(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137763
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】減衰機構の検査方法
(51)【国際特許分類】
G01M 13/00 20190101AFI20220914BHJP
【FI】
G01M13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037421
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 俊介
(72)【発明者】
【氏名】井藤 孝典
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AA09
2G024BA01
2G024BA11
2G024CA16
2G024DA08
2G024DA15
2G024FA01
(57)【要約】
【課題】製品の品質を確保することが可能な減衰機構の検査方法を提供する。
【解決手段】ピストンロッド141の径方向へ分離可能な割り治具205により検査用シリンダ203のシリンダ上室203Aを密封したので、検査時にピストンロッド141を製品のオイルシール134に対して摺動させることがない。これにより、ピストンロッド141やオイルシール134に傷が付いたり、異物が付着するリスクが回避され、製品への組付け後のオイル漏れ等の不具合を抑止することが可能であり、製品の品質及び信頼性を向上させることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体が封入されたシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、
一端が前記ピストンに連結され、他端側が前記シリンダの外部へ延出されるピストンロッドと、
前記ピストンロッドに固定され、前記2室間を双方向へ流通可能に連通し、前記ピストンの移動に伴う作動流体の流れを制御して減衰力特性を可変する減衰力可変機構と、
を備える減衰機構の検査方法であって、
検査用シリンダ内に、作動流体と、前記ピストンと、前記ピストンロッドと、前記減衰力可変機構と、を挿入する工程と、
検査用シールにより前記検査用シリンダ内に作動流体を封入する工程と、
前記検査用シリンダ内の作動流体を移動させる工程と、
前記検査用シリンダ内の作動流体の移動により発生する前記検査用シリンダ内の圧力差を計測する工程と、
を含むことを特徴とする減衰機構の検査方法。
【請求項2】
前記検査用シリンダは、上流側の室に連通する一側及び他側の第1流路と、下流側の室に連通する一側及び他側の第2流路と、を有し、
前記作動流体を移動させる工程は、
作動流体を前記一側の第1流路から前記減衰力可変機構を経て前記他側の第2流路へ流通させる工程と、
作動流体を前記一側の第2流路から前記減衰力可変機構を経て前記他側の第1流路へ流通させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の減衰機構の検査方法。
【請求項3】
前記作動流体を移動させる工程は、前記ピストンロッドを加振させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の減衰機構の検査方法。
【請求項4】
前記挿入する工程では、作動流体と、前記ピストンと、検査用ピストンロッドと、ソレノイド機構部を駆動する検査用コイルと該検査用コイルを保持する検査用ヨークとが組付けられた減衰力可変機構と、を前記検査用シリンダ内に挿入することを特徴とする請求項2又は3に記載の減衰機構の検査方法。
【請求項5】
前記挿入する工程では、作動流体と、前記ピストンと、検査用ピストンロッドと、検査用ソレノイド機構部と該検査用ソレノイド機構部を駆動する検査用コイルと該検査用コイルを保持する検査用ヨークとが組付けられた減衰力可変機構と、を前記検査用シリンダ内に挿入することを特徴とする請求項2又は3に記載の減衰機構の検査方法。
【請求項6】
前記作動流体を移動させる工程は、前記第1流路と前記第2流路との作動流体の給排を切換弁により切り換える工程を含むことを特徴とする請求項2、4、5のいずれかに記載の減衰機構の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンロッドのストロークに対する作動流体の流れを制御して減衰力を可変する減衰力可変機構を備えた減衰機構の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、減衰力可変機構が緩衝器本体に外付けされた減衰力調整式油圧緩衝器(減衰機構)の検査方法(以下「従来の検査方法」と称する)が開示されている。従来の検査方法における、減衰力可変機構が緩衝器本体に外付けされた油圧緩衝器、所謂、制御弁横付型の減衰力調整式油圧緩衝器では、減衰力可変機構を流れる作動油の流れの方向が一方向であるため、緩衝器本体と減衰力可変機構との取付構造を模擬した検査装置の製作が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、減衰力可変機構がシリンダに内蔵された、所謂、ピストン内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器(減衰機構)では、減衰力可変機構は、作動油の流れの方向が伸び行程と縮み行程とで異なる双方向制御弁であるため、検査装置の油圧回路が煩雑になる。また、検査に製品を使用した場合、ピストンロッドやオイルシールに傷が付いたり、異物が付着するリスクがある。これらは、組付け後にオイル漏れ等の原因になり、製品の品質及び信頼性が低下する。
【0005】
本発明は、製品の品質及び信頼性を確保することが可能な減衰機構の検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の減衰機構の検査方法は、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端側が前記シリンダの外部へ延出されるピストンロッドと、前記ピストンロッドに固定され、前記2室間を双方向へ流通可能に連通し、前記ピストンの移動に伴う作動流体の流れを制御して減衰力特性を可変する減衰力可変機構と、を備える減衰機構の検査方法であって、検査用シリンダ内に、作動流体と、前記ピストンと、前記ピストンロッドと、前記減衰力可変機構と、を挿入する工程と、検査用シールにより前記検査用シリンダ内に作動流体を封入する工程と、前記検査用シリンダ内の作動流体を移動させる工程と、前記検査用シリンダ内の作動流体の移動により発生する前記検査用シリンダ内の圧力差を計測する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製品の品質を確保することが可能な減衰機構の検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】検査対象となる減衰力調整式油圧緩衝器(減衰機構)の軸平面による断面図である。
【
図2】
図1における減衰力調整機構を拡大して示す図である。
【
図3】ピストンロッドにソレノイドとケーブルとが組付けられた状態を示す図である。
【
図5】ソレノイド機構部の検査装置の説明図である。
【
図6】検査方法の第1実施形態に使用される検査装置の概念図である。
【
図7】第1実施形態における説明図であって、ロッド組体における計測電流と差圧との関係を例示した図表である。
【
図8】第1実施形態における他の形態の概念図である。
【
図9】検査方法の第2実施形態に使用される検査装置の概念図である。
【
図10】検査方法の第3実施形態に使用される検査装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。
便宜上、
図1における上下方向をそのまま「上下方向」と称する。
図1に、減衰力可変機構17がシリンダ2に内蔵された、所謂、ピストン内蔵型の減衰力調整式緩衝器1(減衰機構)を示す。
【0010】
図1に示されるように、緩衝器1は、シリンダ2の外側に外筒10が設けられた複筒構造をなす。緩衝器1は、シリンダ2内に摺動可能に嵌装され、シリンダ2内をシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に区画するピストン3と、一端がピストン3に連結され、他端側(
図1における上側)がシリンダ2の外部へ延出されるピストンロッド141と、ピストンロッド141に固定され、シリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとを双方向へ流通可能に連通し、ピストン3の移動に伴う作動油(作動流体)の流れを制御して減衰力特性を可変する減衰力可変機構17と、を備える。
【0011】
シリンダ2と外筒10との間には、リザーバ18が形成される。ピストン3は、上端側がシリンダ上室2Aに開口する伸び側通路19と、下端側がシリンダ下室2Bに開口する縮み側通路20と、を有する。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ18とを区画するベースバルブ45が設けられる。ベースバルブ45には、シリンダ下室2Bとリザーバ18とを連通する通路46,47が設けられる。
【0012】
通路46には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への油液(作動流体)の流通を許容するチェックバルブ48が設けられる。他方、通路47には、シリンダ下室2B側の油液の圧力が設定圧力に達することで開弁し、シリンダ下室2B側の圧力(油液)をリザーバ18側へ逃がすディスクバルブ49が設けられる。なお、作動流体として、シリンダ2内には油液が封入され、リザーバ18内には油液およびガスが封入される。また、外筒10の下端にはボトムキャップ50が接合される。
【0013】
減衰力可変機構17は、バルブ機構部28とソレノイド90とからなる。
図2に示されるように、バルブ機構部28は、軸部6がピストン3の軸孔4に挿通されるピストンボルト5と、伸び側通路19の作動流体の流れを制御する伸び側バルブ機構21と、縮み側通路20の作動流体の流れを制御する縮み側バルブ機構51と、を有する。
【0014】
伸び側バルブ機構21は、ピストンボルト5の軸部6に取り付けられる有底円筒形の伸び側パイロットケース22を有する。伸び側パイロットケース22は、ピストン3側が開口する円筒部26と、底部27と、を有する。伸び側パイロットケース22のピストン3側には、伸び側メインバルブ23が配置される。また、伸び側メインバルブ23と伸び側パイロットケース22との間には、伸び側背圧室25が形成される。
【0015】
伸び側バルブ機構21は、ピストン3の下端面の外周側に形成されて伸び側メインバルブ23が離着座可能に当接するシート部24を有する。伸び側背圧室25は、伸び側パイロットケース22と伸び側メインバルブ23の背面との間に形成される。伸び側背圧室25内の圧力は、伸び側メインバルブ23に対して閉弁方向へ作用する。伸び側メインバルブ23は、弾性体からなる環状のパッキン31が、伸び側パイロットケース22の円筒部26の内周面に全周にわたって接触するパッキンバルブである。
【0016】
伸び側背圧室25は、伸び側パイロットケース22の底部27に形成された通路32とサブバルブ30とを介してシリンダ下室2Bに連通される。サブバルブ30は、伸び側背圧室25の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、伸び側背圧室25からシリンダ下室2Bへの作動流体の流れに対して抵抗力を付与する。
【0017】
伸び側背圧室25は、通路32を介して、伸び側パイロットケース22とサブバルブ30との間に形成された第1受圧室172に連通される。第1受圧室172は、伸び側パイロットケース22の下端面(伸び側メインバルブ23側とは反対側の面)に設けられた複数の環状の第1シート部173によって扇形に区画される。複数の第1シート部173の内側には、各々に通路32が開口する。
【0018】
伸び側パイロットケース22には、ピストン3の縮み方向への移動により、シリンダ下室2Bから伸び側背圧室25への作動流体の流れが生じる背圧導入通路171が設けられる。伸び側パイロットケース22の上端面(伸び側メインバルブ23側の面)には、環状のシート部35が設けられる。シート部35は、底部27の内周部の外周に設けられた環状の受圧室174を画定する。
【0019】
伸び側パイロットケース22の下端面には、第1受圧室172と隔絶された第2受圧室177が設けられる。第2受圧室177には、背圧導入通路171が開口する。第2受圧室177は、第2シート部178によって画定される。第2シート部178は、一対の隣接する第1受圧室172間を円弧形に延びる。第2シート部178には、第2受圧室177とシリンダ下室2Bとを連通する第1オリフィス175が設けられる。
【0020】
これにより、伸び側バルブ機構21には、シリンダ下室2Bと伸び側背圧室25とを連通する伸び側連通路(連通路)が形成される。伸び側連通路は、ピストン3の縮み方向への移動により、シリンダ下室2Bの作動流体を、第1オリフィス175、第2受圧室177、背圧導入通路171、受圧室174、及びチェックバルブ33を経て伸び側背圧室25へ導入する。
【0021】
一方、縮み側バルブ機構51は、ピストンボルト5の軸部6に取り付けられる有底円筒形の縮み側パイロットケース52を有する。縮み側パイロットケース52は、ピストン3側が開口する円筒部56と、底部57と、からなる。縮み側パイロットケース52のピストン3側には、縮み側メインバルブ53が配置される。また、縮み側メインバルブ53と縮み側パイロットケース52との間には、縮み側背圧室55が形成される。
【0022】
縮み側バルブ機構51は、ピストン3の上端面の外周側に形成されて縮み側メインバルブ53が離着座可能に当接するシート部54を有する。縮み側背圧室55は、縮み側パイロットケース52と縮み側メインバルブ53の背面との間に形成される。縮み側背圧室55内の圧力は、縮み側メインバルブ53に対して閉弁方向へ作用する。縮み側メインバルブ53は、弾性体からなる環状のパッキン61が、縮み側パイロットケース52の円筒部56の内周面に全周にわたって接触するパッキンバルブである。
【0023】
縮み側背圧室55は、縮み側パイロットケース52の底部57に形成された通路62とサブバルブ60とを介してシリンダ上室2Aに連通される。サブバルブ60は、縮み側背圧室55の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、縮み側背圧室55からシリンダ上室2Aへの作動流体の流れに対して抵抗力を付与する。
【0024】
縮み側背圧室55は、通路62を介して、縮み側パイロットケース52とサブバルブ60との間に形成された第1受圧室182に連通される。第1受圧室182は、縮み側パイロットケース52の上端面(縮み側メインバルブ53側とは反対側の面)に設けられた複数の第1シート部183によって扇形に区画される。複数の第1シート部183の内側には、各々に通路62が開口する。
【0025】
縮み側パイロットケース52には、ピストン3の伸び方向への移動によりシリンダ上室2Aから縮み側背圧室55への作動流体の流れが生じる背圧導入通路181が設けられる。縮み側パイロットケース52の下端面(縮み側メインバルブ53側の面)には、環状のシート部65が設けられる。シート部65は、底部57の内周部の外周に設けられた環状の受圧室184を画定する。
【0026】
縮み側パイロットケース52の上端面には、第1受圧室182と隔絶された第2受圧室187が設けられる。第2受圧室187には、背圧導入通路181が開口する。第2受圧室187は、第2シート部188によって画定される。第2シート部188は、一対の隣接する第1受圧室182間を円弧形に延びる。第2シート部188には、第2受圧室187とシリンダ上室2Aとを連通する第1オリフィス185が設けられる。
【0027】
これにより、縮み側バルブ機構51には、シリンダ上室2Aと縮み側背圧室55とを連通する縮み側連通路(連通路)が形成される。縮み側連通路は、ピストン3の伸び方向への移動により、シリンダ上室2Aの作動流体を、第1オリフィス185、第2受圧室187、背圧導入通路181、受圧室184、及びチェックバルブ63を経て縮み側背圧室55へ導入する。
【0028】
なお、伸び側バルブ機構21及び縮み側バルブ機構51を構成するバルブ部品は、ピストンボルト5の軸部6のねじ部(符号省略)に取り付けられたナット78を締め付けることで、ピストンボルト5の頭部7とワッシャ79との間で加圧されて軸力が発生する。
【0029】
図2に示されるように、ピストンボルト5には、共通通路11が形成される。共通通路11は、スリーブ15の内側(軸孔)に形成された軸方向通路12を有する。スリーブ15は、上端がピストンボルト5の頭部6に開口する孔16に嵌着される。共通通路11は、孔16の下部(スリーブ15の下端よりも下側の部分)に形成された軸方向通路13を有する。共通通路11は、上端が孔16に開口する小径孔からなる軸方向通路14を有する。共通通路11の内径は、軸方向通路13が最も大きく、軸方向通路12、軸方向通路14の順に小さくなる。なお、軸方向通路12は、ピストンボルト5の頭部7の端面9に開口する。
【0030】
伸び側背圧室25は、伸び側パイロットケース22のシート部35に設けられたオリフィス(符号省略)、及び受圧室174、を経て、ピストンボルト5の軸部6に形成された径方向通路34に連通される。径方向通路34は、軸方向通路14に連通される。軸方向通路14は、ピストンボルト5の軸部6に形成された径方向通路39に連通される。
【0031】
径方向通路39は、ピストン3の軸孔4の下端部に形成された環状通路41、ピストン3の内周部に形成された複数個の切欠き42、及びピストン3に設けられたディスクバルブ40を介して、伸び側通路19に連通される。ディスクバルブ40は、ピストン3の、シート部24及び伸び側通路19の開口よりも内周側に設けられた環状のシート部43に離着座可能に当接する。ディスクバルブ40は、径方向通路39から伸び側通路19への作動流体の流れを許容する逆止弁である。
【0032】
縮み側背圧室55は、縮み側パイロットケース52のシート部65に設けられたオリフィス(符号省略)、受圧室184、ピストンボルト5の軸部6に形成された二面幅部77、及び縮み側パイロットケース52の底部57の内周部に形成された環状通路68を経て、ピストンボルト5の軸部6に形成された径方向通路64に連通される。径方向通路64は、スリーブ15の側壁に形成された孔66を介して軸方向通路12に連通される。
【0033】
径方向通路64は、二面幅部77、ピストン3の軸孔4の上端部に形成された環状通路71、ピストン3の内周部に形成された複数個の切欠き72、及びピストン3に設けられたディスクバルブ70を介して、縮み側通路20に連通される。ディスクバルブ70は、ピストン3の、シート部54及び縮み側通路20の開口よりも内周側に設けられた環状のシート部73に離着座可能に当接する。ディスクバルブ70は、径方向通路64から縮み側通路20への作動流体の流れを許容する逆止弁である。
【0034】
共通通路11内の作動流体の流れは、パイロットバルブ81(パイロット制御弁)により制御される。パイロットバルブ81は、共通通路11に摺動可能に設けられたバルブスプール82と、孔16の底部の軸方向通路14の開口周縁に形成されたシート部83と、を有する。バルブスプール82は、中実軸からなり、スリーブ15に挿入される摺動部84と、シート部83に離着座可能に当接する弁体85と、を有する。
【0035】
摺動部84の上端には、バルブスプール82の頭部87が形成される。バルブスプール82の頭部7の外周には、第1室130が形成される。頭部87の下端部には、外フランジ形のスプリング受88が形成される。スプリング受88には、弁体85を開弁方向へ付勢するスプリングディスク113の内周部が接続される。これにより、バルブスプール82の頭部87は、ソレノイド90の作動ロッド92の下端面93に当接する(押し付けられる)。
【0036】
ピストンボルト5の頭部7の外周面下部には、上端側が開口する有底円筒形のキャップ121が取り付けられる。キャップ121とピストンボルト5の頭部7との間は環状のシール部材128によってシールされる。これにより、キャップ121とピストンボルト5の頭部7との間には、環状の第2室131が形成される。キャップ121には、ピストンボルト5の軸部6を挿通させる挿通孔123が設けられる。挿通孔123の外周には、複数個(
図2に「2個」表示)の切欠き124が設けられる。切欠き124は、軸部6に形成された二面幅部77に連通する。
【0037】
キャップ121とピストンボルト5の頭部7との間には、頭部7側から順に、スプール背圧リリーフ弁107、スペーサ108、及びリテーナ132が設けられる。スプール背圧リリーフ弁107、スペーサ108、及びリテーナ132は、第2室131内に設けられる。スプール背圧リリーフ弁107は、頭部7に形成された通路29を経由する第1室130から第2室131への作動流体の流れを許容する逆止弁である。スプール背圧リリーフ弁107の外周縁部は、ピストンボルト5の頭部7に形成された環状のシート部109に離着座可能に当接する。リテーナ132の内周縁部には、第2室131を二面幅部77及びキャップ121の切欠き124に連通させる複数個の切欠き133が設けられる。キャップ121とサブバルブ60との間には、サブバルブ60の最大開弁量を定めるリテーナ59が介装される。
【0038】
第1室130には、フェイルセーフバルブ111が構成される。フェイルセーフバルブ111は、バルブスプール82の頭部87のスプリング受88(弁体)が離着座可能に当接するディスク112(弁座)を有する。ディスク112及びスプリングディスク113の外周縁部は、ピストンボルト5の頭部7と、ソレノイド90のコア99との間で保持される。
【0039】
バルブスプール82の弁体85は、軸直角平面による断面が二面幅の切欠き86(
図2に1つのみ表示)を有する円形に形成される。そして、コイル95に対する制御電流が0Aのとき(フェイル時)、バルブスプール82がパイロットバルブ81の開弁方向(
図2における上方向)へ移動し、弁体85が軸方向通路12に嵌合される。これにより、弁体85と軸方向通路12との間には、軸方向通路12,13間を連通する一対のオリフィス114(
図2に1つのみ表示)が形成される。なお、二面幅(切欠き86)を形成する一対の面は、一方の面のみ形成してもよい。この場合、オリフィス114は、1つのみとなる。
【0040】
一方、コイル95への通電時には、バルブスプール82の弁体85がシート部83に着座し、パイロットバルブ81の閉弁される。このパイロットバルブ81の閉弁状態では、バルブスプール82は、弁体85が、軸方向通路14の開口面積と同一面積の円形の受圧面により軸方向通路14側の圧力を受け、他方、摺動部84が、摺動部84の断面積から弁体85の首部(符号省略)の断面積を差し引いた面積と同一面積の環状の受圧面により軸方向通路12側の圧力を受ける。ここで、パイロットバルブ81の開弁圧力は、コイル95への通電を制御することで調節することができる。コイル95への通電の電流値が小さいソフトモード時には、スプリングディスク113の付勢力とプランジャ96が発生する推力とが平衡し、弁体85がシート部83から一定の距離だけ離間した状態となる。
【0041】
ソレノイド90は、ソレノイド機構部91、ヨーク94、及びコイル95(アーマチュアコイル)を有する。
図4に示されるように、ソレノイド機構部91は、作動ロッド92と、作動ロッド92の外周に固定されたプランジャ96(アーマチュア)と、上下に分割されたコア98,99と、を有する。コア98,99は、上下に分割されたホルダ104,105により、同軸に且つ上下方向へ一定間隔をあけて保持される。なお、作動ロッド92は、コア蓋体106に取り付けられたブッシュ100及びコア99に取り付けられたブッシュ110により、上下方向(軸方向)へ案内される。また、作動ロッド92の内側には、ロッド内通路97が形成される。
【0042】
有底円筒形のヨーク94の下端部とコア99との間は、シール部材116によってシールされる。これにより、ピストンボルト5とヨーク94とコア99との間には、環状通路117が形成される。環状通路117は、ピストンボルト5の円筒部8に設けられた通路118を介してシリンダ上室2Aに連通される。ソレノイド90のコア99の内側には、スプール背圧室101が形成される。スプール背圧室101は、作動ロッド92の切欠き(符号省略)、及びロッド内通路97を介してロッド背圧室103に連通される。
【0043】
ヨーク94の上端部には、ピストンロッド141の下端部が連結される。即ち、ピストンロッド141の下端(一端)は、ヨーク94及びピストンボルト5を介してピストン3に連結される。ヨーク94とピストンロッド141との間の締結力(軸力)は、ナット137を締め付けてピストンロッド141の外周の環状溝146に装着されたリング部材145を軸方向へ押し付けることで発生させる。ナット137の上端面には、ピストンロッド141に取り付けられたバンプストッパ140が当接される。
【0044】
図1、
図3に示されるように、ピストンロッド141は、シリンダ2及び外筒10の上端側開口部に装着されたロッドガイド135とオイルシール134とに挿通される。
図1に示されるように、ピストンロッド141の外周には、外筒10の上端側を覆うカバー136が取り付けられる。なお、
図2に示されるように、ピストンロッド141とヨーク94との間は、ピストンロッド141の下端部の外周面に形成された環状溝138に装着されたシール部材139によってシールされる。
【0045】
図3に示されるように、ピストンロッド141は、軸に沿って延びる中空部142(軸孔)が形成された中空軸からなる。ピストンロッド141の中空部142には、ケーブル151が挿通される。ケーブル151は、ピストンロッド141の下端面143(一端)から突出した側(ピストン3側)の電線153,154が、ソレノイド90のターミナル161,162に接続される。
【0046】
なお、ターミナル161はコイル95の正極端子に接続され、ターミナル162はコイル95の負極端子に接続される。また、ケーブル151は、ピストンロッド141の上端面144(一端)から突出した側の電線153,154が、車両側(電力供給装置側)のコネクタ157に接続される。
【0047】
次に、前述した緩衝器1における作動油の流れを説明する。伸び行程時には、シリンダ上室2Aの作動流体が、上流側背圧導入通路、即ち、伸び側通路19、ディスクバルブ40に形成されたオリフィス(符号省略)、ピストン3に形成された切欠き42、ピストン3の軸孔4に形成された環状通路41、径方向通路34、軸方向通路14、径方向通路39、伸び側パイロットケース22に形成された環状通路38、及びチェックバルブ33を経て、伸び側背圧室25へ導入される。
【0048】
また、伸び行程時には、シリンダ上室2A(上流側の室)の作動流体は、縮み側連通路、即ち、第1オリフィス185、第2受圧室187、背圧導入通路181、及びチェックバルブ63を経て、縮み側背圧室55へ導入される。これにより、伸び行程時に、縮み側メインバルブ53がシリンダ上室2Aの圧力によって開弁することが抑止される。
【0049】
伸び行程時に縮み側背圧室55に導入された作動流体は、シート部65に形成されたオリフィス(符号省略)、受圧室184、縮み側パイロットケース52の底部57の内周部に形成された環状通路68、ピストンボルト5の軸部6に形成された二面幅部77、ピストン3の内周部に形成された切欠き72、ディスクバルブ70、及び縮み側通路20を経てシリンダ下室2B(下流側の室)へ流れるので、伸び側メインバルブ23の開弁前、即ち、ピストン速度の低速領域には、オリフィス67によるオリフィス特性及びディスク70によるバルブ特性の減衰力が得られる。
【0050】
一方、縮み行程時には、シリンダ下室2B(上流側の室)の作動流体が、上流側背圧導入通路、即ち、縮み側通路20、ディスクバルブ70に形成されたオリフィス(符号省略)、ピストン3に形成された切欠き72、ピストン3の軸孔4に形成された環状通路71、ピストンボルト5の軸部6に形成された二面幅部77、縮み側パイロットケース52に形成された環状通路68、及びチェックバルブ63を経て、縮み側背圧室55へ導入される。
【0051】
また、縮み行程時には、シリンダ下室2B(上流側の室)の作動流体は、伸び側連通路、即ち、第1オリフィス175、第2受圧室177、背圧導入通路171(下流側背圧導入通路)、及びチェックバルブ33を経て、伸び側背圧室25へ導入される。これにより、縮み行程時に、伸び側メインバルブ23がシリンダ下室2Bの圧力によって開弁することを抑止することができる。
【0052】
縮み行程時に伸び側背圧室25に導入された作動流体は、シート部35に形成されたオリフィス(符号省略)、受圧室174、伸び側パイロットケース22の底部27の内周部に形成された環状通路38、径方向通路39、軸方向通路14、径方向通路34、ピストン3の軸孔4に形成された環状通路41、ピストン3の内周部に形成された切欠き42、ディスクバルブ40、及び伸び側通路19を経てシリンダ上室2A(下流側の室)へ流れるので、縮み側メインバルブ53の開弁前、即ち、ピストン速度の低速領域には、シート部35に設けられたオリフィス(符号省略)によるオリフィス特性及びディスク40によるバルブ特性の減衰力が得られる。
【0053】
(第1実施形態)
次に、前述した緩衝器1(減衰機構)の検査方法の第1実施形態を説明する。
第1実施形態では、まず、
図5に示される検査装置191を使用して、ヨーク94への組付け前のソレノイド機構部91(
図4参照)を検査する。ここでは、作動ロッド92の摺動抵抗のばらつきを検査する。
【0054】
図5に示されるように、検査装置191は、検査用コイル192と、検査用コイル192を保持する検査用ヨーク193と、を有する。ソレノイド機構部191(検査対象)のホルダ104には、インサートコア194、円筒形のスペーサ195、及びスプリング受196を介して、圧縮コイルスプリング197のばね力(予圧)が付与される。また、検査装置191は、検査用ヨーク193にセットされたソレノイド機構部91の作動ロッド92の端面(バルブスプール82の頭部87に当接される面)に当接させるプローブ198(圧力センサ)を有する。
【0055】
この検査装置191による検査では、検査装置191にソレノイド機構部91をセットし、検査用コイル192に給電したときの、ソレノイド機構部91(プランジャ96)が発生する推力を計測する。そして、計測電流(検査用コイル192に印加する電流値)に対し、プランジャ96が発生する推力の計測値が予め定められた範囲内であるとき、当該検査をパス(合格)する。
【0056】
検査装置191による検査をパスしたソレノイド機構部91は、製品に使用されるヨーク94、コイル95、及びピストンロッド141と組まれる。さらに、ピストンロッド141にオイルシール134及びロッドガイド135が装着され、ピストンロッド141の先端から突出したケーブル151にコネクタ157が取り付けられる。次に、ヨーク94にピストンボルト5を結合し、ソレノイド90とバルブ機構部28とを一体化させることにより、減衰力可変機構17(双方向制御弁)を構成する。便宜上、
図3に示される、ピストン3、ピストンロッド141、及び減衰力可変機構17が一体化された状態を、ロッド組体150と称する。
【0057】
次に、ロッド組体150(検査対象)は、
図6に示される検査装置201による検査が行われる。
図6に示されるように、検査装置201は、ロッド組体150の減衰力可変機構17を収容するシリンダブロック202を有する。シリンダブロック202には、ロッド組体150のピストン3が挿入される検査用シリンダ203が形成される。検査用シリンダ203は、ピストン3によりシリンダ上室203Aとシリンダ下室203Bとの2室に区画される。
【0058】
検査用シリンダ203は、上端側(
図6における「上側」)に大径部204が形成される。大径部204の開口、即ち、検査用シリンダ203の上端側開口は、
図6における左右方向へ分離可能な割り治具205により閉塞される。割り治具205には、ロッド組体150のピストンロッド141を挿通させるロッド挿通孔206が形成される。割り治具205は、ロッド挿通孔206の内周面に形成された環状溝207に装着される環状のシール部材208を有する。シール部材208は、ピストンロッド141の外周面に密着し、割り治具205の本体とピストンロッド141との間をシールする。シール部材208は、ロッド挿通孔206の軸線を含む平面によって割り治具205の本体と一体で
図6における左右方向へ分離可能である。
【0059】
シリンダブロック202と割り治具205とは、シリンダブロック202に設けられた環状のシール部材210によってシールされる。シール部材210は、シリンダブロック202の上側端面の、大径部204の開口の外側に形成された環状溝209に装着される。なお、検査装置201は、ピストンロッド141の先端部を固定し、検査用シリンダ203に対するピストンロッド141の移動を阻止するロッド固定部219を有する。
【0060】
シリンダブロック202には、シリンダ上室203Aに連通する伸び側供給路211(一側の第1流路)と、シリンダ下室203Bに連通する伸び側排出路212(他側の第2流路)と、シリンダ下室203Bに連通する縮み側供給路213(一側の第2流路)と、シリンダ上室203Aに連通する縮み側排出路214(他側の第1流路)と、が設けられる。
【0061】
検査装置201は、供給流路215に連通させる流路を伸び側供給路211と縮み側供給路213との間で切り換える供給側切換弁217と、排出流路216に連通させる流路を伸び側排出路212と縮み側排出路214との間で切り換える排出側切換弁218と、を有する。なお、供給源(図示省略)から供給流路215へ供給される作動油の流量は、流量制御部220により制御される。また、検査装置201は、シリンダ上室203Aとシリンダ下室203Bとの圧力差(差圧)を計測する差圧計測部221を備える。
【0062】
この検査装置201による検査では、低速側のピストン速度相当の作動油流量(第1実施形態では「3L/min」)、及び高速側のピストン速度相当の作動油流量(第1実施形態では「10L/min」)において、計測電流0.6Aにおける伸び側及び縮み側の圧力差の変化量(
図7における「C1」及び「C2」)を計測し、この変化量が減衰力調整式油圧緩衝器1(減衰機構)のヒステリシスによる減衰力のばらつきの許容範囲に基づき決定された予め定められた範囲内であるとき、当該検査をパス(合格)する。
【0063】
ここで、従来の減衰力調整式油圧緩衝器(減衰機構)の検査方法では、製品のオイルシール及びロッドガイドが使用されるため、ピストンロッドやオイルシールに傷が付いたり、異物が付着するリスクがあり、これは、組付け後にオイル漏れ等の原因になり、製品の品質及び信頼性が低下する要因となる。
【0064】
これに対し、第1実施形態では、ピストンロッド141の径方向へ分離可能な割り治具205により検査用シリンダ203のシリンダ上室203Aを密封したので、検査時にピストンロッド141を製品のオイルシール134に対して摺動させることがない。これにより、ピストンロッド141やオイルシール134に傷が付いたり、異物が付着するリスクが回避され、製品への組付け後のオイル漏れ等の不具合を抑止することが可能であり、製品の品質及び信頼性を向上させることができる。
また、供給流路215との接続を、供給側切換弁217により、伸び側供給路211と縮み側供給路213とに切り換えると共に、排出流路216との接続を、排出側切換弁218により、伸び側排出路212と縮み側排出路214とに切り換えるので、検査装置201のシリンダブロック202に形成した各供給路211,213及び各排出路212,214を流れる作動油の流れの方向が一方向であり、検査装置201の油圧回路の煩雑化を回避することができる。
【0065】
なお、第1実施形態は、前述した形態に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
図8に示されるように、ヨーク233の外周に設けられた製品のシール部材224(Oリング)によって検査用シリンダ203のシリンダ上室203Aを密封することで、段取りをすることなく、減衰力可変機構17単体を検査することができる。なお、クランパ225によりヨーク223をクランプすることにより、検査用シリンダ203からの減衰力可変機構17の抜けを阻止する。
この場合、シール部材224は、オイルシール134とは異なり摺動しない固定シールであるため、異物が付着する等のリスクはない。
また、第1実施形態では、検査用シリンダ203に対して作動油を給排することで、検査用シリンダ203内の作動油を移動させたが、ピストンロッド141を加振することで、検査用シリンダ203内の作動油を移動させるように構成してもよい。
【0066】
(第2実施形態)
次に、
図9を参照して第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
第1実施形態では、ピストン3、ピストンロッド141、及び減衰力可変機構17が一体化されたロッド組体150を検査対象とした。
【0067】
これに対し、第2実施形態では、ピストンロッド141、ヨーク94、及びコイル95を組付ける前の、ソレノイド機構部91とバルブ機構部28とのサブ組体を検査対象とした。これにより、検査方法の第2実施形態で使用される検査装置201Aは、検査用ヨーク94Aと検査用コイル95Aとを備える。なお、検査用コイル95Aには、検査用コネクタ157A及び検査用ケール151Aを介して計測電流が給電される。
【0068】
第2実施形態では、前述した第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、第2実施形態では、組み合わされる製品(減衰機構)の形態が異なる減衰力可変機構17の特性検査を、段取りすることなく、共通の検査装置201Aにより実施することができる。
また、第2実施形態では、ピストンロッド141のハンドリングが不要であることから、ピストンロッド141の傷付きや異物の付着のリスクを回避することができる。
また、特性検査にてNGが出た場合、ソレノイド90またはバルブ構成部28のみを交換することでピストンロッド141を再利用することができる。
【0069】
次に、
図10を参照して第3実施形態を説明する。
なお、第1、第2実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、ピストンロッド141、ヨーク94、及びコイル95を組付ける前の、ソレノイド機構部91とバルブ機構部28とのサブ組体を検査対象とした。
【0070】
これに対し、第3実施形態では、ピストンロッド141、ソレノイド機構部91、ヨーク94、及びコイル95を組付ける前の、バルブ機構部28を検査対象とした。これにより、検査方法の第3実施形態で使用される検査装置201Bは、検査用ヨーク94A、検査用コイル95A、及び検査用ソレノイド機構部91Aを有する検査用ソレノイド90Aを備える。
第3実施形態では、前述した第1及び第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 減衰力調整式油圧緩衝器(減衰機構)、2 シリンダ、2A シリンダ上室、2B シリンダ下室、3 ピストン、17 減衰力可変機構、141 ピストンロッド、203 検査用シリンダ