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特開2022-137272模型部品、及び、模型部品の製造方法
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  • 特開-模型部品、及び、模型部品の製造方法 図1
  • 特開-模型部品、及び、模型部品の製造方法 図2
  • 特開-模型部品、及び、模型部品の製造方法 図3
  • 特開-模型部品、及び、模型部品の製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137272
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】模型部品、及び、模型部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A63H 9/00 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
A63H9/00 Q
A63H9/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115040
(22)【出願日】2022-07-19
(62)【分割の表示】P 2020183792の分割
【原出願日】2020-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 翔一
(57)【要約】
【課題】安定した品質の下地層が外部から視認可能な模型部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の色の第1の材料で形成された第1の層と、前記第1の層の少なくとも一部を覆うように形成された第2の層であって、第2の色の第2の材料からなる第2の層とを有する模型部品であって、前記第1の材料の融点は、前記第2の材料の融点よりも高く、前記第1の層は、前記第2の層を通して外部から視認可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色の第1の材料で形成された第1の層と、
前記第1の層の少なくとも一部を覆うように形成された第2の層であって、第2の色の第2の材料からなる第2の層と
を有し、
前記第1の材料の融点は、前記第2の材料の融点よりも高く、
前記第1の層は、前記第2の層を通して外部から視認可能である、模型部品。
【請求項2】
前記第2の層は、厚みが異なる部分を含む、請求項1に記載の模型部品。
【請求項3】
前記第1の色の透明度は前記第2の色の透明度よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の模型部品。
【請求項4】
前記第2の色は半透明であることを特徴とする請求項3に記載の模型部品。
【請求項5】
前記第1の色は不透明であり、前記第2の色は半透明であることを特徴とする請求項3に記載の模型部品。
【請求項6】
前記第1の色は半透明であり、前記第2の色は半透明であることを特徴とする請求項3に記載の模型部品。
【請求項7】
前記第1の材料はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂であって、前記第2の材料はスチレン・ブタジエン・コポリマー(SBC)樹脂である、請求項1から6のいずれか1項に記載の模型部品。
【請求項8】
模型部品の製造方法であって、
第1の色の第1の材料を用いて第1の層を成形する第1の工程と、
前記第1の層の少なくとも一部を覆うように第2の色の第2の材料を用いて第2の層を成形する第2の工程と、
を含み、
前記第2の工程では、前記第1の層が室温まで冷却されるより前に前記第2の層が成形され、
前記第1の材料の融点は、前記第2の材料の融点よりも高く、
前記第1の層は、前記第2の層を通して外部から視認可能である、
模型部品の製造方法。
【請求項9】
前記第1の材料はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂であって、前記第2の材料はスチレン・ブタジエン・コポリマー(SBC)樹脂である、請求項8に記載の模型部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型部品及び模型部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプラモデル(登録商標)と呼ばれるような組み立て模型の部品(パーツとも言う)、例えば、玩具の顔に着色する際は、一か所一か所、人の手で色を塗ったり、彩色個所に開口部が設けられたマスクを利用してスプレーで塗装したりすることが行われている(特許文献1を参照)。また、複数の印刷機とコンベアを備えた彩色装置を利用して塗装を自動化したものも提案されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3-34226号公報
【特許文献2】特開平8-47585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、色が段階的に濃くなっていくようなグラデーションを施すには技量が必要であり、品質を安定させるのは困難である。また、塗装用の彩色装置を用いる場合、追加の設備投資や、設備が大型化するという問題もある。また、模型部品において、安定した品質の下地層が外部から視認可能な部品の作製は困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、安定した品質の下地層が外部から視認可能な模型部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
模型部品の発明は、
第1の色の第1の材料で形成された第1の層と、
前記第1の層の少なくとも一部を覆うように形成された第2の層であって、第2の色の第2の材料からなる第2の層と
を有し、
前記第1の材料の融点は、前記第2の材料の融点よりも高く、
前記第1の層は、前記第2の層を通して外部から視認可能である。
【0007】
模型部品の製造方法の発明は、
第1の色の第1の材料を用いて第1の層を成形する第1の工程と、
前記第1の層の少なくとも一部を覆うように第2の色の第2の材料を用いて第2の層を成形する第2の工程と、
を含み、
前記第2の工程では、前記第1の層が室温まで冷却されるより前に前記第2の層が成形され、
前記第1の材料の融点は、前記第2の材料の融点よりも高く、
前記第1の層は、前記第2の層を通して外部から視認可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安定した品質の下地層が外部から視認可能な模型部品及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】発明の実施形態に対応する模型部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図2】発明の実施形態に対応する模型部品の製造方法に従って作製される成形物を説明するための図である。
図3】発明の実施形態に対応する模型部品の構造を説明するための図である。
図4】発明の実施形態に対応する模型部品の断面構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同じ参照符号は、同じ要素を示している。また、各図において、紙面における上下左右方向を、本実施形態における部品(またはパーツ)の上下左右方向として、本文中の説明の際に用いることとする。なお本発明は、以下に説明する実施形態おいて成形材料としてABS(アクリロニトリル (Acrylonitrile)・ブタジエン (Butadiene)・スチレン (Styrene))樹脂及び、SBC(スチレン(styrene)・ブタジエン(butadiene)共重合体(copolymer)、スチレン系特殊透明樹脂)等を例示するがこれに限定されず、他の材質(ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、軟質樹脂、金属等)の利用を排除するものではない。
【0011】
まず、発明の実施形態に対応する模型部品の製造方法を、図1のフローチャートに従って説明する。S101では、模型部品の骨格部分を構成する1次成形層を形成するための1次成形を行う。1次成形層の成形材料(素材)としてはABSを使用することができる。次に、S102では、1次成形層が室温まで冷める以前に、1次成形層の表面に2次成形層を形成するための2次成形を行う。2次成形層の成形材料としてはSBCを使用することができる。2次成形層は模型部品の外側表面(外皮部)を形成することになるが、2次成形層の厚みに応じて、下側に形成された1次成形層の色が透ける程度が異なるように形成されている。
【0012】
上記の工程において、1次成形層を構成する成形材料は不透明の色(例えば、肌色、白色、赤色、その他の色、例えば、ソリッドカラー、メタリックカラー、パールカラー等)、或いは、半透明(透明であってもよい)の色(例えば、肌色、白色、赤色、その他の色)を有する。また、2次成形層の成形材料は、透明または半透明の色を有する。例えば、模型部品が人形の胴体のパーツを構成する場合に、表面を構成する2次成形層はクリアオレンジ(透明のオレンジ色)であるのに対して、1次成形層は白色、あるいは、肌色などとすることができる。この場合、2次成形層を透明或いは半透明とすることで、肌に透明、或いは、透け感の有る衣服を身につけている状態の表現が可能となる。2次成形層の色と1次成形層の色とは、2次成形層の透明度がより高く形成されている限りにおいては、同色或いは同系色であってもよいし、互いに類似色や反対色であってもよい。本実施形態では、このように1次成形層と、2次成形層とを異なる色の成形材料で形成し、かつ、2次成形層をクリア素材、或いは、半透明の素材を使用して形成することで、その下にある色の異なる1次成形層が透けて見えるようにすることで、グラデーション表現を可能にする。
【0013】
各成形層の成形材料の材質については、1次成形層と2次成形層とを互いに結合させて一体化させるために共通の材質の材料を用いることができる。例えば、PS、KPS、GPPS等は性質の違いはあれど、ポリスチレンとして材質が共通する材料である。しかし、材料の融点が近い場合、1次成形層の上に2次成形層を形成する際に2次成形層の熱や、射出成型時の摩擦熱により1次成形層が侵食されて1次成形層の表面が荒れてしまうおそれがある。このとき2次成形層が不透明であれば外側から下地層である1次成形層の荒れが確認できないので特段問題とならないが、2次成形層が透明或いは半透明の場合は2次成形層を通して1次成形層の表面が見えるため荒れが問題となる。その一方で、1次成形層と2次成形層とで異なる材質の材料(材質が共通でない材料)を用いる場合には、層間の結合力が弱まるために、成形後に1次成形層から2次成形層がはがれやすくなるという問題がある。
【0014】
本実施形態では、1次成形層をABSで形成し、2次成形層を異なる材質のSBCで形成する。ABSの融点は100度から110度であるのに対し、SBCの融点は80度から100度である。従って、1次成形工程においてABSで1次形成層を形成した後、2次成形工程においてSBCで2次成形層を形成した場合であっても、融点の違いにより2次成形工程において1次形成層が侵食されることがない。よって、2次成形層を通して1次成形層の荒れが視認されることもなくなる。また、本実施形態では、1次成形層をABSで形成した後、室温まで冷却することなく2次成形層を形成することにより層間の結合力を維持することができる。2次成形工程を開始する時点での1次成形層の温度は、手で触れられる程度の室温よりも高い所定温度(例えば、40度から50度、30度から60度、或いは当該範囲内の任意の範囲)であってもよい。
【0015】
上記の2段階の成形工程からなる模型部品の製造方法は、例えば多色成形装置を用いて実施することができる。各成形工程では、その工程に対応する成形型を使用する。具体的には、成形型のランナー溝や各部品を成形するための成形空間(キャビティ)に成形材料を流入させて成形物を形成した後に成形型から成形物が取り出される。1次成形で作製された1次成形物については、2次成形の成形工程の成形型に取り付けられて、2次成形が実行される。その際、1次成形後、1次成形物は室温まで冷やされることなく2次成形工程用の成形型に取り付けられる。多色成形装置を用いた成形方法そのものは公知であるため、より詳細な説明は省略する。
【0016】
また、上記においては1次成形層を1回の成形工程の実施により成形する場合を説明したが、成型しようとする1次成形層の厚みや、材料の色に応じて、1次成形層を分割し1次成形を2回実施してもよい。この場合、実施される成形工程は3段階となる。1次成形層を2回に分けて成形することにより、成形上の凹み、歪みを低減し、均一の見栄えの成形物を作成することができる。
【0017】
次に、図2を参照して、本実施形態に対応する図1の成形方法に従い、1次成形層から2次成形層までの成形手順について説明する。図2は、成型過程における成形型及び成形物の断面図である。図2(A)と図2(B)とはS101における1次成形に対応する。図2(A)に示すように、成形型(雄型201と雌型202、雄型、雌型の割当は逆であってもよい。)は、成型しようとする1次成形層に対応するキャビティ203を有しており、部品を形成するためにこのキャビティ203に対して不図示の主ランナー及び副ランナーを介して成形材料のABSを流入させる。
【0018】
そして、図2(B)に示すように、雄型201と雌型202とを用いた1次成形において、成形物204が作製される。当該成形物204は主ランナー、副ランナー、1次成形層で構成される。成形物204は、ABSで形成されている。主ランナーは部品の周囲を取り囲むように形成され、部品は、副ランナーを介して主ランナーと接続されることで、主ランナーに対して固定される。また、主ランナー及び副ランナーとは、成形型201及び202におけるキャビティ203に成形材料を流入させるための溝に対応している。S101の1次成形においては、成形型201及び202の主ランナー溝から副ランナー溝を介して、キャビティ203に成形材料を流入させ、キャビティ、主ランナー溝及び副ランナー溝のすべてに成形材料を充填させたのち、手で触れられる程度の温度(上記所定温度)まで冷却することにより1次成形層を含む成形物204を作製することができる。
【0019】
次にS102の2次成形において、所定温度の1次成形層の上側を覆うように2次成形層が形成される。図2(C)及び図2(D)はS102における2次成形に対応する。図2(C)に示すように、成形型211と成形物204との間で、2次成形において形成しようとする2次成形層に対応するキャビティ212が形成され、このキャビティ212に対して不図示の主ランナー及び副ランナーを介して成形材料のSBCを流入させる。これにより図2(D)に示すように2次成形層を含む成形物213が形成され、1次成形層は、SBCにより少なくとも一部が覆われる。成形物213は、主ランナー、副ランナー、2次成形層で構成される。本実施形態では、主ランナーから副ランナーを介してABS製の1次成形層の上側の表面にSBCを形成することにより、2次成形層が形成される。このとき、1次成形層の下側は、成形型202により支持されているので、成形物204の位置が変動することなく、2次成形層の厚みが所望の厚みとなるよう成形物213を正確に形成することが可能となる。
【0020】
S102の2次成形においては、成形物204を成形型211及び202の内側に固定した後、主ランナー溝から副ランナー溝を介してキャビティ213に成形材料(SBC)を流入させ、キャビティ213、主ランナー溝及び副ランナー溝のすべてに成形材料を充填させたのち、冷却することにより成形物213を成形物204の上側表面に形成することができる。
【0021】
次に図3を参照して、図1及び図2の製造方法に従って製造された模型部品の構造の一例を説明する。図3(A)は、本実施形態に対応する成形工程により作製された、人形玩具の胴体の一部としての模型部品300の一例を示す図である。模型部品300の外側表面302は2次成形層で構成され、2次成形層で覆われた1次成形層301は、その一部が接続部として外側に露出している。接続部は、他の部品と接続するための接続部材として機能する。
【0022】
図3(B)は模型部品300を複数の成形層に分離した分離図である。図3(B)では、1次成形を2回に分けて実施する場合を示している。即ち、1次成形層301は、第1成形層311と第2成形層312とで構成され、2次成形層302は第3成形層313で構成されている。第1成形層311及び第2成形層312は互いに異なる色を有するが、一体として模型部品の骨格部を形成している。また、第3成形層313は模型部品の外皮部を形成している。以下、簡単のために第1成形層311及び第2成形層312を「骨格部」と総称し、第3成形層313を「外皮部」と総称する。
【0023】
本実施形態において、外皮部は、骨格部を覆うように透明材料により形成され、その表面には凹凸が形成されている。外皮部は模型部品200の表面を形成する成形層であって、模型の所望の外形に応じた表面を有している。模型部品200は人形玩具の胴体の一部であるため、外皮部の表面形状により胴体の凹凸が表現されている。
【0024】
骨格部と外皮部との外側表面の形状を比較すると、互いに相似形である部分と、相似形でない部分とを含むように構成されている。相似形の部分は、外皮部の厚みが所定値に保たれる。一方、相似形でない部分は、相似形の部分とは異なる厚みを有するように形成されており、厚みの変化に応じて、外皮部を透過して外側から視覚的に認識できる骨格部の色が変化する。例えば、外皮部が半透明(例えば、クリアオレンジ)素材で形成されており、骨格部が白色或いは肌色の素材で形成されている場合、クリアオレンジの外皮部を通して骨格部の白色や肌色が見えたり、逆にオレンジが強く出たりすることになる。
【0025】
このとき、外形が相似形の部分においては外皮部の厚みが一定に保たれるため、半透明の外皮部を通して見える骨格部の色合いは一定である。しかし、外皮部の厚みがより増してくると、オレンジの度合いが強くなってくる。また、外皮部の厚みが薄くなる場合には肌色や白色の度合いが濃くなる。このように外皮部の厚みを調整することにより、肌色の度合いを強くしたり、逆にオレンジの度合いを強くしたりすることができる。例えば、骨格部の凸部は外皮部の厚みを薄くして肌色の度合いを強くし、凹部は外皮部の厚みを厚くしてオレンジの度合いを強くするようにして、胴体の凹凸を表現することができる。
【0026】
次に、本実施形態に対応する模型部品300の断面構造を説明する。図4(A)は、図3(A)模型部品300のうち、外皮部の厚みが変化する様子の一例を示す図である。図4(A)の断面図に示すように、模型部品300の外側の面を構成する外皮部は厚みD1、D2、D3を有しており、D1>D2>D3の順に厚くなっている。D1の部材においては、外皮部のオレンジ色が濃く出ることとなるが、D2、D3のように外皮部が薄くなってくるとオレンジ色の度合いが弱くなり、代わりに骨格部の肌色の度合いが強くなってくる。厚みが大きい部分ほど骨格部の色に対する外皮部の色の混色の度合いが大きくなり、外側から模型部品300を見た場合の色合いの変化が大きくなる。
【0027】
このようにして外皮部の厚みを部分的に、または、全体的に変化させることにより、模型部品300を外側から見た場合の色合いを異ならせることができる。このとき、外皮部の厚みが連続的に厚くなる部分においては、骨格部の色に対する外皮部の色の混色の度合いが徐々に大きくなるため、最も濃く骨格部の色が透けて見える個所から、徐々に色が薄くなって外皮部自体の色に遷り変わるので、観察者は模型部品300の表面においてグラデーションを観察することができる。
【0028】
グラデーションの見え方は、外皮部の厚みの変化のさせかたの違いによって異ならせることが可能である。例えば、厚みの変化の度合いを、急峻とするか、あるいは、緩やかとするかによって、濃い色から薄い色への変化の仕方が異なるため、異なるグラデーション表現を実現することができる。また、厚みを減らす方向に変化させてもよい。これにより、薄い色から濃い色へ変化させることもできる。
【0029】
図4(A)では、外皮部の厚みを変化させることによりグラデーション表現を実現する例を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば外皮部の厚みは一定であってもよい。図4(B)は、図3(A)模型部品300のうち、外皮部の厚みが均一な場合の一例を示す図である。図4(B)の断面図に示すように、模型部品300の外側の面を構成する外皮部の厚みは均一となっている。
【0030】
なお、上記においては、1次成形層をABSで形成し、2次成形層をSBCで形成する場合について説明したが、材料の組合せはこれに限定されるものではなく、例えば、1次成形層をABS、2次成形層をTPE(Thermoplastic elastomer:熱可塑性エラストマー、特にはスチレン系熱可塑性エラストマー)で形成してもよい。また、1次成形層をKPS(強化ポリスチレン)、2次成形層をTPEで形成してもよい。その他、1次成形層を融点のより高い第1の材料を用い、2次成形層を融点のより低い第2の材料を用いて形成することができる。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、安定した品質の下地層が外部から視認可能な模型部品及びその製造方法を提供することができる。
図1
図2
図3
図4