(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138029
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20220914BHJP
E02F 9/24 20060101ALI20220914BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
E02F9/20 H
E02F9/24 B
E02F9/16 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037799
(22)【出願日】2021-03-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】伊東 英明
(72)【発明者】
【氏名】石本 英史
(72)【発明者】
【氏名】成川 理優
(72)【発明者】
【氏名】西澤 匡士
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA04
2D003BA07
2D003CA02
2D003DA03
2D003DA04
2D015EA02
2D015GA03
2D015GB01
(57)【要約】
【課題】展開及び格納が可能な階段を備えた作業機械において遠隔操作に起因した作業機械の稼働率及び生産性の低下を抑制できる作業機械を提供する。
【解決手段】作業機械1は、パイロット油圧源41からの油圧を第1ゲートロック弁45を迂回してパイロット弁42、43に導く第2パイロットライン51と、第2パイロットライン上に設けられパイロット弁への圧油供給を許容する開位置又は当該圧油供給を遮断する閉位置に切り替えられる第2ゲートロック弁53と、遠隔操作装置100から送信された第2の遠隔操作信号に基づき第2ゲートロック弁を制御し遠隔操作装置から送信された第1の遠隔操作信号に応じてパイロット弁を制御する制御装置70とを備える。第1ゲートロック弁が閉位置の状態で、第2ゲートロック弁は、階段が格納状態の場合に制御装置による制御が可能である一方、階段が展開状態の場合に第2の遠隔操作信号に関わらず閉位置に維持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業員が搭乗する運転室と、
前記運転室に対する作業員の乗降を可能とする展開状態又は作業の障害とならない状態に格納される格納状態に切換可能な階段と、
圧油の供給により駆動する油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する油圧パイロット式の制御弁と、
パイロット油圧源を元圧として前記制御弁を駆動するパイロット圧を生成するパイロット弁と、
前記パイロット油圧源の圧油を前記パイロット弁へ導く第1パイロットラインと、
前記第1パイロットライン上に設けられ、前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を許容する開位置及び前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる第1ゲートロック弁と、
前記運転室に配置され、前記油圧アクチュエータを操作するための第1操作装置と、
前記運転室に配置され、前記第1ゲートロック弁を操作するための第1ゲートロック装置とを備え、
前記運転室から離れた場所にある遠隔操作装置によって遠隔操作が可能な作業機械において、
前記パイロット油圧源からの油圧を前記第1ゲートロック弁を迂回させて前記パイロット弁に導く第2パイロットラインと、
前記第2パイロットライン上に設けられ、前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を許容する開位置及び前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる第2ゲートロック弁と、
前記遠隔操作装置による遠隔操作を示す遠隔操作モード又は前記運転室への搭乗による操作を示す搭乗操作モードのいずれかの操作位置に作業員の手動により切り替えられる操作モード切替器と、
前記第2パイロットライン上に設けられ、前記操作モード切替器の切替操作によって、前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を許容する開位置及び前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる切替弁と、
前記油圧アクチュエータを遠隔操作するための第1の遠隔操作信号を出力する第2操作装置及び前記第2操作装置による遠隔操作の有効又は無効を指示する第2の遠隔操作信号を出力する第2ゲートロック装置を備えた前記遠隔操作装置によって送信された第2の遠隔操作信号に基づき前記第2ゲートロック弁を開位置又は閉位置のいずれかに制御すると共に、前記遠隔操作装置によって送信された第1の遠隔操作信号に応じて前記パイロット弁の開度を制御する制御装置とを備え、
前記第1ゲートロック弁が閉位置に切り替わっている状態で、前記第2ゲートロック弁は、前記階段が格納状態である場合には前記制御装置による制御が可能である一方、前記階段が展開状態である場合には前記第2の遠隔操作信号に関わらず閉位置に維持される
ことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において、
前記第2ゲートロック弁に対して前記制御装置の制御信号を出力するための信号回路を接続状態又は遮断状態に切り替える信号回路切替装置と、
前記階段の格納状態を検出する検出装置とを更に備え、
前記第2ゲートロック弁は、前記信号回路が遮断状態である場合には閉位置となるように構成され、
前記信号回路切替装置は、前記検出装置が前記階段の格納状態を検出している場合には前記信号回路を接続状態にする一方、前記検出装置が前記階段の格納状態を検出していない場合には前記信号回路を遮断状態にするように構成されている
ことを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械において、
前記階段の格納状態を検出する検出装置を更に備え、
前記制御装置は、
前記検出装置の検出結果に基づき前記階段が格納状態であるか展開状態であるかを判定し、
前記階段が格納状態であると判定した場合には、前記第2の遠隔操作信号に応じて前記第2ゲートロック弁を閉位置又は開位置に制御し、
前記階段が展開状態であると判定した場合には、前記第2の遠隔操作信号を無視して前記第2ゲートロック弁を閉位置に制御する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械において、
前記操作モード切替器の操作位置を検出する操作モード検出器を更に備え、
前記制御装置は、前記操作モード検出器の検出結果に基づき前記操作モード切替器の操作位置が遠隔操作モードであると判定した場合であっても、前記第1ゲートロック装置の切替操作が検出された場合には、前記第2の遠隔操作信号を無視して前記第2ゲートロック弁を閉位置に切り替える
ことを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に係り、更に詳しくは、遠隔操作が可能な作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルやブルドーザなどの作業機械の分野では、近年、遠隔操作による無人化が開発項目になっている。作業機械の遠隔操作を行うには、先ず作業員が作業機械に搭乗して遠隔操作を可能とする装置を起動させる必要がある。当該装置は、例えば、遠隔操作装置からの遠隔操作信号を受信する通信装置や当該遠隔操作信号に応じて制御する制御装置である。
【0003】
ところで、鉱山などで使用される大型の油圧ショベルでは、油圧ショベルに搭乗するための階段を備えている。この階段は、油圧ショベルの稼働中に作業の障害になることや地面に接触することなどを防止するため、展開及び格納が可能な構造となっている。そのため、作業員は、油圧ショベルの乗降の際に格納状態の階段を展開させる必要がある。
【0004】
展開及び格納が可能な階段(以下、格納階段)を備えた油圧ショベルを遠隔操作する場合、作業員は、先ず、展開させた格納階段を利用して油圧ショベルに搭乗し、油圧ショベルの通信装置や制御装置を起動させる。その後、展開状態の格納階段を利用して降機し、展開状態の格納階段を格納する。このように、大型油圧ショベルの遠隔操作を開始するには、作業員は上述の一連の作業を行う必要がある。
【0005】
格納階段を備えた油圧ショベルの遠隔操作に関する公知技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の作業機械では、昇降ラダー(格納階段)の昇降状態に応じた周辺監視を行うために、遠隔操作室のモニタの表示が、昇降ラダーが格納配置の場合には昇降ラダーを撮像範囲に含むカメラ画像に切り替えられる一方、昇降ラダーが使用配置の場合には油圧ショベル後方のカメラ画像に切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の作業機械においては、昇降ラダーが使用配置の場合には遠隔操作室のモニタに昇降ラダー(格納階段)の周辺が表示される。そのため、遠隔操作室の操作者は昇降ラダーの周辺状況を把握することが可能である。しかし、当該操作者が展開状態の昇降ラダーを見落とすことも考えられる。このような状況で油圧ショベルを遠隔操作すると、油圧ショベルは昇降ラダーが展開状態のまま作業動作や走行動作を行ってしまう。昇降ラダーが展開状態である場合、油圧ショベルに作業者が搭乗している可能性がある。油圧ショベルに搭乗している作業員は、昇降ラダーが展開状態であっても油圧ショベルの遠隔操作により降機することができず、必要な作業を行うことができない。したがって、油圧ショベルの稼働率や現場の生産性が低下してしまう。
【0008】
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、その目的は、展開及び格納が可能な階段を備えた作業機械において遠隔操作に起因した作業機械の稼働率及び生産性の低下を抑制することができる作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、作業員が搭乗する運転室と、前記運転室に対する作業員の乗降を可能とする展開状態又は作業の障害とならない状態に格納される格納状態に切換可能な階段と、圧油の供給により駆動する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する油圧パイロット式の制御弁と、パイロット油圧源を元圧として前記制御弁を駆動するパイロット圧を生成するパイロット弁と、前記パイロット油圧源の圧油を前記パイロット弁へ導く第1パイロットラインと、前記第1パイロットライン上に設けられ、前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を許容する開位置及び前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる第1ゲートロック弁と、前記運転室に配置され、前記油圧アクチュエータを操作するための第1操作装置と、前記運転室に配置され、前記第1ゲートロック弁を操作するための第1ゲートロック装置とを備え、前記運転室から離れた場所にある遠隔操作装置によって遠隔操作が可能な作業機械において、前記パイロット油圧源からの油圧を前記第1ゲートロック弁を迂回させて前記パイロット弁に導く第2パイロットラインと、前記第2パイロットライン上に設けられ、前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を許容する開位置及び前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる第2ゲートロック弁と、前記遠隔操作装置による遠隔操作を示す遠隔操作モード又は前記運転室への搭乗による操作を示す搭乗操作モードのいずれかの操作位置に作業員の手動により切り替えられる操作モード切替器と、前記第2パイロットライン上に設けられ、前記操作モード切替器の切替操作によって、前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を許容する開位置及び前記パイロット油圧源から前記パイロット弁への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる切替弁と、前記油圧アクチュエータを遠隔操作するための第1の遠隔操作信号を出力する第2操作装置及び前記第2操作装置による遠隔操作の有効又は無効を指示する第2の遠隔操作信号を出力する第2ゲートロック装置を備えた前記遠隔操作装置によって送信された第2の遠隔操作信号に基づき前記第2ゲートロック弁を開位置又は閉位置のいずれかに制御すると共に、前記遠隔操作装置によって送信された第1の遠隔操作信号に応じて前記パイロット弁の開度を制御する制御装置とを備え、前記第1ゲートロック弁が閉位置に切り替わっている状態で、前記第2ゲートロック弁は、前記階段が格納状態である場合には前記制御装置による制御が可能である一方、前記階段が展開状態である場合には前記第2の遠隔操作信号に関わらず閉位置に維持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、階段が展開状態である場合に第2ゲートロック弁を閉位置に維持することで、階段が展開状態のときには遠隔操作装置による油圧アクチュエータの遠隔操作が不能となり、階段が格納状態である場合に限って遠隔操作装置による遠隔操作が許容される。これにより、階段が展開状態のときに遠隔操作により作業機械が動き出して作業員が降機できなくなることを防止することができる。したがって、展開及び格納が可能な階段を備えた作業機械において遠隔操作に起因した作業機械の稼働率及び生産性の低下を抑制することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の作業機械の第1の実施の形態としての油圧ショベルを示す概略図である。
【
図2】本発明の作業機械の第1の実施の形態における油圧システムを示す概略図である。
【
図3】
図2に示す本発明の作業機械の第1の実施の形態の一部を構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示す制御装置における第2ゲートロック弁指令設定部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例における油圧システムを示す概略図である。
【
図6】
図5に示す本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例の一部を構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図6に示す制御装置における第2ゲートロック弁指令設定部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の作業機械の第2の実施の形態における油圧システムを示す概略図である。
【
図9】
図8に示す本発明の作業機械の第2の実施の形態の一部を構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図10】
図9に示す制御装置における第2ゲートロック弁指令設定部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の作業機械の実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、作業機械の一例として大型の油圧ショベルを例に挙げて説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の作業機械の第1の実施の形態としての油圧ショベルの概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は本発明の作業機械の第1の実施の形態としての油圧ショベルを示す概略図である。ここでは、運転席に着座した作業員から見た方向を用いて説明する。
【0014】
図1において、作業機械としての油圧ショベル1は、掘削作業等を行うためのフロント作業装置2と、フロント作業装置2が回動可能に取り付けられた機体3とを備えている。機体3は、自走可能な下部走行体4と、下部走行体4上に旋回可能に搭載された上部旋回体5とで構成されている。油圧ショベル1は、油圧ショベル1から離れた場所にある後述の遠隔操作装置100(後述の
図2参照)によって遠隔操作が可能に構成されている。
【0015】
フロント作業装置2は、掘削作業等を行うための複数の被駆動部材を垂直方向に回動可能に連結することで構成された多関節型の作業装置である。複数の被駆動部材は、例えば、ブーム11、アーム12、作業具としてのバケット13で構成されている。ブーム11の基端部は、上部旋回体5の前部に回動可能に支持されている。ブーム11の先端部には、アーム12の基端部が回動可能に支持されている。アーム12の先端部には、バケット13が回動可能に支持されている。ブーム11、アーム12、バケット13はそれぞれ、油圧アクチュエータであるブームシリンダ15、アームシリンダ16、バケットシリンダ17によって駆動される。
【0016】
下部走行体4は、例えば、左右にクローラ式の走行装置19(左側のみ図示)を備えている。走行装置19は、油圧アクチュエータである走行油圧モータ19aによって駆動する。
【0017】
上部旋回体5は、例えば、油圧アクチュエータである旋回油圧モータ(図示せず)によって下部走行体4に対して旋回駆動されるように構成されている。上部旋回体5は、作業員が搭乗する運転室21と、各種機器を収容する建屋22と、建屋22の後端部に取り付けられたカウンタウェイト23とを備えている。カウンタウェイト23は、フロント作業装置2との重量バランスをとるためのものである。運転室21には、後述の操作装置31及びゲートロック装置32(後述の
図2参照)などが配置されている。建屋22には、フロント作業装置2や機体3(下部走行体4及び上部旋回体5)を動作させる油圧システム30の各種機器(後述の
図2参照)などが収容されている。油圧システム30の構成の詳細は後述する。
【0018】
上部旋回体5の後側には、作業員が油圧ショベル1に乗降するための階段25が設置されている。階段25は、油圧ショベル1の下端部の位置から運転室21の高さの位置まで延びて運転室21に対する作業員の乗降を可能とする展開状態(
図1に示す状態)と、油圧ショベル1の作業の障害とならない状態に格納される格納状態(図示せず)とに切換可能に構成されている。上部旋回体5の建屋22には、階段25を展開状態又は格納状態のいずれかに切り換える階段操作スイッチ26が配置されている。階段25は、階段操作スイッチ26による切替操作に加えて、リモコン装置(図示せず)によって展開状態又は格納状態に切り替えられるように構成されている。
【0019】
次に、本発明の作業機械の第1の実施の形態における油圧システムの構成について
図2を用いて説明する。
図2は本発明の作業機械の第1の実施の形態における油圧システムを示す概略図である。なお、
図2では、説明の煩雑さを避けるため、複数の油圧アクチュエータのうち1つの油圧アクチュエータのみを駆動する油圧システムが示されている。
【0020】
図2において、油圧システム30は、運転室21内に配置された操作装置31及びゲートロック装置32の操作に応じて各種の油圧アクチュエータの駆動を制御するように構成されている。さらに、油圧システム30は、遠隔操作装置100から送信される遠隔操作信号に応じて各種の油圧アクチュエータの駆動を制御するように構成されている。
【0021】
操作装置31は、操作員の操作により各種の油圧アクチュエータの駆動を指示するものである。操作装置31は、例えば、傾倒可能な操作レバーを有しており、操作レバーの操作量を検出し検出した操作量に応じた電気信号を出力する電気式の操作レバー装置である。電気式の操作装置31は、信号ラインを介して制御装置70に電気的に接続されており、操作(操作方向や操作量)に応じた操作信号(電気信号)を制御装置70へ出力する。
【0022】
ゲートロック装置32は、操作装置31の指示の有効又は無効のいずれかを指示するものである。ゲートロック装置32は、運転室21の乗降口を開放するロック位置又は運転室21の乗降口を遮断するロック解除位置に操作可能なゲートロックレバー32aと、ゲートロックレバー32aの操作に連動して信号回路の開閉を切り替えるゲートロックスイッチ32bとを有している。ゲートロック装置32は、信号ラインを介して制御装置70に電気的に接続されており、ゲートロックレバー32aの操作位置(ロック位置又はロック解除位置)に応じた指示(操作信号)を制御装置70へ出力する。ゲートロック装置32は、例えば、ゲートロックレバー32aがロック位置に操作されている場合、ゲートロックスイッチ32bが開状態(オフ)となり、操作装置31の指示を無効にする指示(オフ信号)を制御装置70に出力する。一方、ゲートロックレバー32aがロック解除位置に操作されている場合、ゲートロックスイッチ32bが閉状態(オン)となり、操作装置31の指示を有効にする指示(オン信号)を制御装置70に出力する。ゲートロック装置32は、後述の第1ゲートロック弁45を操作するための操作装置である。
【0023】
遠隔操作装置100は、上述の操作装置31及びゲートロック装置32と同様な機能を有する遠隔操作用操作レバー101及び遠隔操作用ゲートロックレバー102を備えている。すなわち、遠隔操作用操作レバー101は、各種の油圧アクチュエータを操作員の操作に応じて遠隔操作するためのものである。遠隔操作用操作レバー101は、信号ラインを介して無線通信装置103に電気的に接続されており、操作方向や操作量に応じた第1の遠隔操作信号を無線通信装置103へ出力する。遠隔操作用ゲートロックレバー102は、ロック位置又はロック解除位置のいずれかの操作位置に操作可能であり、操作位置に応じて遠隔操作用操作レバー101による遠隔操作の無効又は有効のいずれかを指示するものである。遠隔操作用ゲートロックレバー102は、信号ラインを介して無線通信装置103に電気的に接続されており、ロック位置又はロック解除位置のいずれかの操作位置に応じた第2の遠隔操作信号を無線通信装置103へ出力する。遠隔操作用ゲートロックレバー102は、ロック位置に操作されている場合には遠隔操作の無効を指示する第2の遠隔操作信号(ロック信号)を出力する一方、ロック解除位置に操作されている場合には遠隔操作の有効を指示する第2の遠隔操作信号(ロック解除信号)を出力する。無線通信装置103は、遠隔操作を行う油圧ショベル1に対して、遠隔操作用操作レバー101の第1の遠隔操作信号及び遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号を含む遠隔操作信号を送信するものである。
【0024】
油圧システム30は、遠隔操作装置100の無線通信装置103から送信された遠隔操作信号を受信する無線通信装置80を備えている。無線通信装置80は、信号ラインを介して制御装置70に電気的に接続されており、受信した遠隔操作装置100からの遠隔操作信号を制御装置70へ出力する。
【0025】
油圧システム30は、油圧源としてのメインポンプ34と、メインポンプ34からの圧油の供給により駆動する各種の油圧アクチュエータ(
図2では、図示せず)と、メインポンプ34から油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する制御弁36(1つのみ図示)とを備えている。油圧アクチュエータは、例えば、ブームシリンダ15、アームシリンダ16、バケットシリンダ17、走行油圧モータ19a(共に
図1参照)、旋回油圧モータ(図示せず)などである。制御弁36は、油圧パイロット式のものであり、受圧部に作用するパイロット圧の大きさに応じて駆動が制御されるものである。
【0026】
油圧システム30は、パイロット油圧源であるパイロットポンプ41と、パイロットポンプ41の吐出圧を元圧としてパイロット圧を生成するパイロット弁42、43とを備えている。パイロットポンプ41とパイロット弁42、43は第1パイロットライン44を介して接続されており、第1パイロットライン44はパイロットポンプ41から吐出された圧油をパイロット弁42、43に導くものである。パイロット弁42、43は、例えば、電磁比例弁であり、励磁コイル42a、43aを有している。パイロット弁42、43は、励磁コイル42a、43aが信号ラインを介して制御装置70と電気的に接続されており、制御装置70からの制御信号(励磁電流)により開度が制御される。パイロット弁42、43は、パイロットポンプ41の吐出圧を操作装置31の操作(操作方向及び操作量)に応じて減圧してパイロット圧を生成し、生成したパイロット圧を制御弁36の受圧部に出力するものである。
【0027】
第1パイロットライン44上には、第1パイロットライン44を連通状態又は遮断状態のいずれかに切り替える第1ゲートロック弁45が設けられている。換言すると、第1ゲートロック弁45は、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)から第1パイロットライン44を介したパイロット弁42、43への圧油の供給を許容する開位置及びパイロットポンプ41から第1パイロットライン44を介したパイロット弁42、43への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられるものである。第1ゲートロック弁45は、ゲートロック装置32のゲートロックレバー32aがロック位置に操作されている場合には第1パイロットライン44を遮断状態にする閉位置に切り替えられる一方、ゲートロックレバー32aがロック解除位置に操作されている場合には第1パイロットライン44を連通状態にする開位置に切り替えられるものである。第1ゲートロック弁45は、例えば、電磁弁であり、励磁コイル45aを有している。第1ゲートロック弁45は、励磁コイル45aが信号ラインを介して制御装置70と電気的に接続されており、制御装置70の制御信号(励磁電流)に応じて開位置又は閉位置に切り替えられる。第1ゲートロック弁45は、例えば、常時閉の弁である。
【0028】
第1パイロットライン44上における第1ゲートロック弁45よりも上流側の部分には、第1チェック弁46が設けられている。第1チェック弁46は、パイロットポンプ41から第1ゲートロック弁45への圧油の流れを許容する一方、第1ゲートロック弁45からパイロットポンプ41への圧油の流れを阻止するものである。
【0029】
第1パイロットライン44上における第1チェック弁46よりも上流側の部分から、パイロットリリーフライン47が分岐している。パイロットリリーフライン47は、パイロットポンプ41からの圧油を作動油タンク38に導くものである。パイロットリリーフライン47上には、パイロットリリーフ弁48が設けられている。パイロットリリーフ弁48は、パイロット弁42、43に入力されるパイロットポンプ41の吐出圧を略一定の所定値に維持するための弁である。パイロットリリーフ弁48は、第1パイロットライン44の圧力が予め定めた所定値(リリーフ設定圧)を超えると開弁し、第1パイロットライン44の圧油をパイロットリリーフライン47を介して作動油タンク38に逃がすものである。
【0030】
油圧システム30は、さらに、遠隔操作装置100による遠隔操作のための油圧回路として、パイロットポンプ41からの圧油を第1ゲートロック弁45を迂回させてパイロット弁42、43に導く第2パイロットライン51と、第2パイロットライン51上に設けられた操作モード切替弁52及び第2ゲートロック弁53とを備えている。第2パイロットライン51は、一方側が第1パイロットライン44における第1チェック弁46よりも上流側の部分に接続されていると共に、他方側が第1パイロットライン44における第1ゲートロック弁45とパイロット弁42、43との間の部分に接続されている。操作モード切替弁52は、第2ゲートロック弁53よりも上流側に配置されている。第2パイロットライン51上における操作モード切替弁52の上流側の部分には、第2チェック弁54が設けられている。第2チェック弁54は、パイロットポンプ41から操作モード切替弁52への圧油の流れを許容する一方、操作モード切替弁52からパイロットポンプ41への圧油の流れを阻止するものである。
【0031】
操作モード切替弁52は、遠隔操作装置100による油圧ショベル1(油圧システム30)の遠隔操作を許容又は不能のいずれかに切り替えるものである。操作モード切替弁52は、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)から第2パイロットライン51を介したパイロット弁42、43への圧油の供給を許容する開位置及びパイロットポンプ41から第2パイロットライン51を介したパイロット弁42、43への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられるように構成されている。詳細には、操作モード切替弁52の開位置は、操作モード切替弁52の上流側の第2パイロットライン51と下流側の第2パイロットライン51を連通させるものである。操作モード切替弁52の閉位置は、操作モード切替弁52の上流側の第2パイロットライン51を遮断し、操作モード切替弁52の下流側の第2パイロットライン51を作動油タンク38に連通させるものである。
【0032】
また、操作モード切替弁52は、操作員の手動操作により閉位置又は開位置に切り替えられるように構成されており、作業員が手動により切替操作する操作部52aを有している。操作部52aは、例えば、建屋22における階段操作スイッチ26の近傍に配置されている(
図1参照)。操作部52aは、遠隔操作装置100による遠隔操作を示す遠隔操作モード又は運転室21への搭乗による操作(遠隔操作装置100による遠隔操作の不能)を示す搭乗操作モードのいずれかの操作位置に作業員の手動により切り替えられる操作モード切替器として機能する。操作モード切替弁52は、操作モード切替器としての操作部52aが搭乗操作モードに切り替えられたときには、操作部52aの切替操作に連動して閉位置に切り替えられる一方、操作部52aが遠隔操作モードに切り替えられたときには、操作部52aの切替操作に連動して開位置に切り替えられる。
【0033】
第2ゲートロック弁53は、基本的には、遠隔操作装置100の遠隔操作用ゲートロックレバー102の操作位置(第2の遠隔操作信号)に応じて開閉制御されるものである。第2ゲートロック弁53は、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)から第2パイロットライン51を介したパイロット弁42、43への圧油の供給を許容する開位置及びパイロットポンプ41から第2パイロットライン51を介したパイロット弁42、43への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられるように構成されている。詳細には、第2ゲートロック弁53の開位置は、第2ゲートロック弁53の上流側の第2パイロットライン51と下流側の第2パイロットライン51を連通させるものである。第2ゲートロック弁53の閉位置は、第2ゲートロック弁53の上流側の第2パイロットライン51を遮断し、第2ゲートロック弁53の下流側の第2パイロットライン51を作動油タンク38に連通させるものである。第2ゲートロック弁53は、通常、遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック位置に操作されている場合には、閉位置に切り替えられる一方、遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置に操作されている場合には、開位置に切り替えられるものである。第2ゲートロック弁53は、例えば、電磁弁であり、励磁コイル53aを有している。第2ゲートロック弁53は、励磁コイル53aに対する制御装置70の制御信号(励磁電流)に応じて閉位置又は開位置に切り替えられるように構成されている。第2ゲートロック弁53は、例えば、常時閉の弁である。第2ゲートロック弁53の励磁コイル53aは、一方側が信号ライン56を介して制御装置70と電気的に接続されていると共に、他方側が信号ライン57及び信号回路切替装置60を介してグランド(地絡)58に電気的に接続されている。すなわち、第2ゲートロック弁53の励磁コイル53aに対して制御装置70の制御信号を出力するための信号回路は、信号ライン56、信号ライン57、信号回路切替装置60、グランド58(地絡)によって構成されている。
【0034】
信号回路切替装置60は、第2ゲートロック弁53を制御するための信号回路を接続状態又は遮断状態のいずれかに切り替えるものである。信号回路切替装置60は、階段25が展開状態である場合には当該信号回路を遮断状態にする一方、階段25が格納状態である場合には当該信号回路を接続状態にするように構成されている。
【0035】
信号回路切替装置60は、例えば、リレーである。信号回路切替装置としてのリレー60は、第1固定接点61及び第2固定接点62と、第1固定接点61及び第2固定接点62のいずれか一方に接触するように駆動する可動接点63と、可動接点63を駆動させるリレーコイル64と、リレーコイル64に並列に接続されたダイオード65とを有している。ダイオード65は、リレーコイル64が通電により励磁されたときに生じる逆起電力を逃がすものである。
【0036】
第1固定接点61側は電気的に開放されている一方、第2固定接点62側はグランド58に電気的に接続されている。可動接点63は、信号ライン57を介して第2ゲートロック弁53の励磁コイル53aと電気的に接続されている。リレーコイル64は、一方側がグランド58に接続されていると共に、他方側が信号ライン66を介して階段格納検出装置67と電気的に接続されている。
【0037】
階段格納検出装置67は、階段25の格納状態を検出するものであり、検出信号を信号回路切替装置としてのリレー60に対して出力する。階段格納検出装置67は、例えば、階段25が格納状態を検出したときにオンに切り替わる一方、階段25が格納状態を検出していない(展開状態を検出している)ときにはオフに切り替わるスイッチとして構成されている。つまり、階段格納検出装置67は、階段25の格納状態又は展開状態に応じてリレーコイル64の通電又は非通電を切り替えるスイッチとして機能する。この階段格納検出装置67は、階段25の格納状態を検出したときに限ってリレーコイル64に通電するものである。
【0038】
リレー60は、例えば、常開型のものであり、リレーコイル64の通電により可動接点63の接触を第1固定接点61から第2固定接点62に切り換えるように構成されている。すなわち、リレー60は、階段25が展開状態である場合には、階段格納検出装置67(スイッチのオフ)によるリレーコイル64の非通電によって第2ゲートロック弁53用の信号回路を遮断状態にする一方、階段25が格納状態である場合には、階段格納検出装置67(スイッチのオン)によるリレーコイル64の通電によって当該信号回路を接続状態にする。換言すると、リレー60は、階段25が展開状態である場合には制御装置70(遠隔操作用ゲートロックレバー102)による第2ゲートロック弁53の開閉制御を不能とする一方、階段25が格納状態である場合には制御装置70(遠隔操作用ゲートロックレバー102)による第2ゲートロック弁53の開閉制御を許容するものである。
【0039】
制御装置70は、操作装置31の操作(操作方向及び操作量)に応じてパイロット弁42、43の開度を制御すると共に、ゲートロック装置32の操作(ロック位置又はロック解除位置)に応じて第1ゲートロック弁45の開閉を制御するように構成されている。さらに、制御装置70は、遠隔操作装置100の遠隔操作用操作レバー101の操作(操作方向及び操作量)に応じてパイロット弁42、43の開度を制御すると共に、遠隔操作用ゲートロックレバー102の操作(ロック位置又はロック解除位置)に応じて第2ゲートロック弁53の開閉を制御するように構成されている。制御装置70には、遠隔操作用操作レバー101の第1の遠隔操作信号及び遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号を含む遠隔操作信号が無線通信装置80を介して入力される。
【0040】
次に、本発明の作業機械の第1の実施の形態の一部を構成する制御装置の機能について
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は
図2に示す本発明の作業機械の第1の実施の形態の一部を構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図4は
図3に示す制御装置における第2ゲートロック弁指令設定部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図3において、制御装置70は、ハード構成として例えば、RAMやROM等からなる記憶装置71と、CPUやMPU等からなる処理装置72とを備えている。記憶装置71は、油圧ショベル1の動作制御に必要なプラグラムや各種情報が予め記憶されている。処理装置72は、記憶装置71からプログラムや各種情報を適宜読み込み、当該プログラムに従って処理を実行することで以下の機能を含む各種機能を実現する。
【0042】
制御装置70は、処理装置72により実行される機能として、第1ゲートロック弁制御部74、パイロット弁制御部75、第2ゲートロック弁指令設定部76、第2ゲートロック弁制御部77を有している。
【0043】
第1ゲートロック弁制御部74は、ゲートロックレバー32aの操作位置(ロック位置又はロック解除位置)に応じてゲートロック装置32から出力される操作信号(ゲートロックスイッチ32bのオフ信号又はオン信号)に基づき第1ゲートロック弁45に対する指令を閉位置又は開位置のいずれかに設定し、設定した指令(閉位置又は開位置)に応じた制御信号(励磁電流)を第1ゲートロック弁45(励磁コイル45a)へ出力するものである。第1ゲートロック弁制御部74は、ゲートロックレバー32aの操作位置がロック位置にある場合(操作信号がゲートロックスイッチ32bのオフ信号である場合)には、第1ゲートロック弁45に対する指令を開位置に設定する一方、当該操作位置がロック解除位置にある場合(操作信号がゲートロックスイッチ32bのオン信号である場合)には、当該指令を閉位置に設定する。
【0044】
パイロット弁制御部75は、操作装置31から出力される操作信号(操作方向や操作量)に基づき各パイロット弁42、43の開度(駆動)の指令を設定するものである。また、パイロット弁制御部75は、無線通信装置80から出力される遠隔操作用操作レバー101の第1の遠隔操作信号(操作方向や操作量)に基づき各パイロット弁42、43の開度(駆動)の指令を設定するものである。パイロット弁制御部75は、設定した指令に応じた制御信号(励磁電流)を各パイロット弁42、43(励磁コイル42a,43a)へ出力する。
【0045】
第2ゲートロック弁指令設定部76は、無線通信装置80から出力される遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号(ロック位置又はロック解除位置)に基づき第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置又は閉位置のいずれかに設定するものである。具体的には、第2ゲートロック弁指令設定部76は、例えば、
図4に示すフローチャートに従って当該指令の設定を行う。第2ゲートロック弁指令設定部76は、先ず、無線通信装置80から出力された遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号に基づき遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置にあるか否かを判定する(
図4に示すステップS10)。ステップS10において遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置にある(YES)と判定した場合には、第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置に設定する(
図4に示すステップS20)。一方、ステップS10において遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック位置にある(NO)と判定した場合には、当該指令を閉位置に設定する(
図4に示すステップS30)。
【0046】
図3に戻り、第2ゲートロック弁制御部77は、第2ゲートロック弁指令設定部76により設定された指令(開位置又は閉位置)に応じた制御信号(励磁電流)を第2ゲートロック弁53(励磁コイル53a)へ出力するものである。
【0047】
次に、本発明の作業機械の第1の実施の形態の動作及び効果について
図1~
図3を用いて説明する。まず、作業員が油圧ショベル1の運転室21に搭乗して操作する場合について説明する。
【0048】
作業員は、
図1に示す油圧ショベル1に対して展開状態の階段25を利用して搭乗し、階段操作スイッチ26を操作して階段25を格納する。このとき、操作モード切替器としての操作モード切替弁52の操作部52aを搭乗操作モードにしておく。このため、
図2に示す操作モード切替弁52は、操作部52aの搭乗操作モードの操作位置に対応した閉位置となっている。これにより、パイロットポンプ41から第2パイロットライン51を介したパイロット弁42、43への圧油の供給が遮断されるので、遠隔操作装置100による遠隔操作が不能となっている。
【0049】
次に、作業員は、運転室21内のゲートロック装置32のゲートロックレバー32aをロック位置からロック解除位置に操作して着座する。ゲートロックレバー32aがロック解除位置に操作されると、ゲートロックスイッチ32bが開状態から閉状態へ切り替えられる。これにより、ゲートロック装置32からのオン信号(操作装置31の指示を有効にする指示)が制御装置70に入力される。
図3に示す制御装置70(第1ゲートロック弁制御部74)は、ゲートロック装置32からのオン信号に基づき第1ゲートロック弁45に対して開位置の指令を設定し、設定した開位置の指令に応じた制御信号(励磁電流)を第1ゲートロック弁45に対して出力する。
【0050】
これにより、
図2に示す油圧システム30における常時閉の第1ゲートロック弁45が開位置に切り替わり、第1パイロットライン44が連通状態になる。この場合、パイロットポンプ41からの圧油は、第1パイロットライン44上の第1チェック弁46及び開位置の第1ゲートロック弁45を介してパイロット弁42、43に供給され、パイロットポンプ41の吐出圧がパイロット弁42、43に入力される。
【0051】
この状態において操作装置31が作業員により操作されると、操作装置31は操作方向や操作量に応じた操作信号(油圧アクチュエータの駆動の指示)を制御装置70へ出力する。
図3に示す制御装置70(パイロット弁制御部75)は、操作装置31からの操作信号に基づき各パイロット弁42、43の開度の指令を設定し、設定した指令に応じた制御信号(励磁電流)を各パイロット弁42、43に対して出力する。
【0052】
これにより、
図2に示す各パイロット弁42、43の開度が制御され、各パイロット弁42、43は制御された開度に応じてパイロットポンプ41の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成する。パイロット弁42、43によって生成されたパイロット圧が制御弁36の受圧部に作用し、パイロット圧に応じて制御弁36の駆動が制御される。これにより、メインポンプ34からの圧油が制御弁36を介して油圧アクチュエータ(
図1に示すブームシリンダ15、アームシリンダ16、バケットシリンダ17、走行油圧モータ19a、又は、旋回油圧モータ(図示せず)など)に供給されることで、油圧アクチュエータの駆動が制御される。
【0053】
次に、油圧ショベルを遠隔操作する場合について説明する。
【0054】
図2に示す遠隔操作装置100により油圧ショベル1を遠隔操作するためには、制御装置70及び無線通信装置80の電源をオンにする必要がある。さらに、操作モード切替器としての操作モード切替弁52の操作部52aを搭乗操作モードから遠隔操作モードに切り替える必要がある。
【0055】
そこで、作業員は、
図1に示す油圧ショベル1に対して展開状態の階段25を利用して搭乗し、建屋22に配置された操作モード切替弁52の操作部52aを手動操作により搭乗操作モードから遠隔操作モードへ切り替えると共に、
図2に示す制御装置70及び無線通信装置80の電源をオンにする。それから、階段25を利用して降機した後、リモコン操作によって階段25を格納する。なお、本実施の形態においては、第1ゲートロック弁45が閉位置であることが油圧ショベル1の遠隔操作が開始される条件の1つである場合について説明する。そのため、作業員が降機の際には、第1ゲートロック弁45は閉位置にある。
【0056】
操作モード切替弁52の操作部52aの遠隔操作モードへの切替によって、操作モード切替弁52が遠隔操作モードの操作位置に対応した開位置に切り替わる。これにより、操作モード切替弁52の上流側と下流側の第2パイロットライン51が連通状態になる。
【0057】
また、階段25の格納によって、階段格納検出装置67が階段25の格納状態を検出し、階段25の格納状態に応じた検出信号(励磁電流)をリレー60のリレーコイル64へ出力する。これにより、リレー60の可動接点63の接触が第1固定接点61から第2固定接点62に切り替わる。このリレー60の駆動により、第2ゲートロック弁53を制御するための信号回路(信号ライン56、信号ライン57、励磁コイル53a、リレー60、グランド58)が遮断状態から接続状態へと切り替えられる。すなわち、階段25の格納により、制御装置70による第2ゲートロック弁53の開閉制御が可能な状態に切り替わる。
【0058】
その後、遠隔操作装置100の遠隔操作用ゲートロックレバー102が操作員によってロック位置からロック解除位置に切り替えられると、遠隔操作装置100の無線通信装置103が遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号(ロック解除信号)を送信する。当該無線通信装置103から送信された遠隔操作用ゲートロックレバー102のロック解除信号(第2の遠隔操作信号)は、油圧ショベル1の無線通信装置80により受信される。
【0059】
無線通信装置80は、受信した遠隔操作用ゲートロックレバー102のロック解除信号を制御装置70へ出力する。
図3に示す制御装置70(第2ゲートロック弁指令設定部76)は、無線通信装置80からの遠隔操作用ゲートロックレバー102のロック解除信号(第2の遠隔操作信号)に基づき第2ゲートロック弁53に対して開位置の指令を設定する。
【0060】
このとき、上述したように、
図2に示すリレー60が階段25の格納により作動することで、第2ゲートロック弁53用の信号回路が接続状態となり、制御装置70による第2ゲートロック弁53の開閉制御が可能な状態になっている。したがって、
図3に示す制御装置70(第2ゲートロック弁制御部77)は、第2ゲートロック弁指令設定部76により設定された開位置の指令に応じた制御信号(励磁電流)を第2ゲートロック弁53へ出力することができる。これにより、常時閉の第2ゲートロック弁53が開位置へと切り替えられる。
【0061】
操作モード切替弁52の開位置への切替及び第2ゲートロック弁53の開位置への切替によって、第2パイロットライン51が連通状態となる。この場合、第1ゲートロック弁45が閉位置であっても、パイロットポンプ41からの圧油が第2パイロットライン51上の第2チェック弁54、開位置の操作モード切替弁52、開位置の第2ゲートロック弁53を介してパイロット弁42、43に供給され、パイロットポンプ41の吐出圧がパイロット弁42、43に入力される。
【0062】
この状態において遠隔操作装置100の遠隔操作用操作レバー101が操作員により操作されると、油圧ショベル1の無線通信装置80は、遠隔操作装置100の無線通信装置103から送信された遠隔操作用操作レバー101の第1の遠隔操作信号(操作方向や操作量)を受信して制御装置70へ出力する。
図3に示す制御装置70(パイロット弁制御部75)は、無線通信装置80からの遠隔操作用操作レバー101の第1の遠隔操作信号に基づき各パイロット弁42、43の開度の指令を設定し、設定した指令に応じた制御信号(励磁電流)を各パイロット弁42、43に対して出力する。
【0063】
これにより、
図2に示す各パイロット弁42、43の開度が制御される。このとき、上述したように、各パイロット弁42、43には第2パイロットライン51を介してパイロットポンプ41の吐出圧が入力されている。したがって、各パイロット弁42、43は制御された開度に応じてパイロットポンプ41の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成することができる。パイロット弁42、43によって生成されたパイロット圧は制御弁36の受圧部に作用し、パイロット圧に応じて制御弁36の駆動が制御される。これにより、メインポンプ34からの圧油が制御弁36を介して油圧アクチュエータに供給されることで、油圧アクチュエータの駆動が制御される。
【0064】
このように、操作モード切替器としての操作モード切替弁52の操作部52aを手動操作により遠隔操作モードに切り替えることを前提として、階段25が格納状態であるときには、遠隔操作装置100による遠隔操作によって油圧ショベル1を作動させることができる。
【0065】
ところで、作業員が展開状態の階段25を利用して油圧ショベル1に搭乗し操作モード切替弁52の操作部52aを遠隔操作モードに切り替えたが降機する前に、別の操作員が遠隔操作装置100を操作してしまった場合を想定する。この場合、階段25が展開状態のままである。このため、階段格納検出装置67は、階段25の展開状態を検出し、階段25の展開状態に応じた検出信号(オフ信号)をリレー60のリレーコイル64に対して出力する。これにより、リレー60が作動せず、リレー60の可動接点63の接触が第1固定接点61のままである。つまり、第2ゲートロック弁53を制御するための信号回路(信号ライン56、信号ライン57、励磁コイル53a、リレー60、グランド58)がリレー60により遮断状態のままである。
【0066】
この状態において遠隔操作装置100の遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置に操作されると、制御装置70は無線通信装置80により受信された遠隔操作用ゲートロックレバー102のロック解除信号(第2の遠隔操作信号)に基づき開位置の指令を設定する。さらに、設定した開位置の指令に応じた制御信号(励磁電流)を第2ゲートロック弁53に対して出力しようとする。
【0067】
しかし、上述したように、階段25が展開状態である場合、第2ゲートロック弁53用の信号回路がリレー60により遮断状態にある。したがって、制御装置70の制御信号(励磁電流)を第2ゲートロック弁53に入力することができず、制御装置70による第2ゲートロック弁53の開閉制御を行うことができない。このため、常時閉の第2ゲートロック弁53は閉位置に維持される。すなわち、第2ゲートロック弁53は、遠隔操作用ゲートロックレバー102のロック解除位置への操作を無視して閉位置に維持される。第2ゲートロック弁53の閉位置により、パイロットポンプ41からの圧油を第2パイロットライン51を介してパイロット弁42、43に供給することができない。
【0068】
このとき、遠隔操作装置100の遠隔操作用操作レバー101が操作されると、制御装置70が遠隔操作用操作レバー101の第1の遠隔操作信号に基づき設定した開度の指令に応じた制御信号(励磁電流)を各パイロット弁42、43に対して出力する。しかし、パイロットポンプ41の圧油が第2ゲートロック弁53の閉位置によりパイロット弁42、43に対して供給することができないので、制御装置70により各パイロット弁42、43の開度を制御しても、制御弁36を駆動することができない。このため、油圧アクチュエータが駆動することはない。
【0069】
このように、本実施の形態においては、階段25が展開状態にある場合には、遠隔操作装置100による油圧ショベル1の遠隔操作を実行することができない。したがって、展開状態の階段25を利用して油圧ショベル1に搭乗した作業員が遠隔操作装置100による遠隔操作に起因して降機することができなくなること防止することができる。
【0070】
また、本実施の形態においては、操作モード切替弁52の操作部52aを手動操作により遠隔操作モードに切り替えない限り、遠隔操作装置100による油圧ショベル1の遠隔操作を実行することができない。操作モード切替弁52の操作部52aが搭乗操作モードの操作位置にある場合、操作モード切替弁52が閉位置となるよう構成されており、第2パイロットライン51が遮断状態となる。このため、階段25が格納状態であって制御装置70による第2ゲートロック弁53の開閉制御が可能であったとしても、操作モード切替弁52の閉位置によりパイロットポンプ41の圧油を第2パイロットライン51を介して各パイロット弁42、43に供給することができない。
【0071】
上述したように、本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベル1(作業機械)は、作業員が搭乗する運転室21と、運転室21に対する作業員の乗降を可能とする展開状態又は作業の障害とならない状態に格納される格納状態に切換可能な階段25と、圧油の供給により駆動する油圧アクチュエータ15、16、17、19aと、油圧アクチュエータ15、16、17、19aに供給される圧油の流れを制御する油圧パイロット式の制御弁36と、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)を元圧として制御弁を駆動するパイロット圧を生成するパイロット弁42、43と、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)の圧油をパイロット弁42、43へ導く第1パイロットライン44と、第1パイロットライン44上に設けられ、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)からパイロット弁42、43への圧油の供給を許容する開位置及びパイロットポンプ41(パイロット油圧源)からパイロット弁42、43への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる第1ゲートロック弁45と、運転室21に配置され、油圧アクチュエータ15、16、17、19aを操作するための操作装置31(第1操作装置)と、運転室21に配置され、第1ゲートロック弁45を操作するためのゲートロック装置32(第1ゲートロック装置)とを備え、運転室21から離れた場所にある遠隔操作装置100によって遠隔操作が可能であるように構成されている。油圧ショベル1(作業機械)は、また、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)からの油圧を第1ゲートロック弁45を迂回してパイロット弁42、43に導く第2パイロットライン51と、第2パイロットライン51上に設けられ、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)からパイロット弁42、43への圧油の供給を許容する開位置及びパイロットポンプ41(パイロット油圧源)からパイロット弁42、43への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる第2ゲートロック弁53と、遠隔操作装置100による遠隔操作を示す遠隔操作モード又は運転室21への搭乗による操作を示す搭乗操作モードのいずれかの操作位置に作業員の手動により切り替えられる操作モード切替器としての操作モード切替弁52の操作部52aと、第2パイロットライン51上に設けられ、操作部52a(操作モード切替器)の切替操作によって、パイロットポンプ41(パイロット油圧源)からパイロット弁42、43への圧油の供給を許容する開位置及びパイロットポンプ41(パイロット油圧源)からパイロット弁42、43への圧油の供給を遮断する閉位置のいずれか一方に切り替えられる操作モード切替弁52(切替弁)と、油圧アクチュエータ15、16、17、19aを遠隔操作するための第1の遠隔操作信号を出力する遠隔操作用操作レバー101(第2操作装置)及び遠隔操作用操作レバー101(第2操作装置)による遠隔操作の有効又は無効を指示する第2の遠隔操作信号を出力する遠隔操作用ゲートロックレバー102(第2ゲートロック装置)を備えた遠隔操作装置100によって送信された第2の遠隔操作信号に基づき第2ゲートロック弁53を開位置又は閉位置のいずれかに制御すると共に、遠隔操作装置100によって送信された第1の遠隔操作信号に応じてパイロット弁42、43の開度を制御する制御装置70とを備えている。第1ゲートロック弁45が閉位置に切り替わっている状態で、第2ゲートロック弁53は、階段25が格納状態である場合には制御装置70による制御が可能である一方、階段25が展開状態である場合には第2の遠隔操作信号に関わらず閉位置に維持される。
【0072】
この構成よれば、階段25が展開状態である場合に第2ゲートロック弁53を閉位置に維持することで、階段25が展開状態のときには遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作が不能となり、階段25が格納状態である場合に限って遠隔操作装置100による遠隔操作が許容される。これにより、階段25の展開状態のときに油圧ショベル1(作業機械)が遠隔操作により動き出して作業員が降機できなくなることを防止することができる。したがって、展開及び格納が可能な階段25を備えた油圧ショベル1(作業機械)において遠隔操作に起因した油圧ショベル1(作業機械)の稼働率及び生産性の低下を抑制することができる。
【0073】
また、本実施の形態に係る油圧ショベル1(作業機械)は、第2ゲートロック弁53に対して制御装置70の制御信号を出力するための信号回路を接続状態又は遮断状態に切り替える信号回路切替装置60と、階段25の格納状態を検出する階段格納検出装置67(検出装置)とを備えている。第2ゲートロック弁53は、前記信号回路が遮断状態である場合には閉位置となるように構成されている。信号回路切替装置60は、階段格納検出装置67(検出装置)が階段25の格納状態を検出している場合には前記信号回路を接続状態にする一方、階段格納検出装置67(検出装置)が階段の格納状態を検出していない場合には前記信号回路を遮断状態にするように構成されている。
【0074】
この構成によれば、階段25の展開状態又は格納状態に応じた遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作の不能又は許容の切替を、第2ゲートロック弁53の制御用の信号回路の接続又は遮断の切替により実現することができる。
【0075】
[第1の実施の形態の変形例]
次に、本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例について
図5~
図7を用いて説明する。
図5は本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例における油圧システムを示す概略図である。
図6は
図5に示す本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例の一部を構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図7は
図6に示す制御装置における第2ゲートロック弁指令設定部の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、
図5~
図7において、
図1~
図4に示す符号と同符号のものは、同様な部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0076】
図5に示す本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例が第1の実施の形態に対して相違する点は、操作モード切替器としての操作モード切替弁52の操作部52aの操作位置(搭乗操作モード又は遠隔操作モード)を検出する操作モード検出器69を備えていること及び制御装置70Aが遠隔操作装置100の遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号、操作モード検出器69の検出信号、及び、ゲートロック装置32の操作信号に基づき第2ゲートロック弁53に対する指令(開位置又は閉位置)を設定することである。本変形例は、操作モード切替器としての操作部52aが遠隔操作モードに切り替えられている状態において、作業員が油圧ショベル1に搭乗してゲートロック装置32のゲートロックレバー32aを操作した場合には、遠隔操作装置100による遠隔操作に対して、油圧ショベル1に搭乗した作業員による操作を優先するものである。
【0077】
具体的には、
図5において、油圧システム30の操作モード切替弁52には、操作モード切替器としての操作部52aの操作位置(搭乗操作モード又は遠隔操作モード)を検出する操作モード検出器69が設置されている。操作モード検出器69は、信号ラインを介して制御装置70Aに電気的に接続されており、操作モード切替弁52の操作部52aが搭乗操作モード又は遠隔操作モードのいずれかの操作位置の検出信号を制御装置70へ出力する。本変形例に係る油圧システム30のそれ以外のハード構成は、第1の実施の形態の油圧システム30のハード構成と同様なものである。
【0078】
制御装置70Aは、
図6に示すように、第1の実施の形態の制御装置70と同様に、第1ゲートロック弁制御部74、パイロット弁制御部75、第2ゲートロック弁指令設定部76A、第2ゲートロック弁制御部77を有している。ただし、第2ゲートロック弁指令設定部76Aは、無線通信装置80から出力される遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号(ロック信号又はロック解除信号)、操作モード検出器69から出力される検出信号(搭乗操作モード又は遠隔操作モード)、ゲートロック装置32から出力される操作信号に基づき、第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置又は閉位置のいずれかに設定するものである。
【0079】
第2ゲートロック弁指令設定部76Aは、例えば、
図7に示すフローチャートに従って当該指令の設定を行う。第2ゲートロック弁指令設定部76Aは、先ず、操作モード検出器69から出力された検出信号に基づき、操作モード切替器としての操作部52aの操作位置(操作モード)が遠隔操作モードであるか否かを判定する(
図7に示すステップS2)。操作部52aの操作位置(操作モード)が遠隔操作モードである(YES)と判定した場合にはステップS10に進む一方、操作部52aの操作位置(操作モード)が搭乗操作モードである(NO)と判定した場合にはステップS30に進む。
【0080】
ステップS2においてYESの場合、第1の実施の形態の第2ゲートロック弁指令設定部76と同様に、無線通信装置80から出力された遠隔操作用ゲートロックレバー102の操作信号に基づき、遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置にあるか否かを判定する(
図7に示すステップS10)。遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置にある(YES)と判定した場合にはステップS20に進む一方、遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック位置にある(NO)と判定した場合にはステップS30に進む。
【0081】
ステップS10においてYESの場合には、第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置に設定する(
図7に示すステップS20)。ステップS20において第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置に設定した場合には、ゲートロック装置32の切替操作(操作信号の変化)を検出したか否かを判定する(
図7に示すステップS22)。ゲートロック装置32の切替操作を検出した(YES)と判定し場合にはステップS30に進む一方、ゲートロック装置32の切替操作を検出していない(NO)と判定した場合には終了する。
【0082】
ステップS2又はS12においてNOの場合又はステップS22においてYESの場合には、第2ゲートロック弁53に対する指令を閉位置に設定する(
図7に示すステップS30)。
【0083】
次に、本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例の動作及び効果について
図5~
図7を用いて説明する。
【0084】
第1の実施の形態においては、操作モード切替弁52の操作部52aが遠隔操作モードであると共に、遠隔操作装置100の遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置に操作されている場合において、油圧ショベル1に搭乗した作業員によってゲートロックレバー32aがロック位置に操作されても、パイロットポンプ41からの圧油は第2パイロットライン51上の開位置の操作モード切替弁52及び開位置の第2ゲートロック弁53を介してパイロット弁42、43に供給されてしまう。このため、油圧ショベル1に搭乗している作業員がゲートロックレバー32aをロック位置に操作して油圧ショベル1の動作を停止させたい場合であっても、遠隔操作用操作レバー101が操作されると、油圧ショベル1が作動してしまう。この場合、油圧ショベル1に搭乗している作業員は降機することができず、油圧ショベル1の稼働率及び生産性が低下してしまう。
【0085】
それに対して、本変形例においては、
図5に示す操作モード切替弁52の操作部52aが遠隔操作モードである場合において、油圧ショベル1に搭乗している作業員によってゲートロックレバー32aが切替操作されると、
図6に示す制御装置70Aの第1ゲートロック弁制御部74は、ゲートロック装置32から出力された操作信号(ロック位置又はロック解除位置)に応じて第1ゲートロック弁45を閉位置又は開位置に制御する。また、制御装置70Aの第2ゲートロック弁指令設定部76Aは、ゲートロック装置32の切替操作(操作信号の変化)を検出すると、遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号を無視して
図7に示すフローチャートのステップS22に従って第2ゲートロック弁53に対する指令を閉位置に設定する。第2ゲートロック弁制御部77は、第2ゲートロック弁指令設定部76Aによる第2ゲートロック弁53に対する閉位置の指令の設定に応じて第2ゲートロック弁53を閉位置に切替制御する。
【0086】
このように、本変形例においては、操作モード切替弁52の操作部52aが遠隔操作モードのときに、油圧ショベル1に搭乗した作業員による操作装置31やゲートロック装置32の操作と遠隔操作装置100による遠隔操作とが同時に行われた場合、ゲートロック装置32の切替操作をトリガーとして第2ゲートロック弁53を閉位置に切り替えることで、油圧ショベル1に搭乗している作業員による操作を優先させることができる。すなわち、油圧ショベル1に搭乗している作業員に対して操作権限を移行することができる。これにより、油圧ショベル1に搭乗している作業員の意図通りに油圧ショベル1を動作又は停止させることができる。したがって、油圧ショベル1に搭乗している作業員は、操作モードが遠隔操作モードであっても必要に応じて油圧ショベル1を停止させ、階段25を用いて降機することができる。
【0087】
上述した本発明の作業機械の第1の実施の形態の変形例によれば、前述した第1の実施の形態と同様に、階段25が展開状態である場合には、第2ゲートロック弁53を閉位置に維持することで遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作が不能となるので、階段25の展開状態のときに油圧ショベル1が遠隔操作により動き出して作業員が降機できなくなることを防止することができる。したがって、展開及び格納が可能な階段25を備えた油圧ショベル1において遠隔操作に起因した油圧ショベル1の稼働率及び生産性の低下を抑制することができる。
【0088】
また、本変形例に係る油圧ショベル(作業機械)は、操作部52a(操作モード切替器)の操作位置を検出する操作モード検出器69を更に備えている。制御装置70Aは、操作モード検出器69の検出結果に基づき操作部52a(操作モード切替器)の操作位置が遠隔操作モードであると判定した場合であっても、ゲートロック装置32(第1ゲートロック装置)の切替操作が検出された場合には、第2の遠隔操作信号を無視して第2ゲートロック弁53を閉位置に切り替えるように構成されている。
【0089】
この構成によれば、操作部52a(操作モード切替器)が遠隔操作モードの場合であっても、油圧ショベル1に搭乗している作業員によりゲートロック装置32(第1ゲートロック装置)の切替操作が行われると、第2ゲートロック弁53を閉位置に切り替えることで、遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作が不能となる。したがって、遠隔操作モードのときに、遠隔操作装置100による遠隔操作と運転室21へ搭乗しての搭乗操作とが同時に実行された場合には、遠隔操作よりも搭乗操作を優先することができる。
【0090】
なお、本変形例においては、制御装置70Aは、操作モードが遠隔操作モードにある場合において、作業員によって油圧ショベル1のゲートロックレバー32aが操作された場合、遠隔操作に対して作業員による操作を優先するように構成されている場合について説明した。しかし、本変形例による油圧ショベル1の動作態様は一例に過ぎない。
【0091】
例えば、制御装置70Aは、操作モードが遠隔操作モードにある場合において、階段25が展開状態にある場合は、ゲートロックレバー32aが操作されているか否かに関わらず、第2ゲートロック弁53を閉位置に維持するのみならず、第1ゲートロック弁45を閉位置に維持するように構成されていてもよい。これによって、階段25が展開状態したままの油圧ショベル1の動作を確実に防止することができる。
【0092】
また、例えば、制御装置70Aは、作業員の操作よりも遠隔操作を優先させる場合、操作モードが遠隔操作モードにある場合においては、ゲートロックレバー32aが操作されているか否かに関わらず、第1ゲートロック弁45を閉位置に維持するように構成されていてもよい。
【0093】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の作業機械の第2の実施の形態について
図8~
図10を用いて説明する。
図8は本発明の作業機械の第2の実施の形態における油圧システムを示す概略図である。
図9は
図8に示す本発明の作業機械の第2の実施の形態の一部を構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図10は
図9に示す制御装置における第2ゲートロック弁指令設定部の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、
図8~
図10において、
図1~
図7に示す符号と同符号のものは、同様な部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0094】
本発明の作業機械の第2の実施の形態が第1の実施の形態に対して相違する点は、第2ゲートロック弁53を制御するための信号回路の接続又は遮断を切り替える信号回路切替装置60(リレー)を削除した構成であること及び階段格納検出装置67Bの検出結果に応じて制御装置70Bが第2ゲートロック弁53の開閉制御を行うことである。
【0095】
具体的には、
図8に示すように、油圧システム30には、第1実施形態の信号回路切替装置であるリレー60(
図2参照)が設けられておらず、第2ゲートロック弁53の励磁コイル53aが信号ライン56を介して制御装置70Bに電気的に接続されている。すなわち、第2ゲートロック弁53の励磁コイル53aに対して制御装置70Bの制御信号を出力するための信号回路が常時接続状態にある。また、階段格納検出装置67Bは、信号ライン66Bを介して制御装置70Bに電気的に接続されており、階段25の格納状態又は展開状態の検出信号(オン信号又はオフ信号)を制御装置70Bへ出力する。第2実施の形態の油圧システム30のそれ以外のハード構成は、第1の実施の形態の油圧システム30のハード構成と同様なものである。
【0096】
制御装置70Bは、
図9に示すように、第1の実施の形態の制御装置70と同様に、第1ゲートロック弁制御部74、パイロット弁制御部75、第2ゲートロック弁指令設定部76B、第2ゲートロック弁制御部77を有している。ただし、第2ゲートロック弁指令設定部76Bは、無線通信装置80から出力される遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号(ロック信号又はロック解除信号)及び階段格納検出装置67Bから出力される検出信号(オン信号又はオフ信号)に基づき、第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置又は閉位置のいずれかに設定するものである。
【0097】
第2ゲートロック弁指令設定部76Bは、例えば、
図10に示すフローチャートに従って当該指令の設定を行う。第2ゲートロック弁指令設定部76Bは、先ず、階段格納検出装置67Bから出力された検出信号に基づき、階段25が格納状態であるか否かを判定する(
図10に示すステップS4)。階段25が格納状態である(YES)と判定した場合にはステップS10に進む一方、階段25が展開状態である(NO)と判定した場合にはステップS30に進む。
【0098】
ステップS4においてYESの場合、第1の実施の形態の第2ゲートロック弁指令設定部76と同様に、無線通信装置80から出力された遠隔操作用ゲートロックレバー102の第2の遠隔操作信号に基づき遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置にあるか否かを判定する(
図10に示すステップS10)。遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック解除位置にある(YES)と判定した場合にはステップS20に進む一方、遠隔操作用ゲートロックレバー102がロック位置にある(NO)と判定した場合にはステップS30に進む。
【0099】
ステップS10においてYESの場合には、第2ゲートロック弁53に対する指令を開位置に設定する(
図10に示すステップS20)。一方、ステップS4又はS10においてNOの場合には、当該指令を閉位置に設定する。(
図10に示すステップS30)。
【0100】
次に、本発明の作業機械の第2の実施の形態の動作及び効果について
図8~
図10を用いて説明する。
【0101】
図8に示す階段25が格納されると、階段格納検出装置67Bは階段25の格納状態を検出して格納状態に応じた検出信号(オン信号)を制御装置70Bへ出力する。制御装置70Bは、階段格納検出装置67Bからの検出信号に基づき階段25が格納状態であると判定すると、遠隔操作装置100からの第2の遠隔操作信号に応じて第2ゲートロック弁53の開閉制御を行う。すなわち、階段25が格納状態である場合には、遠隔操作用操作レバー101による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作が許容される。
【0102】
一方、階段25が展開状態である場合、階段格納検出装置67Bは階段25の展開状態を検出して展開状態に応じた検出信号(オフ信号)を制御装置70Bへ出力する。制御装置70Bは、階段格納検出装置67Bからの検出信号に基づき階段25が展開状態であると判定すると、遠隔操作装置100からの第2の遠隔操作信号を無視して第2ゲートロック弁53を閉位置に切り替える(
図10に示すステップS4及びS30)。第2ゲートロック弁53が閉位置であるので、パイロットポンプ41からの圧油が第2パイロットライン51を介してパイロット弁42、43に供給することができない。したがって、階段25が展開状態である場合には、遠隔操作用操作レバー101による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作が不能となる。
【0103】
上述した本発明の作業機械の第2の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様に、階段25が展開状態である場合には、第2ゲートロック弁53を閉位置に維持することで遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作が不能となるので、階段25の展開状態のときに油圧ショベル1が遠隔操作により動き出して作業員が降機できなくなることを防止することができる。したがって、展開及び格納が可能な階段25を備えた油圧ショベル1において遠隔操作に起因した油圧ショベル1の稼働率及び生産性の低下を抑制することができる。
【0104】
また、本実施の形態に係る油圧ショベル(作業機械)は、階段25の格納状態を検出する階段格納検出装置67B(検出装置)を備えている。また、制御装置70Bは、階段格納検出装置67B(検出装置)の検出結果に基づき階段25が格納状態であるか展開状態であるかを判定し、階段25が格納状態であると判定した場合には、第2の遠隔操作信号に応じて第2ゲートロック弁53を閉位置又は開位置に制御し、階段25が展開状態であると判定した場合には、第2の遠隔操作信号を無視して第2ゲートロック弁53を閉位置に制御するように構成されている。
【0105】
この構成によれば、階段25の展開状態又は格納状態に応じた遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作の不能又は許容の切替を、制御装置70Bのソフトウェアによる機能の実行により実現することができる。したがって、階段25の展開状態又は格納状態に応じた遠隔操作装置100による油圧アクチュエータ15、16、17、19aの遠隔操作の不能又は許容の切替をリレー60を含む電気回路によって実現する第1の実施の形態に比べて簡素なハード構成によって実現することができる。
【0106】
[その他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態においては、展開及び格納が可能な階段25を備えた大型の油圧ショベル1に本発明を適用した例を示した。しかし、本発明は、例えば、大型のブルドーザなど、展開及び格納が可能な階段を備えた各種の作業機械に広く適用することができる。
【0107】
また、本発明は本実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【0108】
例えば、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態の変形例に係る操作モード検出器69を更に備える構成も可能である。この場合、当該変形例と同様に、制御装置の第2ゲートロック弁指令設定部は、操作モード検出器69が遠隔操作モードを検出した場合であっても、ゲートロック装置32の切替操作が検出されたときには、第2ゲートロック弁53に対する指令を閉位置に設定する。
【0109】
また、第2の実施の形態においては、階段の格納状態を検出する検出装置としてスイッチを用いた例を示した。しかし、階段の格納状態を検出可能な検出装置であれば、スイッチでなくよい。
【0110】
例えば、当該検出装置として階段を撮像可能なカメラを用いることが可能である。この場合、カメラは、制御装置と電気的に接続され、検出装置の検出結果としての撮像データを制御装置へ出力する。制御装置は、スイッチのオン信号又はオフ信号に代えて、カメラの撮像データを基に階段が格納状態であるか否か(展開状態であるか)を判定するように構成される。
【0111】
また、階段の格納状態を検出可能な検出装置として、階段操作スイッチ26を用いることも可能である。この場合、階段操作スイッチ26は、制御装置と電気的に接続され、検出装置の検出結果としての階段操作スイッチ26の操作信号(格納するための操作信号)を制御装置へ出力する。制御装置は、階段操作スイッチ26の操作信号を基に階段が格納状態であるか否か(展開状態であるか)を判定するように構成される。制御装置は、例えば、階段操作スイッチ26の格納操作の操作信号が入力されてから所定時間経過後に階段25が格納状態であると判定する。
【0112】
また、制御装置は、階段25が格納状態であるか展開状態であるかのみならず、検出装置としてのスイッチや階段操作スイッチ26を用いて、格納状態と展開状態との間を階段が遷移(移動)している状態、すなわち、階段25が格納状態から展開が開始されて展開状態となるまでの間の状態であること、又は、展開状態から格納が開始されて格納状態となるまでの間の状態であることを判定するように構成されていてもよい。そして、制御装置は、例えば、階段25が当該遷移状態にある場合は、第2ゲートロック弁53を閉位置にするように構成されていることで、より確実に作業員が降機することができる。
【符号の説明】
【0113】
1…油圧ショベル(作業機械)、 21…運転室、 15…ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)、 16…アームシリンダ(油圧アクチュエータ)、 17…バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)、 19a…走行油圧モータ(油圧アクチュエータ)、 25…階段、 31…操作装置(第1操作装置)、 32…ゲートロック装置(第1ゲートロック装置)、 36…制御弁、 41…パイロットポンプ(パイロット油圧源)、 42、43…パイロット弁、 44…第1パイロットライン、 45…第1ゲートロック弁、 51…第2パイロットライン、 52…操作モード切替弁(切替弁)、 52a…操作部(操作モード切替器)、 53…第2ゲートロック弁、 60…信号回路切替装置、 67、67B…階段格納検出装置、 70、70A、70B…制御装置、 100…遠隔操作装置、 101…遠隔操作用操作レバー(第2操作装置)、 102…遠隔操作用ゲートロックレバー(第2ゲートロック装置)