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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137248
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20220913BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20220913BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R12/71
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113952
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2018244661の分割
【原出願日】2018-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】照木 悟
(72)【発明者】
【氏名】北沢 翔
(72)【発明者】
【氏名】岡島 陽日児
(72)【発明者】
【氏名】楠原 敏孝
(57)【要約】
【課題】端子の列同士の間に配設されたシールド板から基準電位トレースまでの導電経路の長さを短くして、シールド効果を高くし、信頼性が高くなるようにする。
【解決手段】第2補強金具は一対の第2本体部を含み、各第2本体部は、第2コネクタ本体の第2端壁部の上面の過半を覆う第2本体上面部と、第2本体上面部の両端から下方に延在する湾曲接続部とを含み、第1補強金具は、一対の第1本体部と、一対の第1本体部を連結する一対の第1側板部とを含み、各第1本体部は、第1コネクタ本体の第1端壁部の上面の過半を覆う第1本体上面部を含み、第1側板部は両端側接触部を含み、第1コネクタの凸部が第2コネクタの凹溝部と嵌合し、第1補強金具の両端側接触部が第2補強金具の湾曲接続部と接触する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に取付けられる第1端子と、前記第1コネクタ本体に取付けられる第1補強金具と、凸部とを含む第1コネクタと、
第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に取付けられる第2端子と、前記第2コネクタ本体に取付けられる第2補強金具と、凹溝部とを含む第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第2補強金具は一対の第2本体部を含み、各第2本体部は、前記第2コネクタ本体の第2端壁部の上面の過半を覆う第2本体上面部と、該第2本体上面部の両端から下方に延在する湾曲接続部とを含み、
前記第1補強金具は、一対の第1本体部と、該一対の第1本体部を連結する一対の第1側板部とを含み、
各第1本体部は、前記第1コネクタ本体の第1端壁部の上面の過半を覆う第1本体上面部を含み、
前記第1側板部は両端側接触部を含み、該両端側接触部の一端は第1側板部の長手方向両端において第1側板部の上端に接続され、前記両端側接触部の他端は自由端であって下方に延在し、
前記第2コネクタは第1コネクタと嵌合し、嵌合すると、該第1コネクタの凸部が第2コネクタの凹溝部と嵌合し、前記第1補強金具の両端側接触部が第2補強金具の湾曲接続部と接触するコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第1補強金具は、下方に向けて延在し、前記第1本体上面部の内側端縁から第1コネクタ本体の長手方向中央に向いて膨出する端壁内カバー部を含み、
前記第2本体部は、前記第2本体上面部の外側端縁から延在する第2端壁外カバー部を含み、
前記第1補強金具の端壁内カバー部が第2補強金具の第2端壁外カバー部と接触する請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記第1補強金具の端壁内カバー部は係合膨出部を含み、
該係合膨出部が第2補強金具の第2端壁外カバー部と接触する請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記第2端壁外カバー部は、該第2端壁外カバー部の下端から延在する第2中央接続足部を含む請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第2端子は、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2コネクタ本体と一体化され、第2接続部及び第2テール部を含み、前記第2接続部は第2接触部を含み、該第2接触部の一面は前記凹溝部と対向し、
前記第2接続部は、第2コネクタ本体の長手方向に観てU字状に形成されている請求項1又は2に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記第1補強金具の各両端側接触部は、第1コネクタ本体の長手方向に観てU字状に形成されている請求項1又は2に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に取付けられる第2端子と、前記第2コネクタ本体に取付けられる第2補強金具と、凹溝部とを備える第2コネクタであって、
前記第2補強金具は一対の第2本体部を含み、各第2本体部は、前記第2コネクタ本体の第2端壁部の上面の過半を覆う第2本体上面部と、該第2本体上面部の両端から下方に延在する湾曲接続部とを含み、
前記第2端子は、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2コネクタ本体と一体化され、第2接続部及び第2テール部を含み、前記第2接続部は第2接触部を含み、該第2接触部の一面は前記凹溝部と対向する第2コネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載の第2コネクタを含むコネクタ組立体であって、
第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に取付けられる第1端子と、前記第1コネクタ本体に取付けられる第1補強金具と、凸部とを含む第1コネクタを備え、
前記第1補強金具は、一対の第1本体部と、該一対の第1本体部を連結する一対の第1側板部とを含み、
各第1本体部は、前記第1コネクタ本体の第1端壁部の上面の過半を覆う第1本体上面部を含み、
前記第1側板部は両端側接触部を含み、該両端側接触部の一端は第1側板部の長手方向両端において第1側板部の上端に接続され、前記両端側接触部の他端は自由端であって下方に延在し、
前記第2コネクタは第1コネクタと嵌合し、嵌合すると、該第1コネクタの凸部が第2コネクタの凹溝部と嵌合し、前記第1補強金具の両端側接触部が第2補強金具の湾曲接続部と接触するコネクタ組立体。
【請求項9】
第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に取付けられる第1端子と、前記第1コネクタ本体に取付けられる第1補強金具とを有する第1コネクタと、
第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に取付けられる第2端子と、前記第2コネクタ本体に取付けられる第2補強金具とを有し、前記第1コネクタと嵌合するように構成された第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第1補強金具は、第1本体部と第1側板部とを有し、前記第1本体部は、第1本体上面部と、該第1本体上面部の内側端縁から延在する第1端壁内カバー部と、前記第1本体上面部の外側端縁から延在する第1端壁外カバー部とを有し、前記第1側板部は第1本体上面部の一端から延在し、前記第1側板部は第1本体部の近傍における第1側板部から延在する第1接触部を有し、
前記第1補強金具は、第1端壁外カバー部及び第1側板部の少なくとも1つにおける端から延在する第1接続足部を備え、
前記第2補強金具は第2本体部及び第2側板部を有し、前記第2本体部は、第2本体上面部と、該第2本体上面部の内側端縁から延在する第2端壁内カバー部と、前記第2本体上面部の外側端縁から延在する第2端壁外カバー部とを有し、前記第2側板部は第2本体上面部の一端から延在し、
前記第2補強金具は、第2端壁外カバー部及び第2側板部の少なくとも1つにおける端から延在する第2接続足部を備え、
前記第1端壁内カバー部は第2端壁外カバー部と接触するように構成され、
前記第1接続足部及び第1接触部の少なくとも1つは第2側板部と接触するように構成されているコネクタ組立体。
【請求項10】
前記第1接続足部は第1端壁外カバー部及び第1側壁部の各々における一端から延在し、前記第2接続足部は第2端壁外カバー部及び第2側板部の各々における一端から延在する請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記第1コネクタ本体は凹部と、該凹部の両側を画定するように長手方向に延在する第1側壁部と、前記凹部の長手方向に延在する凸部とを有し、前記第1側壁部は第1本体部から離間している請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記第1側壁部と第1側板部との間に間隙が画定され、前記第2側板部は当該間隙内に位置付けられるように構成されている請求項11に記載のコネクタ組立体。
【請求項13】
前記第2コネクタ本体は長手方向に延在する第2側壁部を有し、該第2側壁部と第2側板部との間に間隙が画定され、前記第1側壁部は当該間隙内に位置付けられるように構成されている請求項11に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の平行な回路基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタ等のコネクタが使用されている。このようなコネクタは、一対の回路基板における相互に対向する面の各々に取付けられ、互いに嵌合して導通するようになっている。また、信号端子同士間でのクロストークを防止するために、信号端子同士の間にシールド部材を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図12は従来の端子とシールド部材とを示す斜視図である。
【0004】
図において、851は、図示されない回路基板に実装されるコネクタのハウジングの長手方向両端に取付けられる補強金具であり、ハウジングの側壁部に取付けられる側壁覆部852に接続されており、該側壁覆部852は回路基板の接地トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されている。また、ハウジングの左右両側の側壁部の各々には、複数の信号端子861が並んで取付けられ、各信号端子861は回路基板の信号トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されている。
【0005】
そして、左右両側に並んだ信号端子861の列の間には、ハウジングの長手方向に延在するシールド板856が配設されている。各シールド板856は、前記補強金具851の側壁覆部852に対向する位置においてハウジングの側壁部に取付けられる側壁覆部857に接続されており、該側壁覆部857は回路基板の接地トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されている。これにより、互いに向い合う両側の信号端子861同士の間がシールド板856によってシールドされるので、高周波信号の伝送が行われた場合でも、信号端子861同士間でのクロストークを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-110087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、ハウジングの長手方向に延在する各シールド板856の長手方向の一端のみが側壁覆部857を介して回路基板の接地トレースに接続されているので、各シールド板856の長手方向の他端近傍では、接地トレースまでの導電経路の長さが長くなり、前記シールド板856によるシールド効果が低下してしまう。
【0008】
ここでは、前記従来のコネクタの問題点を解決して、端子の列同士の間に配設されたシールド板から基準電位トレースまでの導電経路の長さを短くして、シールド効果を高くし、信頼性の高いコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、コネクタ組立体においては、第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に取付けられる第1端子と、前記第1コネクタ本体に取付けられる第1補強金具と、凸部とを含む第1コネクタと、第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に取付けられる第2端子と、前記第2コネクタ本体に取付けられる第2補強金具と、凹溝部とを含む第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、前記第2補強金具は一対の第2本体部を含み、各第2本体部は、前記第2コネクタ本体の第2端壁部の上面の過半を覆う第2本体上面部と、該第2本体上面部の両端から下方に延在する湾曲接続部とを含み、前記第1補強金具は、一対の第1本体部と、該一対の第1本体部を連結する一対の第1側板部とを含み、各第1本体部は、前記第1コネクタ本体の第1端壁部の上面の過半を覆う第1本体上面部を含み、前記第1側板部は両端側接触部を含み、該両端側接触部の一端は第1側板部の長手方向両端において第1側板部の上端に接続され、前記両端側接触部の他端は自由端であって下方に延在し、前記第2コネクタは第1コネクタと嵌合し、嵌合すると、該第1コネクタの凸部が第2コネクタの凹溝部と嵌合し、前記第1補強金具の両端側接触部が第2補強金具の湾曲接続部と接触する。
【0010】
他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第1補強金具は、下方に向けて延在し、前記第1本体上面部の内側端縁から第1コネクタ本体の長手方向中央に向いて膨出する端壁内カバー部を含み、前記第2本体部は、前記第2本体上面部の外側端縁から延在する第2端壁外カバー部を含み、前記第1補強金具の端壁内カバー部が第2補強金具の第2端壁外カバー部と接触する。
【0011】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第1補強金具の端壁内カバー部は係合膨出部を含み、該係合膨出部が第2補強金具の第2端壁外カバー部と接触する。
【0012】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第2端壁外カバー部は、該第2端壁外カバー部の下端から延在する第2中央接続足部を更に含む。
【0013】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第2端子は、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2コネクタ本体と一体化され、第2接続部及び第2テール部を含み、前記第2接続部は第2接触部を含み、該第2接触部の一面は前記凹溝部と対向し、前記第2接続部は、第2コネクタ本体の長手方向に観てU字状に形成されている。
【0014】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第1補強金具の各両端側接触部は、第1コネクタ本体の長手方向に観てU字状に形成されている。
【0015】
第2コネクタにおいては、第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に取付けられる第2端子と、前記第2コネクタ本体に取付けられる第2補強金具と、凹溝部とを備える第2コネクタであって、前記第2補強金具は一対の第2本体部を含み、各第2本体部は、前記第2コネクタ本体の第2端壁部の上面の過半を覆う第2本体上面部と、該第2本体上面部の両端から下方に延在する湾曲接続部とを含み、前記第2端子は、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2コネクタ本体と一体化され、第2接続部及び第2テール部を含み、前記第2接続部は第2接触部を含み、該第2接触部の一面は前記凹溝部と対向する。
【0016】
更に他のコネクタ組立体においては、本開示の第2コネクタを含むコネクタ組立体であって、第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に取付けられる第1端子と、前記第1コネクタ本体に取付けられる第1補強金具と、凸部とを含む第1コネクタを備え、前記第1補強金具は、一対の第1本体部と、該一対の第1本体部を連結する一対の第1側板部とを含み、各第1本体部は、前記第1コネクタ本体の第1端壁部の上面の過半を覆う第1本体上面部を含み、前記第1側板部は両端側接触部を含み、該両端側接触部の一端は第1側板部の長手方向両端において第1側板部の上端に接続され、前記両端側接触部の他端は自由端であって下方に延在し、前記第2コネクタは第1コネクタと嵌合し、嵌合すると、該第1コネクタの凸部が第2コネクタの凹溝部と嵌合し、前記第1補強金具の両端側接触部が第2補強金具の湾曲接続部と接触する。
【0017】
更に他のコネクタ組立体においては、第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に取付けられる第1端子と、前記第1コネクタ本体に取付けられる第1補強金具とを有する第1コネクタと、第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に取付けられる第2端子と、前記第2コネクタ本体に取付けられる第2補強金具とを有し、前記第1コネクタと嵌合するように構成された第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、前記第1補強金具は、第1本体部と第1側板部とを有し、前記第1本体部は、第1本体上面部と、該第1本体上面部の内側端縁から延在する第1端壁内カバー部と、前記第1本体上面部の外側端縁から延在する第1端壁外カバー部とを有し、前記第1側板部は第1本体上面部の一端から延在し、前記第1側板部は第1本体部の近傍における第1側板部から延在する第1接触部を有し、前記第1補強金具は、第1端壁外カバー部及び第1側板部の少なくとも1つにおける端から延在する第1接続足部を備え、前記第2補強金具は第2本体部及び第2側板部を有し、前記第2本体部は、第2本体上面部と、該第2本体上面部の内側端縁から延在する第2端壁内カバー部と、前記第2本体上面部の外側端縁から延在する第2端壁外カバー部とを有し、前記第2側板部は第2本体上面部の一端から延在し、前記第2補強金具は、第2端壁外カバー部及び第2側板部の少なくとも1つにおける端から延在する第2接続足部を備え、前記第1端壁内カバー部は第2端壁外カバー部と接触するように構成され、前記第1接続足部及び第1接触部の少なくとも1つは第2側板部と接触するように構成されている。
【0018】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第1接続足部は第1端壁外カバー部及び第1側壁部の各々における一端から延在し、前記第2接続足部は第2端壁外カバー部及び第2側板部の各々における一端から延在する。
【0019】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第1コネクタ本体は凹部と、該凹部の両側を画定するように長手方向に延在する第1側壁部と、前記凹部の長手方向に延在する凸部とを有し、前記第1側壁部は第1本体部から離間している。
【0020】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第1側壁部と第1側板部との間に間隙が画定され、前記第2側板部は当該間隙内に位置付けられるように構成されている。
【0021】
更に他のコネクタ組立体においては、さらに、前記第2コネクタ本体は長手方向に延在する第2側壁部を有し、該第2側壁部と第2側板部との間に間隙が画定され、前記第1側壁部は当該間隙内に位置付けられるように構成されている。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、コネクタ組立体は、端子の列同士の間に配設されたシールド板から基準電位トレースまでの導電経路の長さを短くすることができるので、高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図である。
図2】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタの嵌合前の斜視図である。
図3】第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図である。
図4】第1の実施の形態における第1コネクタの分解図である。
図5】第1の実施の形態における第2コネクタの斜視図である。
図6】第1の実施の形態における第2コネクタの分解図である。
図7】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の四面図であって、(a)は第1コネクタの上方から観た平面図、(b)は(a)におけるC-C矢視断面図、(c)は(a)におけるA-A矢視断面図、(d)は(a)におけるB-B矢視断面図である。
図8】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図である。
図9】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタの嵌合前の斜視図である。
図10】第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図である。
図11】第2の実施の形態における第2コネクタの斜視図である。
図12】従来の端子とシールド部材とを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図、図2は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタの嵌合前の斜視図、図3は第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図4は第1の実施の形態における第1コネクタの分解図、図5は第1の実施の形態における第2コネクタの斜視図、図6は第1の実施の形態における第2コネクタの分解図、図7は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の四面図である。なお、図7において、(a)は第1コネクタの上方から観た平面図、(b)は(a)におけるC-C矢視断面図、(c)は(a)におけるA-A矢視断面図、(d)は(a)におけるB-B矢視断面図である。
【0026】
図において、1は本実施の形態におけるコネクタであって、コネクタ組立体(コネクタアセンブリ)である一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタである。該第1コネクタ1は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタであって、相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタの他方であり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。
【0027】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブル回路基板(FPC)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0028】
また、本実施の形態において、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0029】
そして、前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された第1コネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。該第1ハウジング11は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、第2コネクタ101が嵌入される側、すなわち、嵌合面11a側(Z軸正方向側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部であって、第2コネクタ101の第2コネクタ本体としての第2ハウジング111と嵌合する第1凹部12が形成されている。そして、該第1凹部12内には第2コネクタ101の凹溝部113と嵌合する中島としての第1凸部13が第1ハウジング11と一体的に形成されている。
【0030】
なお、本実施の形態において、前記第1凸部13は、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)の中央において、第1ハウジング11の幅方向(Y軸方向)に延在するように形成された溝状の分断溝部17によって、長手方向に二分されている。また、前記第1凸部13の両側(Y軸正方向側及び負方向側)には該第1凸部13と平行に延在し、前記第1凹部12の両側を画定する第1側壁部14が第1ハウジング11と一体的に形成されている。
【0031】
そして、前記第1凸部13及び第1側壁部14は、第1凹部12の底面を画定する底板18から上方(Z軸正方向)に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向に延在する。これにより、前記第1凸部13の両側には、第1凹部12の一部として、第1ハウジング11の長手方向に延在する細長い凹部である凹溝部12aが形成される。
【0032】
ここで、前記第1凸部13の両側の側面から凹溝部12aの底面にかけては、第1端子収容キャビティ15が形成されている。図に示される例において、第1端子収容キャビティ15は、前記底板18を板厚方向(Z軸方向)に貫通するように形成される。なお、前記第1端子収容キャビティ15のうちで、第1凸部13の両側の側面に形成された凹溝状の部分を第1端子収容内側キャビティ15aと称する。
【0033】
本実施の形態において、第1端子収容キャビティ15は、第1ハウジング11の長手方向に並んで2本の列を形成するように、各第1凸部13の両側に、所定のピッチで複数個(例えば、3個)ずつ形成されている。なお、前記第1端子収容キャビティ15のピッチ及び数は適宜変更することができる。そして、第1端子収容キャビティ15の各々に収容されて第1ハウジング11に装填される端子としての第1端子61も、各第1凸部13の両側に、同様のピッチで複数個ずつ配設されている。
【0034】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1ハウジング11によって保持される被保持部である第1被保持部63と、該第1被保持部63の一端に接続されたテール部である第1テール部62と、前記第1被保持部63の他端に接続された第1接続部64と、該第1接続部64の先端に接続された第1接触腕部65と、該第1接触腕部65の先端、すなわち、自由端に形成された接触部である第1接触部65aとを備える。
【0035】
そして、前記第1端子61はオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される。すなわち、第1ハウジング11は、第1端子61をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第1端子61は、少なくとも第1被保持部63が第1ハウジング11内に埋没するようにして、第1ハウジング11に一体的に取付けられる。なお、第1端子61は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化するのではなく、圧入等によって第1ハウジング11に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されたものである場合について、説明する。
【0036】
前記第1被保持部63は、全体的には左右方向(Y軸方向)、すなわち、第1ハウジング11の幅方向に延在する部材であるが、上方向(Z軸正方向)に膨出するように湾曲し、これにより、第1側壁部14内に埋没して保持される。また、前記第1テール部62は、第1被保持部63の一端から、左右方向、より具体的には、第1ハウジング11の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。さらに、前記第1接続部64は、第1被保持部63の一端から、左右方向、より具体的には、第1ハウジング11の幅方向の内方を向いて延出する。さらに、前記第1接触腕部65は、第1接続部64の先端から上方に向って延出し、その上端近傍は、U字を形成するように約180度湾曲し、第1ハウジング11の幅方向の外方を向いて膨出する第1接触部65aが形成されている。
【0037】
前記第1端子61は、少なくとも第1被保持部63の大部分が第1側壁部14内に埋没し、少なくとも第1接続部64及び第1接触腕部65の大部分が第1端子収容キャビティ15に収容された状態で、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1端子61が第1ハウジング11に装填された状態において、前記第1接触部65aは、第1ハウジング11の幅方向の外方を向き、第1凸部13において第1側壁部14と対向する側面に露出する。具体的には、前記第1接触部65aは、少なくともその一部が、第1端子収容内側キャビティ15aから、凹溝部12a内に突出している。
【0038】
なお、第1端子61は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、第1接続部64、第1接触腕部65及び第1接触部65aは、弾性的に変形可能である。したがって、凹溝部12a内に第2端子161が取付けられた第2コネクタ101の第2側壁部112が挿入されると、前記第2端子161と接触する第1接触部65aは、第1ハウジング11の幅方向の内方に向けて弾性的に変位する。
【0039】
また、前記第1凸部13の幅方向(Y軸方向)中央には、長手方向(X軸方向)及び上下方向(Z軸方向)に延在するスリット状の凹溝であるシールド板収容スリット13aが形成されている。該シールド板収容スリット13aは、底板18の下面に開口するとともに、各第1凸部13の上面及び長手方向の端面に開口する。なお、各シールド板収容スリット13aは、スリット分割部13bによって長手方向に二分され、主部13a1と該主部13a1よりも短い副部13a2とから成る。該副部13a2は、主部13a1よりも第1ハウジング11の長手方向両端側に位置する部分である。
【0040】
そして、前記シールド板収容スリット13aには、導電性の金属板に打抜き等の加工を施すことによって形成された第1ハウジング11の厚さ方向(Z軸方向)及び長手方向に延在する細長い帯状の板材であるシールド板56が収容されて保持される。該シールド板56の長手方向両端近傍には、上端から下方(Z軸負方向)に向けて凹入する嵌合凹部56aが形成され、該嵌合凹部56aの内面には係合突起56cが形成されている。そして、底板18の下面側からシールド板56がシールド板収容スリット13a内に挿入乃至圧入されると、スリット分割部13bが相対的に嵌合凹部56a内に進入し、前記係合突起56cがスリット分割部13bの側面に食込んで係合される。これにより、シールド板56は、シールド板収容スリット13aに収容されて保持される。したがって、左右の凹溝部12aに沿って配列された第1端子61の2本の列の間にシールド板56が位置するので、2本の列の第1端子61同士間のクロストークが効果的に防止される。
【0041】
シールド板56がシールド板収容スリット13aに収容された状態においては、シールド板56の長手方向両端の端縁56bが副部13a2から外方に露出した状態となる。また、シールド板56の長手方向中央部分は、分断溝部17内に露出する。なお、シールド板56は、必ずしも挿入乃至圧入によって第1ハウジング11に取付けられる必要はなく、第1端子61と同様に、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されたものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、挿入乃至圧入によってシールド板収容スリット13a内に収容されて第1ハウジング11に取付けられたものである場合について、説明する。
【0042】
また、前記第1ハウジング11の長手方向両端には嵌合ガイド部としての第1突出端部21が各々配設されている。各第1突出端部21には、前記第1凹部12の一部として嵌合凹部22が形成されている。該嵌合凹部22は、略長方形の凹部であり、各凹溝部12aの長手方向両端に接続されている。そして、前記嵌合凹部22内には、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、該第2コネクタ101が備える第2突出端部122が挿入される。
【0043】
さらに、前記第1突出端部21は、第1側壁部14の長手方向両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する嵌合ガイド側壁部としての第1側壁延長部21cと、第1ハウジング11の幅方向に延在し、両端が第1側壁延長部21cに接続された第1端壁部21bとを備える。各第1突出端部21において、第1端壁部21bとその両端に接続された第1側壁延長部21cとは、連続した略コ字状の側壁を形成し、略長方形の嵌合凹部22の三方を画定する。そして、前記第1端壁部21bにおいて、外側面には凹入する第1中央脚部収容部としての外端凹部23aが形成され、内側面には凹入する内端凹部23bが形成されている。また、前記第1側壁延長部21cにおいて、内側面には凹入する内板収容部としての内側凹部23dが形成されている。
【0044】
そして、前記第1ハウジング11には、そこに装填される補強金具としての第1補強金具51が取付けられる。本実施の形態において、第1補強金具51は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)両端に位置し、第1突出端部21の第1端壁部21bの外側を覆う一対の本体部である第1本体部52と、第1ハウジング11の長手方向に延在し、第1本体部52同士を連結する一対の連結部である第1連結部としての第1側板部54とを備える。
【0045】
前記第1本体部52は、第1ハウジング11の幅方向に延在して第1端壁部21bの上面21aの過半を覆う第1本体上面部52aと、該第1本体上面部52aにおける第1端壁部21bの内側端縁から下方に向けて延出する舌部としての端壁内カバー部52bと、第1ハウジング11の長手方向中央に向いて膨出するように前記端壁内カバー部52bに形成された係合膨出部52b1と、前記第1本体上面部52aにおける第1端壁部21bの外側端縁から下方に向けて延出する第1中央脚部としての端壁外カバー部52cと、該端壁外カバー部52cの下端から下方に延出する第1中央接続足部52dと、前記端壁外カバー部52cの側端に形成された係合突起52eとを含んでいる。
【0046】
そして、第1補強金具51が第1ハウジング11に取付けられた状態において、第1本体上面部52aは第1端壁部21bの上面21aの過半を覆い、端壁内カバー部52bは、少なくともその一部が内端凹部23b内に収容され、前記係合膨出部52b1が第1端壁部21bの内側端縁から第1ハウジング11の長手方向中央に向いて突出し、端壁外カバー部52cは、その大部分が外端凹部23a内に収容され、係合突起52eが外端凹部23aの側壁と係合することによって、外端凹部23a内に固定される。なお、第1中央接続足部52dは、基準電位接続部として機能し、その下端が下方に突出して、第1基板の電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、第1補強金具51が変形しにくくなり、第1コネクタ1が効果的に補強される。
【0047】
前記第1側板部54は、第1ハウジング11の厚さ方向(Z軸方向)及び長手方向に延在する細長い平坦な帯状の板であり、その長手方向両端が湾曲接続部52fを介して第1本体上面部52aの両端に接続されている。そして、各第1側板部54の長手方向両端近傍には、一対の両端側接触部54aがそれぞれ接続され、長手方向両端中央寄りの部分には、一対の中央側接触部54bがそれぞれ接続されている。各両端側接触部54aは、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)に観て、概略U字状となるように湾曲された部材であり、一端が第1側板部54の上端に接続され、湾曲部分が上方を向いて膨出し、自由端である他端が下方(Z軸負方向)に向けて延出する。また、各中央側接触部54bは、第1ハウジング11の長手方向に観て、概略C字状となるように湾曲された部材であり、一端が第1側板部54の上端に接続され、第1の湾曲部分が上方を向いて膨出し、第2の湾曲部分が第1ハウジング11の幅方向(Y軸方向)中央を向いて膨出する係合膨出部54cであり、自由端である他端が斜め下方に向けて延出する。また、各第1側板部54の下端における両端側接触部54aに対応する位置からは、両端側接続足部54dが下方に延出し、中央側接触部54bに対応する位置からは、中央側接続足部54eが下方に延出する。
【0048】
そして、第1補強金具51が第1ハウジング11に取付けられた状態において、両端側接触部54aは第1側壁延長部21cの内側凹部23d内に収容される。また、第1側板部54は、第1突出端部21及び第1側壁部14における第1ハウジング11の幅方向外側を覆っている。しかし、第1側壁部14における第1ハウジング11の幅方向外側には内側に凹入する側壁凹部14cが形成されているので、前記第1側壁部14は、全体として第1側壁延長部21cよりも第1ハウジング11の幅方向内側に位置し、前記第1側壁部14の外側面14dは、第1側壁延長部21cの外側面23eよりも、第1ハウジング11の幅方向内側に位置する。そのため、第1側壁延長部21cの外側面23eを覆う第1側板部54は、第1側壁部14の外側面14dから離間し、前記第1側板部54と第1側壁部14の外側面14dとの間に第1側方間隙58が形成される。そして、中央側接触部54bの係合膨出部54cは、第1側方間隙58において、第1側壁部14の外側面14dに向いて突出する。また、第1端子61の第1テール部62は、第1ハウジング11の幅方向に関して、第1側壁部14の外側面14dから外方に突出してはいるが、前記第1側方間隙58内であって、第1側板部54の内側に位置する。したがって、第1端子61は、その全体が、第1ハウジング11の幅方向に関して、第1側板部54の内側に位置し、外部から隔離された状態となるので、第1コネクタ1のシールド性が向上する。
【0049】
さらに、両端側接続足部54d及び中央側接続足部54eは、基準電位接続部として機能し、その下端が下方に突出して、第1基板の電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、第1補強金具51が変形しにくくなり、第1コネクタ1が効果的に補強されるとともに、シールド性が向上する。
【0050】
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
【0051】
本実施の形態における相手方コネクタとしての第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された相手方コネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備える。そして、第2ハウジング111の第1コネクタ1に嵌入される側、すなわち、嵌合面111a側(Z軸負方向側)には、第2ハウジング111の長手方向(X軸方向)に延在する細長い凹溝部113と、該凹溝部113の外側を画定するとともに、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凸部である第2側壁部112とが一体的に形成されている。該第2側壁部112は、凹溝部113の両側に沿って、かつ、第2ハウジング111の両側に沿って形成されている。また、各第2側壁部112には、相手方端子としての第2端子161が配設されている。該第2端子161は、第1端子61に対応するピッチで、かつ、対応する数だけ配設されている。前記凹溝部113は、第2基板に実装される側、すなわち、実装面側(Z軸正方向側)が底板118によって閉止されている。
【0052】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2接続部165と、該第2接続部165に接続された第2テール部162とを備える。そして、前記第2端子161はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第2端子161は、少なくとも一部が第2ハウジング111内に埋没するようにして、第2ハウジング111に一体的に取付けられる。なお、第2端子161は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0053】
前記第2接続部165は、側面視における形状が概略コ字状の部材であり、上下方向(Z軸方向)に延在する部分の上下両端に左右方向(Y軸方向)に延在する部分が接続され、少なくとも上下方向に延在する部分における第2ハウジング111の幅方向の内方を向いた表面の一部が第2側壁部112の内側面112bに露出し、相手方接触部としての第2接触部165aとして機能する。該第2接触部165aは、第2側壁部112の内側面112bと概略面一となる。また、前記第2テール部162は、第2接続部165における下側の左右方向に延在する部分の先端から、左右方向、より具体的には、第2ハウジング111の幅方向の外方を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。
【0054】
さらに、各第2側壁部112には、基準電位用端子としての接地端子171が配設されている。該接地端子171は、第1コネクタ1のシールド板56と接触する端子であり、前記シールド板56の長手方向中央部分が露出する分断溝部17に対応する位置に配設されている。なお、第2ハウジング111の底板118における接地端子171に対応する位置には、必要に応じて開口部113aが形成されていてもよい。
【0055】
前記接地端子171は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2ハウジング111によって保持される被保持部である接地被保持部173と、該接地被保持部173の下端(Z軸正方向端)に接続されたテール部である接地テール部172と、前記接地被保持部173の上端(Z軸負方向端)に接続された接続部としての接地接続部174と、該接地接続部174の先端に接続された接地接触腕部175とを備える。そして、前記接地端子171は、第2端子161と同様に、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。これにより、接地端子171は、少なくとも一部が第2ハウジング111内に埋没するようにして、第2ハウジング111に一体的に取付けられる。なお、接地端子171は、第2端子161と同様に、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0056】
また、本実施の形態では、接地端子171の幅は第2端子161の幅の約2倍程度に設定されているが、同一程度から3倍程度の幅であってもよい。
【0057】
前記接地被保持部173は、左右方向(Y軸方向)に傾斜して上下方向に延在する部材であり、第2側壁部112内に埋没して保持される。また、前記接地テール部172は、接地被保持部173の下端から、左右方向、より具体的には、第2ハウジング111の幅方向の外方を向いて延出し、第2基板の電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。さらに、前記接地接続部174は、接地被保持部173の上端から、左右方向、より具体的には、第2ハウジング111の幅方向の内方を向いて延出する。さらに、前記接地接触腕部175、接地接続部174の自由端である先端から第2ハウジング111の幅方向の内方に向けて膨出するように形成され、その膨出端がシールド板56との接触部である接地接触部175aとして機能する。
【0058】
前記接地端子171は、少なくとも接地被保持部173の大部分が第2側壁部112内に埋没し、少なくとも接地接続部174及び接地接触腕部175の大部分が凹溝部113内に露出して収容された状態で、第2ハウジング111に固定される。この状態、すなわち、接地端子171が第2ハウジング111に装填された状態において、一対の接地端子171の接地接触部175a同士は、互いに向い合い、かつ、その間隔がシールド板56の板厚よりも小さくなる程度に近接又は当接する。
【0059】
また、接地端子171は、図7(c)に示されるように、第2側壁部112内に埋没する部分が、断面視で略Z字状の形状を有している。このような形状にすることによって、接地端子171は、接地接触部175aから、接地接続部174と接地被保持部173との間までの長い距離をばね長として使用することができる。これにより、接地端子171は、シールド板56に対して長いばね長を使用した適切な接触圧を有する。また、接地端子171が、接地接続部174の上面と、接地被保持部173の両面と、接地テール部172の下面とで、第2側壁部112に保持される。このように、多面で第2側壁部112に保持されることによって、接地端子171は第2ハウジング111に対して強固に保持されることとなる。さらにまた、接地テール部172は、第2側壁部112の内側面と近接する範囲から第2コネクタ101の外方に延出するため、第2基板と対向し、はんだ付などで第2基板に接続させる箇所を長く設定することができる。このため、接地端子171は第2基板に対して強固に保持される。
【0060】
なお、接地端子171は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、接地接続部174、接地接触腕部175及び接地接触部175aは、弾性的に変形可能である。したがって、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合され、シールド板56が互いに対向する接地接触部175a同士の間に挿入されると、前記シールド板56と接触する接地接触部175aは、第2ハウジング111の幅方向の外方に向けて弾性的に変位する。
【0061】
そして、前記第2ハウジング111の長手方向両端には相手方嵌合ガイド部としての第2突出端部122が各々配設されている。該第2突出端部122は、第2ハウジング111の幅方向(Y軸方向)に延在し、両端が各第2側壁部112の長手方向両端に接続された肉厚の部材である。そして、第2突出端部122は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、前記第1コネクタ1が備える第1突出端部21の嵌合凹部22に挿入される挿入凸部として機能する。
【0062】
さらに、前記第2突出端部122は、第2側壁部112の長手方向両端から第2ハウジング111の長手方向に延出する第2突出端部122の側壁部としての第2側壁延長部122cと、第2ハウジング111の幅方向に延在し、両端が第2側壁延長部122cに接続された第2端壁部122bとを備える。各第2突出端部122において、第2端壁部122bとその両端に接続された第2側壁延長部122cとは、連続した略コ字状の側壁を形成し、略長方形の凹溝部113の両端近傍の三方を画定する。そして、前記第2端壁部122bにおいて、外側面には凹入する第2中央脚部収容部としての外端凹部123aが形成され、内側面には凹入する内端凹部123bが形成されている。
【0063】
そして、前記第2ハウジング111には、そこに装填される相手方補強金具としての第2補強金具151が取付けられる。本実施の形態において、第2補強金具151は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2ハウジング111の長手方向(X軸方向)両端に位置し、第2突出端部122の第2端壁部122bの外側を覆う一対の第2本体部152と、第2ハウジング111の長手方向に延在し、第2本体部152同士を連結する一対の相手方連結部である第2側板部154とを備える。
【0064】
前記第2本体部152は、第2ハウジング111の幅方向に延在して第2端壁部122bの上面122aの過半を覆う第2本体上面部152aと、該第2本体上面部152aにおける第2端壁部122bの内側端縁から下方に向けて延出する舌部としての端壁内カバー部152bと、前記第2端壁部122bの外側端縁から下方に向けて延出する第2中央脚部としての端壁外カバー部152cと、該端壁外カバー部152cの下端から下方に延出する基準電位接続部としての第2中央接続足部152dと、前記端壁外カバー部152cの側端に形成された係合突起152eと、前記端壁外カバー部152cの中央近傍部分に形成された係合凹部152gとを含んでいる。
【0065】
そして、第2補強金具151が第2ハウジング111に取付けられた状態において、第2本体上面部152aは第2端壁部122bの上面122aの過半を覆い、端壁内カバー部152bは、少なくともその一部が内端凹部123b内に収容され、端壁外カバー部152cは、その大部分が外端凹部123a内に収容され、係合突起152eが外端凹部123aの側壁と係合することによって、外端凹部123a内に固定される。なお、第2中央接続足部152dは、基準電位接続部として機能し、その下端が下方に突出して、第2基板の電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、第2補強金具151が変形しにくくなり、第2コネクタ101が効果的に補強される。
【0066】
前記第2側板部154は、第2ハウジング111の厚さ方向(Z軸方向)及び長手方向に延在する細長い平坦な帯状の板であり、その長手方向両端が湾曲接続部152fを介して第2本体上面部152aの両端に接続されている。そして、第2側板部154の外側面における第1補強金具51の中央側接触部54bに対応する位置には、係合凹部154aが凹入するように形成されている。該係合凹部154aは、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、前記中央側接触部54bの係合膨出部54cと係合する部分である。また、前記第2側板部154の下端における湾曲接続部152fと接続された部分に対応する位置からは、両端側接続足部154dが下方に延出し、係合凹部154aに対応する位置からは、中央側接続足部154eが下方に延出する。
【0067】
そして、第2補強金具151が第2ハウジング111に取付けられた状態において、第2側板部154は、第2突出端部122及び第2側壁部112における第2ハウジング111の幅方向外側を覆っている。しかし、第2側壁部112における第2ハウジング111の幅方向外側には内側に凹入する側壁凹部112cが形成されているので、前記第2側壁部112の外側面112dは、第2側壁延長部122cの外側面122eよりも、第2ハウジング111の幅方向内側に位置する。そのため、第2側壁延長部122cの外側面122eを覆う第2側板部154は、第2側壁部112の外側面112dから離間し、前記第2側板部154と第2側壁部112の外側面112dとの間に第2側方間隙158が形成される。したがって、シールドとして機能する第2側板部154と第2端子161との間隔を維持することができるので、第2側板部154と第2端子161とが互いに干渉してアンテナとして作用することを防止することができる。
【0068】
さらに、両端側接続足部154d及び中央側接続足部154eは、基準電位接続部として機能し、その下端が下方に突出して、第2基板の電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、第2補強金具151が変形しにくくなり、第2コネクタ101が効果的に補強されるとともに、シールド性が向上する。
【0069】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0070】
ここで、第1コネクタ1は、第1端子61の第1テール部62が図示されない第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続され、第1補強金具51の第1中央接続足部52dの下端、両端側接続足部54dの下端及び中央側接続足部54eの下端が第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。なお、前記第1端子61の第1テール部62が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであり、前記第1補強金具51の第1中央接続足部52dの下端、両端側接続足部54dの下端及び中央側接続足部54eの下端が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースであるものとする。
【0071】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161の第2テール部162が図示されない第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続され、接地端子171の接地テール部172、第2補強金具151の第2中央接続足部152dの下端、両端側接続足部154dの下端及び中央側接続足部154eの下端が第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。なお、前記第2端子161の第2テール部162が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであり、前記接地端子171の接地テール部172、第2補強金具151の両端側接続足部154dの下端及び中央側接続足部154eの下端が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースであるものとする。
【0072】
まず、オペレータは、第1コネクタ1の第1ハウジング11の嵌合面11aと第2コネクタ101の第2ハウジング111の嵌合面111aとを対向させた状態とし、図2に示されるように、第2コネクタ101の第2側壁部112の位置が第1コネクタ1の対応する凹溝部12aの位置と合致し、第2コネクタ101の第2突出端部122の位置が第1コネクタ1の対応する嵌合凹部22の位置と合致すると、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0073】
この状態で、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向(Z軸方向)に移動させると、第2コネクタ101の第2側壁部112及び第2突出端部122が第1コネクタ1の凹溝部12a及び嵌合凹部22内に挿入される。これにより、図1及び7に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通した状態となる。
【0074】
具体的には、各第1端子61の第1接触部65aと第2端子161の第2接触部165aとが接触し、その結果、第1端子61の第1テール部62が接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2端子161の第2テール部162が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。これにより、互いに対応する第1端子61と第2端子161とは、1箇所でのみ接触する、いわゆる、単接点の状態となり、複数箇所で接触する、いわゆる、複数接点の状態と比較すると、第1端子61の第1テール部62から第2端子161の第2テール部162までの信号の伝送線路に意図しないスタブ(Stub)やDivided Circuitが形成されることがないので、前記伝送線路のインピーダンスが安定する。したがって、前記伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI(信号対干渉)特性を得ることができる。
【0075】
また、嵌合凹部22に第2突出端部122が挿入され、第1補強金具51の端壁内カバー部52bの係合膨出部52b1が第2補強金具151の端壁外カバー部152cの係合凹部152gと係合して接触し、第1補強金具51の両端側接触部54aと第2補強金具151の第2側板部154の長手方向両端近傍とが接触し、第1補強金具51の中央側接触部54bの係合膨出部54cが第2補強金具151の第2側板部154の係合凹部154aと係合して接触する。さらに、第1凸部13の分断溝部17内に露出するシールド板56が左右一対の接地端子171の接地接触部175a同士の間に進入して接触するとともに、第1凸部13の長手方向両端において露出するシールド板56の端縁56bが第2補強金具151の端壁内カバー部152bと接触する。その結果、第1補強金具51の第1中央接続足部52dの下端、両端側接続足部54dの下端及び中央側接続足部54eの下端が接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2補強金具151の第2中央接続足部152dの下端、両端側接続足部154dの下端、中央側接続足部154eの下端、及び、接地端子171の接地テール部172が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。したがって、第1基板の基準電位トレース、第2基板の基準電位トレース、第1補強金具51、第2補強金具151及びシールド板56が等電位となり、シールド性が向上する。
【0076】
さらに、第1補強金具51の端壁内カバー部52bの係合膨出部52b1が第2補強金具151の端壁外カバー部152cの係合凹部152gと係合し、第1補強金具51の中央側接触部54bの係合膨出部54cが第2補強金具151の第2側板部154の係合凹部154aと係合するので、第1補強金具51と第2補強金具151とがロックされた状態となり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合状態の解除が防止される。
【0077】
このように、第1コネクタ1の左右の凹溝部12a内で第2端子161の第2接触部165aと接触する第1端子61の第1接触部65aの列同士の間に、基準電位トレースに接続されたシールド板56が配設されているので、左側の凹溝部12a内の第1端子61及び第2端子161と右側の凹溝部12a内の第1端子61及び第2端子161との間のクロストークを確実に防止することができる。
【0078】
また、前記シールド板56は、その長手方向の両端の端縁56bが第2補強金具151の端壁内カバー部152bと接触しているだけでなく、その長手方向の中間(図に示される例では中央)が接地端子171と接触しているので、シールド板56の各部から基準電位トレースまでの導電経路が短くなり、シールド板56の各部のシールド性がより向上する。前記接地端子171は、幅方向(Y軸方向)に延在する部材であって、第1ハウジング11よりも幅の狭い第2ハウジング111に取付けられた部材であるので、接地接触部175aから接地テール部172までの導電経路が短くなっているから、シールド板56の各部から基準電位トレースまでの導電経路を非常に短くすることができる。
【0079】
さらに、シールドとしても機能する第1側板部54及び第2側板部154も、その長手方向両端近傍に位置する両端側接続足部54dの下端及び両端側接続足部154dの下端が接続パッドに接続されるだけでなく、長手方向中央寄りに位置する中央側接続足部54eの下端及び中央側接続足部154eの下端が接続パッドに接続されているので、第1側板部54及び第2側板部154の各部から基準電位トレースまでの導電経路が短くなり、第1側板部54及び第2側板部154の各部のシールド性がより向上する。また、第1基板及び第2基板への接続がより確実となり、第1補強金具51及び第2補強金具151の変形が防止される。
【0080】
また、シールド板56は、第1凸部13の幅方向の中央に保持され、第1凸部13の幅方向両側の凹溝部12a内の第1端子61及び第2端子161と離間している。このように、シールド板56と第1端子61及び第2端子161との間隔が維持されているので、第1端子61の第1テール部62から第2端子161の第2テール部162までの信号の伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合でも、シールド板56と第1端子61及び第2端子161とが互いに干渉してアンテナとして作用することを防止することができる。さらに、シールドとしても機能する第1側板部54と第1端子61が取付けられた第1側壁部14との間には第1側方間隙58が存在する。このように、第1側板部54と第1端子61との間隔が維持されているので、前記伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合でも、第1側板部54と第1端子61とが互いに干渉してアンテナとして作用することを防止することができる。同様に、シールドとしても機能する第2側板部154と第2端子161が取付けられた第2側壁部112との間には第2側方間隙158が存在する。このように、第2側板部154と第2端子161との間隔が維持されているので、前記伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合でも、第2側板部154と第2端子161とが互いに干渉してアンテナとして作用することを防止することができる。
【0081】
さらにまた、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合すると、第1ハウジング11の第1側壁部14が、第2ハウジング111の第2側方間隙158に挿入される。これにより、第2コネクタ101の第2側板部154の内側面と、第2側壁部112の外側面112dとに、第1コネクタ1の第1側壁部14の外側面14dと内側面とがそれぞれ近接もしくは接触することになるため、嵌合する第1コネクタ1と第2コネクタ101のがたつきを防止することができる。
【0082】
このように、本実施の形態において、コネクタ組立体は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に装填される第1端子61と、第1ハウジング11に装填される第1補強金具51とを有する第1コネクタ1と、第2ハウジング111と、第2ハウジング111に装填される第2端子161と、第2ハウジング111に装填される第2補強金具151とを有し、第1コネクタ1と嵌合する第2コネクタ101とを備える。そして、第1ハウジング11は、第2ハウジング111と嵌合する第1凹部12と、長手方向に延在し、第1凹部12の両側を画定する第1側壁部14と、第1凹部12内において長手方向に延在する第1凸部13であって、第2ハウジング111の凹溝部113と嵌合する第1凸部13とを含み、第1端子61は、第1凸部13と第1側壁部14との間の凹溝部12aにおいて第2端子161と接触する第1接触部65aを含み、第1コネクタ1は、第1凸部13の幅方向の中央に保持され、長手方向に延在するシールド板56を更に有し、第2補強金具151は、基準電位トレースに接続される第2中央接続足部152dと、シールド板56の長手方向の両端と接触する端壁内カバー部152bとを含み、第2コネクタ101は、基準電位トレースに接続される接地テール部172と、シールド板56の長手方向の中間と接触する接地接触部175aとを含む接地端子171を更に有する。
【0083】
これにより、第1凸部13の幅方向の中央に配設された長手方向に延在するシールド板56の長手方向の両端が基準電位トレースに接続されるだけでなく、その長手方向の中間が接地端子171を介して基準電位トレースに接続されるので、コネクタ組立体は、第1端子61及び第2端子161の列同士の間に配設されたシールド板56から基板の基準電位トレースまでの導電経路の長さを短くすることができ、高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
【0084】
また、第2ハウジング111は、長手方向に延在し、凹溝部113の両側を画定する第2側壁部112を含み、接地端子171は、第2側壁部112に保持される接地被保持部173と接地被保持部173から幅方向に延在する接地接続部174とを含み、接地接続部174の自由端に接地接触部175aが接続されている。さらに、第2端子161は、複数個が長手方向に並んで、第2側壁部112に配設され、接地端子171の接地被保持部173は、長手方向に並んだ第2端子161同士の間に位置する。したがって、シールド板56は、幅方向に延在する接地接続部174を介して、基準電位トレースに接続されるので、基準電位トレースまでの導電経路の長さが非常に短くなる。
【0085】
さらに、第2補強金具151は、長手方向両端に形成された第2本体部152と、長手方向に延在し、両端が第2本体部152に接続される第2側板部154とを含み、第2中央接続足部152dは第2本体部152の外側端に接続され、端壁内カバー部152bは第2本体部152の内側端に接続されている。したがって、シールド板56の長手方向の両端から基準電位トレースまでの導電経路の長さを短くすることができる。
【0086】
さらに、第2側板部154は、第2ハウジング111の第2側壁部112の外側面112dから離間している。したがって、第2側板部154と第2端子161とが互いに干渉してアンテナとして作用することを防止することができる。
【0087】
さらに、第1補強金具51は、長手方向両端に形成された第1本体部52と、長手方向に延在し、両端が第1本体部52に接続される第1側板部54とを含み、第1側板部54は、幅方向中央を向いて膨出し、第2側板部154に形成された係合凹部154aと係合可能な係合膨出部54cを含んでいる。したがって、第1補強金具51と第2補強金具151とが確実に接触を維持することができ、また、第1基板の基準電位トレース、第2基板の基準電位トレース、第1補強金具51、第2補強金具151及びシールド板56が等電位となるので、シールド性が向上する。
【0088】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0089】
図8は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図、図9は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタの嵌合前の斜視図、図10は第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図11は第2の実施の形態における第2コネクタの斜視図である。
【0090】
本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、前記第1の実施の形態よりも長手方向(X軸方向)の寸法が大きく設定され、それに伴って、第1ハウジング11、第2ハウジング111、第1補強金具51、第2補強金具151及びシールド板56も、前記第1の実施の形態よりも長手方向の寸法が大きく設定されている。また、第1端子61及び第2端子161の数が、前記第1の実施の形態よりも増加している。
【0091】
そして、第1ハウジング11の第1凸部13は、2つの分断溝部17によって、長手方向に三分され、シールド板56は2つの分断溝部17内に露出している。また、第1端子収容キャビティ15は、各第1凸部13の両側に、前記第1の実施の形態と同様のピッチで、例えば、3個、2個及び3個となるように、形成されている。
【0092】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1のその他の点の構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0093】
第2コネクタ101において、接地端子171は、2つの分断溝部17に対応する位置にそれぞれ配設され、第2端子161は、第1端子収容キャビティ15内に収容される第1端子61に対応する位置にそれぞれ配設されている。また、第2ハウジング111の底板118には、接地端子171の位置に対応するように、2つの開口部113aが形成されていてもよい。さらに、第2側板部154の下端における湾曲接続部152fと接続された部分に対応する位置から下方に延出する両端側接続足部154dの下端に、第2ハウジング111の幅方向外側に延出するようにして断面視略L字状の接続テール154fを接続してもよい。前記両端側接続足部154dをはんだ付等によって第2基板の電力トレース、接地トレース等の基準電位トレースに連結された接続パッドに接続されるようにしてもよいし、両端側接続足部154dの下端に接続テール154fを接続した場合は、両端側接続足部154dの代わりに、前記接続テール154fを接続パッドに接続されるようにしてもよい。
【0094】
なお、本実施の形態における第2コネクタ101のその他の点の構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
本実施の形態においては、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の長手方向の寸法が大きく設定され、シールド板56の長手方向の寸法も大きく設定されているが、それに応じて、長手方向に関してシールド板56の複数箇所が接地端子171と接触するようになっているので、シールド板56の各部から基準電位トレースまでの導電経路を短く維持することができ、シールド板56の各部の高いシールド性の維持が可能である。
【0096】
このように、本実施の形態において、接地端子171は、長手方向の複数箇所に位置する。したがって、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の長手方向の寸法が大きく、シールド板56が長尺になっても、シールド板56の各部から基準電位トレースまでの導電経路を短くすることができ、高いシールド性を維持することができる。
【0097】
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本開示は、コネクタ組立体に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 第1コネクタ
11 第1ハウジング
11a、111a 嵌合面
12 第1凹部
12a、113 凹溝部
13 第1凸部
13a シールド板収容スリット
13a1 主部
13a2 副部
13b スリット分割部
14 第1側壁部
14c、112c 側壁凹部
14d、23e、112d、122e 外側面
15 第1端子収容キャビティ
15a 第1端子収容内側キャビティ
17 分断溝部
18、118 底板
21 第1突出端部
21a、122a 上面
21b 第1端壁部
21c 第1側壁延長部
22、56a 嵌合凹部
23a、123a 外端凹部
23b、123b 内端凹部
23d 内側凹部
51 第1補強金具
52 第1本体部
52a 第1本体上面部
52b、152b 端壁内カバー部
52b1、54c 係合膨出部
52c、152c 端壁外カバー部
52d 第1中央接続足部
52e、56c、152e 係合突起
52f、152f 湾曲接続部
54 第1側板部
54a 両端側接触部
54b 中央側接触部
54d、154d 両端側接続足部
54e、154e 中央側接続足部
56、856 シールド板
56b 端縁
58 第1側方間隙
61 第1端子
62 第1テール部
63 第1被保持部
64 第1接続部
65 第1接触腕部
65a 第1接触部
101 第2コネクタ
111 第2ハウジング
112 第2側壁部
112b 内側面
113a 開口部
122 第2突出端部
122b 第2端壁部
122c 第2側壁延長部
151 第2補強金具
152 第2本体部
152a 第2本体上面部
152d 第2中央接続足部
152g、154a 係合凹部
154 第2側板部
154f 接続テール
158 第2側方間隙
161 第2端子
162 第2テール部
165 第2接続部
165a 第2接触部
171 接地端子
172 接地テール部
173 接地被保持部
174 接地接続部
175 接地接触腕部
175a 接地接触部
851 補強金具
852、857 側壁覆部
861 信号端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12