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特開2022-137888患者追跡調査支援システム、患者追跡調査支援方法、支援制御装置、端末装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137888
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】患者追跡調査支援システム、患者追跡調査支援方法、支援制御装置、端末装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 70/40 20180101AFI20220914BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20220914BHJP
【FI】
G16H70/40
G16Y10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037596
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】常川 聡
(72)【発明者】
【氏名】小長谷 隆人
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 陽一
(72)【発明者】
【氏名】泉 博明
(72)【発明者】
【氏名】田畑 雅章
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】投薬を受けたより広範囲の患者について、投薬後に追跡調査する患者追跡調査支援システム、支援制御装置、患者追跡調査支援、端末装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】患者追跡調査支援システムにおいて、端末装置は、薬剤の投与を受けた患者に対し発行される投与済情報の入力を受け付け、投与済情報を患者の固有識別情報と共に支援制御装置へ送信する。支援制御装置は、投与済情報を受信して固有識別情報と対応付けた状態で記憶し、投与済情報と予め設定された抽出条件とに基づいて抽出条件に該当する患者を追跡対象者として抽出し、抽出した追跡対象者の端末装置へ回答要求を送信する。端末装置は、回答要求に応じて患者が入力した薬剤投与後の状態を表す回答情報を固有識別情報と共に支援制御装置へ返送する。支援制御装置は、回答情報を受信し記憶した後、回答情報に基づいて患者の薬剤投与後の状態変化を推定し、推定結果を出力する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報登録用の端末装置と、この端末装置との間でネットワークを介して情報データの伝送が可能な支援制御装置とを備え、薬剤の投与を受けた患者の追跡調査を支援する患者追跡調査支援システムであって、
前記端末装置は、
前記薬剤の投与を受けた前記患者に対し発行される投与済情報の入力を受け付け、前記投与済情報を前記患者を識別する固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する投与済情報登録処理部と、
前記支援制御装置から送信される回答要求に応じて入力された、前記患者の薬剤投与後の状態を表す回答情報を、前記固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する回答処理部と
を備え、
前記支援制御装置は、
前記端末装置から送信された前記投与済情報を受信し、受信された前記投与済情報を前記固有識別情報と対応付けた状態で記憶する受信処理部と、
前記投与済情報と予め設定された抽出条件とに基づいて、前記抽出条件に該当する前記患者を追跡対象者として抽出し、抽出された前記追跡対象者に対応する前記端末装置に対し前記回答要求を送信する回答要求処理部と、
前記回答要求に対し前記端末装置から送信される前記回答情報を受信し、受信された前記回答情報を記憶する回答取得処理部と、
前記回答情報に基づいて前記患者の前記薬剤投与後の状態変化を推定し、その推定結果を出力する解析処理部と
を備える患者追跡調査支援システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記薬剤の投与を受ける前記患者に係る問診情報を含む診療情報に入力を受け付け、前記診療情報を前記患者の前記固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する診療情報登録処理部を、さらに備え、
前記回答要求処理部は、前記投与済情報に前記診療情報を加味して、前記抽出条件に該当する前記患者を前記追跡対象者として抽出し、抽出された前記追跡対象者に対応する前記端末装置に対し、前記投与済情報および前記診療情報の内容に対応するアンケート情報を前記回答要求と共に送信する、
請求項1に記載の患者追跡調査支援システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
前記支援制御装置による、前記投与済情報、前記診療情報および前記回答情報の少なくとも1つの情報の利用に対する前記患者の同意確認情報の入力を受け付け、前記同意確認情報を前記患者の前記固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する同意確認情報登録処理部を、さらに備え、
前記回答要求処理部は、前記同意確認情報をもとに同意が確認されている前記患者の中から、前記抽出条件に該当する前記患者を前記追跡対象者として抽出する、請求項2に記載の患者追跡調査支援システム。
【請求項4】
情報登録用の端末装置との間でネットワークを介して情報データの伝送が可能であり、薬剤の投与を受けた患者の追跡調査を支援する処理を行う支援制御装置であって、
前記薬剤の投与を受けた前記患者に対し発行される投与済情報を、前記患者を識別する固有識別情報と共に前記端末装置から取得する投与済情報取得処理部と、
前記投与済情報と予め設定された抽出条件とに基づいて、前記抽出条件に該当する前記患者を追跡対象者として抽出し、抽出された前記追跡対象者に対応する前記端末装置に対し回答要求を送信する回答要求処理部と、
前記回答要求に対し前記端末装置から送信される回答情報を受信し、受信された前記回答情報を記憶する回答取得処理部と、
前記回答情報に基づいて前記患者の薬剤投与後の状態変化を推定し、その推定結果を出力する解析処理部と
を備える支援制御装置。
【請求項5】
前記薬剤の投与を受ける前記患者に係る問診情報を含む診療情報を、前記患者の前記固有識別情報と共に前記端末装置から取得する診療情報取得処理部を、さらに備え、
前記回答要求処理部は、前記投与済情報に前記診療情報を加味して、前記抽出条件に該当する前記患者を前記追跡対象者として抽出し、抽出された前記追跡対象者に対応する前記端末装置に対し、前記投与済情報および前記診療情報の内容に対応するアンケート情報を前記回答要求と共に送信する、
請求項4に記載の支援制御装置。
【請求項6】
前記解析処理部は、前記回答情報に基づいて前記患者に有害な反応が現れたか否かを推定する、請求項4に記載の支援制御装置。
【請求項7】
前記解析処理部は、前記回答情報に基づいて、前記患者に対しオンライン診療または対面診療の要否を推定する、請求項4に記載の支援制御装置。
【請求項8】
前記支援制御装置は、
前記支援制御装置による前記回答情報の利用に対する同意確認処理を前記端末装置との間で実行し、前記利用に対し同意した接種者に対しインセンティブを付与する処理を実行するインセンティブ付与処理部を、さらに備える請求項4に記載の支援制御装置。
【請求項9】
薬剤の投与を受けた患者の追跡調査を支援する処理を行う支援制御装置との間で、ネットワークを介して情報データの伝送が可能な情報登録用の端末装置であって、
前記薬剤の投与を受けた前記患者に対し発行される投与済情報の入力を受け付け、前記投与済情報を前記患者を識別する固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する投与済情報登録処理部と、
前記支援制御装置から送信される回答要求に応じて入力された、前記患者の薬剤投与後の状態を表す回答情報を、前記固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する回答処理部と
を備える端末装置。
【請求項10】
前記投与済情報登録処理部は、前記薬剤の投与を受けた前記患者に対し発行される投与済シートに表記された二次元コードを読み取ることで前記投与済情報を取得する、請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
情報登録用の端末装置と、この端末装置との間でネットワークを介して情報データの伝送が可能な支援制御装置とを備え、薬剤の投与を受けた患者の追跡調査を支援する患者追跡調査支援システムが実行する患者追跡調査支援方法であって、
前記端末装置が、前記薬剤の投与を受けた前記患者に対し発行される投与済情報の入力を受け付け、前記投与済情報を前記患者を識別する固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する過程と、
前記支援制御装置が、前記端末装置から送信された前記投与済情報を受信し、受信された前記投与済情報を前記固有識別情報と対応付けた状態で記憶する過程と、
前記支援制御装置が、前記投与済情報と予め設定された抽出条件とに基づいて、前記抽出条件に該当する前記患者を追跡対象者として抽出し、抽出された前記追跡対象者に対応する前記端末装置に対し回答要求を送信する過程と、
前記端末装置が、前記支援制御装置から送信される前記回答要求に応じて入力された、前記患者の薬剤投与後の状態を表す回答情報を、前記固有識別情報と共に前記支援制御装置へ送信する過程と、
前記支援制御装置が、前記端末装置から送信される前記回答情報を受信し、受信された前記回答情報を記憶する過程と、
前記支援制御装置が、前記回答情報に基づいて前記患者の前記薬剤投与後の状態変化を推定し、その推定結果を出力する過程と
を備える患者追跡調査支援方法。
【請求項12】
請求項4乃至8のいずれかに記載の前記支援制御装置が備える前記各処理部による処理を、前記支援制御装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項9又は10に記載の前記端末装置が備える前記各処理部による処理を、前記端末装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一態様は、例えば薬剤投与を受けた患者の状態の追跡調査を支援する機能を有する患者追跡調査支援システムおよび患者追跡調査支援方法と、患者追跡調査支援システムで使用される支援制御装置、端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療または医薬の分野では、投薬後の患者の状態を追跡調査するいわゆる治験が行われる。従来の治験は、例えば入院患者または通院患者を対象とし、治験コーディネータが上記患者のカルテ等をもとに治験対象者を抽出して実施するのが一般的である。このため、治験対象者の抽出作業に多くの手間と時間が掛かり、また本来対象とすべき患者の抽出漏れが発生しやすいという課題があった。
【0003】
そこで、入院患者または通院患者の処方箋および調剤情報をデータベースに登録し、情報処理装置により、登録された上記処方箋および調剤情報を予め設定された治験基準を示す治験情報とデータ照合することで、治験対象者をスクリーニングして治験適合患者のデータベースを構築するシステムが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6338957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記提案システムでは、治験対象が入院患者や通院患者のようにカルテまたは処方箋等の診療情報が医療機関または薬局等で管理されている患者に限定されるため、治験数が少数になり、より広範囲の患者群から治験対象を抽出できないという課題がある。
【0006】
特に、例えばワクチン接種者を対象に接種後の追跡調査を漏れなく行おうとする場合、接種者の中には健常者が多く含まれ、これらの接種者については医療機関または薬局等でカルテまたは処方箋等の診療情報が管理されていないことが多い。このため、上記提案システムでは接種後の追跡調査を行うことが困難である。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、一側面では、投薬を受けたより広範囲の患者について投薬後の追跡調査を可能にする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためにこの発明の一態様は、情報登録用の端末装置と、この端末装置との間でネットワークを介して情報データの伝送が可能な支援制御装置とを備え、薬剤の投与を受けた患者の追跡調査を支援する患者追跡調査支援システムおよび患者追跡調査支援方法に関するものである。
【0009】
端末装置は、先ず薬剤の投与を受けた患者に対し発行される投与済情報の入力を受け付け、投与済情報を上記患者の固有識別情報と共に支援制御装置へ送信する。これに対し支援制御装置は、端末装置から送信された上記投与済情報を受信し、受信された投与済情報を固有識別情報と対応付けた状態で記憶する。そして、投与済情報と予め設定された抽出条件とに基づいて抽出条件に該当する患者を追跡対象者として抽出し、抽出された追跡対象者に対応する端末装置に対し回答要求を送信する。端末装置は、上記回答要求を受信すると、当該回答要求に応じて患者が入力した薬剤投与後の状態を表す回答情報を、当該患者の固有識別情報と共に支援制御装置へ返送する。支援制御装置は、送信された上記回答情報を受信して記憶した後、当該回答情報に基づいて患者の上記薬剤投与後の状態変化を推定し、その推定結果を出力する。
【0010】
この発明の一実施形態によれば、例えば医療機関等においてカルテ等が管理されていない患者についても、患者の端末装置を使用することで患者の投与済情報を支援制御装置に登録することが可能となる。従って、より広範囲の患者について支援制御装置が管理することが可能となる。
【0011】
また、取得された投与済情報に基づいて調査対象の患者が抽出され、これらの患者の端末装置から回答情報が取得されるので、多くの患者から短期間に効率良く回答情報を取得することが可能となる。そして、取得された回答情報について支援制御装置がリアルタイムに解析処理することで、より多くの接種者の接種後の状況を適切な期間内に効率良く解析し、その結果を出力することができる。
【0012】
この結果、例えば医療機関、製薬会社または自治体は、薬剤投与後の副反応等に関する統計処理や、オンライン診療または対面診療等を適切なタイミングで実施することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
すなわちこの発明の一態様によれば、投薬を受けたより広範囲の患者について投薬後の追跡調査を可能にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、この発明に係る患者追跡支援装置の一実施形態である接種者追跡支援装置とその周辺の各システムおよび接種者端末を含む全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、この発明の一実施形態に係る接種者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示した接種者端末のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、この発明の一実施形態に係る接種者追跡支援装置が備える接種者情報管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、図4に示した接種者情報管理サーバのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、この発明の一実施形態に係る接種者追跡支援装置が備える診療情報管理サーバのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、この発明の一実施形態に係る接種者追跡支援装置が備える回答サーバのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、図3に示した接種者端末により実行される処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図5に示した接種者情報管理サーバにより実行される処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、図6に示した診療情報管理サーバにより実行される処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、図7に示した回答サーバにより実行される処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、図1に示した接種者追跡支援装置とその周辺システムおよび接種者端末との間のデータの流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0016】
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明に係る患者追跡調査支援システムの一実施形態である接種者追跡調査支援システムの全体構成の一例を示す図であり、PFはその中核となる支援制御装置を示している。なお、支援制御装置PFを以後プラットフォームとも云う。
【0017】
支援制御装置PFは、接種者情報管理サーバASVと、診療情報管理サーバBSVと、回答サーバCSVとを備える。これらのサーバASV,BSV,CSVは、接種者追跡調査支援装置の機能を実現するプラットフォームを構成する。
【0018】
接種者情報管理サーバASV、診療情報管理サーバBSVおよび回答サーバCSVは、医療機関が運用するシステムHS、製薬会社が運用するシステムPS、および自治体等の行政機関が運用するシステムGSとの間で、ネットワークNWを介してそれぞれデータ伝送を行うことが可能となっている。また、接種者情報管理サーバASV、診療情報管理サーバBSVおよび回答サーバCSVは、接種者が使用する接種者端末UT1~UTn(以後まとめてUTと称する)との間でも、ネットワークNWを介してデータ伝送が可能となっている。
【0019】
医療機関が運用するシステムHS、製薬会社が運用するシステムPS、および行政機関が運用するシステムGSは、いずれもデータベースを有するサーバコンピュータと、調査担当者が使用する管理者端末とを備えている。医療者や製薬会社および自治体の調査担当者は、それぞれ上記管理者端末を使用して種々の情報取得および管理を行う。
【0020】
ネットワークNWは、例えばインターネットを中核とする広域網と、この広域網にアクセスするためのアクセス網とを備える。アクセス網としては、例えば、有線または無線を使用する公衆通信ネットワーク、有線または無線を使用するLAN(Local Area Network)、CATV(Cable Television)ネットワークが使用される。
【0021】
(2)装置
(2-1)接種者端末UT
図2および図3は、それぞれ接種者端末UTのハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
接種者端末UTは、例えばカメラとブラウザ、そして電子メールやSNS(Social Network System)、SMS(Short Message Service)等を使用して情報データを転送するためのアプリケーションを備える汎用のスマートフォンからなる。なお、接種者端末UTとしては、同様の機能を備えるものであれば、他にタブレット型端末やノート型のパーソナルコンピュータ等が用いられてもよい。
【0023】
接種者端末UTは、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを使用した制御部1Dを備える。そして、この制御部1Dに対し、プログラム記憶部2Dおよびデータ記憶部3Dを有する記憶ユニットと、通信インタフェース(以後インタフェースをI/Fと称する)4D、および入出力I/F5Dを接続したものとなっている。
【0024】
通信I/F4Dは、制御部1Dの制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、接種者情報管理サーバASV、診療情報管理サーバBSVおよび回答サーバCSVとの間で、それぞれ通信を行う。
【0025】
入出力I/F5Dには、入出力デバイス6Dおよびカメラ7Dが接続される。入出力デバイス6Dは、例えば液晶又は有機ELを使用する表示デバイスの表示画面上に、感圧式または静電容量式のタッチ式入力シートを使用する入力デバイスを重ねて配置したものである。入力デバイスは、接種者が、接種者の基本情報や同意確認の情報、問診情報、アンケートに対する回答情報等の各種データを入力するために使用される。表示デバイスは、上記各データの入力を支援するためのテンプレートデータやアンケートデータ等の表示データを表示するために使用される。
【0026】
カメラ7Dは、例えば、接種者が接種を行った際に、接種会場において受け取った接種済シールまたはシートに表記された接種済情報を光学的に読み取る際に使用される。接種済情報は、例えばバーコードまたはQRコード(登録商標)等のコードデータにより表されるが、接種者が接種済情報を直接確認できるように平文により表記されてもよい。
【0027】
その他、入出力I/F5Dには、接種者の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)センサや、接種者の体温や血圧、心拍数等の生体情報を測定するバイタルセンサが接続されていてもよい。
【0028】
プログラム記憶部2Dは、例えば、記憶媒体としてSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なアプリケーション・プログラムを格納する。なお、以後OSと各アプリケーション・プログラムとをまとめてプログラムと称する。
【0029】
データ記憶部3Dは、例えば、記憶媒体として、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、一実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、接種者情報記憶部31Dと、診療情報記憶部32Dと、同意情報記憶部33Dとを備えている。
【0030】
接種者情報記憶部31Dは、接種者の基本情報および接種済情報を、接種者の固有識別情報と対応付けて保存するために用いられる。基本情報には、例えば、接種者の氏名や年齢、住所等の属性情報と、電話番号またはメールアドレス等の連絡先情報が含まれる。接種済情報には、例えば、接種したワクチンの種類、製薬会社の識別情報(メーカID)およびロット番号が含まれるが、他に接種者識別番号、接種日時、接種場所等が含まれていてもよい。なお、接種者情報を接種者手帳とも呼ぶ。
【0031】
診療情報記憶部32Dは、接種者の診療情報を保存するために用いられる。診療情報には、例えば問診情報が含まれるが、他に接種者のPHR(Personal Health Record)情報、電子化お薬手帳等に含まれる処方箋・服薬情報が含まれていてもよい。
【0032】
同意情報記憶部33Dは、医療機関や製薬会社、自治体等の調査機関による、接種者情報および診療情報の利用に対する接種者の同意の有無を示す情報を保存するために使用される。
【0033】
制御部1Dは、一実施形態を実施するために必要な処理機能として、基本情報入力受付処理部11Dと、問診情報入力受付処理部12Dと、接種済情報読取処理部13Dと、情報登録処理部14Dと、アンケート回答処理部15Dと、同意情報管理処理部16Dを備える。これらの処理部11D~16Dは、何れもプログラム記憶部2Dに格納されたプログラムを制御部1Dのハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0034】
基本情報入力受付処理部11Dは、例えば接種者が入出力デバイス6Dにおいて基本情報を入力する際に、テンプレートデータを表示デバイスに表示させ、このテンプレートデータに従い入力デバイスにより入力された基本情報を受け取って、接種者情報記憶部31Dに保存する処理を行う。
【0035】
問診情報入力受付処理部12Dは、例えば接種に先立ち接種者が入出力デバイス6Dにおいて問診情報を入力する際に、テンプレートデータを表示デバイスに表示させ、このテンプレートデータに従い入力デバイスにより入力された問診情報を受け取って、診療情報記憶部32Dに保存する処理を行う。なお、紙媒体からなる問診票を使用する場合、問診情報入力受付処理部12Dは、上記問診票をカメラ7Dにより光学的に読み取り、読み取られた情報をイメージデータとして、或いは文字認識により変換されたテキストデータとして診療情報記憶部32Dに保存する。
【0036】
接種済情報読取処理部13Dは、接種時に接種会場で受け取った接種済シールまたはシート等に表記された接種済情報をカメラ7Dにより光学的に読み取り、読み取られた接種済情報を受け取って接種者情報記憶部31Dに保存する処理を行う。なお、接種済情報が磁気カードやメモリ等の記録媒体に記録されている場合には、接種済情報読取処理部13Dは上記記録媒体から上記接種済情報を読み込む処理を行う。
【0037】
情報登録処理部14Dは、接種前または接種直後に、上記接種者情報記憶部31Dに保存されている接種者情報、つまり接種者の基本情報および接種済情報を読み出す。そして、読み出された上記接種者情報を通信I/F4Dから接種者情報管理サーバASVへ送信する処理を行う。
【0038】
また情報登録処理部14Dは、上記接種者情報の送信と連動して、診療情報記憶部32Dに保存されている診療情報、つまり問診情報、接種者のPHR情報および処方箋・服薬情報等を読み出す。そして、読み出された上記診療情報を通信I/F4Dから診療情報管理サーバBSVへ送信する処理を行う。
【0039】
アンケート回答処理部15Dは、接種後の追跡期間において、回答サーバCSVから送信されるアクセス先URL(Uniform Resource Locator)を含むアンケート回答の要求を通信I/F4Dを介して受信する。そして、上記アクセス先URLに対する接種者のアクセス操作に応じて回答サーバCSVから送信されるアンケートデータおよび同意問合せ情報を、通信I/F4Dを介して受信して上記表示デバイスに表示させる処理を行う。
【0040】
またアンケート回答処理部15Dは、上記アンケートデータに従い接種者が入力デバイスで入力した回答データと、同意確認情報を、通信I/F4Dから回答サーバCSVへ返送する処理を行う。
【0041】
同意情報管理処理部16Dは、上記情報登録処理部14Dによる接種者情報および診療情報の送信処理と、上記アンケート回答処理部15Dによるアンケート回答処理において、接種者に対し同意の有無を問合せ、その結果を示す同意確認情報を同意情報記憶部33Dにおいて管理する処理を行う。
【0042】
(2-2)接種者情報管理サーバASV
図4および図5は、それぞれ接種者情報管理サーバASVのハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
接種者情報管理サーバASVは、例えばクラウド上に配置されるサーバコンピュータからなり、CPU等のハードウェアプロセッサを使用した制御部1Aを備える。そして、この制御部1Aに対し、バスを介して、プログラム記憶部2Aおよびデータ記憶部3Aを有する記憶ユニットと、通信I/F4Aを接続したものとなっている。
【0044】
通信I/F4Aは、制御部1Aの制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、支援制御装置PF内の診療情報管理サーバBSVおよび回答サーバCSVとの間、さらには接種者端末UT、医療機関システムHS、製薬会社システムPSおよび行政機関システムGSとの間で、それぞれ情報データの送受信を行う。
【0045】
プログラム記憶部2Aは、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS等のミドルウェアに加えて、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
【0046】
データ記憶部3Aは、例えば、記憶媒体として、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリと組み合わせたもので、この発明の一実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、接種者情報記憶部31Aと、回答データ記憶部32Aとを備えている。
【0047】
接種者情報記憶部31Aは、接種者端末UTから送られた接種者情報を、秘密分散処理された状態で記憶する。回答データ記憶部32Aは、回答サーバCSVから転送された回答データを、秘密分散処理された状態で記憶する。
【0048】
制御部1Aは、この発明の一実施形態に係る処理機能として、接種者情報取得処理部11Aと、接種済情報通知処理部12Aと、アンケート対象抽出処理部13Aと、回答データ取得処理部14Aと、解析処理部15Aと、解析結果送信処理部16Aとを備えている。これらの処理部11A~16Aは、何れもプログラム記憶部2Aに格納されたプログラムを制御部1Aのハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0049】
接種者情報取得処理部11Aは、接種者端末UT1~UTnから送信される接種者情報を通信I/F4Aを介してそれぞれ受信し、受信された各接種者情報を秘密分散処理を行った上で接種者情報記憶部31Aに記憶させる処理を行う。
【0050】
接種済情報通知処理部12Aは、接種者情報記憶部31Aから接種済情報を読み出し、読み出された接種済情報を通信I/F4Aから対応する製薬会社システムPSまたは行政機関システムGSの管理者端末に向け送信する処理を行う。
【0051】
アンケート対象抽出処理部13Aは、例えば接種日から所定時間が経過するごとに、当該接種日にワクチン接種を受けた接種者を接種者情報記憶部31Aから抽出し、抽出された接種者の接種者リストを回答データ取得処理部14Aに渡す処理を行う。なお、接種者の抽出処理は接種会場毎に行ってもよい。
【0052】
回答データ取得処理部14Aは、上記アンケート対象抽出処理部13Aにより抽出された接種者の接種者リストを含むアンケート依頼を、通信I/F4Aから回答サーバCSVへ送る。また回答データ取得処理部14Aは、上記アンケート依頼に対し回答サーバCSVから返送される回答データを通信I/F4Aを介して受信し、受信された回答データを秘密分散処理を行った上で回答データ記憶部32Aに記憶させる処理を行う。すなわち、回答データの取得手段としては、デジタル化された患者報告アウトカム(electronic Patient Reported Outcome:ePRO)の技術が適用される。
【0053】
解析処理部15Aは、接種者毎に、回答データ記憶部32Aから秘密分散されている回答データを読み出すと共に、診療情報管理サーバBSVから対応する接種者の診療情報をネットワークNWを介して取得する。そして、上記回答データおよび診療情報に対し秘密計算処理を行って内容を解析することで、例えば副反応の有無とその程度、オンライン診療または対面診療の要否を推定し、その推定結果を含む解析データを解析結果送信処理部16Aへ出力する処理を行う。
【0054】
解析結果送信処理部16Aは、上記解析処理部15Aから出力された解析データを、通信I/F4Aから医療機関システムHSまたは製薬会社システムPSへ送信する処理を行う。なお、解析結果送信処理部16Aは、上記解析データを行政機関システムGSへ送信してもよく、また該当する接種者の接種者端末UTへも送信するようにしてもよい。
【0055】
(2-3)診療情報管理サーバBSV
図6は、診療情報管理サーバBSVのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、ハードウェア構成については接種者情報管理サーバASVの構成(図4)と同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0056】
診療情報管理サーバBSVは、制御部1Bと、プログラム記憶部2Bと、データ記憶部3Bと、通信I/F4Bとを備える。通信I/F4Bは、接種者端末UTおよび接種者情報管理サーバASVとの間でネットワークNWを介して情報データの送受信を行う。なお、診療情報管理サーバBSVは、医療機関システムHS、製薬会社システムPSまたは行政機関システムGSとの間で、所定の条件(例えば同意の有無)の範囲内で接種者の診療情報を転送する機能を有していてもよい。
【0057】
データ記憶部3Bには、診療情報記憶部31Bが設けられている。診療情報記憶部31Bは、接種者端末UTから送られた接種者の診療情報を、秘密分散処理された状態で記憶する。
【0058】
制御部1Bは、この発明の一実施形態に係る処理機能として、診療情報取得処理部11Bと、診療情報送信処理部12Bとを備えている。これらの処理部11B,12Bは、プログラム記憶部2Bに格納されたプログラムを制御部1Bのハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0059】
診療情報取得処理部11Bは、接種者端末UT1~UTnから送信される診療情報を通信I/F4Bを介してそれぞれ受信し、受信された各診療情報を秘密分散処理を行った上で診療情報記憶部31Bに記憶させる処理を行う。
【0060】
診療情報送信処理部12Bは、上記接種者情報管理サーバASVから送られる診療情報の取得要求に応じて診療情報記憶部31Bから該当する診療情報を読み出し、読み出された診療情報を通信I/F4Bから接種者情報管理サーバASVへ転送する処理を行う。
【0061】
(2-4)回答サーバCSV
図7は、回答サーバCSVのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、ハードウェア構成については接種者情報管理サーバASVの構成(図4)と同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0062】
回答サーバCSVも、制御部1Cと、プログラム記憶部2Cと、データ記憶部3Cと、通信I/F4Cとを備える。通信I/F4Cは、接種者端末UTおよび接種者情報管理サーバASVとの間でネットワークNWを介して情報データの送受信を行う。
【0063】
データ記憶部3Cには、アンケートデータ記憶部31Cが設けられている。アンケートデータ記憶部31Cは、例えばワクチンの種類毎に予め用意されたアンケートの入力シートとなるデータを記憶する。
【0064】
制御部1Cは、この発明の一実施形態に係る処理機能として、アンケート送信処理部11Cと、回答データ取得処理部12Cと、回答データ転送処理部13Cとを備えている。これらの処理部11C~13Cは、プログラム記憶部2Cに格納されたプログラムを制御部1Cのハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0065】
アンケート送信処理部11Cは、接種者情報管理サーバASVからアンケートの指示を受け取った場合に、当該指示と共に受信される対象者情報に基づいて、対応する接種者端末UTに対しアンケートへの回答要求をアクセス先のURLと共に送信する。
【0066】
またアンケート送信処理部11Cは、上記接種者端末UTから上記URLに対しアクセスされた場合に、ワクチンの種類に対応するアンケートデータをアンケートデータ記憶部31Cから読み出す。そして、読み出された上記アンケートデータを、同意の有無を確認する同意問合せ情報と共に、通信I/F4Cから対応する接種者端末UTへ送信する処理を行う。
【0067】
回答データ取得処理部12Cは、上記アンケートのテンプレートデータをもとに入力された回答データおよび同意確認情報を通信I/F4Cを介して受信し、受信された回答データおよび同意確認情報を回答データ転送処理部13Cに渡す。
【0068】
回答データ転送処理部13Cは、上記回答データ取得処理部12Cから渡された回答データおよび同意確認情報を、依頼元の接種者情報管理サーバASVへ返送する処理を行う。
【0069】
(動作例)
次に、以上のように構成されたシステムの動作例を説明する。
図8乃至図11はそれぞれ、接種者端末UT、接種者情報管理サーバASV、診療情報管理サーバBSVおよび回答サーバCSVによる処理手順と処理内容の一例を示すフローチャート、図12はシステム全体のデータの流れの一例を示すシーケンス図である。
【0070】
(1)接種者情報および診療情報の登録
(1-1)接種者の基本情報および問診情報等の登録
人がワクチン接種を受けた場合、ワクチンの種類によっては接種後数時間以内にアナフラキシー等の有害と見なされる副反応が現れることがある。そのため、基本情報の登録は接種前または直後に登録を完了することが望ましい。
【0071】
接種者は自身の接種者端末UTにおいて、先ず情報登録用のアプリケーションを起動し、接種者情報管理サーバASVに対しアクセスすると、先ず接種者情報管理サーバASVと接種者端末UTとの間で接種者の認証処理が行われる。
【0072】
認証処理が終了すると、接種者端末UTの制御部1Dは、次にステップS10において接種済か否かを判定する。この判定は、例えば、接種終了後に配布される接種済シールから接種済情報の読み取りが終了しているか否かを確認することにより行われる。
【0073】
接種者が、接種前に例えば上記情報登録アプリケーションの基本情報入力ボタンを選択操作すると、接種者端末UTの制御部1Dは、基本情報入力受付処理部11Dの制御の下、ステップS11において上記基本情報入力ボタンの操作を検知し、ステップS12に移行する。このステップS12において、基本情報入力受付処理部11Dは、接種者情報管理サーバASVから基本情報入力用のテンプレートデータを取得し、入出力デバイス6Dの表示部に表示させる。なお、テンプレートデータがデータ記憶部3Dの接種者情報記憶部31Dに事前に記憶されている場合には、この接種者情報記憶部31Dからテンプレートデータを読み出し、表示部に表示するようにしてもよい。
【0074】
この状態で、接種者は入出力デバイス6Dの入力部において自身の基本情報の入力を行う。基本情報としては、例えば、接種者に対し事前に通知された固有の接種者識別番号と、接種者の氏名や年齢、住所等の属性情報と、電話番号またはメールアドレス等の連絡先情報が入力されるが、これに限るものではなく必要に応じ任意に追加或いは削除が可能である。
【0075】
基本情報入力受付処理部11Dは、上記入力操作が終了し登録ボタンが操作されると、ステップS12において、入力された上記基本情報を入出力I/F5Dを介して取り込み、接種者情報記憶部31Dに一旦保存する。
【0076】
また接種者端末UTの制御部1Dは、同意情報管理処理部16Dの制御の下、同意情報記憶部33Dから同意説明情報を読み出して入出力デバイス6Dの表示部に表示させる。この状態で、接種者が上記同意説明情報の内容を確認して同意の有無を入力すると、同意情報管理処理部16Dは入力された上記同意の有無を示す情報を同意確認情報として同意情報記憶部33Dに保存する。
【0077】
上記基本情報および同意確認情報の入力受付処理が終了すると、接種者端末UTの制御部1Dは、続いて問診情報入力受付処理部12Dの制御の下、診療情報記憶部32Dから問診情報入力用のテンプレートデータを読み出し、入出力デバイス6Dの表示部に表示させる。このテンプレートデータは、診療情報管理サーバBSVから取得して表示されるようにしてもよい。
【0078】
この状態で、接種者は上記テンプレートデータに従い問診情報を入力する。問診情報としては、例えば現在の体温や、持病の有無、処方中の薬剤の種類、薬剤アレルギーの有無、妊娠の有無、過去の所定期間における体調変化等が入力されるが、これに限るものではない。
【0079】
上記問診情報の入力操作が終了し登録ボタンが押下されると、問診情報入力受付処理部12DはステップS13からステップS14に移行し、入力された上記問診情報を入出力I/F5Dを介して取り込んで、対応する接種者識別番号と対応付けた状態で診療情報記憶部32Dに保存する。
【0080】
さて、上記基本情報、同意確認情報および問診情報の入力受付処理がすべて終了すると、接種者端末UTの制御部1Dは、次に情報登録処理部14Dの制御の下、先ずステップS15において、上記接種者情報記憶部31Dおよび同意情報記憶部33Dからそれぞれ基本情報および同意確認情報を読み出す。そして、読み出された上記基本情報および同意確認情報を、接種前登録要求と共に、通信I/F4Dから接種者情報管理サーバASVへ送信する。
【0081】
これに対し、接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、接種者情報取得処理部11Aの制御の下、ステップS30により上記接種前登録要求を検知すると、ステップS31において通信I/F4Aを介して上記基本情報を受信し、受信された上記基本情報を接種者識別番号と対応付けた状態で接種者情報記憶部31Aに記憶させる。またそれと共に、ステップS32において、上記同意確認情報を受信し、受信された同意確認情報を上記接種者識別番号に対応付けて上記接種者情報記憶部31Aに記憶させる。
【0082】
またこのとき接種者情報取得処理部11Aは、上記基本情報および同意確認情報を記憶させる際に、少なくとも基本情報について秘密分散処理を施し、秘匿化された基本情報を接種者情報記憶部31Aに記憶させる。秘密分散処理とは、例えば、取得された対象情報を複数の無意味なデータに断片化する処理であり、これにより仮に断片化されたデータが不正取得されても元の対象情報を復元不可能とする。なお、同意確認情報に対しても秘密分散処理を行うようにしてもよい。
【0083】
上記基本情報および同意確認情報の登録が終了すると、情報登録処理部14Dは、続いてステップS16において、診療情報記憶部32Dから問診情報を読み出す。そして、読み出された問診情報を、接種者識別番号と対応付けた状態で診療情報登録要求と共に通信I/F4Dから診療情報管理サーバBSVへ送信する。
【0084】
なお、接種者のPHR情報や電子化お薬手帳等に記載された処方箋・服薬情報等が診療情報記憶部32Dに事前に記憶されている場合には、これらの情報を上記問診情報と併せて診療情報として送信するようにしてもよい。また、このとき例えば接種者端末UTに内蔵または付属する生体センサにより測定される現在の体温や血圧、心拍数等のバイタルデータを上記PHR情報に追加すると、接種者の接種直前の体調を正確に申告することが可能となる。
【0085】
これに対し、診療情報管理サーバBSVの制御部1Bは、診療情報取得処理部11Bの制御の下、ステップS50により診療情報登録要求を受信すると、ステップS51において、上記問診情報、PHR情報および処方箋・服薬情報を含む診療情報を、通信I/F4Bを介して受信する。そして、受信された上記診療情報を、ステップS52においてデータ記憶部3Bの診療情報記憶部31Bに接種者識別番号と対応付けた状態で記憶させる。また、このとき診療情報取得処理部11Bは、上記診療情報に対し秘密分散処理を施し、秘匿化された診療情報を診療情報記憶部31Bに記憶させる。
【0086】
(1-2)接種済情報の登録
接種会場において、ワクチン接種が終了した接種者に対し、医療関係者または自治体担当者から接種済シールが発行される。接種済シールには、例えばバーコードまたはQRコードを用いて接種済情報が表記されている。接種済情報には、例えば接種したワクチンの種類、製薬会社の識別情報(メーカID)およびロット番号が含まれるが、他に接種者識別番号、接種日時、接種場所等が含まれていてもよい。
【0087】
接種者は、上記接種済シールに表記された接種済情報を、自身の接種者端末UTを用いて読み取る。この場合、接種者端末UTの制御部1Dは、読取用のアプリケーションが起動されると、ステップS17からステップS18に移行し、ここで接種済情報読取処理部13Dの制御の下、上記接種済シールまたはシートに表記された上記接種済情報をカメラ7Dにより光学的に読み取る。そして、読み取られた上記接種済情報を入出力I/F5Dを介して取り込み、接種者識別番号と対応付けた状態で接種者情報記憶部31Dに追加保存する。
【0088】
上記接種済情報の読み取り処理が終了すると、接種者端末UTの制御部1Dは、続いて情報登録処理部14Dの制御の下、ステップS19において、上記接種者情報記憶部31Dから上記接種済情報を読み出す。そして、読み出された上記接種済情報をその登録要求と共に通信I/F4Dから接種者情報管理サーバASVへ送信する。
【0089】
これに対し、接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、ステップS33により上記接種済情報の登録要求の受信を監視している。この状態で、上記登録要求を受信すると、接種者情報取得処理部11Aの制御の下、ステップS34において上記接種済情報を通信I/F4Aを介して受信し、受信された上記接種済情報を接種者識別情報と対応付けて接種者情報記憶部31Aに追加記憶させる。なお、このとき上記接種済情報についても秘密分散処理を行って秘匿化してもよい。
【0090】
(1-3)製薬会社または自治体への接種済情報の通知
接種済情報の登録が終了すると、接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、接種済情報通知処理部12Aの制御の下、ステップS35において、接種者情報記憶部31Aに記憶された上記接種済情報を製薬会社システムPSまたは行政機関システムGSに通知する処理を行う。
【0091】
例えば、接種済情報通知処理部12Aは、先ず接種者情報記憶部31Aから同意確認情報を読み出し、読み出された上記同意確認情報により、製薬会社または自治体に対する接種済情報の通知について接種者が同意しているか否かを判定する。この判定の結果、同意していれば、続いて接種者情報記憶部31Aから接種者の接種済情報を読み出し、読み出された接種済情報を、予め登録されている製薬会社システムPSまたは行政機関システムGSの管理者端末に向け、通信I/F4Aから送信する。
【0092】
この結果、製薬会社または自治体は、ワクチン接種者について、接種されたワクチンの種類およびロット番号と、接種日時等を管理することが可能となる。
【0093】
(2)接種後の追跡調査
(2-1)調査対象者の抽出
接種後の追跡調査を行う場合には、例えば製薬会社の管理者端末から接種者情報管理サーバASVに対し、図12に示すようにアンケート依頼が送信される。アンケート依頼には、抽出条件を示す情報、例えば接種したワクチンの種類と、接種日(接種期間)を示す情報等が含まれる。なお、抽出条件には、接種期間に加えて接種会場を示す情報や、基本情報に基づく接種者の年齢層や性別等を含めてもよく、さらには診療情報に基づくアレルギーの有無や既往症の有無等を含めてもよい。
【0094】
接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、ステップS36において上記アンケート依頼の受信を監視している。この状態で、アンケート依頼が受信されると、接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、アンケート対象抽出処理部13Aの制御の下、ステップS37において、接種者情報記憶部31Aから上記アンケート依頼に含まれる抽出条件に該当する接種者を抽出する。そしてアンケート対象抽出処理部13Aは、ステップS38において、抽出された上記アンケート対象となる接種者のリストを示す対象者情報を、アンケート指示と共に通信I/F4Aから回答サーバCSVへ送信する。対象者情報には、例えば、対象者毎にその基本情報に含まれるアドレス情報と、接種済ワクチンの種類を示す情報が挿入される。
【0095】
なお、以上の対象者抽出処理は、製薬会社からのアンケート依頼をトリガとして実行される以外に、例えば予め設定された抽出条件に従い接種者情報管理サーバASVにより自律的に実行されてもよい。
【0096】
(2-2)アンケート調査の実行
回答サーバCSVの制御部1Cは、図11に示すように、ステップS60により上記アンケート指示を受信すると、続いてアンケート送信処理部11Cの制御の下、ステップS61により対象者情報を受信する。そして、受信された上記対象者情報をもとに、ステップS62において、対応する接種者端末UTに対しアンケート回答要求を通知する。このときアンケート回答要求には、アンケートへの回答を依頼するメッセージと、アクセス先となる回答サーバCSVのURLが含まれる。また、上記回答要求の通知手段としては、例えばEメール、SNSまたはSMSが使用される。
【0097】
これに対し接種者端末UTの制御部1Dは、ステップS20においてアンケート回答要求の受信を監視している。そして、アンケート回答要求が受信されると、受信された上記回答要求に記載されたメッセージおよびアクセス先URLが入出力デバイス6Dの表示部に表示される。
【0098】
この状態で、接種者が表示された上記メッセージを確認してアクセス先URLをクリックすると、接種者端末UTのブラウザが起動して回答サーバCSVの上記URLで表されるアンケート回答ページがアクセスされる。これに対し、回答サーバCSVの制御部1Cは、ステップS63により上記アクセスを検知すると、先ずステップS64において接種者の認証を行う。続いてステップS65において、調査対象となるワクチンの種類に対応するアンケートデータをアンケートデータ記憶部31Cから読み出し、読み出された上記アンケートデータを同意の問合せ情報と共に通信I/F4Cからアクセス元の接種者端末UTへ送信する。
【0099】
接種者端末UTの制御部1Dは、アンケート回答処理部15Dの制御の下、先ずステップS21において上記アンケートデータおよび同意の問合せ情報を受信し、このうち先ず同意の問合せ情報を入出力デバイス6Dの表示部に表示する。この状態で、接種者が上記同意の問合せ情報の内容を確認した上で、アンケート回答に同意する旨の情報を入力すると、同意情報管理処理部16Dが入力された上記同意確認情報を同意情報記憶部33Dに保存すると共に回答サーバCSVへ返送する。
【0100】
上記同意確認手順が終了すると、接種者端末UTの制御部1Dは、続いてアンケート回答処理部15Dの制御の下、ステップS23において上記アンケートデータを入出力デバイス6Dの表示部に表示する。そして、表示されたアンケートデータに従い接種者が回答データを入力し、送信ボタンを押下すると、アンケート回答処理部15DはステップS24からステップS25に移行し、入力された上記回答データを通信I/F4Dから回答サーバCSVへ送信する。
【0101】
これに対し、回答サーバCSVの制御部1Cは、回答データ取得処理部12Cの制御の下、先ずステップS66において接種者端末UTから送られた同意確認情報を確認する。そして、接種者の同意が確認されると、ステップS67において、接種者端末UTから送られる回答データを通信I/F4Cを介して受信し、受信された上記回答データを回答データ転送処理部13Cに渡す。回答データ転送処理部13Cは、ステップS68において、上記回答データを回答した接種者の識別番号と共に接種者情報管理サーバASVへ返送する。
【0102】
接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、上記回答サーバCSVから回答データが返送されると、ステップS39からステップS40に移行し、回答データ取得処理部14Aの制御の下、返送された上記回答データを通信I/F4Aを介して受信し、受信された上記回答データを回答した接種者の識別番号と対応付けて回答データ記憶部32Aに記憶させる。このとき、上記回答データは、秘密分散処理により秘匿化されたのち記憶される。
【0103】
(2-3)インセンティブの付与
回答サーバCSVの制御部1Cは、上記ステップS66により接種者の同意が確認されると、当該回答データの利用に同意した接種者に対しインセンティブを付与する処理を行う。インセンティブの付与情報は、回答サーバCSVから接種者端末UTへ送信されると共に、回答サーバCSVまたは接種者情報管理サーバASDVにおいて管理される。インセンティブは、例えば、接種者が利用登録している各種商業サービスで運用されているポイントとして付与される場合が考えられるが、他にも現金支給等の如何なる形態が採用されてもよい。
【0104】
(3)回答データの解析および解析データの通知
接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、上記回答データが取得されると、次に解析処理部15Aの制御の下、先ずステップS41において診療情報管理サーバBSVに対し、対応する接種者の診療情報の取得要求を送信する。これに対し診療情報管理サーバBSVの制御部1Bは、上記取得要求を受信すると、ステップS53からステップS54に移行し、診療情報送信処理部12Bの制御の下、診療情報記憶部31Bから対応する接種者の診療情報を読み出す。そして、読み出された上記診療情報を要求元の接種者情報管理サーバASVへ送信する。
【0105】
接種者情報管理サーバASVの制御部1Aは、上記回答データおよび上記診療情報を取得すると、ステップS42に移行し、解析処理部15Aにより上記診療情報を参照して上記回答データに対する解析処理を実行する。例えば、解析処理部15Aは、先ず回答データの複数の項目の回答内容から、接種者に副反応が現れているか或いはその疑いがあるか否かを推定する。続いて解析処理部15Aは、副反応が現れている或いは疑いがあると推定されると、診療情報に含まれる既往症の有無やアレルギーの有無、直近の健康状態等を参照し、上記副反応が接種者にとって有害なものに該当するか否かを判定する。そして、有害に該当すると判定された場合には、上記回答データの内容をもとにオンライン診療または対面診療の要否を推定する。
【0106】
なお、上記解析処理において解析処理部15Aは、秘密分散処理されている秘匿化回答データおよび秘匿化診療データについて、秘密計算処理を用いることで元データを復元せずに解析処理を行う。
【0107】
上記推定結果が得られると、接種者情報管理サーバASVの制御部1AはステップS43に移行する。そして、解析結果送信処理部16Aの制御の下で、上記推定結果を含む解析データを、通信I/F4Aから例えば医療機関システムHSの管理者端末、または製薬会社システムPSの管理者端末へ送信する。なお、上記解析データは行政機関システムGSの管理者端末へ送信されるようにしてもよい。
【0108】
かくして、医療機関や製薬会社または自治体の担当者にワクチン接種者の接種後の状態が通知され、担当者は上記解析データをもとにワクチン接種による副反応に関する統計処理を行ったり、またオンライン診療または対面診療の要求に対し速やかに対応することが可能となる。
【0109】
(作用・効果)
以上述べたように一実施形態では、先ず接種者の基本情報、同意情報および問診情報を接種前に接種者端末UTから接種者情報管理サーバASVおよび診療情報管理サーバBSVに対し登録し、さらに接種後に配布された接種済シールに記載される接種済情報を接種者端末UTにより読み取って接種者情報管理サーバASVに登録するようにしている。
【0110】
また、接種者の追跡調査を行う際に、指定された抽出条件に該当する接種者を接種者情報管理サーバASVにより抽出して回答サーバCSVに通知し、回答サーバCSVから接種者端末UTに対しアンケートデータを送信して、それに対する回答データを接種者端末UTから回答サーバCSVにより取得するようにしている。
【0111】
さらに、接種者情報管理サーバASVにおいて、上記回答サーバCSVにより取得された回答データについて、診療情報管理サーバBSVに登録された接種者の診療情報を参照して副反応の有無等、さらにはオンライン診療または対面診療の要否を推定するための解析処理を行い、その解析データを医療機関、製薬会社または自治体等に通知するようにしている。
【0112】
従って、一実施形態によれば、例えば医療機関等においてカルテ等が管理されていないワクチン接種者についても、接種者端末UTを使用することで接種者の基本情報、同意情報および問診情報をプラットフォームで取得し管理することができ、さらに接種済情報についても接種者端末UTを使用することによりプラットフォームで取得し管理することが可能となる。従って、より広範囲の接種者について接種後の追跡調査を行うことが可能となる。
【0113】
また、回答サーバCSVと接種者端末UTとの間で、EメールやSNS、SMS等の汎用の通信手段を使用してアンケートデータおよびそれに対する回答データの送受信を行うことで、接種者に大きな負担を与えることなく、かつ必要な追跡タイミングにおいて短期間のうちに多くの回答データを取得することが可能となる。
【0114】
そして、取得された回答データについて支援制御装置PFがリアルタイムに解析処理することで、より多くの接種者の接種後の状況を適切な期間内に効率良く解析し、その結果を出力することができる。このため、医療機関、製薬会社または自治体では、ワクチンの副反応に関する統計処理や、オンライン診療または対面診療等を適切なタイミングで実施することが可能となる。
【0115】
[その他の実施形態]
(1)前記一実施形態では、接種者が所持する接種者端末UTから基本情報、同意確認情報、問診情報および接種済情報を支援制御装置PFに登録する場合を例にとって説明した。しかし、接種者の中には自身の携帯端末を持っていない人や、持っていても取り扱い操作に不慣れな人も存在する。このような場合に備え、接種会場にタブレット型端末等の情報登録用の端末を用意し、支援担当者が接種者に代わって登録操作を行うようにしてもよい。またこの場合、情報登録用の端末に、接種者が紙媒体に記載した基本情報、同意確認情報および問診情報を光学的に読み取る機能を備えるようにすれば、接種者の上記基本情報、同意確認情報、問診情報および接種済情報を支援制御装置PFに登録することが可能となる。
【0116】
(2)前記一実施形態では、接種者端末UTから接種後の状況を示す回答データを収集する際に、支援制御装置PFから接種者端末UTに対し回答要求を送信し、この回答要求に記載されたURLに対する接種者端末UTのアクセスに応じてアンケートを配信し、その回答データを受信する場合を例にとって述べた。しかし、これに限らず、例えば支援制御装置PFから回答要求を送信せずに、接種者端末UTから自律的に支援制御装置PFの予め指定されたURLに対しアクセスし、この状態で接種者が任意に入力した回答データを接種者端末UTから支援制御装置PFへ送信するようにしてもよい。
【0117】
このようにすると、例えば接種者は、支援制御装置PFからの回答要求の受信を待つことなく、自身の容体が変化した時点で自律的に回答データを申告することが可能となる。この場合、支援制御装置PFは接種者の接種後のアナフラキシー等の急激な副反応の発生をいち早く認識することが可能となり、例えば接種者端末UTと医療機関の医師端末との間を接続して、オンライン診療を開始させることが可能となる。
【0118】
(3)前記一実施形態では、支援制御装置(プラットフォーム)PFを、接種者情報管理サーバASV、診療情報管理サーバBSVおよび回答サーバCSVにより構成した場合を例にとって説明したが、上記各サーバの機能を1台のサーバで実現するようにしてもよい。
【0119】
(4)前記一実施形態では、ワクチン接種者の接種後の状態を追跡調査する場合を例にとって説明した。しかし、それに限らず製薬会社等がワクチン以外の新薬等の開発過程における治験を行う場合に対してもこの発明は適用可能である。すなわち、薬剤の種類についてはワクチンに限らず、その他の薬剤であってもよい。
【0120】
(5)その他、支援制御装置(プラットフォーム)の構成とその機能、処理の手順と処理内容、接種者端末の種類とその機能等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0121】
以上、この発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点においてこの発明の例示に過ぎない。この発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、この発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0122】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0123】
PF…支援制御装置(プラットフォーム)
ASV…接種者情報管理サーバ
BSV…診療情報管理サーバ
CSV…回答サーバ
UT1~UTn…接種者端末
HS…医療機関システム
PS…製薬会社システム
GS…行政機関システム
NW…ネットワーク
1A,1B,1C,1D…制御部
2A,2B,2C,2D…プログラム記憶部
3A,3B,3C,3D…データ記憶部
4A,4B,4C,4D…通信I/F
5D…入出力I/F
6D…入出力デバイス
7D…カメラ
11A…接種者情報取得処理部
12A…接種済情報通知処理部
13A…アンケート対象抽出処理部
14A…回答データ取得処理部
15A…解析処理部
16A…解析結果送信処理部
11B…診療情報取得処理部
12B…診療情報送信処理部
11C…アンケート送信処理部
12C…回答データ取得処理部
13C…回答データ転送処理部
11D…基本情報入力受付処理部
12D…問診情報入力受付処理部
13D…接種済情報読取処理部
14D…情報登録処理部
15D…アンケート回答処理部
16D…同意情報管理処理部
31A,31D…接種者情報記憶部
32A…回答データ記憶部
31B,32D…診療情報記憶部
31C…アンケートデータ記憶部
33D…同意情報記憶部
図1
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図3
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図5
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図12