(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137262
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20220913BHJP
F24F 6/04 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F6/00 C
F24F6/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114583
(22)【出願日】2022-07-19
(62)【分割の表示】P 2019024547の分割
【原出願日】2019-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 直紀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 利浩
(72)【発明者】
【氏名】入倉 義也
(57)【要約】
【課題】水槽の水洗いを不要とすることで、従来に比べてメンテナンスの手間を軽減し、メンテナンス性に優れた加湿装置を提供すること。
【解決手段】加湿空気を発生させる加湿手段と、本体1の挿入口1aより装着されて水を貯える水槽部7と、水槽部7の底面に沿うように成形され、水槽部7と水との間に介在する着脱自在なカバー部11と、を備える。カバー部11を水槽部7に装着することで、水槽部7と水とが接触しなくなるため、水槽部7に水垢などの汚れが付着することが防止される。水槽部7のメンテナンスの際には、カバー部11を取り外して新しいものと取り替えるだけでよいので、水槽部7の清掃を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿空気を発生させる加湿手段と、
本体の挿入口より装着されて水を貯える水槽部と、
前記水槽部の底面に沿うように成形され、前記水槽部と水との間に介在する着脱自在なカバー部と、
前記水槽部の水位を検知する水位検知部と、
前記水槽部に水を供給する給水タンクと、
前記水槽部を、前記給水タンクを収容するタンク収容部と、前記加湿手段を収容する加湿手段収容部とに区画する仕切部と、を備え
前記水位検知部と、前記仕切部は、前記水槽部に着脱自在であり、
前記カバー部は前記水槽部と前記水位検知部の間に介在する加湿装置。
【請求項2】
前記水位検知部は前記仕切部に固定されており、仕切部とともに着脱される請求項1記載の加湿装置。
【請求項3】
前記カバー部は、前記水槽部の底面および内周壁に沿うように凹型成形された形状である請求項1または2記載の加湿装置。
【請求項4】
前記加湿手段は、前記水槽部の水中に配置される気化フィルタであり、
前記カバー部は、前記気化フィルタを所定位置へ誘導するガイド部を備える請求項1から3のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項5】
前記カバー部は、底面部と、前記底面部の外周より立ち上がる側面部と、前記側面部から外周方向に延びるフランジ部を備え、
前記水槽部の内周壁には、前記フランジ部の上面が当接する当接部を備える請求項1から4のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項6】
前記水槽部の底面は、定水面よりも上方に突出する突起部を複数有する請求項1から5のいずれかに記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空気の加湿を行う加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加湿装置においては、水を貯留する水槽を内部に備え、水槽に貯えられた水を加湿手段等によって気化させるなどして加湿空気を発生させるようになっている。そのため、水を貯える水槽の底部は常に水に浸かった状態であり、水に浸かった部分には水垢などの汚れが付着する。この汚れを放置すると雑菌が繁殖して臭いが発生する原因になるため、水槽には定期的なメンテナンスが必要とされる。
【0003】
一般的に、水槽は本体に着脱自在となっていて、水槽のメンテナンスに際しては本体から取り外して水洗いをするようになっている。ところが、水槽内部に細かい凹凸やリブなどがあると、その部分の汚れが取れづらく、汚れが残り易くなってしまう。そこで、水槽部からリブや細かい凹凸を排除して、フラットな面とすることで水洗いを容易にした加湿装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
またこれ以外にも、水槽や給水タンクに抗菌剤を取り付けて、雑菌の繁殖を抑えることで水槽のメンテナンスの回数を低減させるようにしたものもある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-47963号公報
【特許文献2】特開2014-31968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの構造においても水槽の水洗いが不要になるわけではない。そのため、依然として面倒な水洗い作業を定期的に行わなければならず、よりメンテナンス性に優れた加湿装置が求められている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、水槽の水洗いを不要とすることで、従来に比べてメンテナンスの手間を軽減し、メンテナンス性に優れた加湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、加湿空気を発生させる加湿手段と、
本体の挿入口より装着されて水を貯える水槽部と、
前記水槽部の底面に沿うように成形され、前記水槽部と水との間に介在する着脱自在なカバー部と、
前記水槽部の水位を検知する水位検知部と、
前記水槽部に水を供給する給水タンクと、
前記水槽部を、前記給水タンクを収容するタンク収容部と、前記加湿手段を収容する加湿手段収容部とに区画する仕切部と、を備え
前記水位検知部と、前記仕切部は、前記水槽部に着脱自在であり、
前記カバー部は前記水槽部と前記水位検知部の間に介在する加湿装置である。
【発明の効果】
【0009】
上述のように構成することにより、水槽部のメンテナンスはカバー部材を取り替えるだけでよく、水洗いを必要としない。よって、容易に水槽部の清掃を行うことができるため、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本実施形態の加湿装置の構成を示す外観図である。
【
図3】本実施形態の加湿装置における貯水部の構成を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態の加湿装置における貯水部を構成する部品を示す分解図である。
【
図6】本実施形態のカバー部を装着した水槽部の要部拡大図である。
【
図8】本実施形態における突起部と定水面の位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0012】
本発明は、加湿空気を発生させる加湿手段と、本体の挿入口より装着されて水を貯える水槽部と、水槽部の底面に沿うように成形され、水槽部と水との間に介在する着脱自在なカバー部と、を備える。カバー部を水槽部に装着することで、水槽部と水とが接触しなくなるため、水槽部に水垢などの汚れが付着することが防止される。また、カバー部は水槽部の底面に沿うように成形された部材であるため、メンテナンスの際にはカバー部を取り外して新しいものと取り替えるだけでよい。したがって、水槽部は水洗いを必要としないので、水槽部の清掃を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【0013】
また、カバー部は、水槽部の底面および内周壁に沿うように凹型成形された形状であるため、水槽部に供給された水をカバー部内に貯めることができ、水槽部と水との接触を防止することができる。
【0014】
また、水槽部の水位を検知する水位検知部を水槽部に着脱自在に備え、カバー部は水槽部と水位検知部の間に介在する。水位検知部を着脱自在とすることで、水槽部のメンテナンスの際には、水位検知部を取り外すことで容易にカバー部を取り替えることができるため、よりメンテナンス性を向上させることができる。
【0015】
また、水槽部は、定水面よりも上方の内周壁に水位検知部を固定する固定部を備えている。これにより、カバー部の外周部に凹み部を設けることで固定部との干渉を避けることが可能となるため、固定部との干渉を避ける構造を容易に形成することができる。
【0016】
また、水槽部を、給水タンクを収容するタンク収容部と、加湿手段を収容する加湿手段収容部とに区画する仕切部を備え、この仕切部は水槽部に着脱自在に設けられる。これにより、水槽部のメンテナンスの際には、水位検知部と仕切部とを取り外すことで容易にカバー部を取り替えることができるため、よりメンテナンス性を向上させることができる。
【0017】
また、加湿手段として、水槽部の水中に配置される気化フィルタを備え、カバー部には気化フィルタを所定位置へ誘導するガイド部を備える。これにより、気化フィルタを確実に所定位置に保持することができる。
【0018】
また、カバー部は、底面と、底面の外周より立ち上がる側面と、前記側面から外周方向に延びるフランジ部を備え、水槽部の内周壁には、フランジ部の上面が当接する当接部を備える。これにより、カバー部のズレや浮きなどが抑えられるため、水槽部とカバー部との間に水が浸入してしまうことを抑制するとともに、水位検知の誤作動を防止することができる。
【0019】
また、水槽部の底面は、定水面よりも上方に突出する突起部を複数有する。複数設けた突起部がカバー部の位置決めのガイドとなるため、カバー部を確実かつ容易に装着することができる。
【実施例0020】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
【0021】
図1は、本実施形態の加湿装置の外観斜視図であり、
図2は、加湿装置の構成を示す外観図である。加湿装置の本体1の上面には、加湿装置の動作を指示するためのスイッチや運転状態を表示するランプ等が複数設けられた表示操作部2と、加湿空気を吹き出す吹出口3が設けられている。また、本体1の側面には室内の空気を本体1に取り入れるための吸込口4が設けられ、後述する水槽部7に水を供給する給水タンク5が本体1に着脱自在に設けられている。本実施形態の加湿装置では、給水タンクとして、第一給水タンク5a、第二給水タンク5bの2つの給水タンクを備えているが、給水タンク5は1つでもよい。そして本体1の正面には、給水タンク5内の水量を確認することのできる水量窓6が設けられている。
【0022】
また、本体1の底部には、給水タンク5(第一給水タンク5a、第二給水タンク5b)から水が供給されて一定量の水を貯える水槽部7を備えている。この水槽部7内には、吸水性を有する気化フィルタ8(8a、8b)が配置されていて、気化フィルタ8は一部が水槽部7内の水に浸漬されており、この水を吸い上げることにより湿潤している。水槽部7は天面が開口した形状であり、2つの給水タンク5a、5bを取り外すと本体1の挿入口1aから引出せるように摺動可能に設けられている。
【0023】
上記構成の加湿装置では、表示操作部2の運転スイッチを操作して運転開始の指示を行うと、図示しない送風機が駆動される。送風機の駆動により、室内の空気は吸込口4から本体1内に取り入れられ、取り入れられた空気は気化フィルタ8を通過する際に加湿空気となって吹出口3から排出されて加湿運転が行われる。
【0024】
なお、加湿運転を長期に亘って行うと、水槽部7には水垢やスケールなどの汚れが付着するので、加湿装置は水槽部7の清掃時期を判断して、使用者に報知するようになっている。例えば、加湿装置の稼働時間を計測し、稼動時間が所定時間に達すると表示操作部2のランプを点灯したり、警報音を出すなどして報知する。使用者はこの報知に基づき、水槽部7のメンテナンスを行う。
【0025】
図3は、本実施形態の加湿装置における貯水部の構成を示す斜視図であり、
図4は、貯水部を構成する部品を示す分解図である。貯水部9は、上述の水槽部7と、カバー部11と、水槽部7に立設する仕切部12と、水槽部7内の水位を検知する水位検知部13とを備えている。
【0026】
カバー部11は、透明または半透明の樹脂材料からなり、水槽部7の底面に沿う形状に形成されている。より具体的には、カバー部11は、水槽部7の底面と接する底面部11aと、この底面部11aの外周より立ち上がる側面部11bを有する凹型に成形されている。側面部11bの高さは水槽部7の定水面よりも高く設定されているため、水槽部7に供給された水は、カバー部11に貯められることとなる。
【0027】
このように、水槽部7と水との間にカバー部11を介在させることで、水槽部7と水とが直接接触することがなくなるため、水槽部7に水垢などの汚れが付着することが防止される。また、カバー部11は水槽部7の底面に沿うように成形された部材であるため、メンテナンスの際には汚れが付着したカバー部11を取り外して新しいものと取り替えるだけでよく、水槽部7の水洗いを必要としない。したがって、水槽部7の清掃を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れる加湿装置となる。
【0028】
水槽部7とカバー部11とは、密着していてもよいし、その間に間隙を有していてもよい。密着していれば、水槽部7とカバー部11の間に水が浸入してしまうことが抑えられるし、間隙を有していれば、カバー部11の着脱をスムーズに行うことができる。また、カバー部11は、水槽部7の底面および内周壁と完全に同じ形状でなくともよく、着脱性等を考慮して水槽部7とは異なる凹凸を適宜形成することができる。
【0029】
水槽部7の内部は、仕切部12によって、2つの給水タンク5a、5bを収容する給水タンク収容部14と、気化フィルタ8を収容する気化フィルタ収容部15に区画されている。そして、この仕切部12には、給水タンク収容部14と気化フィルタ収容部15を連通する連通孔12aが設けられていて、給水タンク5から水槽部7に供給された水は、給水タンク収容部14からこの連通孔12aを介して気化フィルタ収容部15に流入し、水槽部7には一定量の水が貯えられて定水面が形成される。
【0030】
また、仕切部12は水槽部7に着脱自在に設けられており、係止爪12bを水槽部7に形成された取付片7aに引っ掛けることで取り付けられる。また、仕切部12の気化フィルタ収容部15側の面には、気化フィルタ8を保持するリブ(図示せず)が設けられている。
【0031】
水位検知部13は、水槽部7内の水位に応じて上下に回動するフロート16と、フロート16が装着される枠体17から構成されており、水槽部7にカバー部11を装着した後で、カバー部11の上から水槽部7に取り付けられる。すなわち、カバー部11はこの水位検知部13と水槽部7との間に介在することとなり、枠体17によってカバー部11の浮きが抑えられている。また、水位検知部13は、枠体17を介して水槽部7に取り付けられるよう構成され、枠体17は水槽部7と固定するための枠体側固定部17aを備えている。なお、本実施形態では、水位検知部13は仕切部12に固定されており、仕切部12とともに着脱することができる。
【0032】
このように、仕切部12や水位検知部13など、貯水部9を構成するその他の部品を水槽部7内に備える場合には、これらを水槽部7に着脱自在とすることで、容易にカバー部11を取り替えることができるため、よりメンテナンス性を向上させることができる。
【0033】
なお、カバー部11の材質に関しては、特に限定はしないが、例えばポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、等を用いることができる。
【0034】
カバー部11は、水槽部7の底面に沿うように形成され、水槽部7と水位検知部13との間に介在しているので、もしカバー部11が熱等によって変形すると、水槽部7に沿うことができなくなり、水位検知部13で正しい水位を検知することができなくなってしまうおそれがある。そのため、樹脂材料としては、ある程度の耐熱性を有し、比較的柔らかいという特性を有するものがより好ましい。上記特性を有することで、熱変形を起こしにくく、またもし変形したとしてもその柔らかさにより、水を貯めることで水槽部7の形状に沿うことができるので、水位検知に及ぼす影響を軽減することができる。本実施形態では、上記特性を踏まえ、ポリプロピレン樹脂からなるカバー部11を用いている。
【0035】
図5は、本実施形態のカバー部を示す図である。
図5に示すように、カバー部11は気化フィルタ8の形状に合わせて屈曲形成されたガイド部18を有していてもよい。カバー部11にガイド部18を設けることにより、気化フィルタ8を所定の位置へ誘導し、保持することができる。また、従来のように水槽部7の水に浸かる位置に細かい凹凸やリブなどを形成する必要がないので、より水槽部7の底面をフラットな形状に近づけることができる。
【0036】
また、水槽部7には、カバー部11よりも上方に気化フィルタ8を保持するためのリブを別途設けてもよい。このリブは定水面よりも上に位置するため、水垢等の汚れが付着するおそれはなく、メンテナンス性を損ねることはない。リブを設けることで、気化フィルタ8をより確実に保持することが可能となる。
【0037】
さらには、カバー部11は、側面部11bの上端から外周方向に延びるフランジ部11cと、このフランジ部11cの一部を切り欠いて形成された凹み部11dを有している。
【0038】
図6は、カバー部を装着した水槽部の要部拡大図である。水槽部7は、
図6に示すように、フランジ部11cの上面が当接する当接部20を備えていて、カバー部11を水槽部7に装着する際は、フランジ部11cを当接部20の下に挿入する。これにより、カバー部11のズレや浮きなどが抑えられるため、水槽部7とカバー部11との間に水が浸入してしまうことが抑制されるとともに、水位検知部13の誤作動を防止することができる。なお、このフランジ部11cはカバー部11の全周に設けてもよいし、当接部20と対応する部位など部分的に設けることとしてもよい。
【0039】
なお、本実施形態の当接部20は、仕切部12が係止する取付片7aを切り欠いて形成されている。取付片7aは水槽部7の内側に張り出すように形成されているので、この取付片7aに当接部20を設けることで、容易にカバー部11のフランジ11cを係止させることができる。ただし、当接部20はこれに限るものではなく、水槽部7の内周壁にフランジ部11cの上面と当接する位置からリブを突出させて、これを当接部としてもよい。
【0040】
図7は、本実施形態の水槽部の斜視図である。水槽部7の給水タンク収容部14は、その内周壁に内側に張り出した膨出部21を有し、この膨出部21の上面には水槽部側固定部22が形成されている。水槽部側固定部22は定水面よりも上方に位置し、水位検知部13の枠体側固定部17aは、この水槽部側固定部22に嵌合固定される。
【0041】
膨出部21の上面の高さは、カバー部11の側面部11bの高さと同じであり、カバー部11を水槽部7に装着すると、フランジ部11cはこの膨出部21の上面に係止する。そして、カバー部11と水槽部側固定部22との干渉を避けるよう、この膨出部21の上面に係止するフランジ部11cには、水槽部側固定部22に対応する位置を切り欠くようにして凹み部11d(
図5参照)が形成されている。このように、フランジ部11cに凹み部11dを設けることで、水槽部側固定部22との干渉を避ける構造を容易に形成することができる。
【0042】
さらに、水槽部7の給水タンク収容部14は、定水面よりも上方に突出する突起部23を2つ備えている。
図8は、本実施形態における突起部と定水面の位置を説明する図であって、給水タンク5の先端(図では給水タンク5の下端)には、給水キャップ30が取り付けられており、この給水キャップ30には常閉弁からなる弁機構31を組み付けた給水口32が設けられている。前述の突起部23は、この弁機構31を押し上げて、給水口32を開放するために水槽部7に設けられているものである。
【0043】
給水タンク5を給水タンク収容部14に立設させると、突起部23が弁機構31のバネを押し上げて給水口32を開放し、開放された給水口32を介して給水タンク5内の水が水槽部7に供給される。水槽部7に形成される定水面Hは、給水口32の先端位置の高さである。したがって、突起部23の高さはこの定水面Hよりも上方に突出することとなる。本実施形態の加湿装置は2つの給水タンク5a、5bを有しており、それぞれの給水タンクに対応する位置に突起部23が設けられている。
【0044】
このように、定水面Hよりも上方に突出する突起部23を複数有することで、これら突起部23がカバー部11の位置決めのガイドとなるため、カバー部11を確実かつ容易に装着することができる。なお、突起部23は複数設けられていればよく、2つに限定するものではないが、少なくとも2つ備えることで上述の効果を得ることができる。また、突起部23が給水口32を開放するものである必要はなく、そのため突起部23は水槽部7の気化フィルタ収容部15に設けられていてもよい。さらには、その形状も本実施形態のような棒状に限らず、板状であってもよい。