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特開2022-137879制御装置、プログラム、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137879
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220914BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220914BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037583
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 しのぶ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 栄広
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129BB21
2F129BB22
2F129BB26
2F129CC03
2F129CC16
2F129EE21
2F129EE43
2F129EE50
2F129EE78
2F129EE79
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF19
2F129FF20
2F129FF62
2F129FF63
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH15
2F129HH20
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF14
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】よりセキュアな位置情報の提示を実現する。
【解決手段】ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御部、を備え、前記制御部は、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する、制御装置が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御部、
を備え、
前記制御部は、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する、
制御装置。
【請求項2】
少なくとも2つの前記振動提示部は、前記ユーザを基準とした第1の方向、および前記第1の方向に対向する第2の方向にそれぞれ対応して配置される、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1の方向および前記第2の方向は、前記ユーザを基準とした左右方向にそれぞれ対応する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の方向および前記第2の方向とは異なる第3の方向に対応して配置される前記振動提示部による振動提示をさらに制御する、
請求項2または請求項3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第3の方向は、前記ユーザを基準とした後方向に対応する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ユーザを基準とした方向に関する情報は、前記ユーザを基準とした目的地の方向に関する情報を含む、
請求項1から請求項5までのうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ユーザを基準とした方向に関する情報は、前記ユーザを基準とした障害物の方向に関する情報を含む、
請求項1から請求項6までのうちいずれ一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ユーザを基準とした方向に関する情報に応じて、当該方向に対応する少なくとも1つの前記振動提示部に振動提示を行わせる、
請求項1から請求項7までのうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記振動提示部は、前記ユーザにより装着されるウェアラブルデバイスに配置される、
請求項1から請求項8までのうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記ウェアラブルデバイスは、ネックバンド型を含む、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御機能、
を実現させ、
前記制御機能に、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御させる、
プログラム。
【請求項12】
ユーザに対する振動提示を行う少なくとも2つの振動提示部と、
ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの前記振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザや物体の位置情報に基づく情報をユーザに提示する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザにより携帯される端末の位置情報と目的地の位置情報とに基づいて、当該目的地までの経路をユーザに提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-141808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される携帯端末は、上記のような経路の情報をディスプレイによる表示によりユーザに提示している。しかし、この場合、ユーザはディスプレイを注視することが求められ、周囲への注意が散漫となる可能性がある。また、上記のような経路の情報を音声出力によりユーザに提示することも想定されるが、この場合、周囲の騒音によって音声が聞き取れない場合がある。また、ユーザが音声出力に集中しすぎることにより、接近する車両等の音に気が付かない可能性も生じる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、よりセキュアな位置情報の提示を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御部、を備え、前記制御部は、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する、制御装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御機能、を実現させ、前記制御機能に、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御させる、プログラムが提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザに対する振動提示を行う少なくとも2つの振動提示部と、ユーザに対する前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの前記振動提示部による振動提示を用いた前記ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する、システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、よりセキュアな位置情報の提示を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係るウェアラブルデバイス20の一形態を例示する図である。
図3】同実施形態に係る目的地の方向に応じた振動提示制御の例を示す図である。
図4】同実施形態に係る目的地の方向に応じた振動提示制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】同実施形態に係る障害物の方向に応じた振動提示制御の例を示す図である。
図6】同実施形態に係る障害物の方向に応じた振動提示制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べる。
【0013】
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、制御部110、複数の振動提示部210、音声出力部220、撮影部230、表示部240、音声収集部250、位置情報取得部260を備えてもよい。
【0015】
(制御部110)
本実施形態に係る制御部110は、ユーザに対する当該ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御する。
【0016】
また、本実施形態に係る制御部110は、ユーザを基準として互いに異なる方向に対応して配置される少なくとも2つの振動提示部210による振動提示を用いた当該ユーザを基準とした方向に関する情報の提示を制御することを特徴の一つとする。
【0017】
すなわち、本実施形態に係るシステム1では、ユーザを基準とした方向に関する情報が、少なくとも振動刺激によりユーザに提示される。
【0018】
本実施形態に係る振動提示によれば、ユーザを基準とした方向に関する情報がディスプレイに表示される場合とは異なり、ユーザがディスプレイを注視する必要がなく、周囲へ注意を向けることができ、よりセキュアな情報提示を実現することが可能となる。
【0019】
また、本実施形態に係る振動提示を用いた情報提示によれば、音声出力を用いる場合とは異なり、車両や人の通りが多いなど騒音が大きい環境においてもユーザに情報を提示することが可能となる。さらには、本実施形態に係る振動提示を用いた情報提示によれば、音声出力を用いる場合とは異なり、ユーザは、周囲に存在する車両などが発する音に注意を向けることが可能となる。
【0020】
本実施形態に係る制御部110は、前記ユーザを基準とした方向に関する情報に応じて、当該方向に対応する少なくとも1つの振動提示部210に振動提示を行わせてもよい。
【0021】
例えば、上記のユーザを基準とした方向に関する情報には、ユーザを基準とした目的地の方向に関する情報が含まれてもよい。
【0022】
この場合、制御部110は、例えば、ユーザを基準として右方向に目的地がある検知されると、ユーザを基準として右方向に配置される振動提示部210に振動刺激を呈示させる。
【0023】
上記のような制御によれば、ユーザは、目的地が自身を基準として右方向に位置することを直感的に把握することができる。
【0024】
また、上記のユーザの基準とした方向に関する情報には、ユーザを基準とした障害物の方向に関する情報が含まれてもよい。
【0025】
この場合、制御部110は、例えば、ユーザを基準として左方向に障害物が検知されると、ユーザを基準として左方向に配置される振動提示部210に振動刺激を呈示させる。
【0026】
上記のような制御によれば、ユーザは、自身を基準として左方向に障害物が存在することを直感的に把握することができる。
【0027】
また、本実施形態に係る制御部110は、振動提示部210による振動提示に加え、音声出力部220による情報提示や、表示部240による情報提示をさらに制御してもよい。
【0028】
上記のように画像や音声を用いた情報提示を併用する場合であっても、画像と音声のいずれか、あるいは両方を用いて情報提示を行う場合と比較して、画像または音声に過度な注意が向くことを防止すること可能である。
【0029】
本実施形態に係る制御部110が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。本実施形態に係る制御部110が有する機能の詳細については別途説明する。
【0030】
(振動提示部210)
本実施形態に係る振動提示部210は、制御部110による制御に従い、ユーザに対して振動刺激を提示する。
【0031】
本実施形態に係る振動提示部210は、ユーザにより装着されるウェアラブルデバイス20(図示を省略する)に、少なくとも2つ配置される。
【0032】
例えば、2つの振動提示部210aおよび210bは、ウェアラブルデバイス20において、ユーザを基準とした第1の方向、および当該第1の方向に対向する第2の方向にそれぞれ対応して配置されてもよい。
【0033】
一例として、上記の第1の方向および第2の方向は、ユーザを基準とした左右方向にそれぞれ対応してもよい。
【0034】
この場合、本実施形態に係る制御部110が2つの振動提示部210aおよび210bのいずれかに振動刺激を提示させることで、少なくとも左右のいずれかの方向をユーザに示すことが可能となる。
【0035】
また、本実施形態に係る制御部110は、第1の方向および第2の方向とは異なる第3の方向に対応して配置される3つ目の振動提示部210cによる振動提示をさらに制御してもよい。
【0036】
一例として、上記の第3の方向は、ユーザを基準とした後方向に対応してもよい。
【0037】
この場合、本実施形態に係る制御部110が振動提示部210cに振動刺激を提示させることで、後方向をユーザに示すことが可能となる。
【0038】
さらには、本実施形態に係る制御部110が振動提示部210aまたは210bのいずれかと振動提示部210cとに態様の振動刺激を提示させることで、斜め方向をユーザに示すことも可能となる。
【0039】
また、例えば、本実施形態に係る制御部110が2つの振動提示部210aおよび210bに同時に振動刺激を提示させることで、前方向をユーザに示すことも可能である。
【0040】
また、例えば、本実施形態に係る制御部110が3つの振動提示部210a~210cに同時に振動刺激を提示させることで、前進してはいけないこと(ストップ)をユーザに示すことが可能となる。
【0041】
なお、本実施形態に係る振動提示部210の数は3つ以下に限定されるものではなく、ウェアラブルデバイス20やアプリケーションの仕様等に応じて適宜調整されればよい。
【0042】
本実施形態に係る振動提示部210は、振動刺激を発生させるためのアクチュエータを備える。上記アクチュエータとしては、例えば、偏心モータ(ERM:Eccentric Rotating Mass)、リニア・バイブレータ(LRA:Linear
Resonant Actuator)、ピエゾ(圧電)素子などが挙げられる。
【0043】
(音声出力部220)
本実施形態に係る音声出力部220は、制御部110による制御に従い、各種の音声を出力する。
【0044】
例えば、音声出力部220は、上述のユーザの基準とした方向に関する情報に対応する音声を出力してもよい。
【0045】
このために、本実施形態に係る音声出力部220は、スピーカ、アンプなどを備える。
【0046】
なお、本実施形態に係る音声出力部220は、複数備えられてもよい。
【0047】
(撮影部230)
本実施形態に係る撮影部230は、ユーザの周囲を撮影する。
【0048】
このために、本実施形態に係る撮影部230は、各種の撮像素子を備える。
【0049】
撮影部230により撮影された画像は、例えば、ユーザの周囲に存在する障害物の検知に用いられる。なお、障害物の検知は、LIDARなどを用いて行われてもよい。
【0050】
(表示部240)
本実施形態に係る表示部240は、制御部110による制御に従い、各種の画像を投影する。
【0051】
例えば、表示部240は、上述のユーザの基準とした方向に関する情報に対応する画像を表示してもよい。
【0052】
このために、本実施形態に係る表示部240は、ディスプレイ、プロジェクタなどを備える。
【0053】
(音声収集部250)
本実施形態に係る音声収集部は、各種の音声を収集する。
【0054】
このために、本実施形態に係る音声収集部250は、マイクロフォンを備える。
【0055】
例えば、本実施形態に係る音声収集部250は、ユーザの発話に係る音声を収集してもよい。当該ユーザの発話に係る音声は、音声認識を利用した機能制御に用いられてもよい。
【0056】
また、例えば、本実施形態に係る音声収集部250は、ユーザの周囲に存在する物体が発する音を収集してもよい。当該音は、障害物の検知に用いられてもよい。
【0057】
(位置情報取得部260)
本実施形態に係る位置情報取得部260は、ユーザの現在位置に係る情報を取得する。
【0058】
このために、本実施形態に係る位置情報取得部260は、ユーザにより装着されるウェアラブルデバイス20、ユーザにより携帯されるスマートフォンなどに備えられる。
【0059】
本実施形態に係る位置情報取得部260は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)からの信号を受信する受信機、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサなどを備える。
【0060】
以上、本実施形態に係るシステム1の構成例について述べた。なお、図1を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係るシステム1の構成は係る例に限定されない。
【0061】
例えば、本実施形態に係るシステム1は、ユーザによる入力操作を受け付ける操作受付部などをさらに備えてもよい。
【0062】
また、上述した各構成は、単一の装置に集約して備えられてもよいし、複数の装置に分散して備えられてもよい。
【0063】
例えば、上述した各構成は、ウェアラブルデバイス20に集約して備えられてもよい。この場合、ウェアラブルデバイス20は、制御装置として機能する。
【0064】
一方、本実施形態に係る制御部110は、図1に示すように制御装置10に他の構成とは独立して備えられてもよい。この場合、制御部110は、無線通信を介してウェアラブルデバイス20に備えられる各構成を制御してもよい。
【0065】
また、制御装置10は、例えば、スマートフォンなどの端末として実現されてもよい。この場合、制御装置10は、制御部110、表示部240、位置情報取得部260などを備え、ウェアラブルデバイス20に備えられる各構成を制御してもよい。
【0066】
ここで、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20の形態に関し、一例を挙げて説明する。
【0067】
図2は、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20の一形態を例示する図である。
【0068】
例えば、図2に示すように、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20は、ネックバンド型であってもよい。
【0069】
図2に示す一例の場合、ネックバンド型のウェアラブルデバイス20は、3つの振動提示部210a~210cを備える。
【0070】
3つの振動提示部210a~210cは、第1の方向である左方向、第2の方向である右方向、第3の方向である後方向に対応した位置にそれぞれ配置される。
【0071】
図2に示すような振動提示部210a~210cの配置によれば、後述するように、全方位をカバーした多様な情報をユーザに提示することが可能となる。
【0072】
なお、3つの振動提示部210a~210cは、ウェアラブルデバイス20の装着時にユーザの骨(例えば、鎖骨、頚椎など)に接触するように配置されてもよい。
【0073】
このような配置によれば、ユーザが振動提示をより把握しやすくなる効果が期待される。
【0074】
また、図2に示す一例の場合、ネックバンド型のウェアラブルデバイス20は、2つの音声出力部220aおよび220bを備える。
【0075】
2つの音声出力部220aおよび220bは、第1の方向である左方向、第2の方向である右方向に対応した位置にそれぞれ配置される。
【0076】
図2に示すような音声出力部220aおよび220bの配置によれば、例えば、左方向に関連する音声案内を音声出力部220aに出力させ、右方向に関連する音声案内を音声出力部220bに出力させるなど、より立体的な音声案内を実現することが可能となる。
【0077】
また、図2に示す一例の場合、ネックバンド型のウェアラブルデバイス20は、前方に撮影部230を備える。
【0078】
このような配置によれば、ユーザの前方に存在する障害物を検知することが可能となる。
【0079】
また、撮影部230は、ウェアラブルデバイスの後方にさらに配置されてもよい。
【0080】
この場合、ユーザの後方に存在する障害物を検知することが可能となる。
【0081】
また、図2に示す一例の場合、ネックバンド型のウェアラブルデバイス20は、前方に表示部240を備える。
【0082】
なお、図2に示す一例の場合、表示部240は、プロジェクタを備えてよい。
【0083】
このような構成によれば、振動提示に加え、付加的な画像情報をユーザに提示することが可能となる。
【0084】
表示部240による画像情報の投影は、振動や音声のみでは把握が困難な情報、例えば、交差点の位置および名称をユーザに提示する場合などに特に有効である。
【0085】
また、図2に示す一例の場合、ネックバンド型のウェアラブルデバイス20は、前方に音声収集部250を備える。
【0086】
このような配置によれば、ユーザによる音声入力(例えば、目的地の指定など)を効率的に受け付けることができ、利便性を向上させることができる。
【0087】
以上、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20の形態に関し一例を挙げて説明した。
【0088】
なお、図2に示す一例の場合、制御部110および位置情報取得部260は、ウェアラブルデバイス20に備えられてもよいし、ウェアラブルデバイス20とは別途の制御装置10に備えられてもよい。
【0089】
また、図2では、前方が開いたU字型のネックバンド型のウェアラブルデバイス20を例示したが、本実施形態に係るネックバンド型のウェアラブルデバイス20は、ユーザの首の全周囲を覆うO字型であってもよい。
【0090】
また、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20はネックバンド型に限定されない。
【0091】
本実施形態に係るウェアラブルデバイス20は、例えば、各種のヘッドマウント型やリュックサック型であってもよい。
【0092】
さらには、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20は、2つ以上の分離したパーツを備えてもよい。
【0093】
一例として、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20は、ユーザの右腕および左腕にそれぞれ装着される2つのリストバンド型パーツを備えてもよい。
【0094】
また、他の例として、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20は、ユーザの肌に直接貼り付ける形態をとってもよい。
【0095】
この場合、2つのリストバンド型パーツの各々に振動提示部210を配置することにより、方向に関する振動提示を実現することができる。
【0096】
本実施形態に係るウェアラブルデバイス20の形態は、柔軟に変形可能である。
【0097】
<<1.2.振動提示制御の詳細>>
次に、本実施形態に係る制御部110による振動提示制御について詳細に説明する。
【0098】
なお、以下においては、本実施形態に係るウェアラブルデバイス20が図2に示す構成を備えるネックバンド型である場合の制御例について述べる。
【0099】
この場合、制御部110は、振動提示部210a~210cのいずれかに振動提示を行わせることで、少なくとも第1の方向である左方向、第2の方向である右方向、第3の方向である後方向をユーザに示すことができる。
【0100】
また、制御部110は、振動提示部210a~210cのうちの2つあるいは3つに同時に振動提示を行わせることで、第1の方向、第2の方向、および第3の方向以外の方向を示すことができる。
【0101】
さらには、制御部110は、振動提示部210a~210cに提示させる振動刺激の態様を変化させることにより、距離に関連する情報をユーザに提示することができる。
【0102】
まず、本実施形態に係る目的地の方向に応じた振動提示制御について具体例を挙げて説明する。
【0103】
図3は、本実施形態に係る目的地の方向に応じた振動提示制御の例を示す図である。
【0104】
例えば、100m先を左折という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210aに短時間の振動を1回だけ提示させてもよい。
【0105】
一方、50m先を左折という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210aに短時間の振動を2回提示させてもよい。
【0106】
他方、まもなく右折という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210bに長時間の振動を1回だけ提示させてもよい。
【0107】
このように、制御部110は、振動提示の態様を変化させることにより、例えば、方向転換が必要な地点や目的地までの距離をユーザに提示することが可能である。
【0108】
なお、本実施形態に係る振動提示の態様には、上記で挙げた振動時間、振動回数の他、振動間隔、周波数、振幅などが含まれてよい。
【0109】
また、例えば、右斜め方向に直進という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210bに短時間の振動を3回、振動提示部210cに短時間の振動を3回提示させてもよい。
【0110】
このように、制御部110は、2つの振動提示部210に同時に振動提示を行わせることにより、両者が対応する方向の中間方向をユーザに提示することができる。
【0111】
この際、制御部110は、2つの振動提示部210に異なる態様の振動提示を行わせることで、より詳細な方向を表現することも可能である。
【0112】
例えば、進行方向が右斜め方向かつ右寄りの場合、制御部110は、振動提示部210bにより低い周波数で振動提示を行わせ、振動提示部210cにより高い周波数で振動提示を行わせてもよい。
【0113】
以上説明したように、本実施形態に係る制御部110は、振動提示部210a~210cによる振動提示を制御することで、目的地の方向をユーザに提示することが可能である。
【0114】
続いて、本実施形態に係る目的地の方向に応じた振動提示制御の流れについて説明する。
【0115】
図4は、本実施形態に係る目的地の方向に応じた振動提示制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0116】
図4に示す一例の場合、制御部110は、まず、音声収集部250または操作受付部からユーザが入力した目的地を取得する(S102)。
【0117】
次に、制御部110は、位置情報取得部260から現在位置を取得する(S104)。
【0118】
次に、制御部110は、ステップS102において取得した目的地、およびステップS104において取得した現在位置に基づいて、目的地の方向に応じた振動提示の制御を行う(S106)。
【0119】
また、制御部110は、振動提示に加え、音声提示や画像提示をさらに制御してもよい。
【0120】
制御部110は、ユーザにより機能の終了が指示されるまで、ステップS102~S106における処理を繰り返し実行してもよい。
【0121】
次に、本実施形態に係る障害物の方向に応じた振動提示制御について具体例を挙げて説明する。
【0122】
図5は、本実施形態に係る障害物の方向に応じた振動提示制御の例を示す図である。
【0123】
例えば、前方に障害物を検知という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210aおよび210bに短時間の振動を複数回提示させてもよい。
【0124】
このような制御によれば、ユーザが前方に障害物が存在することを直感的に把握することができる。
【0125】
一方、左斜め後方からの障害物(例えば、車両など)の接近を検知という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210aおよび210cに短時間の振動を複数回提示させてもよい。
【0126】
このような制御によれば、ユーザが後方から障害物が接近していることを直感的に把握することができる。
【0127】
また、上記のような制御を行う場合、制御部110は、ユーザと障害物との間の距離に応じて振動提示部210に提示させる振動の態様を変化させてもよい。
【0128】
例えば、制御部110は、ユーザと障害物との間の距離が近づくほど、振動提示部210に提示させる振動の間隔を短くしてもよい。
【0129】
上記のような制御によれば、ユーザが障害物との距離を直感的に把握し、当該距離に応じた適切な行動を取ることが可能となる。
【0130】
また、制御部110は、振動提示の態様を制御することで、検知された障害物の移動方向を表現することも可能である。
【0131】
例えば、左前向から右前方へ移動する障害物を検知という情報提示を行う場合、制御部110は、振動提示部210aに提示させる振動に係る振幅の大きさを大から小に徐々に変化させてもよい。また、制御部110は、振動提示部210aに提示させる振動に係る振幅の大きさを小から大に徐々に変化させてもよい。
【0132】
上記のような制御によれば、ユーザが障害物の移動方向を直感的に把握し、当該方向に応じた適切な行動を取ることが可能となる。
【0133】
以上説明したように、本実施形態に係る制御部110は、振動提示部210a~210cによる振動提示を制御することで、障害物の方向をユーザに提示することが可能である。
【0134】
続いて、本実施形態に係る障害物の方向に応じた振動提示制御の流れについて説明する。
【0135】
図6は、本実施形態に係る障害物の方向に応じた振動提示制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0136】
図6に示す一例の場合、制御部110は、まず、撮影部230からユーザの周囲を撮影した画像を取得する(S202)。
【0137】
この際、制御部110は、撮影部230に加え、周囲に存在する防犯カメラなど他の撮影装置から無線通信を介して画像を取得してもよい。
【0138】
次に、制御部110は、ステップS202において取得した画像に基づいて障害物を検知する(S204)。
【0139】
次に、制御部110は、ステップS204において検知した障害物の方向に応じて、振動提示部210による振動提示を制御する(S206)。
【0140】
以上、本実施形態に係る振動提示制御について具体例を挙げて詳細に説明した。
【0141】
上記で説明したような振動提示制御によれば、画像と音声のいずれかまたは両方のみを用いる場合と比較して、よりセキュアかつ直感的な方向提示を実現することができる。
【0142】
また、本実施形態に係る振動提示は、視覚や聴覚に障がいを持つユーザにとって、非常に有効である。
【0143】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0144】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0145】
10:制御装置、110:制御部、20:ウェアラブルデバイス、210:振動提示部、220:音声出力部、230:撮影部、240:表示部、250:音声収集部、260:位置情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6