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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137994
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20220914BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20220914BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220914BHJP
   G03G 15/09 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
G03G15/01 L
G03G21/14
G03G21/00 510
G03G15/01 Y
G03G15/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037751
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】樋上 和馬
(72)【発明者】
【氏名】角谷 穂高
(72)【発明者】
【氏名】福岡 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 英尚
(72)【発明者】
【氏名】石田 美穂
(72)【発明者】
【氏名】中島 敬悟
(72)【発明者】
【氏名】入山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】矢田 賢吾
【テーマコード(参考)】
2H031
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H031AA06
2H031AC11
2H031AC13
2H031AD01
2H031AD07
2H031AD11
2H031BA05
2H031BA09
2H031CA15
2H031EA05
2H031FA01
2H031FA03
2H270KA04
2H270KA22
2H270KA28
2H270LA76
2H270LA81
2H270LA99
2H270MC13
2H270MC24
2H270MC29
2H270MC33
2H270MC48
2H270MC50
2H270MC52
2H270MC78
2H270MD02
2H270MD14
2H270MD17
2H270RA10
2H270RA11
2H270RC17
2H270ZC03
2H270ZC06
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EB27
2H300EF02
2H300EF06
2H300EF08
2H300EG03
2H300EH12
2H300EH15
2H300EH36
2H300EJ09
2H300EJ21
2H300EJ24
2H300EJ25
2H300EJ30
2H300EJ51
2H300EJ53
2H300EL02
2H300EL04
2H300EL10
2H300FF02
2H300FF03
2H300FF04
2H300FF05
2H300FF07
2H300FF08
2H300GG44
2H300QQ10
2H300RR43
2H300RR44
2H300TT03
2H300TT06
(57)【要約】
【課題】磁気ローラに付着した紙粉によってトナーが劣化するのを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の制御部200は、4つの感光ドラム51および磁気ローラ61Kを回転させ、磁気ローラ61Y,61M,61Cを停止させるモノクロ印刷動作を実行可能である。制御部200は、紙粉回収動作を実行可能である。紙粉回収動作では、磁気ローラ61Y,61M,61Cに付着した紙粉Dを、磁気ローラ61Y,61M,61Cから感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させる第1移動処理と、第1移動処理によって感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させた紙粉Dを、感光ドラム51Y,51M,51Cから搬送ベルト73に移動させる第2移動処理と、第2移動処理によって搬送ベルト73に移動させた紙粉Dを、ベルトクリーニングローラ101によって回収し、回収物収容器104に収容する紙粉回収処理とを実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1感光ドラムと、
第2感光ドラムと、
キャリアとトナーを担持するとともにトナーを前記第1感光ドラムに供給可能な第1磁気ローラであって、前記第1感光ドラムから離間した第1磁気ローラと、
キャリアとトナーを担持するとともにトナーを前記第2感光ドラムに供給可能な第2磁気ローラであって、前記第2感光ドラムから離間した第2磁気ローラと、
前記第1感光ドラムおよび前記第2感光ドラムと向かい合うエンドレスベルトを有する転写ユニットであって、前記第1感光ドラム上のトナー像および前記第2感光ドラム上のトナー像をシートに転写可能な転写ユニットと、
前記エンドレスベルト上の付着物を回収するベルトクリーニング部材と、
前記ベルトクリーニング部材が回収した付着物を収容可能な回収物収容器と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1感光ドラム上のトナー像をシートに転写してシートに画像を形成するモノクロ印刷動作であって、前記第1感光ドラム、前記第2感光ドラムおよび前記第1磁気ローラを回転させ、前記第2磁気ローラを停止させるモノクロ印刷動作を実行可能であり、
さらに、
前記制御部は、
前記第2磁気ローラに付着した紙粉を、前記第2磁気ローラから前記第2感光ドラムに移動させる第1移動処理と、
前記第1移動処理によって前記第2感光ドラムに移動させた紙粉を、前記第2感光ドラムから前記エンドレスベルトに移動させる第2移動処理と、
前記第2移動処理によって前記エンドレスベルトに移動させた紙粉を、前記ベルトクリーニング部材によって回収し、前記回収物収容器に収容する紙粉回収処理と、
を実行する紙粉回収動作を実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2感光ドラムを露光可能な露光ユニットを備え、
前記第1移動処理は、
前記露光ユニットによって前記第2感光ドラムを露光する露光処理と、
前記第2感光ドラムの、前記露光処理によって露光された部分に、前記第2磁気ローラ上のトナーを移動させる現像処理と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2移動処理は、前記現像処理によって前記第2感光ドラムに移動させたトナーを、前記第2感光ドラムから前記エンドレスベルトに転写する転写処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記モノクロ印刷動作を開始してからの、印刷枚数または前記第1感光ドラムの回転回数が、所定の閾値以上の場合に前記紙粉回収動作を実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記モノクロ印刷動作の終了後に、前記モノクロ印刷動作を開始してからの、印刷枚数または前記第1感光ドラムの回転回数が、第1閾値以上の場合に前記紙粉回収動作を実行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記モノクロ印刷動作の実行中に、前記モノクロ印刷動作を開始してからの、印刷枚数または前記第1感光ドラムの回転回数が、第2閾値以上になった場合、前記モノクロ印刷動作を中断する中断処理を実行し、
前記中断処理を実行した後に前記紙粉回収動作を実行することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2閾値は、前記第1閾値よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
シートに転写されたトナー像を、シートに定着する定着装置と、
前記第2感光ドラムよりも前記定着装置の近くに位置する第3感光ドラムと、
キャリアとトナーを担持するとともにトナーを前記第3感光ドラムに供給可能な第3磁気ローラであって、前記第3感光ドラムから離間した第3磁気ローラと、を備え、
前記エンドレスベルトは、前記第3感光ドラムと向かい合い、
前記転写ユニットは、前記第3感光ドラム上のトナー像をシートに転写可能であり、
前記露光ユニットは、前記第3感光ドラムを露光可能であり、
前記制御部は、
前記モノクロ印刷動作において、前記第3磁気ローラを停止させ、
前記紙粉回収動作の、
前記第1移動処理において、前記第3磁気ローラに付着した紙粉を、前記第3磁気ローラから前記第3感光ドラムに移動させ、
前記第2移動処理において、前記第1移動処理によって前記第3感光ドラムに移動させた紙粉を、前記第3感光ドラムから前記エンドレスベルトに移動させ、
前記第1移動処理の、
前記露光処理において、前記露光ユニットによって前記第3感光ドラムを露光し、
前記現像処理において、前記第3感光ドラムの、前記露光処理によって露光された部分に、前記第3磁気ローラ上のトナーを移動させ、
さらに、
前記制御部は、前記露光処理において、前記第2感光ドラムの回転方向における露光長さを、前記第3感光ドラムの回転方向における露光長さよりも長くすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1移動処理の実行後に、前記第2磁気ローラを回転させる回転処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記回転処理において、前記第2磁気ローラの表面の前記第2感光ドラムと向かい合う位置を変えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
シートに画像を形成するときに前記第1感光ドラム上のトナーを回収するクリーニングローラであって、回収したトナーを前記第1感光ドラムに排出可能なクリーニングローラを備え、
前記制御部は、
前記クリーニングローラ上のトナーを、前記クリーニングローラから前記第1感光ドラムに移動させる第3移動処理と、
前記第3移動処理によって前記第1感光ドラムに移動させたトナーを、前記第1感光ドラムから前記エンドレスベルトに移動させる第4移動処理と、
前記第4移動処理によって前記エンドレスベルトに移動させたトナーを、前記ベルトクリーニング部材によって回収し、前記回収物収容器に収容するトナー回収処理と、
を実行するクリーニング動作を実行可能であり、
前記制御部は、前記紙粉回収動作を実行するときに前記クリーニング動作を実行することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1感光ドラム上のトナー像および前記第2感光ドラム上のトナー像をシートに転写してシートに画像を形成するカラー印刷動作であって、前記第1感光ドラム、前記第2感光ドラム、前記第1磁気ローラおよび前記第2磁気ローラを回転させるカラー印刷動作を実行可能であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャリアとトナーを用いる2成分現像方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリアを用いない1成分現像方式の画像形成装置として、複数の感光ドラムと、複数の現像ローラと、現像ローラを感光ドラムに接触する位置と感光ドラムから離間する位置との間で移動させる離間機構とを備えるものが知られている(特許文献1)。この技術では、カラー印刷を実行するときには、すべての現像ローラを感光ドラムに接触させた状態で回転させる。また、モノクロ印刷を実行するときには、モノクロ用の現像ローラのみを感光ドラムに接触させた状態で回転させ、カラー用の現像ローラは、感光ドラムから離間させた状態で停止させる。モノクロ印刷を実行するとき、カラー用の現像ローラは、感光ドラムから離間しているので、感光ドラムの表面に付着した紙粉がカラー用の現像ローラに付着することはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-154263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キャリアとトナーを用いる2成分現像方式の画像形成装置では、磁気ローラは、感光ドラムの表面から離間した状態で感光ドラムにトナーを供給可能である。そのため、磁気ローラを感光ドラムに対して接触させたり、離間させたりする機構が不要である。一方で、磁気ローラの表面に担持されたキャリアの一部は、感光ドラムの表面に接触している。そのため、モノクロ印刷を実行するときに、感光ドラムを回転させ、印刷に使用しない磁気ローラを停止させると、感光ドラム上の紙粉がキャリアに付着して蓄積されていく可能性がある。磁気ローラに蓄積された紙粉は、トナーを劣化させるおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、磁気ローラに付着した紙粉によってトナーが劣化するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像形成装置は、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、キャリアとトナーを担持するとともにトナーを第1感光ドラムに供給可能な第1磁気ローラであって、第1感光ドラムから離間した第1磁気ローラと、キャリアとトナーを担持するとともにトナーを第2感光ドラムに供給可能な第2磁気ローラであって、第2感光ドラムから離間した第2磁気ローラと、第1感光ドラムおよび第2感光ドラムと向かい合うエンドレスベルトを有する転写ユニットであって、第1感光ドラム上のトナー像および第2感光ドラム上のトナー像をシートに転写可能な転写ユニットと、エンドレスベルト上の付着物を回収するベルトクリーニング部材と、ベルトクリーニング部材が回収した付着物を収容可能な回収物収容器と、制御部と、を備える。
制御部は、第1感光ドラム上のトナー像をシートに転写してシートに画像を形成するモノクロ印刷動作であって、第1感光ドラム、第2感光ドラムおよび第1磁気ローラを回転させ、第2磁気ローラを停止させるモノクロ印刷動作を実行可能である。
さらに、制御部は、紙粉回収動作を実行可能である。
制御部は、紙粉回収動作において、第2磁気ローラに付着した紙粉を、第2磁気ローラから第2感光ドラムに移動させる第1移動処理と、第1移動処理によって第2感光ドラムに移動させた紙粉を、第2感光ドラムからエンドレスベルトに移動させる第2移動処理と、第2移動処理によってエンドレスベルトに移動させた紙粉を、ベルトクリーニング部材によって回収し、回収物収容器に収容する紙粉回収処理と、を実行する。
【0007】
この構成によれば、第2磁気ローラに付着した紙粉によってトナーが劣化するのを抑制することができる。
【0008】
また、画像形成装置は、第2感光ドラムを露光可能な露光ユニットを備え、第1移動処理は、露光ユニットによって第2感光ドラムを露光する露光処理と、第2感光ドラムの、露光処理によって露光された部分に、第2磁気ローラ上のトナーを移動させる現像処理と、を含むものとすることができる。
【0009】
これによれば、感光ドラム上に形成された静電潜像の現像と同じ手法によって、第2磁気ローラ上のトナーに付着した紙粉を、トナーとともに、第2感光ドラムに移動させることができる。また、紙粉が付着して劣化した可能性のあるトナーを第2感光ドラムに移動させ、最終的に回収物収容器に収容することができる。
【0010】
また、第2移動処理は、現像処理によって第2感光ドラムに移動させたトナーを、第2感光ドラムからエンドレスベルトに転写する転写処理を含むものとすることができる。
【0011】
これによれば、感光ドラム上に形成されたトナー像の転写と同じ手法によって、第2感光ドラムに移動したトナーに付着した紙粉を、トナーとともに、エンドレスベルトに移動させることができる。
【0012】
また、制御部は、モノクロ印刷動作を開始してからの、印刷枚数または第1感光ドラムの回転回数が、所定の閾値以上の場合に紙粉回収動作を実行する構成とすることができる。
【0013】
これによれば、第2磁気ローラに付着した紙粉の量がある程度多くなった場合に紙粉回収動作を実行することができる。また、必要以上に紙粉回収動作が実行されるのを抑制することができる。
【0014】
また、制御部は、モノクロ印刷動作の終了後に、モノクロ印刷動作を開始してからの、印刷枚数または第1感光ドラムの回転回数が、第1閾値以上の場合に紙粉回収動作を実行する構成とすることができる。
【0015】
これによれば、モノクロ印刷動作の終了後に必要以上に紙粉回収動作が実行されるのを抑制することができる。
【0016】
また、制御部は、モノクロ印刷動作の実行中に、モノクロ印刷動作を開始してからの、印刷枚数または第1感光ドラムの回転回数が、第2閾値以上になった場合、モノクロ印刷動作を中断する中断処理を実行し、中断処理を実行した後に紙粉回収動作を実行する構成とすることができる。
【0017】
これによれば、モノクロ印刷動作の実行中であっても、第2磁気ローラに付着した紙粉の量がある程度多くなった場合には紙粉回収動作を実行することができる。
【0018】
また、第2閾値は、第1閾値よりも大きい閾値とすることができる。
【0019】
これによれば、モノクロ印刷動作を実行している途中で紙粉回収動作が実行されるのを最小限にし、なるべく、モノクロ印刷動作の終了後に紙粉回収動作を実行するようにすることができる。これにより、画像が形成されたシートがすべて画像形成装置から出力されるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0020】
また、画像形成装置は、シートに転写されたトナー像を、シートに定着する定着装置と、第2感光ドラムよりも定着装置の近くに位置する第3感光ドラムと、キャリアとトナーを担持するとともにトナーを第3感光ドラムに供給可能な第3磁気ローラであって、第3感光ドラムから離間した第3磁気ローラと、を備え、エンドレスベルトは、第3感光ドラムと向かい合い、転写ユニットは、第3感光ドラム上のトナー像をシートに転写可能であり、露光ユニットは、第3感光ドラムを露光可能である構成とすることができる。
この場合、制御部は、モノクロ印刷動作において、第3磁気ローラを停止させ、紙粉回収動作の、第1移動処理において、第3磁気ローラに付着した紙粉を、第3磁気ローラから第3感光ドラムに移動させ、第2移動処理において、第1移動処理によって第3感光ドラムに移動させた紙粉を、第3感光ドラムからエンドレスベルトに移動させ、第1移動処理の、露光処理において、露光ユニットによって第3感光ドラムを露光し、現像処理において、第3感光ドラムの、露光処理によって露光された部分に、第3磁気ローラ上のトナーを移動させる構成とすることができる。
さらに、制御部は、露光処理において、第2感光ドラムの回転方向における露光長さを、第3感光ドラムの回転方向における露光長さよりも長くする構成とすることができる。
【0021】
これによれば、第2感光ドラムは、第3感光ドラムよりも紙粉が付着しやすいので、第2磁気ローラには、第3磁気ローラよりも多くの紙粉が付着する。そこで、露光処理において、第2感光ドラムの回転方向における露光長さを長くすることで、第2磁気ローラから第2感光ドラムへの紙粉の移動をより長く行うことができる。
【0022】
また、制御部は、第1移動処理の実行後に、第2磁気ローラを回転させる回転処理を実行する構成とすることができる。
【0023】
これによれば、第2磁気ローラの表面の第2感光ドラムと向かい合う位置を変えたり、第2磁気ローラに担持されるキャリアを入れ替えたりすることができる。これにより、同じキャリアに紙粉の付着が繰り返されるのを抑制することができるので、キャリアの劣化を抑制することができる。
【0024】
また、制御部は、回転処理において、第2磁気ローラの表面の第2感光ドラムと向かい合う位置を変える構成とすることができる。
【0025】
これによれば、回転処理において第2磁気ローラを1回転未満回転させるだけで済む。これにより、第2磁気ローラを必要以上に回転させる必要がない。
【0026】
また、画像形成装置は、シートに画像を形成するときに第1感光ドラム上のトナーを回収するクリーニングローラであって、回収したトナーを第1感光ドラムに排出可能なクリーニングローラを備える構成とすることができる。
この場合、制御部は、クリーニング動作を実行可能であり、クリーニング動作において、クリーニングローラ上のトナーを、クリーニングローラから第1感光ドラムに移動させる第3移動処理と、第3移動処理によって第1感光ドラムに移動させたトナーを、第1感光ドラムからエンドレスベルトに移動させる第4移動処理と、第4移動処理によってエンドレスベルトに移動させたトナーを、ベルトクリーニング部材によって回収し、回収物収容器に収容するトナー回収処理と、を実行する構成とすることができる。
さらに、制御部は、紙粉回収動作を実行するときにクリーニング動作を実行する構成とすることができる。
【0027】
これによれば、次の印刷が可能となるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0028】
また、制御部は、第1感光ドラム上のトナー像および第2感光ドラム上のトナー像をシートに転写してシートに画像を形成するカラー印刷動作であって、第1感光ドラム、第2感光ドラム、第1磁気ローラおよび第2磁気ローラを回転させるカラー印刷動作を実行可能である構成とすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本開示によれば、磁気ローラに付着した紙粉によってトナーが劣化するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成装置を示す断面図である。
図2】ドラムユニットが引き出し位置に位置する状態を示す断面図である。
図3】トナーカートリッジが装着されたドラムユニットを示す断面図である。
図4】制御部の制御対象と、紙粉回収動作を説明するための図である。
図5】カラー用の磁気ローラに紙粉が蓄積される様子を示す図(a)~(c)である。
図6】第1移動処理を説明するための図(a)~(c)である。
図7】第1移動処理の露光処理における露光長さと、第2移動処理を説明するための図(a)~(e)である。
図8】回転処理を説明するための図(a)~(c)である。
図9】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図10図9のフローチャートの続きである。
図11】紙粉回収動作の一例を示すフローチャートである。
図12】紙粉回収動作の一例を示すタイミングチャートである。
図13】変形例の紙粉回収処理およびクリーニング動作を説明するための図である。
図14】変形例の紙粉回収処理およびクリーニング動作を示すフローチャートである。
図15】変形例の紙粉回収処理およびクリーニング動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出部90と、ベルトクリーナ100と、制御部200とを備えている。
【0032】
本体筐体10は、開口10Aと、フロントカバー11とを有している。フロントカバー11は、開口10Aを開ける開位置(図2参照)と、開口10Aを閉じる閉位置との間を移動可能である。詳しくは、フロントカバー11は、開位置と閉位置との間で回動可能である。
【0033】
シート供給部20は、供給トレイ21と、シート搬送機構22とを備えている。供給トレイ21は、シートSを収容する。シートSは、一例として、紙である。シート搬送機構22は、供給トレイ21からシートSを画像形成部30へ搬送する。シート搬送機構22は、ピックアップローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、搬送ローラ26と、レジストレーションローラ27とを備えている。
【0034】
ピックアップローラ23は、シートSを供給トレイ21から送り出す。分離ローラ24と分離パッド25は、供給トレイ21から送り出されたシートSを1枚ずつ分離する。搬送ローラ26とレジストレーションローラ27は、シートSを搬送する。また、レジストレーションローラ27は、シートSの先端の位置を揃えることでシートSの斜行を補正する。
【0035】
画像形成部30は、露光ユニット40と、プロセスユニットUと、転写ユニット70と、定着装置80とを備えている。
【0036】
露光ユニット40は、後述する4つの感光ドラム51(51Y,51M,51C,51K(図3参照))を露光可能である。露光ユニット40は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光ユニット40は、仮想線で示すように、光ビームを、感光ドラム51に出射する。
【0037】
プロセスユニットUは、ドラムユニット50と、4つのトナーカートリッジTCとを備えている。
【0038】
トナーカートリッジTCは、非磁性体であるトナーを収容している。トナーは、正帯電性のトナーである。4つのトナーカートリッジTCは、後述する第2方向に並んでいる。詳しくは、トナーカートリッジTCは、ブラックのトナーを収容する第1トナーカートリッジTCKと、イエローのトナーを収容する第2トナーカートリッジTCYと、マゼンタのトナーを収容する第3トナーカートリッジTCMと、シアンのトナーを収容する第4トナーカートリッジTCCとを含む。トナーカートリッジTCY,TCM,TCC,TCKは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に並んでいる。
【0039】
図2に示すように、トナーカートリッジTCは、ドラムユニット50に着脱可能となっている。詳しくは、トナーカートリッジTCは、第1軸X1が延びる第1方向に直交する方向に着脱可能となっている。
【0040】
ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、開口10Aを介して第2方向に移動可能となっている。詳しくは、ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、ドラムユニット50が本体筐体10内に位置する収容位置(図1参照)と、本体筐体10から引き出された引き出し位置との間で第2方向に移動可能となっている。図3に示すように、ドラムユニット50は、4つの感光ドラム51と、4つのスコロトロン帯電器52と、4つのクリーニングローラ53と、4つの現像ユニット60と、シートガイド54とを備えている。
【0041】
感光ドラム51は、第1方向に延びる第1軸X1について回転可能である。第2方向は、第1方向と交差する方向である。詳しくは、第2方向は、第1方向と直交する方向である。4つの感光ドラム51は、第2方向に並んでいる。感光ドラム51は、ブラックのトナーに対応する第1感光ドラム51Kと、イエローのトナーに対応する第2感光ドラム51Yと、マゼンタのトナーに対応する第3感光ドラム51Mと、シアンのトナーに対応する第4感光ドラム51Cとを含む。
【0042】
感光ドラム51Y,51M,51C,51Kは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に並んでいる。詳しくは、第2感光ドラム51Yは、後述する搬送ベルト73の、感光ドラム51と向かい合う上側の面の移動方向(以下、単に「移動方向」という。)において、最も上流に位置している。第3感光ドラム51Mは、移動方向において、第2感光ドラム51Yの下流に位置している。第4感光ドラム51Cは、移動方向において、第3感光ドラム51Mの下流に位置している。第1感光ドラム51Kは、移動方向において、第3感光ドラム51Mの下流に位置している。第1感光ドラム51Kは、移動方向において、最も下流に位置している。
【0043】
また、別の言い方をすると、第3感光ドラム51Mは、第2感光ドラム51Yよりも定着装置80(図1参照)の近くに位置している。第4感光ドラム51Cは、第3感光ドラム51Mよりも定着装置80の近くに位置している。第1感光ドラム51Kは、第4感光ドラム51Cよりも定着装置80の近くに位置している。
【0044】
スコロトロン帯電器52は、感光ドラム51を帯電させる帯電器である。スコロトロン帯電器52は、符号を省略して示す放電ワイヤ、グリッド電極などを備えている。スコロトロン帯電器52は、トナーの帯電極性と同極性の正の帯電バイアスVgが印加されることで、感光ドラム51の表面を帯電させる。
【0045】
スコロトロン帯電器52は、第1スコロトロン帯電器52Kと、第2スコロトロン帯電器52Yと、第3スコロトロン帯電器52Mと、第4スコロトロン帯電器52Cとを含む。第1スコロトロン帯電器52Kは、第1感光ドラム51Kの表面を帯電させる。第2スコロトロン帯電器52Yは、第2感光ドラム51Yの表面を帯電させる。第3スコロトロン帯電器52Mは、第3感光ドラム51Mの表面を帯電させる。第4スコロトロン帯電器52Cは、第4感光ドラム51Cの表面を帯電させる。
【0046】
なお、感光ドラム51を帯電させる帯電装置は、スコロトロン帯電器52に限定されず、例えば、コロトロン帯電器や帯電ローラなどであってもよい。
【0047】
クリーニングローラ53は、シートSに画像を形成するときに感光ドラム51上のトナーを回収するローラである。また、クリーニングローラ53は、回収したトナーを感光ドラム51に排出可能である。
【0048】
詳しくは、クリーニングローラ53は、クリーニングバイアスVclnが印加されることで、感光ドラム51上のトナーを回収可能であり、また、回収したトナーを感光ドラム51に排出可能である。より詳しくは、クリーニングローラ53は、トナーの帯電極性と逆極性の負のクリーニングバイアス-Vc1が印加されることで、感光ドラム51上のトナーを回収する。また、クリーニングローラ53は、正のクリーニングバイアス+Vc2が印加されることで、トナーを感光ドラム51に排出する。
【0049】
クリーニングローラ53は、第1クリーニングローラ53Kと、第2クリーニングローラ53Yと、第3クリーニングローラ53Mと、第4クリーニングローラ53Cとを含む。第1クリーニングローラ53Kは、第1感光ドラム51K上のトナーを回収可能であり、回収したトナーを第1感光ドラム51Kに排出可能である。第2クリーニングローラ53Yは、第2感光ドラム51Y上のトナーを回収可能であり、回収したトナーを第2感光ドラム51Yに排出可能である。第3クリーニングローラ53Mは、第3感光ドラム51M上のトナーを回収可能であり、回収したトナーを第3感光ドラム51Mに排出可能である。第4クリーニングローラ53Cは、第4感光ドラム51C上のトナーを回収可能であり、回収したトナーを第4感光ドラム51Cに排出可能である。
【0050】
4つの現像ユニット60は、第2方向に並んでいる。現像ユニット60は、トナーカートリッジTCと感光ドラム51との間に位置する。現像ユニット60は、第1方向に直交する、トナーカートリッジTCの着脱方向において、トナーカートリッジTCと第1軸X1との間に位置する。現像ユニット60は、第1軸X1より上に位置する。現像ユニット60は、トナーカートリッジTCより下に位置する。各現像ユニット60は、それぞれ、磁気ローラ61と、現像容器62と、第1オーガ63と、第2オーガ64と、層厚規制部材65とを備えている。
【0051】
磁気ローラ61は、磁気ローラ61の表面にキャリアとトナーを担持するとともに、トナーを感光ドラム51に供給可能なローラである。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面の、露光ユニット40によって露光された部分にトナーを供給する。磁気ローラ61は、後述するスリーブ61Bに正の現像バイアスVbが印加されることで、感光ドラム51の表面の露光部分にトナーを供給する。
【0052】
磁気ローラ61は、トナーカートリッジTCと感光ドラム51との間に位置する。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面と向かい合っている。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面から離間した位置に位置している。磁気ローラ61は、感光ドラム51とは非接触となっている。
【0053】
磁気ローラ61は、第1磁気ローラ61Kと、第2磁気ローラ61Yと、第3磁気ローラ61Mと、第4磁気ローラ61Cとを含む。第1磁気ローラ61Kは、トナーを第1感光ドラム51Kに供給可能である。第1磁気ローラ61Kは、第1感光ドラム51Kから離間した位置に位置している。第2磁気ローラ61Yは、トナーを第2感光ドラム51Yに供給可能である。第2磁気ローラ61Yは、第2感光ドラム51Yから離間した位置に位置している。第3磁気ローラ61Mは、トナーを第3感光ドラム51Mに供給可能である。第3磁気ローラ61Mは、第3感光ドラム51Mから離間した位置に位置している。第4磁気ローラ61Cは、トナーを第4感光ドラム51Cに供給可能である。第4磁気ローラ61Cは、第4感光ドラム51Cから離間した位置に位置している。
【0054】
各磁気ローラ61は、それぞれ、磁気軸部材61Aと、スリーブ61Bとを有する。磁気軸部材61Aは、周方向に異なる磁極が所定パターンで配置されている。磁気軸部材61Aは、例えば、複数の永久磁石が埋設された円柱状の部材である。磁気軸部材61Aは、現像容器62に固定される。
【0055】
スリーブ61Bは、例えば、非磁性金属材料を主体とする円筒状部材からなる。スリーブ61Bは、磁気軸部材61Aを中心として回転可能である。詳しくは、スリーブ61Bは、第1方向に延びる第2軸X2について回転可能となっている。スリーブ61Bは、磁気軸部材61Aの磁力によりスリーブ61Bの表面にキャリアを保持するとともに、キャリアを介してトナーを保持する。磁気ローラ61のスリーブ61Bの表面に担持されたキャリア(C(図5参照))の一部は、感光ドラム51の表面に接触している。
【0056】
現像容器62は、磁性体であるキャリアを収容する容器である。キャリアは、例えば、鉄粉である。現像容器62は、トナーカートリッジTCからトナーが補給されることを許容する補給口62Aを有する。補給口62Aは、第1オーガ63および第2オーガ64に対して磁気ローラ61とは反対側に位置する。補給口62Aは、第1オーガ63および第2オーガ64より上に位置する。詳しくは、補給口62Aは、第1オーガ63の上に位置する。第2軸X2は、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、第2軸X2は、第2オーガ64の下に位置する。
【0057】
第1オーガ63は、現像容器62内に位置する。第1オーガ63は、第1方向に延びる第3軸X3について回転可能である。第1オーガ63は、第2方向で第2オーガ64と並んでいる。第1オーガ63は、第2オーガ64よりも補給口62Aの近くに位置する。第1オーガ63は、現像容器62内のキャリアとトナーとを循環する。第1オーガ63は、補給口62Aから補給されたトナーを第2オーガ64に搬送する。
【0058】
第2オーガ64は、現像容器62内に位置する。第2オーガ64は、第1方向に延びる第4軸X4について回転可能である。第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアとトナーとを磁気ローラ61へ向けて搬送可能である。第2オーガ64は、トナーを磁気ローラ61に供給する。第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアとトナーとを循環する。
【0059】
層厚規制部材65は、磁気ローラ61上のトナーの層の厚さを規制する部材である。層厚規制部材65は、磁気ローラ61とは非接触となっている。層厚規制部材65は、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、層厚規制部材65は、第1オーガ63の下に位置する。層厚規制部材65は、第2方向において、磁気ローラ61と並んでいる。第2軸X2は、第2方向において、層厚規制部材65と第1軸X1の間に位置する。
【0060】
シートガイド54は、シートSを感光ドラム51に向けて案内するガイドである。シートガイド54は、第2方向において、感光ドラム51と並んでいる。シートガイド54は、4つの感光ドラム51よりも、シートSの搬送方向の上流に位置する。
【0061】
シートSの搬送方向において最も上流に位置する磁気ローラ61は、シートガイド54と第2オーガ64との間に位置する。シートSの搬送方向において最も上流に位置する層厚規制部材65は、シートガイド54と第1オーガ63との間に位置する。
【0062】
図1に示すように、転写ユニット70は、感光ドラム51(51Y,51M,51C,51K)上のトナー像をシートSに転写可能である。転写ユニット70は、シート供給部20とドラムユニット50との間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、エンドレスベルトの一例としての搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0063】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、第2方向に離間している。駆動ローラ71および従動ローラ72は、搬送ベルト73を支持している。搬送ベルト73は、第2感光ドラム51Y、第3感光ドラム51M、第4感光ドラム51Cおよび第1感光ドラム51Kと向かい合っている。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する。転写ローラ74は、負の転写バイアスVtが印加されることで、感光ドラム51上のトナーを転写させる。
【0064】
転写ローラ74は、第1転写ローラ74Kと、第2転写ローラ74Yと、第3転写ローラ74Mと、第4転写ローラ74Cとを含む。第1転写ローラ74Kは、第1感光ドラム51Kとの間で搬送ベルト73を挟持し、第1感光ドラム51K上のトナーを転写させる。第2転写ローラ74Yは、第2感光ドラム51Yとの間で搬送ベルト73を挟持し、第2感光ドラム51Y上のトナーを転写させる。第3転写ローラ74Mは、第3感光ドラム51Mとの間で搬送ベルト73を挟持し、第3感光ドラム51M上のトナーを転写させる。第4転写ローラ74Cは、第4感光ドラム51Cとの間で搬送ベルト73を挟持し、第4感光ドラム51C上のトナーを転写させる。
【0065】
定着装置80は、シートSに転写されたトナー像を、シートSに定着する。定着装置80は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とを備えている。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。
【0066】
画像形成部30では、スコロトロン帯電器52が、感光ドラム51の表面を帯電する。その後、露光ユニット40は、感光ドラム51の表面を露光する。これにより、感光ドラム51上に静電潜像が形成される。
【0067】
トナーカートリッジTCは、現像容器62内にトナーを補給する。第1オーガ63は、現像容器62内のトナーとキャリアを第2オーガ64に搬送する。第2オーガ64は、現像容器62内のトナーとキャリアを磁気ローラ61に搬送する。磁気ローラ61は、トナーを感光ドラム51上の静電潜像に供給する。これにより、感光ドラム51上にトナー像が形成される。
【0068】
搬送ベルト73は、感光ドラム51との間でシートSを搬送する。シートSは、感光ドラム51と転写ローラ74の間を通過する。この際、感光ドラム51上のトナー像が、シートSに転写される。その後、シートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を通過する。この際、シートS上のトナー像が熱定着される。
【0069】
排出部90は、複数の搬送ローラ91を備えている。搬送ローラ91は、シートSを本体筐体10の外に排出する。
【0070】
ベルトクリーナ100は、搬送ベルト73に付着したトナーや紙粉などの付着物を回収する。ベルトクリーナ100は、ベルトクリーニング部材の一例としてのベルトクリーニングローラ101と、回収ローラ102と、掻き取りブレード103と、回収物収容器104と、バックアップローラ105とを備えている。バックアップローラ105は、搬送ベルト73の内側に位置する。バックアップローラ105は、ベルトクリーニングローラ101との間で搬送ベルト73を挟持する。
【0071】
ベルトクリーニングローラ101は、搬送ベルト73上の付着物を回収する。詳しくは、ベルトクリーニングローラ101は、負のベルトクリーニングバイアスVbcが印加されることで、搬送ベルト73上の付着物を回収する。回収ローラ102は、ベルトクリーニングローラ101上の付着部を回収する。掻き取りブレード103は、回収ローラ102上の付着物を掻き取る。
【0072】
回収物収容器104は、ベルトクリーニングローラ101が回収した付着物を収容可能な容器である。詳しくは、回収物収容器104は、ベルトクリーニングローラ101から回収ローラ102に回収され、回収ローラ102上から掻き取りブレード103によって掻き落とされた付着物を収容する。
【0073】
カラープリンタ1は、図4に示すように、モータMと、第1現像クラッチC1と、第2現像クラッチC2とをさらに備えている。
【0074】
モータMは、感光ドラム51、駆動ローラ71、ベルトクリーニングローラ101などを駆動させるモータである。モータMの駆動力は、図示しないギヤ列を介して感光ドラム51、駆動ローラ71、ベルトクリーニングローラ101などに伝達される。
【0075】
また、モータMは、磁気ローラ61のスリーブ61Bを駆動させる。モータMの駆動力は、図示しない現像ギヤ列を介して磁気ローラ61に伝達される。現像ギヤ列は、制御部200により制御される第1現像クラッチC1および第2現像クラッチC2を含む。
【0076】
第1現像クラッチC1および第2現像クラッチC2は、例えば、電磁クラッチである。第1現像クラッチC1は、モータMからの駆動力を第1磁気ローラ61Kに伝達する伝達状態と、モータMからの駆動力を第1磁気ローラ61Kに伝達しない遮断状態とに切替可能である。制御部200は、第1現像クラッチC1を伝達状態にすることで第1磁気ローラ61Kを回転させる。また、制御部200は、第1現像クラッチC1を遮断状態にすることで第1磁気ローラ61Kを停止させる。
【0077】
第2現像クラッチC2は、モータMからの駆動力を磁気ローラ61Y,61M,61Cに伝達する伝達状態と、モータMからの駆動力を磁気ローラ61Y,61M,61Cに伝達しない遮断状態とに切替可能である。制御部200は、第2現像クラッチC2を伝達状態にすることで磁気ローラ61Y,61M,61Cを回転させる。また、制御部200は、第2現像クラッチC2を遮断状態にすることで磁気ローラ61Y,61M,61Cを停止させる。
【0078】
以下では、現像クラッチC1,C2を伝達状態にすることをONにするといい、現像クラッチC1,C2を遮断状態にすることをOFFにするという。
【0079】
制御部200は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを有しており、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。制御部200は、モータM、第1現像クラッチC1および第2現像クラッチC2を制御する。また、制御部200は、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、クリーニングバイアスVcln、転写バイアスVtおよびベルトクリーニングバイアスVbcを制御する。
【0080】
制御部200は、カラー印刷動作と、モノクロ印刷動作を実行可能である。
制御部200は、カラー印刷動作において、4つの感光ドラム51(51Y,51M,51C,51K)上にトナー像を形成し、4つの感光ドラム51上のトナー像をシートSに順次転写してシートSにカラー画像を形成する。制御部200は、カラー印刷動作において、4つの感光ドラム51を回転させる。また、制御部200は、カラー印刷動作において、第1現像クラッチC1および第2現像クラッチC2をONにして、4つの磁気ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を回転させる。
【0081】
また、制御部200は、モノクロ印刷動作において、第1感光ドラム51K上にのみトナー像を形成し、第1感光ドラム51K上のトナー像をシートSに転写してシートSにモノクロ画像を形成する。制御部200は、モノクロ印刷動作において、4つの感光ドラム51を回転させる。また、制御部200は、モノクロ印刷動作において、第1現像クラッチC1をONにして、第1磁気ローラ61Kを回転させる。一方で、制御部200は、モノクロ印刷動作において、第2現像クラッチC2をOFFにして、第2磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cを停止させる。
【0082】
また、制御部200は、クリーニング動作を実行可能である。制御部200は、クリーニング動作において、クリーニングローラ53上のトナーを感光ドラム51および搬送ベルト73を介してベルトクリーナ100で回収する。なお、制御部200は、カラー印刷動作の実行中、および、モノクロ印刷動作の実行中に、クリーニングローラ53にクリーニングバイアス-Vc1を印加することで、例えば、シートSに転写されずに感光ドラム51上に残ったトナーを感光ドラム51からクリーニングローラ53に移動させて回収する。
【0083】
制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第1現像クラッチC1および第2現像クラッチC2をOFFにして、4つの磁気ローラ61を停止させた状態とする。また、制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、スコロトロン帯電器52に帯電バイアスVgを印加し、感光ドラム51の表面を帯電させる。
【0084】
制御部200は、クリーニング動作において、トナー排出処理と、トナー移動処理と、トナー回収処理とを実行する。
【0085】
制御部200は、トナー排出処理において、クリーニングローラ53上のトナーを、クリーニングローラ53から感光ドラム51に移動させる。詳しくは、制御部200は、クリーニングローラ53にクリーニングバイアス+Vc2を印加することで、クリーニングローラ53上のトナーをクリーニングローラ53から感光ドラム51に移動させる。
【0086】
制御部200は、トナー移動処理において、トナー排出処理によって感光ドラム51に移動させたトナーを、感光ドラム51から搬送ベルト73に移動させる。詳しくは、制御部200は、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加することで、感光ドラム51上のトナーを感光ドラム51から搬送ベルト73に転写する。
【0087】
制御部200は、トナー回収処理において、トナー移動処理によって搬送ベルト73に移動させたトナーを、ベルトクリーニングローラ101によって回収し、回収物収容器104に収容する。詳しくは、制御部200は、ベルトクリーニングローラ101にベルトクリーニングバイアスVbcを印加することで、搬送ベルト73上のトナーを搬送ベルト73からベルトクリーニングローラ101に移動させる。その後、ベルトクリーニングローラ101上のトナーは、回収ローラ102によって回収され、回収ローラ102上から掻き取りブレード103によって掻き落とされて回収物収容器104内に収容される。
【0088】
本実施形態では、制御部200は、カラー印刷動作の終了後、および、モノクロ印刷動作の終了後にクリーニング動作を実行する。なお、制御部200は、例えば、印刷動作の終了後に、印刷動作を開始してからの印刷枚数が、所定のクリーニング閾値以上の場合にクリーニング動作を実行し、印刷枚数が、クリーニング閾値未満の場合には、クリーニング動作を実行しない構成であってもよい。
【0089】
図5(a)に示すように、カラー印刷動作やモノクロ印刷動作を実行すると、回転する感光ドラム51の表面にシートS上の紙粉Dが付着することがある。感光ドラム51の表面に付着した紙粉Dは、図5(b)に示すように、磁気ローラ61の表面に担持されたキャリアCやトナーTに付着することがある。
【0090】
カラー印刷動作の実行中には、磁気ローラ61は回転しているので、磁気ローラ61の表面に付着した紙粉Dは、磁気ローラ61の表面の同じ箇所に蓄積されることはない。モノクロ印刷動作の実行中の第1磁気ローラ61Kについても同様である。
【0091】
一方、モノクロ印刷動作の実行中には、カラー用の磁気ローラ61Y,61M,61Cは停止しているので、図5(c)に示すように、例えば、磁気ローラ61Y,61M,61Cの表面に付着する紙粉Dは、磁気ローラ61Y,61M,61Cの表面の同じ箇所に蓄積されていく可能性がある。磁気ローラ61Y,61M,61Cに蓄積された紙粉Dは、例えば、トナーTの帯電性能を低下させるなどして、トナーTを劣化させるおそれがある。
【0092】
本実施形態では、制御部200は、紙粉回収動作をさらに実行可能である。制御部200は、紙粉回収動作において、第2磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに付着した紙粉Dを回収する。
【0093】
制御部200は、紙粉回収動作を実行する場合、第1現像クラッチC1および第2現像クラッチC2をOFFにして、4つの磁気ローラ61を停止させた状態とする。また、制御部200は、紙粉回収動作を実行する場合、スコロトロン帯電器52に帯電バイアスVgを印加し、感光ドラム51の表面を帯電させる。
【0094】
紙粉回収動作を実行する場合における、帯電バイアスVgの大きさは、磁気ローラ61Y,61M,61C上のトナーが、帯電後の感光ドラム51の表面の、露光ユニット40によって露光されない未露光部分に移動しない程度の大きさである。詳しくは、帯電バイアスVgの大きさは、帯電後の感光ドラム51の未露光部分の表面電位の絶対値が、磁気ローラ61Y,61M,61Cの表面電位の絶対値よりも大きくなるような大きさである。
【0095】
制御部200は、紙粉回収動作において、第1移動処理と、第2移動処理と、紙粉回収処理とを実行する。
【0096】
図6(a)~(c)に示すように、制御部200は、紙粉回収動作の第1移動処理において、磁気ローラ61Y,61M,61Cに付着した紙粉Dを、磁気ローラ61Y,61M,61Cから感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させる。詳しくは、制御部200は、第2磁気ローラ61Yに付着した紙粉Dを、第2磁気ローラ61Yから第2感光ドラム51Yに移動させる。また、制御部200は、第3磁気ローラ61Mに付着した紙粉Dを、第3磁気ローラ61Mから第3感光ドラム51Mに移動させる。また、制御部200は、第4磁気ローラ61Cに付着した紙粉Dを、第4磁気ローラ61Cから第4感光ドラム51Cに移動させる。
【0097】
第1移動処理は、露光処理と、現像処理とを含む。
制御部200は、第1移動処理の露光処理において、露光ユニット40(図1参照)によって第2感光ドラム51Y、第3感光ドラム51Mおよび第4感光ドラム51Cを露光する。詳しくは、制御部200は、露光ユニット40に連続的に光ビームBを出射させる。制御部200は、感光ドラム51の主走査方向については、露光可能な領域の全体を連続的に露光する。また、制御部200は、感光ドラム51の回転方向については、所定の露光長さの領域を連続的に露光する。図6および後で参照する図7に付したドットハッチングは、露光処理によって露光された部分を表す。
【0098】
制御部200は、第1移動処理の現像処理において、感光ドラム51Y,51M,51Cの、露光処理によって露光された部分(以下、「露光部分」という。)に、磁気ローラ61Y,61M,61C上のトナーTを移動させる。このとき、紙粉Dは、トナーTに付着した状態で、トナーTとともに磁気ローラ61Y,61M,61Cから感光ドラム51Y,51M,51Cに移動する。
【0099】
詳しくは、制御部200は、第2磁気ローラ61Yに現像バイアスVbを印加することで、第2感光ドラム51Yの露光部分に、第2磁気ローラ61Y上のトナーTを移動させる。このとき、第2磁気ローラ61Yに付着した紙粉Dは、トナーTとともに第2感光ドラム51Yに移動する。また、制御部200は、第3磁気ローラ61Mに現像バイアスVbを印加することで、第3感光ドラム51Mの露光部分に、第3磁気ローラ61M上のトナーTを移動させる。このとき、第3磁気ローラ61Mに付着した紙粉Dは、トナーTとともに第3感光ドラム51Mに移動する。また、制御部200は、第4磁気ローラ61Cに現像バイアスVbを印加することで、第4感光ドラム51Cの露光部分に、第4磁気ローラ61C上のトナーTを移動させる。このとき、第4磁気ローラ61Cに付着した紙粉Dは、トナーTとともに第4感光ドラム51Cに移動する。
【0100】
図7(e)に示すように、制御部200は、第1移動処理の露光処理において、感光ドラム51Y,51M,51Cの回転方向における露光長さEL2,EL3,EL4を、搬送ベルト73の、感光ドラム51と向かい合う上側の面の移動方向において上流に位置する感光ドラム51ほど長くする。詳しくは、制御部200は、第3感光ドラム51Mの回転方向における露光長さEL3を、第4感光ドラム51Cの回転方向における露光長さEL4よりも長くする。さらに、制御部200は、第2感光ドラム51Yの回転方向における露光長さEL2を、第3感光ドラム51Mの回転方向における露光長さEL3よりも長くする。
【0101】
一例として、図7(a)に示すように、制御部200は、第2感光ドラム51Yの露光、第3感光ドラム51Mの露光、および、第4感光ドラム51Cの露光を同時に開始する。その後、図7(b)に示すように、制御部200は、露光開始から第1時間T1が経過したときに第4感光ドラム51Cの露光を終了する。また、図7(c)に示すように、制御部200は、露光開始から第1時間T1よりも長い第2時間T2が経過したときに第3感光ドラム51Mの露光を終了する。さらに、図7(d)に示すように、制御部200は、露光開始から第2時間T2よりも長い第3時間T3が経過したときに第2感光ドラム51Yの露光を終了し、露光処理を終了する。
【0102】
図7(c)~(e)に示すように、制御部200は、紙粉回収動作の第2移動処理において、第1移動処理によって感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させた紙粉Dを、感光ドラム51Y,51M,51Cから搬送ベルト73に移動させる。詳しくは、制御部200は、第2感光ドラム51Y上の紙粉Dを第2感光ドラム51Yから搬送ベルト73に移動させる。また、制御部200は、第3感光ドラム51M上の紙粉Dを第3感光ドラム51Mから搬送ベルト73に移動させる。また、制御部200は、第4感光ドラム51C上の紙粉Dを第4感光ドラム51Cから搬送ベルト73に移動させる。
【0103】
第2移動処理は、転写処理を含む。制御部200は、転写処理において、現像処理によって感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させたトナーTを、感光ドラム51Y,51M,51Cから搬送ベルト73に転写する。このとき、紙粉Dは、トナーTに付着した状態で、トナーTとともに感光ドラム51Y,51M,51Cから搬送ベルト73に移動する。
【0104】
詳しくは、制御部200は、第2転写ローラ74Yに転写バイアスVtを印加することで、第2感光ドラム51Y上のトナーTを第2感光ドラム51Yから搬送ベルト73に転写する。このとき、第2感光ドラム51Y上の紙粉Dは、トナーTとともに搬送ベルト73に移動する。また、制御部200は、第3転写ローラ74Mに転写バイアスVtを印加することで、第3感光ドラム51M上のトナーTを第3感光ドラム51Mから搬送ベルト73に転写する。このとき、第3感光ドラム51M上の紙粉Dは、トナーTとともに搬送ベルト73に移動する。また、制御部200は、第4転写ローラ74Cに転写バイアスVtを印加することで、第4感光ドラム51C上のトナーTを第4感光ドラム51Cから搬送ベルト73に転写する。このとき、第4感光ドラム51C上の紙粉Dは、トナーTとともに搬送ベルト73に移動する。
【0105】
図4に示すように、制御部200は、紙粉回収動作の紙粉回収処理において、第2移動処理によって搬送ベルト73に移動させた紙粉Dを、ベルトクリーニングローラ101によって回収し、回収物収容器104に収容する。詳しくは、制御部200は、ベルトクリーニングローラ101にベルトクリーニングバイアスVbcを印加することで、搬送ベルト73上の紙粉DとトナーTを搬送ベルト73からベルトクリーニングローラ101に移動させる。その後、ベルトクリーニングローラ101上の紙粉DとトナーTは、回収ローラ102(図1参照)によって回収され、回収ローラ102上から掻き取りブレード103(図1参照)によって掻き落とされて回収物収容器104内に収容される。
【0106】
図8(a)~(c)に示すように、制御部200は、磁気ローラ61Y,61M,61C上の紙粉を感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させる第1移動処理の実行後に、回転処理を実行する。制御部200は、回転処理において、第2磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cを回転させる。詳しくは、制御部200は、回転処理において、磁気ローラ61Y,61M,61Cの表面の感光ドラム51Y,51M,51Cと向かい合う位置を変える。より詳しくは、制御部200は、磁気ローラ61Y,61M,61Cを1回転未満回転させる。制御部200は、磁気ローラ61Y,61M,61Cを360°未満の角度だけ回転させる。
【0107】
一例として、制御部200は、第1移動処理の露光処理が終了してから第4時間T4が経過したタイミングで回転処理を開始する。図8(b)に示すように、制御部200は、回転処理を開始する場合、まず、第2現像クラッチC2(図4参照)をONにして磁気ローラ61Y,61M,61Cを回転させる。そして、図8(c)に示すように、制御部200は、第2現像クラッチC2をONにしてから第5時間T5が経過したときに第2現像クラッチC2をOFFにして磁気ローラ61Y,61M,61Cを停止させる。
【0108】
第4時間T4は、第2感光ドラム51Yの表面のうち、第2感光ドラム51Yの回転方向における第2感光ドラム51Yの露光部分の下流端が、第2感光ドラム51Yの回転によって、第2磁気ローラ61Yと向かい合う位置に移動するまでの時間以上の時間に設定されている。第5時間T5は、磁気ローラ61Y,61M,61Cが360°未満の角度だけ回転する時間に設定されている。
【0109】
回転処理における、磁気ローラ61Y,61M,61Cの回転角度は、180°以下であることが望ましく、90°以下であることがより望ましく、60°以下であることがさらに望ましい。
【0110】
回転処理の実行によって磁気ローラ61Y,61M,61Cを360°未満の角度だけ回転させることで、感光ドラム51Y,51M,51Cの表面に接触するキャリアCは、回転処理を実行する前のキャリアCAから、キャリアCBに入れ替わる。
【0111】
制御部200は、モノクロ印刷動作を開始してからの印刷枚数P1が、所定の閾値以上の場合に紙粉回収動作を実行する。詳しくは、制御部200は、モノクロ印刷動作の終了後に、印刷枚数P1が、第1閾値P1th1以上の場合に紙粉回収動作を実行する。
【0112】
また、制御部200は、モノクロ印刷動作の実行中に、印刷枚数P1が、第2閾値P1th2以上になった場合に紙粉回収動作を実行する。より詳しくは、制御部200は、モノクロ印刷動作の実行中に、印刷枚数P1が、第2閾値P1th2以上になった場合、まず、モノクロ印刷動作を中断する中断処理を実行する。そして、制御部200は、中断処理を実行した後に紙粉回収動作を実行する。第2閾値P1th2は、第1閾値P1th1よりも大きい閾値である。
【0113】
次に、制御部200の動作について、図9図11のフローチャートおよび図12のタイミングチャートを参照しながらより詳細に説明する。
【0114】
図9に示すように、制御部200は、印刷開始の指令や画像データなどを含む印刷ジョブを受信すると、カラー印刷であるか否かを判定する(S10)。カラー印刷である場合(S10,Yes)、制御部200は、カラー印刷動作を実行する。制御部200は、カラー印刷動作において、印刷枚数P1を0にリセットする(S11)。また、制御部200は、第1現像クラッチC1をONにするとともに、第2現像クラッチC2をONにする(S12)。そして、制御部200は、モータMをONにする(S13)。これにより、4つの感光ドラム51、4つの磁気ローラ61などが回転する。
【0115】
その後、制御部200は、印刷ジョブを1ページ分実行してシートSにカラー画像を形成する(S14)。印刷ジョブを1ページ分実行したら、制御部200は、印刷ジョブが終了したか否かを判定する(S16)。印刷ジョブが終了していない場合(S16,No)、制御部200は、ステップS14に戻る。印刷ジョブが終了した場合(S16,Yes)、制御部200は、クリーニングローラ53上のトナーを感光ドラム51および搬送ベルト73を介してベルトクリーナ100で回収するクリーニング動作を実行する(S61)。その後、制御部200は、モータMをOFFにして(S62)、動作を終了する。
【0116】
ステップS10において、カラー印刷でない場合(No)、制御部200は、モノクロ印刷動作を実行する。図10に示すように、制御部200は、モノクロ印刷動作において、第1現像クラッチC1をONにするとともに、第2現像クラッチC2をOFFにする(S22)。そして、制御部200は、モータMをONにする(S23)。これにより、4つの感光ドラム51、第1磁気ローラ61Kなどが回転する。第2磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cは、回転しない。
【0117】
その後、制御部200は、印刷ジョブを1ページ分実行してシートSにモノクロ画像を形成する(S24)。印刷ジョブを1ページ分実行したら、制御部200は、印刷枚数P1に1を加算して印刷枚数P1をカウントアップする(S25)。また、制御部200は、印刷ジョブが終了したか否かを判定する(S26)。
【0118】
印刷ジョブが終了した場合(S26,Yes)、制御部200は、印刷枚数P1が第1閾値P1th1以上であるか否かを判定する(S31)。印刷枚数P1が第1閾値P1th1以上である場合(S31,Yes)、制御部200は、紙粉回収動作を実行する(S40)。印刷枚数P1が第1閾値P1th1未満である場合(S31,No)、また、紙粉回収動作が終了した場合、図9に示すように、制御部200は、クリーニング動作を実行し(S61)、その後、モータMをOFFにして(S62)、動作を終了する。
【0119】
図10に示すように、ステップS26において、印刷ジョブが終了していない場合(No)、制御部200は、印刷枚数P1が第2閾値P1th2以上であるか否かを判定する(S32)。印刷枚数P1が第2閾値P1th2未満である場合(S32,No)、制御部200は、ステップS24に戻る。
【0120】
ステップS32において、印刷枚数P1が第2閾値P1th2以上である場合(Yes)、制御部200は、中断処理を実行して印刷ジョブを中断する(S33)。その後、制御部200は、紙粉回収動作を実行する(S50)。紙粉回収動作が終了した場合、制御部200は、ステップS24に戻り、印刷ジョブを再開する。
【0121】
図11および図12に示すように、制御部200は、紙粉回収動作において、第1現像クラッチC1をOFFにする(S101,t11)。これにより、第1磁気ローラ61Kが停止する。その後、制御部200は、第1移動処理の露光処理を開始する。具体的には、制御部200は、露光ユニット40によって、第2感光ドラム51Y、第3感光ドラム51Mおよび第4感光ドラム51Cの露光を開始する(S111,t12)。
【0122】
また、制御部200は、第1移動処理の現像処理、第2移動処理の転写処理、および、紙粉回収処理を開始する。具体的には、制御部200は、現像バイアスVb、転写バイアスVtおよびベルトクリーニングバイアスVbcをONにする(S112,t12)。現像バイアスVbが磁気ローラ61に印加されることで、現像処理が開始される。また、転写バイアスVtが転写ローラ74に印加されることで、転写処理が開始される。また、ベルトクリーニングバイアスVbcがベルトクリーニングローラ101に印加されることで、紙粉回収処理が開始される。
【0123】
その後、制御部200は、感光ドラム51Y,51M,51Cの露光を開始してから第1時間T1が経過した場合(S121,Yes)、第4感光ドラム51C(C感光ドラム)の露光を終了する(S122,t13)。また、制御部200は、感光ドラム51Y,51M,51Cの露光を開始してから第2時間T2が経過した場合(S123,Yes)、第3感光ドラム51M(M感光ドラム)の露光を終了する(S124,t14)。さらに、制御部200は、感光ドラム51Y,51M,51Cの露光を開始してから第3時間T3が経過した場合(S125,Yes)、第2感光ドラム51Y(Y感光ドラム)の露光を終了し(S126,t15)、露光処理を終了する。
【0124】
その後、制御部200は、第2感光ドラム51Yの露光を終了してから第4時間T4が経過した場合(S131,Yes)、第1移動処理が終了したので、第2現像クラッチC2をONにする(S132,t16)。これにより、回転処理が開始され、第2磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cが回転する。その後、制御部200は、第2現像クラッチC2をONにしてから第5時間T5が経過した場合(S133,Yes)、第2現像クラッチC2をOFFにする(S134,t17)。これにより、磁気ローラ61Y,61M,61Cが停止し、回転処理が終了する。
【0125】
その後、制御部200は、第2感光ドラム51Yの露光を終了してから第6時間T6が経過したか否かを判定する(S141)。第6時間T6は、第2感光ドラム51Yの表面のうち、第2感光ドラム51Yの回転方向における第2感光ドラム51Yの露光部分の下流端が、第2感光ドラム51Yの回転によって、搬送ベルト73と向かい合う位置に移動するまでの時間以上の時間に設定されている。
【0126】
第2感光ドラム51Yの露光を終了してから第6時間T6が経過した場合(S141,Yes)、制御部200は、転写処理(第2移動処理)を終了する。具体的には、制御部200は、転写バイアスVtをOFFにする(S142,t18)。
【0127】
その後、制御部200は、転写バイアスVtをOFFにしてから第7時間T7が経過したか否かを判定する(S151)。第7時間T7は、搬送ベルト73の表面のうち、第2感光ドラム51Yに向かい合う部分が、搬送ベルト73の回転によって、ベルトクリーニングローラ101に向かい合う位置に移動するまでの時間以上の時間に設定されている。
【0128】
転写バイアスVtをOFFにしてから第7時間T7が経過した場合(S151,Yes)、制御部200は、紙粉回収処理を終了する。具体的には、制御部200は、ベルトクリーニングバイアスVbcをOFFにする(S152,t19)。このとき、制御部200は、現像バイアスVbもOFFにする。そして、制御部200は、印刷枚数P1を0にリセットし(S161)、紙粉回収動作を終了する。
【0129】
本実施形態のカラープリンタ1によれば、紙粉回収動作の第1移動処理を実行することで、磁気ローラ61Y,61M,61C上の紙粉を感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させることができる。また、第2移動処理を実行することで、感光ドラム51Y,51M,51C上の紙粉を搬送ベルト73に移動させることができる。さらに、紙粉回収処理を実行することで、搬送ベルト73上の紙粉をベルトクリーニングローラ101によって回収し、回収物収容器104に収容することができる。これにより、磁気ローラ61Y,61M,61Cに付着した紙粉によってトナーが劣化するのを抑制することができる。
【0130】
また、第1移動処理は、露光処理と現像処理を含むので、感光ドラム51Y,51M,51C上に形成された静電潜像の現像と同じ手法によって、磁気ローラ61Y,61M,61C上のトナーに付着した紙粉を、トナーとともに、感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させることができる。また、紙粉が付着して劣化した可能性のあるトナーを感光ドラム51Y,51M,51Cに移動させ、最終的に回収物収容器104に収容することができる。
【0131】
また、第2移動処理は、転写処理を含むので、感光ドラム51Y,51M,51C上に形成されたトナー像の転写と同じ手法によって、感光ドラム51Y,51M,51Cに移動したトナーに付着した紙粉を、トナーとともに、搬送ベルト73に移動させることができる。
【0132】
また、モノクロ印刷動作を開始してからの印刷枚数P1が閾値以上の場合に紙粉回収動作を実行するので、磁気ローラ61Y,61M,61Cに付着した紙粉の量がある程度多くなった場合に紙粉回収動作を実行することができる。また、必要以上に紙粉回収動作が実行されるのを抑制することができる。
【0133】
詳しくは、モノクロ印刷動作の終了後に印刷枚数P1が第1閾値P1th1以上の場合に紙粉回収動作を実行するので、モノクロ印刷動作の終了後に必要以上に紙粉回収動作が実行されるのを抑制することができる。
【0134】
また、モノクロ印刷動作の実行中に印刷枚数P1が第2閾値P1th2以上になった場合に紙粉回収動作を実行するので、モノクロ印刷動作の実行中であっても、磁気ローラ61Y,61M,61Cに付着した紙粉の量がある程度多くなった場合には紙粉回収動作を実行することができる。
【0135】
また、第2閾値P1th2は、第1閾値P1th1よりも大きいので、モノクロ印刷動作を実行している途中で紙粉回収動作が実行されるのを最小限にし、なるべく、モノクロ印刷動作の終了後に紙粉回収動作を実行するようにすることができる。これにより、画像が形成されたシートSがすべてカラープリンタ1から出力されるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0136】
また、シートSの搬送方向において上流に位置する第2感光ドラム51Yは、第3感光ドラム51Mや第4感光ドラム51Cよりも紙粉が付着しやすいので、第2磁気ローラ61Yには、第3磁気ローラ61Mや第4磁気ローラ61Cよりも多くの紙粉が付着する。そこで、露光処理において、第2感光ドラム51Yの露光長さEL2を長くすることで、第2磁気ローラ61Yから第2感光ドラム51Yへの紙粉の移動をより長く行うことができる。
【0137】
同様に、第4感光ドラム51Cよりも上流に位置する第3感光ドラム51Mは、第4感光ドラム51Cよりも紙粉が付着しやすいので、第3磁気ローラ61Mには、第4磁気ローラ61Cよりも多くの紙粉が付着する。そこで、露光処理において、第3感光ドラム51Mの露光長さEL3を、第4感光ドラム51Cの露光長さEL4よりも長くすることで、第3磁気ローラ61Mから第3感光ドラム51Mへの紙粉の移動を長く行うことができる。
【0138】
また、第1移動処理の実行後に磁気ローラ61Y,61M,61Cを回転させる回転処理を実行するので、磁気ローラ61Y,61M,61Cの表面の感光ドラム51Y,51M,51Cと向かい合う位置を変えたり、磁気ローラ61Y,61M,61Cに担持されるキャリアを入れ替えたりすることができる。これにより、同じキャリアに紙粉の付着が繰り返されるのを抑制することができるので、キャリアの劣化を抑制することができる。
【0139】
なお、キャリアの劣化とは、紙粉に含まれる特定の成分が、キャリアの表面のコート層に付着したり、埋没したりする現象である。このようなキャリアの劣化が進むと、キャリアの帯電能力が低下し、キャリアが感光ドラムに移動する、いわゆるキャリア飛びが発生したり、劣化していないキャリアと電気的に凝集したりする可能性がある。キャリアの劣化を抑制できることで、キャリア飛びやキャリアの凝集が起こるのを抑制することができる。
【0140】
また、本実施形態では、回転処理において、磁気ローラ61Y,61M,61Cの表面の感光ドラム51Y,51M,51Cと向かい合う位置を変えるので、回転処理において磁気ローラ61Y,61M,61Cを1回転未満回転させるだけで済む。これにより、磁気ローラ61Y,61M,61Cを必要以上に回転させる必要がない。その結果、例えば、磁気ローラ61Y,61M,61Cの回転に伴って不可避的に発生するトナーやキャリアの劣化を抑制することができる。
【0141】
以上、実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下では、上述の実施形態と異なる点について詳しく説明し、同じ点については、例えば、同一の要素に同一の符号を付すなどして説明を省略する。
【0142】
制御部200は、第1クリーニングローラ53K上のトナーを感光ドラム51および搬送ベルト73を介してベルトクリーナ100で回収するクリーニング動作を実行可能であり、紙粉回収動作を実行するときに、同時にこのクリーニング動作を実行する構成であってもよい。第1クリーニングローラ53Kは、「クリーニングローラ」の一例である。
【0143】
制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第1現像クラッチC1をOFFにして、第1磁気ローラ61Kを停止させた状態とする。また、制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第1スコロトロン帯電器52Kに帯電バイアスVgを印加し、第1感光ドラム51Kの表面を帯電させる。また、制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、露光ユニット40によって、第1感光ドラム51Kの表面を露光しない。
【0144】
制御部200は、クリーニング動作において、第3移動処理と、第4移動処理と、トナー回収処理とを実行する。
【0145】
図13に示すように、制御部200は、第3移動処理において、第1クリーニングローラ53K上のトナーTを、第1クリーニングローラ53Kから第1感光ドラム51Kに移動させる。詳しくは、制御部200は、第1クリーニングローラ53Kにクリーニングバイアス+Vc2を印加することで、第1クリーニングローラ53K上のトナーTを第1クリーニングローラ53Kから第1感光ドラム51Kに移動させる。
【0146】
制御部200は、第4移動処理において、第3移動処理によって第1感光ドラム51Kに移動させたトナーTを、第1感光ドラム51Kから搬送ベルト73に移動させる。詳しくは、制御部200は、第1転写ローラ74Kに転写バイアスVtを印加することで、第1感光ドラム51K上のトナーTを第1感光ドラム51Kから搬送ベルト73に転写する。
【0147】
制御部200は、トナー回収処理において、第4移動処理によって搬送ベルト73に移動させたトナーTを、ベルトクリーニングローラ101によって回収し、回収物収容器104に収容する。詳しくは、制御部200は、ベルトクリーニングローラ101にベルトクリーニングバイアスVbcを印加することで、搬送ベルト73上のトナーTをベルトクリーニングローラ101によって回収し、回収物収容器104に収容する。トナー回収処理は、紙粉回収動作の紙粉回収処理と同一の処理である。
【0148】
図14および図15に示すように、制御部200は、紙粉回収動作が開始されると、第1現像クラッチC1をOFFにし(S101,t11)、第1移動処理の露光処理を開始する(S111,t12)。
【0149】
また、制御部200は、現像バイアスVb、転写バイアスVtおよびベルトクリーニングバイアスVbcをONにするとともに、第1クリーニングローラ53KのクリーニングバイアスVclnを-Vc1から+Vc2に切り替える(S113,t12)。クリーニングバイアス+Vc2が第1クリーニングローラ53Kに印加されることで、クリーニング動作の第3移動処理が開始される。また、転写バイアスVtが転写ローラ74に印加されることで、紙粉回収動作の転写処理と、クリーニング動作の第4移動処理が開始される。また、ベルトクリーニングバイアスVbcがベルトクリーニングローラ101に印加されることで、紙粉回収動作の紙粉回収処理と、クリーニング動作のトナー回収処理が開始される。
【0150】
制御部200は、紙粉回収動作の露光処理を終了し(S126,t15)、さらに、回転処理を終了した場合(S134,t17)、第2感光ドラム51Yの露光を終了してから第6時間T6が経過したか否かを判定する(S141)。第6時間T6が経過した場合(S141,Yes)、制御部200は、転写バイアスVtをOFFにするとともに、第1クリーニングローラ53KのクリーニングバイアスVclnを+Vc2から-Vc1に切り替える(S143,t18)。これにより、紙粉回収動作の転写処理(第2移動処理)と、クリーニング動作の第3移動処理および第4移動処理が終了する。
【0151】
その後、制御部200は、転写バイアスVtをOFFにしてから第7時間T7が経過した場合(S151,Yes)、現像バイアスVb、クリーニングバイアスVclnおよびベルトクリーニングバイアスVbcをOFFにする(S153,t19)。これにより、紙粉回収動作の紙粉回収処理と、クリーニング動作のトナー回収理が終了する。
【0152】
このように、紙粉回収動作を実行するときに同時に第1クリーニングローラ53Kのクリーニング動作を実行することで、紙粉回収動作の終了後にクリーニング動作を実行する場合と比較して、次の印刷が可能となるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0153】
上述の実施形態では、露光処理において、感光ドラム51Y,51M,51Cの回転方向における露光長さEL2,EL3,EL4を、搬送ベルト73の上側の面の移動方向において上流に位置する感光ドラム51ほど長くしたが、これに限定されない。例えば、第3感光ドラム51Mの露光長さを、第2感光ドラム51Yの露光長さと同じにしてもよい。また、第2感光ドラム51Yの露光長さが感光ドラム51M,51Cの露光長さよりも長い構成で、第3感光ドラム51Mの露光長さと、第4感光ドラム51Cの露光長さを同じにしてもよい。また、第2感光ドラム51Yの露光長さと、第3感光ドラム51Mの露光長さと、第4感光ドラム51Cの露光長さをすべて同じにしてもよい。
【0154】
上述の実施形態では、回転処理において、磁気ローラ61Y,61M,61Cを1回転未満回転させたが、これに限定されない。例えば、回転処理において、磁気ローラ61Y,61M,61Cを1回転以上回転させてもよい。また、回転処理を実行しない構成であってもよい。
【0155】
上述の実施形態では、モノクロ印刷動作の終了後、および、モノクロ印刷動作の実行中に、印刷枚数P1が閾値以上の場合、紙粉回収動作を実行したが、これ限定されない。例えば、モノクロ印刷動作の終了後に紙粉回収動作を実行し、モノクロ印刷動作の実行中には紙粉回収動作を実行しない構成であってもよい。また、モノクロ印刷の実行中に紙粉回収動作を実行し、モノクロ印刷動作の終了後には紙粉回収動作を実行しない構成であってもよい。また、例えば、モノクロ印刷動作の終了後に、印刷枚数に関わらず、毎回、紙粉回収動作を実行する構成であってもよい。また、モノクロ印刷動作の実行前、例えば、印刷ジョブを受信してから1枚目のシートSを供給トレイ21から送り出す前に、紙粉回収動作を実行する構成であってもよい。
【0156】
上述の実施形態では、制御部200は、モノクロ印刷動作を開始してからの印刷枚数P1が所定の閾値以上の場合に紙粉回収動作を実行する構成であったが、これに限定されない。例えば、制御部200は、モノクロ印刷動作を開始してからの、第1感光ドラム51Kの回転回数P2が、所定の閾値以上の場合に紙粉回収動作を実行する構成であってもよい。具体的には、制御部200は、モノクロ印刷動作の終了後に、第1感光ドラム51Kの回転回数P2が、第1閾値P2th1以上の場合に紙粉回収動作を実行する構成であってもよい。また、制御部200は、モノクロ印刷動作の実行中に、第1感光ドラム51Kの回転回数P2が、第2閾値P2th2以上になった場合、モノクロ印刷動作を中断する中断処理を実行し、中断処理を実行した後に紙粉回収動作を実行する構成であってもよい。
【0157】
なお、回転回数P2は、第1感光ドラム51Kの回転回数に限定されず、例えば、第2感光ドラム51Yの回転回数であってもよい。また、回転回数P2は、第3感光ドラム51Mの回転回数であってもよい。また、回転回数P2は、第4感光ドラム51Cの回転回数であってもよい。
【0158】
上述の実施形態では、露光ユニット40は、光ビームを感光ドラム51に出射することで、感光ドラム51を露光可能な構成であったが、これに限定されない。例えば、露光ユニットは、複数のLEDを有する露光ヘッドを備え、LEDからの光を感光ドラムに照射することで、感光ドラムを露光可能な構成であってもよい。また、露光ユニットは、第1感光ドラム51Kを露光可能な第1露光ユニットと、第2感光ドラム51Yを露光可能な第2露光ユニットと、第3感光ドラム51Mを露光可能な第3露光ユニットと、第4感光ドラム51Cを露光可能な第4露光ユニットとを含むものであってもよい。
【0159】
上述の実施形態では、転写ユニット70は、エンドレスベルトとして搬送ベルト73を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、エンドレスベルトは、中間転写ベルトであり、転写ユニットは、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する2次転写ローラをさらに備える構成であってもよい。
【0160】
上述の実施形態では、定着装置80は、加熱ローラ81と加圧ローラ82を備える構成であったが、これに限定されない。例えば、ベルト定着方式の定着装置であってもよい。
【0161】
上述の実施形態では、ベルトクリーニング部材は、ベルトクリーニングローラ101であったが、これに限定されない。例えば、ベルトクリーニング部材は、エンドレスベルト上の付着物を掻き取って回収するベルトクリーニングブレードなどであってもよい。
【0162】
上述の実施形態では、画像形成装置として、4つの感光ドラム51と、4つの磁気ローラ61を備えるカラープリンタ1を例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置は、3つの感光ドラムと、3つの磁気ローラを備えるプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、2つの感光ドラムと、2つの磁気ローラを備えるプリンタであってもよい。また、感光ドラムおよび磁気ローラをそれぞれ5つ以上備えるプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、複写機、複合機などであってもよい。
【0163】
上述の実施形態では、正帯電性のトナーを用いる画像形成装置を例示したが、これに限定されず、負帯電性のトナーを用いる画像形成装置であってもよい。なお、負帯電性のトナーを用いる画像形成装置の場合、バイアスの正負は、上述の実施形態とは逆になる。
【0164】
上述の実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0165】
1 カラープリンタ
51K 第1感光ドラム
51Y 第2感光ドラム
61K 第1磁気ローラ
61Y 第2磁気ローラ
70 転写ユニット
73 搬送ベルト
101 ベルトクリーニングローラ
104 回収物収容器
200 制御部
C キャリア
D 紙粉
S シート
T トナー
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