(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013793
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】圧縮可能ステープルカートリッジを備えた外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105363
(22)【出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】16/919,391
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ヘイリー ストラスナー
(72)【発明者】
【氏名】マロリー ピル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ナップ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】圧縮可能ステープルカートリッジを備えた外科用ステープル留めデバイスを提供する。
【解決手段】外科用器具は、アンビル24とカートリッジアセンブリ26との間に組織をクランプするために、開位置とクランプ位置との間で互いに対して移動可能なツールアセンブリ16を含み、ステープルカートリッジおよび/またはアンビルはツールアセンブリがクランプされている組織のトポグラフィに適合して、組織をツールアセンブリの長さに沿って均一に圧縮し、組織に負わせる外傷を最小限に抑えることを可能にする、適合材料を含む組織接触面48を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留めデバイス用のツールアセンブリであって、
第1の組織係合面を有するアンビルと、
カートリッジチャネルおよびステープルカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、を備え、前記ステープルカートリッジが、第2の組織係合面を有する本体を含み、前記本体が前記カートリッジチャネル内に受容されており、前記第2の組織係合面が適合材料で形成されており、前記適合材料が、前記適合材料を通るステープルの通過を容易にするための開口部を画定する、ツールアセンブリ。
【請求項2】
前記適合材料が、前記ステープルカートリッジの前記本体と一体的に形成されている、請求項1に記載のツールアセンブリ。
【請求項3】
前記適合材料が、前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項1に記載のツールアセンブリ。
【請求項4】
前記適合材料が、塗装によって前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項3に記載のツールアセンブリ。
【請求項5】
前記適合材料が、蒸着によって前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項3に記載のツールアセンブリ。
【請求項6】
前記適合材料が、オーバーモールディングによって前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項3に記載のツールアセンブリ。
【請求項7】
前記適合材料が、メモリーフォーム、ポリウレタン、ヒドロゲル、ゼラチン、ポリサッカライド、およびゴムからなる群から選択される、請求項1に記載のツールアセンブリ。
【請求項8】
前記適合材料が、前記ステープルカートリッジの前記第2の組織係合面が組織「T」の局部的なトポグラフィおよび厚さに適合することを可能にする厚さを有する、請求項1に記載のツールアセンブリ。
【請求項9】
前記適合材料の前記厚さが、約0.100インチ~約1.5インチである、請求項8に記載のツールアセンブリ。
【請求項10】
前記アンビルの前記第1の組織係合面が、適合材料で形成されている、請求項1に記載のツールアセンブリ。
【請求項11】
外科用ステープル留めデバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに結合された近位部分、および遠位部分を有する細長い本体と、
前記細長い本体の前記遠位部分で支持されたツールアセンブリと、を備え、前記ツールアセンブリが、
第1の組織係合面を有するアンビルと、
カートリッジチャネルおよびステープルカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、を含み、前記ステープルカートリッジが第2の組織係合面を有する本体を含み、前記本体が前記カートリッジチャネル内に受容されており、前記第2の組織係合面が適合材料で形成されており、前記適合材料が、前記適合材料を通るステープルの通過を容易にする開口部を画定している、外科用ステープル留めデバイス。
【請求項12】
前記適合材料が、前記ステープルカートリッジの前記本体と一体的に形成されている、請求項11に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項13】
前記適合材料が、前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項11に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項14】
前記適合材料が、塗装によって前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項13に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項15】
前記適合材料が、蒸着によって前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項13に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項16】
前記適合材料が、オーバーモールディングによって前記ステープルカートリッジの前記本体に固定されている、請求項13に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項17】
前記適合材料が、メモリーフォーム、ポリウレタン、ヒドロゲル、ゼラチン、ポリサッカライド、およびゴムからなる群から選択される、請求項11に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項18】
前記適合材料が、前記ステープルカートリッジの前記第2の組織係合面が組織「T」の局部的なトポグラフィおよび厚さに適合することを可能にする厚さを有する、請求項11に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項19】
前記適合材料の前記厚さが、約0.100インチ~約1.5インチである、請求項18に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項20】
前記アンビルの前記第1の組織係合面が、適合材料で形成されている、請求項11に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組織をステープル留めするための外科用デバイスを対象とし、より詳細には、組織を均一に圧縮する構造を有するツールアセンブリを含む外科用ステープル留めデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
既知の外科用ステープル留めデバイスは、アンビルを有するツールアセンブリ、および組織接触面を有するカートリッジアセンブリを含む。アンビルとカートリッジアセンブリは互いに結合されており、間隔を置いた位置とクランプされた位置との間で互いに対して移動可能である。アンビルおよびカートリッジアセンブリはそれぞれ、組織接触面を含む。ツールアセンブリが開位置からクランプ位置に移動すると、アンビルとステープルカートリッジの組織接触面は、組織が受け入れられ、クランプされる均一な組織ギャップを画定する。
【0003】
アンビルおよびステープルカートリッジの組織接触面は、通常、硬質材料から形成されている。組織がアンビルとステープルカートリッジの組織接触面の間にクランプされると、組織に外傷を負わせる可能性がある。組織がツールアセンブリの長さに沿って均一でない密度を有する場合、これは通常、罹患したか、または放射線照射された組織であり、組織の圧縮の程度は、ツールアセンブリの長さに沿って変化し、より厚く、および/またはより密な組織に外傷が増大する可能性がある。
【0004】
ステープル留め技術において、ツールアセンブリの長さに沿って組織を均一に圧縮して、組織に外傷を負わせることを最小限に抑えることができるツールアセンブリに対する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、開位置とクランプ位置との間で互いに対して移動可能なカートリッジアセンブリおよびアンビルを有するツールアセンブリを含む外科用ステープル留めデバイスを対象とする。カートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジを含む。カートリッジアセンブリのステープルカートリッジおよびアンビルの各々は、組織係合面を含む。アンビルおよびステープルカートリッジの組織係合面の一方または両方は、ツールアセンブリが組織係合面の間にクランプされている組織のトポグラフィに適合してツールアセンブリの長さに沿って均一に組織を圧縮できるようにする適合材料を含むか、または適合材料で形成される。
【0006】
本開示の一態様は、外科用ステープル留めデバイス用のツールアセンブリを対象としている。ツールアセンブリツールアセンブリは、アンビルおよびカートリッジアセンブリを含む。アンビルは、第1の組織係合面を有する。カートリッジアセンブリは、カートリッジチャネルおよびステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、第2の組織係合面を有する本体を含む。本体はカートリッジチャネル内に受容されている。第2の組織係合面は、適合材料で形成されている。適合材料は、適合材料を通るステープルの通過を容易にするための開口部を画定する。
【0007】
本開示の他の態様は、ハンドルアセンブリと、細長い本体と、ツールアセンブリとを含む外科用ステープル留めデバイスを対象とする。細長い本体は、ハンドルアセンブリに結合された近位部分と、遠位部分とを有する。ツールアセンブリは、細長い本体の遠位部分で支持され、アンビルおよびカートリッジアセンブリを含む。アンビルは、第1の組織係合面を有する。カートリッジアセンブリは、カートリッジチャネルおよびステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、第2の組織係合面を有する本体を含む。本体はカートリッジチャネル内に受容されている。第2の組織係合面は、適合材料を通るステープルの通過を容易にする開口部を画定する適合材料で形成される。
【0008】
本開示の態様では、適合材料は、ステープルカートリッジの本体と一体的に形成される。
【0009】
本開示のいくつかの態様では、適合材料は、ステープルカートリッジの本体に固定される。
【0010】
本開示の特定の態様では、適合材料は、塗装によってステープルカートリッジの本体に固定される。
【0011】
本開示の態様では、適合材料は、蒸着によってステープルカートリッジの本体に固定される。
【0012】
本開示のいくつかの態様では、適合材料は、オーバーモールドによってステープルカートリッジの本体に固定される。
【0013】
本開示の特定の態様では、適合材料は、メモリーフォーム、ポリウレタン、ヒドロゲル、ゼラチン、ポリサッカライド、およびゴムからなる群から選択される。
【0014】
本開示の態様では、適合材料は、ステープルカートリッジの第2の組織係合面が組織「T」の局所的なトポグラフィおよび厚さに適合することを可能にする厚さを有する。
【0015】
本開示のいくつかの態様では、適合材料の厚さは、約0.100インチ~約1.5インチである。
【0016】
本開示の特定の態様では、アンビルの第1の組織係合面は、適合材料から形成される。
【0017】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用ステープル留めデバイス用のツールアセンブリであって、
第1の組織係合面を有するアンビルと、
カートリッジチャネルおよびステープルカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、を備え、上記ステープルカートリッジが、第2の組織係合面を有する本体を含み、上記本体が上記カートリッジチャネル内に受容されており、上記第2の組織係合面が適合材料で形成されており、上記適合材料が、上記適合材料を通るステープルの通過を容易にするための開口部を画定する、ツールアセンブリ。
(項目2)
上記適合材料が、上記ステープルカートリッジの上記本体と一体的に形成されている、上記項目に記載のツールアセンブリ。
(項目3)
上記適合材料が、上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目4)
上記適合材料が、塗装によって上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目5)
上記適合材料が、蒸着によって上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目6)
上記適合材料が、オーバーモールディングによって上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目7)
上記適合材料が、メモリーフォーム、ポリウレタン、ヒドロゲル、ゼラチン、ポリサッカライド、およびゴムからなる群から選択される、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目8)
上記適合材料が、上記ステープルカートリッジの上記第2の組織係合面が組織「T」の局部的なトポグラフィおよび厚さに適合することを可能にする厚さを有する、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目9)
上記適合材料の上記厚さが、約0.100インチ~約1.5インチである、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目10)
上記アンビルの上記第1の組織係合面が、適合材料で形成されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
(項目11)
外科用ステープル留めデバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
上記ハンドルアセンブリに結合された近位部分、および遠位部分を有する細長い本体と、
上記細長い本体の上記遠位部分で支持されたツールアセンブリと、を備え、上記ツールアセンブリが、
第1の組織係合面を有するアンビルと、
カートリッジチャネルおよびステープルカートリッジを含むカートリッジアセンブリと、を含み、上記ステープルカートリッジが第2の組織係合面を有する本体を含み、上記本体が上記カートリッジチャネル内に受容されており、上記第2の組織係合面が適合材料で形成されており、上記適合材料が、上記適合材料を通るステープルの通過を容易にする開口部を画定している、外科用ステープル留めデバイス。
(項目12)
上記適合材料が、上記ステープルカートリッジの上記本体と一体的に形成されている、上記項目に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目13)
上記適合材料が、上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目14)
上記適合材料が、塗装によって上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目15)
上記適合材料が、蒸着によって上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目16)
上記適合材料が、オーバーモールディングによって上記ステープルカートリッジの上記本体に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目17)
上記適合材料が、メモリーフォーム、ポリウレタン、ヒドロゲル、ゼラチン、ポリサッカライド、およびゴムからなる群から選択される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目18)
上記適合材料が、上記ステープルカートリッジの上記第2の組織係合面が組織「T」の局部的なトポグラフィおよび厚さに適合することを可能にする厚さを有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目19)
上記適合材料の上記厚さが、約0.100インチ~約1.5インチである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目20)
上記アンビルの上記第1の組織係合面が、適合材料で形成されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留めデバイス。
(摘要)
外科用器具は、アンビルとカートリッジアセンブリとの間に組織をクランプするために、開位置とクランプ位置との間で互いに対して移動可能であるアンビルおよびカートリッジアセンブリを有するツールアセンブリを含む。ステープルカートリッジおよび/またはアンビルは、ツールアセンブリがクランプされている組織のトポグラフィに適合して、組織をツールアセンブリの長さに沿って均一に圧縮し、組織に負わせる外傷を最小限に抑えることを可能にするための適合材料で形成されているか、それを含む組織接触面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
開示された外科用ステープル留めデバイスの様々な態様は、本明細書において図面を参照して以下に説明される。
【0019】
【
図1】開位置にあるツールアセンブリを備えた、本開示の態様による外科用ステープル留めデバイスの側面斜視図である。
【
図3】
図2の断面線3-3に沿って取った断面図である。
【
図4】
図3に示されるツールアセンブリの断面図であり、ツールアセンブリがクランプ位置にある。
【
図5】
図1に示される外科用ステープル留めデバイスのツールアセンブリの別のバージョンの側部断面図であり、ツールアセンブリが開位置にある。
【
図6】
図5に示されるツールアセンブリの側部断面図であり、ツールアセンブリがクランプ位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、本開示の外科用ステープル留めデバイスについて、図面を参照して詳細に説明し、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。しかしながら、本明細書に記載される本開示の態様は、単に本開示の例示であり、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切に詳細な構造に様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0021】
この説明において、「近位」という用語は、概して、臨床医により近い、デバイスの部分を指すために使用され、「遠位」という用語は、概して、臨床医からより遠い、デバイスの部分を指すために使用される。加えて、「内視鏡」という用語は、概して、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、および/または、小径の切開もしくはカニューレを介して行なわれる任意の他の処置を指すために使用される。さらに、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0022】
アンビルとカートリッジアセンブリとの間に組織をクランプするために、開位置とクランプ位置との間で互いに対して移動可能であるアンビルおよびカートリッジアセンブリを有するツールアセンブリを含む外科用器具が開示されている。本開示の態様では、ステープルカートリッジおよび/またはアンビルは、ツールアセンブリがクランプされている組織のトポグラフィに適合して、組織をツールアセンブリの長さに沿って均一に圧縮することを可能にするための適合材料で形成されているか、またはそれを含む組織接触面を含む。
【0023】
図1は、概して、ステープル留めデバイス10として示される本開示の態様を含む外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12、細長い本体またはアダプタアセンブリ14、およびツールアセンブリ16を含む。細長い本体14は、縦方向軸「X」を画定し、ハンドルアセンブリ12上に支持される近位部分14aと、ツールアセンブリ16を支持する遠位部分14bと、を含む。本開示のいくつかの態様では、ツールアセンブリ16は、ステープル留めデバイス10の細長い本体14の遠位部分14bに解放可能に結合されるように適合されている近位本体部分18aを含むリロードアセンブリ18の一部を形成する。リロードアセンブリ18の近位本体部分18aは、ツールアセンブリ16を支持する遠位部分を含む。本開示の代替の態様では、ツールアセンブリ16は、細長い本体14の遠位部分14bに固定されている。
【0024】
ステープル留めデバイス10のハンドルアセンブリ12は、静止ハンドル20a、作動ボタン22、および回転ノブ23を画定する本体20を含む。作動ボタン22を押して、ツールアセンブリ16を作動させる、例えば、ツールアセンブリ16を接近させ、ツールアセンブリ16を関節運動させ、ステープルを発射させるなどをすることができる。回転ノブ23は、ハンドルアセンブリ12の本体20上に回転可能に支持されており、ステープル留めデバイス10の細長い本体14を支持し、回転ノブ23が回転すると、細長い本体14およびツールアセンブリ16がハンドルアセンブリ12に対して回転するようになっている。本開示の態様では、電池(図示せず)は、ハンドルアセンブリ12に電力供給するために静止ハンドル20内で支持されている。米国特許第10,123,799号は、ツールアセンブリ16と共に使用するのに適した電動ハンドルアセンブリおよびアダプタアセンブリを開示している。
【0025】
ステープル留めデバイス10は、電力供給される必要はないが、米国特許第5,865,361号(「’361特許」)に記載されるような手動ハンドルアセンブリも含み得ることが想定される。ステープル留めデバイス10は、ロボット手術システム上で支持されるように適合させることができ、ハンドルアセンブリを含む必要がないこともまた想定される。
【0026】
図2~
図4はツールアセンブリ16を示し、その近位端で一緒に結合されたアンビル24およびカートリッジアセンブリ26を含み、ツールアセンブリ16が開位置(
図1)とクランプ位置(
図4)との間で移動できるようになっている。アンビル24は、複数のステープル形成ポケット25(
図3)を画定する組織係合面24aを含む。カートリッジアセンブリ26は、ステープルカートリッジ28、およびステープルカートリッジ28を受容するカートリッジチャネル30を含む。ステープルカートリッジ28は、組織係合面48(
図2)を含む。開位置では、アンビル24の50の遠位端部分は、アンビル24とカートリッジアセンブリ26との間の組織「T」の、アンビル24の組織接触面24aとステープルカートリッジ28の組織接触面48との間の位置への通過を容易にするために、ステープルカートリッジ28の遠位端部分52から間隔を空けている。クランプ位置では、アンビル24の組織係合面24aは、ステープルカートリッジ28の組織係合面48と並置され整列している。
【0027】
本開示のいくつかの態様では、ステープル留めデバイス10の再利用を容易にするために、ステープルカートリッジ28は、カートリッジチャネル30から取り外して交換することができる。代替的に、ステープルカートリッジ28を、カートリッジチャネル30内に固定して保持することができ、ステープル留めデバイス10の再利用を容易にするためにリロードアセンブリ18(
図1)を交換することができる。
【0028】
ステープルカートリッジ28は本体54を含み、これは、中央ナイフスロット56(
図2)、および中央ナイフスロット56の両側に位置付けられるステープル受容ポケット58(
図2)を画定する。ステープル受容ポケット58の各々は、ステープル59を受容する。本開示の態様では、ステープル受容ポケット58は、中央ナイフスロット56の両側に一列に整列される。
図2には3列のステープル受容ポケット58が示されているが、中央ナイフスロット56の両側に1列以上のステープル受容ポケット58が形成され得ることが想定される。
【0029】
ステープルカートリッジ28の組織係合面48は、ツールアセンブリ16の開位置からクランプ位置への移動に応じて内側に変形できる適合材料60から形成されるか、またはそれを含む。本開示の態様では、適合材料60は、ステープルカートリッジ28の本体54と一体的に形成される。本開示の他の態様では、適合材料60は、ステープルカートリッジの本体54に固定される。ツールアセンブリ16が開位置からクランプ位置に移動すると、アンビル24の
図4の矢印「A」の方向でのカートリッジアセンブリ26に向かう移動によって生成されるステープルカートリッジ28の組織係合面48上の組織「T」の力が、ステープルカートリッジ28の組織係合面48を内向きにカートリッジチャネル30に向けて変形させる。ステープルカートリッジ28の組織係合面48のこの内向きの変形は、ステープルカートリッジ28の長さに沿って均一ではないことがあり、ステープルカートリッジ28のそれぞれの部分にクランプされている組織「T」の厚さおよび密度に依存することになる。例えば、組織「T」が、より厚く、および/または密度がより高い組織係合面48の領域では、ステープルカートリッジ28の組織係合面48は、組織「T」がより薄く、および/または密度がより低い組織係合面の領域よりも変形の度合いが大きくなる。
【0030】
本開示の態様において、
図4に示されるように、ステープルカートリッジ28の本体54またはその一部は、上述のように、組織「T」がアンビル24とカートリッジアセンブリ26との間で圧縮されるときに内側に変形する適合材料60から形成され得る。あるいは、
図5および
図6に示すように、ステープルカートリッジ28の組織係合面48を形成する適合材料60は、様々な異なる締結技術または方法を使用して、ステープルカートリッジ28上に形成されるか、または適用され得る。例えば、適合材料は、締結具もしくはクリップを使用してステープルカートリッジ28の本体54に固定することができ、「塗装」によって、または蒸着を使用した適合材料60の層の適用によって本体54に適用するか、または本体54上で成長させることができる。あるいは、適合材料60は、接着剤またはオーバーモールドプロセスによってステープルカートリッジの本体54に固定され得る。
【0031】
図5および
図6は、ステープル留めデバイス10(
図1)のツールアセンブリ16’がその開位置からそのクランプ位置へ移動する、ツールアセンブリ16’を示している。図示されるように、組織「T」をクランプする前(
図5)、適合材料60によって画定される組織係合面24aとアンビルの外面24bとの間の距離は「X」であり、ステープルカートリッジ28の組織係合面48とカートリッジチャネル30の外面30aとの間の距離は「Y」である。組織「T」をクランプする(
図6)と、適合材料60は、距離「X」が「X1」に減少し、距離「Y」が「Y1」に減少するように圧縮され、ここで、「X」は、「X1」より大きく、「Y」は「Y1」より大きい。
【0032】
本開示の態様において、適合材料60は、ポリウレタンおよび他の粘弾性材料を含むメモリーフォーム、コラーゲン、ゼラチン、およびポリサッカライドなどのヒドロゲル、ゴムなどの様々な異なる材料から形成することができる。適合材料の厚さは、選択された材料に依存するが、ステープルカートリッジ28の組織係合面48が、圧縮されている組織「T」の局所的なトポグラフィおよび厚さに適合して、ツールアセンブリ16の長さに沿って実質的に均一な圧縮を提供できるように十分に厚い必要がある。本開示の態様では、適合材料の厚さは、約0.100インチ~約1.5インチである。
【0033】
図5および
図6に示すように、適合材料60はまた、アンビル24の組織係合面24aも適合するように、アンビル24に固定され得ることも想定される。その際、適合材料60は、ステープルカートリッジ28の組織係合面48に関して上述したように機能する。
【0034】
本開示は線形内視鏡ステープラーを対象としているが、ツールアセンブリ16の開示された態様は、オープンタイプのステープル留め、円形のステープル留めデバイス、湾曲したステープル留めデバイス、円形のステープル留めデバイス、および組織が治療のために2つのジョーの間にクランプされる、例えば、血管シーリングデバイス縫合デバイスなどの任意の他のデバイスにも組み込まれ得ることが想定される。
【0035】
アンビル24(
図5)およびステープルカートリッジ28(
図3および
図5)の適合面は、バットレス材料とは異なり、ステープル59の通過を容易にする開口部70を画定し、ステープル留めプロセスが完了した後にアンビル24および/またはステープルカートリッジ28に固定されたままになることに留意されたい。
【0036】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に図示されるデバイスおよび方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。本開示の1つの例示的な態様に関連して図示または説明される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせることができることが想定される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の態様に基づく本開示の更なる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。