IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧 ▶ 日本電気通信システム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図1
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図2
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図3
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図4
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図5
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図6
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図7
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図8
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図9
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図10
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図11
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図12
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図13
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図14
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図15
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図16
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図17
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図18
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図19
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図20
  • 特開-システム、方法、およびプログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137589
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220914BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220914BHJP
【FI】
G08G1/00 C
G05D1/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037135
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】石川 秀水
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】馬場 友貴
(72)【発明者】
【氏名】今井 靖
(72)【発明者】
【氏名】川津 哲司
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181DD02
5H181DD04
5H181EE03
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF24
5H181FF25
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL09
5H181MC27
5H301AA01
5H301AA06
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC10
5H301FF08
5H301FF10
5H301FF11
5H301GG08
5H301KK04
5H301KK08
(57)【要約】
【課題】 複数の移動体への制御をそれらの分布状態に応じて容易に行うことができる。
【解決手段】 システム1は、取得部101と、特定部102と、表示制御部103と、受付部104と、制御部105と、を有する。取得部101は、複数の移動体の各々の位置を取得する。特定部102は、取得された前記位置に基づいて、移動体の分布領域を特定する。表示制御部103は、分布領域を含む分布状態を表示させる。受付部104は、分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける。制御部105は、受け付けた制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体を制御する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体の各々の位置を取得する取得手段と、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定する特定手段と、
前記分布領域を含む分布状態を表示させる表示制御手段と、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、制御手段と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記特定手段は、取得された前記位置に基づいて、前記移動体の密度が所定密度以上の範囲を前記移動体の分布領域として特定し、
前記受付手段は、前記分布領域の指定、および前記分布領域に含まれる移動体に対する前記制御情報を受け付け、
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報に従って、指定された前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、異なる密度について前記分布領域が重なる場合、前記分布領域を重畳して表示させる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記分布領域を重畳して表示させる場合、前記分布領域の境界を示す線を表示させる、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記複数の移動体の各々の単位時間の活動範囲を取得し、
前記特定手段は、前記活動範囲を前記分布領域として特定し、
前記受付手段は、前記分布領域の指定、および前記分布領域に含まれる移動体に対する前記制御情報を受け付け
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報に従って、指定された前記分布領域に対応する移動体を制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記活動範囲が重なる場合、前記分布領域を重畳して表示させ、
前記制御手段は、前記分布領域が重なった部分が指定された場合、前記部分を含むそれぞれの分布領域に対応する移動体を制御する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御情報は、移動体が実行すべき作業を示し、
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報に示される作業の実行を、前記分布領域に含まれる移動体に指示する、
請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記制御情報は、移動体の新たな分布領域を示し、
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報が示す前記新たな分布領域となる位置への移動を、前記分布領域に含まれる移動体に指示する、
請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
複数の移動体の各々の位置を取得し、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、
前記分布領域を含む分布状態を表示させ、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
方法。
【請求項10】
複数の移動体の各々の位置を取得し、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、
前記分布領域を含む分布状態を表示させ、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
各機器の位置を表示させる技術がある。例えば、特許文献1には、物理的区域内におけるロボットまたはドローンの予定の経路情報に基づいて、ロボットまたはドローンが物理的区域内の各セクタに進入する回数に基づいて交通密度値を生成することが記載されている。そして、特許文献1には、生成した交通密度値によって、各セクタが色付けされた密度マップを表示することが記載されている。また、例えば、特許文献2には、複数の照明器具の位置および複数の照明器具の動作状態を、表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-526867号公報
【特許文献2】特表2020-522156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、多数の移動体が広い範囲に亘って分布している場合がある。この場合、現在の移動体の分布状態に応じた制御をすることが困難である。
【0005】
本開示の目的の一例は、複数の移動体への制御をそれらの分布状態に応じて容易に行うことができるシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様におけるシステムは、複数の移動体の各々の位置を取得する取得手段と、取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定する特定手段と、特定された前記分布領域を含む分布状態を表示させる表示制御手段と、前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける受付手段と、受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、制御手段と、を備える。
【0007】
本開示の一態様における方法は、複数の移動体の各々の位置を取得し、取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、特定された前記分布領域を含む分布状態を表示させ、前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する。
【0008】
本開示の一態様にプログラムは、複数の移動体の各々の位置を取得し、取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、特定された前記分布領域を含む分布状態を表示させ、前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、移動体への制御をそれらの分布状態に応じて容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかるシステムの一構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかるシステムの一動作例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかるシステムの一例を示す説明図である。
図4】実施の形態2にかかる情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
図5】各移動体の配置の例を示す説明図である。
図6】移動体の配置密度に応じて特定された分布領域を含む移動体の分布状態の表示例を示す説明図である。
図7】1つの分布領域に含まれる移動体の位置を変更させる例1を示す説明図である。
図8】分布領域に含まれる移動体の位置を変更させる例2を示す説明図である。
図9】実施の形態2にかかる情報処理装置の動作例1を示すフローチャートである。
図10】移動体の単位時間の活動範囲である分布領域を表示させる例を示す説明図である。
図11】分布領域が重なる場合の表示および移動の例を示す説明図である。
図12】分布領域が重なる場合の表示および拡大の例を示す説明図である。
図13】実施の形態2にかかる情報処理装置の動作例2を示すフローチャートである。
図14】実施の形態3にかかるシステムの一例を示す説明図である。
図15】実施の形態3にかかる情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
図16】異なる作業が割り当てられた各移動体の配置の一例を示す説明図である。
図17】作業別の分布状態の表示例を示す説明図である。
図18】作業別の分布状態と、作業の進捗状況と、の表示例を示す説明図である。
図19】作業変更指示後の作業別の移動体の分布状態と、進捗状況と、の表示例を示す説明図である。
図20】実施の形態3にかかる情報処理装置の一動作例を示すフローチャートである。
図21】コンピュータ装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本開示にかかるシステム、情報処理装置、方法、プログラム、プログラムを記録する記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。ただし、図面は本開示の実施の形態における構成を概略的に表している。更に以下に記載される本開示の実施の形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
【0012】
ここで、ディジタルツインについて簡単に説明する。ディジタルツインとは、現実空間にある情報を集め、集めた情報を元に仮想空間で現実空間を再現する技術である。より具体的に、ディジタルツインとは、リアルタイムに取得した情報を集め、AI(Artificial Intelligence)などの技術を用いて実際に起こりうる状況をコンピュータ等の仮想空間上で再現してシミュレーションを実行し、現実世界で起こることを予測するためのソリューションである。様々な場所に設置されたセンサやセンサを搭載した移動体等を通じて時系列の情報が取得される。仮想空間上でシミュレーションする際に、地図の情報上に、取得した時系列の情報や将来の予測情報等を重ねあわせてダイナミックマップを作成し、実際の状況を仮想空間上にそのままツインとして再現する。ダイナミックマップ上で現実空間の事象(World)を表現するために、シミュレーションで用いるデータは目的ごとに分類した層(レイヤ)の状態で蓄積される。
【0013】
本実施の形態で説明するシステムでは、例えば、現実空間で情報を発する機器の各位置において、情報の種類(例えば属性)が異なるデータ値を複数取得してもよい。例えば、システムは、各位置で取得される温度、湿度、混雑度などのそれぞれを1つの層として管理してよい。すなわち、層は、ある属性の複数のデータ値からなる情報群である。データ値を属性値と呼ぶ。また、本実施の形態で説明するシステムは、ダイナミックマップを視覚化する際に用いられてもよい。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるシステムの一構成例を示すブロック図である。システム1は、複数の移動体の分布領域を特定し、分布領域を含む分布状態を表示させる。移動多の種類は特に限定されない。例えば、移動体は、ロボット、ドローンなどである。具体的に、システム1は、移動体の配置状態に関連する、1つまたは複数の分布領域を含む分布状態を表示させる。そして、システム1は、分布領域に含まれる移動体に対する制御を受け付ける。システム1は、取得部101と、特定部102と、表示制御部103と、受付部104と、制御部105と、を有する。
【0015】
取得部101は、複数の移動体の各々の位置を取得する。具体的に、取得部101は、例えば、所定の領域における各移動体の位置の情報を取得する。位置は、どのような方法で表されてもよい。例えば、位置は、緯度および経度によって表されてもよい。位置は、所定の領域における座標値によって表されてもよい。位置は、移動体によって撮像された画像によって表されてもよい。所定の領域は、例えば、複数の移動体が活動可能な領域である。具体的な領域は、特に限定されない。領域は、屋内であってもよいし、屋外であってもよい。また、取得部101は、複数の移動体の各々もしくは複数の移動体を管理する親の移動体などから、移動体の位置の情報を取得してもよい。また、取得部101は、ディジタルツインにおいて、シミュレーション装置によってシミュレーションされた複数の移動体のそれぞれの位置の情報を取得してもよい。すなわち、取得部101は、複数の移動体の各々の予測の位置の情報を取得してもよい。
【0016】
つぎに、特定部102は、取得された位置に基づいて、移動体の分布領域を特定する。具体的に、移動体の分布領域は、所定の領域における各移動体が存在する範囲(領域)で示される。
【0017】
表示制御部103は、移動体の分布状態を表示させる。具体的に、表示制御部103は、表示装置に移動体が分布する分布領域を含む分布状態を表示させる。システム1が、表示装置を有していてもよいし、システム1に含まれる装置と異なる他の装置が、表示装置を有していてもよい。
【0018】
受付部104は、分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける。制御情報は、例えば、分布領域に含まれる移動体の新たな分布領域を示す。もしくは、制御情報は、例えば、分布領域に含まれる移動体が実行する作業を示す。より具体的に、受付部104は、制御対象となる分布領域の指定を受け付ける。そして、受付部104は、指定された分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける。
【0019】
制御部105は、受け付けた制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体を制御する。具体的に、例えば、制御情報が新たな分布領域を示す場合、制御部105は、分布領域に含まれる移動体が新たな分布領域となるように、移動体に対する移動を指示する。また、例えば、制御情報が、分布領域に含まれる移動体が実行する作業を示す場合、制御部105は、分布領域に含まれる移動体に対して作業の変更を指示する。
【0020】
図2は、実施の形態1にかかるシステム1の一動作例を示すフローチャートである。取得部101は、各移動体の位置を取得する(ステップS101)。特定部102は、各移動体の位置に基づいて、移動体の分布領域を特定する(ステップS102)。つぎに、表示制御部103は、特定された分布領域を含む移動体の分布状態を表示装置に表示させる(ステップS103)。そして、受付部104は、分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付けた否かを判断する(ステップS104)。受付部104が分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付けていない場合(ステップS104:No)、システム1は、ステップS101へ戻る。
【0021】
受付部104が制御情報を受け付けた場合(ステップS104:Yes)、制御部105は、制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体に対して指示を行う(ステップS105)。ステップS105のつぎに、システム1は、ステップS101へ戻る。
【0022】
つぎに、実施の形態1の効果について説明する。システム1が、移動体の位置に基づいて、移動体の分布領域を含む分布状態を表示させる。そして、システム1が、分布領域に含まれる移動体に対する制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体を制御する。これにより、利用者は、移動体の分布状態を容易に把握できる。また、利用者は、容易に移動体に対して指示することができる。利用者は、移動体への制御をそれらの分布状態に応じて容易に行うことができる。
【0023】
実施の形態1については上述した例に限られず、種々変更可能である。例えば、各機能部は、1台の装置(情報処理装置)によって実現されてもよい。または、各機能部は、複数の装置によって実現されてもよい。
【0024】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態2では、移動体の密度に基づく分布状態を表示させる例と、移動体の活動範囲に基づく分布状態を表示させる例と、を説明する。以下、本実施の形態2の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0025】
図3は、実施の形態2にかかるシステムの一例を示す説明図である。システム2は、情報処理装置20と、移動体21と、を有する。情報処理装置20と、移動体21とは、通信ネットワーク22を介して接続される。
【0026】
情報処理装置20は、移動体21の分布状態を表示させる。そして、情報処理装置20は、移動体21に対する指示を行う。情報処理装置20は、サーバ、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末など特に限定されない。例えば、情報処理装置20がサーバであり、情報処理装置20は、利用者の端末に移動体の分布状態を表示させてもよい。
【0027】
移動体21は、例えば、自律的に移動可能な装置である。例えば、移動体21は、サービスロボットなどであってもよい。例えば、移動体21は、掃除ロボット、消毒作業ロボット、案内ロボット、撮影ロボットなど特に限定されない。図3において、1台の移動体21を示すが、実際には、システム2は、複数の移動体21を有する。また、実施の形態2では、移動体21の作業、移動体21の状態などについては特に限定されない。各移動体21は、例えば、自律的に割り当てられた作業を行うことを前提とする。例えば、ある領域における掃除が作業として割り当てられると、各移動体21は、ある領域における掃除を自律的に行う。
【0028】
図3において、情報処理装置20は、複数の移動体21と異なる装置としているが、複数の移動体21に含まれていてもよい。
【0029】
図4は、実施の形態2にかかる情報処理装置20の一構成例を示すブロック図である。情報処理装置20は、取得部201と、特定部202と、表示制御部203と、受付部204と、制御部205と、記憶部206と、を有する。情報処理装置20は、実施の形態1から記憶部206が追加される。取得部201と、特定部202と、表示制御部203と、受付部204と、制御部205とは、それぞれ実施の形態1で説明した取得部101と、特定部102と、表示制御部103と、受付部104と、制御部105を基本機能として有する。
【0030】
記憶部206は、例えば、情報処理装置20の各部の処理結果を記憶する。記憶部206としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)が挙げられる。記憶部206は、これらの組み合わせであってもよい。
【0031】
特定部202は、移動体21の分布領域を特定する。実施の形態2では、移動体21の密度に基づく分布状態を表示させる例と、移動体21の活動範囲に基づく分布状態を表示させる例と、を説明する。
【0032】
<移動体21の密度>
取得部201は、複数の移動体21の各々の位置を取得する。具体的に、取得部201は、例えば、所定の領域における各移動体21の位置の情報を取得する。位置は、緯度および経度によって表されてもよい。また、位置は、所定の領域における座標値によって表されてもよい。位置は、移動体21によって撮影された画像によって表されてもよい。取得部201は、各移動体21、もしくは複数の移動体21を管理する親の移動体21などから、各移動体21の位置の情報を取得してもよい。移動体21による位置の取得方法は、特に限定されない。例えば、予め地面や床にマーカを付しておき、マーカ別に位置を記憶しておいてもよい。移動体21は、画像に写るマーカから位置の情報をデータとして取得してもよい。また、屋外の場合、移動体21は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて位置の情報を取得してもよい。また、移動体21は、ビーコンなどの機器を用いて測位してもよい。また、移動体21は、Lidar(Light Detection and Ranging)などのセンサを用いて測位してもよい。
【0033】
また、取得部201は、ディジタルツインにおいて、シミュレーション装置などによってシミュレーションされた複数の移動体21のそれぞれの位置の情報を、取得してもよい。すなわち、取得部201は、シシミュレーション装置によるミュレーション結果から、複数の移動体21の予測の位置の情報を取得してもよい。なお、情報処理装置20が、ディジタルツインにおけるシミュレーションの機能を有していてもよい。記憶部206は、例えば、移動体21別に、移動体識別情報と、取得された位置情報と、を対応付けて記憶する。
【0034】
図5は、各移動体21の配置の例を示す説明図である。図5において、所定の領域に複数の移動体21が作業を行っている。図5に示す複数の移動体21は一部であり、実際には、大量の移動体21が所定の領域内を作業していてもよい。
【0035】
特定部202は、取得された位置に基づいて、移動体21の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。例えば、密度は、単位面積当たりの移動体21の数である。具体的に、特定部202は、複数の移動体21が移動する所定の領域を複数の領域に区切ってもよい。特定部202は、取得された移動体21の位置に基づいて、区切った領域別に、密度を算出してもよい。そして、特定部202は、算出された密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。所定密度とは、予め定められた密度である。例えば、所定密度は、利用者によって指定可能であってもよい。
【0036】
つぎに、表示制御部203は、表示装置に、特定された分布領域を含む分布状態を表示させる。情報処理装置20が、表示装置を有していてもよい。または、情報処理装置20と異なる装置が、表示装置を有していてもよい。表示装置は、タッチパネルディスプレイのように入出力装置であってもよい。表示制御部203は、分布領域に含まれる移動体の数または数を表す記号を、分布領域に関連付けて表示させてもよい。具体的に、例えば、表示制御部203は、分布領域の上に、分布領域に含まれる移動体の数を付して表示させてもよい。また、表示制御部203は、移動体の数が所定の数または所定の数値範囲内の分布領域を強調表示させてもよい。所定の数や所定の数値範囲は、予め決められていてもよい。もしくは、所定の数や所定の数値範囲は、図示しない受付部などにより利用者が指定可能であってもよい。例えば、表示制御部203は、100台以上の分布領域を強調表示させてもよい。
【0037】
また、表示制御部203は、分布領域に含まれる移動体21の数に応じた表示態様で、分布領域を表示させてもよい。ここで、移動体21の数に応じた表示態様とは、例えば、色、パターン、線などが移動体21の数に応じて異なることである。より具体的に、例えば、表示制御部203は、移動体21の数が多い分布領域ほど、色が濃く、移動体21の数が少ない分布領域ほど、色が薄くなるように、分布領域を表示させてもよい。例えば、表示制御部203は、移動体21の数が0から100台である分布領域を赤色、移動体21の数が101台以上である分布領域を緑色のように、異なる色で表示させてもよい。例えば、表示制御部203は、移動体21の数が0から100台である分布領域をドットパターン、移動体21の数が101台以上である分布領域をストライプパターンのように、異なるパターンで表示させてもよい。
【0038】
また、表示制御部203は、異なる密度について、分布領域を重畳して表示させる。これにより、移動体21の密度をヒートマップのように表示させることができる。分布領域を重畳して表示させる場合、表示制御部203は、分布領域の境界を示す線を表示させてもよい。
【0039】
図6は、移動体の配置密度に応じて特定された分布領域を含む移動体の分布状態の表示例を示す説明図である。図6において、表示制御部203は、異なる密度について、分布領域を重畳して表示させている。また、表示制御部203は、分布領域の境界を表す線を表示させている。図6において、分布領域a1と分布領域a2と分布領域a3とが重畳して表示されている。図6の例では、各分布領域の境界を表す線が等高線のように表示されている。図6において、分布領域a1の密度が最も高く、分布領域a3の密度が最も低い。
【0040】
なお、図6および以降の一部の図において、理解の容易化のために、表示制御部203は、一部の移動体21を表す絵を含めて分布状態を表示させている。ただし、表示制御部203は、移動体21を表す絵を表示しなくてもよい。また、図6において、移動体21の数は、8台であるが、数十台、数百台のように大量であってもよい。
【0041】
図4の説明に戻って、受付部204は、分布領域の指定、および指定された分布領域に含まれる移動体21に対する制御情報を受け付ける。具体的に、受付部204は、入力装置に対する、分布領域の指定および指定された分布領域に含まれる移動体21に対する制御情報を受け付ける。入力装置の種類は特に限定されない。例えば、入力装置は、キーボード、マウスなどであってもよい。入力装置は、タッチパネルディスプレイのように入出力装置であってもよい。また、情報処理装置20が、入力装置を有していてもよい。または、情報処理装置20と異なる装置が、入力装置を有していてもよい。そして、制御部205は、受け付けた制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体21を制御する。
【0042】
例えば、制御情報は、移動体21の新たな分布領域を示してもよい。より具体的に、制御情報は、分布領域の拡大、または分布領域の縮小を示してもよい。また、制御情報は、分布領域の移動を示してもよい。制御部205は、受け付けた制御情報に示される分布領域となる位置への移動を、分布領域に含まれる移動体21に指示する。例えば、移動指示の場合、制御部205が、新たな分布領域の位置となるように、それぞれの移動体の位置を算出して、それぞれの移動体に対して、新たな位置に移動する移動指示を出す。これにより、情報処理装置20は、分布領域に含まれる移動体21を一括で移動させることができる。
【0043】
また、例えば、制御情報は、移動体21が実行すべき作業を示すものであってもよい。そして、制御部205は、受け付けた制御情報に示される作業の実行を、分布領域に含まれる移動体21に指示してもよい。これにより、情報処理装置20は、分布領域に含まれる移動体21の作業を一括で変更させることができる。なお、作業を変更させる例については、実施の形態3で説明する。
【0044】
図7は、1つの分布領域に含まれる移動体21の位置を変更させる例1を示す説明図である。図7において、分布の上の矢印で示すように、受付部204は、分布領域a1の指定を受け付ける。さらに、受付部204は、指定された分布領域a1に含まれる移動体21に対する新たな分布領域a1の中心の位置を示す制御情報を受け付ける。
【0045】
そして、制御部205は、受け付けた制御情報に従って、指定された分布領域a1の中心の位置が指定された位置となるように、指定された分布領域a1に含まれる各移動体21の位置を算出する。この時、制御部205は、指定された分布領域a1の密度が変わることがないように、各移動体21の位置を算出する。制御部205は、指定された分布領域a1に含まれるそれぞれの移動体21に対して、算出した位置への移動を指示する。指定された分布領域a1に含まれる移動体21は、指定された位置に移動する。
【0046】
例えば、ある領域における掃除が各移動体21の作業として割り当てられている際に、各移動体21は、ある領域における掃除を自律的に行う。例えば、ある領域内において移動指示がされた場合、各移動体21は、指示された位置に移動してその位置における掃除を優先的に行う。そして、各移動体21は、指示された位置における掃除が終了後、割り当てられた作業を終了させるために、各々自律的に掃除を行ってもよい。
【0047】
図8は、分布領域に含まれる移動体21の位置を変更させる例2を示す説明図である。図8において、分布領域a3に重なる矢印で示すように、受付部204は、分布領域a3の指定を受け付ける。そして、受付部204は、指定された分布領域a3の拡大を示す制御情報を受け付ける。
【0048】
制御部205は、受け付けた制御情報に従って、指定された分布領域a3に含まれる移動体21の数および拡大後の分布領域a3の面積と、に基づいて、新たな密度を算出する。分布領域a3に含まれる移動体には、分布領域a2および分布領域a1に含まれる移動体21も含まれる。そして、制御部205は、新たな密度となるように、指定された分布領域a3に含まれる移動体21のそれぞれの位置を算出する。そして、制御部205は、指定された分布領域a3に含まれるそれぞれの移動体21に対して、算出した位置への移動を指示する。これにより、拡大された分布領域a3となるように移動体21に対して移動を指示することができる。
【0049】
なお、図示に限らず、前述のように、受付部204は、分布領域の指定、および指定された分布領域の縮小を示す制御情報を受け付けてもよい。制御部205は、受け付けた制御情報に従って、指定された分布領域に含まれる移動体の数および縮小後の分布領域の面積と、に基づいて、新たな密度を算出する。そして、制御部205は、新たな密度となるように、指定された分布領域に含まれる移動体21のそれぞれの位置を算出する。そして、制御部205は、指定された分布領域に含まれるそれぞれの移動体21に対して、算出した位置への移動を指示する。これにより、縮小された分布領域となるように移動体21に対して移動を指示することができる。
【0050】
また、各移動体21は、移動指示および作業指示を受け付けると、指示された位置に移動してその位置における指示された作業を優先的に行う。そして、各移動体21は、指示された位置における指示された作業が終了後、元々割り当てられていた作業を終了させるために、各々自律的に作業を行ってもよい。
【0051】
(密度に関するフロー)
図9は、実施の形態2にかかる情報処理装置20の動作例1を示すフローチャートである。ここでは、密度の分布領域が特定される例について説明する。取得部201は、所定時間間隔ごとに、各移動体21の位置を取得する(ステップS201)。ステップS201において、取得部201は、各移動体21の位置の情報を取得する。つぎに、取得部201は、移動体21の位置に基づいて、移動体21の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する(ステップS202)。
【0052】
そして、表示制御部203は、分布領域を含む分布状態を表示させる(ステップS203)。ステップS203において、表示制御部203は、分布領域に含まれる移動体21の数に応じた表示態様で、分布領域を表示させてもよい。ステップS203において、表示制御部203は、異なる密度において、分布領域を重畳して表示させてもよい。また、ステップS203において、分布領域を重畳して表示させる場合、表示制御部203は、分布領域の境界を表す線を表示させてもよい。
【0053】
つぎに、受付部204は、分布領域の制御情報を受け付けたかを判断する(ステップS204)。受付部204は、分布領域の指定を受け付けて、指定された分布領域に含まれる移動体21に対する制御情報を受け付ける。分布領域の制御情報を受け付けていない場合(ステップS204:No)、情報処理装置20は、ステップS201へ戻る。例えば、前回移動体の位置を取得してから所定時間経過した場合に、情報処理装置20は、ステップS201へ戻ってもよい。
【0054】
一方、分布領域の制御情報を受け付けた場合(ステップS204:Yes)、制御部205は、受け付けた制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体21を制御する(ステップS205)。ステップS205において、制御情報が、移動体21が実行すべき作業を示す場合、制御部205は、受け付けた制御情報が示す作業の実行を、分布領域に含まれる移動体21に指示する。ステップS205において、制御情報が移動体21の新たな分布領域を示す場合、制御部205は、受け付けた制御情報が示す分布領域となる位置への移動を、分布領域に含まれる移動体21に指示する。
【0055】
ステップS205のつぎに、情報処理装置20は、ステップS201へ戻る。これにより、所定時間ごとに、密度の分布領域の表示が更新される。
【0056】
<移動体21の活動範囲>
図4の説明に戻って、取得部201は、複数の移動体21の各々の単位時間の活動範囲を取得してもよい。単位時間は、特に限定されない。例えば、単位時間は、利用者によって指定可能であってもよい。活動範囲は、例えば、緯度および経度によって表されてもよいし、所定の範囲における座標値によって表されてもよい。活動範囲は、例えば、移動体21が撮影した画像によって表されてもよい。このように、活動範囲の表し方は、特に限定されない。
【0057】
また、移動体21は、例えば、時刻別に、移動体21の位置の情報を記憶しておいてもよい。そして、移動体21は、所定時間ごとに、単位時間当たりの活動範囲を特定して、情報処理装置20に対して、活動範囲の情報を送信してもよい。そして、取得部201は、所定時間ごとに、移動体21から、単位時間の活動範囲を受信する。
【0058】
または、例えば、取得部201は、移動体21の位置から所定範囲内の領域を単位時間の活動範囲として取得してもよい。移動体21は、情報処理装置20に対して、所定時間ごとに、最新の移動体21の位置を送信してもよい。そして、取得部201は、最新の移動体21の位置から所定範囲内の領域を単位時間の活動範囲として取得してもよい。
【0059】
また、取得部201は、ディジタルツインにおいて、シミュレーション装置などによってシミュレーションされた複数の移動体21の各々の単位時間当たりの活動範囲を取得してもよい。すなわち、取得部201は、シシミュレーション装置によるミュレーション結果から、複数の移動体21の予測の単位時間の活動範囲の情報を取得してもよい。なお、情報処理装置20が、ディジタルツインにおけるシミュレーションの機能を有していてもよい。
【0060】
記憶部206は、例えば、移動体21別に、移動体識別情報と、取得された活動範囲の情報と、を対応付けて記憶する。
【0061】
特定部202は、取得された活動範囲を移動体21の分布領域として特定する。表示制御部203は、分布領域を含む分布状態を表示させる。
【0062】
図10は、移動体21の単位時間の活動範囲である分布領域を表示させる例を示す説明図である。分布領域は、移動体21が単位時間内で活動する活動範囲である。図10において、分布領域を楕円形で表されているが、これに限らない。例えば、分布領域は、四角形や不定形によって表されてもよい。
【0063】
また、図4の説明に戻って、表示制御部203は、活動範囲が重なる場合、分布領域を重畳して表示させてもよい。
【0064】
受付部204は、分布領域の指定、および指定された分布領域に対応する移動体21に対する制御情報を受け付ける。また、分布領域を重畳して表示させる場合、受付部204は、重なる部分領域の指定、および、指定された重なる部分領域を含む分布領域に対応する移動体21に対する制御情報を受け付けてもよい。
【0065】
図11は、分布領域が重なる場合の表示および移動の例を示す説明図である。図11において、3台の移動体21がある。図11において、各移動体21の活動範囲を分布領域とした場合に、分布領域a4と分布領域a5と分布領域a6とがある。また、一部の分布領域が重なっている。表示制御部203は、例えば、各分布領域のうち重畳している部分領域の色が濃くなるように分布領域を表示させている。表示制御部203は、部分領域に含まれる移動体21の数が多いほど、色が濃くなるように分布領域を表示させている。例えば、部分領域b1と、部分領域b2とがある。部分領域b1と部分領域b2のそれぞれに含まれる移動体の数は、2台である。このため、分布領域a4のうち、部分領域b1以外の部分は、部分領域b1よりも色が薄く表示されている。例えば、各分布領域に、移動体21の進行方向も併せて図示されてもよい。
【0066】
例えば、図11において、受付部204は、分布領域a5と分布領域a6とが重なった部分領域b2が指定された場合、指定された部分領域b2を含むそれぞれの分布領域a5,a6に含まれる移動体21に対する、分布領域a5,a6の移動を示す制御情報を受け付けてもよい。制御部205は、制御情報に従って、2台の移動体21に対して、新たな分布領域a5,a6となるように位置の移動を指示する。これにより、2台の移動体21の位置および活動範囲を移動させることができる。
【0067】
ここで、ある領域における掃除が作業として割り当てられている場合を例に挙げて移動体21の動作を説明する。各移動体21は、ある範囲における掃除を自律的に行う。例えば、ある領域内において活動範囲の移動指示がされた場合、各移動体21は、指示された位置に移動してその位置および活動範囲における掃除を優先的に行う。そして、各移動体21は、指示された活動範囲における掃除が終了後、元々割り当てられていた作業を終了させるために、各々自律的に掃除を行ってもよい。このため、指示された活動範囲における掃除が終了後、移動体21は、その活動範囲以外の位置に移動してもよい。
【0068】
図12は、分布領域が重なる場合の表示および拡大の例を示す説明図である。図12において、図11と同様に、3台の移動体21がある。受付部204は、分布領域a5と分布領域a6とが重なる部分領域b2の指定を受け付ける。さらに、受付部204は、指定された部分領域b2(矢印で示す領域)を含む分布領域a5,a6のそれぞれに対応する移動体21に対する、分布領域の拡大を示す制御情報を受け付けてもよい。制御部205は、制御情報に従って、2台の移動体21に対して、新たな分布領域a5,a6となるように位置の移動および活動範囲の拡大を指示する。
【0069】
また、図示しないが、受付部204は、指定された部分領域を含む分布領域に対応する移動体21に対する分布領域の縮小を示す制御情報を受け付けてもよい。そして、制御部205は、制御情報に従って、2台の移動体21が新たな分布領域となるように、2台の移動体21に対して、位置の移動および活動範囲の縮小を指示してもよい。
【0070】
また、図示しないが、受付部204は、他の分布領域と重複しない部分領域の指定、および指定された部分領域を含む分布領域に対応する移動体の活動範囲に対する移動、拡大、または縮小を示す制御情報を受け付けてもよい。制御部205は、制御情報に従って、指定された部分領域を含む分布領域に対応する移動体への移動を指示する。
【0071】
<活動範囲に関するフロー>
図13は、実施の形態2にかかる情報処理装置20の動作例2を示すフローチャートである。取得部201は、所定時間ごとに、各移動体21の活動範囲を取得する(ステップS211)。つぎに、取得部201は、移動体21の活動範囲を分布領域として特定する(ステップS212)。
【0072】
そして、表示制御部203は、各分布領域を含む分布状態を表示させる(ステップS213)。ステップS213において、表示制御部203は、分布領域が重なる場合、分布領域を重畳して表示させる。例えば、ステップS213において、表示制御部203は、重畳された部分領域を強調して表示させてもよい。
【0073】
つぎに、受付部204は、分布領域の制御情報を受け付けたかを判断する(ステップS214)。ステップS214において、受付部204は、分布領域の指定を受け付けて、指定された分布領域に含まれる移動体21に対する制御情報を受け付ける。受付部204は、複数の分布領域が重複した領域の指定を受け付けてもよい。分布流域の制御情報を受け付けていない場合(ステップS214:No)、情報処理装置20は、ステップS211へ戻る。ここで、例えば、前回活動範囲を取得してから所定時間経過した場合に、情報処理装置20は、ステップS211へ戻ってもよい。
【0074】
一方、分布領域の制御情報を受け付けた場合(ステップS214:Yes)、制御部205は、受け付けた制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体21を制御する(ステップS215)。移動体21の分布領域が重複する領域の指定を受け付けた場合、制御部205は、制御情報に従って、重複した領域を含む各分布領域に対応する移動体21を制御する。ステップS215において、制御情報が、移動体21が実行すべき作業を示す場合、制御部205は、受け付けた制御情報が示す作業の実行を、分布領域に対応する移動体21に指示する。ステップS215において、制御情報が移動体21の新たな分布領域を示す場合、制御部205は、受け付けた制御情報が示す分布領域となる位置への移動を、分布領域に対応する移動体21に指示する。
【0075】
ステップS215のつぎに、情報処理装置20は、ステップS211へ戻る。これにより、所定時間間隔ごとに、密度についての分布領域を含む分布状態の表示が更新される。
【0076】
つぎに、実施の形態2の効果について説明する。情報処理装置20は、各移動体21の位置に基づいて、移動体21の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。そして、情報処理装置20は、分布領域を含む分布状態を表示させる。そして、情報処理装置20は、分布領域に含まれる移動体21に対する制御情報を受け付けて、制御情報に従って、指定された分布領域に含まれる移動体21を制御する。これにより、利用者は、移動体21の密集度を容易に把握することができ、かつ分布領域に含まれる移動体21に対して一括で指示を出すことができる。
【0077】
また、情報処理装置20は、異なる密度において分布領域が重なる場合、分布領域を重畳して表示させる。これにより、情報処理装置20は、異なる密度の分布領域をヒートマップのように表示させることができる。また、情報処理装置20は、分布領域を重畳して表示させる場合、分布領域の境界を表す線を表示させてもよい。これにより、分布領域の境界を容易に把握することができる。
【0078】
また、情報処理装置20は、複数の移動体21の各々の単位時間の活動範囲を分布領域として特定し、活動範囲が重なる場合、分布領域を重畳して表示させる。情報処理装置20は、分布領域の指定、および分布領域に対応する移動体21に対する制御情報を受け付け、複数の分布領域が重なった領域が指定された場合、制御情報に従って、重なった領域を含むそれぞれの分布領域に対応する移動体21を制御する。これにより、利用者は、移動体21の活動範囲を容易に把握することができ、かつ分布領域が重なった部分領域に含まれる移動体21に対して一括で指示を出すことができる。
【0079】
また、制御情報は、移動体21が実行すべき作業を示す。そして、情報処理装置20は、受け付けた制御情報に示される作業の実行を、分布領域に含まれる移動体21に指示する。これにより、利用者は、移動体21の作業を容易に変更することができる。
【0080】
また、制御情報は、移動体21の新たな分布領域を示す。そして、情報処理装置20は、受け付けた制御情報に示される分布領域となる位置への移動を、分布領域に含まれる移動体21に指示する。これにより、利用者は、移動体21の位置や活動範囲を容易に変更することができる。
【0081】
実施の形態2については上述した例に限られず、種々変更可能である。例えば、情報処理装置20は、複数の装置によって実現されてもよい。また、特定部202は、取得された活動範囲に基づいて、移動体21の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。
【0082】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態3では、移動体の所定の属性の属性値別に、移動体の分布状態を表示させる例を示す。また、実施の形態3では、作業ごとの進捗状況を分布状態と共に表示させる例を説明する。以下、本実施の形態3の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0083】
図14は、実施の形態3にかかるシステムの一例を示す説明図である。システム3は、情報処理装置30と、移動体31-1と、移動体31-2と、移動体31-3と、を有する。情報処理装置30と、移動体31-1と、移動体31-2と、移動体31-3と、は、通信ネットワーク32を介して接続される。例えば、移動体31-1と、移動体31-2と、移動体31-3とは、所定の属性の属性値がそれぞれ異なる。例えば、所定の属性とは、特に限定されない。属性は、移動体31に割り当てられた作業であってもよい。属性は、移動体31が対応可能なセキュリティレベルであってもよい。所定の領域の部分領域は、セキュリティレベルが定められていてもよい。そして、各移動体31が、いずれのセキュリティレベルの領域に侵入可能であるかが定められてもよい。例えば、移動体31のセキュリティレベルに応じて、移動体31は、所定の領域のうちの移動可能な範囲が定められてもよい。属性は、移動体31の残可動時間や残電池量、移動体31に割り当てられた作業の進捗率であってもよい。
【0084】
図14において、属性の属性値がそれぞれ異なる移動体31-1~31-3を例に挙げているが、これに限らない。また、図示しないが、移動体31-1~31-3のそれぞれと同じ属性値の移動体31が複数いてもよい。
【0085】
図15は、実施の形態3にかかる情報処理装置30の一構成例を示すブロック図である。情報処理装置30は、取得部301と、特定部302と、表示制御部303と、受付部304と、制御部305と、記憶部306と、属性受付部307と、分類部308と、作業状況取得部309と、を有する。情報処理装置30は、実施の形態2から属性受付部307と、分類部308と、が新たに追加される。取得部301と、特定部302と、表示制御部303と、受付部304と、制御部305とは、それぞれ実施の形態1,2で説明した取得部101,201と、特定部102,202と、表示制御部103,203と、受付部104,204と、制御部105,205と、を基本機能として有する。記憶部306は、実施の形態2で説明した記憶部206を基本機能として有する。
【0086】
属性受付部307は、入力装置を介して、表示の属性を受け付ける。属性受付部307は、利用者によって表示の属性が指定される場合に用いられる。なお、情報処理装置30が属性受付部307を有さず、表示の属性は、予め決められていてもよい。
【0087】
取得部301は、各移動体31から、移動体31の活動範囲の他に、移動体31の残電池量、移動体31に割り当てられた作業の内容、移動体31に割り当てられた作業の進捗状況を取得する。なお、取得部301は、各移動体31から、属性受付部307によって受け付けた条件および状態の少なくともいずれかに必要な情報を取得してもよい。
【0088】
分類部308は、移動体31の属性の属性値別に、移動体31を分類する。属性は、移動体に割り当てられた条件を表す属性であってもよい。属性は、例えば、移動体31に割り当てられた作業、移動体31のセキュリティレベルなどに関する条件である。また、属性は、移動体の状態を表す属性であってもよい。属性は、例えば、移動体31の残可動時間や移動体31の残電池量、移動体31に割り当てられた作業の進捗率などに関する状態である。ここで、属性として、移動体31に割り当てられた作業を例に挙げて説明する。ここで、作業は、掃除、消毒、草むしり、写真撮影、案内など、特に限定されない。
【0089】
図16は、異なる作業が割り当てられた各移動体31の配置の一例を示す説明図である。図16において、理解の容易化のために、同一作業が割り当てられた移動体31には、同一の符号を付してある。例えば、作業Xが割り当てられた移動体31-1は、6台である。作業Yが割り当てられた移動体31-2は2台であり。作業Zが割り当てられた移動体31-3は3台である。
【0090】
図15の説明に戻って、特定部302は、属性の属性値別に、移動体31の分布領域を特定するすなわち、特定部302は、分類結果に基づいて、分布領域を特定する。
【0091】
例えば、属性が進捗率の場合、特定部302は、進捗率別に、移動体31の分布領域を特定する。より具体的に説明すると、特定部302は、進捗率を0-30%、31-80%、81%以上などのように、進捗率を所定の範囲で区切ってもよい。より詳細に、密度が所定密度以上の範囲を分布領域とする場合を例に挙げて説明する。特定部302は、進捗率が0-30%の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。特定部302は、進捗率が31-80%の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。特定部302は、進捗率が81%以上の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。
【0092】
例えば、属性が残電池量の場合、特定部302は、残電池量別に、移動体31の分布領域を特定する。より具体的に説明すると、残電池量は、残電池量の割合(%)によって区切られてもよいし、高、中、低などのように区切られてもよい。例えば、特定部302は、残電池量を、20%未満、20%以上などのように区切ってもよい。より詳細に、密度が所定密度以上の範囲を分布領域とする場合を例に挙げて説明する。特定部302は、20%未満の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。特定部302は、20%以上の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。
【0093】
例えば、属性がセキュリティレベルの場合、特定部302は、セキュリティレベル別に、移動体31の分布領域を特定する。例えば、セキュリティレベルは、高、中、低などのように表されてもよい。密度が所定密度以上の範囲を分布領域とする場合を例に挙げて説明する。特定部302は、セキュリティレベルが高の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。特定部302は、セキュリティレベルが中の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。特定部302は、セキュリティレベルが低の移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。
【0094】
例えば、属性が作業の場合、特定部302は、作業別に、移動体31の分布領域を特定する。より具体的に、作業Xから作業Zまであり、密度が所定密度以上の範囲を分布領域とする場合、特定部302は、作業Xが割り当てられた移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。そして、特定部302は、作業Yが割り当てられた移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。さらに、特定部302は、作業Zが割り当てられた移動体31の密度が所定密度以上の範囲を分布領域として特定する。また、図16および活動範囲を分布領域として特定する場合を例に挙げて説明する。特定部302は、作業Xが割り当てられた6台の移動体31の活動範囲に基づいて、分布領域を特定する。そして、特定部302は、作業Yが割り当てられた2台の移動体31の活動範囲に基づいて、分布領域を特定する。特定部302は、作業Zが割り当てられた3台の移動体31の活動範囲に基づいて、分布領域を特定する。
【0095】
つぎに、表示制御部303は、属性値別に異なる表示態様で、特定された分布領域を表示させる。異なる表示態様とは、例えば、色、パターン、線などが異なることである。例えば、表示制御部303は、分布領域の境界を表す線を表示させる場合、境界の線の種類や線の太さが、属性値別に異なっていてもよい。また、属性が作業であり、色が異なるように表示させる場合、表示制御部303は、作業Xについての分布領域の色を青色、作業Yについての分布領域の色を緑色、作業Zについての分布領域の色をピンク色にして各分布領域を表示させてもよい。
【0096】
図17は、作業別の分布状態の表示例を示す説明図である。図17において、例えば、表示制御部303は、作業別に、異なるパターンで分布領域を表示させている。そして、例えば、表示制御部303は、分布領域に含まれる移動体31の数が多いほど、色が濃くなるように分布領域を表示させている。
【0097】
受付部304は、作業Xが割り当てられた右上の分布領域の指定を受け付ける。受付部304は、指定された分布領域に含まれる移動体31が新たに実行すべき作業を示す制御情報を受け付ける。そして、制御部305は、制御情報に従って、指定された分布領域に含まれる移動体31に対して、新たに実行すべき作業を指示する。これにより、作業Xが割り当てられていた2台の移動体31は、新たに作業Zが割り当てられている。
【0098】
<作業進捗状況の表示>
作業状況取得部309は、作業ごとに、所定の範囲における進捗状況を取得する。具体的に、作業状況取得部309は、進捗状況の情報を取得する。例えば、情報処理装置30と異なる装置が、各移動体31の進捗状況などに基づいて、各作業の進捗状況を推定してもよい。作業状況取得部309は、その装置から、進捗状況の情報を取得する。進捗状況の情報は、例えば、作業の進捗度合いなどの情報であってもよい。具体的に、例えば、各作業の進捗状況の情報は、ディジタルツインにおいて、シミュレーション装置などによってシミュレーションされたものであってもよい。例えば、進捗状況の情報は、前述の一つの層であってもよい。なお、情報処理装置30が、ディジタルツインにおけるシミュレーションの機能を有していてもよい。
【0099】
表示制御部303は、さらに、特定された分布領域と、取得された作業別の進捗状況と、を表示する。また、表示制御部303は、特定された分布領域と、指定された作業についての進捗状況を表示させてもよい。
【0100】
図18は、作業別の分布状態と、作業の進捗状況と、の表示例を示す説明図である。表示制御部303は、作業ごとに特定された分布領域と、作業Xの進捗状況と、を表示させる。
【0101】
これにより、作業Xにおいて、移動体31の分布領域と、進捗状況と、を合わせて確認することができる。図18において、進捗状況において、色が濃い領域ほど、作業Xの進捗率が高く、色が薄い領域ほど、作業Xの進捗率が低いことを示す。
【0102】
例えば、分布図における作業Zが割り当てられた移動体31の活動範囲に対応する作業Xの進捗状況における領域は、色が最も薄く、作業Xの進捗が他の領域よりも遅い。そこで、例えば、受付部304は、作業Zについての分布領域(矢印が重なっている領域)の指定を受け付ける。受付部304は、作業Zについての分布領域に含まれる移動体31が新たに実行すべき作業Xを示し、作業Zについての分布領域の新たな分布領域を示す制御情報を受け付ける。
【0103】
図19は、作業変更指示後の作業別の移動体31の分布状態と、進捗状況と、の表示例を示す説明図である。3台の移動体31に対して作業Xが割り当てられたため、作業Xについての分布領域に含まれる移動体31の数が9台になる。一方、作業Zが割り当てられた移動体31がなくなるため、作業Zについての分布領域はなくなる。このように、移動体31の分布領域と、進捗状況と、を合わせて確認することができるため、作業の進捗が遅い領域へ他の移動体31に作業を容易に依頼することができる。
【0104】
図20は、実施の形態3にかかる情報処理装置30の一動作例を示すフローチャートである。ここでは、移動体31の活動範囲を分布領域として特定する例を用いて説明する。また、属性として、作業を例に挙げて説明する。
【0105】
取得部301は、所定時間間隔ごとに、各移動体31の活動範囲、および割り当てられた作業を取得する(ステップS301)。作業状況取得部309は、作業進捗状況を求める装置から、作業別に、所定の領域の各位置における作業進捗状況を取得する(ステップS302)。
【0106】
分類部308は、作業別に、移動体31を分類する(ステップS303)。なお、ステップS303において、属性として作業別に、分類が行われる例を挙げるが、これに限らない。属性については、属性受付部307によって受け付けてもよい。
【0107】
特定部302は、作業別に、分類された移動体31の活動範囲に基づいて、移動体31の分布領域を特定する(ステップS304)。ステップS304において、特定部302は、作業別に、移動体31の活動範囲を分布領域として特定する。
【0108】
表示制御部303は、作業別の移動体の分布領域を含む分布状態と、指定された作業の作業進捗状況と、を表示させる(ステップS305)。ステップS305において、表示制御部303は、作業別に、移動体の分布領域が重複する場合、分布領域を重畳して表示させてもよい。ステップS305において、表示制御部303は、作業別に、異なる表示態様で分布領域を表示させる。ステップS305において、表示制御部303は、作業別の移動体の分布領域を含む分布状態と、指定された作業の作業進捗状況と、を一つの画面に表示させてもよい。または、ステップS305において、表示制御部303は、作業別の移動体の分布領域を含む分布状態と、指定された作業の作業進捗状況と、を異なる画面に表示させてもよい。例えば、表示制御部303は、作業別の移動体の分布領域を含む分布状態を表示させる画面と、作業進捗状況を表示させる画面と、を切り替え可能に表示させてもよい。
【0109】
受付部304は、分布領域の制御情報を受け付けたかを判断する(ステップS306)。受付部304は、分布領域の指定を受け付けて、指定された分布領域に含まれる移動体31に対する制御情報を受け付ける。分布領域の制御情報を受け付けていない場合(ステップS306:No)、情報処理装置30は、ステップS301へ戻る。例えば、前回活動範囲を取得してから所定時間経過した場合に、情報処理装置30は、ステップS301へ戻ってもよい。
【0110】
一方、分布の制御情報を受け付けた場合(ステップS306:Yes)、制御部305は、受け付けた制御情報に従って、分布領域に含まれる移動体31を制御する(ステップS307)。ステップS307において、制御情報が、移動体31が実行すべき作業を示す場合、制御部305は、受け付けた制御情報が示す作業の実行を、分布領域に含まれる移動体31に指示する。ステップS307において、制御情報が移動体31の新たな分布領域を示す場合、制御部305は、受け付けた制御情報が示す分布領域となる位置への移動を、分布領域に含まれる移動体31に指示する。ステップS307のつぎに、情報処理装置30は、ステップS301へ戻る。
【0111】
つぎに、実施の形態3の効果について説明する。情報処理装置30は、属性の属性値別に、移動体31の分布領域を特定し、属性値別に異なる表示態様で、特定された分布領域を表示させる。これにより、利用者は、属性値別に、移動体31の分布状態を把握することができる。例えば、作業別に、移動体31の分布が表示される場合、利用者は、各作業を実行する移動体31の分布状態を容易に把握することができる。例えば、進捗率別に、移動体31の分布状態が表示される場合、利用者は、進捗率に応じた分布領域を把握でき、進捗率に応じた指示を出すことができる。例えば、利用者は、進捗率が高い分布領域に対して、進捗率が低い分布領域の位置への移動を指示することができる。
【0112】
また、情報処理装置30は、作業の進捗の情報を取得し、特定された分布領域と共に、作業の進捗を表示させる。例えば、作業の進捗が遅れている場所に対して、移動体31を移動させてもよい。また、例えば、情報処理装置30は、作業の進捗が進んでいる場所にいる移動体31に対して、作業の進捗が遅れている場所への移動を指示してもよい。これにより、利用者は、移動体31の分布状態を把握しつつ、作業の進捗状況を見ながら、移動体31に対して指示を容易に出すことができる。
【0113】
実施の形態3については上述した例に限られず、種々変更可能である。例えば、情報処理装置30は、図15に示した各機能部のすべてを含まなくてもよい。例えば、情報処理装置30は、作業状況を表示させない場合、作業状況取得部309を有していなくてもよい。例えば、情報処理装置30は、属性が予め決まっている場合、属性受付部307を有していなくてもよい。例えば、情報処理装置30は、図15に示した機能部以外の機能部を含んでいてもよい。ここで、実施の形態3の変形例を説明する。
【0114】
<変形例1>
例えば、移動体31の属性の属性値別に分布領域が特定される際に、表示対象となる分布領域が指定されてもよい。例えば、作業別に、分布領域が特定される場合、情報処理装置30が、作業の指定を受け付ける表示指定受付部(図示しない)を有していてもよい。そして、表示制御部303は、複数の作業のうち、指定された作業について、特定された分布領域を表示させてもよい。例えば、作業Xと作業Yと作業Zがある場合に、作業Xと作業Yの指定を受け付けて、表示制御部303は、作業Xと作業Yについての分布領域を表示させてもよい。これにより、大量の分布領域がある場合に、利用者は、分布状態が見やすくなる。
【0115】
以上で、各実施の形態の説明を終了する。
【0116】
(コンピュータ装置)
つぎに、各情報処理装置や各移動体をコンピュータ装置で実現した場合のハードウェア構成例について説明する。図21は、コンピュータ装置のハードウェア構成例を示す説明図である。上述した実施の形態2,3で説明した20,30、移動体21,31などの各装置における各構成要素の一部又は全部は、例えば、図21に示すコンピュータ装置40とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。
【0117】
コンピュータ装置40は、例えば、プロセッサ401と、ROM402と、RAM403と、記憶装置404と、通信インターフェース405と、入出力インターフェース406と、を有する。各構成部は、バス407を介してそれぞれ接続される。
【0118】
プロセッサ401は、コンピュータ装置40の全体を制御する。プロセッサ401は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などが挙げられる。コンピュータ装置40は、記憶部として、ROM402、RAM403および記憶装置404などを有する。記憶装置404は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDなどが挙げられる。例えば、記憶装置404はOS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラムなどを記憶する。または、ROM402は、アプリケーションプログラムを記憶する。そして、RAM403は、プロセッサ401のワークエリアとして使用される。
【0119】
また、プロセッサ401は、記憶装置404、ROM402などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ401は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、プロセッサ401は、通信ネットワーク42を介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、プロセッサ401は、コンピュータ装置40の一部または全部として機能する。そして、プロセッサ401は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0120】
通信インターフェース405は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワーク42に接続される。これにより、コンピュータ装置40は、通信ネットワーク42を介して外部の装置や外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース405は、通信ネットワーク42とコンピュータ装置40の内部とのインターフェースを司る。そして、通信インターフェース405は、外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0121】
また、入出力インターフェース406は、入力装置、出力装置、および入出力装置の少なくともいずれかに接続される。接続方法は、無線であってもよいし、有線であってもよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、マイクなどが挙げられる。出力装置は、例えば、表示装置、点灯装置、音声を出力するスピーカなどが挙げられる。また、入出力装置は、タッチパネルディスプレイなどが挙げられる。なお、入力装置、出力装置、および入出力装置などは、コンピュータ装置に内蔵されていてもよいし、外付けであってもよい。
【0122】
図21に示すコンピュータ装置40のハードウェア構成は一例である。コンピュータ装置40は、図21に示す一部の構成要素を有していなくてもよい。コンピュータ装置40は、図21に示す以外の構成要素を有していてもよい。コンピュータ装置40は、図示しない装置を有していてもよい。例えば、コンピュータ装置40は、撮像装置としてカメラを有していてもよい。また、コンピュータ装置は、各種センサなどを有していてもよい。センサは、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、加速度センサ、近接センサ、光センサなど特に限定されない。例えば、コンピュータ装置40は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、プロセッサ401は、ドライブ装置などに装着された記録媒体からRAM403にプログラムやデータを読み出してもよい。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0123】
また、コンピュータ装置40が、移動体21,31の場合、プロセッサ401とは別に、移動機能を制御するための装置などを有していてもよい。
【0124】
以上で、各装置のハードウェア構成例の説明を終了する。また、各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、システムは、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0125】
また、情報処理装置や移動体などの各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、システムの一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプロセッサなどを含む汎用の回路によって実現されてもよい。また、システムの一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
【0126】
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0127】
各実施の形態で説明した方法は、コンピュータ装置が実行することにより実現される。また、方法は、予め用意されたプログラムをコンピュータ装置が実行することにより実現される。各実施の形態で説明したプログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、本プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、通信ネットワーク42を介して配布されてもよい。
【0128】
以上説明した、各実施の形態におけるシステムの各構成要素は、図21に示すコンピュータ装置40のように、その機能をハードウェア的に実現されてもよい。または、各構成要素は、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアで実現されてもよい。
【0129】
以上、各実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。各開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本開示は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0130】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施の形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0131】
(付記1)
複数の移動体の各々の位置を取得する取得手段と、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定する特定手段と、
特定された前記分布領域を含む分布状態を表示させる表示制御手段と、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、制御手段と、
を備えるシステム。
【0132】
(付記2)
前記特定手段は、取得された前記位置に基づいて、前記移動体の密度が所定密度以上の範囲を前記移動体の分布領域として特定し、
前記受付手段は、前記分布領域の指定、および前記分布領域に含まれる移動体に対する前記制御情報を受け付け、
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報に従って、指定された前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
付記1に記載のシステム。
【0133】
(付記3)
前記表示制御手段は、異なる密度について前記分布領域が重なる場合、前記分布領域を重畳して表示させる、
付記2に記載のシステム。
【0134】
(付記4)
前記表示制御手段は、前記分布領域を重畳して表示させる場合、前記分布領域の境界を示す線を表示させる、
付記3に記載のシステム。
【0135】
(付記5)
前記取得手段は、前記複数の移動体の各々の単位時間の活動範囲を取得し、
前記特定手段は、前記活動範囲を前記分布領域として特定し、
前記受付手段は、前記分布領域の指定、および前記分布領域に含まれる移動体に対する前記制御情報を受け付け
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報に従って、指定された前記分布領域に対応する移動体を制御する、
付記1に記載のシステム。
【0136】
(付記6)
前記表示制御手段は、前記活動範囲が重なる場合、前記分布領域を重畳して表示させ、
前記制御手段は、前記分布領域が重なった部分が指定された場合、前記部分を含むそれぞれの分布領域に対応する移動体を制御する、
付記5に記載のシステム。
【0137】
(付記7)
前記制御情報は、移動体が実行すべき作業を示し、
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報に示される作業の実行を、前記分布領域に含まれる移動体に指示する、
付記1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【0138】
(付記8)
前記制御情報は、移動体の新たな分布領域を示し、
前記制御手段は、受け付けた前記制御情報が示す前記新たな分布領域となる位置への移動を、前記分布領域に含まれる移動体に指示する、
付記1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【0139】
(付記9)
前記特定手段は、所定の属性の属性値別に、前記移動体の分布領域を特定し、
前記表示制御手段は、前記属性値別に異なる表示態様で、特定された分布領域を表示させる、
付記1乃至8のいずれかに記載のシステム。
【0140】
(付記10)
作業の進捗の情報を取得する進捗取得手段、
を備え、
前記表示制御手段は、取得された前記進捗の情報に基づいて、前記進捗を表示させる、
付記1乃至9のいずれかに記載のシステム。
【0141】
(付記11)
前記複数の移動体、
を備える付記1乃至10のいずれかに記載のシステム。
【0142】
(付記12)
複数の移動体の各々の位置を取得し、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、
前記分布領域を含む分布状態を表示させ、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
方法。
【0143】
(付記13)
複数の移動体の各々の位置を取得し、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、
前記分布領域を含む分布状態を表示させ、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0144】
(付記14)
複数の移動体の各々の位置を取得する取得手段と、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定する特定手段と、
前記分布領域を含む分布状態を表示させる表示制御手段と、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、制御手段と、
を備える情報処理装置。
【0145】
(付記15)
複数の移動体の各々の位置を取得し、
取得された前記位置に基づいて、前記移動体の分布領域を特定し、
前記分布領域を表示させ、
前記分布領域に含まれる移動体に対する制御情報を受け付け、
受け付けた前記制御情報に従って、前記分布領域に含まれる移動体を制御する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する記録媒体。
【符号の説明】
【0146】
10 情報処理装置
20 情報処理装置
21 移動体
22 通信ネットワーク
30 情報処理装置
31 移動体
32 通信ネットワーク
101 取得部
102 特定部
103 表示制御部
104 受付部
105 制御部
201 取得部
202 特定部
203 表示制御部
204 受付部
205 制御部
206 記憶部
301 取得部
302 特定部
303 表示制御部
304 受付部
305 制御部
306 記憶部
307 属性受付部
308 分類部
309 作業状況取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21