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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137057
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】アイスパック
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
A41D13/005 103
A41D13/005 108
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022097304
(22)【出願日】2022-06-16
(62)【分割の表示】P 2021505701の分割
【原出願日】2019-06-11
(31)【優先権主張番号】62/724,972
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/429,577
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】バロン シー ブラント
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン シー ズィー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】着用者を冷却するように構成される柔軟な冷却衣服システムを提供する。
【解決手段】冷却衣服は、着用者によって着用されるように構成されるベスト101を含み得る。ベスト101上の1つ以上のポケット106-1、106-2は、1つ以上のアイスパックを受容するように構成され得る。1つ以上のポケットは、1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み得る。1つ以上のポケットは、1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者によって着用されるように構成されるベストと;前記ベストの第1の肩領域にま
たがるように配置された少なくとも第1の肩ストラップと;1つ以上のアイスパックを受
容するように構成される前記ベスト上の1つ以上のポケットであって、前記1つ以上のポ
ケットは、前記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、前記1つ以上のポケ
ットは、前記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、1つ以上のポ
ケットと;を備える、冷却衣服。
【請求項2】
前記第1の肩ストラップは、アイスパックの少なくとも1つの開口を通って配置される
ように構成される第1の端部を含む、請求項1に記載の冷却衣服。
【請求項3】
前記1つ以上のポケットは、前記ベストの前部分上に第1のポケットおよび第2のポケ
ットを含み、前記第1のポケットおよび前記第2のポケットは、それぞれ第1のアイスパ
ックおよび第2のアイスパックを受容するように構成される、請求項1に記載の冷却衣服
【請求項4】
前記1つ以上のポケットは、前記ベストの後部分上に第3のポケットおよび第4のポケ
ットを含み、前記第3のポケットおよび前記第4のポケットは、それぞれ第3のアイスパ
ックおよび第4のアイスパックを受容するように構成される、請求項3に記載の冷却衣服
【請求項5】
第2の肩ストラップをさらに備え、前記第1の肩ストラップは、第1の端部および第2
の端部を含み、前記第2の肩ストラップは、第3の端部および第4の端部を含み、前記第
1の肩ストラップの第1の端部は、前記第1のアイスパックに締結されるように構成され
、前記第1の肩ストラップの第2の端部は、前記第3のアイスパックに締結されるように
構成され、前記第2の肩ストラップの第3の端部は、前記第2のアイスパックに締結され
るように構成され、前記第4の端部は、前記第4のアイスパックに締結されるように構成
される、請求項4に記載の冷却衣服。
【請求項6】
前記伸縮性素材は、伸縮性織布素材を含む、請求項1に記載の冷却衣服。
【請求項7】
少なくとも第1の開口を各々含む1つ以上のアイスパックと;前記1つ以上のアイスパ
ックを受容するように構成される1つ以上のポケットを含む衣服と;前記衣服の肩領域に
またがるように配置された少なくとも1つの肩ストラップであって、前記少なくとも1つ
の肩ストラップは、少なくとも第1の端部を備える、少なくとも1つの肩ストラップと;
を備えるシステムであって、前記第1の端部は、前記1つ以上のアイスパックの第1の開
口を通過して前記少なくとも1つの肩ストラップを前記1つ以上のアイスパックに固定す
るように構成される、システム。
【請求項8】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、少なくとも1つの屈曲エリアを
含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくと
も1つの第1の前部分と、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の後
部分とが相互に固着される1つ以上のエリアに対応し、前記少なくとも1つの屈曲エリア
は、充填物質で充填されるように構成されない、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、前記1つ以上のアイスパックの
うち少なくとも1つの前部分から前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後
部分を通って延びる第2の開口を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、
前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに
含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、三角形状の第2の開口を含み、
前記第2の開口の頂点は、前記衣服の中線の方向を向いている、請求項7に記載のシステ
ム。
【請求項12】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、ひし形状の第2の開口を含み、
前記第2の開口の角頂は、前記衣服の中線の方向を向いている、請求項7に記載のシステ
ム。
【請求項13】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、第2の開口を囲む複数の屈曲エ
リアを含み、前記第2の開口は、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの前
部分から前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後部分を通って延びており
、前記第2の開口は、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の開口の
下方に位置決めされる、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの肩ストラップは、第1の肩ストラップおよび第2の肩ストラップ
を含み、前記第1の肩ストラップは、前記1つ以上のアイスパックの第1のアイスパック
および第2のアイスパックに締結され、前記第2の肩ストラップは、前記1つ以上のアイ
スパックの第3のアイスパックおよび第4のアイスパックに締結される、請求項7に記載
のシステム。
【請求項15】
冷却衣服と共に使用するように構成されるアイスパックであって、前記アイスパックは
、前記アイスパックの第1の前部分と、前記アイスパックの第1の後部分とが相互に固着
される1つ以上のエリアに対応する少なくとも1つの屈曲エリアであって、前記少なくと
も1つの屈曲エリアは、充填物質で充填されるように構成されない、少なくとも1つの屈
曲エリアと;前記少なくとも1つの屈曲エリアに隣接して配置された1つ以上の開口であ
って、前記1つ以上の開口は、前記アイスパックの第2の前部分から前記アイスパックの
第2の後部分を通って延びる、1つ以上の開口と;を備える、アイスパック。
【請求項16】
前記アイスパックの上部分上に追加の開口をさらに備え、前記追加の開口は、前記アイ
スパックを固定するのに役立つよう、少なくとも1つの肩ストラップの第1の端部を受容
するために利用可能である、請求項15に記載のアイスパック。
【請求項17】
前記1つ以上の開口は、頂点を含む三角形状の開口を含み、前記頂点は、前記アイスパ
ックの側縁部の方向に向いている、請求項15に記載のアイスパック。
【請求項18】
前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記三角形状の開口の第1の側面と平行に向いて
いる第1の屈曲エリアを含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記三角形状の開口
の第2の側面と平行に向いている第2の屈曲エリアをさらに含む、請求項17に記載のア
イスパック。
【請求項19】
前記アイスパックは、第1の縁部、第2の縁部、第3の縁部および第4の縁部を含み、
前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記第1の縁部と、前記第2の縁部と、前記第3の
縁部と、前記第4の縁部と、へ延びない第1の屈曲エリアを含み、前記第1の屈曲エリア
は、前記充填物質によって完全に囲まれるように構成される、請求項15に記載のアイス
パック。
【請求項20】
前記1つ以上の開口は、ひし形状の開口を含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、
前記アイスパックの長手方向の長さに沿って、前記ひし形状の開口の角頂の上方に配置さ
れた第1の屈曲エリアを含む、請求項15に記載のアイスパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、着用者を冷却するように構成される柔軟な冷却衣服システムに関する
【背景技術】
【0002】
従来の冷却衣服(たとえば冷却ベスト)は、アイスパックなどのような冷却ベストと結
合した物品の重量または形状を十分に支持し得ない。さらに、従来の冷却衣服およびアイ
スパックは、硬性であったり、またはそうでなくても柔軟性に欠けることがあり、その結
果、着用者の身体に十分に適合しないか、または着用者の活動中に不快感を生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の態様の例は、添付図を参照して以下に詳細に記載される。
図1】本開示の態様に従って、着用者により着用された場合の例示的冷却ベストシステムの正面図を図示する。
図2】本開示の態様に従って、肩ストラップの正面図、およびポケットをより分かりやすく図示するためにポケットの第2の外層の一部を取り外した冷却衣服のポケットの正面図を図示する。
図3】本開示の態様に従って、着用者により着用された場合の冷却衣服システムの側面図を図示する。
図4】本開示の態様に従って、着用者により着用された場合の冷却衣服システムの背面図を図示する。
図5】本開示の態様に従って、例示的第1のアイスパックの正面斜視図を図示する概略図である。
図6】本開示の態様に従って、充填物質で充填された、図5のアイスパックの正面斜視図を図示する。
図7】本開示の態様に従って、例示的第2のアイスパックの正面斜視図を図示する概略図である。
図8】本開示の態様に従って、充填物質で充填された、図7のアイスパックの正面斜視図を図示する。
図9】本開示の態様に従って、開いたアイスパックの側部上面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の主題は、法定要件を満たすために、本開示の特異性をもって記載される。しか
し、記載そのものは、本開示の範囲を制限する意図はない。むしろ本発明者は、他の現在
または将来の技術と関連して、異なるステップまたは本文書で記載されるステップに類似
するステップの組み合わせを含むために、請求または開示された主題も、他の方式で具体
化され得ると考慮している。さらに、用語「ステップ」および/または「ブロック」は、
採用された方法の異なる要素を含意するために本開示において使用され得るにも拘わらず
、個々のステップの順序が明示的に記載される場合でない限り、およびその場合を除いて
、該用語は、本開示において開示された様々なステップ間の任意の特定の順序という意味
を含蓄すると解釈すべきではない。
【0005】
広い視野から見ると、本開示の特定の態様は、活動(たとえばトレーニング)の前、活
動中、および/または活動の後に、着用者を冷却するように構成される柔軟な冷却衣服シ
ステムに関する。一態様において、冷却衣服システムは、着用者によって着用されるよう
に構成されるベストと、1つ以上のアイスパックを受容するように構成されるベスト上の
1つ以上のポケットとを含み得る。このようなポケットは、非伸縮性素材を含み得る素材
の第1の内層と、伸縮性素材を含み得る素材の第2の外層とから形成され得る。ポケット
の第2の外層の伸縮性素材は、伸縮性素材の弾性特性によりアイスパックの表面積に対す
る圧力をさらに増加させながら、衣服の伸縮がアイスパックをその能力いっぱいに膨張さ
せ得るので、1つ以上のアイスパックを着用者の胴に固定するのに役立ち得る。さらに、
1つ以上のポケットの第1の内層の非伸縮性素材は、アイスパックの重量を支持するのに
役立ち得、その結果、アイスパックは垂れ下がったり、または着用者の身体上の想定され
る接点の外側に移動しない。
【0006】
なおさらなる態様において、システムは、少なくとも1つの肩ストラップの第1の端部
を受容するように構成される少なくとも第1の開口を含む1つ以上のアイスパックを含み
得る。システムは、1つ以上のアイスパックを受容するように構成される1つ以上のポケ
ットを含む衣服をさらに含み得る。肩ストラップは、衣服の肩領域にまたがるように配置
され得、1つ以上のアイスパックの第1の開口を通過するように構成される第1の端部を
含み得る。肩ストラップは、1つ以上のアイスパックを着用者の胴に固定し、アイスパッ
クの重量および形状を支持するのにさらに役立ち得る。肩ストラップは、アイスパックを
直立した延び姿勢(upright extended position)に維持する
ことにより、1つ以上のアイスパックを着用者の胴に固定するのに役立ち得、これに対し
てストラップ無しシステムでは、アイスパック内の氷が溶け始める際は特に、重力および
他の移動力により、アイスパックが折り重なったり、または圧縮されたりし得る。いくつ
かの態様において、衣服が着用時の構成にあり、アイスパックの上方部分に締結される場
合、これはアイスパックが膨張形状を維持することを可能にするが、重力がアイスパック
を下方向に引っ張ると、肩ストラップはアイスパックを直立姿勢(upright po
sition)に維持したまま、肩ストラップの特定の端部が、下方向に延びる。また肩
ストラップは、着用中に、および着用中に様々な活動(たとえばトレーニングまたはスポ
ーツ)を行う間に、アイスパックがずれたりまたは弾んだりすることを防止するのに役立
ち得る。この様にアイスパックは、肩ストラップ機構のない機構で発生し得る散発的接触
とは対照的に、着用者との継続的接触を維持し得る。
【0007】
さらに他の態様において、冷却衣服とともに使用するように構成されるアイスパックは
、少なくとも1つの屈曲エリアを含み得る。このような屈曲エリアは、アイスパックの第
1の前部分とアイスパックの第1の後部分とが相互に固着される1つ以上の点またはエリ
アに対応し得、その結果1つ以上の点または、エリアは充填物質(たとえば水)で充填さ
れていない。アイスパックは、少なくとも1つの屈曲エリアに隣接して配置された1つ以
上の第2の開口をさらに含み得る。このような開口は、アイスパックの第2の前部分から
アイスパックの第2の後部分を通って延び得る。アイスパック上の屈曲エリアおよび開口
は、アイスパックが着用者の胸または他の身体部分に比較的密接に適合することを可能に
し、可動域が概して変わらないことを可能にし得る。たとえばアイスパック上の様々な屈
曲エリアは、アイスパックの対応する部分の残りの部分が軸方向に回転または移動し得る
ジョイントまたは軸点として、効果的に動作し得る。したがって、たとえば、着用者の身
体のサイズまたは形状が変化するエリアで屈曲エリアが曲がり得るため、アイスパックは
、身体の輪郭に密接に適合し得る。別の例において、開口および屈曲エリアはまた、着用
者の特定の運動中にアイスパックの残りの部分がそのまわりを動くヒンジまたは点として
動作し得る。このような開口および/または屈曲エリアがない場合、概して着用者の運動
に応じてアイスパックが曲がることまたは折り重なることは防止され、運動中に不快感や
緊張を引き起こし得る。開口は、アイスパックの表面積を減少させ得、移動点として動作
し得、その結果、着用者が運動する場合に硬性は減少し、アイスパックは着用者の輪郭に
適合し得る。
【0008】
本開示で使用される「内」、「外」、「中間」、「横方向」、「上」、「下」、「上方
」、「下方」、「前方」、「後方」、「屈曲」、「延び」、「外転」、「内転」などの位
置および可動域の用語は、直立姿勢(すなわち解剖学的肢位)で立っている仮定の着用者
により、本開示で想定、表示および記載されたように、着用された冷却衣服に関して、そ
の一般的な意味が与えられるものとする。なおさらに、フレーズ「接触するように構成さ
れる」または着用者に関して衣服の様々な部分を記載する場合に使用されるそれに準ずる
フレーズは、特定の着用者に適切なサイズのサポート衣服を指す。本開示で使用される「
締結された」、「固定された」などの用語は、概して2つ以上の要素を、相互に固定した
関係で維持する、要素を取り付ける方法を概して指す。本開示で使用される「調整可能に
固定された」などの用語は、アイスパック表面の上部分などの別の要素に対してストラッ
プなどの少なくとも1つの要素の調整(たとえば短くしたり、または長くしたり)を可能
にする取り付け方法を指す。
【0009】
本開示で使用される用語「伸縮性素材」は、エラストマー糸を使用して形成された繊維
または素材を指す。エラストマー糸は概して、荷重を除いたときに非伸縮の状態に戻る前
に、荷重を受けて約200%より大きい最大伸縮を提供し得、一部のエラストマー糸は、
約400%の最大伸縮を提供し得る。エラストマー糸タイプの例には、SPANDEX(
登録商標)、lycra、ゴムなどが含まれる。さらに伸縮性素材または伸縮性繊維の例
として、伸縮性織布素材、伸縮性編物素材、伸縮性不織布素材などが含まれ得る。本開示
で使用される用語「非伸縮性素材」は、非エラストマー糸を使用して形成された繊維また
は素材を指し、この非エラストマー糸は概して、閾値を越えて伸縮しない(たとえば木綿
、絹、ポリエステル、通常のデニム、および/または他の非弾性ポリマー)。別の言い方
をすると、非伸縮性素材は、伸縮性素材より低い伸縮能力を有する。
【0010】
本開示で使用される用語「冷却衣服」または「衣服」は、上半身用衣服(たとえばベス
ト、シャツ、ジャケット、コート、サポート衣服など)、下半身用衣服(たとえば半ズボ
ン、パンツなど)、または上半身用衣服と下半身用衣服とを組み合わせたもの(たとえば
ユニタード、オーバーオールなど)を意味し得る。
【0011】
さて、図1に進むと、着用者102によって着用された例示的冷却衣服システム100
の正面斜視図が、本開示の態様に従って図示される。冷却衣服システム100は、ベスト
101を含むものとして示されているが、冷却衣服システム100は、代替としてまたは
追加として、シャツ、ジャケット、および/または他の着用物品などの任意の好適な冷却
衣服を含み得ることが理解される。ベスト101は、ポケット106-1と、ポケット1
06-2と、入口開口106-3と、入口開口106-4と、外層106-5とを含むポ
ケット106を含む。ポケット106-1およびポケット106-2は、ベスト101の
前方または前部分上に位置し、着用者102の胴の前部分および胸部分にまたがるように
配置される。ポケット106-1および106-2の各々は、アイスパック108-1お
よび108-2を受容するようにそれぞれ構成される(本開示では、まとめて「アイスパ
ック108」と呼ぶ)。ポケット106-1および106-2の各々は、ポケット106
-1および106-2の上部分に入口開口106-3および106-4をそれぞれ含み得
、その結果、それぞれのアイスパック108-1および108-2は、ポケット106-
1および106-2に挿入され得る。いくつかの態様において、ポケット106-1およ
び106-2の下方または底部は、入口を含み得ないので、その結果、アイスパック10
8の重量を支持し得る。冷却衣服システム100では2つのアイスパック108-1およ
び108-2ならびに2つのポケット106-1および106-2が描かれているにも拘
わらず、この数はあくまで例示にすぎないこと、および任意の好適な数量があり得ること
が理解される。たとえば、いくつかの態様において、冷却衣服システム100は、単一の
ポケットおよび対応する単一のアイスパック、または2つを超えるポケットおよび対応す
るアイスパックを備え得る。
【0012】
冷却衣服システム100は、任意選択的なスライダー機構112をさらに含み、このス
ライダー機構112は、ポケット106-1と106-2との間に配置され、いくつかの
態様においてポケット106-1および106-2の内縁部または中間縁部を形成し得る
。スライダー機構112は、ポケット106-1および106-2の長手方向または垂直
方向の長さに沿って延びるテープを含み得る。スライダー機構112は、着用者102が
ベスト101を着たり脱いだりできるように、スライダー機構112を可逆的に開閉し、
したがって、ベスト101を開閉するように構成されるスライダープル(slider
pull)を含む。冷却衣服システム100は、締結機構としてスライダー機構112を
含むにも拘わらず、ベスト101を固定するかまたは着るために、任意の好適な締結機構
が代替としてまたは追加として使用され得ることが理解される。たとえば、着用者102
がベスト101のジッパーをスライダー機構112によってかける代わりに、着用者10
2は、様々な態様において1つ以上のボタン、スナップ、または面ファスナーによってベ
スト101を固定する。
【0013】
前述のように冷却衣服システム100は、アイスパック108-1および108-2を
さらに含み、このアイスパックの各々は、アイスパック108の上方または上部分に開口
110-1および110-2をそれぞれ含む。このような開口(本開示では、まとめて「
開口110」と記載する)およびアイスパック108の上部分の残りの部分は、露出する
か、またはポケット106またはベスト101の部分で覆われないように図示される。こ
れは、着用者102がポケット106-1および106-2の入口開口106-3および
入口開口106-4から/に、アイスパック108を取り外しかつ/もしくは配置するこ
とを容易にし得、かつ/または着用者102が開口110を介して肩ストラップ104-
1および104-2をアイスパック108に締結することを容易にし得る。肩ストラップ
104-1および104-2(本開示では、まとめて肩ストラップ104と呼ぶ)は、以
下でさらに詳しく説明するように、開口110を通ってそれぞれの端部を配置することで
アイスパック108に締結または固定されるように各々構成される。アイスパック108
の上部分に取り付けられるように、肩ストラップ104は、少なくとも部分的に、ベスト
101(たとえば116-1)または着用者102の肩領域にまたがるように水平方向ま
たは横方向に向かい、ベスト101または着用者102の前方部分にまたがるように長手
方向に向かう。様々な態様において、アイスパック108は、以下でさらに詳しく説明す
るように、様々な屈曲エリアおよび追加開口を含み得る。
【0014】
ベスト101は、内層部分116-1および116-2(本開示では、まとめて「内層
116」と記載する)を含む。内層116は、ポケット106の前部分またはフェイス部
分(すなわち外層106-5)に隣接して位置決めされ、その結果、ポケット106の内
層116および外層106-5の対向表面は、互いに隣接して位置決めされる。特定の態
様において、ポケット106は、内層116と外層106-5との間の空間として形成さ
れ、外層106-5は、ポケット106が位置する場所などのベスト101の特定の部分
においてのみ存在し得る。この様に、アイスパック108-1および108-2は、内層
116と外層106-5との間に配置される。内層116は、ベスト101の最内層を備
え得、その結果、着用者102の身体表面(たとえば皮膚表面または、たとえばベース層
で覆われた着用者102の表面)に隣接して位置決めされる。
【0015】
内層部分116-1は、肩ストラップ104-1と当接し、その下に位置決めされ得る
。いくつかの態様において、肩ストラップ104は、内層116に縫い合わされるか、ま
たはそうでなければそれに恒久的に固定される。他の態様において、肩ストラップ104
は、スタンドアロンの物品であり、その結果、肩ストラップ104は、内層116に縫い
合わされたり、または恒久的に内層116に取り付けられたりすることなく、その代わり
に、たとえば面ファスナー、スナップ、ボタンなどを使用して内層116に取り外し可能
に取り付けられる。ベスト101は、スリーブなしで表示されているのではあるが、いく
つかの態様において、内層116-1は、延びて長い袖または短い袖を形成し得(たとえ
ば長袖Tシャツの袖)、その結果、着用者102の腕の一部分は覆われる(たとえば人の
腕全体から腕の手首部分までの長さ)。ベスト101は、ベスト101を着用するために
着用者102の頭を越えて配置されるように構成される、内層116の首開口付き内層部
分116-2をさらに含む。いくつかの態様において、アイスパック108の下に位置決
めされる内層116の部分(図示せず)は、ポケット106の後面または後方部を示す。
内層116または冷却衣服システム100の任意の部分は、編物メッシュ、織布素材、ナ
イロン、木綿、ポリエステル、絹などの任意の好適な素材から作成され得る。様々な態様
において、内層116、またはポケット106の後方部分は、非伸縮性織布、非伸縮性編
物、非伸縮性不織布などの非伸縮性素材から形成される。様々な態様において、外層10
6-5は、伸縮性織布、伸縮性編物、伸縮性不織布などを含む伸縮性素材から形成される
【0016】
図2は、ポケット206をより分かりやすく図示するためにポケット206の第2の外
層206-1の一部が部分的に取り外された、冷却衣服200の肩ストラップ204-1
およびポケット206の図(第1の内層206-3、第2の外層206-1の両方、およ
び下マージン206-5を示す)を図示する。いくつかの実施形態において、冷却衣服2
00は図1のベスト101を示し、逆も同様である。たとえば、いくつかの態様において
、ポケット206は、図1のポケット106-1(および/または106-2)を示し、
逆も同様である。いくつかの態様において、第1の内層206-3は図1の内層116-
1および/または内層116-2を示し、逆も同様である。同様にいくつかの態様におい
て、第2の外層206-1は、図1の外層106-5を示し、逆も同様である。例示的態
様において、第1の内層206-3は、冷却衣服200の残りの部分を形成し得る。第2
の外層206-1の内向表面は、第1の内層206-3の外向表面に隣接して位置決めさ
れ、その結果、第2の外層206-1は、冷却衣服200の外部表面の少なくとも一部分
を形成し、着用者が関連冷却衣服200を着用しているとき少なくとも部分的に見える。
態様において、第1の内層206-3は、冷却衣服200の内部(または身体に対向する
)層を備え得る。いくつかの態様において、第2の外層206-1は、伸縮性素材(たと
えば伸縮性織布素材)であるか、または伸縮性素材(たとえば伸縮性織布素材)を含み、
第1の内層206-3は、非伸縮性素材であるか、または非伸縮性素材を含む。
【0017】
ポケット206の第2の外層206-1が伸縮性素材から形成され、ポケット206の
第1の内層206-3が非伸縮性素材から形成されるように、ポケット206を構造化す
ることで、ポケット206は、アイスパックの重量を支持するとともに、アイスパックが
着用者の身体に密接に適合することを支援するように構成される。第1の内層206-3
が非伸縮性素材を含むが故に、第1の内層206-3は、挿入された姿勢または直立姿勢
でアイスパックを支持し、その結果、アイスパックは、重力によって垂れ下がったり、下
向きになったりしない。いくつかの例示的態様において、第2の外層206-1の下マー
ジン206-5も、アイスパックの垂れ下がりまたはたるみをさらに防止するために非伸
縮性素材を含む。第2の外層206-1は、概して伸縮性素材を含むが故に、挿入された
アイスパックは、非伸縮性素材を有する部分より着用者に適合し得る。これは、伸縮性素
材がアイスパックを延びた形態または直立した形態に維持し得(たとえばアイスパックは
、垂れ下がったり、ゆがんだり、曲がったりしないなど)、アイスパック、ひいては着用
者にかかる圧力を継続的に維持し得るからである。たとえば着用者は、アイスパックをポ
ケット206に挿入するために、第2の外層206-1に初張力をかけざるを得ない。し
かし、伸縮性素材の弾性的性質に起因して、アイスパックがポケット206中に完全に位
置決めされる場合に、伸縮性素材は、その元の形状に戻る弾性過程に入り得る。したがっ
て、弾性力により着用者の身体に大きな圧力がかかり得、アイスパックは、重力に逆らう
このような弾性力に起因して、折り重なったり、圧縮されたりし得ない。いくつかの態様
において、伸縮性素材では着用者は、ポケットの伸縮する能力の故に、他の硬性の非伸縮
性素材よりも簡単にアイスパックをポケットの入口中に配置することが可能である。
【0018】
肩ストラップ204-1は、たとえば連結要素のオス端部201を受容する少なくとも
第1の端部と、連結要素のメス端部203を受容する部分と、を含む。いくつかの態様に
おいて、肩ストラップ204-1の第1の端部は、アイスパック108-2の開口110
-2を通過するように構成され、オス端部201は、メス端部203内にスナップ留めま
たは固定され得、その結果、アイスパック108-2の一部分は、ループ部分205で肩
ストラップ204-1に固定される。このようにオス端部201とメス端部203が結合
する場合、肩ストラップ204-1はループを形成し、次いでアイスパック108-2は
、開口110-2を経て新しく形成されたループ部分205から延び得る。図2は、肩ス
トラップ204-1がアイスパックを冷却衣服200に締結するのに役立つスナップ機構
を含むことを図示しているが、他の態様において肩ストラップ204-1は、面ファスナ
ー、ボタン、剥離可能接着剤など、他のファスナーを含み得る。いくつかの態様において
、肩ストラップ204-1は、アイスパック108-2に調整可能に固定され得、その結
果、着用者は、肩ストラップ204-1をゆるめたり、締めたりし得る。
【0019】
図3は、本開示の態様に従って、着用者302により着用された場合の冷却衣服システ
ム300の側面図を図示する。いくつかの態様において、冷却衣服システム300は、図
1の同じ冷却衣服システム100および/または図2の冷却衣服200の側面図を示し、
逆も同様である。しかし他の態様において、冷却衣服システム100は、たとえば後部分
上にアイスパックが存在しないように、冷却ベストの前部分上にアイスパックおよびポケ
ットのみ備え得る。冷却衣服システム300は、衣服301の前部分上にポケット306
-1を含み、衣服301の後部分上にポケット306-2を含み、そのポケットの各々は
、アイスパック308-1および308-2を受容するようにそれぞれ構成される。いく
つかの態様において、前部分および/または後部分上に第2のポケットがある(図の故に
可視ではない)。
【0020】
図3は、肩ストラップ304-1がアイスパック308-1および308-2の両方を
固定および保持するのに役立ち得ることを図示する。肩ストラップ304-1の中間セク
ションは、衣服301または着用者302の肩領域にまたがるように、横方向に配置され
るか、横向きにされる。肩ストラップ304-1は、第2の端部304-2を含み、この
第2の端部304-2は、アイスパック308-2に固定または締結されるように(たと
えば図2で記述された方式で)、アイスパック308-2上の開口310-2を通って配
置されるように構成される。肩ストラップ304-1は、第1の端部304-3をさらに
含み、この第1の端部304-3は、アイスパック308-1に固定または締結されるよ
うに(たとえば図2で記述された方式で)、アイスパック308-1上の開口310-1
を通って配置されるように構成される。したがって、態様において肩ストラップ304-
1は連続物品であり、この物品は、着用者の活動中にアイスパック308-1および30
8-2がずれたりまたは弾んだりすることを防止するように、および着用者の胸と背中を
冷却するのに役立つように、正面アイスパックおよび背面アイスパックを衣服301に固
定するのに役立ち得る。さらに、肩ストラップ304-1は、アイスパック308(アイ
スパック308-2および308-2の両方を示す)を直立姿勢に維持するのに役立ち得
、その結果、アイスパック308は、その膨張形状(たとえば、折り重なったり、曲がっ
たり、捻じれたり、圧縮されたり、ゆがんだり、その他の同種の変形をしない)を維持し
、着用者302のより大きな表面積との接触を維持し得、これに対してストラップ無しシ
ステムでは、アイスパック308が、重力および他の移動力により折り重なったり、また
は圧縮されたりし得る。
【0021】
図4は、本開示の態様に従って、着用者402により着用された場合の冷却衣服システ
ム400の背面図または後方図を図示する。いくつかの態様において、冷却衣服システム
400は、図1(正面図を示す)の冷却衣服システム100の背面図を示し、逆も同様で
ある。したがって、たとえば、肩ストラップ404-1は、図1に図示する肩ストラップ
104-2と同じであり得る。同様に、肩ストラップ404-2は、図1の肩ストラップ
104-1と同じであり得る。いくつかの態様において、冷却衣服システム400は、図
3の冷却衣服システム300(側面図を示す)および/または図2の冷却衣服200の背
面を示し、逆も同様である。
【0022】
冷却衣服システム400は、ポケット406-1および406-3を含み、そのポケッ
トの各々は、アイスパック408-1および408-3を受容するようにそれぞれ構成さ
れる。肩ストラップ404-1および404-2は各々、アイスパック408-1および
408-3に締結または固定されるよう、アイスパック408-1および408-3中の
それぞれの開口を通って配置されるように構成される端部を含む。前述のように、いくつ
かの態様において、冷却衣服システム400などの冷却衣服システムは、冷却衣服システ
ム400または着用者402の前面および後面上にアイスパックを含み得、肩ストラップ
404はそれゆえ、前面および後面のアイスパック両方に締結される連続物品であり得る
。したがって、たとえば、冷却衣服システム400の冷却ベスト401は、第1の肩スト
ラップ(たとえば404-2)(第1の端部および第2の端部を含む)と、第2の肩スト
ラップ(たとえば404-1)(第3の端部および第4の端部を含む)と、を備え得る。
第1の肩ストラップ404-2の第1の端部は、冷却ベスト401の前部分上の第1のア
イスパック(たとえば108-1)に締結されるように構成され得る。第1の肩ストラッ
プ404-2の第2の端部は、加えて、冷却ベスト401の後部分上の第2のアイスパッ
ク(たとえば408-3)に締結されるように構成され得る(たとえば図2に図示する)
。第2の肩ストラップ404-1の第3の端部は、冷却ベスト401の前部分上の第3の
アイスパック(たとえば108-2)に締結されるように構成され得る。第2の肩ストラ
ップ404-1の第4の端部は、冷却ベスト401の後部分上の第4のアイスパック(た
とえば408-1)に締結されるように構成され得る。
【0023】
図5は、本開示の態様に従って、アイスパック500の正面斜視図を図示する概略図で
ある。いくつかの態様において、アイスパック500は、図1図2図3、および/ま
たは図4の冷却衣服システムについて記載されたアイスパックうち任意のものを示す。ア
イスパック500は、頂部分または上部分508を含み、この部分は、第1の開口510
を含む。第1の開口510は、肩ストラップ(たとえば肩ストラップ104-1)を受容
するために筒状の形状であり得る開放空間、スリット、または通り穴であり、その結果、
たとえば図2で描かれたように肩ストラップはアイスパック500に締結され得る。いく
つかの態様において、上部分508は、液体または物質で充填されるように構成されてい
るのではなく、ポケット入口(たとえば入口開口106-3)の外側に突出または露出す
るように構成されるパネルであり、その結果、着用者は、アイスパック500を容易に配
置するか、もしくは取り外し得、かつ/または第1の開口510を介して肩ストラップを
アイスパック500に容易に締結し得る。いくつかの態様において、上部分508は、発
泡材または他の任意のポリマーベースの素材などの任意の好適な素材であるか、またはそ
のような素材を含む。いくつかの態様において、上部分508は、アイスパック500の
本体512とは異なる素材から作られる。
【0024】
本体512は、例示的屈曲エリア516-1、516-2、516-3および516-
4(本開示では、まとめて屈曲エリア516と呼ぶ)を含み、これらの屈曲エリアは、第
2の開口514を囲むか、または第2の開口514から離れて延びる。アイスパック50
0は、屈曲エリア、開口、およびアイスパックそのものについて特定の形状、向き、数量
、および長さを図示しているが、これはあくまで例示にすぎないことと、任意の好適な形
状、向き、数量、および長さがあり得ることとが理解される。たとえば、いくつかの態様
において、第2の開口514は、図5で示される三角形とは対照的に、円形、長方形、ま
たは正方形の形状を示す。別の例において、屈曲エリア516のいくつかまたは各々は、
図5で示される筒状とは対照的に円形の形状である。
【0025】
屈曲エリア516の各々は、以下でさらに詳しく説明するように、アイスパック500
のそれぞれの第1の前部分と、アイスパック500のそれぞれの第1の後部分とが、相互
に収束するか、接合されるか、または固着されるエリアである。したがって、屈曲エリア
516-1、516-2、516-3および516-4の各々には、相互に接合または固
着されるアイスパック500の前部分および後部分がある。アイスパック500の前およ
び後は、屈曲エリア516で相互に固着されるため、この屈曲エリア516を、水などの
充填物質で充填することができない。一態様において、屈曲エリア516-1は筒状の形
状であり、縁部512-4(上部分508と本体512との間の境界によって画定される
)のすぐ下方から、第2の開口514のすぐ上へ、長手方向に延びる。屈曲エリア516
-2および516-3(これも筒状の形状)は、本体512を横切って本体512の第1
の側縁部512-1から、第2の開口514に横方向に隣接するエリアへ、斜めにまたは
対角線方向に延びる。図示されているように、例示的態様において、このような屈曲エリ
ア516-1および516-2は、第2の開口514を形成するそれぞれの縁部または側
面に対して平行にまたは実質的に平行に向いている。屈曲エリア516-4は、屈曲エリ
ア516-1に対して平行に延びており、実質的に屈曲エリア516-1と整列している
。屈曲エリア516-4は、第2の開口514のすぐ下方から、本体512の底縁部51
2-2のすぐ上(または上方)へ、本体512の長さにわたって長手方向に延びる。
【0026】
第2の開口514(またはアイスパック本体に関して述べられた任意の開口)は、アイ
スパック500の前部分またはフェイス部分からおよびそれらを通って、アイスパック5
00の後部分または背面部分を通って延びる、アイスパック本体(たとえば本体512)
中の穴または開口である。したがって、このような態様において、本体512の部分は、
第2の開口514を形成する開放空間が存在するように、第2の開口514のまわりに全
空間の境界を形成し得る。たとえば、人は、このような開口を通って見ることができ、い
くつかの態様において、いくつかの物体(たとえば指)は、開口を通過し得る。図5は、
頂点514-1を有する、三角形状の第2の開口514を図示する。いくつかの態様にお
いて、三角形状の第2の開口514の頂点514-1(不等の第3の側面またはベースに
対向する、等しい長さの2つの側面が出会う角頂として画定される)は、図1に図示する
ように、冷却衣服または着用者の中線または中間部分の方向に向いている。様々な態様に
おいて、アイスパックの本体内の開口(たとえば第2の開口514)は、屈曲エリア51
6などの屈曲エリアに隣接して、または接して配置される。第2の開口514は、本体5
12の中心の近くに、および屈曲エリア516-1と516-2との間に配置される。第
2の開口514は、アイスパック500が使用可能構成にある場合、または図1のアイス
パック108-1について図示されたように着用された場合に、屈曲エリア516-2お
よび516-3に隣接して、およびその中間にさらに配置される。
【0027】
本開示で記載のように、屈曲エリア516および第2の開口514の各々は、冷却衣服
および着用者に大きな柔軟性を与え得るだけでなく、アイスパック500を着用者に容易
に適合させ得る。たとえば屈曲エリア516-1および516-4は、本体512の長手
方向の長さの一部分にわたって延びる。したがって、着用者が腕の水平内転運動または水
平外転運動を行う場合(たとえばバットを振るために)、本体512を運動方向に移動ま
たは回転させ得、これは屈曲エリア516の長さに対して実質的に垂直であり得る。した
がって、屈曲エリア516は、効果的な軸点または軸線の役目を果たし得、その結果、本
体512はより自由に動き得、それによって着用者の可動域の拡大が可能となり、アイス
パックは着用者とより多く接触し得、これは運動中に不快感や緊張を減少させ得る。同様
に、屈曲エリア516は、効果的なジョイントの役目を果たし得、その結果、アイスパッ
ク500の本体512は、胸領域などの着用者の身体の輪郭の変化に容易に適合し得る。
別の例において、着用者が自分の胴体の屈曲運動または伸展運動(たとえば腹筋運動)を
行う場合、第2の開口514ならびに屈曲エリア516-2および516-3は、効果的
軸エリアの役目を果たし得、その結果、着用者は、同時にアイスパック500の本体51
2と着用者との最適な接触を可能にしながら、自分の胴体をより容易に屈曲および伸展さ
せ得る。したがって、このような運動において、第2の開口514は、頂点514-1で
曲がったりまたは折り重なったりし得、本体512は、屈曲または伸展している間に屈曲
エリア516-2および516-3で曲がったりまたは折り重なったりし得る。
【0028】
様々な態様において、本体512は、任意の好適な素材から作られる。たとえば本体5
12は、熱可塑性ポリウレタン素材、および/または低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどの他のポリマーから作られ得る。また、アイスパック500
のサイズは、任意の好適な長さ、幅、および厚さを含み得る。たとえば、いくつかの態様
において、本体512の幅(縁部512-2に沿った距離によって、または縁部512-
1と縁部512-3との間の距離によって画定される)は、約10cm(たとえば10c
mの±5%)である。いくつかの態様において、アイスパック500の長さ(縁部512
-1に沿った距離によって、または縁部512-4と512-2との間の距離によって画
定され、約30cm~約36cmであり、それに上部分508が付く(たとえばそれぞれ
30cmおよび36cmの±5%))。いくつかの態様において、本体512の厚さは、
流体(たとえば水)または他の充填物質を除いて約2cm~約4cm(たとえばこれらの
値の±5%)である。
【0029】
いくつかの態様においてアイスパック500は、2つの分離された層から形成され、こ
の層は、周辺(たとえば縁部512-1、512-2、および512-3)の周囲、屈曲
エリア516、および/または第2の開口514の周縁部の周囲などの特定エリアで互い
に接着される。
【0030】
図5に図示するように、屈曲エリア516は、本体512の任意の縁部に延びない。し
たがって、流体または他の充填物質は、以下でさらに詳しく説明するように、いくつかの
屈曲エリア516の各部分または屈曲エリア516の各々を囲み得る。たとえば本体51
2の第1の縁部512-1は、本体512の長手方向の長さにわたって延び得る。第2の
縁部512-2は、水平方向の幅に沿って縁部512-1から縁部512-3の一部分(
たとえばコーナ)へ延び得る。第3の縁部512-3は、縁部512-1と平行であり得
、縁部512-1と同じ距離だけ延び得る。第4の縁部512-4は、水平方向の全幅に
わたって延びており、上部分508と本体512との間の境界線を示し得、本体512の
頂部をさらに示し得る。縁部512-4は、縁部512-2と平行であり得る。図示した
例において、屈曲エリア516-1は、縁部512-4のすぐ下方から第2の開口514
の縁部のすぐ上へ、長手方向に延びる。したがって、屈曲エリア516-1は、縁部51
2-4に、および第2の開口514の縁部に延びない。それゆえ、たとえば部分512-
5および512-6は、屈曲エリア516-1が縁部へずっと延びないため、水または別
の充填物質で充填され得る。それゆえ、屈曲エリア516-1は、充填物質によって完全
に囲まれ得る。同様に、他の屈曲エリアのいくつかまたは各々も、近隣の縁部に延び得ず
、その結果、図6に示すように、充填物質が屈曲エリアの各側面を完全に囲み得る。しか
し、他の態様において、屈曲エリアは、アイスパック500の本体512の1つ以上の縁
部と当接するか、またはその縁部に延び得る。すべての態様、およびそれの任意の変形は
、本開示の態様内にあると考慮される。
【0031】
図6は、本開示の態様に従って、充填物質(たとえばジェル、水、氷など)で充填され
た、図5のアイスパック500の正面斜視図を図示する。図6は、アイスパック500が
水などの充填物質で充填された場合に、どのように見え得るかを図示する。したがって、
本体512は、屈曲エリア516-1、5-16-2、516-3、516-4、および
第2の開口514を囲むエリアの各々で膨出または膨張しているように見える。これによ
り、屈曲エリア516が、上記のようにアイスパック500の前層と後層が固着されるエ
リアであるため、屈曲エリア516は、充填物質でアイスパック500を充填しても膨出
または膨張しない。本体512がこのエリアまで続いていないため、第2の開口514も
、アイスパック500を充填しても膨出または膨張しない。したがって、水または他の充
填物質は、この空間を充填しない。また図6は、屈曲エリア516および第2の開口51
4が、流体または他の充填物質によって完璧にまたは完全に囲まれて、第2の開口514
および屈曲エリア516を囲む各エリアが、充填物質でアイスパック500を充填するこ
とを受けて膨出または膨張するように構成され得ることを図示する。
【0032】
図7は、本開示の態様に従って、例示的第2のアイスパック700の正面斜視図を図示
する概略図である。いくつかの態様において、アイスパック700は、図1図2図3
、および/または図4の冷却衣服システムについて記載されたアイスパックうち任意のも
のを示す。アイスパック700は、頂部分または上部分708を含み、この部分は、第1
の開口710を含む。第1の開口710は、肩ストラップ(たとえば肩ストラップ104
-1)を受容するために筒状の形状の開放空間、スリット、または穴であり、その結果、
たとえば図2で描かれたように肩ストラップはアイスパック700に締結され得る。いく
つかの態様において、上部分708は、液体または物質で充填されるように構成されてい
るのではなく、ポケット入口(たとえばポケット106-1)の外側に突出または露出す
るように構成されるパネルであり、その結果、着用者は、アイスパック700を容易に配
置するか、もしくは取り外し得、かつ/または第1の開口710を介して肩ストラップを
アイスパック700に容易に締結し得る。いくつかの態様において、上部分708は、発
泡材または他の任意のポリマーベースの素材などの任意の好適な素材であるか、またはそ
のような素材を含む。いくつかの態様において、上部分708は、アイスパック700の
本体712とは異なる素材から作られる。
【0033】
本体712は、第2の開口714を囲む屈曲エリア716-1および716-2(本開
示では、まとめて屈曲エリア716と呼ぶ)を含む。アイスパック700は、屈曲エリア
、開口、およびアイスパックそのものについて特定の形状、向き、数量、および長さを図
示しているが、これはあくまで例示にすぎないことと、任意の好適な形状、向き、数量、
および長さがあり得ることとが理解される。たとえば、いくつかの態様において、第2の
開口714は、図7で示されるひし形状とは対照的に、円形、三角形、長方形、または正
方形の形状を示す。別の例において、屈曲エリア716のいくつかまたは各々は、図7
示される筒状とは対照的に円形の形状である。
【0034】
屈曲エリア716の各々は、以下でさらに詳しく説明するように、アイスパック700
のそれぞれの第1の前部分と、アイスパック700のそれぞれの第1の後部分とが、相互
に固着および/またはに接合されるエリアである。したがって、屈曲エリア716-1お
よび716-2は、水などの充填物質で充填され得ない。屈曲エリア716-1は筒状の
形状であり、頂縁部712-1(アイスパック700の上部分708と本体712との間
の水平な境界)のすぐ下方から、第2の開口714のすぐ上または上方へ、長手方向に延
びる。屈曲エリア716-2は、屈曲エリア716-1に対して平行に延びており、実質
的に屈曲エリア716-1と整列している。屈曲エリア716-2は、第2の開口714
のすぐ下方から、本体512の底縁部712-2のすぐ上または上方へ、本体712の長
さにわたって長手方向に延びる。
【0035】
第2の開口714(またはアイスパック本体に関して述べられた任意の開口)は、アイ
スパックの前部分またはフェイス部分から、アイスパックの後部分または背面部分を通っ
て延びる、アイスパック本体(たとえば本体712)中の穴または開口である。したがっ
て、このような態様において、本体712の部分は、開口を形成する開放空間が存在する
ように、第2の開口714全体の境界を形成し得る。たとえば、人は、このような開口を
通って見ることができ、いくつかの態様において、いくつかの物体(たとえば指)は、開
口を通過し得る。図7は、ひし形状の第2の開口714と共に、開口714を画定する角
頂または点714-1および714-2を図示する。様々な態様において、アイスパック
の本体内の開口(たとえば第2の開口714)は、屈曲エリア716などの屈曲エリアに
隣接して、または接して配置される。例示的態様において、第2の開口714は、本体5
12の中心の近くに、および屈曲エリア716-1と716-2との間に配置される。角
頂714-1および/または頂点714-2は、冷却衣服または冷却衣服の着用者の中線
の方向に向き得る。
【0036】
屈曲エリア716および第2の開口714の各々は、冷却衣服および着用者に大きな柔
軟性を与え得るだけでなく、アイスパック700を着用者に容易に適合させ得る。たとえ
ば屈曲エリア716-1および716-2は、本体512の長手方向の長さの一部分にわ
たって延びる。したがって、着用者が腕の水平内転運動または水平外転運動を行う場合(
たとえば投げる動作)、本体712を運動方向に移動または回転させ得、これは屈曲エリ
ア716に対して実質的に垂直であり得る。したがって、屈曲エリア716は、効果的な
軸点または軸エリアの役目を果たし得、その結果、アイスパック700の本体712はよ
り自由に動き得、それによって着用者の可動域の拡大が可能となり、アイスパックは着用
者とより多く接触し得、これは運動中に不快感や緊張を減少させ得る。同様に、屈曲エリ
ア716は、効果的なジョイントの役目を果たし得、その結果、アイスパック700の本
体712は、胸領域などの着用者の身体の輪郭の変化に容易に適合し得る。別の例におい
て、着用者が自分の胴体の屈曲運動または伸展運動(たとえば腹筋運動)を行う場合、第
2の開口714は、角頂714-1および714-2で効果的軸点の役目を果たし得、そ
の結果、着用者は、同時にアイスパック700の本体712と着用者との最適な接触を可
能にしながら、自分の胴体をより容易に屈曲および伸展させ得る。したがって、このよう
な運動において、第2の開口714は、角頂714-1および714-2で曲がったりま
たは折り重なったりし得、これによりアイスパック700の本体712は、屈曲および伸
展運動中に、このようなエリアで曲がったりまたは折り重なったりし得る。
【0037】
様々な態様において、本体712は、任意の好適な素材から作られる。たとえば本体7
12は、熱可塑性ポリウレタン素材、および/または低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどの他のポリマーから作られ得る。また、アイスパック700
のサイズは、任意の好適な長さ、幅、および厚さを含み得る。たとえば、いくつかの態様
において、本体712の幅(縁部712-2に沿った距離によって画定される)は、約1
0cm(たとえば10cmの±5%)である。いくつかの態様において、アイスパック7
00の長さ(縁部712-1と712-3との間の少なくとも1つの距離によって画定さ
れる)は、上部分508が付いて約30cm~約36cm(たとえばそれぞれ30cm~
36cmの±5%)である。いくつかの態様において、本体712の厚さは、流体(たと
えば水)または他の充填物質を除いて約0.5cm~約4cm(たとえばこれらの値の±
5%)である。
【0038】
図7に図示するように、屈曲エリア716は、アイスパック700の任意の縁部に延び
ない。したがって、流体または他の物質は、屈曲エリアそれぞれの各部分を囲み得る。た
とえば本体512の第1の縁部712-1は、本体712の長手方向の長さにわたって延
び得る。第2の縁部712-2は、水平方向の幅に沿って縁部712-1から縁部712
-3の一部分(たとえばコーナ)へ延び得る。第3の縁部712-3は、縁部712-1
と平行であり得、縁部712-1と同じ距離だけ延び得る。第4の縁部712-4は、水
平方向の全幅にわたって延び得、上部分708と本体712との間の境界線を示し得る。
第4の縁部712-4は、本体712の頂部をさらに示し得る。縁部712-4は、縁部
712-2と平行であり得る。図示した例において、屈曲エリア716-1は、縁部71
2-4のすぐ下方から第2の開口714の縁部のすぐ上または上方へ、長手方向に延びる
。したがって、屈曲エリア716-1は、縁部712-4に、および第2の開口714の
縁部に延びない。それゆえ、たとえば部分712-5および712-6は、屈曲エリア7
16-1が縁部へずっと延びないため、水または別の充填物質で充填され得る。同様に、
他の屈曲エリア716-2も、近隣の縁部に延び得ず、その結果、図8に示すように、充
填物質が屈曲エリアの各側面を完全に囲み得る。しかし、他の態様において、屈曲エリア
は、1つ以上の縁部と当接するか、またはその縁部に延び得る。
【0039】
いくつかの態様においてアイスパック700は、2つの分離された層から形成され、こ
の層は、周辺(たとえば縁部712-1、712-2、および712-3)の周囲、屈曲
エリア716、および/または第2の開口714の周縁部の周囲などの特定エリアで互い
に接着される。
【0040】
図8は、本開示の態様に従って、充填物質(たとえばジェル、水、氷など)で充填され
た、図7のアイスパック700の正面斜視図を図示する。図8は、アイスパック700が
水などの充填物質で充填された場合に、どのように見え得るかを図示する。したがって、
アイスパック700の本体712は、屈曲エリア716-1、716-2および第2の開
口714の外側のエリアで膨出または膨張しているように見える。これにより、屈曲エリ
ア716が、上記のようにアイスパック700の前層と後層が固着されるエリアであるた
め、屈曲エリア716は、充填物質でアイスパック700を充填しても膨出または膨張し
ない。本体712がこのエリアまで続いていないため、第2の開口714も、アイスパッ
ク700を充填しても膨出または膨張しない。したがって、水または他の充填物質は、こ
の空間を充填しない。また図8は、屈曲エリア716および第2の開口714が、流体ま
たは他の充填物質によって完璧にまたは完全に囲まれて、第2の開口714および屈曲エ
リア716を囲む各エリアが、充填物質でアイスパック700を充填することを受けて膨
出または膨張するように構成され得ることを図示する。
【0041】
図9は、本開示の態様に従って、開いたアイスパック900の側部上面図を図示する。
いくつかの態様において、アイスパック900は、図5図8のアイスパック500アイ
スパック700の側部上面図、および/または、たとえばアイスパック108-1に関し
て本開示で記載の任意のアイスパックを示す。図9は、特定の態様に従って人がアイスパ
ック900を開いて充填物質で充填する場合、または充填物質を取り除く場合に、アイス
パックがどのように見えるかを図示する。最初、アイスパック900は閉じられ得、その
結果、本体912は密封されたままであるか、またはそうでなければ固定されたままであ
る。いくつかの態様において、本体912の固定または密封は、本体912の上部分のす
ぐ上方、および上部分908-1および908-2の底部の下方に配置されるジッパーシ
ール922によって生じる。ジッパーシール922は、互いに押された場合に密封を形成
する連動溝およびリッジを含む。ジッパーシール922が記載されているが、本体912
を閉じるために、たとえば本体912を互いに恒久的に接合するために、任意の好適な締
結機構または密封が使用され得ることが理解される。本態様に関して、アイスパック90
0は、密封に先立って充填物質で充填されるであろう。
【0042】
初回には(本体912または上部分908を開く前)、たとえば図7の上部分708で
示されるように、上部分908は一体型のものに見え得る。しかし2回目には(初回の後
)、着用者などの利用者は、上部分908-1および上部分908-2に対向する引張り
力を加えて2つの部分を相互に分離することで、アイスパック900を開き得る。この分
離が生じた場合、特定の態様において第1の開口(図7で示される第1の開口710など
)は、図9の開口910-1と開口910-2で示されるように、アイスパックに側面が
2つ(前面と後面)あるため、分割されたまたは2つの開口になったように見え得る。次
に利用者は、本体912の内側にあるキャビティ920またはブラダ開口に充填物質を挿
入することで、本体912を充填物質で充填するために、ジッパーシール922を開ける
かまたは外し得る。利用者は次に、その後の第3の回目に、充填物質を本体912内に収
納し続けるために、ジッパーシール922の溝およびリッジの部分を重ね合わせて再度密
封を形成し得る。
【0043】
図9はまた、本開示で記載のように、特定の態様に従って、屈曲エリアがどのように形
成され得るかを図示する。屈曲エリア916は、本体912の第1の前面936と第2の
後面934とが相互に収束するか、または固着されて、屈曲エリア916を形成するエリ
アを示す。したがって、利用者が充填物質でキャビティ920を充填する場合、充填物質
は、屈曲エリア916を囲むであろう。様々な態様において、前面936と後面934は
、永久接着剤、エポキシ接着剤などの任意の好適な方法で互いに接合される。
【0044】
次に続く項では、本開示で考慮されているコンセプトについて例示的態様を示す。以下
のいずれかの項は、複数の依存し合う方式で組み合わされて1つ以上の他の項に従属し得
る。さらに、依存し合う項(前の項に明示的に従属する項)の任意の組み合わせは、本開
示で考慮されている態様の範囲内にとどまりながら、組み合わされ得る。次に続く項は、
その性質上、制限的ではなく例示的である。
【0045】
項1.着用者によって着用されるように構成されるベストと;上記ベストの肩領域にま
たがるように配置された少なくとも1つの肩ストラップと;1つ以上のアイスパックを受
容するように構成される上記ベスト上の1つ以上のポケットであって、上記1つ以上のポ
ケットは、上記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、上記1つ以上のポケ
ットは、上記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、1つ以上のポ
ケットと;を備える、冷却衣服。
【0046】
項2.上記少なくとも1つの肩ストラップは、上記1つ以上のアイスパックの少なくと
も1つの開口を通って配置されるように構成される第1の端部を含む、項1に記載の冷却
衣服。
【0047】
項3.上記1つ以上のポケットは、上記ベストの前部分上に第1のポケットおよび第2
のポケットを含み、上記第1のポケットおよび上記第2のポケットは、それぞれ上記1つ
以上のアイスパックの第1のアイスパックおよび第2のアイスパックを受容するように構
成される、項1または2に記載の冷却衣服。
【0048】
項4.上記1つ以上のポケットは、上記ベストの後部分上に第3のポケットおよび第4
のポケットを含み、上記第3のポケットおよび上記第4のポケットは、それぞれ上記1つ
以上のアイスパックの第3のアイスパックおよび第4のアイスパックを受容するように構
成される、項3または2に記載の冷却衣服。
【0049】
項5.第1の肩ストラップおよび第2の肩ストラップをさらに備え、上記第1の肩スト
ラップは、第1の端部および第2の端部を含み、上記第2の肩ストラップは、第3の端部
および第4の端部を含み、上記第1の肩ストラップの第1の端部は、上記第1のアイスパ
ックに締結されるように構成され、上記第1の肩ストラップの第2の端部は、上記第3の
アイスパックに締結されるように構成され、上記第2の肩ストラップの第3の端部は、上
記第2のアイスパックに締結されるように構成され、上記第4の端部は、上記第4のアイ
スパックに締結されるように構成される、項4、3、2または1に記載の冷却衣服。
【0050】
項6.上記伸縮性素材は、伸縮性織布素材を含む、項1、2、3、4または5に記載の
冷却衣服。
【0051】
項7.少なくとも第1の開口を各々含む1つ以上のアイスパックと;上記1つ以上のア
イスパックを受容するように構成される1つ以上のポケットを含む衣服と;上記衣服の肩
領域にまたがるように配置された少なくとも1つの肩ストラップであって、上記少なくと
も1つの肩ストラップは、少なくとも第1の端部を備える、少なくとも1つの肩ストラッ
プと;を備えるシステムであって、上記第1の端部は、上記1つ以上のアイスパックの第
1の開口を通過して上記少なくとも1つの肩ストラップを上記1つ以上のアイスパックに
固定するように構成される、システム。
【0052】
項8.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、少なくとも1つの屈曲エ
リアを含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記1つ以上のアイスパックのうち少
なくとも1つの第1の前部分と、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第
1の後部分とが相互に固着される1つ以上のエリアに対応し、上記少なくとも1つの屈曲
エリアは、充填物質で充填されるように構成されない、項7に記載のシステム。
【0053】
項9.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、上記1つ以上のアイスパ
ックのうち少なくとも1つの前部分から上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1
つの後部分を通って延びる第2の開口を含む、項7または8に記載のシステム。
【0054】
項10.上記1つ以上のポケットは、上記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材
を含み、上記1つ以上のポケットは、上記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材
をさらに含む、項7、8または9に記載のシステム。
【0055】
項11.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、三角形状の第2の開口
を含み、上記第2の開口の頂点は、上記衣服の中線の方向を向いている、項7、8、9ま
たは10に記載のシステム。
【0056】
項12.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、ひし形状の第2の開口
を含み、上記第2の開口の角頂は、上記衣服の中線の方向を向いている、項7、8、9ま
たは10に記載のシステム。
【0057】
項13.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、第2の開口を囲む複数
の屈曲エリアを含み、上記第2の開口は、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも
1つの前部分から上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後部分を通って延
びており、上記第2の開口は、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1
の開口の下方に位置決めされる、項7、8、9または10に記載のシステム。
【0058】
項14.上記少なくとも1つの肩ストラップは、第1の肩ストラップおよび第2の肩ス
トラップを含み、上記第1の肩ストラップは、上記1つ以上のアイスパックの第1のアイ
スパックおよび第2のアイスパックに締結され、上記第2の肩ストラップは、上記1つ以
上のアイスパックの第3のアイスパックおよび第4のアイスパックに締結される、項7、
8、9または10に記載のシステム。
【0059】
項15.冷却衣服と共に使用するように構成されるアイスパックであって、上記アイス
パックは、上記アイスパックの第1の前部分と、上記アイスパックの第1の後部分とが相
互に固着される1つ以上のエリアに対応する少なくとも1つの屈曲エリアであって、上記
1つ以上のエリアは、充填物質で充填されるように構成されない、少なくとも1つの屈曲
エリアと;上記少なくとも1つの屈曲エリアに隣接して配置された1つ以上の開口であっ
て、上記1つ以上の開口は、上記アイスパックの第2の前部分から上記アイスパックの第
2の後部分を通って延びる、1つ以上の開口と;を備える、アイスパック。
【0060】
項16.上記アイスパックの上部分上に追加の開口をさらに備え、上記追加の開口は、
上記アイスパックを固定するのに役立つよう、少なくとも1つの肩ストラップの第1の端
部を受容する、項15に記載のアイスパック。
【0061】
項17.上記1つ以上の開口は、頂点を含む三角形状の開口を含み、上記頂点は、上記
アイスパックの側縁部の方向に向いている、項15または16に記載のアイスパック。
【0062】
項18.上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記三角形状の開口の第1の側面と平行
に向いている第1の屈曲エリアを含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記三角形
状の開口の第2の側面と平行に向いている第2の屈曲エリアをさらに含む、項17または
16に記載のアイスパック。
【0063】
項19.上記アイスパックは、第1の縁部、第2の縁部、第3の縁部および第4の縁部
を含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記第1の縁部と、上記第2の縁部と、上
記第3の縁部と、上記第4の縁部と、へ延びない第1の屈曲エリアを含み、上記第1の屈
曲エリアは、上記充填物質によって完全に囲まれるように構成される、項15、16、1
7または18に記載のアイスパック。
【0064】
項20.上記1つ以上の開口は、ひし形状の開口を含み、上記少なくとも1つの屈曲エ
リアは、上記アイスパックの長手方向の長さに沿って、上記ひし形状の開口の角頂の上方
に配置された第1の屈曲エリアを含む、項15、16、17または18に記載のアイスパ
ック。
【0065】
本開示の態様は、限定的ではなく例示的であるという意図の元に記述されている。代替
の態様は、その範囲から逸脱しないことが、当業者であれば明らかであろう。当業者であ
れば、本開示の範囲から逸脱することなく前述の改良を実装する代替手段を開発し得る。
【0066】
特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせに関
係なく採用され得、特許請求の範囲内で考慮されていることが理解されよう。様々な図で
リストされているすべてのステップは、記載されている特定の順序で実施される必要はな
い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却衣服と共に使用するように構成されるアイスパックであって、
前記アイスパックの第1の前部分と、前記アイスパックの第1の後部分とが相互に固着される1つ以上のエリアに対応する少なくとも1つの屈曲エリアであって、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、充填物質で充填されるように構成されない、少なくとも1つの屈曲エリアと、
前記少なくとも1つの屈曲エリアに隣接して配置された1つ以上の開口であって、前記1つ以上の開口は、前記アイスパックの第2の前部分から前記アイスパックの第2の後部分を通って延びる、1つ以上の開口と、
を備えるアイスパック。
【請求項2】
前記アイスパックの上部分上に追加の開口をさらに備え、前記追加の開口は、前記アイスパックを固定するのに役立つよう、少なくとも1つの肩ストラップの第1の端部を受容するために利用可能である、請求項1に記載のアイスパック。
【請求項3】
前記1つ以上の開口は、頂点を含む三角形状の開口を含み、前記頂点は、前記アイスパックの側縁部の方向に向いている、請求項1に記載のアイスパック。
【請求項4】
前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記三角形状の開口の第1の側面と平行に向いている第1の屈曲エリアを含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記三角形状の開口の第2の側面と平行に向いている第2の屈曲エリアをさらに含む、請求項1に記載のアイスパック。
【請求項5】
前記アイスパックは、第1の縁部、第2の縁部、第3の縁部および第4の縁部を含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記第1の縁部と、前記第2の縁部と、前記第3の縁部と、前記第4の縁部と、へ延びない第1の屈曲エリアを含み、前記第1の屈曲エリアは、前記充填物質によって完全に囲まれるように構成される、請求項1に記載のアイスパック。
【請求項6】
前記1つ以上の開口は、ひし形状の開口を含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記アイスパックの長手方向の長さに沿って、前記ひし形状の開口の角頂の上方に配置された第1の屈曲エリアを含む、請求項1に記載のアイスパック。
【外国語明細書】