IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャネル パフュームズ ビューテの特許一覧

特開2022-137078アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物、それを得る方法、およびそれを含む化粧品または医薬品組成物
<>
  • 特開-アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis  vulneraria)の地上部のアルコール抽出物、それを得る方法、およびそれを含む化粧品または医薬品組成物 図1
  • 特開-アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis  vulneraria)の地上部のアルコール抽出物、それを得る方法、およびそれを含む化粧品または医薬品組成物 図2
  • 特開-アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis  vulneraria)の地上部のアルコール抽出物、それを得る方法、およびそれを含む化粧品または医薬品組成物 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137078
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物、それを得る方法、およびそれを含む化粧品または医薬品組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20220913BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20220913BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20220913BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/02
A61K36/48
A61P17/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022099327
(22)【出願日】2022-06-21
(62)【分割の表示】P 2018232956の分割
【原出願日】2018-12-12
(31)【優先権主張番号】17306870.1
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508283406
【氏名又は名称】シャネル パフュームズ ビューテ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(72)【発明者】
【氏名】トリビオ,アリクス
(72)【発明者】
【氏名】ワインバーグ,リオネル
(72)【発明者】
【氏名】ルリソン,アニー
(72)【発明者】
【氏名】ジレ,マエヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ボーイソー-カディオ エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ルジューン フランソワ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物、それを得る方法、それを含む化粧品または皮膚科用組成物、ならびに特に皮膚の脱色素における、その化粧品または皮膚科用の使用を提供する。
【解決手段】アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物であって、
a)少なくとも1種のアルコール溶媒で、アンティリス・ブルネラリアの地上部を抽出するステップ、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過するステップ、および
d)得られた濾液から前記溶媒を除去し、次いで、別のアルコール溶媒中に最終希釈するステップ
を含む方法によって得ることができる、抽出物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物で
あって、
a)少なくとも1種のアルコール溶媒で、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vuln
eraria)の地上部を抽出するステップ、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過するステップ、および
d)得られた濾液から前記溶媒を除去し、次いで、別のアルコール溶媒中に最終希釈する
ステップ
を含む方法によって得ることができる、抽出物。
【請求項2】
前記ステップa)の前記アルコール溶媒が、1から4個の炭素原子を含む一価アルコー
ル、好ましくはエタノールであることを特徴とする、請求項1に記載のアンティリス・ブ
ルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物。
【請求項3】
前記ステップa)の前記抽出が、40℃から60℃の間の温度で、2から6時間の間の
時間、実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載のアンティリス・ブルネラ
リア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物。
【請求項4】
前記地上部が、花、葉、茎、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulner
aria)の地上部のアルコール抽出物。
【請求項5】
前記ステップa)が2回実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項
に記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽
出物。
【請求項6】
前記ステップb)の前記デカントが、2℃から30℃の間の温度で、12時間から30
時間の間の時間、実施されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の
アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物。
【請求項7】
前記ステップa)で得られた前記混合物が、デカントの前記ステップb)の前に、好ま
しくはメッシュサイズが50μmから100μmのスクリーンで篩い分けされることを特
徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyl
lis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物。
【請求項8】
前記ステップc)とd)との間に、c)で得られた前記濾液を好ましくは活性炭への吸
着により退色させるステップ、次いで、前記退色させた濾液を濾過する1つまたはいくつ
かのステップを加えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテ
ィリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物。
【請求項9】
前記ステップd)の前記除去が蒸発によって行われ、次いで、前記最終希釈が1,3-
プロパンジオール中で実施されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記
載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物
【請求項10】
前記方法が、濾過するステップe)を実施することを特徴とする、請求項1から8のい
ずれか一項に記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のア
ルコール抽出物。
【請求項11】
a)予め乾燥され細かく砕かれたアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria
)の花、葉、および茎の混合物を、エタノールで、50℃から70℃の間の温度で2時間
から5時間かけて第1の抽出を行うステップ、
a’)ステップa)で得られた生成物を、エタノールで、50℃から70℃の間の温度で
2時間から5時間かけて第2の抽出を行い、50μmから100μmで篩い分けするステ
ップ、
b)a)およびa’)で得られた濾液の混合物を、2℃から30℃の間の温度で少なくと
も12時間デカントするステップ、
c)b)で得られた前記デカントされた混合物を濾過して、濾液を得るステップ、
- c)で得られた前記濾液を活性炭への吸着により退色させるステップ、次いで
- 前記退色させた濾液を閾値1μmまで濾過するステップ、および
d)蒸発により得られた前記濾液から前記エタノールを除去し、次いで、1,3-プロパ
ンジオール中に、好ましくは水/1,3-プロパンジオールの混合物中に最終希釈するス
テップ、
e)濾過閾値4μmまで濾過するステップ
を含む方法によって得ることができることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一
項に記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール
抽出物。
【請求項12】
アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部を抽出する方法であっ
て、
a)少なくとも1種のアルコール溶媒で、前記アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis
vulneraria)の地上部を抽出するステップ、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過するステップ、および
d)得られた濾液から前記溶媒を除去し、次いで、別のアルコール溶媒中に最終希釈する
ステップ
を含む、方法。
【請求項13】
皮膚色を統一および/または色素による障害を補正するための、請求項1から10のい
ずれか一項に記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のア
ルコール抽出物の化粧品への使用。
【請求項14】
脱色素剤、および/またはホワイトニング剤、および/またはライトニング剤および/
またはメラニン合成阻害剤としての請求項1から10のいずれか一項に記載のアンティリ
ス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物の化粧品への使
用。
【請求項15】
化粧品としてまたは薬学的に許容される媒体中に、請求項1から10のいずれか一項に
記載のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出
物を含む化粧品または皮膚科用組成物。
【請求項16】
局所的投与に適していることを特徴とする、請求項14に記載の化粧品または皮膚科用
組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部の抽出物、
それを得る方法、それを含む化粧品または医薬品組成物、および種々な化粧品への使用に
関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚の色は、種々な要因、特に季節、人種および性別によって決まる。ヒトの皮
膚の色は、主に、メラノサイトにより生成されたメラニンの性質および濃度によって決定
される。メラノサイトは、特定の細胞小器官であるメラノソームを介してメラニンを合成
する、特殊化された樹状細胞である。さらに、人生のさまざまな期間に、皮膚およびさら
にとりわけ手に不均質性を与える、黒っぽいおよび/またはさらに色づいた斑点が見られ
る人がいる。これらの斑点は皮膚の表面に存在するケラチノサイト中のかなりな濃度のメ
ラニンにもよる。
【0003】
効果的な、害のない局所的脱色素物質の使用は、妊娠中(「妊娠マスク」または肝斑)
またはエストロゲンとプロゲスチンの併用の避妊中に起こる特発性黒皮症などのメラノサ
イトの活動過多による局所的な色素沈着過剰、光線性黒子と呼ばれる茶色の年齢斑などの
良性のメラノサイトの活動過多および増殖による限局性色素沈着過剰、おそらくは光増感
または損傷後の瘢痕形成による偶発的な色素沈着過剰、ならびに白斑のような特定の白質
皮膚の処置のために、特に求められている。損傷を受けた皮膚を再着色することができな
い後者(皮膚に白斑を与える傷跡になり得る瘢痕形成)の場合、皮膚全体に均質な白い皮
膚色を与えるために、残存する正常な皮膚の領域の脱色素を履行する。
【0004】
ある物質が、メラニン形成が起こる表皮メラノサイトの生命力に直接作用する場合、お
よび/またはある物質が、メラニン形成に関与する酵素の一つを阻害することによって、
またはメラニンの合成連鎖、すなわち、ブロックすることができ、したがって脱色素を確
実にする連鎖の化合物の一つの構造類似体としてそれ自体を挿入することによって、メラ
ニンの生合成におけるステップの一つに干渉する場合、その物質は脱色素または抗脱色素
であると認識される。
【0005】
最近、色素沈着とセストリン遺伝子ファミリー(SESN)、特にSESN1とSES
N2との間の関連性が確立された。実際、欧州特許出願公開第2015/072080号
明細書で出願人により確立されたように、紫外線に曝露されたメラノサイトではそれらの
遺伝子発現レベルが変更されていた。さらに、多くの科学出版物は、SESNも酸化スト
レスによって誘発される損傷の制限に介入することを示している。
【0006】
脱色素に最も高頻度に使用される化粧品物質は、より特定すると、アスコルビン酸およ
びアスコルビルグルコシドを含むその誘導体、ならびに特定の植物抽出物(特に甘草(li
quorice))である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2015/072080号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、効果的で、天然由来で、忍容性の良好な、ヒトの皮膚の新しいホワイトニング
剤が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この点において、特定の方法で得られたアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vuln
eraria)の地上部のアルコール抽出物は、メラノサイトのメラニン合成を減少させるその
作用を介して、色素沈着および皮膚の色合いの統一に関して興味深い作用を有することを
出願人はこのほど見つけた。実際、実施例で示したように、本発明によるアンティリス・
ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物は、興味深い化粧品
特性を有し、特にメラノサイトおよびケラチノサイト中でのSESN2の発現誘導により
、皮膚のホワイトニング作用を可能にした。そのSESN2の発現誘導における作用は、
加齢による皮膚の変質の予防および/または減弱も可能にする。
【0010】
したがって、本発明は、第1の態様によれば、アンティリス・ブルネラリア(Anthylli
s vulneraria)の地上部のアルコール抽出物であって、
a)少なくとも1種のアルコール溶媒で、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vuln
eraria)の地上部を抽出するステップ、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過するステップ、および
d)得られた濾液から溶媒を除去し、次いで、別のアルコール溶媒中に最終希釈するステ
ップ
を含む方法によって得ることができる、アルコール抽出物に関する。
したがって、本出願においては、このような抽出物を本発明による抽出物と呼ぶ。
【0011】
本発明は、また、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部を抽
出する方法であって、
a)少なくとも1種のアルコール溶媒で、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vuln
eraria)の地上部を抽出するステップ、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過するステップ、および
d)得られた濾液から溶媒を除去し、次いで、別のアルコール溶媒中に最終希釈するステ
ップ
を含む、方法にも関する。
【0012】
本発明は、また、化粧品としてまたは薬学的に許容される媒体中に、本発明によるアン
ティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物を含む化
粧品または皮膚科用組成物に関する。化粧品としてまたは薬学的に許容される媒体という
用語は、皮膚、粘膜および付属物に適合する媒体を意味する。好ましくは、本発明による
化粧品または皮膚科用組成物は局所投与に適している。
【0013】
したがって、本発明による抽出物を得る方法は、
a)少なくとも1種のアルコール溶媒で、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vuln
eraria)の地上部を抽出するステップ、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過するステップ、および
d)得られた濾液から溶媒を除去し、次いで、別のアルコール溶媒中に最終希釈するステ
ップ
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例3のSESN2の遺伝子発現におけるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出物の効果を示す図である。
図2】実施例4の培養中のヒトメラノサイト中でのメラニン合成に対するアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出物の効果を示す図である。
図3】実施例4の培養中のヒトメラノサイト中でのメラニン合成に対するアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出物の効果(アンティリスで処理した細胞の溶解物の外観)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施された原材料はアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部か
ら構成される。
【0016】
アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)は、またブルネラリア、アルプ
スのお茶、砂地のクローバーとも呼ばれ、マメ(Fabaceae)科の、一年生または多年生の
短命な草本の植物である。地被植物として広がる、高さ20から60cmの低い植物であ
る。絹のような毛で覆われたダークグリーンの葉の密集したロゼットを有する。その花部
は黄色がかったオレンジで、頂部にまとまっており、全てがガクであり、5月から8月に
見られ、より高い標高では9月まで見られる。しばしば海岸および乾いた大草原、山芝生
および森林地域の日当たりのよい場所で育つ好光性種である。3,200mまでの広い標
高幅を持ち、寒さおよび干ばつに対する高い抵抗力を有する。
【0017】
早い成長および深く根付く根茎により、表土の迅速な安定化を確実にする。先駆植物で
あり、有機材料に乏しい基質を使用することができ、傷んだ土地に入植して定住できる。
すべてのマメ科(Fabaceae)と同様に、空気から窒素を固定するその能力は、土を早く肥
やすことができるので、他の植物の成長を促進する。
【0018】
次のような沢山の亜種が存在する、
・アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria L.)亜種 アルペストリス(キ
ット)(alpestris)(Kit.)Asch.&Gr.
・アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria L.)亜種 ボシィ(bocsii)
・アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria L.)亜種 マリティマ(maritim
a)
・アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria L.)亜種 ルブリフォリア(rub
rifolia)
・アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria L.)亜種 ブルネラリア(vulne
raria)
【0019】
本発明による使用されるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上
部は、一般的に花、葉、茎、およびこれらの混合物から選択される。好ましくは、使用さ
れる地上部はアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の花、葉、および茎
の混合物である。好ましくは、これらの地上部は前もって乾燥され、次いで、一般的な方
法で、好ましくは、2cmより小さいサイズの粉状を得るために、粉砕して粉々にされた
【0020】
ステップa)で、地上部は、例えば、
- C1~C4一価アルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノール、
および
- ジオール、例えばプロピレングリコール、1,3-プロパンジオールまたはジプロピ
レングリコール
から選択される1種または数種のアルコール溶媒による抽出に供される。
【0021】
好ましくは、アルコール溶媒は2から4個の炭素原子を含む一価アルコールであり、さ
らに好ましくはエタノールである。
【0022】
抽出は一般的に、温度範囲が、例えば、周囲温度から80℃において、およそ30分か
ら8時間の時間、先に言及した1種または数種の溶媒中に地上部を浸すまたはこれを溶媒
中で穏やかに撹拌することによって実施される。好ましくは、ステップa)の抽出は、4
0℃から60℃の間の温度で、2から6時間の間の時間、実施される。
【0023】
特に、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)/アルコール溶媒の重量
比は、1/1から1/20の間であり、好ましくは1/10である。
【0024】
特定の実施形態によれば、ステップa)の抽出は2回実施される。
【0025】
ステップa)で得られた混合物は、次いで、少なくとも10時間デカントされ、これは
ステップb)である。好ましくは、ステップb)のインキュベーションは、2℃から30
℃の間の温度で、12時間から30時間の間の時間、実施される。さらに好ましくは、デ
カントは好ましくは4から20℃の間の温度で、終夜、好ましくは12時間から15時間
実施される。
【0026】
ステップa)で得られた混合物は、植物残渣を除去するために、デカントのステップb
)の前に篩い分けしてもよい。有利には、篩い分けは50μmから100μmの間のメッ
シュサイズのスクリーンで実施される。
【0027】
ステップb)の終わりに得られたデカントされた混合物は、次いで、不溶性物質を除去
するために濾過され、これはステップc)である。好ましくは、b)で得られた抽出物の
濾過は4μmの膜で実施される。好ましくは透明の液体濾液が得られる。
【0028】
最後に、液体濾液に存在する溶媒を除去し、次いで、濾液の残りは別のアルコール溶媒
で希釈され、これはステップd)である。ステップd)で使用されたアルコール溶媒は、
ステップa)で使用されたアルコール溶媒とは異なるため、「他のアルコール溶媒」と呼
ばれる。この制限を考慮して、アルコール溶媒は一般的に、ステップa)のものと同じ群
、例えばC1~C4一価アルコールおよびジオールから選択される。
【0029】
好ましくは、ステップd)での溶媒除去は蒸発によって行われる。好ましくは、最終希
釈はジオール、好ましくは1,3-プロパンジオール中で実施される。特に、最終希釈は
、水と1,3-プロパンジオールとの混合物によって実施されてもよい。例えば、1,3
-プロパンジオール80%、水10%から構成される溶媒の混合物を粉体10%(重量/
重量)に添加する。濾液の可溶化を促進するために、エタノールを添加し、蒸発によって
除去してもよい。
【0030】
好ましくは、ステップc)とd)との間に、c)で得られた濾液を退色させるステップ
を加える。退色は、濾液中に存在するクロロフィルおよびキサントフィルのような色素を
活性炭上に吸着させることで実施されてもよく、この退色のステップの後に、得られた退
色させた濾液を、特に濾過閾値1μmまで濾過媒体上で濾過する1つまたはいくつかのス
テップが続いてもよい。
【0031】
特定の実施形態によれば、本発明による方法はさらに、特に濾過閾値4μmまで濾過す
るステップe)を実施する。
【0032】
好ましくは、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地
上部のアルコール抽出物は、
a)予め乾燥され細かく砕かれたアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)
の花、葉、および茎の混合物を、エタノールで、50℃から70℃の間の温度で2時間か
ら5時間かけて第1の抽出を行い、50μmから100μmで篩い分けするステップ、
a’)ステップa)で得られた生成物を、エタノールで、50℃から70℃の間の温度で
2時間から5時間かけて第2の抽出を行い、次いで、100μmで篩い分けするステップ
b)a)およびa’)で得られた濾液の混合物を、2℃から30℃の間の温度で少なくと
も12時間かけてデカントするステップ
c)b)で得られたデカントされた混合物を濾過して濾液を得るステップ、
- c)で得られた濾液を活性炭への吸着により退色させるステップ、次いで
- 退色させた濾液を濾過閾値1μmまで濾過するステップ
および
d)蒸発により得られた濾液からエタノールを除去し、次いで、1,3-プロパンジオー
ル中に、好ましくは水/1,3-プロパンジオールの混合物中に最終希釈するステップ
e)濾過閾値4μmまで濾過するステップ
を含む方法によって得ることができる。
【0033】
有利には、本発明による実施された抽出物は透明色である。
【0034】
また、前記抽出物は、それらが濃縮された形態のとき、通常エマルジョンの形の化粧品
または皮膚科用組成物において、活性を得るために必要な濃度で遭遇する製剤の問題を起
こすことなく、また、通常の方法によって得られた植物抽出物に反して濃い色を有するこ
となく使用することができる、十分に濃縮された形態を有する。
【0035】
したがって、本発明による抽出物は、化粧品または皮膚科用組成物の調製に直接使用す
ることができる。
【0036】
後の態様によれば、本発明は、皮膚色を統一および/または色素による障害を補正する
ための、脱色素剤、および/またはホワイトニング剤、および/またはライトニング剤と
しての、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部の
アルコール抽出物の化粧品への使用に関する。
【0037】
実際、有利には、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)
の地上部のアルコール抽出物は、メラニンの合成を減少することを可能にする、生理的メ
カニズムに関していくつかの興味ある作用を有することが解った。
【0038】
したがって、本発明は、さらに特定すると、メラニン合成阻害剤としての、本発明によ
るアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物の
化粧品への使用に関する。
【0039】
有利には、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上
部のアルコール抽出物は、メラノサイトおよび/またはケラチノサイト中でのSESN2
の発現に関して有利な活性を有することがわかった。
【0040】
本発明は、また、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)
の地上部のアルコール抽出物の、メラノサイトおよび/またはケラチノサイト中でのSE
SN2の発現の活性剤としての使用にも関する。
【0041】
本発明は、また、さらに好ましくは、特にメラニン合成の阻害作用による、皮膚の脱色
素および/またはホワイトニングのための、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(
Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール抽出物の化粧品への使用に関する。
【0042】
本発明は、さらには、酸化防止剤および/または皮膚の微小循環を改善する作用剤とし
ての、ならびに/あるいは加齢による皮膚の変質の予防および/または減弱のための、本
発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコール
抽出物の化粧品への使用に関する。
【0043】
本発明は、また、後の態様によれば、化粧品としてまたは薬学的に許容される媒体中に
、本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコ
ール抽出物を含む化粧品または皮膚科用組成物に関する。好ましくは、前記抽出物は、組
成物の総重量に対して、0.001から10%の割合で、特に、組成物の総重量に対して
、0.01から10%の割合で、さらに好ましくは0.1から10%の割合で、化粧品ま
たは皮膚科用組成物中に存在する。前記化粧品または皮膚科用組成物は、特に局所投与に
適している。
【0044】
有利には、前記化粧品または皮膚科用組成物は、粉末、エマルジョン、マイクロエマル
ジョンン、ナノエマルジョン、サスペンション、ローション、クリーム、水性または水性
アルコールジェルの溶液、泡、セラム、エアゾールのための溶液または分散液、または脂
質の小胞の分散液の形状を有することができる。
【0045】
エマルジョンの場合、これは油中水型または水中油型のエマルジョンであってもよい。
【0046】
本発明による化粧品または皮膚科用組成物は、種々な成分および投与形態に従って選択
される溶媒を含んでもよい。
【0047】
例として、水(さらに好ましくはミネラル除去した水)、エタノールのようなアルコー
ル、あるいはエトキシジグリコールのようなジエチレングリコールのエーテルまたはジエ
チレングリコールのモノメチルエーテルについて言及することができる。
【0048】
前記化粧品組成物は、また、少なくとも1種のこの分野内の通常の添加物、例えば、軟
化剤または保湿剤、ゲル化および/または増粘剤、界面活性剤、オイル、活性剤、着色剤
、防腐剤、酸化防止剤、活性剤、有機または無機粉体、日焼け止めおよび香料から選択さ
れる、少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【0049】
特に、前記組成物は、以下を含有してもよい。
- 例えばグリセリン、グリコール、KF6011(信越化学工業株式会社)の名前で販
売されているような水溶性シリコーン、およびレスプランタホホバ(Res pharm
a)の名前で販売されているような水溶性ホホバから選択できる、1種または数種の軟化
剤または保湿剤。
前記軟化剤または保湿剤は、組成物の総重量に対して、およそ0から30%、さらに好ま
しくは2から10重量%の含有量で組成物中に存在することができる。
- 例えば、セルロース誘導体、植物由来のガム(グアー、イナゴマメ(carob)、アル
ギン酸塩、カラギーナン、ペクチン)、微生物由来のゴム(キサンタン)、粘土(ラポナ
イト)、INCI名によって特定される材料「アクリロイルジメチルタウリンアンモニウ
ム/VP コポリマー」および「アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリ
ル酸ベヘネス-25 コポリマー」(例えば、Clariant によってAristo
flex AVCおよびHMBの名前で販売されているような材料)から選択できる、水
性相の1種または数種のゲル化および/または増粘剤。
前記ゲル化および/または増粘剤は、組成物の総重量に対しておよそ0から10重量%の
含有量で、組成物中に存在する。
- 組成物の総重量に対しておよそ0から8%の含有量で、さらに好ましくは0.5から
3重量%の含有量で組成物中に存在してもよい、1種または数種の界面活性剤、さらに好
ましくは非イオン性である界面活性剤。
- 1種または数種の、一般に揮発性または不揮発性、炭化水素と呼ばれる周囲温度にお
いて液体の脂肪物質、またはシリコーン、直鎖、環状、分枝油、例えばイソドデカン、シ
クロペンタジメチルシロキサン、ジメチコン、イソノニルイソノナノエートまたはテトラ
ステアリン酸ペンタエリスリチルであり、さらに好ましくは組成物の総重量に対して0か
らおよそ10%の割合で、さらに好ましくは0.5から5重量%の割合である。
- 例えばビタミン、微量元素、アラントイン、植物タンパク質、植物抽出物、水和剤、
老化防止剤、酸化防止剤、発光を引き立てる作用剤、および後者の混合物から選択される
。特に、活性剤はバニラプラニフォリアフルーツの水、ナイアシンアミド、ヒアルロン酸
およびこれらの誘導体、酵母エキスおよび後者の混合物から選択される、生物学的活性を
有する、天然または合成由来の1種または数種の活性剤。
- 例えば、ポンソー二ナトリウム塩、アリザリングリーン二ナトリウム塩、キノリンイ
エロー、アマランス三ナトリウム塩、タルトラジン二ナトリウム塩、ローダミン一ナトリ
ウム塩、フクシン二ナトリウム塩またはキサントフィルである1種または数種の水溶性着
色剤であり、さらに好ましくは組成物の総重量に対して0からおよそ2重量%の割合であ
る。
【0050】
化粧品において一般的に使用される他の添加物は、本発明による組成物中に存在しても
よく、特に防腐剤、酸化防止剤、香料が当該技術分野においてよく知られている。
【0051】
当業者は、これら可能な添加物全てから、組成物がその特性のすべてを保持するような
方法で、組成物に添加されるこれらの性質ならびに使用量を選択できる。
【実施例0052】
本発明を、以下の実施例によって非限定的な方法で示す。
[実施例1]
本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコー
ル抽出物の調製
本発明によるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の地上部のアルコ
ール抽出物は、
a)予め乾燥され細かく砕かれたアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)
の花、葉、および茎の混合物を、エタノールで60℃の温度で少なくとも2時間かけて第
1の抽出を行い、50μmから100の間で篩い分けして濾液1を得るステップ、
a’)ステップa)の篩い分けの間に残った穀粒上で、ステップa)で得られた生成物を
、エタノールで60℃の温度で少なくとも2時間かけて第2の抽出を行い、次いで、植物
残渣を除去するために50μmから100μmで混合物を篩い分けして濾液2を得るステ
ップ、
b)a)およびa’)で得られた濾液1と2との混合物を、2℃から25℃の間の温度で
終夜(少なくとも12時間)デカントするステップ、
c)b)で得られたデカントされた混合物を、閾値1μmまで濾過して、濾液を得るステ
ップ、
- c)で得られた濾液を活性炭への吸着により退色させるステップ、次いで
- 退色させた濾液を閾値1μmまで濾過するステップ、および
d)蒸発により得られた濾液からエタノールを除去し、次いで、水/1,3-プロパンジ
オールの混合物12%/88%中に最終希釈するステップ、
e)濾過閾値4μmまで濾過するステップ
を含む、方法によって調製される。
【0053】
[実施例2]
通常のヒトケラチノサイトにおけるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria
)のアルコール抽出物の細胞毒性の試験
プロトコール
若年ドナー由来の正常なヒト表皮ケラチノサイト(PromoCell)をほぼ75%
のコンフルエンスになるまで、96ウェルプレートで培養した。次いで、小細胞を種々の
濃度のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出物と共に
、各濃度3連で、48時間インキュベートした。細胞毒性は、無色/黄色のテトラゾリウ
ム塩を濃茶色に着色したホルマゾン誘導体に還元する生細胞の能力に基づく、Cell
Titer96 Aqueous One Solution Cell Prolif
eration Assay (Promega)を使用して評価した。細胞をテトラゾ
リウムと共に37℃で30分間インキュベートし、形成されたホルマゾンの吸光度を49
0nmで読み取った。
【0054】
結果
アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出物の細胞毒性
を0.1から0.0125%の間の種々な濃度で評価した。(下記表1)
【0055】
【表1】
【0056】
アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出物は、試験さ
れたすべての濃度においてケラチノサイトに対して毒性はなかった。
【0057】
したがって、これらの濃度を2つ細胞型(ケラチノサイトおよびメラノサイト)に対す
る以下の実験で使用する。
【0058】
[実施例3]
SESN2の遺伝子発現におけるアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)
のアルコール抽出物の効果の評価
プロトコール
ケラチノサイトおよびメラノサイトは、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vuln
eraria)のアルコール抽出物の以下の濃度での24時間処理の前に、ほぼ75%のコンフ
ルエンスまで、6ウェルプレートで培養した。
- 0.1%
- 0.05%
【0059】
総RNAは、メーカーのプロトコールに従ってRNeasy kit(Qiagen,
cat#74182)を用いて抽出し、分光光度測定(Thermo Fisher S
cientific,Multiskan GO)によって定量し、iScript R
everse Transcription Supermix kit (Biora
d,cat#1708840)を使用してcDNA中にレトロ転写した。
【0060】
次いで、標準化のために、適切なTaqmanプローブ(Thermo Fisher
Scientific)およびハウスキーピング遺伝子に関係するプローブを使用して
SESN2の遺伝子発現を分析するために、cDNAをリアルタイム定量PCR(qRT
-PCR,Biorad、CFX96)に使用した。
【0061】
結果は、対照条件に対する処理条件のSESN2発現の「倍率変化」として表す。
【0062】
結果
2つの細胞型において、ケラチノサイトでは最大およそx3.04、メラノサイトでは
最大およそx1.28SESN2発現(ドナーおよび依存用量、図1に示す)の誘導が認
められる。
【0063】
したがって、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール抽出
物は、ストレス応答、細胞外マトリックスのリモデリング、光老化、色素沈着の調節に、
したがって、皮膚の恒常性維持に効果的な成分であると結論することができる。
【0064】
[実施例4]
培養中のヒトメラノサイト中でのメラニン合成に対するアンティリス・ブルネラリア(An
thyllis vulneraria)のアルコール抽出物の効果の決定
プロトコール
メラノサイトを最大50%のコンフルエンスになるまで6ウェルプレートで培養した。
【0065】
細胞を、種々な濃度のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコ
ール抽出物(実施例1で試験された、0.1から0.0125%の範囲の無毒な濃度)と
共に、2連で、2日毎に活性物質を再生処理して、5日間インキュベートした。次いで、
細胞を溶解させ、メラニンをNaOH1M中、60℃で1時間、可溶化させた。
【0066】
細胞内メラニンを抽出するために、細胞をNaOH1Mで溶解させ、12,000rp
mで5分間遠心分離し、清澄な上澄み液の吸光度を490nmで測定した。メラニンの含
有量は、595nm(Biorad Protein Assay、Biorad)での
ウェル当たりの総タンパク質に対して標準化した。
【0067】
メラニンの合成の阻害おけるが広く証明されているコウジ酸を陽性対照として使用した
【0068】
結果
図2に示す結果は、100%に設定された非処理対照に対する%として示す。
【0069】
メラニンは、表皮のメラノサイトによって合成されるヒトの皮膚の発色団であり、主に
皮膚の色の原因である。皮膚の色素沈着におけるアンティリス・ブルネラリア(Anthylli
s vulneraria)のアルコール抽出物の可能な効果を、処理細胞および非処理細胞における
メラニンの化学的定量によって評価した。
【0070】
0.1%の濃度のアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコール
抽出物は、非処理細胞に比較して、メラノサイトのメラニン含有量を31±1.2%阻害
した。
【0071】
この試験によって、アンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)のアルコー
ル抽出物は、培養メラノサイトのメラニンの含有量を調整し、したがって皮膚の色素沈着
レベルを減少し得る(したがって、脱色素剤としての作用)との結論に至る。
【0072】
視覚的には、アンティリスで処理した細胞の溶解物の外観は対照細胞より、明らかに明
るい(図3に示す)。
【0073】
[実施例5]
化粧品組成物
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
これらの組成物は毎日、朝および/または夕方、皮膚に塗布することができる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載された発明。
【外国語明細書】