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特開2022-137223セニクリビロクメシレートの固体形態及びセニクリビロクメシレートの固体形態を製造するプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137223
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】セニクリビロクメシレートの固体形態及びセニクリビロクメシレートの固体形態を製造するプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/12 20060101AFI20220913BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220913BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220913BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220913BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
C07D403/12 CSP
A61P1/16
A61P13/12
A61P43/00 105
A61K31/4178
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113230
(22)【出願日】2022-07-14
(62)【分割の表示】P 2019531594の分割
【原出願日】2017-08-30
(31)【優先権主張番号】62/382,153
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515212633
【氏名又は名称】トビラ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】パシット・フィアシヴォンサ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・イアン・クーパー
(72)【発明者】
【氏名】エマ・ケイ・シャープ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】肝線維症又は腎線維症等の線維症の治療のための、セニクリビロクメシレートの固体形態及び調製方法を提供する。
【解決手段】下式で表されるセニクリビロクメシレートの結晶であって、X線粉末回折パターンが、4.0±0.2、18.7±0.2、19.1±0.2、20.1±0.2及び21.7±0.2度の2シータの値で表される特徴的なピークを伴う、結晶A等で表される結晶である。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物
【化1】
の結晶であって、前記結晶が、
(a)4.0±0.2、18.7±0.2、19.1±0.2、20.1±0.2及び21.7±0.2度の2シータの値で表される特徴的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する、結晶A;
(b)4.0±0.2、15.9±0.2、17.8±0.2、19.9±0.2、20.1±0.2、21.5±0.2及び21.6±0.2度の2シータの値で表される特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを有する、結晶B;または
(c)4.0±0.2、10.0±0.2、16.0±0.2、18.7±0.2、20.0±0.2及び21.7±0.2度の2シータの値で表される特徴的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する、結晶C
である、結晶。
【請求項2】
請求項1に記載のいずれかの結晶及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物。
【請求項3】
非晶質である化合物I-MsOHの固体。
【請求項4】
請求項3に記載の固体及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物I-MsOHの結晶Aを製造する方法であって、
(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁してスラリーを形成すること、及び
(b)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること、
を含む、前記方法。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物I-MsOHの結晶Aを製造する方法であって、
(a)化合物I-MsOHを5℃の温度で適切な溶媒に懸濁すること;
(b)工程(a)の懸濁液を50℃の温度に加熱すること;
(c)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること;及び
(d)単離された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して40℃で乾燥させること、
を含む、または
(i)化合物I-MsOHを25℃の温度で適切な溶媒に懸濁すること;
(ii)工程(i)の懸濁液を50℃の温度に加熱すること;
(iii)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること;及び
(iv)単離された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して40℃で乾燥させること、
を含む、または
(1)適切な溶媒中の化合物I-MsOHの溶液に貧溶媒を添加して、結晶Aを沈殿させること;及び
(2)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること、
を含む、または
(A)適切な溶媒中の化合物I-MsOHの溶液に貧溶媒を添加して、結晶Aに転化する油を形成すること;及び
(B)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること、
を含む、または
(I)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;
(II)工程(I)の溶液から前記適切な溶媒の一部を蒸発させること;及び
(III)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること、
を含む、または
(α)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁すること;
(β)工程(α)の懸濁液を粉砕すること;及び
(γ)化合物I-MsOHの結晶Aを単離すること、
を含む、前記方法。
【請求項7】
工程(a)、工程(i)、工程(1)、工程(A)、工程(I)または工程(α)における前記化合物I-MsOHが、非晶質化合物I-MsOHを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物I-MsOHの結晶Bを製造する方法であって、
(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁すること、及び
(b)前記溶媒中の化合物I-MsOHの結晶Bの懸濁液を形成すること、
を含む、または
(i)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;
(ii)工程(i)の溶液に適切な貧溶媒を添加すること;及び
(iii)化合物I-MsOHの結晶Bの懸濁液を形成すること、
を含む、前記方法。
【請求項9】
工程(a)または工程(i)における前記化合物I-MsOHが、非晶質化合物I-MsOHを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物I-MsOHの結晶Cを製造する方法であって、
(a)化合物I-MsOHの結晶Bの懸濁液を濾過すること;及び
(b)前記濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して周囲条件で乾燥させること、
を含む、または
(i)化合物I-MsOHの結晶Bの懸濁液を濾過すること;及び
(ii)前記濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して20℃未満で乾燥させること、
を含む、または
(1)化合物I-MsOHの結晶Bの懸濁液を濾過すること;及び
(2)前記濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化し、凍結乾燥させること、
を含む、前記方法。
【請求項11】
請求項3に記載の非晶質である化合物I-MsOHの固体を製造する方法であって、
(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;
(b)工程(a)の溶液から前記適切な溶媒の一部を蒸発させること;及び
(c)非晶質である化合物I-MsOHの固体を単離すること、
を含む、または
(i)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;
(ii)工程(i)の溶液を凍結乾燥させること;及び
(iii)非晶質である化合物I-MsOHの固体を単離すること、
を含む、前記方法。
【請求項12】
線維症または線維性疾患もしくは状態の治療のための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物I-MsOHの結晶の使用。
【請求項13】
線維症または線維性疾患もしくは状態の治療のための医薬の製造における、請求項3に記載の非晶質である化合物I-MsOHの固体の使用。
【請求項14】
前記線維症または線維性疾患もしくは状態が、肝線維症または腎線維症である、請求項12または13に記載の使用。
【請求項15】
前記肝線維症が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連する、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月31日に出願された米国仮特許出願第62/382,153号に対する優先権の利益を主張し、その開示は全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、セニクリビロク(CVC)メシレートの固体形態及びそのような固体形態を調製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
セニクリビロクは、(S,E)-8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-1-(2-メチルプロピル)-N-(4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アゾシン-5-カルボキサミド(CVC)の一般的な名前であり、その化学構造は以下に表される。
【化1】
【0004】
セニクリビロクは、C-Cケモカイン受容体2型(CCR2)及びC-Cケモカイン受容体5型(CCR5)受容体に結合し、その活性を阻害する。これらの受容体は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルスの細胞内への侵入において役割を果たすだけでなく、損傷部位への免疫細胞の動員にとっても重要である。この受容体の活性の阻害は、抗炎症作用を有し得る。最近、炎症が線維症の発症において果たす役割が検証されている。CCR2及びCCR5が肝線維症の促進において役割を果たし得ること、及びCVCが肝線維症の治療における治療剤としての潜在性を有することが示されている(国際公開第WO2015/143367)。
【0005】
CVCの合成は、米国特許第8,183,273号;米国公開第2005/0107606号及び国際公開第WO2001/017947号に記載されている。
【0006】
セニクリビロクは弱塩基性で低い水溶解性である。CVCのいくつかの塩が記載されている。例えば、米国特許第8,183,273号;米国公開第2005/107606号及び国際公開第WO2016/105527号は、CVCのメタンスルホン酸塩(またはCVCメシレート)の調製を開示している。しかしながら、これらの参考文献のいずれも、得られたCVCメシレートの多形形態を記載していない。
【0007】
例えば、米国特許第8,183,273号の実施例10は、CVCメシレートの「黄色結晶」の調製を開示している。実施例では、CVC(100mg)を酢酸エチル(4mL)に溶解し、メタンスルホン酸(2mLの酢酸エチル中9.31μL)を激しく撹拌しながら溶液に添加した。添加が完了した後、混合物を一晩撹拌し;沈殿した固体を濾過によって収集し;収集した固体を酢酸エチル(5mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。乾燥条件(例えば、温度、時間及び圧力)は特定されていない。乾燥した固体を2-ブタノン(4mL)から再結晶化して、CVCメシレートを「黄色結晶」として得た。再結晶化温度プロファイルもCVCメシレートを乾燥させるために使用される条件も記載されていない。「黄色結晶」は145.5~147.5℃の融点を呈した。しかしながら、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0008】
米国公開第2005/107606号の実施例15、16及び19は、CVCメシレートの調製を記載している。実施例15及び19で生成されたCVCメシレートは、「黄色結晶」の形態であると言われている。しかしながら、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。同様に、実施例16は、「黄色粉末」を生じると言われている。しかしながら、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0009】
実施例15では、粗製CVCをアセトニトリル(7mL)とアセトン(7mL)との混合物に溶解し、メタンスルホン酸(209mg)及び「種晶」を溶液に連続して添加した。得られた混合物を100分間撹拌し、その後アセトニトリル/アセトン(1:1、5.0mL)を添加し;混合物を室温で一晩更に撹拌し、次いで氷冷下で2.5時間撹拌し;沈殿した固体を濾過によって収集し、氷冷したアセトン(9mL)で洗浄した。収集した固体を減圧下で40℃で乾燥させて、CVCメシレートを「黄色結晶」として得た。更に、「黄色結晶」のための乾燥時間は記載されていない。また、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0010】
実施例19では、メタンスルホン酸(18.2g)を、アセトニトリル(720mL)と酢酸エチル(720mL)との混合物中の粗製CVCの溶液に添加し、得られた混合物を1時間撹拌し、その後、沈殿した固体を濾過によって収集して、CVCメシレート(141.8g)を「黄色結晶」として得た。「黄色結晶」について物理的形態の特性化データは提供されていない。更に、乾燥条件(例えば、温度、時間及び圧力)は特定されていない。また、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0011】
実施例16では、メタンスルホン酸(0.65mL)及び「種晶」(80mg)をメチルイソブチルケトン(15mL)中の粗製CVCの溶液に連続して添加した。得られた混合物を16時間撹拌し、その後、メチルイソブチルケトン/酢酸エチル(1:1、50mL)を添加した。混合物を氷冷下で2時間撹拌し;沈殿した固体を濾過によって収集し;収集した固体を減圧下で40℃で乾燥させて、CVCメシレート(6.62g)を「黄色粉末」として得た。「黄色粉末」をメチルイソブチルケトン(40mL)に懸濁し;懸濁液を16時間撹拌し;酢酸エチル(40mL)を懸濁液に添加して溶液を得;溶液を室温で1時間撹拌し;次いで、氷冷下で2時間撹拌し、CVCメシレートを濾過によって収集した。CVCメシレートを乾燥させるために使用される条件は特定されていない。実施例で生成されたCVCメシレートは、「黄色粉末」として記載されている。しかしながら、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0012】
国際公開第WO2016/105527号の実施例4は、固体CVCメシレートの調製を記載している。実施例では、粗製CVCを酢酸エチルとアセトニトリルとの混合物に溶解し、次いでメタンスルホン酸(1.01当量)及び酢酸エチルを溶液に連続して添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、その後、混合物にCVCメシレートを播種し、混合物を20℃で8時間撹拌した。沈殿した固体を濾過によって収集し、冷やされた酢酸エチルで洗浄した。これらの「粗結晶」を70℃でアセトニトリルに溶解し、溶液を1時間にわたって50~55℃に冷却し、CVCメシレートを播種した。溶液を50~55℃で6時間撹拌し、次いで1時間にわたって20℃に冷却し、次いで8時間撹拌した。沈殿した結晶を濾過によって収集し、冷やされたアセトニトリルで2回洗浄して、CVCメシレートを得た。その参考文献は、生成物を「鮮やかな黄色固体」として記載している。しかしながら、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0013】
M.Menning and S.Dalziel,Mol.Pharmaceutics(10)4005-4015,4006,(2013)は、153℃の高融点を有する非常に安定な非吸湿性結晶固体であるものとして固体形態のモノメシレート塩を開示している。しかしながら、生成物の他の多形形態の特性は開示されていない。
【0014】
それ故、前述のものは、固体CVCメシレートの製造方法は記載していたが、固体の多形特性は確立されていない。高い多形純度を有するCVCメシレート及びその製造のためのプロセスが必要とされている。
【0015】
本開示は、CVCメシレートの多形及び安定な非晶質形態、それらの調製方法、それらの薬学的組成物及びそれらの使用方法に関する。
【発明の概要】
【0016】
本開示は、CVCのメタンスルホン酸塩(また「化合物I-MsOH」及び「CVCメシレート」)の固体形態及びそのような形態を製造する方法に関する。1つの実施形態では、固体形態は結晶形態である。
【化2】
【0017】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は結晶形態Aである。1つの実施形態では、結晶形態Aは、約4.0±0.2、約18.7±0.2、約19.1±0.2、約20.1±0.2及び約21.7±0.2度の2シータにおいて1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを呈する。別の実施形態では、結晶形態Aは、約10.0±0.2、約17.4±0.2、約20.4±0.2、約20.7±0.2、及び約23.2±0.2度の2シータにおいて1つ以上のX線粉末回折ピークを更に呈する。
【0018】
1つの実施形態では、結晶形態Aは、約152.9±2.0℃においてピーク特性値を有する示差走査熱量測定サーモグラムを呈する。別の実施形態では、結晶形態Aは、図2と実質的に同様の示差走査熱量測定サーモグラムパターンを呈する。1つの実施形態では、結晶形態Aは、図3と実質的に同様の熱重量分析サーモグラムを呈する。
【0019】
更なる実施形態では、結晶形態Aは、実質的に純粋な形態である。1つの実施形態では、結晶形態Aは、少なくとも約50%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Aは、少なくとも約60%の多形純度を有する。1つの実施形態では、結晶形態Aは、少なくとも約70%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Aは、少なくとも約80%の多形純度を有する。1つの実施形態では、結晶形態Aは、少なくとも約90%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Aは、少なくとも約95%の多形純度を有する。
【0020】
1つの実施形態では、結晶形態Aは、約5μm~約10μmの範囲のD90を有する。1つの実施形態では、結晶形態Aは微粉化されている。
【0021】
他の実施形態では、本開示は、結晶形態A及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は結晶形態Bである。1つの実施形態では、結晶形態Bは、約4.0±0.2、約15.9±0.2、約17.8±0.2、約19.9±0.2、約20.1±0.2、約21.5±0.2及び約21.6±0.2度の2シータにおいて1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを呈する。別の実施形態では、結晶形態Bは、約6.3±0.2、約9.9±0.2、約18.6±0.2、約20.4±0.2及び約21.1±0.2度の2シータにおいて1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを更に呈する。
【0023】
更なる実施形態では、結晶形態Bは、実質的に純粋な形態である。1つの実施形態では、結晶形態Bは、少なくとも約50%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Bは、少なくとも約60%の多形純度を有する。1つの実施形態では、結晶形態Bは、少なくとも約70%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Bは、少なくとも約80%の多形純度を有する。1つの実施形態では、結晶形態Bは、少なくとも約90%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Bは、少なくとも約95%の多形純度を有する。
【0024】
1つの実施形態では、結晶形態Bは、約5μm~約10μmの範囲のD90を有する。
【0025】
他の実施形態では、本開示は、結晶形態B及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの固体形態は結晶形態Cである。1つの実施形態では、結晶形態Cは、約4.0±0.2、約10.0±0.2、約16.0±0.2、約18.7±0.2、約20.0±0.2及び約21.7±0.2度の2シータにおいて1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを呈する。別の実施形態では、結晶形態Cは、約17.4±0.2、約20.3±0.2、約20.6±0.2、約20.7±0.2及び約21.2±0.2度の2シータにおいて1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを更に呈する。
【0027】
1つの実施形態では、結晶形態Cは、図8と実質的に同様の熱重量分析サーモグラムを呈する。別の実施形態では、結晶形態Cは、約126.7±2.0℃及び約151.5±2.0℃においてピーク特性値を有する示差走査熱量測定サーモグラムを呈する。他の実施形態では、結晶形態Cは、図7と実質的に同様の示差走査熱量測定サーモグラムパターンを呈する。
【0028】
更なる実施形態では、結晶形態Cは、実質的に純粋な形態である。1つの実施形態では、結晶形態Cは、少なくとも約50%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Cは、少なくとも約60%の多形純度を有する。1つの実施形態では、結晶形態Cは、少なくとも約70%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Cは、少なくとも約80%の多形純度を有する。1つの実施形態では、結晶形態Cは、少なくとも約90%の多形純度を有する。別の実施形態では、結晶形態Cは、少なくとも約95%の多形純度を有する。
【0029】
1つの実施形態では、結晶形態Cは、約5μm~約10μmの範囲のD90を有する。
【0030】
他の実施形態では、本開示は、結晶形態C及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態では、化合物I-MsOHは、非晶質形態を有する。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの非晶質形態は安定である。別の実施形態では、化合物I-MsOHの非晶質形態は、約81.9℃でガラス転移温度を含む変調DSCサーモグラムを呈する。他の実施形態では、本開示は、化合物I-MsOHの非晶質形態及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0032】
他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Aを製造する方法が提供される。更なる実施形態では、これらの方法によって生成される結晶形態Aは、実質的に純粋な形態である。1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁してスラリーを形成すること及び(b)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離することを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。他の実施形態では、懸濁工程(a)は約5℃で行われ、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、エタノール、2-メチル-1-プロパノール、酢酸プロピル、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/水(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)またはアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。いくつかの実施形態では、懸濁工程(a)は約50℃の温度で行われ、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、エタノール、2-メチル-1-プロパノール、酢酸プロピル、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/水(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)またはアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。
【0033】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを約5℃の温度で適切な溶媒に懸濁すること;(b)工程(a)の懸濁液を約50℃の温度に加熱すること;(c)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離すること;及び(d)単離された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して約40℃で乾燥させることを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。1つの実施形態では、適切な溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトン、2-メチル-1-プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)及びアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)からなる群から選択される。
【0034】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを約25℃の温度で適切な溶媒に懸濁すること;(b)工程(a)の懸濁液を約50℃の温度に加熱すること;(c)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離すること;及び(d)単離された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して約40℃で乾燥させることを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。1つの実施形態では、適切な溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトン、2-メチル-1-プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)及びアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)からなる群から選択される。
【0035】
1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)適切な溶媒中の化合物I-MsOHの溶液に貧溶媒を添加して、結晶形態Aを沈殿させること及び(b)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離することを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。いくつかの実施形態では、適切な溶媒はメタノールであり、適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。他の実施形態では、適切な溶媒はエタノール:水(例えば、90:10)であり;適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。別の実施形態では、適切な溶媒は酢酸エチル:アセトニトリル:水(例えば、47.5:47.5:5)であり;適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。いくつかの実施形態では、適切な溶媒はメタノールであり;適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。
【0036】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)適切な溶媒中の化合物I-MsOHの溶液に貧溶媒を添加して、結晶形態Aに転化する油を形成すること及び(b)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離することを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。他の実施形態では、適切な溶媒はエタノール:水(例えば、90:10)であり;適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。別の実施形態では、適切な溶媒は酢酸エチル:アセトニトリル:水(例えば、47.5:47.5:5)であり;適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。いくつかの実施形態では、適切な溶媒はメタノールであり;適切な貧溶媒はtert-ブチルメチルエーテルである。
【0037】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液から適切な溶媒の一部を蒸発させること;及び(c)工程(a)の溶液から適切な溶媒の一部を蒸発させることを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。いくつかの実施形態では、適切な溶媒は、アニソール、2-メチル-1-プロパノール及びイソプロパノール/水(90:10)からなる群から選択される。
【0038】
1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁すること;(b)工程(a)の懸濁液を粉砕すること;及び(c)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離することを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。別の実施形態では、ボールミルが粉砕工程(b)において使用され、適切な溶媒がイソプロパノール、アセトン、エタノール、アセトニトリル及びニトロメタンからなる群から選択される。
【0039】
他の実施形態では、結晶形態Bを製造する方法が提供される。更なる実施形態では、これらの方法によって生成される結晶形態Bは、実質的に純粋な形態である。1つの実施形態では、結晶形態Bを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁すること及び(b)その溶媒中の化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を形成することを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液の形成は約5℃においてであり、溶媒はメチルエチルケトン、アセトン及びテトラヒドロフランから選択される。他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液の形成は約25℃においてであり、溶媒はアセトン及びテトラヒドロフランから選択される。
【0040】
本開示の1つの実施形態では、本明細書に開示される開示された方法のいずれか1つによって調製された化合物I-MsOHの結晶形態Aが提供される。
【0041】
1つの実施形態では、結晶形態Bを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液に適切な貧溶媒を添加すること;及び(c)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を形成することを含む。1つの実施形態では、工程(a)における化合物I-MsOHは、非晶質化合物I-MsOHを含む。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液は、約5℃または約25℃で形成され、適切な溶媒はジクロロメタンであり、適切な貧溶媒はn-ヘプタンである。
【0042】
本開示の1つの実施形態では、本明細書に開示される開示された方法のいずれか1つによって調製された化合物I-MsOHの結晶形態Bが提供される。
【0043】
他の実施形態では、結晶形態Cを製造する方法が提供される。更なる実施形態では、これらの方法によって生成される結晶形態Cは、実質的に純粋な形態である。1つの実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して周囲条件で乾燥させることを含む。
【0044】
別の実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して約20℃未満で乾燥させることを含む。
【0045】
1つの実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して凍結乾燥させることを含む。
【0046】
本開示の1つの実施形態では、本明細書に開示される開示された方法のいずれか1つによって調製された化合物I-MsOHの結晶形態Cが提供される。
【0047】
他の実施形態では、化合物I-MsOHの非晶質形態を製造する方法が提供される。他の実施形態では、化合物I-MsOHの安定な非晶質形態を製造する方法が提供される。1つの実施形態では、非晶質化合物I-MsOHを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液から適切な溶媒の一部を蒸発させること;及び(c)化合物I-MsOHの非晶質形態を単離することを含む。いくつかの実施形態では、適切な溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びメタノールからなる群から選択される。別の実施形態では、蒸発工程(b)は、周囲条件下で行われる。1つの実施形態では、蒸発工程(b)は、大気圧未満の圧力下で行われる。
【0048】
1つの実施形態では、非晶質化合物I-MsOHを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液を凍結乾燥させること;及び(c)化合物I-MsOHの非晶質形態を単離することを含む。1つの実施形態では、適切な溶媒は、tert-ブタノールと水との混合物である。
【0049】
本開示の1つの実施形態では、本明細書に開示される開示された方法のいずれか1つによって調製された化合物I-MsOHの非晶質形態が提供される。
【0050】
別の実施形態では、上記の実施形態のいずれかによって記載された組成物、製剤、錠剤、または組成物を投与することを含む、化合物I-MsOHの固体形態を投与する方法が提供される。別の実施形態では、治療的有効量の上述の実施形態のいずれかによって生成された組成物、製剤、錠剤、または組成物を投与することを含む、疾患、障害、または状態を治療する方法が提供される。更なる実施形態では、疾患、障害、または状態は、ウイルス感染症である。他の更なる実施形態では、ウイルス感染症は、レトロウイルス感染症である。他の更なる実施形態では、疾患、状態、または障害は、肝炎、ヒト免疫不全ウイルス性疾患、または肉腫ウイルス性疾患である。所定の実施形態では、疾患、状態、または障害は、ヒト免疫不全ウイルス性疾患である。追加の実施形態では、疾患、障害、または状態は、炎症である。更なる追加の実施形態では、疾患、障害または状態は、移植片対宿主病、糖尿病性炎症、心血管炎症、または線維症である。
【0051】
1つの実施形態では、本開示は、線維症または線維性疾患もしくは状態の治療をそれを必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量の本明細書に開示される化合物I-MsOHの結晶形態Aのいずれか1つを投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態では、本開示は、線維症または線維性疾患もしくは状態の治療をそれを必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量の本明細書に開示される化合物I-MsOHの結晶形態Bを投与することを含む、方法を提供する。本開示は、線維症または線維性疾患もしくは状態の治療をそれを必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量の本明細書に開示される化合物I-MsOHの結晶形態Cを投与することを含む、方法を提供する。本開示は、線維症または線維性疾患もしくは状態の治療をそれを必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量の本明細書に開示される化合物I-MsOHの非晶質形態を投与することを含む、方法を提供する。1つの実施形態では、線維症または線維性疾患もしくは状態は、肝線維症または腎線維症である。別の実施形態では、肝線維症は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】化合物I-MsOHの結晶形態AのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
図2】化合物I-MsOHの結晶形態Aの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
図3】化合物I-MsOHの結晶形態Aの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
図4】化合物I-MsOHの結晶形態Aの固体13C核磁気共鳴(SS 13C NMR)スペクトルを示す。
図5】化合物I-MsOHの結晶形態BのXRPDパターンを示す。
図6】化合物I-MsOHの結晶形態CのXRPDパターンを示す。
図7】化合物I-MsOHの結晶形態CのDSCサーモグラムを示す。
図8】化合物I-MsOHの結晶形態CのTGAサーモグラムを示す。
図9】化合物I-MsOHの結晶形態CのSS 13C NMRスペクトルを示す。
図10】非晶質化合物I-MsOHのXRPDパターンを示す。
図11】非晶質化合物I-MsOHの変調DSCサーモグラムを示す。
図12】A及びBは、化合物I-MsOHの結晶形態Aの走査型電子顕微鏡写真を示す。
図13】A及びBは、化合物I-MsOHの結晶形態Cの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
定義
以下の用語は当業者によってよく理解されると考えられるが、以下の定義は本明細書に開示された主題の説明を容易にするために示される。
【0054】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、限定することは意図されていないことを理解されたい。
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願が属する分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の任意の方法及び物質が本出願の実施または試験に使用され得るが、代表的な方法及び物質が本明細書に記載されている。
【0055】
別段示されない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されていると理解されたい。したがって、逆に示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、本出願によって得られることが求められる所望の性質に応じて変わり得る近似値である。一般に、用語「約」は、重量、時間、用量などの量などの測定可能な値を指すときに本明細書で使用される場合、特定された量から1つの例では±15%または±10%、別の例では±5%、別の例では±1%、更に別の例では±0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は開示された方法を実施するのに適切である。
【0056】
用語「a」または「an」は、その実体のうちの1つ以上指す;例えば、「ハロゲン(a halogen)」は、1つ以上のハロゲンまたは少なくとも1つのハロゲンを指す。このように、用語「a」(または「an」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書では互換的に使用される。また、不定冠詞「a」または「an」による「アルキル基」への言及は、文脈が明らかに1つ及び1つのみのアルキル基があることを要求しない限り、1つを超えるアルキル基が存在する(例えば、1つ以上、または2つ以上)可能性を除外しない。
【0057】
「投与すること」には、経口、皮下、舌下、経粘膜、非経口、静脈内、動脈内、口腔内、舌下、局所、膣内、直腸内、眼内、耳内、鼻内、吸入、及び経皮などの任意の投与様式が含まれる。「投与すること」はまた、特定の化合物を含む剤形のための処方を処方することまたは調剤することを含み得る。「投与すること」はまた、特定の化合物またはその化合物を含む剤形を伴う方法を行うための指示を提供することを含み得る。
【0058】
用語「本発明の化合物(複数可)」または「本化合物(複数可)」は、(S)-8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-1-(2-メチルプロピル)-N-(4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アゾシン-5-カルボキサミドメタンスルホン酸塩(化合物I-MsOHまたはCVCメシレート)の多形及び非晶質形態を指す。
【化3】
【0059】
本明細書で使用される場合、本明細書及び特許請求の範囲で使用される動詞「含む」及びその活用形は、その非限定的な意味で使用されて、その単語の後の項目が含まれるが、具体的に言及されない項目は除外されないことを意味する。
【0060】
用語「異性体」は、同じ化学式を有する化合物を指すが、異なる立体化学式、構造式、または特別な原子配置を有し得る。異性体の例には、立体異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、立体配座異性体、回転異性体、幾何異性体、及びアトロプ異性体が含まれる。
【0061】
「薬学的製剤」は、本開示の化合物及び生物学的に活性な化合物を哺乳動物、例えば、ヒトに送達するために当技術分野において一般に許容されている媒体の製剤を指す。そのような媒体には、そのための全ての薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤が含まれる。本明細書に記載の薬学的製剤は、経口もしくは固体または両方の剤形などの様々な剤形であり得る。いくつかの実施形態では、本薬学的製剤は、錠剤またはカプセル剤形である。
【0062】
多形は、化合物が、同じ化学式を維持しながら、異なる結晶形態に結晶化する能力として特徴付けられ得る。所与の薬物物質の結晶多形は、同じように互いに結合した同じ原子を含有するという点でその薬物物質の任意の他の結晶多形と化学的に同一であるが、その結晶形態は異なり、1つ以上の物理的性質、例えば、安定性、溶解性、融点、かさ密度、流動性質、バイオアベイラビリティーなどに影響を及ぼし得る。
【0063】
本明細書で使用される場合、語句「非プロトン性(aprotic)溶媒」、「非プロトン性(nonprotic)溶媒」または「非プロトン性(non-protic)溶媒」は、強塩基性反応物の存在下で容易に脱プロトン化されない有機溶媒または有機溶媒の混合物を指す。非プロトン性溶媒の非限定的な例には、エーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N、N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、またはヘキサメチルホスホルアミド、ジエトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、テトラヒドロピラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、t-ブチルメチルエーテルなどが含まれる。
【0064】
本明細書で使用される場合、語句「プロトン性溶媒」は、任意の未反応の強塩基性反応中間体をプロトン化する目的で酸として機能することができる溶媒または溶媒混合物を指す。プロトン性溶媒の非限定的な例には、水、メタノール、エタノール、2-ニトロエタノール、2-フルオロエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、i-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1-、2-、または3-ペンタノール、ネオ-ペンチルアルコール、t-ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、グリセロールなどが含まれる。
【0065】
本明細書で使用される場合、語句「部分(複数可)」は、液体の体積を記載するために使用される場合、それが言及しているかまたは既に述べられた化合物、物質、または液体に対する体積乗数の概算推定値を指す。例えば、化合物Aに対して50部の水は、化合物Aの体積のおよそ50倍の水が使用されることを意味する。
【0066】
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」は、溶媒和(溶媒分子と本発明の活性剤の分子またはイオンとの組み合わせ)によって形成される複合体、または溶質イオンまたは分子(本発明の活性剤)と1つ以上の溶媒分子からなる凝集体を意味する。本発明では、好ましい溶媒和物は水和物である。水和物の例には、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、六水和物などが含まれるがこれらに限定されない。本化合物の薬学的に許容される塩はまた、溶媒和形態で存在し得ることが当業者によって理解されるべきである。溶媒和物は、典型的には、本化合物の調製の一部であるか、または本発明の無水化合物による自然の水分吸収を通してのいずれかである水和により形成される。水和物を含む溶媒和物は、化学量論比で、例えば、溶媒和物当たりまたは水和物分子当たり2、3、4個の塩分子で構成され得る。別の可能性は、例えば、2つの塩分子が3つ、5つ、7つの溶媒または水和物分子と化学量論的に関連していることである。結晶化に使用される溶媒、例えばアルコール、特にメタノール及びエタノール;アルデヒド;ケトン、特にアセトン;エステル、例えば、酢酸エチルは結晶格子内に埋め込まれ得る。薬学的に許容される溶媒が好ましい。
【0067】
本明細書で使用される用語「実質的に同様の」は、ピーク位置及びそれらの強度の両方において参照スペクトルに大いに似ている、XRPDパターン、ラマン分光法などの分析スペクトルを意味する。1つの実施形態では、「実質的に同様の」パターンまたはスペクトルは、ピーク位置及び/またはピーク強度が参照スペクトルの約10%以内にあるときである。1つの実施形態では、「実質的に同様の」パターンまたはスペクトルは、ピーク位置及び/またはピーク強度が参照スペクトルの約5%以内にあるときである。1つの実施形態では、「実質的に同様の」パターンまたはスペクトルは、ピーク位置及び/またはピーク強度が参照スペクトルの約2%以内にあるときである。1つの実施形態では、「実質的に同様の」パターンまたはスペクトルは、ピーク位置及びピーク強度が参照スペクトルの約2%以内にあるときである。別の実施形態では、「実質的に同様の」パターンまたはスペクトルは、ピーク位置及びピーク強度が参照スペクトルの約1%以内にあるときである。
【0068】
「治療的有効量」は、疾患、障害、または他の望ましくない医学的状態を治療するために対象に投与した場合に、その疾患、障害、または状態に関して有益な効果を及ぼすのに十分である活性物質の量を意味する。治療的有効量は、活性物質の化学的同一性及び製剤形態、疾患または状態及びその重症度、ならびに治療される患者の年齢、体重、及び他の関連特性に応じて変化する。所与の活性物質の治療的有効量を決定することは当該技術分野の通常の技術の範囲内であり、典型的には日常的な実験を超えるものを必要としない。
【0069】
「治療すること」は、疾患もしくは状態の実例、または疾患もしくは状態の症状を改善、緩和、及び減少することを含む。疾患または状態が現れる前に多くの疾患または状態の実例が減少され得るので、治療は予防も含み得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、記号「≦」は「以下」または「等しいまたは未満」を意味し;「<」は「未満」を意味し;「≧」は「以上」または「等しいまたは超える」を意味し;「>」は「超える」を意味する。更に、数値は、純度または不純物含有量に関連して本明細書で使用される場合、正確な数だけでなく、その数の周りのおおよその範囲も含む。例えば、語句「99.0%の純度」は、約99.0%の純度を示す。
【0071】
結晶物質
1つの実施形態では、本発明は、化合物Iの塩及び/または溶媒和物の結晶形態を提供する。1つの実施形態では、塩はメタンスルホン酸(MsOH)付加塩である。
【0072】
1つの実施形態では、結晶形態は、X線粉末回折パターン(XRPD)によって決定される格子間面間隔によって特徴付けられる。XRPDのスペクトルは典型的には、ピークの強度対ピークの位置、すなわち、回折角2θ(2シータ)を度でプロットした図によって表される。強度はしばしば次の略語で括弧内に示される:非常に強い=vst;強い=st;中程度=m;弱い=w;及び非常に弱い=vw。所与のXRPDの特徴的ピークは、この結晶構造を他のものと好都合に区別するために、ピーク位置及びそれらの相対強度に従って選択され得る。最も強いピークに対するピークの強度%は、I/Ioとして表され得る。
【0073】
当業者は、同じ化合物の所与の結晶形態についてのXRPDのピーク位置及び/または強度の測定値が誤差範囲内で変化することを認識している。度2θの値は適切な誤差範囲を許容する。典型的には、誤差範囲は「±」によって表される。例えば、約「8.716±0.3」の度2θは、約8.716±0.3、すなわち、約9.016から約8.716-0.3、すなわち、約8.416までの範囲を示す。サンプル調製技術、機器に適用される校正技術、人間の操作上の変動などに依存して、当業者は、XRPDについての適切な誤差範囲が約±0.7;±0.6;±0.5;±0.4;±0.3;±0.2;±0.1;±0.05;またはそれ以下であり得ることを認識する。
【0074】
XRPD分析に使用される方法及び装置の更なる詳細は実施例の節に記載されている。
【0075】
1つの実施形態では、結晶形態は示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けられる。DSCサーモグラムは、典型的には、ワット/グラム(「W/g」)の単位の正規化された熱流対測定された度Cのサンプル温度をプロットした図によって表される。DSCサーモグラムは、通常、外挿された開始及び終了(発端)温度、ピーク温度、融解熱について評価される。DSCサーモグラムのピーク特性値はしばしば、この結晶構造を他のものと区別するために特性ピークとして使用される。
【0076】
当業者は、同じ化合物の所与の結晶形態についてのDSCサーモグラムの測定値が誤差範囲内で変化することを認識する。度Cで表される単一ピーク特性値の値は、適切な誤差範囲を許容する。典型的には、誤差範囲は「±」によって表される。例えば、約「53.09±2.0」の単一ピーク特性値は、約53.09+2、すなわち、約55.09から約53.09-2、すなわち、約51.09までの範囲を示す。サンプル調製技術、機器に適用される校正技術、人間の操作上の変動などに依存して、当業者は、単一ピーク特性値についての適切な誤差範囲が約±2.5;±2.0;±1.5;±1.0;±0.5;またはそれ以下であり得ることを認識する。
【0077】
DSC及びTGAサーモグラム分析に使用される方法及び装置の更なる詳細は実施例の節に記載されている。
【0078】
1つの実施形態では、化合物Iの結晶形態はメタンスルホン酸塩(化合物I-MsOH)である。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は異なる多形を呈する。化合物I-MsOHの結晶形態の例には、以下の節で定義されるように、結晶形態A、B及びCが含まれるがこれらに限定されない。
【0079】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、化合物I-MsOHの多形の1つ以上の形態の混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、1つの多形種類の実質的に純粋な形態を含み得る。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、または約99.0%を超える化合物I-MsOHの1つの多形を含み得る。別の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、または約90%を超える化合物I-MsOHの1つの多形を含み得る。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約45%、または約40%を超える化合物I-MsOHの1つの多形を含み得る。
【0080】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%の化合物I-MsOHの結晶形態Aを含み得る。
【0081】
本開示の1つの実施形態では、化合物Iの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態BもしくはC、またはその混合物を含む化合物I-MsOHの結晶形態Aであり得る。
【0082】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態Bを含む化合物I-MsOHの結晶形態Aであり得る。
【0083】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態Cを含む化合物I-MsOHの結晶形態Aであり得る。
【0084】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%の化合物I-MsOHの結晶形態Bを含み得る。
【0085】
本開示の1つの実施形態では、化合物Iの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態AもしくはC、またはその混合物を含む化合物I-MsOHの結晶形態Bであり得る。
【0086】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態Aを含む化合物I-MsOHの結晶形態Bであり得る。
【0087】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態Cを含む化合物I-MsOHの結晶形態Bであり得る。
【0088】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%の化合物I-MsOHの結晶形態Cを含み得る。
【0089】
本開示の1つの実施形態では、化合物Iの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態AもしくはB、またはその混合物を含む化合物I-MsOHの結晶形態Cであり得る。
【0090】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態Aを含む化合物I-MsOHの結晶形態Cであり得る。
【0091】
本開示の1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%の結晶形態Bを含む化合物I-MsOHの結晶形態Cであり得る。
【0092】
結晶形態A
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態A(結晶形態A)は、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約4.0、約18.7、約19.1、約20.1及び約21.7度2シータにおいて1つ以上のピークを含むXRPDを呈する。別の実施形態では、結晶形態AのXRPDは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約10.0、約17.4、約20.4、約20.7、及び約23.2度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。更なる実施形態では、結晶形態Aは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約6.3、約20.8、約21.3、約22.0及び約23.8度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。別の実施形態では、結晶形態Aは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約8.1、約13.4、約18.1、約22.2及び約22.8度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。更に別の実施形態では、結晶形態Aは、表1に示されるピークを含むXRPDを呈する。1つの実施形態では、結晶形態Aは、表1に示されるピークと実質的に同様のピークを含むXRPDを呈する。
【表1-1】
【表1-2】
【0093】
1つの特定の実施形態では、結晶形態Aは、図1と実質的に同様であるXRPDを呈する。
【0094】
1つの実施形態では、結晶形態Aは、約±2.5;約±2.0;約±1.5;約±1.0;約±0.5;またはそれ以下の誤差範囲で約152.9℃において鋭い吸熱を含むDSCサーモグラムを呈する。1つの特定の実施形態では、結晶形態Aは、図2と実質的に同様であるDSCサーモグラムを呈する。
【0095】
1つの実施形態では、結晶形態Aは、図3と実質的に同様であるTGAサーモグラムを呈する。他の実施形態では、結晶形態AのTGAサーモグラムは、25~250℃の温度範囲で0.0~約2.5%の重量損失を呈する。
【0096】
1つの実施形態では、結晶形態Aは、図4と実質的に同様である固体13C NMRスペクトルを呈する。
【0097】
結晶形態B
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態B(結晶形態B)は、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約4.0、約15.9、約17.8、約19.9、約20.1、約21.5及び約21.6度2シータにおいて1つ以上のピークを含むXRPDを呈する。別の実施形態では、結晶形態BのXRPDは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約6.3、約9.9、約18.6、約20.4及び約21.1度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。更なる実施形態では、結晶形態Bは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約15.9、約16.6、約17.8、約18.4及び約24.3度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。別の実施形態では、結晶形態Bは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約5.7、約6.5、約7.9、約12.7及び約22.7度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。更に別の実施形態では、結晶形態Bは、表2に示されるピークを含むXRPDを呈する。1つの実施形態では、結晶形態Bは、表2に示されるピークと実質的に同様のピークを含むXRPDを呈する。
【表2-1】
【表2-2】
【0098】
1つの特定の実施形態では、結晶形態Bは、図5と実質的に同様であるXRPDを呈する。
【0099】
結晶形態C
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態C(結晶形態C)は、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約4.0、約10.0、約16.0、約18.7、約20.0及び約21.7度2シータにおいて1つ以上のピークを含むXRPDを呈する。別の実施形態では、結晶形態CのXRPDは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約17.4、約20.3、約20.6、約20.7及び約21.2度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。更なる実施形態では、結晶形態Cは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約6.3、約6.5、約19.1、約21.3及び約23.1度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。別の実施形態では、結晶形態Cは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;またはそれ以下の誤差範囲で約6.6、約8.1、約17.8、約18.1及び約23.3度2シータにおいて1つ以上のピークを更に含む。更に別の実施形態では、結晶形態Cは、表3に示されるピークを含むXRPDを呈する。1つの実施形態では、結晶形態Cは、表3に示されるピークと実質的に同様のピークを含むXRPDを呈する。
【表3-1】
【表3-2】
【0100】
1つの特定の実施形態では、結晶形態Cは、図6と実質的に同様であるXRPDを呈する。
【0101】
1つの実施形態では、結晶形態Cは、約±2.5;約±2.0;約±1.5;約±1.0;約±0.5;またはそれ以下の誤差範囲で約151.5℃において鋭い吸熱を含むDSCサーモグラムを呈する。別の実施形態では、結晶形態Cは、次のピークの1つ以上を含むDSCサーモグラムを更に呈する:約126.7±2.0℃での吸熱及び約205.2±2.0℃での発熱。1つの特定の実施形態では、結晶形態Cは、図7と実質的に同様のDSCサーモグラムを呈する。
【0102】
1つの実施形態では、結晶形態Cは、図8と実質的に同様であるTGAサーモグラムを呈する。別の実施形態では、結晶形態CのTGAサーモグラムは、25~250℃の温度範囲で0.0~約2.5%の重量損失を呈する。
【0103】
結晶物質を単離する方法
所定の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶多形は、それらが調製された後に単離される。結晶多形の単離は、濾過、デカンテーション、または他の適切な分離技術などの方法を使用して達成され得る。
所定の実施形態では、単離された結晶多形は、貧溶媒、アセトニトリル、メタノール、エタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、またはそれらの組み合わせなどの液体で任意に洗浄される。特定の実施形態では、単離された結晶多形は、貧溶媒と有機溶媒との組み合わせで洗浄される。
【0104】
結晶形態A
所定の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態A(結晶形態A)を製造する方法が提供される。
【0105】
1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁してスラリーを形成すること及び(b)結晶形態Aを単離することを含む。更なる実施形態では、懸濁工程(a)は、約5℃、または約50℃で行われる。更なる実施形態では、懸濁工程(a)は、一晩行われる。更なる実施形態では、懸濁工程(a)は、約12時間行われる。約5℃で行われる実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、エタノール、2-メチル-1-プロパノール、酢酸プロピル、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/水(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)及びアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。約50℃で行われる実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトン、tert-ブチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)及びアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。なお更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0106】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁してスラリーを形成すること、(b)約25℃、次いで約50℃でスラリーを熟成させること、(c)結晶形態Aを単離すること、及び(d)単離した生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して30℃超で乾燥させることを含む。1つの実施形態では、単離工程(b)は、濾過によって行われる。更なる実施形態では、30℃超での乾燥は、生成物中に存在する結晶形態B及び/または結晶形態Cの実質的に全てを結晶形態Aに転化させる温度で行われる。より具体的には、乾燥は約40℃で行われる。更なる実施形態では、熟成工程(a)は、各温度について約4時間行われる。約5℃で行われる実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトン、2-メチル-1-プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)及びアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。なお更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0107】
1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを約5℃の温度で適切な溶媒に懸濁すること、(b)工程(a)の懸濁液を約50℃で加熱すること、(c)結晶形態Aを単離すること、及び(d)単離した生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化し、30℃超で乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、工程(a)で形成される懸濁液はスラリーである。1つの実施形態では、加熱工程(b)は、工程(a)の懸濁液を熟成させることである。1つの実施形態では、単離工程(b)は、濾過によって行われる。1つの実施形態では、乾燥工程(d)は、約40℃においてである。実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトン、2-メチル-1-プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)またはアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。なお更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0108】
1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを約25℃の温度で適切な溶媒に懸濁すること、(b)工程(a)の懸濁液を約50℃で加熱すること、(c)結晶形態Aを単離すること、及び(d)単離した生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化し、30℃超で乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、工程(a)で形成された懸濁液はスラリーである。1つの実施形態では、加熱工程(b)は、工程(a)の懸濁液を熟成させることである。1つの実施形態では、単離工程(b)は、濾過によって行われる。1つの実施形態では、乾燥工程(d)は、約40℃においてである。実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトン、2-メチル-1-プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、ニトロメタン、酢酸エチル/アセトニトリル(例えば、50/50);酢酸エチル/アセトニトリル/ピリジン(例えば、47.5/47.5/5);酢酸エチル/アセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、47.5/47.5/5);アセトニトリル/酢酸エチル(例えば、95/5);アセトニトリル/ピリジン(例えば、95/5)またはアセトニトリル/ジクロロメタン(例えば、95/5)から選択される。なお更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0109】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)適切な溶媒中の化合物I-MsOHの溶液に貧溶媒を添加して、結晶形態Aを沈殿させること、及び(b)結晶形態Aを単離することを含む。更に別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)適切な溶媒中の化合物I-MsOHの溶液に貧溶媒を添加して、結晶形態Aに転化する油を形成すること、及び(b)結晶形態Aを単離することを含む。更なる実施形態では、工程(a)の溶液は25℃である。更なる実施形態では、工程(a)の油の転化は約25℃においてである。結晶形態Aが沈殿する実施形態では、溶媒/貧溶媒の組み合わせは、メタノール/tert-ブチルメチルエーテルである。結晶形態Aに転化する油が形成される実施形態では、溶媒/貧溶媒の組み合わせは、エタノール:水(例えば、90:10)/tert-ブチルメチルエーテル、酢酸エチル:アセトニトリル:水(例えば、47.5:47.5:5)/tert-ブチルメチルエーテル、及びメタノール/tert-ブチルメチルエーテルから選択される。なお更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0110】
別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの溶液を周囲条件で蒸発させて結晶形態Aを沈殿させること、及び(b)結晶形態Aを単離することを含む。1つの実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること、(b)工程(a)の溶液から適切な溶媒の一部を蒸発させること、及び(c)結晶形態Aを単離することを含む。溶媒の蒸発後に結晶形態Aが沈殿する実施形態では、溶媒は、アニソール、2-メチル-1-プロパノール及びイソプロパノール:水(例えば、90:10)から選択される。更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0111】
更に別の実施形態では、結晶形態Aを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁すること;(b)工程(a)の懸濁液を粉砕すること;及び(c)化合物I-MsOHの結晶形態Aを単離することを含む。更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。なお更なる実施形態では、粉砕工程(b)は、ボールミルを使用して行われる。更なる実施形態では、粉砕工程(b)は、約2時間行われる。実施形態では、溶媒は、イソプロパノール、アセトン、エタノール、アセトニトリル、及びニトロメタンから選択される。更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0112】
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Aを製造する方法は、(a)非晶質化合物I-MsOHを調製すること、(b)非晶質化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解または懸濁すること、(c)結晶形態Bの形成を誘導すること、(d)結晶形態Bを誘導して結晶形態Cに転化すること、及び(e)結晶形態Cを誘導して結晶形態Aに転化することを含む。更なる実施形態では、結晶形態Cは、約40℃の温度で結晶形態Cを乾燥させることによって結晶形態Aに転化される。好ましい実施形態では、結晶形態Cの実質的に全てが、結晶形態Cを30℃を超える温度で乾燥させることによって結晶形態Aに転化される。
【0113】
他の実施形態では、上記の実施形態によって調製される結晶形態Aは実質的に純粋である。例えば、結晶形態Aの多形純度は、少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%の化合物I-MsOHの結晶形態Aを含み得る。
【0114】
結晶形態B
所定の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態B(結晶形態B)を製造する方法が提供される。
【0115】
1つの実施形態では、結晶形態Bを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に懸濁すること及び(b)その溶媒中の化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を形成することを含む。実施形態では、懸濁液は約5℃で形成し、その場合、溶媒は、メチルエチルケトン、アセトン及びテトラヒドロフランから選択される。実施形態では、懸濁液は約25℃で形成し、その場合、溶媒は、アセトン及びテトラヒドロフランから選択される。更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0116】
更に別の実施形態では、結晶形態Bを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液に適切な貧溶媒を添加すること;及び(c)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を形成することを含む。実施形態では、懸濁液は約5℃または約25℃で形成し、その場合、適切な溶媒はジクロロメタンであり、適切な貧溶媒はn-ヘプタンである。更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。
【0117】
他の実施形態では、上記の実施形態によって調製される結晶形態Bは実質的に純粋である。例えば、結晶形態Bの多形純度は、少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%の化合物I-MsOHの結晶形態Bを含み得る。
【0118】
結晶形態C
所定の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態C(結晶形態C)を製造する方法が提供される。
【0119】
1つの実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を細分化して周囲条件で乾燥させることを含む。特定の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液はアセトン中のものである。更なる実施形態では、工程(a)で使用される化合物I-MsOHは非晶質である。約20℃未満のこの乾燥温度は、結晶形態Aの形成を最小にしながら、単離された結晶形態Bの結晶形態Cへの転化を提供することが見出された。
【0120】
1つの実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を破砕して20℃未満で乾燥させることを含む。別の実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で乾燥させ、生成物を破砕して凍結乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Cを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHの結晶形態Bの懸濁液を濾過すること、及び(b)濾過された生成物を真空下で凍結乾燥させることを含む。
【0121】
他の実施形態では、上記の実施形態によって調製される結晶形態Cは実質的に純粋である。例えば、結晶形態Cの多形純度は、少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%の化合物I-MsOHの結晶形態Cを含み得る。
【0122】
非晶質物質
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの非晶質形態は、約±2.5;約±2.0;約±1.5;約±1.0;約±0.5;またはそれ以下の誤差範囲で約81.9℃でガラス転移温度を含む変調DSCサーモグラムを呈する。1つの特定の実施形態では、化合物I-MsOHの非晶質は、図11と実質的に同様であるDSCサーモグラムを呈する。
【0123】
1つの特定の実施形態では、化合物I-MsOHの非晶質は、図10と実質的に同様であるXRPDを呈する。
【0124】
非晶質物質を製造する方法
所定の実施形態では、化合物I-MsOHの安定な非晶質形態を製造する方法が提供される。
【0125】
1つの実施形態では、非晶質化合物I-MsOHを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液から適切な溶媒の一部を蒸発させること;及び(c)化合物I-MsOHの非晶質形態を単離することを含む。更なる実施形態では、適切な溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びメタノールからなる群から選択される。更なる実施形態では、蒸発工程(b)は、周囲条件下で行われる。所定の他の更なる実施形態では、蒸発工程(b)は、大気圧未満の圧力下で行われる(ロータリーエバポレーション)。
1つの実施形態では、非晶質化合物I-MsOHを製造する方法は、(a)化合物I-MsOHを適切な溶媒に溶解すること;(b)工程(a)の溶液を凍結乾燥させること;及び(c)化合物I-MsOHの非晶質形態を単離することを含む。更なる実施形態では、適切な溶媒は、tert-ブタノール/水である。
【0126】
結晶形態の微粉化
1つの実施形態では、本開示は、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態を提供する。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Aは微粉化されている。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Bは微粉化されている。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Cは微粉化されている。
【0127】
本明細書で使用される場合、示された直径の「D90」は、本発明の化合物の粒子の90%が、示された直径未満の直径を有することを意味する。例えば、7.6μmのD90は、本発明の化合物の粒子の90%が7.6μm未満の直径を有することを意味する。同様に、本明細書で使用される場合、示された直径の「D50」は、本発明の化合物の粒子の50%が、示された直径未満の直径を有することを意味する。また、本明細書で使用される場合、示された直径の「D10」は、本発明の化合物の粒子の10%が、示された直径未満の直径を有することを意味する。
【0128】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約1μm~約20μmの範囲のD90を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約2μm~約15μmの範囲のD90を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約3μm~約10μmの範囲のD90を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約4μm~約9μmの範囲のD90を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、もしくは約25μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD90を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約6.0μm、約6.1μm、約6.2μm、約6.3μm、約6.4μm、約6.5μm、約6.6μm、約6.7μm、約6.8μm、約6.9μm、約7.0μm、約7.1μm、約7.2μm、約7.3μm、約7.4μm、約7.5μm、約7.6μm、約7.7μm、約7.8μm、約7.9μm、約8.0μm、8.1μm、約8.2μm、約8.3μm、約8.4μm、約8.5μm、約8.6μm、約8.7μm、約8.8μm、約8.9μm、もしくは約9.0μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD90を有する。
【0130】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.5μm~約20μmの範囲のD50を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約1μm~約15μmの範囲のD50を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約1μm~約10μmの範囲のD50を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約1μm~約5μmの範囲のD50を有する。
【0131】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.5μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、もしくは約25μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD50を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1.0μm、約1.1μm、約1.2μm、約1.3μm、約1.4μm、約1.5μm、約1.6μm、約1.7μm、約1.8μm、約1.9μm、約2.0μm、約2.1μm、約2.2μm、約2.3μm、約2.4μm、約2.5μm、約2.6μm、約2.7μm、約2.8μm、約2.9μm、約3.0μm、3.1μm、約3.2μm、約3.3μm、約3.4μm、約3.5μm、約3.6μm、約3.7μm、約3.8μm、約3.9μm、約4.0μm、4.1μm、約4.2μm、約4.3μm、約4.4μm、約4.5μm、約4.6μm、約4.7μm、約4.8μm、約4.9μm、もしくは約5.0μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD50を有する。
【0132】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1μm~約10μmの範囲のD10を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1μm~約5μmの範囲のD10を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1μm~約1μmの範囲のD10を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.2μm~約0.8μmの範囲のD10を有する。
【0133】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、もしくは約10μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD10を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1.0μm、約1.1μm、約1.2μm、約1.3μm、約1.4μm、約1.5μm、約1.6μm、約1.7μm、約1.8μm、約1.9μm、もしくは約2.0μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD10を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約0.41μm、約0.42μm、約0.43μm、約0.44μm、約0.45μm、約0.46μm、約0.47μm、約0.48μm、約0.49μm、0.50μm、約0.51μm、約0.52μm、約0.53μm、約0.54μm、約0.55μm、約0.56μm、約0.57μm、約0.58μm、約0.59μm、約0.60μm、約0.61μm、約0.62μm、約0.63μm、約0.64μm、約0.65μm、約0.66μm、約0.67μm、約0.68μm、約0.69μm、約0.70μm、約0.71μm、約0.72μm、約0.73μm、約0.74μm、約0.75μm、約0.76μm、約0.77μm、約0.78μm、約0.79μm、もしくは約0.80μm、またはこれらの直径のいずれかからいずれかまでの範囲の値のD10を有する。
【0134】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物の粒径及び粒度分布(例えば、D90、D50、及びD10)は、レーザー光回折粒度分布分析によって決定される。粒度分布は、フラウンホーファー光回折法に従って決定される。この方法では、コヒーレントなレーザービームがサンプルを通過し、得られた回折パターンが多元素検出器に集束される。回折パターンは、他のパラメータの中でもとりわけ粒径に依存するので、粒度分布は、サンプルの測定された回折パターンに基づいて計算され得る。1つの実施形態では、粒径及び粒度分布は、米国薬局方(USP)<429>に従って測定される。
【0135】
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約5m/g~約20m/gの表面積を有する。別の実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約7m/g~約18m/gの表面積を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約8m/g~約15m/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約10m/g~約14m/gの表面積を有する。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約12m/gの表面積を有する。
【0136】
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約5m/g、約6m/g、約7m/g、約8m/g、約9m/g、約10m/g、約11m/g、約12m/g、約13m/g、約14m/g、約15m/g、約16m/g、約17m/g、約18m/g、約19m/g、または約20m/gの表面積、またはこれらの表面積のいずれかからいずれかまでの範囲の値を有する。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約10.0m/g、約10.1m/g、約10.2m/g、約10.3m/g、約10.4m/g、約10.5m/g、約10.6m/g、約10.7m/g、約10.8m/g、約10.9m/g、約11.0m/g、約11.1m/g、約11.2m/g、約11.3m/g、約11.4m/g、約11.5m/g、約11.6m/g、約11.7m/g、約11.8m/g、約11.9m/g、約12.0m/g、約12.1m/g、約12.2m/g、約12.3m/g、約12.4m/g、約12.5m/g、約12.6m/g、約12.7m/g、約12.8m/g、約12.9m/g、約13.0m/g、約13.1m/g、約13.2m/g、約13.3m/g、約13.4m/g、約13.5m/g、約13.6m/g、約13.7m/g、約13.8m/g、約13.9m/g、または約14.0m/gの表面積、またはこれらの表面積のいずれかからいずれかまでの範囲の値を有する。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約12.0m/g、約12.1m/g、約12.2m/g、約12.3m/g、約12.4m/g、約12.5m/g、約12.6m/g、約12.7m/g、約12.8m/g、約12.9m/g、または約13.0m/gの表面積、またはこれらの表面積のいずれかからいずれかまでの範囲の値を有する。
【0137】
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約0.05~約1.0のタップかさ密度を有する。別の実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約0.1~約0.5のタップかさ密度を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約0.15~約0.20のタップかさ密度を有する。
【0138】
1つの実施形態では、化合物I-MsOHの微粉化された結晶形態は、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.10、約0.11、約0.12、約0.13、約0.14、約0.15、約0.16、約0.17、約0.18、約0.19、約0.20、約0.21、約0.22、約0.23、約0.24、約0.25、約0.26、約0.27、約0.28、約0.29、約0.30、約0.31、約0.32、約0.33、約0.34、約0.35、約0.36、約0.37、約0.38、約0.39、約0.40、約0.41、約0.42、約0.43、約0.44、約0.45、約0.46、約0.47、約0.48、約0.49、約0.50、約0.51、約0.52、約0.53、約0.54、約0.55、約0.56、約0.57、約0.58、約0.59、もしくは約0.60、または値のいずれかからいずれかまでの範囲の値のタップかさ密度を有する。
【0139】
溶解
1つの実施形態では、本開示は、約pH3.1~約pH3.2で約1μg/分~約25μg/分の外挿された固有溶解速度を有する化合物I-MsOHの結晶形態を提供する。別の実施形態では、本開示は、約5μg/分~約15μg/分の外挿された固有溶解速度を有する化合物I-MsOHの結晶形態を提供する。1つの実施形態では、本開示は、約6μg/分~約12μg/分の外挿された固有溶解速度を有する化合物I-MsOHの結晶形態を提供する。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Aは微粉化されている。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Bは微粉化されている。1つの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態Cは微粉化されている。
【0140】
1つの実施形態では、外挿された固有溶解速度は、構築されたダイを使用して、高圧の約100kg下で圧縮された7.07mmを有する溶解ディスクを使用して測定される。1つの実施形態では、パドルの撹拌速度が-30%に設定された20mLの試験媒体を含有する溶解装置としてSiriusT3を使用した。いくつかの実施形態では、溶解は、室温で測定された。1つの実施形態では、溶解は、紫外(UV)分光測定によって1pH区分にわたって測定された。1つの実施形態では、溶解溶液のUVスペクトルを経時的に、例えば30秒ごとに収集し、UV計量滴定によるモル吸光係数(MEC)を使用して濃度に変換した。1つの実施形態では、固有溶解速度は、外挿された溶解速度を溶解ディスクの表面積で除することによって計算した。1つの実施形態では、溶解媒体は、ブリトン-ロビンソン緩衝液であった。1つの実施形態では、溶解媒体は、pH3.1のブリトン-ロビンソン緩衝液であった。1つの実施形態では、溶解媒体は、pH3.2のブリトン-ロビンソン緩衝液であった。別の実施形態では、溶解媒体は、pH4.7のブリトン-ロビンソン緩衝液であった。
【0141】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、pH約3.1~pH約3.2において、約1μg/分、約2μg/分、約3μmμg/分、約4μg/分、約5μg/分、約6μg/分、約7μmμg/分、約8μg/分、約9μg/分、約10μg/分、約11μg/分、約12μg/分、約13μg/分、約14μg/分、約15μg/分、約16μg/分、約17μg/分、約18μg/分、約19μg/分、約20μg/分、約21μg/分、約22μg/分、約23μg/分、約24μg/分、もしくは約25μmμg/分またはこれらの溶解速度のいずれかからいずれかまでの範囲の値の外挿された固有溶解速度を有する。いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、pH約3.1~pH約3.2において、約4.0μg/分、約4.1μg/分、約4.2μg/分、約4.3μg/分、約4.4μg/分、約4.5μg/分、約4.6μg/分、約4.7μg/分、約4.8μg/分、約4.9μg/分、約5.0μg/分、約5.1μg/分、約5.2μg/分、約5.3μg/分、約5.4μg/分、約5.5μg/分、約5.6μg/分、約5.7μg/分、約5.8μg/分、約5.9μg/分、約6.0μg/分、約6.1μg/分、約6.2μg/分、約6.3μg/分、約6.4μg/分、約6.5μg/分、約6.6μg/分、約6.7μg/分、約6.8μg/分、約6.9μg/分、約7.0μmμg/分、約7.1μg/分、約7.2μg/分、約7.3μg/分、約7.4μg/分、約7.5μg/分、約7.6μg/分、約7.7μg/分、約7.8μg/分、約7.9μg/分、約8.0μg/分、約8.1μg/分、約8.2μg/分、約8.3μg/分、約8.4μg/分、約8.5μg/分、約8.6μg/分、約8.7μg/分、約8.8μg/分、約8.9μg/分、約9.0μg/分、約9.1μg/分、約9.2μg/分、約9.3μg/分、約9.4μg/分、約9.5μg/分、約9.6μg/分、約9.7μg/分、約9.8μg/分、約9.9μg/分、約10.0μg/分、約10.1μg/分、約10.2μg/分、約10.3μg/分、約10.4μg/分、約10.5μg/分、約10.6μg/分、約10.7μg/分、約10.8μg/分、約10.9μg/分、約11.0μg/分、約11.1μg/分、約11.2μg/分、約11.3μg/分、約11.4μg/分、約11.5μg/分、約11.6μg/分、約11.7μg/分、約11.8μg/分、約11.9μg/分、約12.0μg/分、約12.1μg/分、約12.2μg/分、約12.3μg/分、約12.4μg/分、約12.5μg/分、約12.6μg/分、約12.7μg/分、約12.8μg/分、約12.9μg/分、約13.0μg/分、約13.1μg/分、約13.2μg/分、約13.3μg/分、約13.4μg/分、約13.5μg/分、約13.6μg/分、約13.7μg/分、約13.8μg/分、約13.9μg/分、もしくは約14.0μg/分、またはこれらの溶解速度のいずれかからいずれかまでの範囲の値の外挿された固有溶解速度を有する。
【0142】
いくつかの実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約pH3.1~約pH3.2で約6.5μg/分~約12.0μg/分の外挿された固有溶解速度を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約pH3.1~約pH3.2で約6.5μg/分~約11.0μg/分の外挿された固有溶解速度を有する。他の実施形態では、化合物I-MsOHの結晶形態は、約pH3.1で約6.5μg/分~約10.0μg/分の外挿された固有溶解速度を有する。
【0143】
薬学的組成物
1つの実施形態では、本発明は、CVCメシレートの結晶多形形態または非晶質形態及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」は、米国食品医薬品局によってヒトまたは家畜における使用に許容されるものとして承認されている任意のアジュバント、担体、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、増量剤、充填剤、等張剤、溶媒、または乳化剤を含むがこれらに限定されない。1つの実施形態では、適切な薬学的に許容される賦形剤には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが含まれるがこれらに限定されない。
【0144】
1つの態様では、本発明は、線維症及び/または線維性疾患もしくは状態を治療するのに有用な薬学的組成物及び組み合わせパッケージを提供する。
【0145】
組成物は、経口、非経口、直腸、局所及び局部を含むがこれらに限定されない適切な経路によって投与されることが意図されている。経口投与のためには、カプセル及び錠剤が製剤化され得る。組成物は液体、半液体または固体形態であり、各投与経路に適切な手法で製剤化される。
【0146】
1つの実施形態では、薬学的組成物は、治療的有効量の(a)追加の治療剤;及び(b)CVCメシレートまたはその溶媒和物を含む。成分(a)及び(b)は、薬学的に活性な成分である。薬学的組成物は、(a)及び(b)に加えて追加の活性成分を含み得る。例えば、薬学的組成物は、上述したような追加の活性剤を含み得る。1つの実施形態では、追加の活性剤は、FXRまたはPPAR-αアゴニストである。1つの実施形態では、追加の活性剤は、ケモカインアゴニストである。
【0147】
1つの特定の実施形態では、薬学的組成物は、FXRアゴニスト及びCVCメシレートまたはその溶媒和物を含む。別の特定の実施形態では、薬学的組成物は、PPAR-αアゴニスト及びCVCメシレートまたはその溶媒和物を含む。1つの特定の実施形態では、薬学的組成物は、ケモカインアゴニスト及びCVCメシレートまたはその溶媒和物を含む。
【0148】
更なる実施形態では、CVCメシレート成分(b)は、結晶形態A、結晶形態B、結晶形態C、もしくは非晶質、またはそれらの混合物である。
【0149】
1つの実施形態では、薬学的組成物は、治療的有効量のCVCメシレートまたはその溶媒和物を含む。更なる実施形態では、CVCメシレートは、結晶形態A、結晶形態B、結晶形態C、もしくは非晶質、またはそれらの混合物である。
【0150】
CVCメシレートまたはその溶媒和物は、経口または注射投与に適切な任意の剤形に製剤化され得る。化合物が経口で投与される場合、それは経口投与用の固体剤形、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、顆粒などに製剤化され得る。それはまた、経口投与用の液体剤形、例えば、経口溶液、経口懸濁液、シロップなどに製剤化され得る。用語「錠剤」は、本明細書で使用される場合、円形または不規則状のトローチへと、化合物及び適切な補助物質を均一に混合して加圧することによって調製されるそれらの固体調製物を指し、経口投与用の一般的な錠剤では主に、口腔錠、舌下錠、口腔ウェハ、チュアブル錠、分散錠、可溶錠、発泡錠、徐放錠、制御放出錠、腸溶性コーティング錠なども含まれる。用語「カプセル」は、本明細書で使用される場合、化合物を、または化合物を適切な補助物質と一緒に、中空カプセル内に充填するか、または軟カプセル材内に密封することによって調製されるそれらの固体調製物を指す。溶解性及び放出性質に応じて、カプセルは、硬カプセル(通常のカプセル)、軟カプセル(ソフトシェルカプセル)、徐放カプセル、制御放出カプセル、腸溶性コーティングカプセルなどに分類され得る。用語「丸薬」は、本明細書で使用される場合、適切な方法で化合物及び適切な補助物質を混合することによって調製される球状またはほぼ球状の固体調製物を指し、滴下丸薬、糖衣錠、小丸薬などが含まれる。用語「顆粒」は、本明細書で使用される場合、化合物及び適切な補助物質を混合することによって調製され、所定の粒径を有する乾燥顆粒状調製物を指す。顆粒は、可溶性顆粒(一般に顆粒と称される)、懸濁顆粒、発泡顆粒、腸溶性コーティング顆粒、徐放顆粒、制御放出顆粒などに分類され得る。用語「経口溶液」は、本明細書で使用される場合、化合物を経口投与用の適切な溶媒に溶解することによって調製される安定した液体調製物を指す。用語「経口懸濁液」は、本明細書で使用される場合、不溶性化合物を液体ビヒクルに分散させることによって調製される経口投与用の懸濁液を指し、乾燥懸濁液または濃縮懸濁液も含まれる。用語「シロップ」は、本明細書で使用される場合、化合物を含有する濃縮スクロース水溶液を指す。注射用剤形は、製剤分野における従来の方法によって生成することができ、水性溶媒または非水性溶媒が選択され得る。最も一般的に使用される水性溶媒は、注射用水、及び0.9%塩化ナトリウム溶液または他の適切な水溶液である。一般的に使用される非水性溶媒は、注射用の植物油、主に大豆油、及びアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの他の水溶液である。
【0151】
1つの実施形態では、CVCメシレートの結晶形態及びフマル酸を含む薬学的組成物が提供される。更なる実施形態では、CVCメシレートは結晶形態Aである。更なる実施形態では、CVCメシレートは結晶形態Cである。
【0152】
更なる実施形態では、CVCメシレートのフマル酸に対する重量比は、約7:10~約10:7、例えば約8:10~約10:8、約9:10~約10:9、または約95:100~約100:95である。他の更なる実施形態では、フマル酸は、組成物の約15重量%~約40重量%、例えば約20重量%~約30重量%、または約25重量%の量で存在する。他の更なる実施形態では、そのCVCメシレートは、組成物の約15重量%~約40重量%、例えば約20重量%~約30重量%、または約25重量%の量で存在する。
【0153】
使用方法
1つの態様では、本発明は、線維症または線維性疾患もしくは状態の治療をそれを必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量のCVCメシレートの結晶多形形態、もしくは非晶質形態、またはそれらの溶媒和物を対象に投与することを含む、方法を提供する。更なる実施形態では、CVCメシレートの結晶多形形態は、結晶形態A、結晶形態B、結晶形態Cまたはそれらの混合物を含む。
【0154】
別の実施形態では、線維症または線維性疾患もしくは状態は、肝線維症または腎線維症である。なお更なる実施形態では、肝線維症は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に関連する。なお更なる実施形態では、肝線維症は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連する。なお更なる実施形態では、肝線維症は、新たに発生した肝硬変に関連する。別の更なる実施形態では、肝線維症は、非肝硬変性肝線維症を含む。更なる態様では、対象は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している。更なる実施形態では、セニクリビロクまたはその塩もしくは溶媒和物は、セニクリビロクまたはその塩もしくは溶媒和物及びフマル酸を含む薬学的組成物として製剤化される。更なる実施形態では、対象は、アルコール性肝疾患、HIVとHCVの同時感染、HCV感染、2型真性糖尿病(T2DM)、メタボリックシンドローム(MS)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される疾患または状態を有する。
【0155】
1つの実施形態では、本発明は、線維症または線維性疾患もしくは状態の治療をそれを必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量のCVCメシレートの結晶多形形態、または非晶質形態;及び1つ以上の追加の活性剤を対象に共投与することを含む、方法を提供する。更なる実施形態では、追加の活性剤は、GLP-1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、DPP-4阻害剤、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤、抗TGFβ抗体、チアゾリジンジオン、PPARサブタイプα及びγアゴニスト、及び経口インスリン感作性物質からなる群から選択される。別の更なる実施形態では、追加の活性剤は、リラグルチド、エボグリプチン、カナグリフロジン、アナグリプチン、TAK-242、1D11、MSDC-0602、ピオグリタゾン、及びロシグリタゾンからなる群から選択される。
【実施例0156】
以下の実施例を参照して本発明を更に説明する。しかしながら、これらの実施例は、上述した実施形態と同様に例示的なものであり、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが留意される。
【0157】
「EtOAc」は酢酸エチルを意味する。「EtOH」はエタノールを意味する。「ACN」はアセトニトリルを意味する。「MIBK」はメチルイソブチルケトンを意味する。「TBME」はメチルtert-ブチルエーテルを意味する。「IPA」はイソプロピルアルコールを意味する。「DCM」はジクロロメタンを意味する。「THF」はテトラヒドロフランを意味する。「DME」は1,2-ジメトキシエタンを意味する。「MEK」はメチルエチルケトンを意味する。「MeOH」はメタノールを意味する。「IPAC」は酢酸イソプロピルを意味する。
【0158】
X線粉末回折パターンは:(1)CuKα線(40kV、40mA)を使用するBruker AXS C2 GADDS回折計、自動XYZステージ、自動サンプル位置決めのためのレーザービデオ顕微鏡及びHiStar2次元領域検出器で収集した。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメータと結合された単一のゲーベル多層ミラーからなる。認定された標準のNIST 1976 Corundum(平板)を使用して毎週の性能チェックを行う。ビーム発散、すなわち、サンプル上のX線ビームの有効サイズはおよそ4mmであった。θ-θ連続走査モードは、3.2°~29.7°の有効2θ範囲を与える20cmのサンプル-検出器距離で用いた。典型的には、サンプルは、X線ビームに120秒間曝されるであろう。データ収集に使用されたソフトウェアは、XP/2000 4.1.43用のGADDSであり、データは、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0;または(2)CuKα線(40kV、40mA)、θ-2θゴニオメーター、及びV4の発散及び受光スリット、Geモノクロメーター、及びLynxeye検出器を使用するBrukerD8回折計を使用して分析及び提示された。機器は、認定されたコランダム規格(NIST1976)を使用して性能チェックされる。データ収集に使用されたソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.6.1であった。データは、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用して分析及び提示された。サンプルは、受け取ったままの粉末を使用して平板試料として周囲条件下で実行した。サンプルを、研磨されたゼロバックグラウンド(510)シリコンウェハに切断されたキャビティに静かに充填した。サンプルを分析中にそれ自体の平面で回転させた。データ収集の詳細は、2~42°2θの角度範囲、0.05°2θのステップサイズ、0.5秒/ステップの収集時間である。
【0159】
DSCデータは、50位置オートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000で収集した。熱容量の校正はサファイアを使用して行われ、エネルギー及び温度の校正は認定されたインジウムを使用して行われた。典型的には、ピンホールを有するアルミニウム皿において0.5~3mgの各サンプルを25℃から300℃まで10℃/分で加熱した。50ml/分での乾燥窒素のパージをサンプル上で維持した。2℃/分の基礎加熱速度及び60秒毎(周期)に±0.64℃の温度変調パラメータ(振幅)を使用して変調温度DSCを行った。機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.8.0.394及びThermal Advantage v5.5.3であった。Universal Analysis v4.5Aを使用してデータを分析した。
【0160】
TGAデータは、16位置オートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAで収集した。機器は、認定されたアルメル及びニッケルを使用して温度校正された。典型的には、5~10mgの各サンプルを予め風袋引きしたアルミニウムDSC皿上に載せ、周囲温度から350℃まで10℃/分で加熱した。60ml/分の窒素パージをサンプル上で維持した。機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.5.0.256及びThermal Advantage v5.5.3であった。Universal Analysis v4.5Aを使用してデータを分析した。
【0161】
固体NMRスペクトルは、ワイドボアBruker 4mm BB/1H WVTマジック角回転(MAS)プローブ及びTopSpin 3.1ソフトウェアを使用して9.4Tの静磁場強度(ν0(1H)=400.16MHz)でBruker Avance IIIコンソールで取得した。13Cでは、プローブを100.63MHzに調整し、スペクトルは20.5ppmにおけるアラニンCH3シグナルを基準とした。15Nでは、プローブを40.55MHzに調整し、スペクトルは-347.4ppmにおけるグリシンを基準とした。粉末化したサンプルを、秤量の前後にサンプル質量を提供しながら、KelFキャップを有するジルコニアMASローターに充填した。ローターを室温で精製した圧縮空気を使用して回転させた。全てのスペクトルは、磁化が双極子結合(すなわち、結合を介する相互作用よりもむしろ空間を介する相互作用)を介してHから13Cまたは15Nのいずれかの核に移動する交差分極(CP)を使用して記録した。この方法は、観察されたシグナルを増強し、スペクトルを記録するのにかかる時間を著しく短縮する。1ミリ秒の接触時間を13C実験に使用し、1.5ミリ秒を15N実験に使用した。高出力(100W)SPINAL-64デカップリングを取得中にHチャネルに適用した。以下に示される固体MAS NMR実験のための実験パラメータ:
【表4】
【0162】
データは、Phenom Pro走査型電子顕微鏡で収集した。導電性両面接着テープを使用して少量のサンプルをアルミニウムスタブ上に載せた。金の薄層をスパッタコーターを使用して施した(20mA、120秒)。
【0163】
実施例1:結晶形態Aの調製
実質的に純粋な形態Aは、様々な結晶化方法を使用して非晶質CVCメシレートから調製され得る。例示的な方法を以下に提供する。
【0164】
5℃でのスラリー:
非晶質CVCメシレート(約40mg)を5℃に冷却し、冷やされた溶媒(または溶媒混合物)の部分(約100μLの溶媒)を添加してスラリーを形成した。スラリーを5℃で1時間撹拌し、次いで、必要に応じて、溶媒の追加部分を添加した(例えば、懸濁液を撹拌できなかった場合)。スラリーを5℃で一晩撹拌した。サンプルをXRPDシリコンサンプルウェハ上で空気乾燥させ、多形形態のサンプルをXRPD分析を使用して試験した。
【0165】
5℃での以下の溶媒(または溶媒混合物)中での非晶質CVCメシレートのスラリー化は、形態Aを提供する:EtOAc、IPAC、MIBK、IPA、EtOH、2-メチル-1-プロパノール、酢酸プロピル、ACN、1,2-DME、ニトロメタン、EtOAc:ACN(1:1)、EtOAc:ACN:水(9.5:9.5:1)、EtOAc:ACN:ピリジン(9.5:9.5:1)、EtOAc:ACN:DCM(9.5:9.5:1)、ACN:EtOAc(95:5)、ACN:ピリジン(95:5)及びACN:DCM(95:5)(溶媒混合物はv/vである)。
【0166】
50℃でのスラリー:
非晶質CVCメシレート(約40mg)を50℃に温め、温かい溶媒(または溶媒混合物)の部分(約100μLの溶媒)を添加してスラリーを形成した。スラリーを50℃で1時間撹拌し、次いで、必要に応じて、溶媒の追加部分を添加した(例えば、懸濁液を撹拌できなかった場合)。スラリーを50℃で一晩撹拌した。サンプルをXRPDシリコンサンプルウェハ上で空気乾燥させ、多形形態のサンプルをXRPD分析を使用して試験した。
【0167】
50℃での以下の溶媒(または溶媒混合物)中での非晶質CVCメシレートのスラリー化は、結晶形態Aを提供する:EtOAc、IPAC、MIBK、IPA、MEK、アセトン、TBME、酢酸プロピル、アニソール、トルエン、ACN、1,2-DME、EtOAc:ACN(1:1)、EtOAc:ACN:ピリジン(9.5:9.5:1)、EtOAc:ACN:DCM(9.5:9.5:1)、ACN:EtOAc(95:5)、ACN:ピリジン(95:5)及びACN:DCM(95:5)(溶媒混合物はv/vである)。
【0168】
25~50℃でのスラリーの熟成:
非晶質CVCメシレート(約40mg)を50℃に温め、溶媒(または溶媒混合物)の部分を添加して流動性スラリーを形成した。サンプルを50℃で1時間撹拌し、必要に応じて(サンプルが非常に粘稠な懸濁液からなっていたかまたは固体になった場合)溶媒の追加部分を添加した。サンプルを一晩熟成させた(25℃で4時間、次いで50℃で4時間の撹拌サイクルからなっていた)。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0169】
以下の溶媒をこの手順で採用して形態Aを提供し得る:EtOAc、IPAC、MIBK、IPA、EtOH、及び2-メチル-1-プロパノール。
【0170】
貧溶媒の添加:
溶液(100μlの溶媒中約40mgのCVCメシレート)を25℃で撹拌し、100μlの貧溶媒のアリコートを添加し、添加間におよそ1時間撹拌した。固体または油が沈殿するまで貧溶媒を添加した。貧溶媒としてのTBMEを有するメタノール中のCVCメシレートの溶液により固形沈殿物が得られ、表中に列挙された全ての他の溶媒/貧溶媒の組み合わせは油を形成した。油を25℃で3日間撹拌したままにし、その後、固体沈殿物が形成した。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0171】
蒸発:
CVCメシレートの溶液を周囲条件で放置し、緩めた蓋を介してゆっくり蒸発させた。液体が部分的に蒸発すると懸濁液が形成された。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0172】
溶媒落下研削:
溶媒(10μl)及び2つの3mmステンレス鋼ボールベアリングを非晶質CVCメシレート(約40mg)に添加した。サンプルをFritsch Planetaryミルで650rpmで2時間粉砕した。粉砕後、温かいサンプルを室温に冷却した。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0173】
実施例2:結晶形態Bの調製
実質的に純粋な形態Bを含有するスラリーは、非晶質CVCメシレートから調製され得る。例示的な方法を以下に提供する。
【0174】
非晶質CVCメシレート(約40mg)を25℃または5℃で平衡化した。溶媒(100μlのMEK、アセトンまたはTHF)を添加すると、ゴム状の固体が形成され、これは撹拌すると溶解した。サンプルを25℃または5℃のいずれかで撹拌したままにした。1時間後、粘稠な懸濁液が形成されたため、アセトン中でスラリー化したサンプルに追加の溶媒(200μl)を添加した。THF中のサンプルは溶液を形成し、MEK中のサンプルはゲルを形成した。サンプルを25または5℃で3日間撹拌したままにし、その後、全てのサンプルは懸濁液を形成した。物質を吸引下で濾過によって単離した。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0175】
DCM中のCVCメシレートの溶液(100μl中約40mg)を5または25℃で平衡化した。n-ヘプタン貧溶媒(200μl)を添加して沈殿物を形成させ、これは撹拌するとゴム状固体に転化した。サンプルを25または5℃で3日間撹拌したままにし、その後、サンプルは懸濁液を形成した。物質を吸引下で濾過によって単離した。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0176】
実施例3:結晶形態Cの調製
実質的に純粋な形態Cは、非晶質CVCメシレートから調製され得る。例示的な方法を以下に提供する。
【0177】
非晶質CVCメシレート(約3g)をアセトン(7.5ml、2.5容量)に溶解し;最初にゴム状の固体が形成し、これを25℃で撹拌すると溶解した。およそ50分撹拌した後、溶液は濁り、サンプルに形態C物質を播種し、数分後、大量の黄色沈殿物が観察された。更に10分間の撹拌後、追加のアセトン(15ml、5容量)を添加して流動性スラリーを維持した。合計2時間の撹拌後、懸濁液が非常に粘稠になったので、アセトンの更なる部分(15ml、5容量)を添加した。合計6時間の撹拌後、懸濁液が再び非常に粘稠になったので、アセトンの更なる部分(15ml、5容量)を添加した。サンプルを25℃で4日間撹拌し続けた(300rpm)。
【0178】
4日間撹拌した後、サンプルは粘稠な懸濁液であったが、流動性であり、ゆっくり撹拌していた。懸濁液を0.45μmのPTFEフィルターを通して濾過し、液体が透明になるまで濾液で洗浄した。サンプルを周囲条件でおよそ30分間空気乾燥させた(吸引下)。30分間の空気乾燥後の収量は、2.9575g、98.5重量%であった。ケーキを粉末に細分化し、周囲条件で放置して一晩自然乾燥させた。XRPD分析を使用して固体形態の確認を行った。
【0179】
実施例4:安定な非晶質化合物I-MsOHの調製
安定な非晶質化合物I-MsOHは、化合物I-MsOHの結晶形態Aから調製され得る。例示的な方法を以下に提供する。
【0180】
周囲条件での蒸発
CVCメシレート(形態A)をDCM(12.5容量、80mg/ml)に溶解して、透明な黄色のストック溶液を形成した。ストック溶液(0.5ml、40mgのCVCメシレートを含有する)をガラスHPLCバイアルにピペットで入れ、サンプルを周囲条件でキャップをせずに放置して蒸発させた。次いでサンプルを室温で真空オーブン内で乾燥させた。調製されたサンプルの各バッチについて予備サンプルを作製し、この予備サンプルをXRPD、1H NMR及びHPLCによって分析した。サンプルの各バッチについての蒸発及び真空オーブン乾燥時間は、非晶質物質のDCM含有量を減少させるために変更した。蒸発及び乾燥時間の例のリストを表4に示す。
【表5】
【0181】
ロータリーエバポレーション:
CVCメシレート(形態A、約2g)をDCM(20ml、10容量)に溶解して、透明な黄色の溶液を形成した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、サンプルをロータリーエバポレーター(およそ2ミリバール)で室温で浴を用いて6時間乾燥させた。サンプルを室温で真空オーブン内で一晩更に乾燥させた。得られた黄色のガラス状物質をXRPD、H NMR及びHPLCによって分析した。
【0182】
凍結乾燥:
CVCメシレート(形態A、約50mg)を丸底フラスコ内に計量して入れ、t-ブタノール/水(50/50v/v、4ml)に溶解した。完全な溶解が達成されたことを確実にするために、サンプルを60℃に温めた。サンプルをドライアイス/アセトン(-78℃)中で瞬間凍結し、一晩凍結乾燥させた。得られた物質は淡い綿毛状の黄色固体であり、これをXRPD及びH NMRによって分析した。
【0183】
実施例5:CVC多形サンプルの物理的特性
微粉化されたCVCメシレート形態A、非微粉化CVCメシレート形態A及びCVCメシレート形態Cを調製した。この試験で使用されたCVCメシレート形態Cは微粉化されなかった。
【0184】
粒径:微粉化されたCVCメシレート形態A及び非微粉化CVCメシレート形態Aの粒径は、表5に示されるようにUSP<429>に従って決定された。
【表6】
【0185】
タップかさ密度:タップかさ密度の分析は、1mmのRetschステンレス鋼試験篩を通して篩過された粉末を清潔で乾燥した予め秤量した50mlメスシリンダー中に注ぐことによって実施した。サンプルを圧縮せずに粉末を45~50mlの全体積になるまで添加した。質量及び初期体積(V)を記録した。以下のタップ数を使用してCopley JV2000タップ密度試験機を使用してサンプルをタップした:10,490,750及び1250タップのセットから合計10,000タップまで(表6)。各セットのタップ後に体積を記録し、一定の体積(V)に達するまでサンプルをタップした。これらのサンプルについて、10,000タップの体積がVとして使用された。
【表7】
【0186】
各サンプルを二重に分析し、タップ密度、圧縮指数(カール指数)及びハウスナー比を以下に示される式を使用して計算した。二重の分析からの結果を平均し、表7(“The Science of Dosage Form Design”,ME Aulton,1988参照)及び表8(USP法<1174>参照;またCarr,R.L.Evaluating Flow Properties of Solids.Chem Eng.1965,72,163-168参照)に示されるパラメータを使用して、平均の結果を使用してサンプルの流動性質を評価した。
【0187】
【数1】
【0188】
【数2】
【0189】
【数3】
【表8】
【表9】
【0190】
サンプルについて決定されたタップかさ密度及び流動特性は表9に示されるとおりである。
【表10】
【0191】
流動性質:サンプルの流動性質は、レボリューションパウダーアナライザーを使用して分析した。およそ100mlのサンプルを2つのホウケイ酸ガラス面を有するサンプルドラムに入れる。モーターが2つの高精度シリコーンローラーを回転させ、それが今度はドラムを回転させる。冷陰極バックライト照明を用いるデジタルカメラは、回転プロセス中に粉末の画像を撮影する。0.3rpmのドラム回転速度を使用して、崩壊までの時間、崩壊角、崩壊エネルギー、破断エネルギー及び静止角を測定する。ソフトウェアは、ドラムが回転するにつれて生成される画像を分析することによってこれらの性質を計算する。これらの性質の結果は、バルク粉末の流動性を評価するために使用され得る。静止角(安息角)の解釈は、表10に示されている(USP法<1174>を参照;またCarr,R.L.Evaluating Flow Properties of Solids.Chem Eng.1965,72,163-168を参照)。
【表11】
【0192】
流動性測定のためのレボリューションアナライザーからの主要なパラメータの概要が表11に示されている。これらの結果は、崩壊時間、崩壊の角度及び崩壊エネルギーが全て、形態Aサンプルよりも形態Cの方が有意に小さいので、形態Cは形態Aサンプルよりも高密度で良好に流動することを示している。しかしながら、静止角はわずかに小さいだけであり、微粉化形態A及び形態Cについて同じ解釈をもたらすが、静止角は及第の流動性の限度(41~45°)のいずれかの極限にある。
【表12】
【0193】
表面積:表12に示されるように各サンプルについて表面積も測定した。Micromeritics TriStar 3020機器を使用する多点窒素吸着法(体積測定技術)によってサンプルをBET(ブルナウアー-エメット-テラー)表面積について分析した。
【0194】
サンプルの脱気は、Micromeritics FlowPrep 060を使用して99.995%の純度の流動アルゴンをおよそ20cc/分の流速で20℃で2時間適用して行った。サンプルをそれらの分析管内で脱気し、脱気期間の直後にTriStar IIに直接移した。
【表13】
【0195】
固有溶解:適切な重量の純粋な試験化合物物質を使用して溶解ディスクのキャビティを満たし、構築されたダイを使用して高圧下、約100kgで圧縮した。添加剤は添加されず、固有の溶解プロファイルにおけるいかなる外部干渉も回避した。得られた非崩壊性ディスクを、室温で20mlの試験媒体を含有する溶解装置であるSiriusT3に移した。パドルの撹拌速度は-30%に設定した。次いで溶解を1pH区分にわたって測定した。溶液スペクトルを120の収集点にわたって30秒毎に収集し、UV計量滴定によるモル吸光係数(MEC)を使用して濃度に変換した。固有溶解速度は、外挿された溶解速度をディスクの表面積(7.07mm)で除することによって計算した。可能な場合には、溶解分析の前後両方でXRPDを用いて全ての分析を二重に実施した。CVCメシレートの微粉化された形態A及びCVCメシレートの形態Cについて観察された溶解速度が表13に示されている。
【0196】
溶解媒体であるブリトン-ロビンソン緩衝溶液は、リン酸(2.72ml/l)、酢酸(2.30ml/l)及びホウ酸(2.476g/l)に対して0.04Mの混酸の溶液200mlに特定容量の水酸化ナトリウム(0.2M)を添加することによって調製した。各緩衝液を調製するために使用される水酸化ナトリウムの量を以下に概説する:
【0197】
pH3.2のブリトン-ロビンソン緩衝液:38mlの水酸化ナトリウム。
【0198】
pH4.7のブリトン-ロビンソン緩衝液:60mlの水酸化ナトリウム
【表14】
【0199】
参照による組み込み
本明細書で引用された全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。しかしながら、本明細書で引用された任意の参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願の言及は、それらが有効な先行技術を構成するかまたは世界のいずれかの国で共通の一般的知識の一部を形成することの承認または示唆の任意の形態ではなく、そのように受け止められるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物I-MsOH:
【化1】
の結晶であって、前記結晶が、4.0±0.2、18.7±0.2、19.1±0.2、20.1±0.2及び21.7±0.2度の2シータの値で表される特徴的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する結晶Aである、結晶。
【請求項2】
結晶Aが微粉化されているものである、請求項1に記載の結晶。
【請求項3】
152.9±2.0℃においてピーク特性値を有する示差走査熱量測定サーモグラムを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項4】
図2に示される示差走査熱量測定サーモグラムを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項5】
図3に示される熱重量分析サーモグラムを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項6】
少なくとも95%の多形純度を有する、請求項1に記載の結晶。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか一項に記載の結晶Aを含む薬学的組成物。
【請求項8】
線維性疾患または状態の治療のための医薬の製造における、請求項2~6のいずれか一項に記載の化合物I-MsOHの結晶の使用。
【請求項9】
線維性疾患または状態が肝線維症または腎線維症である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
肝線維症が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連するものである、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
下記化合物I-MsOH:
【化2】
の結晶であって、前記結晶が、4.0±0.2、10.0±0.2、16.0±0.2、18.7±0.2、20.0±0.2及び21.7±0.2度の2シータの値で表される特徴的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する結晶Cである、結晶。
【請求項12】
結晶Cが微粉化されているものである、請求項11に記載の結晶。
【請求項13】
126.7±2.0℃及び151.5±2.0℃においてピーク特性値を有する示差走査熱量測定サーモグラムを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項14】
図7に示される示差走査熱量測定サーモグラムを示す、請求項11に記載の結晶。
【請求項15】
図8に示される熱重量分析サーモグラムを示す、請求項11に記載の結晶。
【請求項16】
少なくとも95%の多形純度を有する、請求項11に記載の結晶。
【請求項17】
請求項11~16のいずれか一項に記載の結晶Cを含む薬学的組成物。
【請求項18】
線維性疾患または状態の治療のための医薬の製造における、請求項11~16のいずれか一項に記載の化合物I-MsOHの結晶の使用。
【請求項19】
線維性疾患または状態が肝線維症または腎線維症である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
肝線維症が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連するものである、請求項19に記載の使用。