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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137685
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/06 20060101AFI20220914BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20220914BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20220914BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20220914BHJP
【FI】
F21S8/06 200
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S8/04 320
F21V21/30 300
F21Y115:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037289
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
(57)【要約】
【課題】露出ボックス等の被取付部に取り付けられる照明器具であって、口出し線と電源線とを接続する配線作業が従来よりも容易となる照明器具を提案する。
【解決手段】照明器具は、被取付部に取り付けられるアームと、前記アームに取り付けられ、光源を保持する光源保持部と、を備え、前記アームは、前記被取付部に取り付けられる基部と、前記基部から第1方向に延び、前記光源保持部が取り付けられる取付部と、前記基部と前記取付部とを接続する接続部と、を備え、前記アームには、丸穴と、一方の端部が前記丸穴に連通し、前記丸穴の直径よりも小さな幅で、前記丸穴から前記取付部に向かって延びる長穴とが形成されており、前記長穴の少なくとも一部が前記接続部に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に取り付けられるアームと、
前記アームに取り付けられ、光源を保持する光源保持部と、
を備え、
前記アームは、
前記被取付部に取り付けられる基部と、
前記基部から第1方向に延び、前記光源保持部が取り付けられる取付部と、
前記基部と前記取付部とを接続する接続部と、
を備え、
前記アームには、丸穴と、一方の端部が前記丸穴に連通し、前記丸穴の直径よりも小さな幅で、前記丸穴から前記取付部に向かって延びる長穴とが形成されており、
前記長穴の少なくとも一部が前記接続部に配置されている照明器具。
【請求項2】
前記長穴における前記丸穴側の端部とは反対側の端部は、前記接続部に配置されている請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記接続部は、曲面となっている請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記アームは、前記基部、前記接続部及び前記取付部に接続されたフランジを備えている請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記長穴の幅は、4mmよりも大きく、雄ネジ部の直径が4mmのボルトの頭部の直径よりも小さく、
前記丸穴の直径は、前記頭部の直径よりも大きい請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井等に配置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の高所に配置される照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような照明器具は、露出ボックス等の被取付部に取り付けられる。また、このような照明器具は、被取付部に取り付けられる取付部材と、該取付部材に取り付けられ、光源を保持する光源保持部とを備えている。また、このような照明器具は、被取付部に取り付けられる取付部材に、貫通穴である取付用穴が形成されている。そして、該取付用穴に挿入されたボルトを被取付部に形成された雌ネジにねじ込むことにより、照明器具は、被取付部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2573820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具が取り付けられる露出ボックス等の被取付部には、予め、電力供給源から電源線が引き回されている。そして、照明器具の口出し線と電源線とを接続することにより、電力供給源から照明器具へ電力が供給されることとなる。このため、照明器具を被取付部に取り付ける際、照明器具を被取付部に取り付ける前に、まず、照明器具の口出し線と電源線とを接続する必要がある。照明器具の口出し線と電源線とを接続するこの配線作業の際、露出ボックス等の被取付部に取り付けられる従来の照明器具においては、一人の作業者が照明器具を保持し、該作業者とは別の作業者が当該配線作業を行わなければならなかった。すなわち、露出ボックス等の被取付部に取り付けられる従来の照明器具においては、複数人の作業者によって、口出し線と電源線とを接続する配線作業を行わなければならなかった。このため、露出ボックス等の被取付部に取り付けられる従来の照明器具は、口出し線と電源線とを接続する配線作業が煩雑であるという課題があった。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、露出ボックス等の被取付部に取り付けられる照明器具であって、口出し線と電源線とを接続する配線作業が従来よりも容易となる照明器具を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、被取付部に取り付けられるアームと、前記アームに取り付けられ、光源を保持する光源保持部と、を備え、前記アームは、前記被取付部に取り付けられる基部と、前記基部から第1方向に延び、前記光源保持部が取り付けられる取付部と、前記基部と前記取付部とを接続する接続部と、を備え、前記アームには、丸穴と、一方の端部が前記丸穴に連通し、前記丸穴の直径よりも小さな幅で、前記丸穴から前記取付部に向かって延びる長穴とが形成されており、前記長穴の少なくとも一部が前記接続部に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明器具のアームには、丸穴と該丸穴に連通する長穴によって構成される所謂だるま穴が形成されている。そして、このだるま穴の長穴の少なくとも一部は、アームの接続部に配置されている。このため、本開示に係る照明器具においては、照明器具を取り付ける際に用いられるボルトを被取付部に取り付け、該ボルトをだるま穴の丸穴に通し、該ボルトをだるま穴の長穴に挿入することにより、ボルトの頭部が長穴の周辺に引っ掛かる。これにより、本開示に係る照明器具は、被取付部とアームとの間に口出し線と電源線とを接続する配線作業のできるスペースが確保された状態で、被取付部に取り付けられたボルトに保持された状態となる。このため、本開示に係る照明器具の場合、一人の作業者によって口出し線と電源線とを接続する配線作業を行うことができる。したがって、本開示に係る照明器具は、口出し線と電源線とを接続する配線作業が従来よりも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る照明器具の斜視図である。
図2】本実施の形態に係る照明器具の側面図である。
図3】本実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。
図4】本実施の形態に係る照明器具のアームを示す斜視図である。
図5】本実施の形態に係る照明器具のアームを示す平面図である。
図6】本実施の形態に係る照明器具のアームを横方向Xに観察した側面図である。
図7】本実施の形態に係る照明器具のアームを横方向Yに観察した側面図である。
図8図6のA矢視図である。
図9】本実施の形態に係る照明器具が取り付けられる露出ボックスを示す底面図である。
図10】本実施の形態に係る照明器具が取り付けられる露出ボックスを示す斜視図である。
図11】本実施の形態に係る照明器具の露出ボックスへの取り付け方法を説明するための斜視図である。
図12】本実施の形態に係る照明器具の露出ボックスへの取り付け方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施の形態において、本開示に係る照明器具の一例を説明する。なお、以下の実施の形態では、露出ボックス等の被取付部の下面に取り付けられる際の姿勢となっている本開示に係る照明器具の一例を観察しながら、本開示に係る照明器具の一例について説明する。また、以下の実施の形態では、上下方向を、上下方向Zとする。また、上下方向Zと垂直な横方向を、横方向Xとする。また、上下方向Z及び横方向Xと垂直な横方向を、横方向Yとする。なお、これらの方向は、本開示に係る照明器具を限定するものではない。
【0010】
実施の形態.
図1は、本実施の形態に係る照明器具の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具の側面図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。図4は、本実施の形態に係る照明器具のアームを示す斜視図である。図5は、本実施の形態に係る照明器具のアームを示す平面図である。図6は、本実施の形態に係る照明器具のアームを横方向Xに観察した側面図である。図7は、本実施の形態に係る照明器具のアームを横方向Yに観察した側面図である。図8は、図6のA矢視図である。
【0011】
照明器具1は、露出ボックス等の被取付部に取り付けられるアーム100と、アーム100に取り付けられた光源保持部210とを備えている。アーム100には貫通穴である取付用穴111が形成されており、アーム100は取付用穴111を用いて被取付部に取り付けられる。光源保持部210は、光源230を保持するものである。光源230は照明器具1の構成要素でなくてもよいが、本実施の形態では、光源230は、照明器具1の構成要素として、後述のように光源保持部210と共に光源ユニット200を構成している。また、照明器具1は、光源保持部210をアーム100に固定するボルト10を備えている。すなわち、光源保持部210は、ボルト10によってアーム100に取り付けられている。
【0012】
アーム100は、基部110と取付部120とを備えている。基部110は、被取付部に取り付けられる箇所であり、例えば板状部材で形成されている。基部110は、平面部の法線が上下方向Zを向いている。取付部120は、光源保持部210が取り付けられる箇所であり、例えば板状部材で形成されている。取付部120は、基部110から第1方向に延びている。なお、本実施の形態では、上下方向Zが第1方向となっている。より詳しくは、取付部120は、基部110の横方向Yの端部から下方に延びている。また、本実施の形態では、アーム100は、一対の取付部120を備えている。すなわち、一対の取付部120は、横方向Yに対向している。そして、アーム100は、略U字形状となっている。
【0013】
また、本実施の形態に係るアーム100は、基部110と取付部120とを接続する接続部130を備えている。本実施の形態では、接続部130は、曲面となっている。これにより、アーム100が振動した時等に接続部130に発生する応力集中を緩和することができる。
【0014】
アーム100の基部110には、貫通穴である取付用穴111が形成されている。取付用穴111には、被取付部に基部110を取り付けるためのボルトが挿入される。具体的には、取付用穴111に挿入されたボルトを被取付部の雌ネジにねじ込むことにより、基部110は被取付部に取り付けられる。本実施の形態では、基部110には、4つの取付用穴111が形成されている。また、各取付用穴111は、長穴形状となっている。また、4つの取付用穴111のうちの2つには、だるま穴112の長穴部分が連通している。これにより、照明器具1を被取付部に取り付ける際、被取付部の雌ネジにねじ込まれたボルトの頭部をだるま穴112の丸穴部分に通し、該ボルトをだるま穴112の長穴部分に挿入することで、照明器具1を被取付部に仮固定することができる。
【0015】
なお、本実施の形態に係るアーム100の基部110には、天井等に設けられた吊りボルトへの照明器具1の取り付けも可能とするため、吊りボルトが挿入される取付用穴113も形成されている。本実施の形態では、基部110には、2つの取付用穴113が形成されている。また、基部110には、配線穴114が形成されている。配線穴114には、光源保持部210の口出し線214が挿入される。電力供給源に接続されている電源線と口出し線214とを接続することにより、電力供給源から照明器具1の光源保持部210へ電力が供給されることとなる。なお、本実施の形態では、配線穴114が円形状となっている。このため、断面円形状の口出し線214を配線穴114に挿入することにより、口出し線214で配線穴114を塞ぐことができる。これにより、例えば、被取付部が露出ボックスの場合、露出ボックス内に配置されている電源線等が配線穴114から露出ボックス外へ露出することを抑制できる。
【0016】
アーム100の取付部120は、下部に、光源保持部210が取り付けられる。取付部120の下部には、第1方向に対して傾く第2方向に延びる長穴122が形成されている。第1方向に対して傾く第2方向は、第1方向と直交する方向を含む。本実施の形態では、第1方向である上下方向Zに直交する横方向Xが、第2方向となっている。また、本実施の形態では、長穴122を長く形成するため、アーム100は、下部に、横方向Xに突出する凸部121を備えている。長穴122は、光源保持部210を取付部120に取り付けるボルト10が挿入される箇所である。すなわち、取付部120に挿入されているボルト10は、長穴122の一方の端部である第1端部122aと長穴122の他方の端部である第2端部122bとの間を移動可能となっている。
【0017】
また、アーム100の取付部120には、基部110から離れる方向に長穴122の縁から凹む凹部123が形成されている。この凹部123は、光源保持部210をアーム100に固定する際にボルト10が挿入される箇所である。本実施の形態では、凹部123は、長穴122の第2端部122bに形成されている。具体的には、長穴122に挿入されたボルト10は、光源保持部210の後述する雌ネジ222にねじ込まれている。そして、アーム100を被取付部に取り付ける際、ボルト10を緩めて、ボルト10を長穴122の第1端部122aに移動させ、光源保持部210を退避させる。また、アーム100を被取付部に取り付けた後、ボルト10を長穴122の第2端部122b側に移動させ、凹部123に挿入する。そして、ボルト10を締めることにより、ボルト10の頭部と光源保持部210とで取付部120が挟み込まれ、光源保持部210は、使用される姿勢で、アーム100に固定される。本実施の形態では、長穴122から凹部123へボルト10が挿入しやすいように、凹部123は、長穴122の延びる方向と垂直な方向に対して、傾いて形成されている。
【0018】
また、アーム100の取付部120には、凹部123から放射状に延びる複数の刻印124が形成されている。ボルト10が凹部123に挿入されている際、ボルト10が締められる前の状態においては、光源保持部210は、ボルト10を回転中心として回転自在となっている。このため、ボルト10は、アーム100に対する光源保持部210の角度を照明器具1が使用される際の角度に調整後、締められることとなる。この際、光源保持部210に形成された後述の刻印223と刻印124とを合わせることにより、アーム100に対する光源保持部210の角度を視認でき、アーム100に対する光源保持部210の角度の調整が容易となる。
【0019】
アーム100には、だるま穴131が形成されている。このだるま穴131は、丸穴132と長穴133とで構成されている。丸穴132は、接続部130に形成されている。なお、基部110に丸穴132が形成されていてもよい。長穴133の幅Wは、丸穴132の直径Dよりも小さくなっている。また、長穴133は、一方の端部である第1端部133aが丸穴132と連通している。また、長穴133は、丸穴132から取付部120に向かって延びている。そして、長穴133の少なくとも一部は、接続部130に配置されている。なお、本実施の形態に係る長穴133においては、丸穴132側の端部である第1端部133aとは反対側の端部となる第2端部133bは、接続部130に配置されている。
【0020】
照明器具1を被取付部に取り付ける際、照明器具1を被取付部に取り付ける前に、まず、口出し線214と電源線とを接続する必要がある。この際、照明器具1を取り付ける際に用いられるボルトを被取付部に取り付け、該ボルトをだるま穴131の丸穴132に通し、該ボルトをだるま穴131の長穴133に挿入することにより、ボルトの頭部が長穴133の周辺に引っ掛かる。これにより、照明器具1は、被取付部とアーム100との間に口出し線214と電源線とを接続する配線作業のできるスペースが確保された状態で、被取付部に取り付けられたボルトに保持された状態となる。
【0021】
ここで、被取付部の1つである露出ボックスと照明器具との取り付けに用いられるボルトは、JIS C 8340において、M4のボルトと規定されている。M4のボルトとは、雄ネジ部の直径が4mmのボルトである。このため、だるま穴131に挿入されるボルトは、M4のボルトが多い。このため、だるま穴131は、M4のボルトに対応した大きさであることが好ましい。だるま穴131がM4のボルトに対応した大きさである場合、だるま穴131の長穴133の幅Wは、4mmよりも大きくなる。また、だるま穴131の長穴133の幅Wは、M4のボルトの頭部の直径よりも小さくなる。本実施の形態では、だるま穴131の長穴133の幅Wは、4.5mmとなっている。また、だるま穴131がM4のボルトに対応した大きさである場合、だるま穴131の丸穴132の直径Dは、M4のボルトの頭部の直径よりも大きくなる。なお、M4のボルトには、様々な形状の頭部を有するものが存在する。このため、M4のボルトの頭部の直径は、一義的には決まらない。本実施の形態では、丸穴132が大きくなりすぎて接続部130の強度が低下することを抑制するため、丸穴132の直径Dを10mmとしている。
【0022】
なお、本実施の形態では、2つの接続部130のうちの一方にのみ、だるま穴131を形成した。これに限らず、2つの接続部130の双方にだるま穴131を形成してもよい。この場合、各だるま穴131は、異なるサイズのボルトに対応した大きさであってもよい。
【0023】
また、アーム100は、基部110、接続部130及び取付部120に接続されたフランジ101を備えている。本実施の形態では、アーム100は、横方向X側の端部の両側に、フランジ101を備えている。フランジ101を設けることにより、アーム100の剛性が向上する。特に、だるま穴131が形成されている場合、接続部130の剛性が低下する。このため、だるま穴131が形成されている場合、フランジ101を設けることは特に有用である。また、フランジ101を設けることにより、アーム100にねじれ荷重が作用した際、アーム100のねじれを抑制することもできる。なお、フランジ101は、取付部120の一部に接続されていればよい。
【0024】
光源ユニット200は、光源230と、光源230を覆うカバー201と、光源230を保持する光源保持部210とを備えている。
【0025】
本実施の形態に係る光源230は、発光素子を用いたものとなっている。光源230は、基板231と、該基板231に実装された複数の発光素子232とを備えている。カバー201は、主部202及び鍔部203を備えている。主部202は、光源230を下方から覆うものであり、例えば、拡散性を有する材料で形成されている。鍔部203は、主部202の外周縁部から横方向に、主部202の外部へ向かって突出している。鍔部203は、例えば、後述するヒートシンク211のベース212に固定される。
【0026】
光源保持部210は、ヒートシンク211、天板215、柱部220、及び口出し線214を備えている。
【0027】
ヒートシンク211は、光源230から発せられる熱を放出するものであり、ベース212及び複数のフィン213を備えている。ベース212は、板状部材であり、下面に光源230の基板231が設けられている。複数のフィン213は、ベース212の上面に設けられている。本実施の形態では、アルミ製の板材をプレス加工して、ベース212とフィン213とを一体成形している。なお、光源230から発せられる熱をベース212のみで十分に放出できる場合、フィン213を設けなくてもよい。
【0028】
天板215は、板状部材であり、ヒートシンク211の上方に配置されている。天板215は、ヒートシンク211のフィン213に照明器具1周辺の物が接触することを抑制している。また、天板215は、ヒートシンク211及び光源230等に埃が付着することを抑制している。また、天板215には、光源保持部210の剛性を確保する部品である複数の柱部220が接続されている。すなわち、天板215は、光源保持部210の剛性を確保する部品である複数の柱部220を連結する部品である。このため、天板215は、光源保持部210の剛性の確保にも寄与している。なお、従来の照明器具には、天板215とアーム100との間に電源が設けられたものが存在する。本実施の形態に係る照明器具1においても、天板215とアーム100との間に電源が設けられていてもよい。
【0029】
柱部220は、上述のように、光源保持部210の剛性を確保する部品である。柱部220は、鉄又はステンレス等、剛性の高い材料で形成されている。柱部220は、主部221、一対の側部224、上面部225、下面部226、及び保持部227を備えている。
【0030】
主部221は、矩形をしており、アーム100の取付部120の下部と対向する位置に配置されている。主部221には、ボルト10がねじ込まれる雌ネジ222が形成されている。本実施の形態では、主部221を構成する板状部分に貫通穴を形成し、該貫通穴と対向する位置に配置されたナットを該板状部分に取り付けることにより、主部221に雌ネジ222を形成している。また、主部221には、アーム100に対する光源保持部210の角度調整の際に用いられる刻印223も形成されている。
【0031】
一対の側部224は、主部221の側方の端部から、光源保持部210の内部へ向かって突出している。一対の側部224は、柱部220のねじれを抑制する機能を果たしている。また、一対の側部224は、ヒートシンク211のベース212の外周縁周辺に設けられている。このため、照明器具1の揺れ等によって主部221が移動しようとした際、一対の側部224がヒートシンク211のベース212に当接し、主部221の移動を抑制する。
【0032】
上面部225は、主部221の上端部から、光源保持部210の内部へ向かって突出している。上面部225には、ネジ等の固定手段によって、天板215が固定される。下面部226は、主部221の下端部から、光源保持部210の内部へ向かって突出している。下面部226には、ネジ等の固定手段によって、ヒートシンク211のベース212が固定される。保持部227は、略L字形状に形成されており、主部221の下端部から、下面部226の下方まで突出している。保持部227の下部はカバー201の鍔部203の下方に配置されており、カバー201の落下を抑制している。
【0033】
口出し線214は、電力供給源から供給される電力を光源230に供給する電線である。口出し線214の一方の端部は、光源230に接続される。また、口出し線214の他方の端部は、電力供給源から被取付部まで引き回されている電源線に接続される。
【0034】
このように構成された照明器具1においては、光源保持部210の柱部220の雌ネジ222にねじ込まれたボルト10を締めることにより、柱部220の主部221とボルト10の頭部とによってアーム100の取付部120が挟み込まれ、アーム100に光源保持部210が固定される。また、光源保持部210の柱部220の雌ネジ222にねじ込まれたボルト10を緩めることにより、ボルト10がアーム100の取付部120の長穴122内を移動自在となる。これにより、光源保持部210は、長穴122の延びる方向である第2方向に移動自在となる。具体的には、本実施の形態では、光源保持部210は、横方向Xに移動自在となる。また、光源保持部210の柱部220の雌ネジ222にねじ込まれたボルト10を緩めることにより、光源保持部210は、ボルト10を回転中心として回転自在となる。
【0035】
したがって、被取付部にアーム100をボルトで固定する際、光源保持部210を長穴122の第1端部122a側に移動させ、当該位置で光源保持部210を回転させることにより、光源保持部210は、アーム100の取付用穴111の下方から退避した状態となる。このため、本実施の形態に係る照明器具1は、被取付部にアーム100をボルトで固定する際、電動ドリル等の工具が光源保持部210に干渉することを抑制できる。ここで、従来の照明器具は、電動ドリル等の工具が光源保持部に干渉することを抑制するため、被取付部に取り付けられるアーム等の取付部材と光源保持部との間隔を大きくする等の必要があり、大型化していた。一方、本実施の形態に係る照明器具1は、上述のように光源保持部210を退避させることにより、照明器具1の大型化を抑制しつつ、電動ドリル等の工具が光源保持部210に干渉することを抑制できる。
【0036】
続いて、被取付部の1つである露出ボックス1000に照明器具1を取り付ける際の取り付け方法について説明する。なお、以下では、まず、露出ボックス1000の構成について説明する。そして、その後に、露出ボックス1000に照明器具1を取り付ける際の取り付け方法について説明する。
【0037】
図9は、本実施の形態に係る照明器具が取り付けられる露出ボックスを示す底面図である。図10は、本実施の形態に係る照明器具が取り付けられる露出ボックスを示す斜視図である。
露出ボックス1000は、天井等に取り付けられる。露出ボックス1000の下面には、M4の雌ネジ1001が複数形成されている。この雌ネジ1001には、M4のボルト1020がねじ込まれる。すなわち、ボルト1020は、雄ネジ部1021がM4の雄ネジとなっている。また、露出ボックス1000には、下方に開口する収納部1002が形成されている。収納部1002には、電源線1011と照明器具1の口出し線214との接続部が収納される。
【0038】
また、露出ボックス1000には、配線管1010が接続される。配線管1010は、図示せぬ電力供給源から露出ボックス1000に引き回される電源線1011が収納されるものである。配線管1010に収納された電源線1011の端部は、露出ボックス1000から露出している。
【0039】
このように構成された露出ボックス1000への照明器具1の取り付けは、次のように行われる。
【0040】
図11及び図12は、本実施の形態に係る照明器具の露出ボックスへの取り付け方法を説明するための斜視図である。
露出ボックス1000へ照明器具1を取り付ける際、まず、電源線1011と照明器具1の口出し線214とを接続する配線作業が行われる。この配線作業は、図11に示すように行われる。具体的には、まず、露出ボックス1000の雌ネジ1001の1つに、ボルト1020をねじ込む。そして、このボルト1020の頭部1022を、アーム100に形成されただるま穴131の丸穴132に通す。そして、アーム100を移動させ、ボルト1020をだるま穴131の長穴133に挿入する。
【0041】
これにより、図11に示すように、ボルト1020の頭部1022がだるま穴131の長穴133周辺に引っ掛かる。そして、照明器具1が自重によって傾く。これにより、露出ボックス1000とアーム100との間に口出し線214と電源線1011とを接続する配線作業のできるスペースが確保された状態で、ボルト1020に照明器具1が保持された状態となる。このため、本実施の形態に係る照明器具1においては、一人の作業者によって口出し線214と電源線1011とを接続する配線作業を行うことができる。したがって、本実施の形態に係る照明器具1は、口出し線214と電源線1011とを接続する配線作業が従来よりも容易となる。なお、本実施の形態では、M4のボルト1020をだるま穴131の長穴133周辺に引っ掛け、口出し線214と電源線1011とを接続する配線作業を行った。しかしながら、M4のボルト1020は、だるま穴131の長穴133周辺に引っ掛けられるボルトの一例である。露出ボックス1000等の被取付部にねじ込まれるボルトがM4以外のボルトの場合、当該M4以外のボルトをだるま穴131の長穴133周辺に引っ掛け、口出し線214と電源線1011とを接続してもよい。
【0042】
ここで、上述のように、本実施の形態に係る長穴133においては、丸穴132側の端部である第1端部133aとは反対側の端部となる第2端部133bは、接続部130に配置されている。長穴133が取付部120にまで延び、第2端部133bが取付部120に配置されている場合、ボルト1020の頭部1022が、長穴133における取付部120に形成されている箇所周辺に引っ掛かる場合がある。この場合、照明器具1の傾きが図11に示す状態よりも大きくなる。このため、露出ボックス1000から引き出すことができる電源線1011の長さが短い場合、口出し線214と電源線1011との接続が若干難しくなる。一方、長穴133の第2端部133bが接続部130に配置されている場合、ボルト1020の頭部1022を長穴133周辺に引っ掛けた際、照明器具1の傾きが大きくなりすぎない。このため、長穴133の第2端部133bが接続部130に配置されている場合、口出し線214と電源線1011とを接続する配線作業がさらに容易となる。
【0043】
口出し線214と電源線1011とを接続した後、口出し線214と電源線1011との接続部を露出ボックス1000の収納部1002に収納する。そして、図12に示すように、アーム100の各取付用穴111に挿入されたボルト1020を露出ボックス1000の雌ネジ1001にねじ込むことにより、アーム100が露出ボックス1000に固定される。これにより、照明器具1は、露出ボックス1000に取り付けられた状態となる。
【0044】
以上、本実施の形態に係る照明器具1は、被取付部に取り付けられるアーム100と、アーム100に取り付けられ、光源230を保持する光源保持部210とを備えている。アーム100は、被取付部に取り付けられる基部110と、基部110から第1方向に延び、光源保持部210が取り付けられる取付部120と、基部110と取付部120とを接続する接続部130とを備えている。アーム100には、丸穴132と、一方の端部である第1端部133aが丸穴132に連通し、丸穴132の直径Dよりも小さな幅Wで、丸穴132から取付部120に向かって延びる長穴133とが形成されている。また、長穴133の少なくとも一部が接続部130に配置されている。
【0045】
このように構成された照明器具1においては、照明器具1を取り付ける際に用いられるボルトを被取付部に取り付け、該ボルトを丸穴132に通し、該ボルトを長穴133に挿入することにより、ボルトの頭部が長穴133の周辺に引っ掛かる。これにより、本実施の形態に係る照明器具1は、被取付部とアーム100との間に口出し線214と電源線とを接続する配線作業のできるスペースが確保された状態で、被取付部に取り付けられたボルトに保持された状態となる。このため、本実施の形態に係る照明器具1においては、一人の作業者によって口出し線214と電源線とを接続する配線作業を行うことができる。したがって、本実施の形態に係る照明器具1は、口出し線214と電源線とを接続する配線作業が従来よりも容易となる。
【符号の説明】
【0046】
1 照明器具、10 ボルト、100 アーム、101 フランジ、110 基部、111 取付用穴、112 だるま穴、113 取付用穴、114 配線穴、120 取付部、121 凸部、122 長穴、122a 第1端部、122b 第2端部、123 凹部、124 刻印、130 接続部、131 だるま穴、132 丸穴、133 長穴、133a 第1端部、133b 第2端部、200 光源ユニット、201 カバー、202 主部、203 鍔部、210 光源保持部、211 ヒートシンク、212 ベース、213 フィン、214 口出し線、215 天板、220 柱部、221 主部、222 雌ネジ、223 刻印、224 側部、225 上面部、226 下面部、227 保持部、230 光源、231 基板、232 発光素子、1000 露出ボックス、1001 雌ネジ、1002 収納部、1010 配線管、1011 電源線、1020 ボルト、1021 雄ネジ部、1022 頭部。
図1
図2
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図10
図11
図12