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特開2022-13723光学部材駆動装置、カメラ装置、及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013723
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】光学部材駆動装置、カメラ装置、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20220111BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G03B5/00 J
H04N5/225 400
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093830
(22)【出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】202010631055.8
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 紀之
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2K005AA06
2K005CA04
2K005CA23
2K005CA53
5C122DA09
5C122EA06
5C122EA41
5C122FB03
5C122FB15
5C122GE04
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】光学部材を搭載する回動部が過度に該当することを確実に抑止できる光学部材駆動装置を提供する。
【解決手段】光学部材駆動装置9は、固定部60と、光学部材であるプリズム7を保持するための保持部57を有する回動部50と、回動軸3と、駆動部14と、回動抑止部12と、を備える。そして、回動抑止部12は、回動部50に設けられる第1磁石1と固定部60に設けられる第2磁石2とを有し、第1磁石1と第2磁石2は、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
光学部材を保持するための保持部を有する回動部と、
回動軸と、
駆動部と、
回動抑止部と、
を備え、
前記回動抑止部は、前記回動部に設けられる第1磁石と、前記固定部に設けられる第2磁石とを有し、
前記第1磁石と前記第2磁石は、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている
ことを特徴とする光学部材駆動装置。
【請求項2】
前記第1磁石と前記第2磁石の一方は、前記第1磁石と前記第2磁石の他方に対して、前記回動方向における両側から、同じ磁極が対向するように配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の光学部材駆動装置。
【請求項3】
前記第1磁石と前記第2磁石の一方は、前記第1磁石と前記第2磁石の他方に対して、前記回動軸の延伸方向における両側から、同じ磁極が対向するように配置されている
ことを特徴とする請求項2記載の光学部材駆動装置。
【請求項4】
前記第1磁石と前記第2磁石の一方は、前記第1磁石と前記第2磁石の他方に対して、前記回動方向と前記回動軸の延伸方向の両方に対して傾いた所定の方向における両側から、同じ磁極が対向するように配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の光学部材駆動装置。
【請求項5】
前記第1磁石と前記第2磁石は、前記回動方向に配列されており、
前記第1磁石と前記第2磁石のうち、内側に配列されている方の磁石と外側に配置されている方の磁石とでは、前記回動軸の延伸方向の長さが異なり、前記回動軸の延伸方向での前記回動部の移動にかかわらず、短い方の前記磁石全体が長い方の前記磁石に対向している
ことを特徴とする請求項3に記載の光学部材駆動装置。
【請求項6】
前記第1磁石と前記第2磁石は、前記回動軸の延伸方向に配列されており、
前記第1磁石と前記第2磁石のうち、内側に配列されている方の磁石と外側に配置されている方の磁石とでは、前記回動方向の長さが異なり、前記回動方向での前記回動部の回動にかかわらず、短い方の前記磁石全体が長い方の前記磁石に対向している
ことを特徴とする請求項3に記載の光学部材駆動装置。
【請求項7】
前記第1磁石と前記第2磁石のうち、外側に配列されている方の前記磁石は、直角二等辺三角柱形状をなし、その直角二等辺三角形の底辺に対応する面が内側に配列されている方の前記磁石に対向している
ことを特徴とする請求項4記載の光学部材駆動装置。
【請求項8】
前記内側に配列されている方の前記磁石は、前記配列方向に2つの磁石を有し、隣接している前記外側に配列されている方の前記磁石と前記内側に配列されている方の前記磁石がそれぞれ対向する
ことを特徴とする請求項5又は6記載の光学部材駆動装置。
【請求項9】
コイルを有し、
前記第1磁石は、前記コイルと共に前記回動部の駆動力を生み出す駆動磁石を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の光学部材駆動装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の光学部材駆動装置を備えたカメラ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のカメラ装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の電子機器に用いられる光学部材駆動装置、カメラ装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置の中には、像ブレ補正用のプリズムとそれを揺動可能に保持する部材とを有し、被写体からの光がプリズムによる反射を経てからカメラの撮像面に導光される構成のものがある。この種のカメラ装置に関わる技術を開示した文献として、特許文献1がある。特許文献1に記載された潜望式撮影モジュールは、筐体と、プリズムと、プリズムを載置するプリズム台座と、プリズム台座の軸孔に挿通される回動軸と、プリズム台座の下面に設けられた駆動磁石と、筐体の下板における駆動磁石と対向する位置に設けられたコイルとを有し、磁石とコイルにより生み出される駆動力により、プリズム台座を回動軸の軸周りに駆動するものである。この潜望式撮影モジュールでは、筐体の下板におけるコイルの下側に、ヨークが埋設されており、このヨークと駆動磁石との間の引力により、プリズム台座の過度の回動が抑止されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国205942054U号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術の場合、プリズム台座の回動量が大きくなるほど、その抑止力が小さくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、光学部材を搭載する回動部が過度に回動することを確実に抑止できる光学部材駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の好適な態様である光学部材駆動装置は、固定部と、光学部材を保持するための保持部を有する回動部と、回動軸と、駆動部と、回動抑止部と、を備え、前記回動抑止部は、前記回動部に設けられる第1磁石と、前記固定部に設けられる第2磁石とを有し、前記第1磁石と前記第2磁石は、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されていることを特徴とする。
【0007】
この態様において、前記第1磁石と前記第2磁石の一方は、前記第1磁石と前記第2磁石の他方に対して、前記回動方向における両側から、同じ磁極が対向するように配置されていてもよい。
【0008】
また、前記第1磁石と前記第2磁石の一方は、前記第1磁石と前記第2磁石の他方に対して、前記回動軸の延伸方向における両側から、同じ磁極が対向するように配置されていてもよい。
【0009】
また、前記第1磁石と前記第2磁石の一方は、前記第1磁石と前記第2磁石の他方に対して、前記回動方向と前記回動軸の延伸方向の両方に対して傾いた所定の方向における両側から、同じ磁極が対向するように配置されていてもよい。
【0010】
また、前記第1磁石と前記第2磁石は、前記回動方向に配列されており、前記第1磁石と前記第2磁石のうち、内側に配列されている方の磁石と外側に配置されている方の磁石とでは、前記回動軸の延伸方向の長さが異なり、前記回動軸の延伸方向での前記回動部の移動にかかわらず、短い方の前記磁石全体が長い方の前記磁石に対向していてもよい。
【0011】
また、前記第1磁石と前記第2磁石は、前記回動軸の延伸方向に配列されており、前記第1磁石と前記第2磁石のうち、内側に配列されている方の磁石と外側に配置されている方の磁石とでは、前記回動方向の長さが異なり、前記回動方向での前記回動部の回動にかかわらず、短い方の前記磁石全体が長い方の前記磁石に対向していてもよい。
【0012】
また、前記第1磁石と前記第2磁石のうち、外側に配列されている方の前記磁石は、直角二等辺三角柱形状をなし、その直角二等辺三角形の底辺に対応する面が内側に配列されている方の前記磁石に対向していてもよい。
【0013】
また、前記内側に配列されている方の前記磁石は、前記配列方向に2つの磁石を有し、隣接している前記外側に配列されている方の前記磁石と前記内側に配列されている方の前記磁石がそれぞれ対向してもよい。
【0014】
また、コイルを有し、前記第1磁石は、前記コイルと共に前記回動部の駆動力を生み出す駆動磁石を兼ねてもよい。
【0015】
本発明の別の好適な態様であるカメラ装置は、上記の光学部材駆動装置を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の別の好適な態様である電子機器は、上記のカメラ装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による光学部材駆動装置は、固定部と、光学部材を保持するための保持部を有する回動部と、回動軸と、駆動部と、回動抑止部と、を備え、前記回動抑止部は、前記回動部に設けられる第1磁石と、前記固定部に設けられる第2磁石とを有し、前記第1磁石と前記第2磁石は、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている。よって、回動軸とこれに支持された回動部及び光学部材が回動すると、第2磁石と第1磁石との斥力が強まり、回動部の過度の回動が抑止される。従って、光学部材を搭載する回動部が過度に回動することを確実に抑止できる光学部材駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態である光学部材駆動装置9を含むカメラ装置90が搭載されたスマートフォン100の正面図である。
図2図1のカメラ装置90の斜視図である。
図3】(A)は、図2のケース8、プリズム7、及び光学部材駆動装置9におけるY方向の中心を通るXZ面と平行な切断面の断面図であり、(B)は、(A)のA-A’線断面図である。
図4】(A)は、図3(A)のB-B’線断面図であり、(B)は、図3(A)のC-C’線断面図である。
図5】本発明の第2実施形態である光学部材駆動装置9における第1磁石1及び第2磁石2の配置を示す図である。
図6】本発明の第3実施形態である光学部材駆動装置9における第1磁石1及び第2磁石2の配置を示す図である。
図7】本発明の第4実施形態である光学部材駆動装置9における第1磁石1及び第2磁石2の配置を示す図である。
図8】本発明の第5実施形態である光学部材駆動装置9における第1磁石1及び第2磁石2の配置を示す図である。
図9】本発明の第6実施形態である光学部材駆動装置9における第1磁石1及び第2磁石2の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施形態を説明する。図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態である光学部材駆動装置9を含むカメラ装置90は、スマートフォン100の筐体内に収容される。
【0020】
カメラ装置90は、画像センサ18と、被写体からの入射する光を反射する光学部材であるプリズム7と、プリズム7で反射した光を画像センサ18に導く光学部材であるレンズ体17と、プリズム7を駆動する光学部材駆動装置9と、レンズ体17を駆動する第2光学部材駆動装置19と、これらの部材が搭載されるケース8と、を有する。
【0021】
以降は、被写体からの光がプリズム7に入射する一方向を適宜Z方向という。また、プリズム7で反射した光がレンズ体17に向かう一方向を適宜X方向といい、Z方向及びX方向の両方と直交する方向を適宜Y方向という。また、Z方向の、プリズム7から見て被写体の側を前側と称し、その反対側を後側と称することがある。また、X方向の、レンズ体17から見てプリズム7のある側を上側と称し、その反対側である画像センサ18側を下側と称することがある。
【0022】
カメラ装置90のケース8は、中空な直方体状をなしている。プリズム7とこれを保持する光学部材駆動装置9、及びレンズ体17とこれを保持する第2光学部材駆動装置19は、X方向に並べて、ケース8内の空間に収められている。ケース8の下側、上側、及び前側には、矩形状の開口がある。ケース8の下側の開口には、ベース80が嵌め込まれる。ベース80には、画像センサ18が、その受光面をレンズ体17に向けて固定される。
【0023】
図3及び図4に示すように、光学部材駆動装置9は、回動部50と、固定部60と、回動軸3と、コイル4と、第1磁石1と、第2磁石2とを有する。第2磁石2は、4つの磁石片20を有する。これらの各部のうち、コイル4と第1磁石1は、回動部50の駆動力を生み出す駆動部14を形成し、第1磁石1と第2磁石2は、回動部50の過度の回動を抑止する回動抑止部12を形成する。
【0024】
固定部60は、Y方向に対向する二つの側板62と、二つの側板62間に介在する上板63及び後板64とを有する。固定部60の上板63は、ケース8の上側の開口から外側に露出している。
【0025】
固定部60内には、回動部50と回動軸3が一体化されて収められている。回動軸3は、Y方向に延びる細長い円柱形からその延伸方向の中央を占める部分を半円柱状に残して切り欠いたような形状をしている。
【0026】
回動部50は、Y方向に延びる直方体からその両端部を除いてその略半分を占める三角柱状の部分を切り欠いたような形状をしている。回動部50は、直角二等辺三角柱状の中実部51と、Y方向の両端部で直角二等辺三角形状をなしてY方向に対向する二つの側壁部52と、を有する。2つの側壁部52には、円形の貫通孔が設けられている。回動部50の中実部51は、直角三角形の底辺に相当し、前下側方向を向いた保持部57を有し、保持部57の中央には、前記貫通孔から連続して半円形状の窪み58がある。
【0027】
回動軸3の半円柱部分は、保持部57の窪み58に収められて接着固定されている。回動軸3の両端の円柱状の部分は、側壁部52の貫通孔を通り、その外側の側板62の軸受に挿入されている。回動軸3の貫通孔内の部分は、貫通孔の内周に接着固定されている。保持部57にはわずかに突出して載置面が設けられ、プリズム7の反射面は、この載置面に載置されて側壁部52に接着固定され、プリズム7が保持部57に保持される。このとき、載置面以外の保持部57及び回動軸3は反射面に接しない。回動部50、プリズム7、及び回動軸3は、固定部60に対して、回動軸3の軸周りに回動し得る。回動方向はX方向とみなすことができる。
【0028】
回動部50の後面54には、凹部540が設けられている。凹部540には、第1磁石1が収められている。第1磁石1は、板厚方向に磁化されており、磁化の向きがX方向の上側と下側で逆転している。例えば、第1磁石1の前側の板面における下側と上側はN極とS極に磁化されており、後側の板面における下側と上側はS極とN極に磁化されている。
【0029】
固定部60の後板64には、コイル4と、第2磁石2の4つの磁石片20が設けられている。コイル4は、第1磁石1と僅かな隙間を挟んで対向している。
【0030】
第2磁石2の4つの磁石片20は、回動部50の回動方向において、両側から第1磁石1を間に挟んで第1磁石1と同じ磁極が対向するように配置されている。また、回動軸3の延伸方向においても、両側から第1磁石1を間に挟んで第1磁石1と同じ磁極が対向するように配置されている。具体的には、第2磁石2の4つの磁石片20は、両側から第1磁石1を間に挟み、回動部50の回動方向と回動軸3の延伸方向の両方に対して傾いた方向に離れた各位置に設けられている。そして、第1磁石1と第2磁石2の4つの磁石片20は、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている。即ち、4つの磁石片20のうち、上側で第1磁石1と対向する2つの磁石片20は、前側がS極、後側がN極に着磁され、下側で第1磁石1と対向する2つの磁石片20は、前側がN極、後側がS極に着磁されている。この場合、実際には、上側においては、前側から後側にかけてS極からN極に変化する面同士が対向し、下側においては、前側から後側にかけてN極からS極に変化する面同士が対向している。
【0031】
以上が、本第1実施形態の構成の詳細である。本第1実施形態における光学部材駆動装置9は、固定部60と、光学部材であるプリズム7を保持するための保持部57を有する回動部50と、回動軸3と、駆動部14と、回動抑止部12と、を備える。そして、回動抑止部12は、回動部50に設けられる第1磁石1と固定部60に設けられる第2磁石2とを有し、第1磁石1と第2磁石2は、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている。よって、コイル4に電流を流して回動軸3とこれに支持された回動部50及びプリズム7が回動すると、第1磁石1と第2磁石2の磁石片20との距離が縮まった側で斥力が強まり、回動部50の過度の回動が抑止される。コイル4に流す電流を切ると、回動部50は、第1磁石1と2つの磁石片20の間の斥力がバランスする初期位置に戻る。従って、光学部材を搭載する回動部50が過度に回動することを確実に抑止できる光学部材駆動装置9を提供することができる。さらに、回動軸3の軸方向においても、回動部50が軸方向に動いても、回動方向と同様の斥力が働くので、回動部50は過度の移動が抑止されるとともに、常に軸方向の中央の位置を保とうとする。
【0032】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、固定部60の後板64に第2磁石2が設けられており、第1磁石1は、第2磁石2と共に回動部50の過度の回動を抑止する回動抑止部12、及びコイル4と共に回動部50の駆動力を生み出す駆動磁石を兼ねるものであった。これに対し、本第2実施形態は、第1磁石1Aを駆動磁石と別の磁石としたものである。
【0033】
図5に示すように、本第2実施形態の光学部材駆動装置9では、回動部50の上面53の中央に、第1磁石1Aがあり、固定部60における第1磁石1Aを間に挟んで+Y+Z側、+Y-Z側、-Y+Z側、及び-Y-Z側に離れた位置に、第2磁石2Aの4つの磁石片20Aがある。回動方向はZ方向とみなすことができる。本第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図6に示すように、本第3実施形態の光学部材駆動装置9では、第1磁石1Bが、2つの磁石片10Bを有している。そして、第1磁石1Bの一方の磁石片10Bと第2磁石2Bの一方の磁石片20B、及び第1磁石1Bの他方の磁石片10Bと第2磁石2Bの他方の磁石片20Bが、それぞれ、回動方向であるZ方向に離れた位置にある。言い換えると、第1磁石1と第2磁石2は、回動方向に配列されている。即ち、磁石片10Bと磁石片20Bは、それぞれ、回動方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている。このとき、外側に配列されている方の磁石片20Bの長さを内側に配列されている方の磁石片10Bの長さよりも長くしている。そして、磁石片10Bが軸方向に移動しても、磁石片20Bの端部を越えないようにすることが望ましい。回動軸3の延伸方向での回動部50の移動にかかわらず、短い方の第1磁石1全体が長い方の第2磁石2に対向している。これにより、軸方向においても常に中央位置を保とうとする斥力が磁石片10Bに加わる。磁石片10Bと磁石片20Bの長さを逆にしても同様である。本実施形態によると、磁石片10Bと磁石片20Bの間の斥力により、回動部50の回動方向及び回動軸3の延伸方向の動きが抑止される。
【0035】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図7に示すように、本第4実施形態の光学部材駆動装置9では、第1磁石1Cの一方の磁石片10Cと第2磁石2Cの一方の磁石片20C、及び第1磁石1Cの他方の磁石片10Cと第2磁石2Cの他方の磁石片20Cが、それぞれ、回動軸3の延伸方向と平行な方向であるY方向に離れた位置にある。言い換えると、第1磁石1と第2磁石2は、回動軸3の延伸方向に配列されている。本実施形態によると、磁石片10Cと磁石片20Cの間の斥力により、回動部50の軸方向の動きが抑止される。また、磁石片10Cと磁石片20Cの長さ及び可動範囲を第3実施形態と同様に設定することにより、回動部50の回動方向の動きが抑止される。
【0036】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図8に示すように、本第5実施形態の光学部材駆動装置9では、第2磁石2Dが、4つの磁石片20Dを有している。そして、第2磁石2Dの4つの磁石片20Dのうち2つが、第1磁石1の磁石片10Dに対してY方向に離れた位置にあり、残り2つが、磁石片10Dに対してX方向に離れた位置にある。言い換えると、第1磁石1と第2磁石2は、回動方向にも回動軸3の延伸方向にも配列されている。磁石片10Dと磁石片20Dは、回動方向及び軸方向において互いに同じ磁極が対向するように配置されている。本実施形態によると、磁石片10Dと、Y方向に離れた位置の磁石片20Dとの間の斥力により、回動部50の軸周り方向の動きが抑止され、磁石片10Dと、X方向に離れた位置の磁石片20Dとの間の斥力により、回動部50の軸方向の動きが抑止される。このような配置をする場合、第2磁石2Dは、第1磁石1Dの周囲を隙間が無いように取り囲んで配置してもよい。
【0037】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図9に示すように、本第6実施形態の光学部材駆動装置では、第1実施形態と同じ第1磁石1と第4実施形態と同様に配置された第2磁石2Eとの組み合わせが用いられる。但し、第2磁石2は断面が直角二等辺三角形である直角二等辺三角柱の2つの磁石片20Eで構成される。第2磁石2は、その直角二等辺三角形の底辺に対応する面が、+Y-Z側及び-Y-Z側から第1磁石1に対向する。これによって、光学部材を搭載する回動部50が過度に回動することを確実に抑止できる光学部材駆動装置9を提供することができる。さらに、回動軸3の軸方向においても、回動部50が軸方向に動いても、回動方向と同様の斥力が働くので、回動部50は過度の移動が抑止されるとともに、常に軸方向の中央の位置を保とうとする。
【0038】
なお、第2実施形態から第5実施形態において、第2磁石2A,2B,2C,2Dが、第1磁石1A,1B,1C,1Dの周囲にある構成を説明したが、第1磁石1A,1B,1C,1Dが第2磁石2A,2B,2C,2Dの周囲にある構成としても構わない。また、第1実施形態から第6実施形態のすべてにおいて、回動軸3はY方向に延伸するものとして説明した。しかし、それに限るものではなく、Y方向に延伸する回動軸3に加えて、Z軸方向に延伸する他の駆動軸を加えても構わない。
【符号の説明】
【0039】
1 1A 1B 1C 1D 第1磁石
2 2A 2B 2C 2D 第2磁石
3 回動軸
4 コイル
7 プリズム
8 ケース
9 光学部材駆動装置
10 10B 10C 10D 20 20A 20B 20C 20D 磁石片
12 回動抑止部
14 駆動部
17 レンズ体
18 画像センサ
19 第2光学部材駆動装置
50 回動部
51 中実部
52 側壁部
53 上面
54 後面
57 保持部
60 固定部
62 側板
63 上板
64 後板
80 ベース
90 カメラ装置
100 スマートフォン
540 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9