(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013713
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】一体型通気弁を備えた電気コネクタ群、ならびに特に自動車分野において関連する作製および組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20220111BHJP
H01R 13/514 20060101ALI20220111BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20220111BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20220111BHJP
【FI】
H01R13/52 B
H01R13/514
H01R43/00 B
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021089531
(22)【出願日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】102020000016015
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】520088694
【氏名又は名称】マレッリ・ユーロプ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】MARELLI EUROPE S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】プラツィオ,アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】デジ,ラズヴァン-ヴァジーレ
(72)【発明者】
【氏名】マッジョーニ,ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
5E051
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E051BA06
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF03
5E087GG34
5E087HH01
5E087HH02
5E087JJ08
5E087LL04
5E087LL17
5E087MM02
5E087MM08
5E087QQ04
5E087RR13
5E087RR25
5E087RR36
5E223AA21
5E223AC01
5E223AC25
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB21
5E223CD01
5E223CD15
5E223DB09
5E223DB13
5E223EA03
5E223EA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通気弁付きの電気コネクタ群の組み立てにおいて、組み立ての難しさ、時間、全体的なコストが低減できる、電気コネクタ群を提供する。
【解決手段】電気コネクタ群4であって、外部の構成要素との電気的接続を可能にし、少なくとも部分的に内部容積部12を画定するコネクタ本体8と、前記コネクタ本体8を覆い、前記内部容積部12を気密に封止する少なくとも1つの閉鎖蓋と、前記内部容積部12に流体接続された少なくとも1つの通気弁36であって、前記電気コネクタ群4の前記内部容積部12から外側への流体の流出のみを可能にする通気弁36とを備え、前記通気弁36は、前記コネクタ本体8と一体であり、形状的結合によって、前記閉鎖蓋の座部と結合されている弁頭40を含み、前記コネクタ本体8に対する前記閉鎖蓋の固定とセンタリングを実現する、電気コネクタ群4。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ群(4)であって、
前記電気コネクタ(4)の外部の構成要素との電気的接続を可能にするように整形されたコネクタ本体(8)であって、少なくとも部分的に内部容積部(12)を画定するコネクタ本体(8)と、
前記内部容積部(12)に収容され、第1の端部(20)で前記コネクタ本体(8)に接続されて、前記外部構成要素との前記電気的接続を可能にし、第2の端部(24)で前記電気コネクタ群(4)の内側の少なくとも1つの電気/電子回路または構成要素(28)に接続された複数の電気接点(16)と、
前記コネクタ本体(8)を覆い、前記内部容積部(12)を気密に封止する少なくとも1つの閉鎖蓋(32)と、
前記内部容積部(12)に流体接続された一方向型の少なくとも1つの通気弁(36)であって、前記内部容積部(12)から前記電気コネクタ群(4)の前記内部容積部(12)の外側への流体の流出のみを可能にする、少なくとも1つの通気弁と
を備え、
前記通気弁(36)は、前記コネクタ本体(8)と一体であり、形状的結合によって、前記閉鎖蓋(32)の座部(44)と結合されている弁頭(40)を含み、前記コネクタ本体(8)に対する前記閉鎖蓋(32)の固定とセンタリングを実現する、電気コネクタ群(4)。
【請求項2】
前記弁頭(40)が、前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)に少なくとも部分的に埋め込まれ、および/または囲まれている、請求項1に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項3】
前記形状的結合を実現するために、前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)が、前記弁頭(40)を少なくとも部分的に収容する孔(48)を備える、請求項1または2に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項4】
前記コネクタ本体(8)と前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)との間での前記形状的結合は、前記通気弁(36)の通気軸(X-X)に垂直な結合平面で、前記閉鎖蓋(32)と前記コネクタ本体(8)との相互的な並進に対する制約を生み出すように構成される、請求項1、2または3に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項5】
前記コネクタ本体(8)と前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)との間での前記形状的結合は、前記通気弁(36)の通気軸(X-X)に垂直な結合平面で、前記閉鎖蓋(32)と前記コネクタ本体(8)との相互的な回転に対する制約を生み出すように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項6】
前記弁頭(40)は、前記通気弁(36)を支持するために前記コネクタ本体(8)に作製された専用のベースプレート(42)と一体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項7】
前記コネクタ本体(8)が、前記閉鎖蓋(32)の縁部(56)のための当接部を構成する肩部または突出部(52)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項8】
前記肩部または突出部(52)は、前記弁頭(40)の高さ以上の高さを有し、前記高さは、前記通気弁(36)を支える前記コネクタ本体(8)のベースプレート(42)に対して垂直に測定される、請求項7に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項9】
前記肩部または突出部(52)、前記閉鎖蓋(32)、前記通気弁(36)、および前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)は、前記閉鎖蓋(32)の前記縁部(56)の、前記肩部または前記突出部(52)に対する前記当接が、前記通気弁(36)と前記座部(44)との前記係合または形状的結合と同時に生じるように構成され、寸法決めされる、請求項7から8のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項10】
前記弁頭(40)は、前記通気弁(36)の通気軸(X-X)に垂直な平面に対して円形の断面を有し、前記座部(44)は、前記弁頭(40)と反対の形状である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項11】
前記弁頭(40)は、前記通気弁(36)の通気軸(X-X)に垂直な断面の平面に対して軸対称ではない断面を有し、前記座部(44)は、前記弁頭(40)と反対の形状である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項12】
前記通気弁(36)が前記コネクタ本体(8)と共にモールディングされる、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項13】
前記コネクタは、前記コネクタ本体(8)の長辺(60)を画定する優勢な横方向(T-T)に沿って並んで延在する複数の電気接点(16)を備え、前記通気弁(36)および前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)は、前記コネクタ本体(8)の前記長辺(60)に沿って配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)。
【請求項14】
電気コネクタ群(4)を作製および組み立てる方法であって、
前記電気コネクタ群(4)の外部の構成要素との電気的接続を可能にする形状のコネクタ本体(8)を設けるステップであって、前記コネクタ本体(8)は、少なくとも部分的に内部容積部(12)を画定する、設けるステップと、
複数の電気接点(16)を設けるステップと、
前記コネクタ本体(8)の少なくとも1つの閉鎖蓋(32)に座部(44)を設けるステップと、
弁頭(40)を備え、それを前記コネクタ本体(8)と共にモールディングする、少なくとも1つの通気弁(36)を設けるステップであって、前記通気弁(36)は、前記内部容積部(12)と流体接続され、一方向型であり、前記電気コネクタ群(4)の前記内部容積部(12)から前記内部容積部(12)の外側への流体の流出のみを可能にする、設けるステップと、
前記電気コネクタ(16)を前記内部容積部(12)に配置するステップであって、前記電気コネクタ(16)は、第1の端部(20)で前記コネクタ本体(8)に接続されて、外部構成要素との前記電気的接続を可能にし、第2の端部(24)で前記電気コネクタ群(4)の内側の少なくとも1つの電気/電子回路または構成要素(28)に接続される、配置するステップと、
形状的結合により、前記弁頭(40)を前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)と結合して、前記コネクタ本体(8)に対する前記閉鎖蓋(32)の固定およびセンタリングを実現するステップと、
前記コネクタ本体(8)を前記閉鎖蓋(32)で覆い、前記内部容積部(12)を気密に封止するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記内部容積部(12)に電気接点または金属のピン(16)を配置するステップの前、および前記内部容積部を封止するステップの前に、前記弁頭(40)にて前記通気弁(36)の内膜(64)を設け、接着または溶接するステップを含む、請求項14に記載の電気コネクタ群を作製および組み立てる方法。
【請求項16】
前記通気弁(36)の前記弁頭(40)と前記閉鎖蓋(32)の前記座部(44)との前記形状的結合ステップの後に、前記閉鎖蓋(32)を前記コネクタ本体(8)に接着および/または封止するステップ
を含む、請求項14または15に記載の電気コネクタ群(4)を作製および組み立てる方法。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか一項に記載の電気コネクタ群(4)を設けるステップを含む、請求項14、15または16に記載の電気コネクタ群(4)を作製および組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型通気弁を備えた電気コネクタ群、ならびに特に自動車分野において関連する作製および組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車分野では、車両に搭載された電気システムの電気および/または電子部品を電気的に接続する機能を有する電気コネクタを製造することが知られている。
【0003】
典型的には、前記電気コネクタは、車両の構成要素の様々な機能の制御および管理に使用される、1つまたは複数の車載制御ユニットを接続するために、使用される。
【0004】
コネクタは、典型的には、コネクタ本体と、電気接点(典型的には電気的フィン)と、カバーまたはカバーの蓋とを備える。
【0005】
電気部品および関連する接点は、外部からの液体の侵入から保護されなければならないので、コネクタ本体および関連するカバーまたはカバーの蓋は、気密に封止される。
【0006】
明らかに、電気コネクタ群によって囲まれた内部容積部は、コネクタ、接点、ならびにそれに接続された関連する電気および/または電子部品の環境内の正しい圧力の制御を確実にするために、外部からの液体の流入を防止し、同時にガスまたは内部流体の流出を可能にする、一方向型の通気弁を必要とする。
【0007】
既知の解決策は、内圧の制御を可能にするように、前記通気弁を電気コネクタの外側ケーシングの一端に配置することを含む。
【0008】
しかし、そのような既知の解決策は、いくつかの欠点および短所を有する。
【0009】
特に、既知の解決策に含まれる通気弁の位置決めは、絶対に無視できない電気コネクタの寸法の全体的な増加を伴う。
【0010】
さらに、既知の解決策は、前記通気弁が、ひいては、一般に液体、ほこり、汚れなどの外部因子の直接的な作用を受けるだけでなく、例えばエンジン区画内の通常のメンテナンス作業中にも影響を与えることを含む。
【0011】
前記通気弁は、前記大気の因子に対する障壁として使用され、したがってそれらに抵抗するように設計されているが、通気弁の過度の露出または不十分な保護は、経時的にその正確な動作を損なう可能性がある。
【0012】
さらに、見て分かるように、既知の解決策の通気弁は、電気コネクタの外側ケーシングに対するそのカンチレバーの位置のために、その全体的な寸法を増加させることになり、残念なことに、寸法の増加は、エンジン区画内の様々な電気および電子部品の位置という観点、ならびに周囲の部材および構成要素へのメンテナンスの技術者の利用の困難さの観点の両方で、設計者にとって大きな問題であることが多い。
【0013】
既知の技術の解決策に関連するさらなる技術的問題はまた、電気コネクタ群の全体的な組み立て時間に関連しており、これは、これらが、組み立てラインで実行されるべき特に繊細で複雑な組立体を必要とする小さな構成要素であるためである。通気弁の組み立ては、構成要素の組み立ての難しさ、時間、ひいては全体的なコストのさらなる増加を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、既知の技術を参照して引用された欠点および限度を解決する必要性が感じられる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そのような必要性は、請求項1に記載の電気コネクタ群、および請求項14に記載の電気コネクタ群を作製および組み立てる関連方法によって充足される。
【0016】
本発明の他の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、その好ましい非限定的な実施形態の以下の説明から、さらに良く理解できる。
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による電気コネクタ群の分解斜視図を示す。
【0019】
【
図2】
図1の電気コネクタ群の一部組立構成における斜視図を示す。
【0020】
【
図3】
図1の電気コネクタ群の組立構成における斜視図を示す。
【0021】
【
図4】
図1の電気コネクタ群の分解構成における断面図を示す。
【0022】
【
図5】
図2の電気コネクタ群の一部分解構成における断面図を示す。
【0023】
【
図6】
図3の電気コネクタ群の組立構成における断面図を示す。
【0024】
以下では、説明した実施形態と共通する要素または部品を同じ参照符号を使用して示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
前述の図面を参照すると、参照符号4は、特に自動車分野の電気コネクタ群を全体的に示している。
【0026】
当解決策が任意のタイプのコネクタに適用できるものであることから、自動車分野への本発明の適用は、優先的であるが排他的ではないことに留意されたい。
【0027】
同様に、本解決策は、広義には任意のタイプの車両に適用される、換言すれば、本発明は、任意の種類の燃料によって動力供給される内燃機関を備える任意の種類の車両だけでなく、任意のハイブリッドまたは完全電動車両に容易に適用することが見出されることに留意されたい。
【0028】
電気コネクタ群4は、電気コネクタ4自体の外部の構成要素との電気的接続を可能にするように整形されたコネクタ本体8を備える。
【0029】
コネクタ本体8は、任意の材料、好ましくはポリマー材料で作ることができ、モールディングによって得られる。
【0030】
コネクタ本体は、例えばモジュール式であってもよい。
【0031】
コネクタ本体8は、少なくとも部分的に内部容積部12を内的に画定する。前記内部容積部12は、電気コネクタ4のさらなる構成要素を収容するように、またはそれに接続されるように構成される。
【0032】
特に、電気コネクタ4は、前記内部容積部12内に収容され、第1の端部20でコネクタ本体8に接続されて、前記外部構成要素との電気的接続を可能にし、第2の端部24で電気コネクタ4の内側の少なくとも1つの電気/電子回路または構成要素28に接続された複数の電気接点16、典型的には金属のピンを備える。特に、前記少なくとも1つの電気/電子回路または構成要素28は、内部容積部12内に収容される。
【0033】
可能な実施形態によれば、電気接点16は約90°湾曲または屈曲しており、典型的には、前記第1の端部20および第2の端部24は互いに垂直である。しかし、電気接点16のそのような幾何学的配置は、本発明の目的のために示しているにすぎず、必須ではない。
【0034】
電気コネクタ群4は、前記コネクタ本体8を覆い、前記内部容積部12を気密に封止する少なくとも1つの閉鎖蓋32をさらに備える。
【0035】
次いで、閉鎖蓋32は、1つまたは複数の部品/構成要素で作ることができ、すべて封止された方式で内部容積部12を画定するように整形されることに留意されたい。
【0036】
閉鎖蓋32は、一体であってもいくつかの部品に別れていても、通常はアルミニウム合金で作られているが、プラスチック材料で作ることもできる。
【0037】
特に、内部容積部12は、その中に含まれる電気/電子回路または構成要素28の動作を損なう可能性があるいずれかの種類の汚れ、気体、液体が内部に何らかの接近をするのを防止するために気密に封止しなければならない。
【0038】
内部容積部12の気密封止は、以下でより良く説明するように、閉鎖蓋32をコネクタ本体8と共にモールディングおよび/または接着すること(または、さらには例えばシリコーンなどのシーラントを使用すること)によって得られる。
【0039】
見て分かるように、気密に封止される内部容積部12を作成することは、内部容積部12自体の内部の圧力制御を保証して、その中に含まれる電気/電子回路または構成要素28の正しい動作を維持するという技術的問題を意味している。
【0040】
この目的のために、電気コネクタ群4は、電気コネクタ群4の内部容積部12から内部容積部12の外側への流体(液体か気体かにかかわらず)の流出のみを可能にするように、前記内部容積部12に流体接続された一方向型の少なくとも1つの通気弁36を備える。
【0041】
したがって、通気弁36は、内部容積部12を遮断し、外部への流体の流出を可能にして、電気コネクタ群4が配置される環境の温度に応じて変化し得る正確な内圧になるのを確実にする。これに関して、エンジン区画の内側のそのような温度は、対応する車両の寿命および通常の動作時に、数十℃であっても変化し得ることを想起すべきである。
【0042】
通気弁36は、技術分野で知られている方法で、様々な形状、サイズ、タイプおよび材料のものにすることができる。
【0043】
可能な実施形態によれば、通気弁36は、コネクタ本体8と一体であり、コネクタ本体8に対する閉鎖蓋32の固定およびセンタリングを実行するために、形状的結合によって前記閉鎖蓋32の座部44と結合される弁頭40を備える。
【0044】
好ましくは、弁頭40は、通気弁36を支えるためにコネクタ本体8に作られた特別なベースプレート42と一体である。
【0045】
言い換えれば、コネクタ本体8は、通気弁36を支える特定の機能を有するベースプレート42の形態をした特定の付属物またはオフシュートを含み、それは、閉鎖蓋32と一体である。
【0046】
前記通気弁36は、例えば、内側から外側への流体の一方向の流出を得ることを可能にする内膜64をさらに備える。
【0047】
好ましくは、前記通気弁36は、コネクタ本体8と共にモールディングされる。
【0048】
可能な実施形態によれば、弁頭40は、閉鎖蓋32の座部44に少なくとも部分的に埋め込まれる、および/または囲まれる。
【0049】
例えば、閉鎖蓋32の座部44は、前記形状的結合を実行するために、弁頭40を少なくとも部分的に収容する孔48を備える。
【0050】
前記孔48は、好ましくは開口させるか貫通させて、弁頭40と交差するようにし、そのため、必要に応じて流体を内部容積部12の外側に排出することができるようにする。
【0051】
止まり孔48の使用を含むことも可能であるが、例えば横方向またはいずれかの場合の格納位置において、前記流体を内部容積部12の外側に排出するための少なくとも1つの開口部が、設けられる。
【0052】
コネクタ本体8と閉鎖蓋32の座部44との間の形状的結合は、通気弁36の通気軸X-Xに垂直な結合平面で、閉鎖蓋32とコネクタ本体8との相互的な並進に対する制約を生み出すように構成される。言い換えると、コネクタ本体8と座部44との間の形状的結合に従って、閉鎖蓋32はもはやコネクタ本体8に対して並進することができない。したがって、前記形状的結合は、前記2つの構成要素間の実際の機械的な固定を実行する。
【0053】
可能な実施形態によれば、コネクタ本体8と閉鎖蓋32の座部44との間の形状的結合は、通気弁36の通気軸X-Xに垂直な結合平面で、閉鎖蓋32とコネクタ本体8との相互的な回転に対する制約を生み出すように構成される。
【0054】
換言すれば、通気弁36は、閉鎖蓋32とコネクタ本体8との間で実際の相互的な位置決めや固定をするピンの機能を果たす。前記追加の機能は、通気弁がコネクタ本体8に対して単なる付属物を形成する既知の技術の解決策に関して、完全に革新的である。一方、本発明によれば、通気弁36は、内部容積部12の内側の圧力を制御する古典的な機能だけでなく、閉鎖蓋32をコネクタ本体8に位置決めして固定する革新的な機能も果たす。
【0055】
可能な実施形態によれば、コネクタ本体8は、閉鎖蓋32のための当接部を構成する肩部または突出部52を備える。可能な代替的な実施形態では、コネクタ本体8に嵌合されると、閉鎖蓋32の縁部56は、前記肩部または突出部52に当接する。他の実施形態では、代わりに、閉鎖蓋32の縁部56と、肩部または突出部52との間に隙間がある。
【0056】
可能な実施形態によれば、肩部または突出部52、閉鎖蓋32、通気弁36、および閉鎖蓋32の座部44は、閉鎖蓋32の縁部56の、肩部または突出部52に対する当接が、通気弁36と座部44との係合または形状的結合と同時に生じるように構成され、寸法決めされる。この場合、閉鎖蓋32とコネクタ本体8との相互的な位置決めにおいて、肩部または突出部52と、通気弁36との間で、相乗効果が達成される。
【0057】
可能な実施形態によれば、前記肩部または突出部52は、弁頭40の高さ以上の高さを有し、前記高さは、通気弁36を支えるコネクタ本体8のベースプレート42に対して垂直に測定される。これにより、肩部または突出部52は、例えば通常のメンテナンス作業中に弁頭40に対して偶発的に発生する可能性のある衝撃に対するさらなる障壁を形成する。
【0058】
弁頭40は、様々な形状、サイズ、および幾何学形状を有することができる。
【0059】
可能な実施形態によれば、弁頭40は、通気弁36の通気軸X-Xに垂直な平面に対して円形の断面を有し、座部44は弁頭40自体に対して反対の形状である。
【0060】
さらなる可能な実施形態によれば、弁頭40は、通気弁36の通気軸X-Xに垂直な平面に対して軸対称ではない断面を有し、座部44は、弁頭40自体に対して反対の形状である。
【0061】
上述したように、電気コネクタ群4は、複数の電気接点16、典型的には金属のピンを備える。
【0062】
例えば、前記電気接点16は、コネクタ本体8の長辺60を画定する優勢な横方向T-Tに沿って並んで延在する。好ましくは、前記通気弁36および閉鎖蓋32の前記座部44は、コネクタ本体8の前記長辺60に沿って配置される。
【0063】
次に、本発明による通気弁を備えた電気コネクタ群の製造および組み立て方法について説明する。
【0064】
特に、これは、電気コネクタ群4自体の外部の構成要素との電気的接続を可能にするように整形されたコネクタ本体8を設けるステップから始まり、前記コネクタ本体は、少なくとも部分的に内部容積部12を画定する。典型的には、コネクタ本体8は、プラスチック材料をモールディングすることによって作られる。
【0065】
複数の電気接点16が設けられ、これらは最初は折り畳まれていないが、好ましくは直線状である。
【0066】
次いで、方法は、座部44を備えたコネクタ本体8の少なくとも1つの閉鎖蓋32を設けることによって継続する。閉鎖蓋32はまた、好ましくはプラスチック材料をモールディングすることによって得られる。
【0067】
弁頭40を備える少なくとも1つの通気弁36が設けられ、弁頭は、例えば通気弁36を支えるように設計された特定のベースプレート42において、好ましくはコネクタ本体8と共にモールディングされる。
【0068】
見て分かるように、通気弁36は、前記内部容積部12と流体接続され、一方向型であり、それにより、内部容積部12から電気コネクタ群4の内部容積部の外側への流体の流出のみを可能にする。
【0069】
次いで、電気接点16は前記内部容積部12内に配置され、電気接点16は、第1の端部20でコネクタ本体8に接続されて、前記外部構成要素との電気的接続を可能にし、第2の端部24で電気コネクタ群4の内側の少なくとも1つの電気/電子回路または構成要素28に接続される。
【0070】
形状的結合によって弁頭40を閉鎖蓋32の座部44に結合して、コネクタ本体8に対する閉鎖蓋32の固定および位置決め/センタリングを行うステップが続く。
【0071】
肩部または突出部52が設けられている場合、これらはストロークの終わりに、閉鎖蓋32およびコネクタ本体8の正確な相互的な位置決めを確実にするために相乗的に協働する。
【0072】
次いで、方法は、コネクタ本体8を閉鎖蓋32で覆い、前記内部容積部12を気密に封止するステップで終了する。
【0073】
そのような気密シールは、例えば、接着剤および/またはシーラントを添加することによって行われる。閉鎖蓋32の座部44とコネクタ本体8の通気弁36との機械的または形状的結合は、前記接着剤および/またはシーラントの硬化ステップの最中に閉鎖蓋32とコネクタ本体8との間に相互的な動きがないことを確実にする。
【0074】
したがって、閉鎖蓋32をコネクタ本体8に接着および/または封止するステップは、通気弁36の弁頭40と閉鎖蓋32の座部44とを形状的結合するステップの後に実現される。
【0075】
好ましくは、本発明による電気コネクタ群4を作製する方法は、内部容積部12に電気接点または金属のピン16を配置するステップの前、および内部容積部を封止するステップの前に、前記弁頭40にて通気弁36の内膜64を準備し、接着または溶接するステップを含む。
【0076】
上記の説明から理解され得るように、本発明は、従来技術に提示された欠点を克服することを可能にする。
【0077】
特に、電気コネクタ群は、通気弁がコネクタ自体の外側カバーと一体化されているため、通気弁が存在していることに起因して、追加の寸法を有さない。
【0078】
換言すれば、通気弁は、コネクタの全体の寸法を損なうことなく、コネクタに一体化されている。
【0079】
同時に、通気弁は、例えば通常のメンテナンス作業中に、特に汚れおよび起こり得る衝撃の両方について、外部環境から保護される。
【0080】
さらに、本発明による電気コネクタ群を作製および組み立てるプロセスは、コネクタ本体にて外側カバーをセンタリングするステップが簡素化されるため、特に容易かつ迅速である。
【0081】
言い換えれば、組み立てラインでの組み立てステップの最中に、コネクタ本体に対するカバーまたは蓋の事前の配置およびセンタリングが、保証される。
【0082】
完全に革新的な方法で、本発明の通気弁は、もはや、コネクタ本体および蓋に対して追加の要素を形成せず、それどころか、外側カバーとコネクタ本体との間のセンタリングおよび事前の組み立ての特定の新しい機能を実行するコネクタの一体化された要素を形成する。
【0083】
したがって、本発明の通気弁はまた、コネクタの内側の圧力を調整する古典的な機能に、コネクタの組み立てステップを全体として支えて単純化する革新的な機能を付加する。
【0084】
したがって、通気弁は、内部容積部の内側の圧力を制御する標準的な機能に加えて、閉鎖蓋およびコネクタ本体を配置し相互に固定するための実際のピンの機能を担う。
【0085】
したがって、本発明による電気コネクタ群は、既知の技術のコネクタの解決策に典型的な全体的な寸法、信頼性、時間、および組み立てコストの問題を解決することを可能にする。
【0086】
特定の偶発的なニーズを満たすために、当業者は、上記の電気コネクタ群に対していくつかの修正および変形を行うことができ、これらはすべて以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
【外国語明細書】