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  • -車両用ホイールの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137745
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】車両用ホイールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60B 1/08 20060101AFI20220914BHJP
   B60B 3/00 20060101ALI20220914BHJP
   B60B 3/06 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
B60B1/08
B60B3/00 A
B60B3/06
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037394
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】391006430
【氏名又は名称】中央精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高島 栄二
(57)【要約】
【課題】切削面と素材の表面とが交わる部分が視覚的に強調された意匠性の高い車両用ホイールを製造する。
【解決手段】車両用ホイールの製造方法は、略円筒状のホイールリムと、ホイールリムの内周側に設けられるホイールディスクと、を備える車両用ホイールの製造方法である。同製造方法は、鋳造法または鍛造法により軽金属製のホイールの素材を成形する成形工程と、素材の一部を切削加工して切削面を形成する切削工程と、切削面と、該切削面と素材の表面とが交わるエッジ部と、素材の表面のうちの少なくともエッジ部の周囲と、を有色の塗料で塗装する塗装工程と、塗装工程後、エッジ部に対して面取り加工を施して素材が露出した光輝面を形成する面取り工程と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状のホイールリムと、前記ホイールリムの内周側に設けられるホイールディスクと、を備える車両用ホイールの製造方法であって、
鋳造法または鍛造法により軽金属製のホイールの素材を成形する成形工程と、
前記素材の一部を切削加工して切削面を形成する切削工程と、
前記切削面と、該切削面と前記素材の表面とが交わるエッジ部と、前記素材の前記表面のうちの少なくとも前記エッジ部の周囲と、を有色の塗料で塗装する塗装工程と、
前記塗装工程後、前記エッジ部に対して面取り加工を施して前記素材が露出した光輝面を形成する面取り工程と、
を含む、車両用ホイールの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ホイールの製造方法であって、
前記面取り工程では、機械加工により前記エッジ部に対して前記面取り加工を施す、
車両用ホイールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、車両用ホイールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、意匠性を高めるために、塗装された軽金属製のホイールの表面を塗膜とともに旋盤加工して金属素材を露出させた光輝面が形成された車両用ホイールの製造方法が知られている。この光輝面は、旋盤加工により形成されるため、最も車両外側となる部位にしか設けることができず、単調な平坦面や局面で形成される。一方で、例えば特許文献1及び特許文献2のように、光輝面の意匠性を高めるために、マシニングセンタを用いて、ホイールの3次元形状に沿って切削工具を移動させて光輝面を形成したり、切削工具の回転軸を変化させて3次元的曲面の光輝面を形成したりするなど、より複雑な形状の光輝面を形成する車両用ホイールの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-226330号公報
【特許文献2】特開2018-127040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、鋭意検討した結果、従来とは異なる製造方法により、意匠性の高い車両用ホイールの製造方法を新たに見出した。
【0005】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される車両用ホイールの製造方法は、略円筒状のホイールリムと、前記ホイールリムの内周側に設けられるホイールディスクと、を備える車両用ホイールの製造方法であって、鋳造法または鍛造法により軽金属製のホイールの素材を成形する成形工程と、前記素材の一部を切削加工して切削面を形成する切削工程と、前記切削面と、該切削面と前記素材の表面とが交わるエッジ部と、前記素材の前記表面のうちの少なくとも前記エッジ部の周囲と、を有色の塗料で塗装する塗装工程と、前記塗装工程後、前記エッジ部に対して面取り加工を施して前記素材が露出した光輝面を形成する面取り工程と、を含む。
【0008】
本車両用ホイールの製造方法では、それぞれ有色の塗料で塗装された切削面と素材の表面との境界に沿って線状に延び、且つ素材が露出した光輝面を形成することができ、視覚的に強調された意匠性の高い車両用ホイールを製造することができる。
【0009】
(2)上記車両用ホイールの製造方法において、前記面取り工程では、機械加工により前記エッジ部に対して前記面取り加工を施すとしてもよい。本車両用ホイールの製造方法の面取り工程で形成される光輝面は、線状に延びるため光輝面の幅のばらつきが大きいと、見た目が悪くなりやすい。このため、光輝面の幅の変化率を抑制することが求められる。本車両用ホイールの製造方法によれば、機械加工を用いることで、例えば手動によって面取りを行う場合に比べて、線状に延びる光輝面の幅のばらつきを抑制することができる。
【0010】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、車両用ホイール、その製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における車両用ホイール100の外観構成を概略的に示すXZ平面図である。
図2】車両用ホイール100のYZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図3】車両用ホイール100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。
図4】車両用ホイール100の製造工程を示すフローチャートである。
図5】車両用ホイール100の製造工程の一部を示す説明図である。
図6】第2実施形態における車両用ホイール100aの一部分の外観構成を概略的に示すXZ平面図である。
図7】車両用ホイール100aのYZ断面構成を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
A.第1実施形態:
A-1.車両用ホイール100の構成:
図1は、第1実施形態における車両用ホイール100(以下、単に「ホイール100」という)の外観構成を概略的に示すXZ平面図である。図2は、ホイール100のYZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図2には、図1のII-IIの位置におけるホイール100のYZ断面構成が示されている。図3は、本実施形態におけるホイール100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図1のIII-IIIの位置におけるホイール100のスポーク部210のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Y軸方向は、ホイール100の回転軸に平行な方向であるとし、以下、「ホイール軸方向」というものとするが、ホイール100は実際にはそのような向きとは異なる向きで配置されてもよい。後述の図5についても同様である。以下、ホイール100の径方向を「ホイール径方向」といい、ホイール100の回転軸周りの周方向を「ホイール周方向」という。
【0013】
図2に示すように、ホイール100は、ホイール素材102の表面に、カラーコート層300と、クリアコート層310と、が形成されている。なお、ホイール素材102は、後述する成形工程で成形された後、塗装工程および面取り工程を経てホイール100に成る。ここで、各工程で使用されるホイール100の素材は、便宜上、ホイール素材102と説明する。
【0014】
ホイール素材102は、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽金属により形成されている。ホイール素材102は、略円筒状のホイールリム10と、該ホイールリム10の内周側に配置されたホイールディスク20と、を備える。本実施形態のホイール素材102は、ホイールリム10とホイールディスク20とが一体成形された、いわゆる1ピースタイプのホイールである。以下、ホイール100(ホイール素材102)に対してホイール軸方向の一方側(Y軸正方向側)を「アウター側」といい、ホイール軸方向の他方側(Y軸負方向側)を「インナー側」という。ホイール100が車両本体(図示せず)に装着された場合、ホイール100のアウター側は、車両本体とは反対側に向けられ、ホイール100のインナー側は、車両本体側に向けられる。ホイール100のアウター側の面が意匠面とされる。
【0015】
(ホイールリム10)
図1に示すように、ホイールリム10は、全体として略円筒状であり、円筒部(図示しない)と、一対のフランジ部110(図1ではアウター側のフランジ部110のみ図示)とを含む。円筒部は、ウェル部等が形成された円筒状である。一対のフランジ部110は、ホイール軸方向(Y軸方向)視で略円環状であり、円筒部におけるホイール軸方向の両端にそれぞれ位置する。一対のフランジ部110によって、ホイール100に装着されたタイヤ(図示せず)がホイール軸方向に位置ずれしないように保持される。
【0016】
(ホイールディスク20)
ホイールディスク20は、ホイールリム10におけるアウター側に位置しており、ハブ取付部220と、複数(本実施形態では5本)のスポーク部210とを含む。ハブ取付部220は、略円盤状であり、ホイール軸方向(Y軸方向)視でホイールディスク20の略中央に位置している。ハブ取付部220の略中心には、車両本体のハブ(図示せず)が連結されるハブ孔222が形成されている。また、ハブ孔222の周囲には、ホイール100を車両本体のハブに固定するための複数のボルト孔224が形成されている。
【0017】
複数のスポーク部210は、ホイールリム10とハブ取付部220との間に放射状に配置されている。各スポーク部210は、ホイール径方向に延びている。互いに隣り合うスポーク部210同士の間には、開口部(風孔部)12が形成されている。開口部12は、略三角形状であるが、これに限らず、例えば略矩形状でもよい。各スポーク部210は、ホイールリム10のフランジ部110まで延びている。
【0018】
(ホイール100の光輝面240)
ホイール100には、線状の光輝感によりホイール100の意匠性を高める光輝面240が形成されている。具体的には、図1に示すように、ホイール素材102のうちアウター側の外表面(意匠面)は、切削面230と、複数の光輝面240と、複数の傾斜面250と、を有する。
【0019】
切削面230は、切削面230の法線がホイール軸方向に平行もしくは交差する方向に延びる面である。具体的には、切削面230は、ホイール素材102におけるアウター側の外表面のうち、ハブ取付部220とスポーク部210とにおける最もアウター側に位置する面である。切削面230は、ホイール軸方向に略垂直な平坦状の面である。各傾斜面250は、ホイール素材102におけるアウター側の外表面のうち、開口部12を画定している枠状部分である。各傾斜面250は、切削面230に対して傾斜している面である。具体的には、図2および図3に示すように、傾斜面250は、アウター側に向かって開口部12の開口面積が拡張するようにホイール軸方向(Y軸方向)に対して傾斜している。なお、傾斜面250は、平面状でもよいし、曲面状でもよい。
【0020】
光輝面240は、切削面230と傾斜面250との境界に位置している線状の部分である。光輝面240は、切削面230と傾斜面250との両方に対して、ホイール軸方向(Y軸方向)に対する角度が互いに異なる部分を有している。具体的には、光輝面240は、略平面であり、ホイール軸方向に対する光輝面240の傾斜角度は、ホイール軸方向に対する切削面230の傾斜角度と、ホイール軸方向に対する傾斜面250の傾斜角度との間の角度である。また、光輝面240は、光輝面240の長手方向に略垂直な断面(例えば図3のXY断面)において、切削面230の延長線L1と傾斜面250の延長線L2との交点Pよりもホイール素材102(スポーク部210)側に位置している(図3参照)。
【0021】
カラーコート層300は、切削面230と傾斜面250との表面に有色の塗料で塗装して形成された層である。光輝面240の表面には、カラーコート層300は形成されておらず、ホイール素材102(母材)が露出している。すなわち、光輝面240は、両側がカラーコート層300によって塗装された塗装面(切削面230、傾斜面250)に挟まれた線状部分である。光輝面240の幅は、例えば0.3mm以上である。また、光輝面240の幅は、例えば2mm以下である。
【0022】
クリアコート層310は、光透過性の塗料で塗装して形成された層であり、ホイール100のアウター側の外表面全体(切削面230、光輝面240、傾斜面250)に形成されている。
【0023】
A-2.ホイール100の製造方法:
上述したホイール100の製造方法について説明する。図4は、ホイール100の製造工程を示すフローチャートであり、図5は、ホイール100の製造工程の一部を示す説明図である。
【0024】
まずは、図4に示すように、軽金属製の加工前のホイール素材102を成形する(S110)。加工前のホイール素材102は、軽金属材料を用いて、例えば公知の鋳造法または鍛造法により成形される。図5(A)には、加工前のホイール素材102のXY断面が示されている。なお、加工前のホイール素材102は、特許請求の範囲における、成形工程で成形される軽金属製のホイールの素材の一例であり、S110の工程は、特許請求の範囲における成形工程の一例である。
【0025】
次に、加工前のホイール素材102のうち、アウター側の最表面部分230Xを切削加工して切削面230を形成する(S120)。図5(B)には、図5(A)の加工前のホイール素材102に対して、最表面部分230Xが切削された後のホイール素材102のXY断面が示されている。切削面230は、略平坦状の面である。切削面230が形成されたことにより、切削後のホイール素材102には、切削面230と傾斜面250とが交わるエッジ部235が形成される。切削加工は、例えばフライス盤や旋盤を用いた機械加工機を用いて行うことができる。なお、切削後のホイール素材102は、特許請求の範囲における、切削工程によって切削面が形成されたホイールの素材の一例であり、S120の工程は、特許請求の範囲における切削工程の一例である。
【0026】
次に、切削後のホイール素材102のアウター側の表面全体を有色の塗料で塗装する(S130)。具体的には、切削後のホイール素材102のうち、切削面230と、エッジ部235と、エッジ部235の周囲(傾斜面250等)とに塗装を行う。有色の塗料は、有彩色の塗料でもよいし無彩色の塗料でもよい。図5(C)には、切削面230と傾斜面250とエッジ部235との全体にわたってカラーコート層300が形成されている切削後のホイール素材102のXY断面が示されている。なお、S130の工程は、特許請求の範囲における塗装工程の一例である。
【0027】
次に、塗装された切削後のホイール素材102のエッジ部235に対して面取り加工を施し(S140)、ホイール素材102が露出した光輝面240が形成される。図5(D)には、面取り加工によって、切削面230上のカラーコート層300と、傾斜面250上のカラーコート層300との間に、光輝面240が形成されているホイール素材102のXY断面が示されている。本実施形態では、例えばNC加工機を用いた機械加工により面取り加工を施す。
【0028】
エッジ部235のホイール軸方向から見た形状は、開口部12に沿って角部が丸い略三角形状であり、直線状部分(図1の符号D参照)と曲線状部分(図1の符号C参照)とを含んでいる。面取り工程では、エッジ部235に対して、エッジ部235の形状に沿って面取り加工を連続的に行うことで、開口部12を囲むように光輝面240が形成される。S140の工程は、特許請求の範囲における面取り工程の一例である。また、面取り加工前のエッジ部235は、上述の通り、直線状部分と曲線状部分とを含んだ形状を呈しているが、面取り加工により形成された光輝面240も同様に、角部が丸い略三角形状であり、直線状部分と曲線状部分とを含んでいる。
【0029】
次に、面取り後のホイール素材102にコーティング加工が施され、クリアコート層310が形成される(S150)。これにより、ホイール100の腐食等が防止される。
【0030】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のホイール100の製造方法では、塗装工程(S130)において、切削後のホイール素材102における切削面230とエッジ部235と傾斜面250とが有色で塗装される。その後、面取り工程(S130)において、切削後のホイール素材102のエッジ部235に対して面取り加工が施されてホイール素材102が露出される。これにより、エッジ部235に沿うとともにホイール素材102が露出した光輝面240が形成されたホイール100が作製される。すなわち、切削面230と傾斜面250との境界に位置する光輝面240が視覚的に強調された意匠性の高いホイール100を製造することができる。
【0031】
本実施形態では、面取り工程(S140)において、機械加工により面取り加工が施される。これにより、例えば手動によって面取り加工を行う場合に比べて、例えば凹凸の少ない高精度な面取り加工を行うことができる。
【0032】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態におけるホイール100aの一部分の外観構成を概略的に示すXZ平面図である。図7は、ホイール100aのYZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図7には、図6のVII-VIIの位置におけるホイール100aのYZ断面構成が示されている。以下では、第2実施形態のホイール100aの構成の内、上述した第1実施形態のホイール100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0033】
上記第1実施形態では、ホイール軸方向から見て、ホイール100に形成された光輝面240の形状は、略三角形状の環状であったが、本第2実施形態では、ホイール軸方向から見て、ホイール100aに形成された光輝面240aの形状は、一部が間欠した非環状である。
【0034】
具体的には、図6に示すように、ホイール100aに形成された光輝面240aの形状は、略V字状に配置された一対の直線部分と、一対の直線部分同士をつなぐ曲線部分と、を有している。曲線部分は、ハブ取付部220aの近傍に配置されている。一対の直線部分は、それぞれ、曲線部分から、スポーク部210aの長手方向(ホイール径方向)に沿って、ホイールディスク20aの周縁まで伸びている。
【0035】
なお、ホイールディスク20aにおける切削面230aは、ホイールディスク20aの周縁まで伸びている。ホイールディスク20aの周縁のうち、光輝面240aの一対の直線部分の間に位置する部分は、ホイールディスク20aの外周形状に応じた円弧状部分が存在する。ただし、図7に示すように、この円弧状部分と傾斜面250aとが交わるエッジ部分には面取り加工が行われておらず、光輝面240aが存在しない。勿論、該エッジ部分に面取り加工を行って光輝面を形成してもよい。
【0036】
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0037】
上記実施形態では、ホイール100,100a(ホイール素材102)は、1ピースタイプのホイールであるとしたが、これに限らず、ホイールリム10とホイールディスク20,20aとが別体である、いわゆる2ピースタイプのホイールであるとしてもよい。また、上記実施形態では、車両用ホイールとして、スポーク部210,210aを備えるホイール100,100aを例示したが、これに限らず、スポーク部を備えないホイールでもよい。
【0038】
上記実施形態において、面取り工程(S140)では、エッジ部235に対して間欠的に面取り加工を行ってもよい。また、光輝面240,240aの形成の際、エッジ部235に対して機械加工を一回り以上してもよいし、エッジ部235に対する機械加工の幅(加工後の光輝面240,240aの線状の幅)を変更しながら面取り加工を行ってもよい。
【0039】
上記実施形態では、面取り加工後の光輝面として、切削面230,230aと傾斜面250,250aとの境界に位置する光輝面240,240aを例示したが、これに限らず、ホイール軸方向に対する角度が互いに異なるとともに隣り合ってエッジ部を形成する2つの面(切削面と素材の表面)との境界に位置すればよい。なお、切削面と素材の表面との相対角度は、例えば140度未満であればよく、例えば130度以上でもよい。光輝面240,240aの長手方向に垂直なスポーク部210,210aの断面において、光輝面240,240aは、略直線状に限らず、凸状の曲線でもよいし、凹状(例えばU字状)の曲線でもよい。ホイール100,100aにおいて、光輝面240,240aに切削面230,230aや傾斜面250,250aとは異なる有色の塗料で塗装されてもよい。光輝面240の形状は、略三角形状に限らず、他の多角形状でもよいし、円形状でもよい。光輝面240aの形状は、略V字状に限らず、円弧状などでもよい。
【0040】
上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。
【0041】
上記実施形態におけるホイール100,100aの製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、切削加工(S120)では、例えば、公知のマシニングセンタなどの切削機を用いて行ってもよい。また、面取り加工(S140)を、機械加工ではなく、ヤスリなどを利用した手作業で(手動)で行ってもよい。上記製造方法において、コーティング工程(S150)を行わなくてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10:ホイールリム 12:開口部 20,20a:ホイールディスク 100,100a:車両用ホイール 102:ホイール素材 110:フランジ部 210,210a:スポーク部 220,220a:ハブ取付部 222:ハブ孔 224:ボルト孔 230,230a:切削面 230X:最表面部分 235:エッジ部 240,240a:光輝面 250,250a:傾斜面 300:カラーコート層 310:クリアコート層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7