前記第2動力伝達部同士の間で動力が伝達されるように搬送装置を構成するのが好ましい。
【0019】
搬送ユニットは省スペース化が図られており、複数の搬送ユニットを面上に配置すると、搬送物と接触する各搬送ユニットの回転体の主回転部同士の間隔は狭い。そのため、搬送物の支持が安定する。また、搬送物の支持間隔が狭く、搬送物の重量を分散して支持することができ、搬送物の底が破損する懸念が少ない。
第1動力伝達部材同士の間、第2動力伝達部材同士の間は、例えば歯車、チェーン、ベルト等によって動力が伝達される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、搬送装置を構成する搬送ユニットを、個別にメンテナンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態に係る搬送ユニットの斜視図であり、(a)、(b)は、異なる方向から見た斜視図である。
【
図2】
図1の搬送ユニットの天板を外した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の搬送ユニットを、動力部と、当該部位を支持する筐体を分離して示す斜視図である。
【
図4】
図3において、動力部を主要構成毎に分離した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4の回転体及び支持体の分解斜視図である。
【
図6】
図5において、回転体に支持軸を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図7】
図4に示す台座を構成する底板及び駆動体の上方から見た分解斜視図である。
【
図8】
図4に示す台座を構成する底板及び駆動体の下方から見た分解斜視図である。
【
図9】回転体、駆動体、底板の分解斜視図であり、(a)、(b)は、それぞれ上方、下方から見た斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る搬送ユニットの断面図である。
【
図12】
図1(a)の搬送ユニットにおいて、回転体の方向が90度変化した状態を示す斜視図である。
【
図13】
図1の搬送ユニットが面上に配置された搬送装置の斜視図である。
【
図14】
図13の搬送装置の各搬送ユニットの回転体の向きが90度変更した状態を示す斜視図である。
【
図15】
図13の搬送装置から、1つの搬送ユニットを取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る搬送ユニット1は、回転体2、支持体3、駆動体4、回転力伝達部材5、55を備えている。また、搬送ユニット1は、駆動体4や回転力伝達部材5、55を固定する筐体11を有する。
【0023】
筐体11は、天板6、底板7、及び本体8を備えている。筐体11は、本体8の上下を、天板6と底板7で挟んだような構造を呈している。
【0024】
図3、
図4に示すように、筐体11の本体8は、四角形の外形を有し、本体8の四隅には、それぞれ柱部24が設けられている。各柱部24は、上下に延びており、上端には天板6を固定する固定部24aが設けられており、下端には底板7を固定する固定部24bが設けられている。柱部24付近には、鉛直軸周りに回転するベアリング25が設けられている。ベアリング25は、環状に配置されている。
【0025】
また、本体8の中央には孔8aが開いている。すなわち、本体8の内部には空間(孔8a)が形成されている。各ベアリング25の外周の一部が、孔8aに進入している。
本体8の外周には、凹部26が設けられている。凹部26は、四角形の四辺の中央部分が内側に凹むような形状を呈しており、隣接する柱部24の間に形成されている。凹部26は、本体8の上下方向の中央部分に設けられている。
【0026】
天板6は、四角形の板状の部材であり、中央には孔6aが設けられている。また、天板6の四辺のうちの二辺には、突出部27、127が設けられている。突出部27、127には、支持孔27a、127aが設けられている。また、天板6の他の二辺には、凹部28、128が設けられている。突出部27、127及び凹部28、128は、本体8の凹部26の位置に対応している。すなわち、突出部27、127と凹部28、128の直下に本体8の凹部26が配置されている。
【0027】
底板7は、
図7に示すように、天板6と同様の四角形の板状の部材であり、中央には孔7aが設けられている。孔7aの縁には、所定角度間隔で切欠部29が設けられている。また、底板7には、天板6と同様の突出部30、130と凹部31、131が設けられている。突出部30、130には支持孔30a、130aが設けられている。突出部30、130、凹部31、131は、本体8の凹部26の直下に配置されている。
【0028】
底板7と本体8は、四角形の四隅では密着しているが、四辺の中央部分では離間しており、開口40が形成されている。開口40から筐体11内の支持体3の第2動力伝達部3aが半径方向に突出している。
【0029】
天板6の突出部27、127の支持孔27a、127aと、底板7の突出部30、130の支持孔30a、130aは、
図1(a)に示す鉛直方向に延びる第2軸芯A2、第3軸芯A3上に配置されており、上下に一致している。
【0030】
天板6と本体8は、四角形の四隅では密着しているが、四辺の中央部分では離間しており、開口39が形成されている。開口39から筐体11内の支持体3の第2動力伝達部3aが突出している。
【0031】
図7に示すように、底板7には、環状のスラストベアリング17を介して駆動体4が設置されている。
【0032】
スラストベアリング17は、下方の固定部材18aと上方の回転部材18bの間に、複数の転動体20(
図11)を保持するリテーナリング19を有する。回転部材18bには、上向きに突出する突出係合部21が、所定角度間隔で設けられている。固定部材18aには、下向きに突出する突出係合部22が、所定角度間隔で設けられている。突出係合部22の間には、半径方向外側へ張り出す外向きフランジ部23が設けられている。
【0033】
固定部材18aの各突出係合部22は、底板7の切欠部29に係合している。また、固定部材18aの外向きフランジ部23は、底板7の孔7aの縁に当接している。すなわち固定部材18aは、底板7上に載置されており、底板7に対して相対回転が不能である。スラストベアリング17は、底板7と駆動体4の間に設置されており、底板7と駆動体4を円滑に相対回転移動させることができる。また、スラストベアリング17を使用することによって、搬送ユニット1の全高を低くすることができる。
【0034】
次に、駆動体4について説明する。
駆動体4は、
図4、
図7、
図8に示すように、環状構造を有する板形状を呈しており、外周部分には外歯歯車である第1動力伝達部4aを有し、上面側の内周部分には環状台座9が形成されている。
図7、
図8に示すように、駆動体4の内周面には凹凸係合部9aが設けられている。凹凸係合部9aの下には、内向きに張り出した内向きフランジ部13が設けられている。すなわち環状台座9は、凹凸係合部9aと内向きフランジ部13を有する。
【0035】
図4、
図7、
図8に示すように、環状台座9には、環状の回転体載置部材14(動力付与部)が取り付けられている。回転体載置部材14は、耐摩耗性を有する素材で構成されている。回転体載置部材14の上面には、環状の載置面14aが形成されている。また、回転体載置部材14の外周には、凹凸部15が設けられている。回転体載置部材14の内周には、下方に垂下して延びる筒状突出部14bが形成されている。この筒状突出部14bが駆動体4の内向きフランジ部13の内周部に係合する。すなわち、駆動体4の内部に進入して係合する。また、凹凸部15が、環状台座9側の凹凸係合部9aと係合することにより、回転体載置部材14は、環状台座9(駆動体4)に相対回転不能に一体化されている。すなわち、回転体載置部材14は、駆動体4と共に回転する。回転体載置部材14は、駆動体4と一体に構成されていてもよい。
【0036】
駆動体4の下面側には、
図8に示すように、所定角度間隔を置いて複数の係合穴16が設けられている。各係合穴16は、スラストベアリング17の回転部材18bの各突出係合部21と係合している。すなわち、駆動体4は、回転部材18b上に載置されていると共に、回転部材18bと駆動体4は、相対回転が不能である。
【0037】
駆動体4(第1動力伝達部4a)及び回転体載置部材14は、鉛直軸線である第1軸芯A1(
図1(a)、
図11)を中心に回転する。
図1(b)に示すように、駆動体4(第1動力伝達部4a)は、筐体11の凹部26と底板7の凹部31及び凹部131の間から、半径方向外向きに突出している。
【0038】
次に回転体2について説明する。
図1(a)、
図1(b)に示すように、回転体2は、主回転部2aと副回転部2bを備えている。主回転部2aは、回転体2の過半部分を占める部位であり、
図11に示すように、搬送面Sを構成する部位である。ここで搬送面Sとは、搬送物を載置し、載置した搬送物を付勢して移動させる部位によって形成される面である。一方、副回転部2bは、回転体2の全領域の一部を構成する部位である。副回転部2bは、搬送面Sよりも下方にあり、搬送物と接触することはない。
【0039】
主回転部2aと副回転部2bは、後述の支持体3の支持軸10(
図5、
図11)が貫通する貫通孔32a、32bが設けられている。主回転部2aと副回転部2bは、支持軸10に沿って取り付けられている。
【0040】
具体的には、
図11に示すように、主回転部2aの内部には、ベアリング37a、37bが設けられている。主回転部2aは、ベアリング37a、37bを介して支持軸10に円滑に回転可能に装着されている。同様に、副回転部2bの内部には、ベアリング38a、38bが設けられている。副回転部2bは、ベアリング38a、38bを介して支持軸10に円滑に回転可能に装着されている。
【0041】
主回転部2aと副回転部2bは、支持軸10周りに互いに独立して回転することが可能である。すなわち、主回転部2aと副回転部2bの間では、動力は伝達されない。また、主回転部2aと副回転部2bは、厳密には不連続であるが、主回転部2aと副回転部2bを合わせた外観形状が、球状又は樽状又は円柱状である。
【0042】
主回転部2a及び副回転部2bは、
図11に示すように、駆動体4側の回転体載置部材14の載置面14a上に載置されている。主回転部2aにおける支持軸10周りの特定の円周部と、副回転部2bにおける支持軸10周りの特定の円周部が、載置面14a上に載置されており、載置面14a(駆動体4)から動力が伝達される。すなわち、駆動体4が回転すると、主回転部2a及び副回転部2bは、それぞれ逆周りに付勢されて回転する。
【0043】
次に、支持体3について説明する。
図5、
図6に示すように、支持体3は、本体33と支持軸10を有する。
本体33は、円筒状の部材であり、上端の外周部分には外歯歯車である第2動力伝達部3aが設けられている。本体33の側壁33aには、下端から上下方向に延びるスリット34が設けられている。スリット34の上端には、大径部34aが設けられている。大径部34aの直径は、スリット34の幅よりも大きい。
【0044】
支持軸10は、回転体2(主回転部2a、副回転部2b)の貫通孔32a、32bを貫通することができる長さを有する軸部材である。支持軸10は、軸芯10aに沿ってのびており、支持軸10の両端には、それぞれ抜け止め部材35a、35bが取り付けられている。支持軸10の端部は、抜け止め部材35a、35bと係合し、支持軸10を回転不能に支持する。抜け止め部材35a、35bは、本体33のスリット34にちょうど嵌まる大きさを有している。すなわち、抜け止め部材35a、35bの上端部分は、大径部34aにちょうど嵌まる大きさである。そのため、抜け止め部材35a、35bが、スリット34に嵌まると、
図4に示すように、回転体2と支持体3が一体化される。また
【0045】
支持体3は、筐体11の本体8の孔8a内に収容されている。そして、支持体3の側壁33aの周囲には、筐体11の本体8に設置されたベアリング25(
図4)が配置されている。支持体3は、ベアリング25によって回転可能に支持されている。なお作図の都合上、
図11ではベアリング25を省略している。
【0046】
図4に示すように、支持体3は、回転体2と一体化されており、回転体2と共に、駆動体4側の回転体載置部材14(載置面14a)で支持されて、
図10に示す状態になる。そのため、支持体3(回転体2)は、第1軸芯A1(
図1(a)、
図10、
図11)を中心に回転する。
【0047】
次に、回転力伝達部材5、55について説明する。
図1~
図3に示すように、回転力伝達部材5、55は、筐体11の四辺の隣接する二面(二辺)の位置に配置されている。また、回転力伝達部材5、55は、筐体11の本体8の外側であって、凹部26に進入するように配置されている。
【0048】
回転力伝達部材5、55は、外歯歯車である支持体側伝達部5a、55a及び駆動体側伝達部5b、55bと、支軸36、136を有する。支軸36、136は、鉛直方向を向いた軸である。支軸36、136の上端付近には、支持体側伝達部5a、55aが取り付けられており、下端付近には、駆動体側伝達部5b、55bが取り付けられている。支持体側伝達部5a、55a及び駆動体側伝達部5b、55bは、ベアリングを介して支軸36、136に取り付けらており、自由回転する。
【0049】
支軸36、136の上端は、天板6の突出部27、127の支持孔27a、127aに係合している。また、支軸36、136の下端は、底板7の突出部30、130の支持孔30a、130aに係合している。すなわち、支軸36、136の両端が、筐体11に支持されている。支軸36、136は、筐体11に回転不能に固定されている。
図1(a)に示すように、支軸36、136は、第2軸芯A2、第3軸芯A3と一致している。支持体側伝達部5aと駆動体側伝達部5bは、支軸36(第2軸芯)を中心に円滑に回転可能である。また、支持体側伝達部55aと駆動体側伝達部55bは、支軸136を中心に円滑に回転可能である。
【0050】
図2、
図3に示すように、支持体側伝達部5a、55aは、開口39(凹部26の上部)から突出した支持体3の第2動力伝達部3aと係合している。また、
図3に示すように、駆動体側伝達部5b、55bは、開口40(凹部26の下部)から突出した駆動体4の第1動力伝達部4aと係合している。
【0051】
以上説明した搬送ユニット1は、支持体3(回転体2)、駆動体4、回転力伝達部材5、55が、いずれも筐体11に取り付けられている。そのため、搬送ユニット1は、非常に取扱い易い。
【0052】
次に、搬送ユニット1の動作について説明する。
【0053】
図1(a)に示す搬送ユニット1は、外部から動力を受けて、回転力伝達部材5の駆動体側伝達部5bが回転すると、駆動体側伝達部5bと係合した駆動体4(第1動力伝達部4a)に回転力(動力)が伝達され、駆動体4(第1動力伝達部4a)が回転する。駆動体4(第1動力伝達部4a)が回転すると、駆動体4(第1動力伝達部4a)と係合した回転力伝達部材55の駆動体側伝達部55b(
図3)が回転する。すなわち、搬送ユニット1は、一方の回転力伝達部材5から回転力(動力)が入力されて回転すると、他方の回転力伝達部材55も同期して回転する。よって、回転力伝達部材55を介して外部に回転力を伝達させることができる。
【0054】
駆動体4と一体の回転体載置部材14(動力付与部)の載置面14a上には、回転体2の主回転部2a及び副回転部2bが載置されている。駆動体4が回転すると、回転体載置部材14(載置面14a)も回転し、主回転部2a及び副回転部2bは、回転体載置部材14から回転力(動力)が付与されて回転する。その際、主回転部2aと副回転部2bは、互いに逆方向に回転する。
【0055】
図11に示すように、搬送面Sを構成する主回転部2aのみが天板6の孔6aから突出しており、主回転部2aのみが搬送物に対して付勢力を作用させることができる。
【0056】
一方、回転力伝達部材5の支持体側伝達部5aが回転すると、支持体側伝達部5aと係合した支持体3(第2動力伝達部3a)に回転力(動力)が伝達され、支持体3が回転する。その際、支持体3の水平姿勢の支持軸10(軸芯10a)の向きが変更され、支持軸10(軸芯10a)を回転中心として回転する回転体2の向きも、例えば、
図1(a)に示す状態から
図12に示す状態に変化する。
図1(a)と
図12とでは、軸芯10aの向きは、90度相違している。すなわち、回転体2による搬送物(図示せず)の搬送方向が90度相違している。
【0057】
また、支持体3(第2動力伝達部3a)が回転すると、支持体3(第2動力伝達部3a)と係合した回転力伝達部材55の支持体側伝達部55aにも回転力が伝達され、支持体側伝達部55aも回転する。
【0058】
ここで、主回転部2aと副回転部2bを合わせた外観形状が、球状又は樽状又は円柱状である。そのため、支持軸10の向き(回転体2の向き)が変化しても、主回転部2aと副回転部2bの支持軸10が延びる方向の一部の周囲が、駆動体4側の回転体載置部材14(動力付与部)の載置面14aと常時接する。一方、主回転部2aと副回転部2bの他の部位は、載置面14a(動力付与部)と実質的に非接触である。
【0059】
ここで、「実質的に」とは、主回転部2aと副回転部2bが全く接触していない状態のみならず、主回転部2aと副回転部2bが互いに相手側に力を及ぼさない程度に接触する場合を含んでいる。
【0060】
そのため、回転体2(主回転部2a)には、駆動体4側の回転力(動力)が伝達される状態が維持されている。また、回転体2は、支持軸10を中心に回転する主回転部2aと副回転部2bが、共に回転体載置部材14(載置面14a)上に載置されており、回転体2の重量は、バランスよく回転体載置部材14で支持されている。よって、回転体2(主回転部2a)は、円滑に回転することができる。
【0061】
ここで、回転力伝達部材5の駆動体側伝達部5bと、支持体側伝達部5aは、互いに独立して回転することができる。回転力伝達部材55の駆動体側伝達部55bと、支持体側伝達部55aも、同様に互いに独立して回転することができる。そのため、支持体3と駆動体4は、互いに独立して第1軸芯A1周りに回転可能であり、搬送物の搬送速度や、搬送物の搬送方向を自在に切り換えることができる。
【0062】
回転力伝達部材5、55の駆動体側伝達部5b、55bと、支持体側伝達部5a、55aには、外部の動力源から動力を付与することができる。また、搬送ユニット1は、別の搬送ユニット1と連結させることができる。すなわち、一方の搬送ユニット1の回転力伝達部材5の支持体側伝達部5aと駆動体側伝達部5bに、他方の搬送ユニット1の支持体3(第2動力伝達部3a)と駆動体4(第1動力伝達部4a)を係合させることができる。
【0063】
搬送ユニット1は、動力源(駆動モータ)を備えていない。そこで、回転力伝達部材5(支持体側伝達部5a、駆動体側伝達部5b)や、第1動力伝達部4a、第2動力伝達部3aに外部から動力を付与する必要がある。また、搬送ユニット1同士を連結することもできる。すなわち、搬送ユニット1同士を連結し、一方の搬送ユニット1の回転体2の動作と、他方の搬送ユニット1の回転体2の動作を連動させることもできる。
【0064】
具体的には、一方の搬送ユニット1の第2動力伝達部3a及び第1動力伝達部4aと、他方の搬送ユニット1の回転力伝達部材5の支持体側伝達部5a及び駆動体側伝達部5bを係合させることにより、両搬送ユニット1は、同期して回転体2が支持軸10周りに回転したり、回転体2が第1軸芯A1周りに旋回することができる。さらに、他方の搬送ユニット1の回転力伝達部材55(支持体側伝達部55a及び駆動体側伝達部55b)を介して、さらに別の搬送ユニット1と動力伝達することもできる。
【0065】
次に、多数の搬送ユニット1を連結させて、搬送装置50を構成する場合について説明する。
【0066】
図13は、
図1(a)に示す複数の搬送ユニット1を縦横に面状に配置した搬送装置50の斜視図である。また、
図16は、搬送装置50の平面図である。
図13、
図16に示すように、搬送装置50では、個々の隣接する搬送ユニット1同士が、前述のように動力が伝達されるように連結されている。搬送装置50では、各搬送ユニット1は、図示していない設置台(平面台)上に設置されている。
【0067】
本実施形態では、
図1(a)に示す搬送ユニット1は、筐体11の突出部27、30と、凹部28、31の形状が相違しているが、突出部27、30は、隣接する別の搬送ユニット1の凹部28、31に収容される。また、回転力伝達部材5は、隣接する別の搬送ユニット1の凹部26内に収容される。よって、搬送ユニット1同士を隙間なく隣接させることができる。ここで、突出部27、30と凹部28、31の形状を一致させると、両者は凹凸嵌合する凹凸嵌合部として機能し、両搬送ユニット1は、位置ずれしにくくなる。
【0068】
また、搬送装置50は、走行用モータ41と旋回用モータ42を備えている。走行用モータ41及び旋回用モータ42は、縦横に配列された搬送ユニット1と同様に配置されている。すなわち、縦横に配置された搬送ユニット1のうちの1つを走行用モータ41に置き換え、さらに別の搬送ユニット1を、旋回用モータ42に置き換えられている。逆に、走行用モータ41及び/又は旋回用モータ42を、搬送ユニット1と交換することも可能である。ここで、搬送装置50で使用される走行用モータ41及び旋回用モータ42の高さは、搬送ユニット1の高さ(搬送面S)よりも低い。
【0069】
走行用モータ41は、隣接する搬送ユニット1の駆動体4(第1動力伝達部4a)、又は回転力伝達部材5(駆動体側伝達部5b)と係合する出力ギヤ(ギヤ列)を有する。また、旋回用モータ42は、隣接する搬送ユニット1の支持体3(第2動力伝達部3a)、又は回転力伝達部材5(支持体側伝達部5a)と係合する出力ギヤ(ギヤ列)を有する。
【0070】
走行用モータ41を駆動すると、走行用モータ41に隣接する搬送ユニット1の駆動体4(第1動力伝達部4a)が回転駆動される。走行用モータ41に隣接する搬送ユニット1と隣接する別の搬送ユニット1の回転力伝達部材5の駆動体側伝達部5bを介して、当該別の搬送ユニット1の駆動体4(第1動力伝達部4a)も駆動される。
【0071】
そして、搬送装置50の全ての搬送ユニット1の駆動体4に回転力が伝達され、全ての搬送ユニット1の回転体2(主回転部2a)が同じ回転速度で回転する。ここで、各搬送ユニット1の駆動体4は、回転力伝達部材5(55)の駆動体側伝達部5b(55b)を介して連結されているため、各搬送ユニット1の駆動体4(回転体2)の回転方向(搬送物を付勢する方向)が一致する。
【0072】
また、旋回用モータ42を駆動すると、旋回用モータ42に隣接する搬送ユニット1の支持体3(第2動力伝達部3a)が駆動される。旋回用モータ42に隣接する搬送ユニット1と隣接する別の搬送ユニット1の回転力伝達部材5(55)の支持体側伝達部5a(55a)を介して、当該別の搬送ユニット1の支持体3(第2動力伝達部3a)も駆動される。
【0073】
そして、搬送装置50の全ての搬送ユニット1の支持体3に回転力が伝達され、全ての搬送ユニット1の回転体2(主回転部2a)が同時に旋回し、同じ方向を向く。ここで、各搬送ユニット1の支持体3は、回転力伝達部材5(55)の支持体側伝達部5a(55a)を介して連結されているため、各搬送ユニット1の支持体3(回転体2)の向きが一斉に変更される。
【0074】
例えば、
図13に示す状態から
図14に示す状態に、各搬送ユニット1の回転体2(主回転部2a)の向きが一斉に変更される。搬送装置50は、
図13に示す状態と
図14に示す状態とでは、搬送物の搬送方向が90度相違している。
【0075】
さらに、走行用モータ41及び旋回用モータ42は、同一形式の駆動モータを採用するのが好ましい。すなわち、搬送ユニット1の回転力伝達部材5の駆動体側伝達部5bや第1動力伝達部4aの高さ位置にある駆動モータの出力ギヤが、天地を逆にすると、支持体側伝達部5aや第2動力伝達部3aの高さ位置にくる駆動モータを使用するのが好ましい。このようにすることにより、共通仕様の駆動モータを、走行用モータ41として使用したり、旋回用モータ42として使用することができるようになる。
【0076】
搬送装置50は、個々の搬送ユニット1を順に連結して構成されている。そのため、特定の搬送ユニット1が故障した場合、その搬送ユニット1のみを容易に取り外すことができる。
図15は、搬送装置50から1つの搬送ユニット1を取り外した状態を示している。搬送装置50は、多数の搬送ユニット1が縦横に配置されており、1つの搬送ユニット1のみを搬送装置50から取り外すことができる。
【0077】
搬送装置50では、隣接する搬送ユニット1の支持体3(第2動力伝達部3a)、駆動体4(第1動力伝達部4a)、回転力伝達部材5(支持体側伝達部5a、駆動体側伝達部5b)、回転力伝達部材55(支持体側伝達部55a、駆動体側伝達部55b)が係合しているため、互いの回転が規制されている。すなわち、各搬送ユニット1の回転体2は、個々に無秩序に回転したり、旋回することはできず、搬送装置50全体として、搬送物の搬送速度及び搬送方向(付勢方向)を一斉に切り換えることができる。
【0078】
図13~
図16に示すように、搬送装置50における、搬送ユニット1が設けられていない空いた箇所に、走行用モータ41と旋回用モータ42を配置することができる。すなわち、搬送装置50では、搬送ユニット1と、走行用モータ41及び旋回用モータ42は置換することができる。この置換は、搬送装置50が組み上がった後であっても、容易に実施することができる。また、使用する搬送ユニット1の数や、各搬送ユニット1のレイアウトは、必要に応じて任意に設定することができる。
【0079】
図13~
図16では、走行用モータ41と旋回用モータ42を一つずつ設けた例を示したが、これらを複数設けることもできる。例えば、走行用モータ41を複数設けることにより、搬送物を付勢する力を増大させることができる。旋回用モータ42も同様である。
【符号の説明】
【0080】
1 搬送ユニット
2 回転体
2a 主回転部
2b 副回転部
3 支持体
3a 第2動力伝達部
4 駆動体
4a 第1動力伝達部
5 回転力伝達部材
5a 支持体側伝達部
5b 駆動体側伝達部
10 支持軸
11 筐体
14 回転体載置部材(動力付与部)