(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137231
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】コネクター
(51)【国際特許分類】
A42B 3/10 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
A42B3/10
【審査請求】有
【請求項の数】42
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113581
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2020544486の分割
【原出願日】2019-02-19
(31)【優先権主張番号】1802898.5
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.KEVLAR
3.TWARON
(71)【出願人】
【識別番号】512287849
【氏名又は名称】エムアイピーエス エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエトルザック、クリストファー
(57)【要約】
【課題】コネクターを提供すること。
【解決手段】コネクターは、硬い材料から形成されたプレートであって、プレートは、プレートの第1の側に第1のアンカー・ポイントを含み、第1のアンカー・ポイントは、装置の第1のパーツにコネクターを接続するように構成される、プレートと、プレートの縁部から延在している2つのアームであって、アームは、変形可能な材料から形成されており、装置の第2のパーツにコネクターを接続するように構成される、2つのアームとを含む。プレートは、プレートの第2の側にスライド表面をさらに含む。スライド表面は、プレートと装置の第2のパーツの対向する表面との間に低摩擦インターフェースを提供するように構成され、それぞれのアームは、第1のアンカー・ポイントから離れるように延在しており、他のアームと接合し、プレートの第2の側に面する閉じたループを形成している。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の第1および第2のパーツを接続するためのコネクターであって、前記コネクターは、
硬い材料から形成されたプレートであって、前記プレートは、第1の側および第2の側を有しており、前記プレートは、前記プレートの前記第1の側に第1のアンカー・ポイントを含み、前記第1のアンカー・ポイントは、前記装置の前記第1のパーツに前記コネクターを接続するように構成されている、プレートと、
前記プレートの縁部から延在している2つのアームであって、前記アームは、変形可能な材料から形成されており、前記装置の前記第2のパーツに前記コネクターを接続するように構成されている、2つのアームと
を含み、
前記プレートは、前記プレートの前記第2の側に、前記第1の側の反対側に、スライド表面をさらに含み、前記スライド表面は、前記プレートと前記装置の前記第2のパーツの対向する表面との間に低摩擦インターフェースを提供するように構成されており、
それぞれのアームは、前記第1のアンカー・ポイントから離れるように延在しており、他のアームと接合し、前記プレートの前記第2の側に面する閉じたループを形成している、コネクター。
【請求項2】
前記アームは、前記プレートの相互に反対側から延在している、請求項1に記載のコネクター。
【請求項3】
前記アームは、第2のアンカー・ポイントを含み、前記第2のアンカー・ポイントは、前記プレートの反対側において前記プレートに面して配置されており、前記スライド・インターフェースを形成する表面の反対側において、前記第2のパーツの表面に接続するように構成されている、請求項1に記載のコネクター。
【請求項4】
前記アームは、前記装置の前記第2のパーツの一部分の周りにループするように構成されており、前記アームを前記装置の前記第2のパーツに接続するためのさらなるアンカー・ポイントなしに、前記コネクターを前記第2のパーツの一部分に接続する、請求項1に記載のコネクター。
【請求項5】
前記プレートは、前記プレートの縁部から延在する突出部を含み、前記プレートは、前記突出部を介して前記アームに接続されている、請求項1からの4のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項6】
前記アームの前記変形可能な材料は、前記突出部の一方の側面を少なくとも部分的にカバーしている、請求項5に記載のコネクター。
【請求項7】
前記アームの前記変形可能な材料は、前記突出部の2つの対向する側面を少なくとも部分的にカバーしている、請求項5に記載のコネクター。
【請求項8】
前記プレートは、接着剤によって前記変形可能な材料に固定されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項9】
前記プレートは、前記変形可能な材料とともにコ-モールドされている、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項10】
前記プレートは、前記変形可能な材料に固定されていない、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項11】
前記第1のアンカー・ポイントは、前記プレートに直接的に接続されている、請求項1から10のいずれか一項1に記載のコネクター。
【請求項12】
前記変形可能な材料は、実質的に弾性的に変形可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項13】
前記変形可能な材料は、伸縮性のあるファブリック、布もしくはテキスタイル、またはエラストマー材料を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項14】
前記変形可能な材料は、シリコーンエラストマーである、請求項1から13のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項15】
前記変形可能な材料のアームは、第1の位置に向けて前記プレートを付勢するように構成されており、前記低摩擦インターフェースに沿ってスライドすることによって、前記プレートが前記第1の位置から離れるように変位させられるときに、前記変形可能な材料のアームが前記プレートを前記第1の位置へ戻るように促すようになっている、請求項1から14のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項16】
前記低摩擦インターフェースは、前記対向する表面のうちの少なくとも1つを形成するエレメントの構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、前記対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、前記対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用すること、および、少なくとも1つの低摩擦表面を有する前記対向する表面の間に、固定されていない追加的な材料の層を提供することのうちの少なくとも1つによって実装される、請求項1から15のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、前記装置の前記第1のパーツに取り外し可能に接続されるように構成されている、請求項3に記載のコネクター。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続、スナップ・フィット接続、および磁気的な接続のうちの少なくとも1つによって、取り外し可能に接続されるように構成されている、請求項17に記載のコネクター。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、前記装置の前記第1のパーツに解除不可能に接続されるように構成されている、請求項3に記載のコネクター。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、接着剤、刺繍、または高周波溶接によって接続されるように構成されている、請求項19に記載のコネクター。
【請求項21】
前記第1のアンカー・ポイントは、前記装置の前記第1のパーツに取り外し可能に接続されるように構成されている、請求項1から20のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項22】
前記第1のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続、スナップ・フィット接続、および磁気的な接続のうちの少なくとも1つによって、取り外し可能に接続されるように構成されている、請求項21に記載のコネクター。
【請求項23】
前記第1のアンカー・ポイントは、前記装置の前記第1のパーツに解除不可能に接続されるように構成されている、請求項1から20のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項24】
前記第1のアンカー・ポイントは、接着剤、刺繍、または高周波溶接によって接続されるように構成されている、請求項23に記載のコネクター。
【請求項25】
ヘルメットのためのライナーであって、前記ライナーは、前記ライナーに接続されている請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターを含む、ヘルメットのためのライナー。
【請求項26】
前記少なくとも1つのコネクターの前記第1のアンカー・ポイントは、前記ヘルメットに接続されるように構成されている、請求項25に記載のヘルメットのためのライナー。
【請求項27】
前記ライナーは、コンフォート・パッディングを含み、また、随意的に、前記コンフォート・パッディングと比較して相対的に硬質の材料の層を含み、前記硬質の材料は、前記コンフォート・パッディングよりも外向きに提供されている、請求項25または26に記載のヘルメットのためのライナー。
【請求項28】
請求項25または26に記載のライナーを含むヘルメット。
【請求項29】
前記ライナーは、前記ヘルメットから除去可能になっている、請求項28に記載のヘルメット。
【請求項30】
前記少なくとも1つのコネクターの前記第1のアンカー・ポイントは、前記ヘルメットの比較的に硬質の外側シェル、前記ヘルメットの中の材料のエネルギー吸収層、および、前記ヘルメットのエネルギー吸収材料よりも内向きに前記ヘルメットの中に提供された材料の比較的に硬質の層のうちの少なくとも1つに接続されている、請求項28または29に記載のヘルメット。
【請求項31】
前記ヘルメットは、比較的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、比較的に硬質の材料から形成された内側シェルと、前記ライナーとを順に含む、請求項28から30のいずれか一項に記載のヘルメット。
【請求項32】
低摩擦インターフェースは、前記エネルギー吸収材料と前記内側シェルとの間に提供されている、請求項31に記載のヘルメット。
【請求項33】
前記低摩擦インターフェースは、前記内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、前記内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、ならびに、前記内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される、請求項32に記載のヘルメット。
【請求項34】
前記第1のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によって前記ヘルメットに取り付けられている、請求項28から33のいずれか一項に記載のヘルメット。
【請求項35】
請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターによって前記ヘルメットにそれぞれ装着されている、コンフォート・パッディングの複数の独立したセクションを含むヘルメット。
【請求項36】
前記ヘルメットは、比較的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、比較的に硬質の材料の複数のセクションから形成された内側シェルと、前記複数のセクションのコンフォート・パッディングとを順に含む、請求項35に記載のヘルメット。
【請求項37】
低摩擦インターフェースは、前記複数のセクションの内側シェルと前記エネルギー吸収材料との間に提供されている、請求項36に記載のヘルメット。
【請求項38】
前記低摩擦インターフェースは、前記複数のセクションの内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、前記複数のセクションの内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、ならびに、前記複数のセクションの内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される、請求項37に記載のヘルメット。
【請求項39】
前記第1のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によって前記ヘルメットに取り付けられている、請求項35から38のいずれか一項に記載のヘルメット。
【請求項40】
ヘルメットの中で使用するための複数のセクションのコンフォート・パッディングのセットであって、コンフォート・パッディングの少なくとも1つのセクションは、請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターを含む、セット。
【請求項341】
コンフォート・パッディングの少なくとも1つのセクションは、少なくとも1つの異なるタイプのコネクターを含む、請求項40に記載の複数のセクションのコンフォート・パッディングのセット。
【請求項42】
ヘルメットであって、前記ヘルメットは、
比較的に硬質の材料から形成された外側シェルと、
エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、
ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングと、
前記ライナーまたはコンフォート・パッディングのセクションを前記ヘルメットの残部に接続する、請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターと
を順に含み、
比較的に硬質のコーティングが、前記ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングの外側表面に結合されており、前記比較的に硬質のコーティングと前記エネルギー吸収層との間に低摩擦インターフェースを形成している、ヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクターに関し、コネクターは、たとえば、ライナーまたはコンフォート・パッディングをヘルメットの残りの部分に接続するために、装置の2つのパーツを接続するために使用され得る。
【0002】
ヘルメットは、さまざまな活動において使用するものとして知られている。これらの活動は、戦闘目的および産業目的を含み、たとえば、兵士のための保護ヘルメット、および、たとえば、建築業者、鉱山労働者、または、産業用マシンのオペレーターによって使用される安全帽またはヘルメットなどを含む。また、ヘルメットは、スポーツ活動にも普及している。たとえば、保護ヘルメットは、アイスホッケー、サイクリング、モーター・サイクリング、モーター・カー・レーシング、スキー、スノーボード、スケート、スケートボード、馬術、アメリカンフットボール、ベースボール、ラグビー、クリケット、ラクロス、登山、ゴルフ、エアソフト、およびペイントボールにおいて使用され得る。
【0003】
ヘルメットは、固定されたサイズのものであることが可能であり、または、頭部の異なるサイズおよび形状にフィットするように調節可能であり得る。いくつかのタイプのヘルメットでは、たとえば、一般に、アイスホッケー・ヘルメットでは、ヘルメットの外側寸法および内側寸法を変化させるためにヘルメットのパーツを移動させることによって、調節可能性が提供され得る。これは、互いに対して移動することができる2つ以上のパーツを備えたヘルメットを有することによって実現され得る。他のケースでは、たとえば、一般に、サイクリング・ヘルメットでは、ヘルメットは、ヘルメットをユーザーの頭部に固定するための取り付けデバイスを設けられており、取り付けデバイスは、ヘルメットの主本体部またはシェルが同じサイズのままである状態で、ユーザーの頭部にフィットするように寸法が変化することが可能である。いくつかのケースでは、ヘルメットの中のコンフォート・パッディングは、取り付けデバイスとして作用することが可能である。また、取り付けデバイスは、複数の物理的に別個のパーツの形態で、たとえば、互いに相互接続されていない複数のコンフォート・パッドの形態で提供され得る。ユーザーの頭部の上にヘルメットを着座させるためのそのような取り付けデバイスは、ヘルメットを適切な場所にさらに固定するために、追加的なストラップ(たとえば、顎ストラップなど)とともに使用され得る。また、これらの調節メカニズムの組み合わせも可能である。
【0004】
ヘルメットは、多くの場合、外側シェル(それは、通常、硬質であり、プラスチックまたは複合材料から作製されている)と、ライナーと呼ばれるエネルギー吸収層とから作製されている。最近では、保護ヘルメットは、特定の法的要件を満たすように設計されなければならず、特定の法的要件は、とりわけ、特定の荷重において脳の重心に発生し得る最大加速度に関するものである。典型的に、テストが実施され、テストにおいて、ヘルメットを装備しているダミー頭蓋骨として知られているものが、頭部に向けて半径方向の打撃を受ける。これは、頭蓋骨に対して半径方向への打撃のケースにおいて、良好なエネルギー吸収能力を有する現代のヘルメットを結果として生じさせる。また、回転エネルギーを吸収するかもしくは消散させることによって、および/または、回転エネルギーというよりもむしろ並進エネルギーへと方向付けし直すことによって、斜めの打撃(すなわち、それは、接線方向の成分および半径方向の成分の両方を組み合わせている)から伝達されるエネルギーを減じるためのヘルメットを開発することが進められてきた(たとえば、WO2001/045526およびWO2011/139224(それらは、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれている))。
【0005】
(保護がない状態での)そのような斜めの衝撃は、脳の並進加速度および角加速度の両方を結果として生じさせる。角加速度は、脳が頭蓋骨の中で回転することを引き起こし、脳を頭蓋骨に接続している身体の要素に、また、脳自身に傷害を発生させる。
【0006】
回転傷害の例は、軽度の外傷性脳損傷(MTBI)、たとえば、脳震とうなど、および、重度の外傷性脳損傷(STBI)、たとえば、硬膜下血腫(SDH)など、血管破裂の結果としての出血、およびびまん性軸索損傷(DAI)を含み、それは、脳組織の中の高い剪断変形の結果として神経線維が引き伸ばされ過ぎるものとして要約され得る。
【0007】
持続期間、振幅、および増加レートなどのような、回転力の特質に応じて、脳震とう、SDH、DAI、または、これらの傷害の組み合わせのいずれかを負う可能性がある。一般的に言えば、SDHは、短い持続期間および大きい振幅の加速度のケースにおいて起こり、一方、DAIは、より長くより広範囲の加速度荷重のケースにおいて起こる。
【0008】
斜めの衝撃によって引き起こされる脳に伝達される回転エネルギーを低減させることができる、WO2001/045526およびWO2011/139224に開示されているものなどのようなヘルメットにおいて、ヘルメットの第1および第2のパーツは、斜めの衝撃に続いて互いに対してスライドするように構成され得る。しかし、通常使用の間に、すなわち、衝撃を受けていないときに、ヘルメットがその完全性を保つように、第1のパーツおよび第2のパーツが接続されているということが依然として望ましい。したがって、ヘルメットの第1のパーツおよび第2のパーツを一緒に接続しながら、衝撃下において第2のパーツに対する第1のパーツの移動を許容するコネクターを提供することが望ましい。また、製造コストおよび/または労力を実質的に増加させることなく提供され得るヘルメットの中のコネクターを提供することが望ましい。
【0009】
WO2017/157765におけるコネクターは、上記に述べられている問題のうちのいくつかに対処している。しかし、それらは、製造するのに比較的に厄介で時間のかかるものである可能性がある。本発明は、衝撃下における相対的な移動を許容する、製造するのが容易なコネクターを提供することによって、少なくとも部分的にこの問題に対処することを目標とする。
【発明の概要】
【0010】
本発明の態様によれば、装置の第1および第2のパーツを接続するためのコネクターであって、コネクターは、内側領域であって、内側領域は、その第1の側に第1のアンカー・ポイントを含み、第1のアンカー・ポイントは、装置の第1のパーツにコネクターを接続するように構成されている、内側領域と、内側領域の縁部から外向きに延在している2つ以上のアームであって、アームは、変形可能な材料から形成されており、装置の第2のパーツにコネクターを接続するように構成されている、2つ以上のアームとを含み、内側領域は、その第2の側に、第1の側の反対側に、スライド表面をさらに含み、スライド表面は、内側領域と装置の第2のパーツの対向する表面との間に低摩擦インターフェースを提供するように構成されている、コネクターが提供される。
【0011】
随意的に、アームは、内側領域の相互に反対側から延在している。
【0012】
いくつかの実施形態では、随意的に、それぞれのアームは、内側領域のスライド表面に対して実質的に平行の方向に延在している。随意的に、それぞれのアームは、アームを装置の第2のパーツに接続するための第2のアンカー・ポイントをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、随意的に、それぞれのアームは、第1のアンカー・ポイントから離れるように延在しており、他のアームと接合し、第1のアンカー・ポイントに対して内側領域の反対側に閉じたループを形成しており、閉じたループは、装置の第2のパーツの一部分の周りにループするように構成されている。
【0014】
随意的に、アームは、第2のアンカー・ポイントを含み、第2のアンカー・ポイントは、内側領域の反対側において内側領域に面して配置されており、スライド・インターフェースを形成する表面の反対側において、第2のパーツの表面に接続するように構成されている。代替的に、アームは、装置の第2のパーツの一部分の周りにループするように随意的に構成されており、アームを装置の第2のパーツに接続するためのさらなるアンカー・ポイントなしに、コネクターを一部分に接続する。
【0015】
いくつかの実施形態では、随意的に、内側領域は、アームと一体的に形成された変形可能な材料の一部分と、変形可能な材料と比較して相対的に硬い材料のプレートとを含む。随意的に、内側領域の変形可能な材料は、プレートの一方の側面を少なくとも部分的にカバーしている。代替的に、随意的に、内側領域の変形可能な材料は、プレートの2つの対向する側面を少なくとも部分的にカバーしている。
【0016】
いくつかの実施形態では、随意的に、内側領域は、変形可能な材料と比較して相対的に硬い材料のプレートを含み、プレートは、アームに接続されている。随意的に、プレートは、内側領域の縁部から延在する突出部を含み、プレートは、突出部を介してアームに接続されている。随意的に、アームの変形可能な材料は、突出部の一方の側面を少なくとも部分的にカバーしている。代替的に、随意的に、アームの変形可能な材料は、突出部の2つの対向する側面を少なくとも部分的にカバーしている。
【0017】
随意的に、プレートは、接着剤によって変形可能な材料に固定されている。代替的に、随意的に、プレートは、変形可能な材料とともにコ-モールドされている(co-moulded)。
【0018】
随意的に、プレートは、変形可能な材料に固定されていない。
【0019】
随意的に、第1のアンカー・ポイントは、プレートに直接的に接続されている。
【0020】
本発明の態様によれば、先行する請求項のいずれか1つに記載のコネクターであって、変形可能な材料は、実質的に弾性的に変形可能である、コネクターが提供される。
【0021】
本発明の態様によれば、変形可能な材料は、伸縮性のあるファブリック、布もしくはテキスタイル、またはエラストマー材料を含む、コネクターが提供される。
【0022】
随意的に、変形可能な材料は、シリコーンエラストマーである。
【0023】
本発明の態様によれば、コネクターであって、変形可能な材料のアームは、第1の位置に向けて内側領域を付勢するように構成されており、低摩擦インターフェースに沿ってスライドすることによって、内側領域が第1の位置から離れるように変位させられるときに、変形可能な材料のアームが内側領域を第1の位置へ戻るように促すようになっている、コネクターが提供される。
【0024】
本発明の態様によれば、コネクターであって、低摩擦インターフェースは、対向する表面のうちの少なくとも1つを形成するエレメントの構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用すること、および、少なくとも1つの低摩擦表面を有する対向する表面の間に、固定されていない追加的な材料の層を提供することのうちの少なくとも1つによって実装される、コネクターが提供される。
【0025】
随意的に、少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、装置の第1のパーツに取り外し可能に接続されるように構成されている。
【0026】
随意的に、少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続、スナップ・フィット接続、および磁気的な接続のうちの少なくとも1つによって、取り外し可能に接続されるように構成されている。
【0027】
随意的に、少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、装置の第1のパーツに解除不可能に接続されるように構成されている。
【0028】
随意的に、少なくとも1つの第2のアンカー・ポイントは、接着剤、刺繍、または高周波溶接によって接続されるように構成されている。
【0029】
随意的に、第1のアンカー・ポイントは、装置の第1のパーツに取り外し可能に接続されるように構成されている。
【0030】
随意的に、第1のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続、スナップ・フィット接続、および磁気的な接続のうちの少なくとも1つによって、取り外し可能に接続されるように構成されている。
【0031】
随意的に、第1のアンカー・ポイントは、装置の第1のパーツに解除不可能に接続されるように構成されている。随意的に、第1のアンカー・ポイントは、接着剤、刺繍、または高周波溶接によって接続されるように構成されている。
【0032】
随意的に、コネクターは、内側領域の縁部から外向きに延在する1つまたは複数のさらなるアームをさらに含み、アームは、変形可能な材料から形成されており、コネクターを装置の第2のパーツに接続するように構成されている。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、先行する態様による少なくとも1つのコネクターを含む、ヘルメットのためのライナーが提供される。
【0034】
随意的に、少なくとも1つのコネクターの第1のアンカー・ポイントは、ヘルメットに接続されるように構成されている。
【0035】
随意的に、ライナーは、コンフォート・パッディングを含み、また、随意的に、コンフォート・パッディングと比較して相対的に硬質の材料の層を含み、硬質の材料は、コンフォート・パッディングよりも外向きに提供されている。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様によるライナーを含むヘルメットが提供される。
【0037】
随意的に、ライナーは、ヘルメットから除去可能になっている。
【0038】
随意的に、少なくとも1つのコネクターの第1のアンカー・ポイントは、ヘルメットの比較的に硬質の外側シェル、ヘルメットの中の材料のエネルギー吸収層、および、ヘルメットのエネルギー吸収材料よりも内向きにヘルメットの中に提供された材料の比較的に硬質の層のうちの少なくとも1つに接続されている。
【0039】
随意的に、ヘルメットは、比較的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、比較的に硬質の材料から形成された内側シェルと、ライナーとを順に含む。
【0040】
随意的に、低摩擦インターフェースは、エネルギー吸収材料と内側シェルとの間に提供されている。
【0041】
随意的に、低摩擦インターフェースは、内側シェルおよびエネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、ならびに、内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される。
【0042】
随意的に、第1の第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によってヘルメットに取り付けられている。
【0043】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様による少なくとも1つのコネクターによってヘルメットにそれぞれ装着されている、コンフォート・パッディングの複数の独立したセクションを含むヘルメットが提供される。
【0044】
随意的に、ヘルメットは、比較的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、比較的に硬質の材料の複数のセクションから形成された内側シェルと、複数のセクションのコンフォート・パッディングとを順に含む。
【0045】
随意的に、低摩擦インターフェースは、複数のセクションの内側シェルとエネルギー吸収材料との間に提供されている。
【0046】
随意的に、低摩擦インターフェースは、複数のセクションの内側シェルおよびエネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、複数のセクションの内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、ならびに、複数のセクションの内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される。
【0047】
随意的に、第1のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によってヘルメットに取り付けられている。
【0048】
本発明の第5の態様によれば、ヘルメットの中で使用するための複数のセクションのコンフォート・パッディングのセットであって、コンフォート・パッディングの少なくとも1つのセクションは、少なくとも1つのコネクターを含む、セットが提供される。
【0049】
随意的に、コンフォート・パッディングの少なくとも1つのセクションは、少なくとも1つの異なるタイプのコネクターを含む。
【0050】
本発明の第6の態様によれば、ヘルメットであって、ヘルメットは、比較的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングと、ライナーまたはコンフォート・パッディングのセクションをヘルメットの残部に接続する、本発明の第1の態様による少なくとも1つのコネクターとを順に含み、比較的に硬質のコーティングが、ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングの外側表面に結合されており、比較的に硬質のコーティングとエネルギー吸収層との間に低摩擦インターフェースを形成している、ヘルメットが提供される。
【0051】
本発明は、添付の図を参照して、下記に詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】斜めの衝撃に対する保護を提供するためのヘルメットを通る断面を示す図である。
【
図2】
図1のヘルメットの機能的な原理を示すダイアグラムである。
【
図3A】
図1のヘルメットの構造の変形例を示す図である。
【
図3B】
図1のヘルメットの構造の変形例を示す図である。
【
図3C】
図1のヘルメットの構造の変形例を示す図である。
【
図5】
図4のヘルメットの取り付けデバイスを接続する代替的な方式を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
【
図8】本発明の別の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
【
図9】本発明の別の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態によるコネクターの上部(平面)図である。
【
図13】
図10のコネクターを含むコンフォート・パッディングを示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態によるコネクターの上部(平面)図である。
【
図17】
図14のコネクターを含むコンフォート・パッディングを示す図である。
【
図18】本発明の第3の実施形態によるコネクターの上部(平面)図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図の中に示されているヘルメットの中のさまざまな層の厚さの割合は、明確化のために図面の中で誇張されており、当然のことながら、必要性および要求に応じて適合され得る。
【0054】
図1は、斜めの衝撃に対する保護を提供するように意図された、WO01/45526に議論されている種類の第1のヘルメット1を示している。このタイプのヘルメットは、上記に議論されているヘルメットのタイプのいずれかであることが可能である。
【0055】
保護ヘルメット1は、外側シェル2、および、外側シェル2の内側に配置されている内側シェル3によって構築されており、内側シェル3は、着用者の頭部との接触を意図している。
【0056】
スライド層4またはスライド促進体が、外側シェル2と内側シェル3との間に配置されており、それは、外側シェル2と内側シェル3との間の変位を可能にする。とりわけ、下記に議論されているように、スライド層4またはスライド促進体は、衝撃の間の2つのパーツの間でスライドが起こることができるように構成され得る。たとえば、それは、ヘルメット1の着用者に関して生存可能であることが予期される、ヘルメット1に対する衝撃に関連付けられる力の下でのスライドを可能にするように構成され得る。いくつかの配置では、摩擦係数が0.001から0.3の間にあるようにおよび/または0.15を下回るように、スライド層またはスライド促進体を構成することが望ましい可能性がある。
【0057】
図1の描写において、1つまたは複数の接続部材5が、ヘルメット1の縁部部分の中に配置され得り、1つまたは複数の接続部材5は、外側シェル2および内側シェル3を相互接続している。いくつかの配置では、コネクターは、エネルギーを吸収することによって、外側シェル2と内側シェル3との間の相互の変位に対抗することが可能である。しかし、これは、必須ではない。さらに、この特徴が存在している場合でも、吸収されるエネルギーの量は、通常、衝撃の間に内側シェル3によって吸収されるエネルギーと比較して最小になっている。他の配置では、接続部材5は、全く存在していなくてもよい。
【0058】
さらに、これらの接続部材5の場所は、変化させられ得る(たとえば、縁部部分から離れるように位置決めされており、また、スライド層4を通して外側シェル2および内側シェル3を接続している)。
【0059】
外側シェル2は、好ましくは、さまざまなタイプの衝撃に耐えるために、比較的に薄くて強くなっている。外側シェル2は、たとえば、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などのような、ポリマー材料から作製され得る。有利には、ポリマー材料は、ガラス繊維、アラミド、Twaron、炭素繊維、またはKevlarなどのような、材料を使用して、繊維強化され得る。
【0060】
内側シェル3は、かなり厚くなっており、エネルギー吸収層として作用する。そうであるので、それは、頭部に対する衝撃を減衰または吸収することができる。それは、有利には、発泡ポリスチレン(EPS)、発泡ポリプロピレン(EPP)、発泡ポリウレタン(EPU)、ビニールニトリルフォームのようなフォーム材料;または、たとえば、ハニカム状の構造体を形成する他の材料;または、ブランド名Poron(商標)およびD3O(商標)の下で市販されているような、歪み速度感受性フォームから作製され得る。構築体は、たとえば、異なる材料の複数の層を伴って、異なる方式で変化させられ得り、それは、下記に出現する。
【0061】
内側シェル3は、衝撃のエネルギーを吸収するために設計されている。ヘルメット1の他のエレメントは、限られた範囲内でそのエネルギーを吸収することとなるが(たとえば、硬質の外側シェル2、または、いわゆる、内側シェル3の中に設けられる「コンフォート・パッディング」)、それは、それらの主要な目的ではなく、エネルギー吸収へのそれらの貢献は、内側シェル3のエネルギー吸収と比較して最小である。実際に、コンフォート・パッディングなどのようないくつかの他のエレメントが、「圧縮可能な」材料から作製され得り、そうであるので、他の文脈において「エネルギーを吸収するもの」として考えられ得るが、ヘルメットの分野において、圧縮可能な材料は、必ずしも、ヘルメットの着用者への損傷を低減させる目的のために、衝撃の間にエネルギーの意味のある量を吸収する意味の「エネルギーを吸収するもの」ではないということがよく認識されている。
【0062】
複数の異なる材料および実施形態が、スライド層4またはスライド促進体、たとえば、油、テフロン、マイクロスフェア、空気、ゴム、ポリカーボネート(PC)、フェルトなどのようなファブリック材料などとして使用され得る。そのような層は、0.1~5mmの厚さを有することが可能であるが、選択される材料および望まれる性能に応じて、他の厚さも使用され得る。また、スライド層の数およびそれらの位置決めが変化させられ得り、この例は、(
図3Bを参照して)下記に議論されている。
【0063】
接続部材5として、たとえば、プラスチックまたは金属の変形可能なストリップが使用され得り、それらは、適切な様式で、外側シェルおよび内側シェルの中にアンカー固定される。
【0064】
図2は、保護ヘルメット1の機能的な原理を示しており、そこでは、ヘルメット1および着用者の頭蓋骨10は、半円筒形状であると仮定されており、頭蓋骨10は、長手方向軸線11の上に装着された状態になっている。捩じり力およびトルクは、ヘルメット1が斜めの衝撃Kを受けるときに、頭蓋骨10に伝達される。衝撃力Kは、保護ヘルメット1に対して、接線方向力K
Tおよび半径方向力K
Rの両方を生じさせる。この特定の文脈において、ヘルメットを回転させる接線方向力K
Tおよびその効果だけが関心のものである。
【0065】
見られ得るように、力Kは、内側シェル3に対する外側シェル2の変位12を生じさせ、接続部材5は変形させられている。頭蓋骨10に伝達される捩じり力のおおよそ25%の低減が、そのような配置によって取得され得る。これは、内側シェル3と外側シェル2との間のスライド運動の結果であり、半径方向の加速度へと伝送されるエネルギーの量を低減させる。
【0066】
また、スライド運動は、保護ヘルメット1の円周方向に起こることも可能であるが、これは示されていない。これは、外側シェル2と内側シェル3との間の円周方向の角度回転の結果としてのものである可能性がある(すなわち、衝撃の間に、外側シェル2は、内側シェル3に対して所定の円周方向の角度だけ回転させられ得る)。
【0067】
また、保護ヘルメット1の他の配置も可能である。いくつかの可能な変形例が、
図3に示されている。
図3aでは、内側シェル3は、相対的に薄い外側層3’’および相対的に厚い内側層3’から構築される。外側層3’’は、好ましくは、内側層3’よりも硬質になっており、外側シェル2に対するスライドを促進させることを助ける。
図3bでは、内側シェル3は、
図3aのものと同じ様式で構築される。しかし、このケースでは、2つのスライド層4が存在しており、2つのスライド層4の間に、中間シェル6が存在している。2つのスライド層4は、そのように望まれる場合には、異なって具現化され得り、異なる材料から作製され得る。1つの可能性は、たとえば、内側スライド層においてよりも、外側スライド層において、より低い摩擦を有するということである。
図3cでは、外側シェル2は、以前のものとは異なって具現化されている。このケースでは、より硬質の外側層2’’が、より軟質の内側層2’をカバーしている。内側層2’は、たとえば、内側シェル3と同じ材料であることが可能である。
【0068】
図4は、WO2011/139224に議論されている種類の第2のヘルメット1を示しており、それは、また、斜めの衝撃に対する保護を提供することを意図している。また、このタイプのヘルメットは、上記に議論されているヘルメットのタイプのいずれかであることが可能である。
【0069】
図4では、ヘルメット1は、
図1のヘルメットの内側シェル3と同様のエネルギー吸収層3を含む。エネルギー吸収層3の外側表面は、エネルギー吸収層3と同じ材料から提供され得り(すなわち、追加的な外側シェルは存在しなくてもよい)、または、外側表面は、
図1に示されているヘルメットの外側シェル2と同等のリジッド・シェル2(
図5を参照)であることが可能である。そのケースでは、リジッド・シェル2は、エネルギー吸収層3とは異なる材料から作製され得る。
図4のヘルメット1は、複数のベント7を有しており、複数のベント7は、随意的なものであり、エネルギー吸収層3および外側シェル2の両方を通って延在しており、それによって、ヘルメット1を通る空気フローを可能にする。
【0070】
取り付けデバイス13が、着用者の頭部へのヘルメット1の取り付けのために設けられている。先に議論されているように、これは、エネルギー吸収層3およびリジッド・シェル2のサイズが調節されることができないときに望ましい可能性がある。その理由は、それが、取り付けデバイス13のサイズを調節することによって、異なるサイズ頭部が収容されることを可能にするからである。取り付けデバイス13は、弾性的なまたは半弾性的なポリマー材料、たとえば、PC、ABS、PVC、またはPTFEなど、または、綿布などのような天然繊維材料から作製され得る。たとえば、テキスタイルのキャップまたはネットが、取り付けデバイス13を形成することが可能である。
【0071】
取り付けデバイス13が、前方側、後方側、左側、および右側から延在するさらなるストラップ部分を備えた頭部バンド部分を含むものとして示されているが、取り付けデバイス13の特定の構成は、ヘルメットの構成にしたがって変化することが可能である。いくつかのケースでは、取り付けデバイスは、むしろ、連続的な(形状の)シートのようになっていることが可能であり、恐らく、孔またはギャップ(たとえば、ベント7の位置に対応している)を備えており、ヘルメットを通る空気フローを可能にする。
【0072】
また、
図4は、特定の着用者のための取り付けデバイス13の頭部バンドの直径を調節するための随意的な調節デバイス6を示している。他の配置では、頭部バンドは、弾性的な頭部バンドであることが可能であり、そのケースでは、調節デバイス6は除外され得る。
【0073】
スライド促進体4は、エネルギー吸収層3の半径方向内向きに提供されている。スライド促進体4は、エネルギー吸収層に対抗して、または、ヘルメットを着用者の頭部に取り付けるために提供されている取り付けデバイス13に対抗して、スライドするように適合されている。
【0074】
スライド促進体4は、上記に議論されているものと同じ様式で、取り付けデバイス13に対してエネルギー吸収層3がスライドすることを支援するために提供されている。スライド促進体4は、低い摩擦係数を有する材料であることが可能であり、または、そのような材料によってコーティングされ得る。
【0075】
そうであるので、
図4のヘルメットにおいて、スライド促進体は、取り付けデバイス13に面するエネルギー吸収層3の最も内側の側面の上に提供され得り、または、それと一体化され得る。
【0076】
しかし、スライド促進体4は、エネルギー吸収層3と取り付けデバイス13との間のスライド可能性を提供する同じ目的のために、取り付けデバイス13の外側表面の上に提供され得り、または、それと一体化され得るということが等しく考えられ得る。すなわち、特定の配置では、取り付けデバイス13自身は、スライド促進体4として作用するように適合され得り、また、低摩擦材料を含むことが可能である。
【0077】
換言すれば、スライド促進体4は、エネルギー吸収層3の半径方向内向きに提供されている。また、スライド促進体は、取り付けデバイス13の半径方向外向きに提供され得る。
【0078】
取り付けデバイス13がキャップまたはネット(上記に議論されているように)として形成されているときには、スライド促進体4は、低摩擦材料のパッチとして提供され得る。
【0079】
低摩擦材料は、ワキシー・ポリマー、たとえば、ΡTFΕ、ABS、PVC、PC、ナイロン、PFA、EΕΡ、PE、およびUHMWPEなど、または、潤滑剤を注入され得る粉末材料であることが可能である。低摩擦材料は、ファブリック材料であることが可能である。議論されているように、この低摩擦材料は、スライド促進体およびエネルギー吸収層のいずれか一方または両方に適用され得る。
【0080】
取り付けデバイス13は、
図4の中の4つの固定部材5a、5b、5c、および5dなどのような、固定部材5によって、エネルギー吸収層3および/または外側シェル2に固定され得る。これらは、弾性的な、半弾性的な、または塑性的な方式で変形することによって、エネルギーを吸収するように適合され得る。しかし、これは、必須ではない。さらに、この特徴が存在している場合でも、吸収されるエネルギーの量は、通常、衝撃の間にエネルギー吸収層3によって吸収されるエネルギーと比較して最小になっている。
【0081】
図4に示されている実施形態によれば、4つの固定部材5a、5b、5c、および5dは、第1および第2の部分8、9を有するサスペンション部材5a、5b、5c、5dであり、サスペンション部材5a、5b、5c、5dの第1の部分8は、取り付けデバイス13に固定されるように適合されており、サスペンション部材5a、5b、5c、5dの第2の部分9は、エネルギー吸収層3に固定されるように適合されている。
【0082】
図5は、着用者の頭部の上に設置されているときの、
図4の中のヘルメットと同様のヘルメットの実施形態を示している。
図5のヘルメット1は、エネルギー吸収層3とは異なる材料から作製された硬質の外側シェル2を含む。
図4とは対照的に、
図5では、取り付けデバイス13は、2つの固定部材5a、5bによってエネルギー吸収層3に固定されており、2つの固定部材5a、5bは、弾性的に、半弾性的に、または塑性的に、エネルギーおよび力を吸収するように適合されている。
【0083】
ヘルメットに対する回転力を生成させる前方斜めの衝撃Iが、
図5に示されている。斜めの衝撃Iは、エネルギー吸収層3が取り付けデバイス13に対してスライドすることを引き起こす。取り付けデバイス13は、固定部材5a、5bによってエネルギー吸収層3に固定されている。明確化のために、2つだけのそのような固定部材が示されているが、実際には、多くのそのような固定部材が存在していることが可能である。固定部材5は、弾性的にまたは半弾性的に変形することによって、回転力を吸収することが可能である。他の配置では、変形は、塑性的であることも可能であり、さらには、固定部材5のうちの1つまたは複数の切断を結果として生じさせることも可能である。塑性的な変形のケースでは、少なくとも固定部材5は、衝撃の後に交換される必要があることとなる。いくつかのケースでは、固定部材5の中の塑性的な変形および弾性的な変形の組み合わせが起こることが可能であり、すなわち、いくつかの固定部材5は破断し、エネルギーを塑性的に吸収し、一方、他の固定部材は弾性的に変形し、力を吸収する。
【0084】
一般的に、
図4および
図5のヘルメットにおいて、衝撃の間に、エネルギー吸収層3は、
図1のヘルメットの内側シェルと同じ方式で、圧縮することによって、衝撃吸収体として作用する。外側シェル2が使用されている場合には、それは、エネルギー吸収層3にわたって衝撃エネルギーを広げることを助けることとなる。また、スライド促進体4は、取り付けデバイスとエネルギー吸収層との間のスライドを可能にすることとなる。これは、そうでなければ回転エネルギーとして脳に伝達されることとなるエネルギーを消散させるための制御された方式を可能にする。エネルギーは、摩擦熱、エネルギー吸収層変形、または、固定部材の変形もしくは変位によって、消散され得る。低減されたエネルギー伝達は、脳に影響を与える回転加速度の低減を結果として生じさせ、したがって、頭蓋骨の中の脳の回転を低減させる。MTBIおよびSTBI、たとえば、硬膜下血腫など、SDH、血管破裂、脳震とう、およびDAIを含む、回転傷害のリスクが、それによって低減される。
【0085】
装置の2つのパーツを接続するための本発明のコネクターが、下記に説明されている。これらのコネクターは、さまざまな文脈の中で使用され得り、ヘルメットの中での使用に限定されるべきではないということが認識されるべきである。たとえば、それらは、スポーツ機器のための胴体防護具またはパッディングなどのような、衝撃保護を提供する他のデバイスの中で使用され得る。ヘルメットの文脈において、本発明のコネクターは、とりわけ、上記に議論されている配置の以前から知られている接続部材および/または固定部材の代わりに使用され得る。
【0086】
本発明のある実施形態では、コネクターは、
図6に示されているタイプのヘルメット1によって使用され得る。
図6に示されているヘルメットは、
図4および
図5に関して上記に議論されているものと同様の構成を有している。とりわけ、ヘルメットは、比較的に硬質の外側シェル2およびエネルギー吸収層3を有している。頭部取り付けデバイスは、ヘルメット・ライナー15の形態で提供されている。ライナー15は、上記に議論されているように、コンフォート・パッディングを含むことが可能である。一般的に、ライナー15および/または任意のコンフォート・パッディングは、エネルギー吸収層3によって吸収されるエネルギーと比較して、有意の割合の衝撃のエネルギーを吸収しなくてもよい。
【0087】
ライナー15は、除去可能であり得る。これは、ライナーがクリーニングされることを可能にすることができ、および/または、特定の着用者にフィットするように修正されるライナーの提供を可能にすることができる。
【0088】
ライナー15とエネルギー吸収層3との間に、相対的に硬質の材料、すなわち、エネルギー吸収層3よりも硬質の材料から形成された内側シェル14が提供されている。内側シェル14は、エネルギー吸収層3にモールドされ得り、また、外側シェル2の形成に関連して上記に議論されている材料のいずれかから作製され得る。
【0089】
図6の配置において、低摩擦インターフェースが、内側シェル14とライナー15との間に提供されている。これは、ライナー15の外側表面を形成するために使用される材料、または、内側シェル14を形成するために使用される材料のうちの少なくとも1つの適当な選択される実装され得る。代替的にまたは追加的に、低摩擦コーティングが、内側シェル14およびライナー15の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。代替的にまたは追加的に、潤滑剤が、内側シェル14およびライナー15の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。
【0090】
示されているように、ライナー15は、さらに詳細に下記に議論されている本発明の1つまたは複数のコネクター20によって、ヘルメット1の残りの部分に接続され得る。コネクター20の場所の選択、および、使用するべきコネクター20の数は、ヘルメットの残りの部分の構成に依存することが可能である。したがって、本発明は、
図6に示されている構成に限定されない。
【0091】
図6に示されているものなどのような配置において、少なくとも1つのコネクター20は、内側シェル14に接続され得る。代替的にまたは追加的に、コネクター20のうちの1つまたは複数は、ヘルメット1の残りの部分の別のパーツ、たとえば、エネルギー吸収層3および/または外側シェル2などに接続され得る。また、コネクター20は、ヘルメット1の残りの部分の2つ以上のパーツに接続され得る。
【0092】
図7は、本発明のコネクター20を使用するヘルメット1のさらなる代替的な配置を示している。示されているように、この配置のヘルメット1は、コンフォート・パッディング16の複数の独立したセクションを含む。コンフォート・パッディング16のそれぞれのセクションは、本発明による1つまたは複数のコネクター20によって、ヘルメットの残りの部分に接続され得る。
【0093】
コンフォート・パッディング16のセクションは、コンフォート・パッディング16のセクションとヘルメット1の残りの部分との間に提供されるスライド・インターフェースを有することが可能である。そのような配置では、コンフォート・パッディング16のセクションは、
図6に示されている配置のライナー15のものと同様の機能を提供することが可能である。ライナーとヘルメットとの間にスライド・インターフェースを提供するための上記に議論されているオプションは、また、コンフォート・パッディングのセクションとヘルメットとの間のスライド・インターフェースに適用する。
【0094】
また、
図7の配置、すなわち、コンフォート・パッディング16のセクションとヘルメットの残りの部分との間のスライド・インターフェースを提供された、コンフォート・パッディング16の複数の独立して装着されたセクションを提供することは、任意の形態のヘルメット(ヘルメットの2つの他のパーツの間に提供されるスライド・インターフェースも有する、
図1から
図5に示されているようなものなどを含む)と組み合わせられ得るということが認識されるべきである。
【0095】
ここで、本発明によるコネクター20が説明されることとなる。便宜上、コネクター20は、
図6に示されているような、ライナー15をヘルメット1の残りの部分に接続するためのコネクターの文脈において説明されることとなる。しかし、本発明のコネクター20は、装置の任意の2つのパーツを一緒に接続するために使用され得るということが認識されるべきである。そのうえ、下記において、コネクター20が、装置の第1のパーツ(たとえば、ヘルメット・ライナー15など)に接続されている第1のコンポーネントと、装置の第2のパーツ(たとえば、ヘルメット1の残りの部分など)に接続されている第2のコンポーネントとを有するものとして説明されている場合には、適切な修正によって、これは、逆にされ得るということが認識されるべきである。
【0096】
図8および
図9は、内側シェル14がライナー15(
図8)またはコンフォート・パッディング16(
図9)に適用されているということを除いて、
図6および
図7のものと同等の実施形態を示している。
図9のケースにおいて、内側シェル14は、
図6から
図8の実質的に完全なシェル配置と比較して、単に、部分的なシェルまたは複数のセクションのシェルであることが可能である。実際に、
図8および
図9の両方において、内側シェル14は、また、ライナー15またはコンフォート・パッディング16の上の相対的に硬質のコーティングとして特徴付けられることも可能である。
図6および
図7に関して、内側シェル14は、相対的に硬質の材料、すなわち、エネルギー吸収層3よりも硬質の材料から形成されている。たとえば、材料は、ΡTFΕ、ABS、PVC、PC、ナイロン、PFA、EΕΡ、PE、およびUHMWPEであることが可能である。材料は、製造プロセスを簡単化するために、ライナー15またはコンフォート・パッディング16の外側に結合され得る。そのような結合は、たとえば、接着剤によって、または、高周波溶接によってなど、任意の手段を通して行われ得る。
【0097】
図8および
図9では、低摩擦インターフェースが、内側シェル14とエネルギー吸収層3との間に提供されている。これは、エネルギー吸収層3の外側表面を形成するために使用される材料、または、内側シェル14を形成するために使用される材料のうちの少なくとも1つの適当な選択によって実装され得る。代替的にまたは追加的に、低摩擦コーティングが、内側シェル14およびエネルギー吸収層3の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。代替的にまたは追加的に、潤滑剤が、内側シェル14およびエネルギー吸収層3の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。
【0098】
図8および
図9では、少なくとも1つのコネクター20は、内側シェル14に接続され得る。代替的にまたは追加的に、コネクター20のうちの1つまたは複数は、ライナー15またはコンフォート・パッディング16の残りの部分の別のパーツに接続され得る。
【0099】
図10、
図11、および12は、それぞれ、ヘルメットなどのような装置の第1および第2のパーツを接続するために使用され得る、本発明によるコネクター20の第1の実施形態の上面図、底面図、および側面図を(
図10の中の点線を通る)断面で示している。とりわけ、それは、ライナー15またはコンフォート・パッディング16をヘルメットの残りの部分に接続するように構成され得る。
【0100】
図10に示されている配置では、コネクター20は、内側領域21と2つのアーム22とを含み、2つのアーム22は、内側領域21の縁部から(たとえば、外向きに)延在している。
図10および
図11に示されている配置では、内側領域21は、上方から見たときに形状が実質的に円形になっている。しかし、内側領域21は、この形状に限定されない。たとえば、実質的に正方形または実質的に長方形(鋭い角部または丸みを帯びた角部を備える)、実質的に楕円形または実質的に長円形など、任意の形状が使用され得る。
【0101】
内側領域21は、その第1の側に、アンカー・ポイント23(「第1の」アンカー・ポイントと称される)を含み、アンカー・ポイント23は、コネクター20を装置の第1のパーツに接続するように構成されている。第1のアンカー・ポイント23は、
図10において、ポイントの形態で示されており、そのポイントにおいて、面ファスナー・コネクターの一方の側が取り付けられている(他方の側は、装置の第1のパーツ、たとえば、ヘルメットの上にある)。しかし、「取り外し可能な」取り付けの他の方法が使用され得り、それは、たとえば、スナップ・フィット接続または磁気的なコネクターなどである。また、取り外し可能な接続の他の形態も使用され得る。
【0102】
代替的に、第1のアンカー・ポイント23は、恒久的な取り付けのために使用され得る。たとえば、第1のアンカー・ポイント23は、ポイントの形態になっていることが可能であり、そのポイントにおいて、内側領域21が高周波溶接によって装置の第1のパーツに取り付けられている。しかし、「恒久的な」または解除不可能な取り付けの他の方法が使用され得り、それは、たとえば、接着剤または刺繍を使用することなどである。
【0103】
取り付けのいずれかのタイプ(取り外し可能な取り付けまたは恒久的な取り付け)は、接続されているパーツに対する第1のアンカー・ポイント23の並進移動をそれが防止するように構成され得る。しかし、それは、第1のアンカー・ポイント23、ひいては、内側領域21が、接続されているパーツに対して1つまたは複数の回転軸線の周りに回転することができるように構成され得る。代替的にまたは追加的に、第1のアンカー・ポイント23は、1つまたは複数の追加的なコンポーネントによって、接続されるべきパーツに接続され得る。
【0104】
平面図において見られるときに、第1のアンカー・ポイント23は、内側領域21の実質的に中心に配置され得る。しかし、本発明は、特定の構成に限定されない。
【0105】
内側領域21は、その第2の側に(第1の側の反対側に)スライド表面24aをさらに含み、スライド表面24aは、内側領域21と装置の第2のパーツの対向する表面との間に低摩擦インターフェースを提供するように構成されている。
【0106】
図13は、例を示しており、その例では、コンフォート・パッディング16の層が、
図10から
図12に示されている複数のコネクター20を含む。
図13に示されている配置において、コネクター20のスライド表面24aは、第2のパーツ(このケースでは、コンフォート・パッディング層16)の表面に隣接して提供されており、スライド表面24aがコンフォート・パッディング層16の表面の上をスライドすることができるようになっている(たとえば、内側領域21の中立の位置に対して並進方向におよび/または回転方向に)。
【0107】
スライド表面24aが装置の第2のパーツの表面に対してスライドすることができることを保証するために、低摩擦インターフェースが、スライド表面24aおよび装置の第2のパーツの対向する表面の間に提供され得る。
【0108】
この文脈において、低摩擦インターフェースは、使用時に予期され得るローディングの下であってもスライド接触が依然として可能であるように構成され得る。たとえば、ヘルメットの文脈において、ヘルメットの着用者に関して生存可能であることが予期される衝撃の場合に、スライドが維持されることが望ましい可能性がある。これは、たとえば、2つの表面の間のインターフェースの提供によって提供され得り、そこにおいて、摩擦係数は、0.001から0.3の間にあり、および/または、0.15を下回っている。
【0109】
本発明において、低摩擦インターフェースは、スライド表面および装置の第2のパーツの表面の対向する表面のうちの少なくとも1つを形成するエレメントの構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用すること、および、少なくとも1つの低摩擦表面を有する対向する表面の間に、固定されていない追加的な材料の層を提供することのうちの少なくとも1つによって実装され得る。
【0110】
図10から
図12に示されている配置において、内側領域21は、アーム22と一体的に形成された変形可能な材料の一部分と、変形可能な材料と比較して相対的に硬い材料のプレート24とを含む。プレート24は、十分に硬い材料から形成され得り、プレート24(ひいては、内側領域21の少なくとも一部)が装置の予期される使用の間にその形状を実質的に保つようになっている。ヘルメットの文脈において、これは、ヘルメットの通常の取り扱い、および、通常の条件の下でヘルメットを着用することを含むことが可能である。また、それは、ヘルメットの上の所定の衝撃を含む条件を含むことも可能であり、その所定の衝撃に関して、ヘルメットは、衝撃がヘルメットの着用者にとって生存可能なものになることとなるということを期待して設計されている。
【0111】
プレート24は、さまざまな異なる材料から作製され得る。例では、プレート24は、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、または別のプラスチックから作製され得る。プレートは、随意的に、おおよそ0.2mmからおおよそ1.5mmの範囲にある厚さ、たとえば、おおよそ0.7mm厚さを有することが可能である。
【0112】
プレート24は、平面図において見たときに、内側領域と実質的に同じ形状になっていることが可能である。内側領域21の変形可能な材料は、一方の側でプレート24を部分的にカバーすることが可能である。
図10から
図12に示されている配置において、内側領域21の変形可能な材料は、円形のプレート24の周辺部の一方の側面をカバーするためにリング形状(環状)になっている。リング形状は、変形可能な材料の中に円形の貫通孔を画定している。この貫通孔は、
図12に示されているように、アンカー・ポイント23がプレート24に直接的に接続されることを可能にする。
【0113】
しかし、他の配置も可能である可能性がある。たとえば、変形可能な材料は、プレート24の一方の側面を完全にカバーすることが可能であり(すなわち、貫通孔が設けられていない)、そのケースでは、アンカー・ポイント23は、変形可能な材料に接続され得る。さらに、内側領域21の変形可能な材料は、プレート24の2つの対向する側面を少なくとも部分的にカバーすることが可能である。
【0114】
プレート24は、たとえば、接着剤によって、変形可能な材料に固定され得る。代替的に、プレート24は、内側領域21が、変形可能な材料とともにコ-モールドされ得る。しかし、いくつかの配置では、プレート24は、変形可能な材料に固定されていなくてもよい。たとえば、
図12を参照すると、アンカー・ポイント23は、変形可能な材料の中の貫通孔よりも幅広くなっており(または、貫通孔よりも幅広い第2のプレートの上に提供されている)、プレート24に対して変形可能な材料の他方の側に位置付けされ得る。アンカー・ポイント23およびプレート24は、貫通孔を介して接続され得り、それらの間に変形可能な材料を挟むようになっている。
【0115】
コネクター20のアーム22は、変形可能な材料から形成されており、コネクター20を装置の第2のパーツに接続するように構成されている。
図10から
図12の配置において、アーム22は、内側領域21の相互に反対側から延在している。しかし、その代わりに、他の配置も可能である。さらに、コネクター20は、2つのアーム22を有することに限定されない。たとえば、3つ、4つ、またはそれ以上のアーム22が提供され得る。アームは、(たとえば、内側領域21の縁部の周りに規則的な間隔で、)たとえば対称的に配置され得る。
【0116】
図10から
図12に示されているように、それぞれのアーム22は、内側領域21のスライド表面24aに対して実質的に平行の方向に延在することが可能である。しかし、他の配置も可能である可能性がある。たとえば、アーム22は、内側領域21のスライド表面24aに対して所定の角度で延在することが可能である。そのケースでは、アーム22は、内側領域21から、アンカー・ポイント23が提供されているコネクター20の側面に向けて、または、スライド表面24aが提供されているコネクター20の側面に向けて延在することが可能である。
【0117】
図10から
図12に示されている配置において、それぞれのアーム22は、アーム22を装置の第2のパーツに接続するためのアンカー・ポイント25(内側領域21の第1のアンカー・ポイント23と区別するために、「第2の」アンカー・ポイントと称される)をさらに含むことが可能である。第2のアンカー・ポイント25は、
図11に示されているように、それぞれのアーム22の遠位端部に位置付けされ得る。
【0118】
第2のアンカー・ポイント25は、恒久的な取り付けのために使用され得る。たとえば、アンカー・ポイント25は、ポイントの形態になっていることが可能であり、そのポイントにおいて、アーム22が接着剤によって装置の第1のパーツに取り付けられている。アーム22は、溝部またはリッジ部を含むことが可能であり、溝部またはリッジ部は、アーム22の延在方向に対して実質的に垂直に走っており、接着剤がアーム22の遠位端部から内側領域に向けて広がることを防止するためにバリアを提供している。「恒久的な」取り付けまたは解除不可能な取り付けの他の方法が代替的に使用され得り、それは、たとえば、高周波溶接または刺繍を使用することなどである。
【0119】
代替的に、第2のアンカー・ポイント25は、取り外し可能なアンカー・ポイントの形態になっていることが可能であり、たとえば、面ファスナー・コネクターの一方の側面が取り付けられるポイントの形態になっていることが可能である(他方の側面は、装置の第2のパーツの上にある)。しかし、「取り外し可能な」取り付けの他の方法も使用され得り、それは、たとえば、スナップ・フィット接続または磁気的なコネクターなどである。
【0120】
図13は、
図10から
図12に示されている複数のコネクター20を含むコンフォート・パッディング層16を示している。コンフォート・パッディング層16は平坦になっている(すなわち、紙面の平面の中にある)ものとして示されているが、層16がヘルメットの残部の中に位置決めされているときには、コンフォート・パッディング層16は、ヘルメットの残部の内側表面の凹形形状に一致するように曲がっている。
【0121】
コネクター20のアーム22は、装置の第2のパーツの表面に接続されるように構成されており、内側領域21のスライド表面とスライド・インターフェースを形成しており、
図13に示されているように、装置の第2のパーツの前記表面に対して実質的に平行になるようになっている。しかし、他の配置も可能である。たとえば、アーム22は、装置の第2のパーツの一部分に巻き付くように配置され得り、スライド・インターフェースを形成する表面の反対側において、装置の第2のパーツの表面に取り付けられ得る。この配置は、
図17に関係して下記に説明されているものと同様である。
【0122】
装置の第2のパーツに取り付けられているときには、アーム22(変形可能な材料から形成されている)は、内側領域21を第1の位置に向けて付勢するように構成されており、(たとえば、低摩擦インターフェースに沿ってスライドすることによって)内側領域21が第1の位置から離れるように変位させられるときに、変形可能な材料のアーム22が内側領域21を第1の位置へ戻るように促すようになっている。
【0123】
コネクター20のスライド表面24aが、(たとえば、衝撃の間に)装置の第2のパーツの表面の上方をスライドするときに、内側領域21が、装置の第2のパーツの表面に対して移動し、アーム22を変形させる。そうであるので、アーム22は、周囲の装置の第1および第2のパーツ(アーム22は、アンカー・ポイント23、25を介してそれ接続している)に対して、内側領域21の(中立の)自然なレスト位置を画定している。しかし、内側領域21の変位の間の変形可能な材料の変形によって、たとえば、変形可能な材料の一方の側の引き伸ばしによって、内側領域21はスライドすることを許容される。そうする際に、装置の第1のパーツ(たとえば、ヘルメットの残りの部分など)(それは、第1のアンカー・ポイント23に接続され得る)は、第2のアンカー・ポイント25に接続されている装置の第1のパーツ(たとえば、ライナー15など)に対してスライドすることが可能である。
【0124】
本発明のコネクター20は、内側領域21の所望の相対的な範囲の移動を許容するように構成され得り、したがって、装置の第1のパーツと接続されている装置の第2のパーツとの間のその相対的な範囲の移動を許容するように構成され得る。そのような構成は、アーム22を形成する材料の選択、アーム22を形成する材料の厚さ、ならびに、アーム22の数および場所によって実現され得る。たとえば、ヘルメットの中での使用のためのコネクター20は、内側領域21のスライド表面に対して平行な平面の中の任意の方向への、おおよそ5mm以上の装置の第2のパーツの表面への内側領域21の相対的な移動を可能にするように構成され得る。
【0125】
アーム22は、装置の第2のパーツに対する内側領域21の必要とされる範囲の移動のために実質的に弾性的に変形する材料から形成され得る。たとえば、変形可能な材料は、伸縮性のあるファブリック、伸縮性のある布、伸縮性のあるテキスタイル、およびエラストマー材料、たとえば、エラストマー・ポリマー材料、たとえば、シリコーン/ポリシロキサンなどのうちの少なくとも1つから形成され得る。
【0126】
変形可能な材料は、たとえば、モールドすることによって、単一のピースとして形成され得り、または、複数のピース(たとえば、上側層および下側層)を一緒に接続することによって形成され得り、その後に、接合され得る。
【0127】
図14、
図15、および
図16は、それぞれ、ヘルメットなどのような装置の第1および第2のパーツを接続するために使用され得る、本発明によるコネクター20の第2の実施形態の上面図、底面図、および側面図を(
図14の中の点線を通る)断面で示している。とりわけ、それは、ライナー15またはコンフォート・パッディング16をヘルメットの残りの部分に接続するように構成され得る。
【0128】
図14に示されている配置では、コネクター20は、内側領域21と2つのアーム22とを含み、2つのアーム22は、内側領域21の縁部から外向きに延在している。第2の実施形態の内側領域21は、
図10から
図12に示されている第1の実施形態の内側領域21と同一である。しかし、アーム22は、第1の実施形態のアームとは異なっている。したがって、アーム22だけが詳細に下記に説明されることとなる。
【0129】
以前の実施形態と同様に、コネクター20のアーム22変形可能な材料から形成されており、コネクター20を装置の第2のパーツに接続するように構成されている。
図14から
図16の配置において、アーム22は、内側領域21の相互に反対側から延在している。しかし、その代わりに、他の配置も可能である。さらに、コネクター20は、2つのアーム22を有することに限定されない。たとえば、3つ、4つ、またはそれ以上のアーム22が提供され得る。アームは、たとえば、内側領域21の縁部の周りに規則的な間隔で、たとえば対称的に配置され得る。
【0130】
図14から
図16に示されているように、それぞれのアーム22は、第1のアンカー・ポイントから離れるように延在し、他方のアーム22と接合し、第1のアンカー・ポイント23に対して内側領域21の反対側に閉じたループを形成している。閉じたループは、装置の第2のパーツの一部分の周りにループするように構成されている。ループは、複数の実質的に真っ直ぐなセクションから形成され得り、それらのセクションは、(たとえば、
図16に示されているように)互いに対して角度を付けられており、および/または、ループは、1つまたは複数の湾曲したセクションから形成され得る。
【0131】
図14から
図16に示されている配置において、アーム22は、アーム22を装置の第2のパーツに接続するためのアンカー・ポイント25(内側領域の第1のアンカー・ポイント23と区別するために、「第2の」アンカー・ポイントと称される)をさらに含むことが可能である。コネクター20は、1つだけの第2のアンカー・ポイント25を有することが可能である。
【0132】
第2のアンカー・ポイント25は、内側領域21の反対側において内側領域21に面する場所においてアーム22によって形成されるループの上に配置され得り、また、スライド・インターフェースを形成する表面の反対側において、装置の第2のパーツの表面に接続するように構成され得る。換言すれば、コネクター20は、装置の第2のパーツの内側に取り付けられ得り、スライド・インターフェースは、装置の第2のパーツの外側に提供されている。
図15に示されているように、アーム22は、第2のアンカー・ポイントの場所において比較的に幅の広い部分を含むことが可能であり、より大きいアンカー・ポイント25を可能にする。この比較的に幅の広い部分は、たとえば、
図15に示されているように、形状が実質的に円形になっていることが可能である。
【0133】
第2のアンカー・ポイント25は、恒久的な取り付けのために使用され得る。たとえば、アンカー・ポイント25は、ポイントの形態になっていることが可能であり、そのポイントにおいて、アーム22が接着剤によって装置の第1のパーツに取り付けられている。アーム22は、溝部またはリッジ部を含むことが可能であり、溝部またはリッジ部は、アーム22の延在方向に対して実質的に垂直に走っており、接着剤が第2のアンカー・ポイント25から内側領域21に向けて広がることを防止するためにバリアを提供している。「恒久的な」取り付けまたは解除不可能な取り付けの他の方法が代替的に使用され得り、それは、たとえば、高周波溶接または刺繍を使用することなどである。
【0134】
代替的に、第2のアンカー・ポイント25は、取り外し可能なアンカー・ポイントの形態になっていることが可能であり、たとえば、面ファスナー・コネクターの一方の側面が取り付けられるポイントの形態になっていることが可能である(他方の側面は、装置の第2のパーツの上にある)。しかし、「取り外し可能な」取り付けの他の方法も使用され得り、それは、たとえば、スナップ・フィット接続または磁気的なコネクターなどである。
【0135】
3つ以上のアーム22を有する例では、アームのそれぞれは、同じポイント(すなわち、第2のアンカー・ポイント25)において一緒に接合することが可能である。
【0136】
図17は、
図14から
図16に示されている複数のコネクター20を含むコンフォート・パッディング層16を示している。コンフォート・パッディング層16は平坦になっている(すなわち、紙面の平面の中にある)ものとして示されているが、層16がヘルメットの残部の中に位置決めされているときには、コン層16は、ヘルメットの残部の内側表面の凹形形状に一致するように曲がっている。
【0137】
装置の第2のパーツに取り付けられているときには、アーム22(変形可能な材料から形成されている)は、内側領域21を第1の位置に向けて付勢するように構成されており、内側領域21が(たとえば、低摩擦インターフェースに沿ってスライドすることによって)第1の位置から離れるように変位させられるときに、変形可能な材料のアーム22が内側領域21を第1の位置へ戻るように促すようになっている。
【0138】
コネクター20のスライド表面24aが、(たとえば、衝撃の間に)装置の第2のパーツの表面の上方をスライドするときに、内側領域21が、装置の第2のパーツの表面に対して移動し、アーム22を変形させる。そうであるので、アーム22は、周囲の装置の第1および第2のパーツ(アーム22は、アンカー・ポイント23、25を介してそれ接続している)に対して、内側領域21の(中立の)自然なレスト位置を画定している。しかし、内側領域21の変位の間の変形可能な材料23の変形によって、たとえば、変形可能な材料の一方の側の引き伸ばしによって、内側領域21はスライドすることを許容される。そうする際に、装置の第1のパーツ(たとえば、ヘルメットの残りの部分など)(それは、第1のアンカー・ポイント23に接続され得る)は、第2のアンカー・ポイント25に接続されている装置の第1のパーツ(たとえば、ライナー15など)に対してスライドすることが可能である。
【0139】
本発明のコネクター20は、内側領域21の所望の相対的な範囲の移動を許容するように構成され得り、したがって、装置の第1のパーツと接続されている装置の第2のパーツとの間のその相対的な範囲の移動を許容するように構成され得る。そのような構成は、アーム22を形成する材料の選択、アーム22を形成する材料の厚さ、ならびに、アーム22の数および場所によって実現され得る。たとえば、ヘルメットの中での使用のためのコネクター20は、内側領域21のスライド表面に対して平行な平面の中の任意の方向への、おおよそ5mm以上の装置の第2のパーツの表面への内側領域21の相対的な移動を可能にするように構成され得る。
【0140】
アーム22は、装置の第2のパーツに対する内側領域21の必要とされる範囲の移動のために実質的に弾性的に変形する材料から形成され得る。たとえば、変形可能な材料は、伸縮性のあるファブリック、伸縮性のある布、伸縮性のあるテキスタイル、およびエラストマー材料、たとえば、エラストマー・ポリマー材料、たとえば、シリコーン/ポリシロキサンなどのうちの少なくとも1つから形成され得る。
【0141】
変形可能な材料は、たとえば、モールドすることによって、単一のピースとして形成され得り、または、複数のピース(たとえば、上側層および下側層)を一緒に接続することによって形成され得り、その後に、接合され得る。
【0142】
図18、
図19、および20は、それぞれ、ヘルメットなどのような装置の第1および第2のパーツを接続するために使用され得る、本発明によるコネクター20の第3の実施形態の上面図、底面図、および側面図を(
図18の中の点線を通る)断面で示している。とりわけ、それは、ライナー15またはコンフォート・パッディング16をヘルメットの残りの部分に接続するように構成され得る。
【0143】
図18に示されている配置では、コネクター20は、内側領域21と2つのアーム22とを含み、2つのアーム22は、内側領域21の縁部から外向きに延在している。第3の実施形態のアーム22は、
図14から
図16に示されている第2の実施形態のアーム22と実質的に同じである。第2の実施形態のアーム21と第3の実施形態のアーム21との間の僅かな相違が、下記に説明されることとなる。しかし、内側領域21は、第1および第2の実施形態の内側領域21とは異なっている。
【0144】
図18および
図19に示されている配置では、内側領域21は、上方から見たときに形状が実質的に円形になっている。しかし、内側領域21は、この形状に限定されない。たとえば、実質的に正方形または実質的に長方形(鋭い角部または丸みを帯びた角部を備える)、実質的に楕円形または実質的に長円形など、任意の形状が使用され得る。
【0145】
内側領域21は、その第1の側に第1のアンカー・ポイント23を含み、第1のアンカー・ポイント23は、コネクター20を装置の第1のパーツに接続するように構成されている。第1のアンカー・ポイント23は、第1および第2の実施形態ならびに
図10から
図12および
図14から
図16に関係して以前に説明されているものと同じである。
【0146】
内側領域21は、その第2の側に(第1の側の反対側に)スライド表面24aをさらに含み、スライド表面24aは、内側領域21と装置の第2のパーツの対向する表面との間に低摩擦インターフェースを提供するように構成されている。スライド表面24aは、第1および第2の実施形態ならびに
図10から
図12および
図14から
図16に関係して以前に説明されているものと同じである。
【0147】
図18から
図20に示されている配置の内側領域21は、アーム22と一体的に形成されている変形可能な材料の一部分を内側領域21が含まないという点において、
図10から
図12および
図14から
図16に示されている配置の内側領域21とは異なっている。その代わりに、この実施形態の内側領域21は、変形可能な材料と比較して相対的に硬い材料のプレート24を含み、それは、アーム22に接続されている。
【0148】
図18から
図20に示されている配置において、プレート24は、内側領域21の縁部から(プレート24に対して平行に)延在する突出部26を含み、プレート24は、突出部26を介してアーム22に接続されている。プレート24は、その他の点では、以前の実施形態ならびに
図10から
図12および
図14から
図16に関係して説明されているものと同じになっていることが可能である。
【0149】
アーム22の変形可能な材料は、突出部26の2つの対向する側面を少なくとも部分的にカバーすることが可能である。
図18から
図20に示されている配置において、アーム22の変形可能な材料は、スロット27を形成しており、スロット27は、すべての側面において変形可能な材料によって取り囲まれており、突出部26がスロット27の中へ挿入されている。しかし、他の配置も可能である可能性がある。たとえば、アーム22の変形可能な材料は、一方の側面のみにおいて、突出部26を少なくとも部分的にカバーすることが可能である。
【0150】
突出部26は、たとえば、
図12に示されているように、接着剤によって、アーム22の変形可能な材料に固定され得る。代替的に、突出部26は、アーム22の変形可能な材料とともにコ-モールドされ得る。図に示されていないさらなる実施形態において、第3の実施形態の内側領域21は、第1の実施形態のアーム22と組み合わせられ得り、すなわち、内側領域21から離れるように延在しているが、閉じたループを形成しないアームと組み合わせられ得る。
【0151】
上記に説明されている特定の実施形態のそれぞれにおいて、内側領域は、スライド表面24aを提供する比較的に硬いプレート24を含むが、代替的な配置も可能である。たとえば、スライド表面24aは、ファブリック(織布または不織布)の層などのような可撓性の材料によって提供され得る。可撓性の材料は、上記に説明されている実施形態のいずれかの中のプレート24と(同種交換により)交換され得る。そのような配置では、可撓性の材料は、アーム22の表面の上に提供されることとはならない。しかし、可撓性の材料は、たとえば、1つの連続的な層として、装置の第2のパーツに面するアーム22の表面の上に追加的に提供され得る。したがって、スライド・インターフェースは、内側領域21と装置の第2のパーツの表面との間に提供され得るだけでなく、アーム22の表面と装置の第2のパーツの表面との間にも提供され得る。
【0152】
アームという用語は、その通常の意味に、すなわち、たとえば、より大きい構造体(すなわち、内側領域21)から突き出るものの形態のアームに匹敵する構造体を意味しているということが理解されるべきである。具体的には、アーム22は、細長くなっていることが可能であり、すなわち、それらの長さと比較して、幅が相対的に狭くなっていることが可能である。アーム22の幅方向は、内側領域21からのアーム22の延在方向に対して垂直の方向であり、スライド表面24aに対して平行の、すなわち、
図10において垂直方向の方向である。
【0153】
上記の例のそれぞれにおいて、アーム22は、図に示されているように、内側領域21よりも幅が実質的に狭くなっている。したがって、アーム22は、それらの幅に起因して、内側領域21からはっきりと区別がつく。いくつかの例では、アーム22は、依然として内側領域21からはっきりと区別がつくままの状態で、より幅の広い内側領域21へと滑らかに移行することが可能であるということが理解されるべきである。
【0154】
いくつかの実施形態では、アーム22は、閉じたループを形成しており、また、2つのアーム22が依然として内側領域21から延在しているものとして認識可能であるにもかかわらず、単一のエレメントとしてみなされ得る。これは、変形可能な材料が2つの場所において内側領域21から突き出ているからである。
【0155】
本発明のコネクター20は、装置の第1および第2のパーツを接続するために、異なるタイプのコネクターと組み合わせて使用され得る。たとえば、コネクター20は、WO2017/157765またはGB1719559.5に説明されているコネクターと組み合わせて使用され得り、それらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。