IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トランストロンの特許一覧

<>
  • 特開-荷物監視装置及びプログラム 図1
  • 特開-荷物監視装置及びプログラム 図2
  • 特開-荷物監視装置及びプログラム 図3
  • 特開-荷物監視装置及びプログラム 図4
  • 特開-荷物監視装置及びプログラム 図5
  • 特開-荷物監視装置及びプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138019
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】荷物監視装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/12 20060101AFI20220914BHJP
   B62D 21/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
G01G19/12 Z
B62D21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037786
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】391008559
【氏名又は名称】株式会社トランストロン
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真也
(72)【発明者】
【氏名】神宮 大祐
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203BB07
(57)【要約】
【課題】荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知することができる。
【解決手段】車両の荷物室の床面を車両の前後方向及び左右方向に2次元配列された複数の領域に分け、当該領域毎に1つずつ設けられている荷重センサでの測定結果に基づいて、荷物室に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷物室の床面に所定の間隔で設けられた複数の荷重センサと、
前記荷重センサでの測定結果に基づいて前記荷物室に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する計測部と、
前記計測部における計測結果を出力する出力部と、
を備え、
複数の前記荷重センサは、前記床面を前記車両の前後方向及び左右方向に2次元配列された複数の領域に分け、当該領域毎に1つずつ設けられている
ことを特徴とする荷物監視装置。
【請求項2】
前記計測部は、前記重量分布に基づいて荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知し、
前記出力部は、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれについての情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の荷物監視装置。
【請求項3】
前記計測部は、前記車両の走行開始時から一定周期で前記荷重センサより測定結果を取得し、
前記計測部は、前記走行開始時における前記荷重センサの測定結果に対し、2つ以上の前記荷重センサの測定結果が閾値を超えて変化した場合に荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知する
ことを特徴とする請求項2に記載の荷物監視装置。
【請求項4】
前記閾値は、前記領域の位置に応じて値が異なる
ことを特徴とする請求項3に記載の荷物監視装置。
【請求項5】
前記領域は、1辺の長さが略500mm以下の矩形形状である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の荷物監視装置。
【請求項6】
コンピュータを、
車両の荷物室の床面に所定の間隔で設けられた複数の荷重センサであって、前記床面を前記車両の前後方向及び左右方向に2次元配列された複数の領域に分け、当該領域毎に1つずつ設けられている荷重センサでの測定結果に基づいて、前記荷物室に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する計測部、
前記計測部における計測結果を出力する出力部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物監視装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トラック安全走行システムが開示されている。このトラック安全走行システムは、トラックの荷台の少なくとも走行方向に沿う前後方向とその左右方向の各端部にそれぞれ配設される荷重を検出する複数の荷重センサと、これらの各荷重センサからの各検出荷重信号からこの荷台の荷重分布と総荷重とを算出する荷台荷重測定手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-97072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、荷重センサが4カ所に設けられているのみであり、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知できない。
【0005】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知することができる荷物監視装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる荷物監視装置は、車両の荷物室の床面に所定の間隔で設けられた複数の荷重センサと、前記荷重センサでの測定結果に基づいて前記荷物室に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する計測部と、前記計測部における計測結果を出力する出力部と、を備え、複数の前記荷重センサは、前記床面を前記車両の前後方向及び左右方向に2次元配列された複数の領域に分け、当該領域毎に1つずつ設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の他態様にかかるプログラムは、コンピュータを、車両の荷物室の床面に所定の間隔で設けられた複数の荷重センサであって、前記床面を前記車両の前後方向及び左右方向に2次元配列された複数の領域に分け、当該領域毎に1つずつ設けられている荷重センサでの測定結果に基づいて、前記荷物室に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する計測部、前記計測部における計測結果を出力する出力部、として機能させる。
【0008】
本発明の上記いずれかの態様では、車両の荷物室の床面を車両の前後方向及び左右方向に2次元配列された複数の領域に分け、当該領域毎に1つずつ設けられている荷重センサでの測定結果に基づいて、荷物室に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する。これにより、詳細な重量分布を知ることができ、その結果、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知することができる。
【0009】
前記計測部は、前記重量分布に基づいて荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知し、前記出力部は、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれについての情報を出力してもよい。これにより、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあることを運転手に即時に伝えることができる。
【0010】
前記計測部は、前記車両の走行開始時から一定周期で前記荷重センサより測定結果を取得し、前記計測部は、前記走行開始時における前記荷重センサの測定結果に対し、2つ以上の前記荷重センサの測定結果が閾値を超えて変化した場合に荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知してもよい。これにより、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあること正確にかつ直接的に知ることができる。
【0011】
前記閾値は、前記領域の位置に応じて値が異なってもよい。これにより、荷物室の中央での荷崩れを重点的に監視する等の細密な監視設定が可能となる。
【0012】
前記領域は、1辺の長さが略500mm以下の矩形形状であってもよい。これにより、詳細でより正確な荷物室の重量分布を取得することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る荷物監視装置1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】荷重センサ21の配置を模式的に示す図である。
図3】荷物監視装置1のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図4】荷物監視装置1による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】荷物室32の重量分布の一例を示す図であり、(A)は車両30が走行を開始したときの重量分布を示し、(B)は走行開始後のある時点における重量分布を示す。
図6】出力部12が表示装置3に荷崩れの発生のおそれについての情報を出力したときの表示装置3の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る荷物監視装置1の全体構成の一例を示すブロック図である。荷物監視装置1は、車両30の荷物室32(図3参照)の内部に設けられた荷物の状況を監視する装置である。
【0017】
荷物監視装置1は、主として、計測部11と出力部12とを有する制御部10と、荷重センサ21とを備える。荷物監視装置1は、移動体通信網又は無線通信等の通信ネットワークを介して端末装置2、表示装置3等と互いに通信可能に構成されている。
【0018】
計測部11は、例えば、荷重センサ21での測定結果に基づいて荷物室32に設けられた荷物の重量分布を連続して計測する。また、計測部11は、重量分布に基づいて荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知する。計測部11が行う処理については、後に詳述する。
【0019】
出力部12は、計測部11における計測結果を出力する。また、出力部12は、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれについての情報を出力する。出力部12が情報を出力する出力先は、端末装置2や表示装置3である。
【0020】
荷重センサ21は、例えば、ひずみゲージ式の荷重センサである。荷重センサ21は、複数の荷重センサ21a1、21a2・・・、21b1、21b2・・・、21c1・・・、21d1・・・を有する。本実施の形態では、荷重センサ21は100個の荷重センサ21a1・・・を有するが、荷重センサ21a1・・・の数はこれに限られない。
【0021】
図2は、荷重センサ21(21a1、21a2・・・)の配置を模式的に示す図である。荷物監視装置1は車両30に設けられており、車両30は主として運転室31及び荷物室32を有する。荷物室32の床面33は、車両30の前後方向(図2における左右方向)及び左右方向(図2における上下方向)に2次元配列された複数の領域33a1、33a2・・・に分けられている。荷重センサ211a1、21a2・・・は、領域33a1、33a2・・・毎に1つずつ設けられている。なお、領域33a1、33a2・・・は仮想領域であり、実際に床面33が区分けされているわけではない。
【0022】
本実施の形態では、床面33は、前後方向の長さが10,020mmであり、左右方向の長さが2,410mmである。領域33a1、33a2・・・の大きさを略500mm四方とすると、床面33は、前後方向に20個、左右方向に5個の合計100個の領域33a1、33a2・・・に分けられる。
【0023】
なお、本実施の形態では、領域33a1、33a2・・・の大きさを略500mm四方としたが、領域33a1、33a2・・・の大きさはこれに限られず、略500mm以下であればよい。荷重センサ21a1、21a2・・・の大きさ等を考慮すると、領域33a1、33a2・・・の大きさを略100mm~略500mmとすることが望ましい。
【0024】
各領域33a1、33a2・・・には、それぞれ、荷重センサ21a1、21a2・・・が設けられる。本実施の形態では、100個の領域33a1、33a2・・・を有するため、100個の荷重センサ21a1、21a2・・・を用いる。荷重センサ21a1、21a2・・・を領域33a1、33a2・・・の内部(例えば、略中心)に設けることで、荷重センサ21が床面33に所定の間隔で設けられる。
【0025】
図1の説明に戻る。端末装置2は、CPU、メモリ、ストレージ、通信IF(インターフェース)等を有するコンピュータ装置又は情報処理装置である。なお、端末装置2は、例えば、スマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような携帯可能な情報処理装置であってもよい。
【0026】
表示装置3は、例えば、車両30の運転室31(図3参照)に設けられたモニタであり、出力部12から出力された荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれについての情報を表示する。なお、表示装置3は、例えば、入力機能を担うタッチセンサと表示機能を担うディスプレイとを含むタッチパネルとして構成されてもよい。
【0027】
図3は、荷物監視装置1のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。荷物監視装置1は、制御装置50と、通信装置52と、記憶装置54と、を備える。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)56及びメモリ58を主に備えて構成される。
【0028】
制御装置50では、記憶装置54又はメモリ58等に格納された所定のプログラムをCPU56が実行することにより、各種の機能部として機能する。
【0029】
通信装置52は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置52は、例えば、端末装置2等との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
記憶装置54は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置54は、制御装置50における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0031】
なお、荷物監視装置1は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータ等を用いて実現することができる。また、荷物監視装置1は、単一のサーバ・コンピュータ等により構成されるものであっても、通信ネットワーク上に分散した複数のサーバ・コンピュータ等により構成されるものであってもよい。また、図2は、荷物監視装置1が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、荷物監視装置1は、サーバ・コンピュータ等が一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0032】
次に、図4を参照して、荷物監視装置1による処理の流れの一例を説明する。図4は、荷物監視装置1による処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下のステップの順番は、適宜、変更することができる。
【0033】
制御部10は、車両30が走行を開始したか否かを判定する(ステップS10)。例えば、制御部10は、車両30の各部を制御する図示しない制御装置から、車両30が走行を開始したか否かを示す情報を取得することで、車両30が走行を開始したか否かを判定してもよい。車両30が走行を開始していない場合(ステップS10でNO)には、制御部10は、再度ステップS10の処理を繰り返す。
【0034】
車両30が走行を開始した場合(ステップS10でYES)には、計測部11は、荷重センサ21a1、21a2・・・から測定結果を取得し(ステップS11)、荷物室32に設けられた荷物の重量分布を計測する(ステップS12)。
【0035】
図5は、荷物室32の重量分布の一例を示す図であり、(A)は車両30が走行を開始したときの重量分布を示し、(B)は走行開始後のある時点における重量分布を示す。図5における数値の単位はkgである。
【0036】
計測部11は、荷重センサ21a1、21a2・・・の測定値を、その荷重センサ21a1、21a2・・・が設けられた領域33a1、33a2・・・の位置に応じて配置することで、重量分布を求める。例えば、計測部11は、領域33a1に設けられた荷重センサ21a1の値を左前の角に配置する。また、計測部11は、領域33a2に設けられた荷重センサ21a2の値を、荷重センサ21a1の値の車両右側に配置する。領域33a1、33a2・・・毎に荷重センサ21が1つずつ設けられているため、詳細な重量分布が計測可能である。
【0037】
そして、計測部11は、重量分布に基づいて荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知する(ステップS13)。例えば、計測部11は、走行開始時の重量分布(図5(A)参照)と、最新の重量分布、すなわち直近に行われたステップS12における重量分布(図5(B)参照)とを比較して荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知する。本実施の形態では、計測部11は、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・における測定結果が閾値(例えば、5kg)を超えて変化した場合に、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知する。
【0038】
図5に示す例では、図5(B)の点線で囲んだ領域において、図5(A)の値に対して閾値である5kg以上の重量変化が発生している。したがって、計測部11は、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知する。
【0039】
図4の説明に戻る。ステップS13において計測部11が荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知した場合(ステップS14でYES)には、計測部11は出力部12に荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを出力し、出力部12は荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれについての情報を端末装置2や表示装置3に出力する(ステップS15)。
【0040】
図6は、出力部12が表示装置3に荷崩れの発生のおそれについての情報を出力したときの表示装置3の表示例である。表示装置3は、文字情報を表示する表示部3aを有し、表示部3aに、荷崩れの発生のおそれについての情報である「荷崩れのおそれがあります。確認してください。」という文字情報が表示される。そして、制御部10は処理を終了する。
【0041】
図4の説明に戻る。ステップS13において計測部11が荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知しなかった場合(ステップS14でNO)には、計測部11は、一定時間(例えば、30秒)待機する(ステップS16)。すなわち、計測部11は、ステップS14の処理後に一定時間が経過していない場合(ステップS16でNO)には、ステップS16の処理を繰り返し、ステップS14の処理後に一定時間が経過した場合(ステップS16でYES)には、処理をステップS11に戻して荷重センサ21から測定結果を取得する。言い換えれば、荷物監視装置1は、ステップS11~S16の処理を繰り返し連続して行う。この処理は、例えば、車両30のエンジンが停止するまで繰り返し行われる。
【0042】
以上、本実施形態によれば、荷重センサ21a1・・・を領域33a1・・・毎に1つずつ設け、荷重センサ21a1・・・での測定結果に基づいて荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれを検知するため、荷物室32に設けられた荷物の重量分布を細かく取得することができる。そして、詳細な重量分布を知ることで、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が閾値を超えて変化した場合に、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知することで、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあることを正確に検知することができる。
【0044】
例えば、荷物室の4隅等に荷重センサを設ける従来技術では、部分的な荷崩れを検知できない可能性がある、本実施の形態では、床面33全面に複数の荷重センサ21を敷きつめることで、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれの検知精度が向上する。
【0045】
また、本実施形態によれば、1辺の長さが略500mm以下の矩形形状の領域に分けて、当該領域毎に荷重センサ21を設けることで、詳細でより正確な荷物室32の重量分布を取得することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、車両30の走行開始時から一定周期で荷重センサ21から測定結果を取得して、計測部11が荷物室32の重量分布を取得することで、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあることをリアルタイムで知ることができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、出力部12が荷崩れの発生についての情報又は荷崩れの発生のおそれについての情報を表示装置3等に出力したため、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれがあることを運転手に即時に伝えることができる。
【0048】
なお、本実施形態では、計測部11は、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が閾値(例えば、5kg)を超えて変化した場合に、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知したが、荷崩れの発生がある場合と、荷崩れの発生のおそれがある場合とで閾値が異なってもよい。例えば、計測部11は、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が第1閾値(例えば、5kg)を超えて変化した場合に荷崩れの発生のおそれがあることを検知し、計測部11は、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が第2閾値(例えば、10kg)を超えて変化した場合に荷崩れが発生したことを検知してもよい。
【0049】
また、例えば、計測部11は、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が閾値を超えて変化した場合に、荷崩れの発生のおそれがあることを検知し、2より大きい数(例えば3つ)以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が閾値を超えて変化した場合に荷崩れが発生したことを検知してもよい。
【0050】
また、本実施形態では、計測部11は、2つ以上の荷重センサ21a1、21a2・・・からの測定結果が閾値を超えて変化した場合に、荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれがあることを検知したが、荷重センサ21a1、21a2・・・(領域33a1、33a2・・・)の位置に応じて閾値が異なってもよい。例えば、床面33の中央近傍に配置された領域に設けられた荷重センサ21(例えば、領域33j3、33k3とこれらに隣接する領域に設けられた荷重センサ21j3、21k3等、図2参照)の閾値を他の領域の閾値より小さくしてもよい。これにより、荷物室32の中央での荷崩れを重点的に監視する等の細密な監視設定が可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、計測部11からの取得した情報に基づいて出力部12が荷崩れの発生のおそれについての情報を表示装置3に出力したが、出力部12の出力形態はこれに限られない。例えば、出力部12は、荷崩れの発生や荷崩れの発生のおそれについての情報を図示しないスピーカ等から音声や警告音として出力してもよい。
【0052】
また、例えば、計測部11が荷崩れの発生と荷崩れの発生のおそれをそれぞれ検知した場合には、計測部11は検知結果に基づいて、荷崩れの発生についての情報又は荷崩れの発生のおそれについての情報を出力部12を介して表示装置3等に出力してもよい。このときには、例えば、計測部11が荷崩れが発生したことを検知した場合には、表示部3aには、荷崩れの発生についての情報である「荷崩れしました。至急確認してください。」という文字情報が表示される。
【0053】
また、例えば、出力部12は、計測部11から荷重値情報(図5に示すような荷物室32の重量分布)や、重量分布の変化に関する情報を取得し、荷崩れ発生についての情報又は荷崩れ発生のおそれについての情報として走行開始時や走行中の荷重値情報(図5参照)と、重量分布が変化した位置についての情報(図5(B)の点線の囲み)とを端末装置2や表示装置3に出力してもよい。例えば、出力部12は、走行開始時や走行中の荷重値情報を運行管理者等にメールを送信してもよいし、走行開始時や走行中の荷重値情報の一覧を端末装置2等に出力してもよいし、積卸の作業中に荷重値情報をリアルタイムで携帯端末等に出力してもよい。このように、本発明を用いて、様々なサービスを展開することができる。
【0054】
また、本実施形態では、計測部11が荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知し、出力部12が荷崩れの発生についての情報又は荷崩れの発生のおそれについての情報を表示装置3等に出力したが、計測部11が荷崩れの発生又は荷崩れの発生のおそれの有無を検知する処理は必須ではない。例えば、計測部11が荷物室32に設けられた荷物の重量分布を連続して計測し、出力部12が荷重値情報を連続して出力してもよい。この場合には、図5に示すような荷重値情報が端末装置2や表示装置3に表示される。
【0055】
また、本実施形態では、領域33a1・・・の大きさが略500mm四方であったが、領域33a1・・・の大きさや形状はこれに限られない。
【0056】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 :荷物監視装置
2 :端末装置
3 :表示装置
3a :表示部
10 :制御部
11 :計測部
12 :出力部
21、21a1、21a2・・・:荷重センサ
30 :車両
31 :運転室
32 :荷物室
33 :床面
33a1、33a2・・・33j3、33k3・・・:領域
50 :制御装置
52 :通信装置
54 :記憶装置
56 :CPU
58 :メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6