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特開2022-13769表面実装型ライト及び/又はカメラ、接続ピン、表面実装型ライト固定システム
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  • 特開-表面実装型ライト及び/又はカメラ、接続ピン、表面実装型ライト固定システム 図1
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  • 特開-表面実装型ライト及び/又はカメラ、接続ピン、表面実装型ライト固定システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013769
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】表面実装型ライト及び/又はカメラ、接続ピン、表面実装型ライト固定システム
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20220111BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20220111BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20220111BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F21V19/00 510
F16B21/08
F21V23/06
F21L4/00 621
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021102661
(22)【出願日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】10 2020 117 064.5
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510078676
【氏名又は名称】ヘルベルト ヴァルトマン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Herbert Waldmann GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エバーハルト
【テーマコード(参考)】
3J037
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3J037AA02
3J037DA02
3J037DB01
3J037DC01
3K013BA01
3K013EA09
3K014AA01
3K014HA03
(57)【要約】
【課題】
工具を使わずに機械の内部に取り付けることができ、振動や衝撃があっても取り付け具でしっかりと固定できる表面実装型ライト及び/又はカメラ。
【解決手段】
壁、特に機械の内壁に配置するための表面実装型ライト及び/又はカメラであって、前面側領域と、背面側領域と、側壁とを備えたハウジングと、少なくとも1つの光源及び/又は少なくとも1つのカメラと、を有し、背面側領域には、少なくとも1つの固定手段が配置される少なくとも1つの凹部が設けられ、凹部内の固定手段は、背面側領域に向かって傾斜するトラップを形成する表面実装型ライト及び/又はカメラが開示されいている。さらに、表面実装型ライト及び/又はカメラとの間の接続を確立するための接続ピン及び表面実装型ライト及び/又は表面実装型カメラ固定システムが開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(5)、特に機械の内壁に配置するための表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)であって、
前面側領域(12)と、背面側領域(14)と、側壁(13)とを備えたハウジング(10)と、
少なくとも1つの光源(50)及び/又は少なくとも1つのカメラ(60)と、
を有し、
前記背面側領域(14)には、少なくとも1つの固定手段(30)が配置される少なくとも1つの凹部(20)が設けられ、
前記凹部(20)内の前記固定手段(30)は、前記背面側領域(14)に向かって傾斜するトラップを形成する
表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項2】
前記固定手段(30)は、前記背面側領域(14)に向かって傾斜する前記トラップを形成する第1の部分(31)を有することを特徴とする請求項1に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項3】
前記固定手段(30)は、前記前面側領域(12)に面するアンダーカット(35)を形成する第2の部分(32)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項4】
前記第2の部分(32)によって形成された前記アンダーカット(35)が、前記前面側領域(14)の方向に広がっていることを特徴とする請求項3に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項5】
前記固定手段(30)は、2つの脚部(41、43)と、前記2つの脚部(41、43)を連結する中間部(42)とを有するU字形状に形成され、前記2つの脚部(41、43)は、前記背面側領域(14)に向かって傾斜する前記トラップを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項6】
前記2つの脚部(41、43)は、お互いに矢印形状を形成することを特徴とする請求項5に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項7】
前記固定手段(30)が前記凹部(20)内で自由に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項8】
前記凹部(20)がアンダーカット(25)を有し、前記固定手段(30)が、前記アンダーカット(25)によって形状結合を形成して前記凹部(20)内に取り込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項9】
前記ハウジング(10)内には、少なくとも1つの光源(50)が設けられており、前記少なくとも1つの光源(50)が発する光が前記ハウジング(10)から放射する光放射開口部(52)が前面側(11)に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項10】
前記光放射開口部(52)には、少なくとも1つの光源(50)のための光学部(58)が設けられた光透過性プレート(55)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項11】
複数の光源(50)が格子状に配置されており、及び/又は、複数の光源(50)が平面内で移動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項12】
前記カメラ(60)が前記光放射開口部(52)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項13】
軸(Z)を有し、壁(5)と表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)、特に、請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)との間の接続を確立するための接続ピン(2)であって、
前記接続ピン(2)を前記壁(5)に固定するための接続部(70)と、
前記接続部(70)に隣接して前記軸(Z)に配置されたプラグ部分(75)と、
を備え、
前記プラグ部分(75)は、ノッチ(76)を有する接続ピン(2)。
【請求項14】
前記接続部(70)は、前記壁(5)と、ネジ接続、ネジクランプ、又はリベット接続するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の接続ピン(2)。
【請求項15】
前記ノッチ(76)は、前記軸(Z)を中心とした円周方向の放射状の溝として形成されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の接続ピン(2)。
【請求項16】
前記プラグ部分(75)は、端部領域(72)で円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の接続ピン(2)。
【請求項17】
表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)を壁(5)に固定するための表面実装型ライト及び/又は表面実装型カメラ固定システム(3)であって、
前記表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)、特に、請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)と、
少なくとも1つの接続ピン(2)、特に請求項13乃至請求項16の何れか一項に記載の少なくとも1つの接続ピン(2)であって、前記接続ピン(2)を前記壁(5)に固定することができる接続部分(70)を有する少なくとも1つの接続ピン(2)と、
プラグ部分(75)と、
を有し、
前記表面実装型ライト及び/又はカメラ(1)が、背面側領域(14)に少なくとも1つの凹部(20)を有し、この凹部(20)に前記少なくとも1つの接続ピン(2)が挿入可能であり、
前記少なくとも1つの固定手段(30)は、前記背面側領域(14)に向かって傾斜し、前記プラグ部分(75)のノッチ(76)に係合して形状結合を形成することができるトラップを形成する
表面実装型ライト及び/又はカメラ固定システム(3)。
【請求項18】
前記固定手段(30)は、前記形状結合において前記プラグ部分(75)にスプリング力を作用させ、これにより前記プラグ部分(75)が前記凹部(20)に引き込まれることを特徴とする請求項17に記載の表面実装型ライト及び/又はカメラ固定システム(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴を有する、壁、特に機械のプロセスチャンバ内の壁に配置するための表面実装型ライト及び/又はカメラ、請求項13の特徴を有する、表面実装型ライトを壁に固定するための接続ピン、及び請求項17の特徴を有する表面実装型ライト固定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面実装型ライト及び/又はカメラ(Aufbauleuchten und/oder-kameras, Anbauleuchtenund/oder -kameras)は、様々なデザインのものが従来から知られている。従来技術において、例えば、機械のプロセスチャンバ内のプロセスを観察する際に、機械の内部を照らすために、表面実装型ライト及び/又はカメラが使用されている。そのような表面実装型ライト及び/又はカメラの要求は高い。それは、表面実装型ライト及び/又はカメラは、一方では、高い電力密度を持ち、他方ではプロセスチャンバ内の条件に耐えなければならないからである。機械内部の製造プロセスの観察は、機械の壁に設けられた光学アクセスを介して直接行うか、カメラを介して直接行うことができ、カメラはアナログ又はデジタルで機械内部の出来事を記録する。
【0003】
そのような表面実装型ライト及び/又はカメラは過去にそれ自体が有用であると証明されているが、表面実装型ライト及び/又はカメラに使用される留め具がメンテナンスのために費用のかかる組み立て及び分解を必要とし、表面実装型ライト及び/又はカメラに使用されている留め具が、汚染の蓄積につながるといる欠点があることが判明している。例えば、ネジの接続部分は時間が経つと汚れてしまい、後で分解することができなくなる。また、振動により、使用する留め具が外れたり、緩んだりする可能性がある。隙間やポケットが細菌の蓄積のためのスペースを提供し、食品業界での使用の障害となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本発明の出番である。
【0005】
本発明は、壁、特に機械のプロセスチャンバの内壁に配置するための従来技術で知られている表面実装型ライト及び/又はカメラを、実用的な方法で改良し、従来技術で知られている欠点を解消するという課題に基づいている。表面実装型ライト及び/又はカメラは、工具を使わずに機械の内部に取り付けることができ、振動や衝撃があっても取り付け具でしっかりと固定されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの課題は、請求項1の特徴を有する、壁、特に機械のプロセスチャンバ内の壁に配置するための表面実装型ライト及び/又はカメラと、請求項13の特徴を有する、壁と表面実装型ライト及び/又はカメラとの間の接続を行うための接続ピンと、請求項17の特徴を有する表面実装型ライト及び/又はカメラ固定システムとによって解決される。
【0007】
本発明のさらに有利な実施形態は、従属請求項に示されている。本発明の請求項1の特徴を有する表面実装型ライト及び/又はカメラは、壁、特に機械のプロセスチャンバの内壁に配置するための表面実装型ライト及び/又はカメラであって、前面側領域と、背面側領域と、側壁とを備えたハウジングと、少なくとも1つの光源及び/又は少なくとも1つのカメラと、を有し、背面側領域には、少なくとも1つの固定手段が配置される少なくとも1つの凹部が設けられ、凹部内の固定手段は、背面側領域に向かって傾斜するトラップを形成している。トラップは、接続ピンの挿入時に弾性回避運動を行い、接続ピンにスナップインして、接続ピンと表面実装型ライトとの間の接続を形成するように構成されており、表面実装型ライトと接続ピンとの間の接続は、解放可能な接続であり、好ましくは工具なしで分離可能である。
【0008】
本発明の表面実装型ライト及び/又はカメラは、工具なしで壁に取り付けまたは分解することができ、接続ピンは、取り付ける前に壁上又は壁内に配置するだけでよいという考えに基づいている。メンテナンスのために、少なくとも1つの固定手段にある程度の力を加えて表面実装型ライトを壁から取り外し、組み立てのためには、接続ピンが凹部にある固定手段に係合できるように壁に再配置することができる。機械のプロセスチャンバ内で振動や衝撃が発生した場合でも、固定手段は、表面実装型ライトをしっかりと保持できるシンプルで安定した接続を形成する。固定手段は、表面実装型ライト及び/又はカメラ内に完全に覆われるため、削りくずや汚れの粒子が付着することはない。さらに、表面実装型ライト又はカメラをスナップオンするだけで特に高速な取り付けが可能で、ネジを用いない構成により食品業界での使用が可能である。
【0009】
なお、以下では表面実装型ライトと記載するが、この文脈においては常に表面実装型ライト、表面実装型カメラ、または表面実装型ライトとこれに内蔵されるカメラの組み合わせを意味する。本発明に係る表面実装型ライトは、好ましくはパネル型ライトであり、このパネル型ライトは、前面側領域を形成する前面側が平坦な表面を形成し、この平坦な表面から光が放射され、及び/又は、カメラが平坦な表面上及び/又は平坦な表面内に配置されていることが特徴である。このような表面実装型ライトは、長さと幅が深さの何倍もある直方体の形をしている。深さは、前面と背面の間の距離を表している。
【0010】
本発明のさらなる一実施形態では、固定手段は、背面側領域に面する傾斜したトラップを形成する第1の部分を有する。その結果、第1の部分は、裏面側領域からの距離が長くなるにつれて、凹部への突出度がより大きくなる。このように形成された傾斜面により、固定手段は、接続ピンが凹部に挿入されたときに、バネの力による復元運動が起こって形状結合が形成され、固定手段が接続ピンの凹部に係合又は固定されるまで、バネの力に抗して押し出される。
【0011】
さらに、固定手段には、前面側領域に面するアンダーカットを形成する第2の部分があると有利である。
【0012】
さらに、固定手段の第2の部分によって形成されたアンダーカットが、前面側領域に向かって広がっていると有利である。第2の部分は、典型的には第1の部分に隣接して配置され、第1の部分と第2の部分は、V字型又は矢印型(「<」又は「>」)に配置される。第1の部分と第2の部分の間に丸頂点部が配置されてもよく、この丸頂点部は、接続ピンのノッチに係合して、形状結合を形成するように構成されている。
【0013】
第1の部分が凹部への接続ピンの挿入を容易にする一方で、第2の部分は、形状結合の解除を容易にし、接続ピンが引き出されたときに、少なくとも1つの固定手段が回避運動を行うことができ、これにより接続ピンが開放される。固定手段のスプリング力は、接続ピンと表面実装型ライトの接続を開放するために必要な力を具体的に決定し得る。このような固定手段の構成は、ドアロックに例えると、スイングドアロックやローララッチに似ている。
【0014】
本発明のさらなる実施形態では、固定手段は、2つの脚部と、これらの脚部を連結する中間部とを備えたU字型であり、2つの脚部は、背面側領域に向かって傾斜したトラップを形成している。したがって、それぞれの脚部は、固定手段の第1の部分と第2の部分とを形成し、U字型の固定手段は左右対称である。このように形成された固定手段は、一体型のスプリング板から最も簡単な方法で作ることができ、保持する力と接続を解除する力の両方を事前に正確に決定することができる。
【0015】
さらに、U字型の固定手段の脚部が互いに矢印型、即ち、「><」のような形状であり、それにより、それぞれの脚部がV字型であり、脚部の2つの丸頂点部が、直径方向の両側で(2つの対蹠点において)互いに向き合って凹部に突出していると有利である。
【0016】
本発明のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの固定手段は、凹部内で自由に移動可能であり、それによって、少なくとも1つの固定手段は、凹部内の公差を補正することができる。その結果、少なくとも1つの接続ピンの壁への位置決めは高精度である必要はなく、また、表面実装型ライトを壁に固定するために2つ以上の接続ピンが使用される場合、引っ掛りや傾きが防止される。
【0017】
好ましくは、凹部はアンダーカットを有しており、少なくとも1つの固定手段は、アンダーカットによって凹部内に形状結合するように、さらに、好ましくは紛失しないように囲まれている。このようにして、固定手段の脚部の第1の部分の自由端は、それらの間の距離が背面側領域の凹部の開口部よりも大きくなるように遠くに突出している。
【0018】
本発明のさらな実施形態では、少なくとも1つの光源がハウジング内に設けられ、前面側に光放射開口が設けられ、それを通して少なくとも1つの光源が発する光がハウジングから放射される。少なくとも1つ光源は、さらに好ましくはLED光源とすることができる。さらに好ましくは、複数の光源がハウジング内に配置されていてもよく、好ましくは平面上に所定の格子状で配置されていてもよい。それぞれのLEDは、主放射方向が光放射開口の方向を向いている。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、光放射開口部に光透過性プレートが配置されており、この光透過性プレートは、少なくとも1つの光源のための光学部を有している。光学部は、好ましくは、それぞれの光源と一直線上になるように配置され、機械の室内又はプロセスチャンバ内に可能な限り均質に光を放出するように構成されている。光学部は、光学レンズが凹型及び/又は凸型に形成されている。
【0020】
さらに、少なくとも1つの光源が光透過性プレートと平行な平面内に移動可能に配置されていると有利であり、それによって少なくとも1つの光源と光学部の間の相対的な位置を変更することができる。少なくとも1つの光源と光学部との相対的な位置関係を変えることで、少なくとも1つの光源から発せられた光の方向を光学部で変えることができ、表面実装型ライトは、所望の方向に光を放射することができる。複数の光源が平面上で一緒に可動的に配置されている場合は、それぞれの光源に対して光学部を設けることが好ましい。
【0021】
さらに、カメラの全部又は一部が光放射開口に配置されていると有利である。好ましくは、カメラは光放射開口においてハウジングに収納され、光源はカメラの周囲に配置される。光はカメラの光軸に平行に照射されるのが好ましく、それによってカメラで観察される領域が可能な限り最適な方法で照射され、影が回避される。また、ハウジングに配置された少なくとも1つの光源に加えて、カメラにはさらに少なくとも1つの光源が配置され得る。また、カメラが少なくとも1つの光源を有していることも可能である。さらに好ましくは、カメラが少なくとも1つの空間方向、好ましくは2つの空間方向に旋回するように配置されている。
【0022】
本発明の別の態様は、壁と表面実装型ライト、特に上述の表面実装型ライトとの間の接続を確立するための接続ピンに関するものである。接続ピンは、軸線に沿って形成されており、接続ピンを壁に接続するための接続手段と、プラグ部とを備えており、プラグ部は、接続部に隣接して軸線上に配置されている。また、プラグ部にはノッチが設けられている。
【0023】
接続ピンは、好ましくは、ほぼ回転対称のロッドであり、接続手段によって壁、特に機械の内壁に取り付けることができる。接続ピンは、好ましくは平板である壁から垂直に突出している。
【0024】
接続ピンのさらなる実施形態では、ノッチが軸の周りに延びる円周溝として形成されている。ノッチは、好ましくは、接続手段から離れた位置に配置され、すなわち、接続手段とプラグ部の自由端との間に配置され、したがって、接続ピンが表面実装型ライトの凹部に挿入されたときに、ノッチが凹部内に完全に突出するように配置される。
【0025】
接続ピンのさらなる実施形態によれば、接続手段は、壁との間で、スプリング接続、スプリングクランプ、ラッチ接続、及び/又はリベット接続を形成するように構成することができる。また、接続ピンは、溶接、接着、プレスなどの方法で壁に取り付けることができる。接続手段は、必ずしも接続ピンが回転しないように壁に固定する必要はなく、接続手段が十分に高い保持力を発生させることができればよく、この保持力は、好ましくは、背面側領域の少なくとも1つの凹部における表面実装型ライトの固定手段の保持力よりも大きい。例えば、接続手段は、溝接続を形成するように構成されていてもよく、接続ピンはブラインドリベットであってもよい。このような接続ピンは、スリーブ状で、リベットシャンク、リベットヘッド、プラグ部を有しており、プラグ部は、リベットシャンクとは反対側を向くリベットヘッドの側に配置されている。
【0026】
さらに、プラグ部が自由端で円推状になっていると有利である。接続ピンの円錐状の自由端は、表面実装型ライト及び/又はカメラの少なくとも1つの固定手段により接続部を凹部に挿入することを容易にする。
【0027】
本発明の第3の、そして最後のアスペクトは、表面実装型ライト及び/又はカメラを壁に固定するための表面実装型ライト及び/又はカメラ固定システムである。このシステムは、表面実装型ライト及び/又はカメラ、特に、前述の表面実装型ライト及び/又はカメラと、少なくとも1つの接続ピン、特に、前述の少なくとも1つの接続ピンであって、接続ピンを壁に固定することができる接続部分を有する少なくとも1つの接続ピンと、プラグ部分(75)と、を有する。さらに、表面実装型ライト及び/又はカメラが、背面側領域に少なくとも1つの凹部を有し、この凹部に、少なくとも1つの接続ピン、より詳細には、少なくとも1つの接続ピンのプラグ部分を格納可能である。さらに、少なくとも1つの固定手段は、背面側領域に向かって傾斜し、プラグ部分のノッチに係合して形状結合を形成することができるトラップを形成する。
【0028】
表面実装型ライト及び/又はカメラ固定システムのさらなる実施形態によれば、固定手段は、形状結合においてプラグ部分にスプリング力を作用させ、これによりプラグ部分が凹部に引き込まれる。スプリング力で表面実装型ライトを壁にしっかりと押し付け、壁と表面実装型ライトの間の万一生ずる可能性のある隙間を埋める。特に、表面実装型ライトの背面側領域にゴムシールを配置し、スプリング力で壁と表面実装型ライトの間の隙間を密閉すると有利である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の表面実装型ライト及び/又はカメラは、工具を使わずに機械の内部に取り付けることができ、振動や衝撃があっても取り付け具でしっかりと固定される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】壁に取り付けられた表面実装型ライトと6本の接続ピンを有する表面実装型ライト固定システムの分解斜視図である。
図2図1の分解図を示す断面図である。
図3図1及び図2に示す表面実装型ライト固定システムの断面図であり、接続ピンによって表面実装型ライトが壁に取り付けられている状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明の一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
以下では、実施形態例における同一又は機能的に同一の構成要素には、同一の参照符号を付している。なお、見易さのため、個々の図においては、同一又は機能的に同一の部品にすべて参照番号を付けているわけではない。
【0033】
図1に示す分解図は、表面実装型ライト1と6本の接続ピン2からなる表面実装型ライト固定システム3を示している。表面実装型ライト固定システム3は、表面実装型ライト1を、好ましくは平板として構成されている壁5に取り付けるために使用されるものである。壁5は、ワークピースの加工が行われ得るプロセスチャンバを、少なくとも部分的に取り囲む、機械(図示せず)の内壁であり得る。このような壁5は、壁の厚さtを有する板状の材料から形成されてもよく、その材料は典型的には金属材料である。壁5は、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有し、壁5の第1の側面は、プロセスチャンバに面している。
【0034】
表面実装型ライト1は、前面側部分12と背面側部分14とを有するハウジング10を備えており、背面側部分14は、壁5に設置するための設置面を形成し得る。背面側領域14は背面側15を有し、前面側領域12は前面側11を有し、これにより、図3による表面実装型ライト1の組立状態では、前面側11は、壁5の第1の側面から距離を置いて配置され、背面側15は、壁5の第1の側面上に配置され得る。
【0035】
ハウジング10は、好ましくは直方体状に形成されており、図示されているように、4つの側壁13を有し得る。ハウジング10は、幅B、長さL、深さHを有する。
【0036】
なお、ハウジング10内には、詳細は図示しないが、1つ以上の光源50が配置され得る。図2図3では、それらのおおよその配置が参照符号で示されている。
【0037】
光源50は、1つ又は複数のプレート上に好ましくは格子状に配置されたLED光源50であることが好ましい。さらに、ハウジング10は、前面側領域に、光源50が発する光を放射可能なハウジング開口部52を有している。なお、ハウジング開口部52は、光透過性プレート55によって閉じられていてもよい。
【0038】
この時点で注意すべきことは、簡略化の理由から、実施形態では、光源50を備えた1つの表面実装型ライト1のみを詳細に説明していることである。
少なくとも1つの光源50に加えて、またはその代わりに、カメラ60(図示せず)を設けてもよく、このカメラ60は、前面側領域12内、好ましくは光放射開口部52内に配置され得る。
【0039】
表面実装型ライト1を壁5に固定するために、背面側領域14には、開口部21を介して背面側15からアクセス可能な凹部20内に配置された複数の固定手段50が設けられている。
【0040】
凹部20は、背面側領域14の背面側15から前面側領域12に向かって延びており、円筒形のブラインドホールや直方体のポケットの形状を取り得る。また、凹部20にはアンダーカット25が設けられている。開口部21は、幅W1を有し、アンダーカット25の領域では、凹部20は、幅W2を有し、幅W1>W2となっている。
【0041】
固定手段30は、アンダーカット25によって凹部20内に形状結合的に収納されており、公差を補正するために凹部20内で自由に移動することができる。
【0042】
固定手段30は、曲げ弾性のある素材でできており、好ましくは一体型で、ほぼU字形状をしている。固定手段30は、第1の脚部41と第2の脚部43と、第1の脚部41と第2の脚部43とを連結する中間部42とを有する。固定手段30は、鏡面対称又は線対称に構成されてもよく、それぞれの脚部41、43は、第1の部分31と第2の部分32を有していてもよい。第1の部分31は、前面側領域12に向かって傾斜したトラップを形成し、第2の部分32は、アンダーカットを形成する。第1の部分31と第2の部分32との間には、丸頂点部33が形成されている。そのため、2つの部分31、32を有する第1の脚部41と第2の脚部43は、互いに矢印状(V字形状)に並んでいる。脚部41、43の自由端は、漏斗状に離れており、2つの自由端は、好ましくは、開口部21の幅W1よりも大きく、アンダーカット25の幅W2以下の距離Aに配置されている。
【0043】
特に図2及び図3に示すように、接続ピン2は、隣接して軸線Zに配置された接続部70及びプラグ部分75を有し、第1の端部領域71と自由端を有する第2の端部領域72との間に延びている。接続部70は、壁5に接続するように構成されており、プラグ部分75は、表面実装型ライト1の凹部20に挿入され、凹部20に設けられた固定手段30との間で形状結合及び/又は力結合による接続を形成するように構成されている。接続部70は、壁面5上に位置する頭部73を有し、接続ピン2の壁面5への挿入深さを規定している。
【0044】
接続部70は、第1の端部領域71に形成されており、接続ピン2を取付開口部6の壁5に固定するネジ(図示せず)や係止手段を有していてもよい。なお、接続部70は、壁5との間に回転しない接続を実現するが、接続ピン2と壁5との間の回転しない接続は必ずしも必要ではない。
【0045】
接続ピン2は、スリーブ形状のブラインドリベットとして構成され、リベットシャンク及びリベットヘッドを有することができ、壁5がリベットシャンクの塑性変形領域と、ヘッド73を形成するリベットヘッドの間に固定されるように、接続ピン2をつかむリベットマンドレルによって、リベットシャンクは変形され得る。
【0046】
プラグ部分75は、第2の端部領域72に配置され、壁5から、好ましくは壁5に対して垂直に突出しており、軸線Zを中心とした周方向の溝として形成されたノッチ76をさらに備えている。ノッチ76は、第2の端部領域72の自由端部と接続セクション70との間に配置される。
【0047】
さらに、第2の端部領域72のプラグ部分75の自由端は、円錐形又は丸みを帯びていてもよい。
【0048】
接続ピン2のプラグ部分75が表面実装型ライト1の凹部20に挿入されると、背面側領域に向かって傾斜し、固定手段30によって形成されているトラップは、固定手段30がノッチ76に係合できるようになるまで、強制的に回避運動を行う。
【0049】
プラグ部分75が挿入されると、第2の端部領域72の自由端は、背面側領域14に向かって傾斜したトラップを形成する第1の部分31を弾性回避運動させ、それによって、2つの脚部41、43が離れて広がり、第2の端部領域72の自由端は、脚部41、43の第2の部分32によって形成されたアンダーカットに侵入することができる。丸頂点部33がプラグ部分75のノッチ76に係合すると、脚部41、42が押し戻され、2本の脚部41、43の丸頂点部33がノッチ76の径方向両側に係合する。第2の部分32の形態により、プラグ部分75が前面側領域12側に引っ張られることで、表面実装型ライト1が壁5に押し付けられる。
【0050】
表面実装型ランプ1を壁5から取り外すために、表面実装型ランプ1に引張力を加える必要があり、これにより、固定手段30がノッチ76による形状結合から押し出され、表面実装型ランプ1が解放される。
【0051】
さらに、シールを背面側15に配置することができ、それによって、壁5と表面実装型ライト1との間に残っているギャップが密閉される。また、表面実装型ライト1の取り外しのために、背面側領域14のハウジング10に取り外し用の溝を形成し、そこに、例えば、表面実装型ライト1を取り外すための工具を嵌め込み可能とすることもできる。固定手段30と接続ピン2との間の形状結合は、レバー操作で解除することが可能である。
【0052】
さらに、図1に示すように、表面実装型ランプ1は、2つの側壁13を背面側15又は前面側11に接続する斜面85を有していてもよく、斜面85は、前面側11又は背面側15に対して45°の角度で傾斜している。
【0053】
この斜面には、電気的接続部80を設けることができ、この電気的接続部80は好ましくは±180°回転させることができる。電気的接続部80は、ラッチ手段を有することができ、それによって、旋回可能な電気的接続部80の方向を固定することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…表面実装型ライト
2…接続ピン
3…ライト及び/又はカメラ取り付けシステム
5…壁
6…取付開口部
10…ハウジング
11…前面側
12…前面側領域
13…側壁
14…背面側領域
15…背面側
20…凹部
21…開口部
25…アンダーカット
30…固定手段
31…第1の部分
32…第2の部分
33…丸頂点部
35…アンダーカット
41…第1の脚部
42…中間部
43…第1の脚部
50…光源
52…光放射開口部
55…プレート
58…光学部
60…カメラ
70…接続部
71…第1の端部領域
72…第2の端部領域
73…ヘッド
75…プラグ部分
76…ノッチ
80…接続部
85…面
図1
図2
図3
【外国語明細書】