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特開2022-137891コネクタ、接続構造及びコネクタの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137891
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】コネクタ、接続構造及びコネクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20220914BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H05K1/14 H
H05K3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037599
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木全 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 勇次郎
【テーマコード(参考)】
5E344
【Fターム(参考)】
5E344AA01
5E344AA19
5E344AA22
5E344BB02
5E344CD18
5E344CD25
5E344CD31
5E344DD03
5E344EE06
(57)【要約】
【課題】端子のメッキの剥がれや保持体の削れが起こり難いコネクタ及びコネクタの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】コネクタ100は、保持体20と、複数の端子30と、を備える。端子30は、第一接続対象物41に接続可能な第一接続部31、第二接続対象物42に接続可能な第二接続部32、及び第一接続部31と第二接続部32との間に位置する中間部33を備える。保持体20には、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である複数の保持孔21が形成されている。端子30の中間部33は、保持孔21の内部に保持されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、
Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、
前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、
前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び
前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部
を備える一又は複数の端子と、
を備え、
前記中間部は、当該中間部のZ方向に直交する断面形状の図心を結んで形成される当該中間部の軸線がZ方向に対して曲がるように、Z方向に沿って延びる直線棒形状から僅かに変形した形状になっており、
前記中間部は、前記保持孔の内面との摩擦力によって、前記保持孔の内部に保持されている、
コネクタ。
【請求項2】
Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、
Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、
前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、
前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び
前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部
を備える一又は複数の端子と、
を備え、
前記中間部には、当該中間部の他の部分と比べて断面積が増加している膨れ部であって、その断面積の変化が当該中間部の軸方向に沿って連続的である前記膨れ部が形成されている、
コネクタ。
【請求項3】
Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、
Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、
前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、
前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び
前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部
を備える一又は複数の端子と、
を備え、
前記中間部は、当該中間部が前記保持孔の内部に配置された状態で、前記端子がZ方向で圧縮されることにより変形した形状である、
コネクタ。
【請求項4】
前記端子のうち前記中間部に対して前記第一接続部側に、屈曲部が形成されておらず、
前記端子の前記第一接続部側の先端面である第一先端面が前記第一接続部である、
請求項1~請求項3の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記端子は、屈曲部を備えない略直線棒形状であり、
前記端子の前記第一接続部側の先端面である第一先端面が前記第一接続部であり、
前記端子の前記第二接続部側の先端面である第二先端面が前記第二接続部である、
請求項1~請求項4の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記中間部は、前記保持孔の内面に食い込む突起を備えない、
請求項1~請求項5の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記保持体の外表面のうち、前記第一接続部が露出している第一面は、平面であり、
前記第一接続部としての前記端子の先端面と、前記第一面とは、実質的に同一の平面を形成している、
請求項1~請求項6の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第一接続部と前記第二接続部のうち一方又は両方は、前記端子の母材の上に配置されたフィルム状の金属膜を有し、
前記金属膜は、前記端子の母材よりも半田付け性に優れる、
請求項1~請求項7の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第一接続部と前記第二接続部とは、互いに同一構造である、
請求項1~請求項8の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第一接続対象物と、
前記第二接続対象物と、
請求項1~請求項9の何れか一項に記載のコネクタと、を備え、
前記第一接続対象物と前記第二接続対象物とが前記コネクタにより電気的に接続された接続構造。
【請求項11】
Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、
Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、
前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、
前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び
前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部
を備える一又は複数の端子と、
を備えるコネクタの製造方法であって、
前記保持孔に前記端子を挿入することにより、前記中間部を前記保持孔の内部に配置する配置工程と、
前記中間部が前記保持孔の内部に配置された状態で、前記端子をZ方向で圧縮することにより、前記中間部を変形させて、前記保持孔の内部に前記中間部を保持させる保持工程と、
を備えるコネクタの製造方法。
【請求項12】
前記保持工程での圧縮により、前記端子のZ方向寸法をコネクタ完成時の寸法にする、
請求項11に記載のコネクタの製造方法。
【請求項13】
前記配置工程での前記端子は、前記保持孔への前記端子の挿入を容易にするテーパ部を備えている、
請求項11又は請求項12に記載のコネクタの製造方法。
【請求項14】
前記保持工程での圧縮により、前記端子の先端部を押し潰すことで、前記第一接続部及び前記第二接続部のうち一方又は両方を凸面形状にする、
請求項11~請求項13の何れか一項に記載のコネクタの製造方法。
【請求項15】
前記第一接続部及び前記第二接続部のうち一方又は両方の凸面形状に対応する凹面形状の接触部形成面を備える圧縮治具を用いて前記保持工程での圧縮を行う、
請求項14に記載のコネクタの製造方法。
【請求項16】
前記端子の母材よりも半田付け性に優れたフィルム状の金属膜を、前記第一接続部及び前記第二接続部のうち一方又は両方に転写する転写工程を更に備える、
請求項11~請求項15の何れか一項に記載のコネクタの製造方法。
【請求項17】
前記保持工程での圧縮を、前記端子の先端部と圧縮治具との間にフィルム状の金属膜を挟み込むようにして行うことで、前記転写工程を行う、
請求項16に記載のコネクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ、接続構造及びコネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いに対向する第1の基板と第2の基板とを電気的に接続するためのコネクタが開示されている。このコネクタは、絶縁性の構造物(保持体)と、当該構造物に保持された複数のピン(端子)と、から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-223043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなコネクタにおいて、保持体に端子を保持させるために、保持体に形成された貫通孔に端子を圧入する方法(すなわち、強い圧力を加えて押し込む方法)が知られている。
【0005】
しかし、保持体の貫通孔に端子を圧入する際に、端子のメッキが剥がれてしまったり、保持体が削れてしまったりする。剥がれたメッキや保持体の削りカスは、接触不良や半田付け不良、端子間の短絡といった不具合を招く恐れがある。
【0006】
本開示は、端子のメッキの剥がれや保持体の削れが起こり難いコネクタ及びコネクタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、物(コネクタ、その構成部品等)の構造、形状を説明する場合、当該物を基準とした方向概念であって互いに垂直な方向概念であるX方向、Y方向及びZ方向を用いる。
【0008】
[コネクタ]
第1の態様に係るコネクタは、Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部を備える一又は複数の端子と、を備え、前記中間部は、当該中間部のZ方向に直交する断面形状の図心を結んで形成される当該中間部の軸線がZ方向に対して曲がるように、Z方向に沿って延びる直線棒形状から僅かに変形した形状になっており、前記中間部は、前記保持孔の内面との摩擦力によって、前記保持孔の内部に保持されている。
【0009】
上記態様では、コネクタは、保持体と、一又は複数の端子と、を備える。端子は、第一接続対象物に接続可能な第一接続部、第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び第一接続部と第二接続部との間に位置する中間部を備える。保持体には、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成されている。端子の中間部は、保持孔の内部に保持されている。
【0010】
ここで、中間部は、当該中間部の軸線(当該中間部のZ方向に直交する断面形状の図心を結んで形成される線)がZ方向に対して曲がるように、Z方向に沿って延びる直線棒形状から僅かに変形した形状になっている。これにより、中間部は、保持孔の内面との摩擦力によって、保持孔の内部に保持されている。
【0011】
第2の態様に係るコネクタは、Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部を備える一又は複数の端子と、を備え、前記中間部には、当該中間部の他の部分と比べて断面積が増加している膨れ部であって、その断面積の変化が当該中間部の軸方向に沿って連続的である前記膨れ部が形成されている。
【0012】
上記態様では、中間部には、当該中間部の他の部分と比べて断面積が増加している膨れ部が形成される。膨れ部の断面積の変化は、中間部の軸方向に沿って連続的である。
これにより、断面積が増加している膨れ部の位置で保持孔の内面との摩擦力が増大し、保持孔の内部に中間部が保持される。
【0013】
第3の態様に係るコネクタは、Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部を備える一又は複数の端子と、を備え、前記中間部は、当該中間部が前記保持孔の内部に配置された状態で、前記端子がZ方向で圧縮されることにより変形した形状である。
【0014】
上記態様では、中間部は、当該中間部が保持孔の内部に配置された状態で、端子がZ方向で圧縮されることにより変形した形状である。このため、圧縮されることにより変形した中間部の形状により、端子を保持体に適切に保持させることができる。
【0015】
上記第1~第3の態様によれば、中間部が適切に保持孔の内部に保持される。
【0016】
第4の態様に係るコネクタは、第1~第3の何れかの態様において、前記端子のうち前記中間部に対して前記第一接続部側に、屈曲部が形成されておらず、前記端子の前記第一接続部側の先端面である第一先端面が前記第一接続部である。
【0017】
ところで、特許文献1のコネクタでは、端子(ピン)の各々に2つの屈曲部が形成されている。
これに対し、上記態様では、端子のうち中間部に対して第一接続部側に、屈曲部が形成されておらず、端子の第一接続部側の先端面(第一先端面)が第一接続部である。このため、端子に上記の屈曲部を形成する工程が必要なく、工程が簡易になる。
【0018】
第5の態様に係るコネクタは、第1~第4の何れかの態様において、前記端子は、屈曲部を備えない略直線棒形状であり、前記端子の前記第一接続部側の先端面である第一先端面が前記第一接続部であり、前記端子の前記第二接続部側の先端面である第二先端面が前記第二接続部である。
【0019】
上記態様では、端子は、屈曲部を備えない略直線棒形状であり、端子の第一接続部側の先端面(第一先端面)が第一接続部であり、端子の第二接続部側の先端面(第二先端面)が第二接続部である。このため、端子に屈曲部を形成する工程が必要なく、工程が簡易になる。
【0020】
第6の態様に係るコネクタは、第1~第5の何れかの態様において、前記中間部は、前記保持孔の内面に食い込む突起を備えない。
【0021】
ところで、従来のコネクタには、中間部が、保持孔の内面に食い込む突起を備えることで、中間部を保持孔の内部に保持させるものがある。しかし、中間部がこのような突起を備えていると、信号の反射が起こり易い。
これに対し、上記態様では、中間部は、保持孔の内面に食い込む突起を備えない。このため、信号の反射が起こり難い。
【0022】
第7の態様に係るコネクタは、第1~第6の何れかの態様において、前記保持体の外表面のうち、前記第一接続部が露出している第一面は、平面であり、前記第一接続部としての前記端子の先端面と、前記第一面とは、実質的に同一の平面を形成している。
【0023】
上記態様では、保持体の外表面のうち、端子の第一接続部が露出している面(第一面)は、平面である。更に、第一接続部としての端子の先端面は、平面の第一面と共に、実質的に同一の平面を形成している。このため、保持体の外表面のうち保持孔が開口する面を、吸着機による吸着に利用しやすい。なお、「実質的に同一の平面」とは、吸着機で吸着できる程度の高低差を許容する趣旨である。
【0024】
第8の態様に係るコネクタは、第1~第7の何れかの態様において、前記第一接続部と前記第二接続部のうち一方又は両方は、前記端子の母材の上に配置されたフィルム状の金属膜を有し、前記金属膜は、前記端子の母材よりも半田付け性に優れる。
【0025】
上記態様では、第一接続部と第二接続部のうち一方又は両方は、端子の母材の上に配置されたフィルム状の金属膜を有している。この金属膜は、端子の母材よりも半田付け性に優れる。このため、第一接続対象物と第二接続対象物のうち一方又は両方に対する接続強度を高めることができる。また、端子の母材の腐食を防止することができる。
【0026】
第9の態様に係るコネクタは、第1~第8の何れかの態様において、前記第一接続部と前記第二接続部とは、互いに同一構造である。
【0027】
上記態様では、第一接続部と第二接続部とが、互いに同一構造である。このため、接続対象物に対する接続(半田付け等)を、第一接続部と第二接続部とで同様に行うことができる。なお、同一構造とは、形状だけでなく、施されているメッキや転写されている金属膜なども同一であることを意味する。
【0028】
[接続構造]
第10の態様に係る接続構造は、前記第一接続対象物と、前記第二接続対象物と、第1~第9の何れかの態様に係るコネクタと、を備え、前記第一接続対象物と前記第二接続対象物とが前記コネクタにより電気的に接続された接続構造である。
【0029】
上記態様では、第一接続対象物と第二接続対象物とがコネクタにより電気的に接続された接続構造が提供される。
【0030】
[製造方法]
第11の態様に係るコネクタの製造方法は、Z方向で互いに対向する第一接続対象物と第二接続対象物とを電気的に接続するためのコネクタであって、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である一又は複数の保持孔が形成された保持体と、前記第一接続対象物に接続可能な第一接続部、前記第二接続対象物に接続可能な第二接続部、及び前記第一接続部と前記第二接続部との間に位置する中間部であって、前記保持孔の内部に保持された前記中間部を備える一又は複数の端子と、を備えるコネクタの製造方法であって、前記保持孔に前記端子を挿入することにより、前記中間部を前記保持孔の内部に配置する配置工程と、前記中間部が前記保持孔の内部に配置された状態で、前記端子をZ方向で圧縮することにより、前記中間部を変形させて、前記保持孔の内部に前記中間部を保持させる保持工程と、を備えるコネクタの製造方法である。
【0031】
上記態様では、配置工程において、保持孔に端子を挿入することにより、中間部を保持孔の内部に配置する。そして、保持工程において、中間部が保持孔の内部に配置された状態で、端子をZ方向で圧縮することにより、中間部を変形させて、保持孔の内部に中間部を保持させる。
このため、端子を保持孔に圧入することで端子を保持孔の内部に保持させる従来の製造方法と比べて、配置工程において、端子を保持孔に挿入する際に、端子と保持孔の内面との間に発生する摩擦が小さくて済む。換言すると、端子を保持孔に挿入する際の摩擦(端子と保持孔の内面との間に発生する摩擦)が小さくなるように、端子及び保持孔の大きさ(具体的には断面の大きさ)を設定しても、保持工程による中間部の変形により、端子を保持体に適切に保持させることができる。よって、端子のメッキの剥がれや保持体の削れが起こり難い。
【0032】
第12の態様に係るコネクタの製造方法は、第11の態様において、前記保持工程での圧縮により、前記端子のZ方向寸法をコネクタ完成時の寸法にする。
【0033】
上記態様では、保持工程での圧縮により、端子のZ方向寸法をコネクタ完成時の寸法にする。このため、端子のZ方向寸法を調整する工程を保持工程のほかに設ける必要がないため、工程が簡易になる。
【0034】
第13の態様に係るコネクタの製造方法は、第11又は第12の態様において、前記配置工程での前記端子は、前記保持孔への前記端子の挿入を容易にするテーパ部を備えている。
【0035】
上記態様では、配置工程での端子は、端子の保持孔への挿入を容易にするテーパ部を備えている。このため、配置工程において、端子が保持孔の縁に衝突して座屈してしまうことが防止される。
【0036】
第14の態様に係るコネクタの製造方法は、第91~第13の何れかの態様において、前記保持工程での圧縮により、前記端子の先端部を押し潰すことで、前記第一接続部及び前記第二接続部のうち一方又は両方を凸面形状にする。
【0037】
上記態様では、端子の先端部を押し潰すことで、第一接続部及び第二接続部のうち一方又は両方を凸面形状にする。このため、第一接続部及び第二接続部の何れか又は両方に半田フィレットを形成しやすくなる。また、第一接続部及び第二接続部の何れか又は両方を凸面形状に形成することを保持工程で行うため、製造効率が良い。
【0038】
第15の態様に係るコネクタの製造方法は、第14の態様において、前記第一接続部及び前記第二接続部のうち一方又は両方の凸面形状に対応する凹面形状の接触部形成面を備える圧縮治具を用いて前記保持工程での圧縮を行う。
【0039】
上記態様では、凸面形状に対応する凹面形状の接触部形成面を備える圧縮治具を用いて保持工程での圧縮を行う。これにより、第一接続部及び第二接続部のうち一方又は両方を凸面形状にする。このため、第一接続部及び第二接続部のうち一方又は両方を所望の形状にしやすい。
【0040】
第16の態様に係るコネクタの製造方法は、第11~第15の何れかの態様において、前記端子の母材よりも半田付け性に優れたフィルム状の金属膜を、前記第一接続部及び前記第二接続部のうち一方又は両方に転写する転写工程を更に備える。
【0041】
上記態様では、転写工程において、端子の母材よりも半田付け性に優れたフィルム状の金属膜を、第一接続部及び第二接続部のうち一方又は両方に転写する。このため、接続対象物へのコネクタの取付強度を高めることができる。
【0042】
第17の態様に係るコネクタは、第16の態様において、前記保持工程での圧縮を、前記端子の先端部と圧縮治具との間にフィルム状の金属膜を挟み込むようにして行うことで、前記転写工程を行う。
【0043】
上記態様では、保持工程での圧縮を、端子の先端部と圧縮治具との間にフィルム状の金属膜を挟み込むようにして行うことで、転写工程を行う。このため、別途、転写工程を設ける必要がなく、製造効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】コネクタの斜視図である。
図2】配置工程を示す断面図である。
図3】保持工程を示す断面図である。
図4】完成状態のコネクタを示す断面図である。
図5】接続構造を示す断面図である。
図6】実際に製造したコネクタの断面写真である。
図7】他の実施形態に係る完成状態のコネクタを示す断面図である。
図8】保持工程の具体例を示す断面図である。
図9図4とは異なる中間部の変形形状を説明するための図(図4に対応する図)である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、説明の便宜上、±Z方向を上下方向として説明することがある。
【0046】
図1は、本実施形態に係るコネクタ100の斜視図である。コネクタ100の製造方法は、図2に示す配置工程と、図3に示す保持工程と、を備える。
【0047】
[配置工程]
配置工程は、保持体20の保持孔21に端子30を挿入することにより、端子30の中間部33を保持孔21の内部に配置する工程である(図2参照)。
【0048】
(配置工程での端子)
端子30は、直線棒形状である。具体的には、端子30は、本体部30Aと、一対の先端部30Bと、を備える。本体部30Aは、その軸方向(Z方向)に沿って断面形状及び断面積が一定である。本体部30Aの軸方向であるZ方向に直交する断面形状は、円形である。先端部30Bは、本体部30Aから離れるにつれて徐々に断面積が小さくなる「テーパ部」となっている。
なお、本実施形態では、端子30の一対の先端面30B1,30B2が、接続対象物41,42に接続可能な「第一接続部31」及び「第二接続部32」に相当し、本体部30Aが「中間部33」に相当する。
【0049】
配置工程での端子30は、メッキが施された端子連続体を切断して複数の端子30を製造する工程(端子製造工程、例えば、特開2015-046238参照)で得られたものである。そのため、端子30の本体部30Aは、表面にメッキが施されているが、端子30の先端面30B1,30B2は、端子連続体を切断した切断面なので、母材が露出している。なお、端子30の母材としては、例えば、黄銅、リン青銅等の銅合金である。メッキとしては、例えば、ニッケルメッキである。ニッケルメッキの表面に、更に、錫や金等のめっき層が設けられていてもよい。
【0050】
(保持体)
保持体20は、複数の端子30を保持するための部材である。保持体20は、合成樹脂などの絶縁体で形成される。保持体20の材料としては、例えば、LCP又はPPS等のエンジニアリングプラスチックであり、また、硬質性のプラスチックである。
【0051】
保持体20は、直方体形状である。具体的には、保持体20は、+Z方向に法線方向を向けた第一面20Aと、-Z方向に法線方向を向けた第二面20Bと、第一面20Aと第二面20Bとを繋ぐ周面20Cを有する。周面20Cの法線方向は、XY平面内を向いている。
【0052】
保持体20には、保持体20を貫通する貫通孔である保持孔21が複数(本実施形態では16個)形成されている。保持孔21は、Z方向に直線状に延び、保持体20をZ方向で貫通する。保持孔21の+Z方向側が第一面20Aに開口し、保持孔21の-Z方向側が第二面20Bに開口する。X方向に沿って一列に配列された複数(4個)の保持孔21が、Y方向に複数列(4列)配列されることで、多数(16個)の保持孔21が配列されている。
【0053】
保持孔21の断面形状及び断面積は、保持孔21の軸方向であるZ方向に沿って一定である。保持孔21の断面形状は、端子30の本体部30Aの断面形状と略同一であり、保持孔21の断面積は、端子30の本体部30Aの断面積と略同一である。
【0054】
図3は、配置工程後の状態を示す断面図である。
配置工程により、端子30の中間部33である本体部30Aが、保持体20の保持孔21の内部に配置された状態となる。一方、端子30の一対の先端部30Bは、保持体20の保持孔21から外部に突出した状態となる。
【0055】
[保持工程]
保持工程は、中間部33が保持孔21の内部に配置された状態で、端子30をZ方向で圧縮することにより、中間部33を変形させて、保持孔21の内部に中間部33を保持させる工程である(図3参照)。
【0056】
図4は、保持工程を経た完成状態のコネクタ100を示す断面図である。
但し、図4では、端子30の変形を大幅に強調して描いている。また、図4では、簡単のため、各端子30に生じた変形態様が互いに同一であるように描いている。実際には、端子の変形は僅かであり、かつ、各端子30の生じる変形態様も端子30毎に様々である。参考のため、図6に実際に製造したコネクタ100の断面写真を示す。
【0057】
端子30がZ方向で圧縮されることで、図4に示すように、端子30の中間部33は変形する。具体的には、保持工程前では、Z方向に沿って平行に伸びていた中間部33の軸線(中間部33のZ方向に直交する断面形状の図心を結んで形成される線)33Gが、保持工程後の完成状態のコネクタ100では、座屈している。
【0058】
また、保持工程での圧縮により、端子30の第一接続部31及び第二接続部32である一対の先端部30Bも変形する。具体的には、端子30の先端部30Bは、Z方向で押し潰される。これにより、変形後の先端部30Bは、保持体20から突出している量が小さくなる。また、変形後の先端部30Bは、変形前よりも丸みを帯びた凸面形状(略球面形状)となる。
【0059】
完成状態のコネクタ100では、中間部33は、当該中間部33の軸線33GがZ方向に対して曲がるように、Z方向に沿って延びる直線棒形状から僅かに変形した形状になっている。これにより、中間部33は、保持孔21の内面との摩擦力によって、保持孔21の内部に保持されている。
【0060】
なお、図4では、簡単のため、保持体20及び保持孔21が保持工程の前から変形していないように描いているが、実際は、端子30の中間部33の変形に多少追従して、保持体20及び保持孔21も僅かに変形する。
【0061】
なお、保持工程を経た完成状態での中間部33の形状は、軸線33GがZ方向に対して曲がる変形形状(図4参照)に限られない。このことを図9を用いて補足する。
【0062】
図9では、配置工程において、中間部33が軸方向であるZ方向で圧縮されることで、中間部33の一部において断面積が増加するように、中間部33が変形している。これにより、中間部33には、当該中間部33の他の部分と比べて断面積が増加している膨れ部33Aが形成されている。また、膨れ部33Aでの断面積の変化は、軸方向に沿って連続的な変化となる。
なお、図9では、中間部33の軸方向中央部分に膨れ部33Aが形成されているが、他の部分に形成されることもある。
【0063】
勿論、図9も、端子30の変形を大幅に強調して描いた図である。また、実際の変形では、図4に示されたような変形と、図9に示されたような変形とが複合して発生すると考えられる。
【0064】
また、完成状態のコネクタ100では、端子30の本体部30A(中間部33)のZ方向に直交する断面形状は、Z方向の位置に寄らず、略同一である。なぜなら、(1)保持工程前の中間部33の断面形状及び断面積は、軸方向(Z方向)に沿って一定であり、かつ、(2)保持工程での圧縮により、中間部33の断面形状及び断面積は、若干変化するものの大きな変化はないからである。
【0065】
[接続構造]
図5は、コネクタ100を用いた接続構造Sを示す断面図である。
【0066】
図5に示すように、Z方向で互いに対向する第一基板41(第一接続対象物)と第二基板42(第二接続対象物)とがコネクタ100によって電気的に接続されている。また、コネクタ100によって、第一基板41と第二基板42とのZ方向の距離が規定されている。すなわち、コネクタ100は、基板間(第一基板41及び第二基板42の間)距離を規定するスペーサの役割も果たす。したがって、第一基板41と第二基板42との間には、コネクタ100以外のスペーサが設けられなくてもよい。なお、第一基板41と第二基板42との間のコネクタ100は、複数設けられてもよい。
基板が小さい場合には、基板上にスペーサを配置する領域の確保が困難なことがある。このような場合に、本実施形態のコネクタ100を有効に活用できる。
【0067】
コネクタ100の端子30の第一接続部31が第一基板41の実装面41Aに半田付け等(図示省略)により接続されており、コネクタ100の端子30の第二接続部32が第二基板42の実装面42Aに半田付け等(図示省略)により接続されている。半田付けは、例えばリフロー方式による半田付けである。
【0068】
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0069】
本実施形態では、コネクタ100は、保持体20と、複数の端子30と、を備える。端子30は、第一接続対象物41に接続可能な第一接続部31、第二接続対象物42に接続可能な第二接続部32、及び第一接続部31と第二接続部32との間に位置する中間部33を備える。保持体20には、Z方向に沿って直線状に延びる貫通孔である複数の保持孔21が形成されている。端子30の中間部33は、保持孔21の内部に保持されている。
【0070】
ここで、図4に示すように、中間部33は、当該中間部33の軸線33G(当該中間部33のZ方向に直交する断面形状の図心を結んで形成される線)がZ方向に対して曲がるように、Z方向に沿って延びる直線棒形状から僅かに変形した形状になっている。これにより、中間部33は、保持孔21の内面との摩擦力によって、保持孔21の内部に保持されている。
【0071】
また、図9に示すように、中間部33には、当該中間部33の他の部分と比べて断面積が増加している膨れ部33Aが形成されることもある。膨れ部33Aでの断面積の変化は、軸方向に沿って連続的である。これにより、断面積が増加している膨れ部33Aの位置で保持孔21の内面との摩擦力が増大し、保持孔21の内部に中間部33が保持される。
【0072】
ところで、特許文献1のコネクタでは、端子(ピン)の各々に2つの屈曲部が形成されている。このため、端子(ピン)がZ方向(基板が対向する方向)に垂直に伸びる部分を有している。
これに対し、本実施形態では、端子30のうち中間部33に対して第一接続部31側に、屈曲部が形成されておらず、端子30の第一接続部31側の先端面(第一先端面30B1)が第一接続部31である。このため、端子30に上記の屈曲部を形成する工程が必要なく、工程が簡易になる。
特に、本実施形態では、端子30は、屈曲部を備えない略直線棒形状であり、端子30の第一接続部31側の先端面(第一先端面30B1)が第一接続部31であり、端子30の第二接続部32側の先端面(第二先端面30B2)が第二接続部32である。このため、端子30に屈曲部を形成する工程が必要なく、工程が簡易になる。また、このため、端子30がZ方向に垂直に伸びる部分を有しないので、限られた領域に多数の端子30の配列が可能となる。すなわち、Z方向に垂直に伸びる部分の配置を考慮する必要がなく、すなわち隣り合う端子30同士のZ方向に垂直に伸びる部分同士の干渉を考慮する必要がないため、本実施形態のように、端子30同士の間隔を狭くしたまま4行×4列の端子配列をすることも可能となる。
【0073】
また、本実施形態のように、複数の端子30がn行m列(n≧3、m≧3)で配列されていると、グランド端子で信号端子を囲むことが可能である。例えば、図1に示すコネクタ100では、中央の4つの端子30を信号端子として用い、それ以外の12つの端子30をグランド端子として用いてもよい。
【0074】
ところで、従来のコネクタには、中間部が、保持孔の内面に食い込む突起を備えることで、中間部を保持孔の内部に保持させるものがある。しかし、中間部がこのような突起を備えていると、信号の反射が起こり易い。
これに対し、本実施形態では、中間部33は、保持孔21の内面に食い込む突起を備えない。このため、信号の反射が起こり難い。
【0075】
また、本実施形態では、第一接続部31と第二接続部32とが、互いに同一構造である。このため、接続対象物41,42に対する接続(半田付け等)を、第一接続部31と第二接続部32とで同様に行うことができる。なお、同一構造とは、形状だけでなく、施されているメッキや転写されている金属膜なども同一であることを意味する。
更に、本実施形態では、コネクタ100は、保持体20をも含め、上下反転させても略同一の構造である。このため、コネクタ100の上下を区別することなく使用することができ、利便性に優れる。
【0076】
なお、第一接続部31と第二接続部32のうち一方又は両方は、端子30の母材の上に配置されたフィルム状の金属膜を有してもよい。この金属膜は、端子30の母材よりも半田付け性に優れるものである。この場合、第一接続対象物41と第二接続対象物42のうち一方又は両方に対する接続強度を高めることができる。また、端子30の母材の腐食を防止することができる。
このような金属膜を設けるためには、例えば、保持工程の後に転写工程を行えばよく、また、保持工程と同時に行ってもよい。転写工程は、端子30の母材よりも半田付け性に優れたフィルム状の金属膜を、第一接続部31及び第二接続部32のうち一方又は両方に転写する工程である。
また、本実施形態のように、配置工程での端子30の先端面30B1,30B2にメッキが施されていない部分がある場合は、フィルム状の金属膜を表面に施すことで、端子30の母材の腐食(酸化等)を防止することもできる。
金属膜の材料としては、例えば、錫や金等である。
【0077】
ところで、図4に示す模式的な変形態様(全ての端子30が同じ方向(図の左方向)に座屈している。)と異なり、端子30に生じる実際の変形態様は、端子30毎に様々であると上記では説明した。
しかし、保持体20の割れを抑制する観点からは、端子30が座屈する方向(以下「座屈方向」という。)をコントロールすることが好ましい。なぜなら、例えば±X方向の座屈と±Y方向の座屈とが混在している場合と比べて、+X方向の座屈と-X方向の座屈とが混在しているものの+Y方向の座屈や-Y方向の座屈が生じていない場合には、保持体20の割れが生じにくいからである。
【0078】
座屈方向をコントロールする方法としては、保持孔21の断面形状と端子30の本体部30A(中間部33)の断面形状との関係を工夫する方法がある。
具体的には、保持孔21の断面形状を、本体部30Aの断面形状と比べて、特定の方向(座屈を誘発したい方向)にだけ若干大きく形成する。例えば、本実施形態のように、端子30の本体部30Aの断面形状が円形の場合は、保持孔21の断面形状を、特定の方向(例えば±X方向)を長軸方向とする楕円形にする。また、端子30の本体部30Aの断面形状が正方形の場合は、保持孔21の断面形状を、特定の方向(例えば±X方向)を長手方向とする長方形にする。
これにより、特定の方向(例えば±X方向)の座屈を誘発することが可能である。
なお、上記特定の方向(座屈を誘発したい方向)は、端子30の配列方向に平行な方向(かつ直方体形状の保持体20の各辺の方向)であるX方向やY方向でなくてもよく、X方向やY方向に対して斜めの方向であってもよい。
【0079】
[製造方法]
本実施形態では、配置工程において、保持孔21に端子30を挿入することにより、中間部33を保持孔21の内部に配置する。そして、保持工程において、中間部33が保持孔21の内部に配置された状態で、端子30をZ方向で圧縮することにより、中間部33を変形させて、保持孔21の内部に中間部を保持させる。
このため、端子30を保持孔21に圧入することで端子30を保持孔21の内部に保持させる従来の製造方法と比べて、配置工程において、端子30を保持孔21に挿入する際に、端子30と保持孔21の内面との間に発生する摩擦が小さくて済む。換言すると、端子30を保持孔21に挿入する際の摩擦(端子30と保持孔21の内面との間に発生する摩擦)が小さくなるように、端子30及び保持孔21の大きさ(具体的には断面の大きさ)を設定しても、保持工程による中間部33の変形により、端子30を保持体20に適切に保持させることができる。よって、端子30のメッキの剥がれや保持体20の削れが起こり難い。
【0080】
また、本実施形態では、保持工程での圧縮により、端子30のZ方向寸法をコネクタ完成時の寸法にする。このため、端子30のZ方向寸法を調整する工程を保持工程のほかに設ける必要がないため、工程が簡易になる。
更に、本実施形態のように端子30が複数である場合は、複数の端子30の第一接続部31及び第二接続部32のZ方向の位置を揃えることが容易になる。
【0081】
また、本実施形態では、配置工程での端子30(図2参照)は、端子30の保持孔21への挿入を容易にするテーパ部(テーパ状の先端部30B)を備えている。このため、配置工程において、端子30が保持孔21の縁に衝突して座屈してしまうことが防止される。
【0082】
また、本実施形態では、端子30の先端部30Bを押し潰すことで、第一接続部31及び第二接続部32のうち両方を凸面形状にする。このため、第一接続部31及び第二接続部32の両方に半田フィレットを形成しやすくなる。また、第一接続部31及び第二接続部32の両方を凸面形状に形成することを保持工程で行うため、製造効率が良い。
【0083】
(他の実施形態)
図7は、他の実施形態に係るコネクタ200を示す断面図である。
【0084】
コネクタ200では、保持体20の外表面のうち、端子30の第一接続部31が露出している第一面20Aは、平面である。更に、第一接続部31としての端子30の第一先端面30B1は、平面の第一面20Aと共に、実質的に同一の平面を形成している。このため、保持体20の外表面のうち保持孔21が開口する面を、吸着機による吸着に利用しやすい。
【0085】
(保持工程の具体例)
図8は、保持工程の具体例を示す断面図である。
【0086】
図8に示す保持工程での圧縮は、圧縮治具50A,50Bを用いて行う。圧縮治具50A,50Bは、第一圧縮治具50Aと、第二圧縮治具50Bと、から構成される。
第一圧縮治具50Aと第二圧縮治具50Bとを対向させ、第一圧縮治具50Aと第二圧縮治具50BとZ方向で近づけるように相対移動させる。これにより、第一圧縮治具50Aが、端子30の第一先端面30B1を押圧し、第二圧縮治具50Bが、端子30の第二先端面30B2を押圧することで、端子30がZ方向で圧縮される。
【0087】
図8に示すように、第一接続部31及び第二接続部32の凸面形状(図4参照)に対応する凹面形状の接触部形成面52を備える圧縮治具50A,50Bを用いて、圧縮を行ってもよい。これにより、第一接続部31及び第二接続部32を凸面形状にすると、第一接続部31及び第二接続部32を所望の形状にしやすい。
【0088】
また、図8に示すように、保持工程での圧縮を、端子30の先端部30Bと圧縮治具50A,50Bとの間にフィルム状の金属膜60を挟み込むようにして行うことで、転写工程を行ってもよい。転写工程は、端子30の母材よりも半田付け性に優れたフィルム状の金属膜60を、第一接続部31及び第二接続部32のうち一方又は両方に転写する工程である。このようにすると、別途、転写工程を設ける必要がなく、製造効率が良い。
【0089】
なお、保持工程において、端子30の先端部30Bに液状防錆剤を付与してもよい。端子30を圧縮する前に、接触部形成面52に液状防錆剤を塗布しておき、端子30を圧縮することで、圧縮と同時に、端子30の先端部30Bに液状防錆剤を塗布することができる。なお、端子30を圧縮する際に、極圧剤を付与することで、さらに容易に第一接続部31及び第二接続部32を所望の形状にしやすくなる。なお、保持工程で端子30を圧縮する際に用いるプレス油に極圧剤と液状防錆剤を含ませてもよい。
転写工程を行わない場合には、端子30の第一先端面30B1と第二先端部30B2の腐食を防止するために、保持工程後に第一先端面30B1と第二先端部30B2に液状防錆剤を付与することが好ましい。
【0090】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、コネクタ100が備える端子30が複数である例を説明したが、本開示はこれに限定されない。コネクタが備える端子は、一つであってもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、端子30の軸方向であるZ方向に直交する断面形状が、円形であるが、本開示の端子の断面形状は、これに限定されず、四角形やその他であってもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、保持体20が直方体形状であるが、本開示の保持体は、これに限定されない。
【0093】
また、上記実施形態では、配置工程での端子30が、端子連続体を切断して得られたものであり、本体部30Aと一対のテーパ状の先端部30Bとを備えるものであったが、本開示の「配置工程での端子」は、これに限定されない。
【符号の説明】
【0094】
S 接続構造
100,200 コネクタ
20 保持体
20A 第一面
21 保持孔
30 端子
30A 本体部
30B 先端部
30B1 第一先端面
30B2 第二先端部
31 第一接続部
32 第二接続部
33 中間部
33G 中間部の軸線
33A 膨れ部
41 第一基板(第一接続対象物)
42 第二基板(第二接続対象物)
50A,50B 圧縮治具
52 接触部形成面
60 金属膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9