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特開2022-137426建物の防水構造及び防水構造の施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137426
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】建物の防水構造及び防水構造の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/64 20060101AFI20220914BHJP
   E04B 1/682 20060101ALI20220914BHJP
   E04B 1/348 20060101ALI20220914BHJP
   E04B 7/02 20060101ALI20220914BHJP
   E04D 3/40 20060101ALI20220914BHJP
   E04D 13/14 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
E04B1/64 C
E04B1/682 A
E04B1/348 L
E04B1/348 N
E04B7/02 501B
E04D3/40 P
E04D13/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036930
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】中村 稔
【テーマコード(参考)】
2E001
2E108
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001DA03
2E001EA06
2E001FA04
2E001FA16
2E001FA52
2E001FA68
2E001FA71
2E001FA73
2E001GA07
2E001GA13
2E001GA24
2E001HF01
2E001HF02
2E001LA01
2E001MA02
2E108AA02
2E108AS03
2E108AZ04
2E108BN01
2E108CC15
2E108CV08
2E108FG03
2E108GG15
(57)【要約】
【課題】施工作業の容易化を図ることができる建物の防水構造及び防水構造の施工方法を提供する。
【解決手段】建物は、外壁面部25と、外壁面部25に対して離間する側に下方傾斜して延びる下屋部18とを備える。外壁面部25と下屋部18との境界部には、それら両者18,25の間の開口領域27が上記境界部に沿って延びている。下屋部l8の上には、けらば19に沿って延びるけらば水切材39が設けられ、けらば水切材39の端部が開口領域27の側端面29側の端部に入り込んでいる。開口領域27におけるけらば水切材39の上面と外壁面部25の下側端面28との間を覆う短尺状の短尺役物60を備える。短尺役物60は、側端面29側とは反対側に向けてけらば水切材39よりも延出する延出部分65を有している。雨押え材50は、長手方向の端部をけらば水切材39の側面に当接させた状態で、延出部分65に重ねて設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外壁面材が並設されてなる外壁面部と、
前記外壁面部に対して離間する側に下方傾斜して延びる下屋部と、を備え、
前記外壁面部と前記下屋部との境界部には、それら両者の間の開口領域が所定の上下幅を有して前記境界部に沿って延びており、
前記外壁面部には、前記開口領域の上端部を規定する第1端面と、前記第1端面と直角をなし前記開口領域の側端部を規定する第2端面とが形成されており、
前記下屋部の上には、前記下屋部のけらばに沿って延びるけらば水切材が設けられ、
前記けらば水切材の端部が前記開口領域における前記第2端面側の端部に入り込んでいる建物に適用され、
前記境界部に沿って延びる長尺状をなし、前記開口領域を覆う雨押え材を備える建物の防水構造であって、
前記開口領域における前記けらば水切材の上面と前記第1端面との間を覆う短尺状の短尺役物を備え、
前記短尺役物は、前記第2端面側とは反対側に向けて前記けらば水切材よりも延出した延出部分を有しており、
前記雨押え材は、その長手方向の端部を前記けらば水切材の側面に当接させた状態で、前記延出部分に重ねて設けられている、建物の防水構造。
【請求項2】
前記雨押え材は、前記短尺役物の前記延出部分に屋外側から重ねられている、請求項1に記載の建物の防水構造。
【請求項3】
前記短尺役物は、矩形板状に形成されているとともに、前記第1端面に沿って配置される第1辺部と、前記第2端面に沿って配置される第2辺部と、前記けらば水切材の上面に沿って配置される第3辺部とを有し、
前記短尺役物において前記第2辺部側は、屋内側に凹んでいることで前記第2端面とともにシーリング材を充填する溝状のシール充填部を形成する第1凹状部となっている、請求項1又は2に記載の建物の防水構造。
【請求項4】
前記短尺役物において前記第1辺部側は、屋内側に凹んでいることで前記第1端面とともにシーリング材を充填する溝状のシール充填部を形成する第2凹状部となっており、
前記第2凹状部は、前記第1凹状部と連続して形成されている、請求項3に記載の建物の防水構造。
【請求項5】
前記短尺役物において前記第3辺部側は、屋内側に凹んでいることで前記けらば水切材の上面とともにシーリング材を充填する溝状のシール充填部を形成する第3凹状部となっており、
前記第3凹状部は、前記第1凹状部と連続して形成されている、請求項4に記載の建物の防水構造。
【請求項6】
請求項2に記載の建物の防水構造を施工する際に適用される防水構造の施工方法であって、
予め前記下屋部の上に前記けらば水切材が設置された状態で、前記開口領域における前記けらば水切材の上面と前記第1端面との間を覆うように前記短尺役物を設置する短尺役物設置工程と、
前記雨押え材の長手方向の端部を前記けらば水切材の側面に当接させた状態で、前記雨押え材を前記短尺役物の前記延出部分に屋外側から重ねて設置する雨押え材設置工程と、
を備える、防水構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の防水構造及び防水構造の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物では、屋根として、下屋が設けられている場合がある。下屋は、例えば建物の外壁から下方傾斜して設けられる。かかる建物では、通常、下屋と外壁との間の境界部に沿って雨押え材が設けられる(例えば特許文献1参照)。雨押え材は、上記境界部に沿って延びる長尺材であり、下屋と外壁との間に生じた開口部分を覆うように設けられる。これにより、下屋と外壁との境界部を通じた雨水の浸入が防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-94369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の建物では、下屋の上に、けらばに沿って延びるけらば水切材が設けられる場合がある。その場合、けらば水切材の端部が、下屋と外壁との間の開口部分、詳しくは開口部分の端部に位置することが想定される。そのような場合、けらば水切材の端部と雨押え材の端部との取り合いが問題になる。
【0005】
そこで、上記問題に対する対策として、例えば、けらば水切材の端部と雨押え材の端部とを現場合わせで加工(例えばカット)することが考えられる。しかしながら、けらば水切材も雨押え材も、断面形状が複雑であるため、現場での加工は困難であることが想定され、また施工ミスも生じ易いと考えられる。
【0006】
そこで、予め工場において、雨押え材の端部をけらば水切材の端部形状に合わせた形状に加工しておくことが考えられる。例えば、雨押え材の端部を上記開口部分におけるけらば水切材の上方領域に配置可能な形状に加工しておくことが考えられる。そうすれば、現場において雨押え材の端部加工を行う必要がなくなる。
【0007】
しかしながら、このように端部加工を行った雨押え材を現場で外壁と下屋との開口部分に配設する際には、まず、加工した端部部分を開口部分におけるけらば水切材の上方領域に挿し入れ、その挿し入れた状態で雨押え材を配置する必要がある。そのため、雨押え材の配設作業が大変になると考えられる。特に、雨押え材は長尺材であるため、取り回しが大変であり、その配設作業には大きな困難を伴うことが考えられる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、施工作業の容易化を図ることができる建物の防水構造及び防水構造の施工方法を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の防水構造は、複数の外壁面材が並設されてなる外壁面部と、前記外壁面部に対して離間する側に下方傾斜して延びる下屋部と、を備え、前記外壁面部と前記下屋部との境界部には、それら両者の間の開口領域が所定の上下幅を有して前記境界部に沿って延びており、前記外壁面部には、前記開口領域の上端部を規定する第1端面と、前記第1端面と直角をなし前記開口領域の側端部を規定する第2端面とが形成されており、前記下屋部の上には、前記下屋部のけらばに沿って延びるけらば水切材が設けられ、前記けらば水切材の端部が前記開口領域における前記第2端面側の端部に入り込んでいる建物に適用され、前記境界部に沿って延びる長尺状をなし、前記開口領域を覆う雨押え材を備える建物の防水構造であって、前記開口領域における前記けらば水切材の上面と前記第1端面との間を覆う短尺状の短尺役物を備え、前記短尺役物は、前記第2端面側とは反対側に向けて前記けらば水切材よりも延出した延出部分を有しており、前記雨押え材は、その長手方向の端部を前記けらば水切材の側面に当接させた状態で、前記延出部分に重ねて設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
第1の発明によれば、外壁面部と下屋部との間の開口領域における外壁面部の第2端面側の端部にけらば水切材の端部が入り込んでいる。かかる構成にあって、開口領域におけるけらば水切材の上面と外壁面部の第1端面との間は短尺役物により覆われている。この場合、短尺役物は短尺状であるため、取り回しし易く容易に設置することができる。また、短尺役物は、外壁面部の第2端面側とは反対側に向けてけらば水切材よりも延出している。雨押え材は、その長手方向の端部をけらば水切材の側面に当接させた状態で短尺役物の延出部分に重ねて設けられている。これにより、開口領域におけるけらば水切材よりも反第2端面側については雨押え材により覆うことができる。また、この場合、雨押え材を設置する際、雨押え材の端部をけらば水切材の側面に当てて設置すればよいため、設置作業が容易であるし、雨押え材の端部加工が不要である。そのため、施工作業の容易化を図ることができる。
【0011】
第2の発明の建物の防水構造は、第1の発明において、前記雨押え材は、前記短尺役物の前記延出部分に屋外側から重ねられている、ことを特徴とする。
【0012】
第2の発明によれば、雨押え材を設置する際、まず短尺役物を先付けし、その後、短尺役物の延出部分に雨押え材を屋外側から当てながら設置することができる。そのため、施工作業をより一層容易とすることができる。
【0013】
第3の発明の建物の防水構造は、第1又は第2の発明において、前記短尺役物は、矩形板状に形成されているとともに、前記第1端面に沿って配置される第1辺部と、前記第2端面に沿って配置される第2辺部と、前記けらば水切材の上面に沿って配置される第3辺部とを有し、前記短尺役物において前記第2辺部側は、屋内側に凹んでいることで前記第2端面とともにシーリング材を充填する溝状のシール充填部を形成する第1凹状部となっている、ことを特徴とする。
【0014】
第3の発明によれば、短尺役物において外壁面部の第2端面に沿って配置される第2辺部側が屋内側に凹んでおり、それにより、第2辺部側が第2端面とともに溝状のシール充填部を形成する第1凹状部とされている。これにより、シール充填部にシーリング材を充填することにより第2端面と短尺役物との間をシールすることができる。この場合、シール処理部が明確となるため、確実な防水処理を行うことができる。
【0015】
第4の発明の建物の防水構造は、第3の発明において、前記短尺役物において前記第1辺部側は、屋内側に凹んでいることで前記第1端面とともにシーリング材を充填する溝状のシール充填部を形成する第2凹状部となっており、前記第2凹状部は、前記第1凹状部と連続して形成されている、ことを特徴とする。
【0016】
第4の発明によれば、短尺役物において外壁面部の第1端面に沿って配置される第1辺部側が屋内側に凹んでおり、それにより、第1辺部側が第1端面とともに溝状のシール充填部を形成する第2凹状部とされている。これにより、シール充填部にシーリング材を充填することにより第1端面と短尺役物との間をシールすることができる。また、第2凹状部は第1凹状部と連続して形成されているため、各凹状部により形成されるシール充填部同士を連続させることができる。そのため、各シール充填部に連続してシーリング材を充填することができ、より確実な防水処理を行うことができる。
【0017】
第5の発明の建物の防水構造は、第4の発明において、前記短尺役物において前記第3辺部側は、屋内側に凹んでいることで前記けらば水切材の上面とともにシーリング材を充填する溝状のシール充填部を形成する第3凹状部となっており、前記第3凹状部は、前記第1凹状部と連続して形成されている、ことを特徴とする。
【0018】
第5の発明によれば、短尺役物においてけらば水切材の上面に沿って配置される第3辺部側が屋内側に凹んでおり、それにより、第3辺部側がけらば水切材の上面とともに溝状のシール充填部を形成する第3凹状部とされている。これにより、シール充填部にシーリング材を充填することによりけらば水切材と短尺役物との間をシールすることができる。また、第3凹状部は第1凹状部と連続して形成されているため、この場合、第1凹状部、第2凹状部及び第3凹状部がそれぞれ連続して形成されることになる。これにより、各凹状部により形成されるシール充填部同士を連続させることができるため、各シール充填部に連続してシーリング材を充填することができる。そのため、さらに確実な防水処理を行うことができる。
【0019】
第6の発明の防水構造の施工方法は、第2の発明の建物の防水構造を施工する際に適用される防水構造の施工方法であって、予め前記下屋部の上に前記けらば水切材が設置された状態で、前記開口領域における前記けらば水切材の上面と前記第1端面との間を覆うように前記短尺役物を設置する短尺役物設置工程と、前記雨押え材の長手方向の端部を前記けらば水切材の側面に当接させた状態で、前記雨押え材を前記短尺役物の前記延出部分に屋外側から重ねて設置する雨押え材設置工程と、を備える、ことを特徴とする。
【0020】
第6の発明によれば、まず短尺役物を設置し、その後、雨押え材を設置する。雨押え材の設置に際しては、雨押え材の端部をけらば水切材の側面に当てて設置すればよいため、設置作業が容易であるし、雨押え材の端部加工が不要である。そのため、施工作業の容易化を図ることができる。また、短尺役物の延出部分に雨押え材を屋外側から当てながら設置することができるため、その点でも、施工作業の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ユニット式建物の概要を示す斜視図。
図2】下屋部を構成する屋根パネルと外壁面部との境界部周辺を示す斜視図。
図3】下屋部と外壁面部との境界部周辺における防水構造を示す斜視図。
図4】短尺役物と雨押え材とを示す斜視図。
図5】短尺役物周辺を拡大して示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、複数の建物ユニットが互いに組み合わされてなるユニット式の建物に本発明の防水構造を適用している。図1は、ユニット式建物の概要を示す斜視図である。
【0023】
図1に示すように、建物10は、一階部分11及び二階部分12を有する建物本体13を備える。建物本体13は、複数の建物ユニット15が互いに組み合わされることにより構成されている。建物ユニット15は、柱及び梁を有して直方体状に形成された枠体を有し、その枠体に壁材(後述する外壁パネル22等)や床材、天井材等が取り付けられることにより構成されている。なお、建物ユニット15は、予め製造工場において製造され、施工現場へトラック等により搬送されるようになっている。また、図示は省略するが、建物本体13の上方には屋根部が設けられている。
【0024】
建物本体13の一階部分11には、二階部分12の一側面よりも張り出した一階張出部16を有している。一階張出部16の上方には、下屋部18が設けられている。下屋部18は、二階部分12の上記一側面を形成する外壁部21から張り出して設けられている。下屋部18は、外壁部21から離間する側に下方傾斜する傾斜屋根となっている。
【0025】
外壁部21は、横並びに設けられた複数の外壁パネル22を備える。外壁パネル22は、屋外に面した外壁面材23と、外壁面材23の裏面側に設けられた下地フレーム24とを有している(図2を参照)。外壁面材23は、例えば窯業系サイディングボードからなる。下地フレーム24は、鋼材よりなる複数のフレーム材26を有し、これら複数のフレーム材26が矩形枠状に連結されることにより構成されている。この下地フレーム24に外壁面材23がビス等により固定されている。
【0026】
外壁部21では、横並びに設けられた複数の外壁面材23により外壁面部25が構成されている。外壁面部25と下屋部18との境界部には、それら両者18,25の間に形成された開口領域27が上記境界部に沿って横長状に延びている。開口領域27は、外壁面部25の下側端面と下屋部18の上端部との間の領域であって、所定の上下高さを有している。開口領域27は、後述するように、雨押え材50等により覆われることで、雨水の浸入が防止されるようになっている。
【0027】
外壁面部25には、開口領域27の上端部を規定する下側端面28と、開口領域27の側端部を規定する側端面29とが形成されている。下側端面28は下方を向く水平面であり、側端面29は側方を向く鉛直面である。下側端面28と側端面29とは互いに直角をなしている。詳しくは、外壁面部25は、下屋部18(の上端部)の上方に設けられた第1壁面部25aと、第1壁面部25aと壁幅方向に連続し下屋部18の上端部よりも下方に延びる第2壁面部25bとを有している。第1壁面部25aにより下側端面28が形成され、第2壁面部25bにより側端面29が形成されている。なお、下側端面28が第1端面に相当し、側端面29が第2端面に相当する。
【0028】
続いて、下屋部18の構成について図2及び図3に基づき説明する。図2は、下屋部18を構成する屋根パネル30と外壁面部25との境界部周辺を示す斜視図である。図3は、下屋部18と外壁面部25との境界部周辺における防水構造を示す斜視図である。なお、図2及び図3ではいずれも下屋部18のけらば19側を示している。
【0029】
図2に示すように、下屋部18は、下屋部18を構成する屋根パネル30を有している。屋根パネル30は、野地板31と、野地板31の下面側に設けられた屋根フレーム32とを有している。屋根フレーム32は、鋼製のフレーム材が矩形枠状に組まれることにより構成され、その屋根フレーム32上に野地板31が載置された状態で固定されている。また、屋根パネル30は、一階張出部16を構成する建物ユニット15の上に設置されている。なお、屋根パネル30は、予め製造工場において製造され、施工現場にて建物ユニット15上に設置されるものとなっている。
【0030】
図3に示すように、屋根パネル30の野地板31の上には、下葺材35が敷設されている。下葺材35は、例えばアスファルトルーフィングにより形成されている。下葺材35の上には屋根材36が葺設されている。屋根材36は、例えばスレート瓦からなる。屋根材36により下屋部18の屋根面が形成されている。
【0031】
屋根パネル30の上には、けらば19に沿って延びるのぼり木38が設けられている。のぼり木38は木製の角材からなり、下葺材35の上に載置されている。のぼり木38は、下葺材35を介して野地板31に固定されている。
【0032】
のぼり木38には、けらば19に沿って延びるけらば水切材39が取り付けられている。けらば水切材39は、金属製の板材によりのぼり木38を覆うように形成されている。けらば水切材39は、のぼり木38の上面を覆う上板部41と、上板部41の幅方向の両端部からそれぞれ下方に延びのぼり木38の両側面を覆う一対の側板部42,43とを有している。
【0033】
各側板部42,43のうち、外側の側板部42は屋根パネル30の側面側に配置される水切り部となっている。内側の側板部43は、その下側部分が上側部分に対してのぼり木38側に凹んでいる。けらば水切材39は、側板部43(下側部分)の下端部からのぼり木38側とは反対側に延びる延出板部44をさらに有している。延出板部44は、下葺材35の上に載置され、この延出板部44の上に屋根材36の端部が載せられている。
【0034】
けらば水切材39は、その長手方向の一端部(上側の端部)が開口領域27における外壁面部25の側端面29側の端部に入り込んでいる。けらば水切材39の上記一端部は外壁面部25の側端面29に当接している。詳しくは、けらば水切材39は、上記一端部において幅方向の外側の一部が切り欠かれており、それにより、幅方向の内側に突出部が形成されている。そして、その突出部が開口領域27に入り込んで側端面29に当接している。また、換言すると、けらば水切材39は、上記切り欠かれた切欠部を形成する二つの面をそれぞれ外壁面部25の屋外側面及び側端面29に当接させた状態で配置されている。
【0035】
続いて、下屋部18と外壁面部25との境界部における防水構造について説明する。
【0036】
下葺材35は、上述したように、屋根パネル30の野地板31上に敷設され、その外壁部21側の端部において上方に立ち上げられている。その立ち上げられた立ち上がり部35aは、下地フレーム24に固定されている。下地フレーム24は、フレーム材26として、外壁面部25の下側端面28に沿って延びる下端フレーム材26aを有している(図2参照)。下端フレーム材26aは、その一部が下側端面28よりも下方にはみ出しており、そのはみ出し部分に立ち上がり部35aの上側部分が固定されている。
【0037】
詳しくは、立ち上がり部35aの上側部分を挟んで下端フレーム材26a(より詳しくは、はみ出し部分)とは反対側には、下端フレーム材26aと同方向に延びる木製の長尺板材からなる下地材46が設けられている。下地材46は、立ち上がり部35aを介して下端フレーム材26aにビス等により固定されている。これにより、立ち上がり部35aは下端フレーム材26aと下地材46との間に挟まれた状態で固定されている。
【0038】
外壁面部25と下端フレーム材26aとの間には防水シート48の上側部分が挟まれて固定されている。防水シート48は、外壁面部25の下側端面28に沿って延びる長尺状に形成され、その下側部分が下側端面28よりも下方に垂れ下がっている。なお、防水シート48は、予め製造工場において外壁面材23(外壁面部25)と下端フレーム材26aとの間に挟まれて固定されるようになっている。
【0039】
下葺材35の立ち上がり部35aの屋外側には、雨押え材50が設けられている。雨押え材50は、下屋部18と外壁面部25との境界部に沿って延びる長尺状に形成されている。雨押え材50は、外壁面部25と下屋部18上とに跨るように設けられ、開口領域27を覆っている。これにより、開口領域27を通じて雨水が屋内側に浸入することが防止されている。
【0040】
雨押え材50は、金属製の板材により形成され、その断面形状が長手方向の全域に亘って同じとなっている。雨押え材50は、開口領域27において上下方向に延びる立ち上がり部51と、立ち上がり部51の下端部から下屋部18上に延出するベース部52とを有する。立ち上がり部51は、下地材46の屋外側面にビス等により固定されている。また、立ち上がり部51の屋外側には、防水シート48の下側部分が垂れ下がっている。これにより、外壁面部25から流下した水は防水シート48を伝って雨押え材50の屋外側に導かれる。なお、図示は省略するが、防水シート48の屋外側には、さらに水切材が設けられ、その水切材により防水シート48が屋外側から覆い隠されている。
【0041】
ベース部52の下方には、笠木55が設けられている。笠木55は、下葺材35の上に載置され、ベース部52に沿って延びている。ベース部52は、笠木55にビス等で固定されている。また、ベース部52は、笠木55よりも屋外側に延出した部分が下方に曲げられ屋根材36上に載置されている。
【0042】
ここで、本実施形態では、上述したように、けらば水切材39の端部が開口領域27における側端面29側の端部に入り込んでいるため、けらば水切材39の端部と雨押え材50の端部との取り合いが問題になると考えられる。そこで、本実施形態では、かかる取り合いの問題を解消すべく、特徴的な構成を設けている。以下、その特徴的な構成について図3に加え図4及び図5に基づき説明する。図4は、短尺役物60と雨押え材50とを示す斜視図である。なお、図4では、説明の便宜上、雨押え材50を仮想線(二点鎖線)で示している。また、図5は、短尺役物60周辺を拡大して示す正面図である。なお、図5では便宜上、防水シート48の図示を省略している。また、図3及び図4では便宜上、短尺役物60の周縁部に充填されるシーリング材75(詳細は後述)の図示を省略している。
【0043】
図3図5に示すように、開口領域27における側端面29側の端部には短尺状の短尺役物60が設けられている。短尺役物60は、金属製の板材により矩形形状に形成され、詳しくは略正方形状に形成されている。短尺役物60は、開口領域27におけるけらば水切材39の上面と外壁面部25の下側端面28との間を覆うように配置されている。
【0044】
短尺役物60は、上下方向の寸法がけらば水切材39の上面と下側端面28との間の距離と略同じとなっており、詳しくは上記距離よりも若干小さくなっている。短尺役物60は、開口領域27におけるけらば水切材39の上面と下側端面28との間に配置されている。かかる配置状態で、短尺役物60の上辺部61は下側端面28に沿っており、側辺部62(詳しくは側端面29側の側辺部62)は側端面29に沿っており、下辺部63はけらば水切材39の上面に沿っている。より詳しくは、短尺役物60の上辺部61については下側端面28に当接しており、側辺部62については側端面29に当接している。そのため、短尺役物60は、上辺部61と側辺部62との間の角部を下側端面28と側端面29との間の隅部に位置合わせした状態で配置されている。また、短尺役物60は、かかる配置状態で、下地材46の屋外側面にビス等により固定されている。なお、上辺部61が第1辺部に相当し、側辺部62が第2辺部に相当し、下辺部63が第3辺部に相当する。
【0045】
短尺役物60は、上述の配置状態において、側端面29側とは反対側に向けてけらば水切材39よりも延出している。この延出した延出部分65の屋外側には、雨押え材50が配置されている。雨押え材50は、その立ち上がり部51を延出部分65の屋外側に重ねた状態で配置されている。なお、図示は省略するが、延出部分65と雨押え材50との間にはシーリング材が介在され、それにより、それら両者50,65間を通じた雨水の浸入が防止されている。また、雨押え材50は、長手方向の端部がけらば水切材39の内側面(詳しくは側板部43の外面)に当接した状態で配置されている。
【0046】
短尺役物60は、上辺部61側と側辺部62側と下辺部63側とがそれぞれ屋内側に凹んだ凹状部66~68となっている。これら各凹状部66~68は、短尺役物60の各辺部61~63側が屋内側に段曲げされることによりL字状に形成されている。各凹状部66~68のうち、上辺部61側の凹状部66は上辺部61に沿って延びており、側辺部62側の凹状部67は側辺部62に沿って延びており、下辺部63側の凹状部68は下辺部63に沿って延びている。各凹状部66~68は互いに連続しており、全体としてコ字状をなすように延びている。なお、凹状部66が第2凹状部に相当し、凹状部67が第1凹状部に相当し、凹状部68が第3凹状部に相当する。
【0047】
上辺部61側の凹状部66は、外壁面部25の下側端面28とともに溝状のシール充填部71を形成している。側辺部62側の凹状部67は、外壁面部25の側端面29とともに溝状のシール充填部72を形成している。下辺部63側の凹状部68は、けらば水切材39の上面とともに溝状のシール充填部73を形成している。これら各シール充填部71~73には、シーリング材75を充填可能となっている。
【0048】
各シール充填部71~73は互いに連続しており、コ字状をなして延びている。各シール充填部71~73には、シーリング材75が充填されている。シーリング材75は、不定形のシーリング材であり、例えばシリコン系のシーリング材からなる。シーリング材75は、各シール充填部71~73に連続して充填されている。シーリング材75は、シール充填部71~73のうち、雨押え材50と外壁面部25の側端面29との間に形成された範囲、換言すると雨押え材50により屋外側から覆われていない範囲に充填されている。つまり、シーリング材75は、各シール充填部72,73においてはその全域に亘って充填され、シール充填部71においては雨押え材50と側端面29との間の範囲にのみ充填されている。これにより、雨押え材50と側端面29との間において、短尺役物60と外壁面部25との間がシールされているとともに、短尺役物60とけらば水切材39との間がシールされている。
【0049】
短尺役物60の延出部分65において雨押え材50と重なる重なり部分には、その凹状部68にスポンジ材からなる防水材77が設けられている。防水材77は、凹状部68を塞ぐように設けられている。防水材77は、凹状部68において当該凹状部68に充填されたシーリング材75と連続させて設けられている。これにより、凹状部68を通じた雨水の浸入が確実に防止されている。
【0050】
また、雨押え材50の立ち上がり部51は、その上端側が屋内側に凹んだ上端凹部51aとなっている。上端凹部51aは、短尺役物60の凹状部66に対応した凹形状とされ、凹状部66に重ねた状態で配置されている。これにより、凹状部66を通じた雨水の浸入が確実に防止されている。
【0051】
次に、下屋部18と外壁面部25との境界部に防水構造を構築する際の作業手順について説明する。
【0052】
まず、製造工場において各建物ユニット15を製造するとともに、屋根パネル30を製造する。その後、製造した各建物ユニット15及び屋根パネル30をトラック等により施工現場へ搬送する。施工現場ではまず、各建物ユニット15を所定の設置位置に設置して互いに連結することにより建物本体13を構築する。その後、屋根パネル30を一階張出部16を構成する建物ユニット15上に設置する。これにより、外壁面部25が形成され、その外壁面部25と屋根パネル30との間に開口領域27が形成される。
【0053】
続いて、屋根パネル30上に、各種屋根部材を設けることで下屋部18を形成する下屋形成工程を行う。この工程では、まず屋根パネル30の野地板31上に下葺材35を敷設する。その後、のぼり木38を下葺材35の上にけらば19に沿って設置するとともに、設置したのぼり木38にけらば水切材39を取り付ける。その後、下葺材35の上に屋根材36を葺設する。
【0054】
続いて、短尺役物60を設置する短尺役物設置工程を行う。この工程では、短尺役物60を、開口領域27におけるけらば水切材39の上面と外壁面部25の下側端面28との間を覆うように設置する。詳しくは、この工程では、短尺役物60の上辺部61及び側辺部62をそれぞれ外壁面部25の下側端面28及び側端面29に当接させた状態で短尺役物60を配置し、その配置状態で短尺役物60を下地材46に固定する。
【0055】
続いて、雨押え材50を設置する雨押え材設置工程を行う。なお、この工程を行うのに先立ち、予め笠木55を下葺材35の上に設置しておく。雨押え材設置工程では、雨押え材50の長手方向の端部をけらば水切材39の内側面に当接させた状態で雨押え材50を設置する。また、この設置の際、雨押え材50を短尺役物60の延出部分65に屋外側から重ねた状態で設置する。そして、雨押え材50を笠木55と下地材46とにそれぞれ固定する。また、短尺役物60の延出部分65における凹状部68に防水材77を配設する。
【0056】
続いて、短尺役物60のシール充填部71~73にシーリング材75を充填するシール工程を行う。この工程では、シール充填部71~73のうち、雨押え材50により屋外側から覆われていない範囲にシーリング材75を充填する。以上により、下屋部18と外壁面部25との境界部における一連の防水処理が終了する。
【0057】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0058】
外壁面部25と下屋部18との間の開口領域27における側端面29側の端部にけらば水切材39の端部が入り込んでいる構成にあって、開口領域27におけるけらば水切材39の上面と外壁面部25の下側端面28との間を覆う短尺役物60が設けられている。この場合、短尺役物60は短尺状であるため、取り回しし易く容易に設置することができる。また、短尺役物60は、外壁面部25の側端面29側とは反対側に向けてけらば水切材39よりも延出している。雨押え材50は、その長手方向の端部をけらば水切材39の側面(詳しくは内側面)に当接させた状態で短尺役物60の延出部分65に重ねて設けられている。これにより、開口領域27におけるけらば水切材39よりも反側端面29側については雨押え材50により覆うことができる。また、この場合、雨押え材50を設置する際、雨押え材50の端部をけらば水切材39の側面に当てて設置すればよいため、設置作業が容易であるし、雨押え材50の端部加工が不要である。そのため、施工作業の容易化を図ることができる。
【0059】
雨押え材50を、短尺役物60の延出部分65に屋外側から重ねて設けた。この場合、雨押え材50を設置する際、まず短尺役物60を先付けし、その後、短尺役物60の延出部分65に雨押え材50を屋外側から当てながら設置することができる。そのため、施工作業をより一層容易とすることができる。
【0060】
短尺役物60において外壁面部25の側端面29に沿って配置される側辺部62側が屋内側に凹んでおり、それにより、側辺部62側が側端面29とともに溝状のシール充填部72を形成する凹状部67とされている。これにより、シール充填部72にシーリング材75を充填することにより側端面29と短尺役物60との間をシールすることができる。この場合、シール処理部が明確となるため、確実な防水処理を行うことができる。
【0061】
短尺役物60において外壁面部25の下側端面28に沿って配置される上辺部61側が屋内側に凹んでおり、それにより、上辺部61側が下側端面28とともに溝状のシール充填部71を形成する凹状部66とされている。これにより、シール充填部71にシーリング材75を充填することにより下側端面28と短尺役物60との間をシールすることができる。また、凹状部66は凹状部67と連続して形成されているため、各凹状部66,67により形成されるシール充填部71,72同士を連続させることができる。そのため、各シール充填部71,72に連続してシーリング材75を充填することができ、より確実な防水処理を行うことができる。
【0062】
短尺役物60においてけらば水切材39の上面に沿って配置される下辺部63側が屋内側に凹んでおり、それにより、下辺部63側がけらば水切材39の上面とともに溝状のシール充填部73を形成する凹状部68とされている。これにより、シール充填部73にシーリング材75を充填することによりけらば水切材39と短尺役物60との間をシールすることができる。また、凹状部68は凹状部67と連続して形成されているため、この場合、各凹状部66~68がコ字状に連続して形成される。これにより、各凹状部66~68により形成されるシール充填部71~73同士を連続させることができるため、各シール充填部71~73に連続してシーリング材75を充填することができる。そのため、さらに確実な防水処理を行うことができる。
【0063】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0064】
(1)上記実施形態では、短尺役物60の上辺部61側、側辺部62側及び下辺部63側にそれぞれ凹状部66~68を設けることで、短尺役物60の3辺に跨ってシール充填部71~73を形成したが、例えば、短尺役物60の各凹状部66~68のうち、いずれか2つの凹状部だけ設けるようにし、それにより、短尺役物60の2辺にのみシール充填部を形成するようにしてもよい。また、短尺役物60の各凹状部66~68のうち、いずれか一の凹状部だけ設けるようにして、短尺役物60の1辺にのみシール充填部を形成するようにしてもよい。短尺役物60の1辺にのみシール充填部を形成する場合には、最もシール長さの長い側辺部62側の凹状部67だけ設けるのが望ましい。
【0065】
なお、短尺役物60の3辺すべてに凹状部を設けないようにしてもよい。この場合、短尺役物60を矩形平板状に形成すればよい。
【0066】
(2)上記実施形態では、雨押え材50を短尺役物60の延出部分65の屋外側に重ねて設けたが、これを逆にして、雨押え材50を短尺役物60の延出部分65の屋内側に重ねて設けてもよい。かかる構成とする場合には、施工に際し、まず雨押え材50を設置し、その後、短尺役物60を設置するようにする。具体的にはまず、雨押え材50を、その端部をけらば水切材39の側面に当接させた状態で設置する。この設置状態では、開口領域27における雨押え材50よりも側端面29側が開口された状態となる。換言すると、この場合、開口領域27におけるけらば水切材39の上面と外壁面部25の下側端面28との間が開口された状態となる。
【0067】
そして、次に、短尺役物60をけらば水切材39の上面と下側端面28との間の開口部分を覆うように設置する。この設置の際、短尺役物60を、雨押え材50の屋外側に重ねるように設置する。これにより、短尺役物60の延出部分65が雨押え材50の屋外側に重ねられた状態となる。このような手順で施工を行う場合にも、雨押え材50と短尺役物60との設置作業を容易に行うことができるため、施工作業の容易化を図ることができる。
【0068】
(3)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物等、他の構造の建物に本発明の防水構造を適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…建物、18…下屋部、19…けらば、23…外壁面材、25…外壁面部、27…開口領域、28…第1端面としての下側端面、29…第2端面としての側端面、39…けらば水切材、50…雨押え材、60…短尺役物、61…第1辺部としての上辺部、62…第2辺部としての側辺部、63…第3辺部としての下辺部、65…延出部分、66…第2凹状部としての凹状部、67…第1凹状部としての凹状部、68…第3凹状部としての凹状部、71~73…シール充填部、75…シーリング材。
図1
図2
図3
図4
図5