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特開2022-138103モータ用固定子及びその固定子を含むモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138103
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】モータ用固定子及びその固定子を含むモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
H02K3/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185741
(22)【出願日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0030634
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ジン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ファン セオン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】セオ ヨン ウゥ
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB08
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604CC16
5H604QB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来のターミナルを取り除くことで、自動車用駆動モータの重量及びコストを低減し、モータの周辺空間の活用性を増大させながら、モータの構造を単純化する。
【解決手段】複数のアセンブリー20が周方向Cに沿って配列され、中央に孔が形成されたモータ用固定子10であって、前記複数のアセンブリー20はそれぞれ、ステータコアと、ボビンと、コイルと、前記ボビンに配置される複数のバスバーと、を含み、前記複数のバスバーは、第1~第3バスバーを含み、前記複数のアセンブリー20は、前記第1バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記モータ用固定子の半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられる、モータ用固定子10が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアセンブリーが周方向(C)に沿って配列され、中央に孔が形成されたモータ用固定子であって、
前記複数のアセンブリーはそれぞれ、
ステータコアと、
前記ステータコアの外側面を囲むように備えられるボビンと、
前記ボビンの周りを複数回にわたって巻回し、両端部に引込線及び引出線が備えられるコイルと、
前記ボビンに配置される複数のバスバーと、を含み、
前記複数のバスバーは、
第1バスバー、第2バスバー、及び第3バスバーを含み、
前記複数のアセンブリーは、
前記第1バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記モータ用固定子の半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられる、モータ用固定子。
【請求項2】
前記複数のアセンブリーは、
前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第3バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられる、請求項1に記載のモータ用固定子。
【請求項3】
前記第1バスバーは、前記第2バスバー及び前記第3バスバーと交差する、請求項2に記載のモータ用固定子。
【請求項4】
前記第3バスバーは、前記第2バスバーよりも前記半径方向(R)の外側に備えられており、
前記複数のアセンブリーは、
前記第2バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第1周方向(C1)に偏るように備えられ、前記第3バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第2周方向(C2)に偏るように備えられる、請求項3に記載のモータ用固定子。
【請求項5】
前記第3バスバーは、前記第2バスバーよりも前記軸方向(A)に上部に備えられており、
前記複数のアセンブリーは、
前記第2バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第1周方向(C1)に偏るように備えられ、前記第3バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第2周方向(C2)に偏るように備えられる、請求項3に記載のモータ用固定子。
【請求項6】
前記複数のアセンブリーは、互いに互換可能な程度の同一性を有する、請求項3に記載のモータ用固定子。
【請求項7】
前記第1~第3バスバーの前記周方向(C)の両端部にはそれぞれ、前記モータ用固定子の軸方向(A)に折り曲げられている折曲部が備えられる、請求項4に記載のモータ用固定子。
【請求項8】
前記第1~第3バスバーの前記周方向(C)の両端部にはそれぞれ、前記半径方向(R)の外側に折り曲げられている折曲部が備えられる、請求項5に記載のモータ用固定子。
【請求項9】
前記複数のアセンブリーは、
1つ以上の第1アセンブリー、1つ以上の第2アセンブリー、1つ以上の第3アセンブリーに分けられ、
前記周方向(C)に沿って、前記第1アセンブリー、前記第2アセンブリー、及び前記第3アセンブリーが交互に配置されており、
前記第1アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第2アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち他の1つは、前記第3アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、
前記第1アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第2アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち他の1つは、前記第3アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、
前記第1アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第2アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち他の1つは、前記第3アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成する、請求項7または8に記載のモータ用固定子。
【請求項10】
前記第1アセンブリーに備えられる前記第1バスバーの両端部に備えられた前記折曲部は、それぞれ前記周方向(C)に隣接した前記第2アセンブリー及び第3アセンブリーの前記周方向(C)の幅内に備えられる、請求項9に記載のモータ用固定子。
【請求項11】
前記第1アセンブリーに備えられる前記第2バスバーの両端部に備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の幅内に備えられ、他の1つは、前記周方向(C)に隣接した前記第3アセンブリーと前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の間の領域に備えられる、請求項9に記載のモータ用固定子。
【請求項12】
前記第1アセンブリーに備えられる前記第3バスバーの両端部に備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の幅内に備えられ、他の1つは、前記周方向(C)に隣接した前記第2アセンブリーと前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の間の領域に備えられる、請求項9に記載のモータ用固定子。
【請求項13】
前記第2アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第3アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、
前記第2アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第3アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、
前記第2アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第3アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成する、請求項9に記載のモータ用固定子。
【請求項14】
複数の前記接合領域のうち互いに隣接した2つの接合領域の間に、前記ボビンのうち一部が配置される、請求項13に記載のモータ用固定子。
【請求項15】
U相電力、V相電力、及びW相電力の三相電力を供給する電力供給部から電力の供給を受け、
前記第1アセンブリーは、前記第1アセンブリーの前記引込線を介して前記電力供給部から前記U相電力の供給を受け、
前記第2アセンブリーは、前記第2アセンブリーの前記引込線を介して前記電力供給部から前記V相電力の供給を受け、
前記第3アセンブリーは、前記第3アセンブリーの前記引込線を介して前記電力供給部から前記W相電力の供給を受ける、請求項13に記載のモータ用固定子。
【請求項16】
前記複数のバスバーは、
第4バスバーをさらに含み、
前記第4バスバーの前記周方向(C)の両端部にはそれぞれ、前記軸方向(A)または半径方向(R)に折り曲げられた折曲部が備えられており、
前記第4バスバーに備えられた前記折曲部は、隣接した他の第4バスバーの折曲部と接合されて接合領域が形成される、請求項13に記載のモータ用固定子。
【請求項17】
前記第1~第3バスバーは、前記ボビンの前記半径方向(R)の外側部に配置され、
前記第4バスバーは、前記ボビンの前記半径方向(R)の内側部に配置される、請求項16に記載のモータ用固定子。
【請求項18】
前記第1~第3バスバーは、前記ボビンの前記軸方向(A)の上部領域に配置され、
前記第4バスバーは、前記ボビンの前記軸方向(A)の下部領域に配置される、請求項16に記載のモータ用固定子。
【請求項19】
前記引込線は、前記第1バスバーの折曲部と前記第3バスバーの折曲部により形成された前記接合領域、または前記第1バスバーの折曲部と前記第2バスバーの折曲部により形成された前記接合領域に接合され、
前記引出線は、前記第4バスバーの折曲部により形成された前記接合領域に接合される、請求項16に記載のモータ用固定子。
【請求項20】
固定子と、
回転子と、を含み、
前記固定子は、複数のアセンブリーが周方向(C)に沿って配列され、中央に孔が形成された構造を有し、
前記回転子は前記孔に備えられており、
前記複数のアセンブリーはそれぞれ、
ステータコアと、
前記ステータコアの外側面を囲むように備えられるボビンと、
前記ボビンの周りを複数回にわたって巻回し、両端部に引込線及び引出線が備えられるコイルと、
前記ボビンに配置される複数のバスバーと、を含み、
前記複数のバスバーは、第1バスバー、第2バスバー、及び第3バスバーを含み、
前記複数のアセンブリーは、
前記第1バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記固定子の半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられる、モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ用固定子及びその固定子を含むモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内燃機関自動車が有する環境汚染の問題、国内外の環境による燃料の不安定な需給などの問題を克服すべく、ハイブリッド自動車、電気自動車などの開発及び生産が益々活発に行われている。
【0003】
かかる電気自動車またはハイブリッド自動車には、自動車の駆動に用いられるための駆動モータが備えられる。このようなモータは、ステータコアにコイルが巻き取られている構造を有するが、かかるコイルがステータコアから損傷されることを防止するために、モータには、ボビンと呼ばれるプラスチック製の射出物が用いられる。従来技術によると、モータは、ステータコアとボビンが組み立てられ、コイルがボビンの周りを巻回する構造を有する。
【0004】
一方、モータは、ステータコア、ボビン、及びコイルから構成された複数の組立体が結合される構造を有するが、特に、自動車用駆動モータを構成する複数の組立体が電力供給部から電力の供給を受けるように、ターミナルを介して複数の組立体と電力供給部が電気的に連結される。
【0005】
しかし、従来技術によると、このようなターミナルが占める体積により、自動車用駆動モータの重量及びコストが上昇し、ターミナル周辺の空間を活用しにくいだけでなく、駆動モータの構造が複雑になるという問題があった。
【0006】
また、従来技術によると、モータ内で溶接がなされる必要がある領域が多いため、モータの製造に必要な工程が複雑になるだけでなく、溶接がなされる領域間の間隔が十分に確保されないため、絶縁に対する安全性に劣るという問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、従来のターミナルを取り除くことで、自動車用駆動モータの重量及びコストを低減し、モータの周辺空間の活用性を増大させながら、モータの構造を単純化することにある。
【0008】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、従来技術に比べて、モータの製造過程における溶接に必要な工程を簡素化しながら、溶接領域間の間隔を十分に確保することで、絶縁に対する安全性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の一側面によると、複数のアセンブリーが周方向(C)に沿って配列され、中央に孔が形成されたモータ用固定子であって、前記複数のアセンブリーはそれぞれ、ステータコアと、前記ステータコアの外側面を囲むように備えられるボビンと、前記ボビンの周りを複数回にわたって巻回し、両端部に引込線及び引出線が備えられるコイルと、前記ボビンに配置される複数のバスバーと、を含み、前記複数のバスバーは、第1バスバー、第2バスバー、及び第3バスバーを含み、前記複数のアセンブリーは、前記第1バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記モータ用固定子の半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられる、モータ用固定子が提供される。
【0010】
前記複数のアセンブリーは、前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第3バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられることができる。
【0011】
前記第1バスバーは、前記第2バスバー及び前記第3バスバーと交差することができる。
【0012】
前記第3バスバーは、前記第2バスバーよりも前記半径方向(R)の外側に備えられており、前記複数のアセンブリーは、前記第2バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第1周方向(C1)に偏るように備えられ、前記第3バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第2周方向(C2)に偏るように備えられることができる。
【0013】
前記第3バスバーは、前記第2バスバーよりも前記軸方向(A)に上部に備えられており、前記複数のアセンブリーは、前記第2バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第1周方向(C1)に偏るように備えられ、前記第3バスバーは、前記ステータコア及び前記ボビンに対して前記周方向(C)の両方向のうち第2周方向(C2)に偏るように備えられることができる。
【0014】
前記複数のアセンブリーは、互いに互換可能な程度の同一性を有することができる。
【0015】
前記第1~第3バスバーの前記周方向(C)の両端部にはそれぞれ、前記モータ用固定子の軸方向(A)に折り曲げられている折曲部が備えられることができる。
【0016】
前記第1~第3バスバーの前記周方向(C)の両端部にはそれぞれ、前記半径方向(R)の外側に折り曲げられている折曲部が備えられることができる。
【0017】
前記複数のアセンブリーは、1つ以上の第1アセンブリー、1つ以上の第2アセンブリー、1つ以上の第3アセンブリーに分けられ、前記周方向(C)に沿って、前記第1アセンブリー、前記第2アセンブリー、及び前記第3アセンブリーが交互に配置されており、前記第1アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第2アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち他の1つは、前記第3アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第2アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち他の1つは、前記第3アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第2アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第1アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち他の1つは、前記第3アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成することができる。
【0018】
前記第1アセンブリーに備えられる前記第1バスバーの両端部に備えられた前記折曲部は、それぞれ前記周方向(C)に隣接した前記第2アセンブリー及び第3アセンブリーの前記周方向(C)の幅内に備えられることができる。
【0019】
前記第1アセンブリーに備えられる前記第2バスバーの両端部に備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の幅内に備えられ、他の1つは、前記周方向(C)に隣接した前記第3アセンブリーと前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の間の領域に備えられることができる。
【0020】
前記第1アセンブリーに備えられる前記第3バスバーの両端部に備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の幅内に備えられ、他の1つは、前記周方向(C)に隣接した前記第2アセンブリーと前記第1アセンブリーの前記周方向(C)の間の領域に備えられることができる。
【0021】
前記第2アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第3アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第2アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第3アセンブリーの前記第1バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成し、前記第2アセンブリーの前記第3バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つは、前記第3アセンブリーの前記第2バスバーに備えられた前記折曲部のうち1つと接合されて接合領域を形成することができる。
【0022】
複数の前記接合領域のうち互いに隣接した2つの接合領域の間に、前記ボビンのうち一部が配置されることができる。
【0023】
U相電力、V相電力、及びW相電力の三相電力を供給する電力供給部から電力の供給を受け、前記第1アセンブリーは、前記第1アセンブリーの前記引込線を介して前記電力供給部から前記U相電力の供給を受け、前記第2アセンブリーは、前記第2アセンブリーの前記引込線を介して前記電力供給部から前記V相電力の供給を受け、前記第3アセンブリーは、前記第3アセンブリーの前記引込線を介して前記電力供給部から前記W相電力の供給を受けることができる。
【0024】
前記複数のバスバーは、第4バスバーをさらに含み、前記第4バスバーの前記周方向(C)の両端部にはそれぞれ、前記軸方向(A)または半径方向(R)に折り曲げられた折曲部が備えられており、前記第4バスバーに備えられた前記折曲部は、隣接した他の第4バスバーの折曲部と接合されて接合領域が形成されることができる。
【0025】
前記第1~第3バスバーは、前記ボビンの前記半径方向(R)の外側部に配置され、前記第4バスバーは、前記ボビンの前記半径方向(R)の内側部に配置されることができる。
【0026】
前記第1~第3バスバーは、前記ボビンの前記軸方向(A)の上部領域に配置され、前記第4バスバーは、前記ボビンの前記軸方向(A)の下部領域に配置されることができる。
【0027】
前記引込線は、前記第1バスバーの折曲部と前記第3バスバーの折曲部により形成された前記接合領域、または前記第1バスバーの折曲部と前記第2バスバーの折曲部により形成された前記接合領域に接合され、前記引出線は、前記第4バスバーの折曲部により形成された前記接合領域に接合されることができる。
【0028】
上記の目的を達成するための本発明の他の側面によると、固定子と、回転子と、を含み、前記固定子は、複数のアセンブリーが周方向(C)に沿って配列され、中央に孔が形成された構造を有し、前記回転子は前記孔に備えられており、前記複数のアセンブリーはそれぞれ、ステータコアと、前記ステータコアの外側面を囲むように備えられるボビンと、前記ボビンの周りを複数回にわたって巻回し、両端部に引込線及び引出線が備えられるコイルと、前記ボビンに配置される複数のバスバーと、を含み、前記複数のバスバーは、第1バスバー、第2バスバー、及び第3バスバーを含み、前記複数のアセンブリーは、前記第1バスバーの前記周方向(C)の両端部が、前記第2バスバーの前記周方向(C)の両端部から前記固定子の半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ前記周方向(C)に離隔するように備えられる、モータが提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、従来のターミナルを取り除くことで、自動車用駆動モータの重量及びコストを低減し、モータの周辺空間の活用性を増大させながら、モータの構造を単純化することができる。
【0030】
また、本発明によると、従来技術に比べて、モータの製造過程における溶接に必要な工程を簡素化しながら、溶接領域間の間隔を十分に確保することで、絶縁に対する安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係るモータ用固定子の構造を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るモータ用固定子を構成するアセンブリーを拡大して示した斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るモータ用固定子を構成するアセンブリーを拡大して示した平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るモータ用固定子において、接合領域付近の形態を拡大して示した図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るモータ用固定子の構造を示した斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態に係るモータ用固定子を構成するアセンブリーを拡大して示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明に係るモータ用固定子及びモータについて説明する。
【0033】
[モータ用固定子]
図1は本発明の一実施形態に係るモータ用固定子の構造を示した斜視図であり、図2は本発明の一実施形態に係るモータ用固定子を構成するアセンブリーを拡大して示した斜視図である。図3は本発明の一実施形態に係るモータ用固定子を構成するアセンブリーを拡大して示した平面図であり、図4は本発明の一実施形態に係るモータ用固定子において、接合領域付近の形態を拡大して示した図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明に係るモータ用固定子10(以下、「固定子」)は、複数のアセンブリー20が固定子10の周方向(C)に沿って配列され、中央に孔が形成された構造を有することができる。後述のように、孔には回転子が備えられることができる。図1には、複数のアセンブリー20が略円形状に沿って配列されることで、円形状の孔が形成された形態が示されている。しかし、これと異なって、複数のアセンブリーが多様な形態の閉曲線形状に沿って配列されてもよく、孔も、それに対応する形状を有することができる。
【0035】
一方、図2及び図3に示されたように、固定子10を構成する複数のアセンブリー20はそれぞれ、ステータコア100と、コイル200と、ボビン300と、を含むことができる。ボビン300は、ステータコア100の外側面を囲むように備えられることができる。これは、ステータコア100が、ボビン300に形成された空き空間に挿入される構造を有すると理解されてもよい。
【0036】
一方、コイル200は、ボビン300の外側面の周りを複数回にわたって巻回する構成であることができ、コイル200の長さ方向の両端部には引込線210及び引出線220が形成されることができる。引込線210及び引出線220は外側に突出している。
【0037】
本発明によると、コイル200に電流が流れる場合、コイル200の周辺に磁場が形成され、この磁場の変化により、モータに備えられた回転子に誘導起電力が発生することで、回転子が回転することになる。モータの駆動原理についての内容は従来に広く知られている記述内容であるため、本明細書では省略する。
【0038】
一方、本発明に係る固定子10は、ボビン300に配置される複数のバスバー400をさらに含むことができる。バスバー400は、固定子10を構成するアセンブリー20が電力供給部から電力の供給を受ける経路を提供することができる。そのために、それぞれのアセンブリー20に備えられる複数のバスバー400のうち何れか1つは、引込線210と連結されることができる。また、それぞれのアセンブリー20に備えられる複数のバスバー400のうち他の1つは、引出線220と連結されることができる。より好ましく、引込線210は複数のバスバー400のうち何れか1つに接合されることができ、引出線220は複数のバスバー400のうち他の1つに接合されることができる。一例として、前記接合は、溶接によりなされることができる。
【0039】
一方、本発明に係る固定子10を構成する複数のアセンブリー20は、互いに同一の構造を有することができる。この際、複数のアセンブリー20が互いに同一の構造を有するということは、複数のアセンブリーを構成するステータコア、コイル、ボビン、及びバスバーの相対的な位置を、本発明が属した技術分野において通常の知識を有する者が一見した時に、複数のアセンブリーが互いに互換可能な部品として認識され得る程度に、複数のアセンブリーが互いに同一性を有することであると理解されることができる。
【0040】
でも、本発明によると、固定子10を構成する複数のアセンブリー20は、複数のグループに分けられることができる。例えば、図3を参照すると、複数のアセンブリー20は、1つ以上の第1アセンブリー20a、1つ以上の第2アセンブリー20b、及び1つ以上の第3アセンブリー20cに分けられることができる。しかし、これは、第1~第3アセンブリーの構造が異なることを意味するのではない。本発明のより好ましい例によると、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cは、互いに同一の構造を有することができる。後述のように、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cは、電力供給部からどのような相(phase)を有する電力の供給を受けるかによって分けられることができる。
【0041】
一方、図1図3を参照すると、固定子10は、周方向(C)に沿って第1アセンブリー20a、第2アセンブリー20b、及び第3アセンブリー20cが交互に配置された構造を有することができる。
【0042】
例えば、周方向(C)に第1アセンブリー20aの一側と反対側の他側にはそれぞれ第2アセンブリー20bと第3アセンブリー20cが配置されることができ、周方向(C)に第2アセンブリー20bの一側と反対側の他側にはそれぞれ第1アセンブリー20aと第3アセンブリー20cが配置されることができ、第3アセンブリー20cの一側と反対側の他側にはそれぞれ第1アセンブリー20aと第2アセンブリー20bが配置されることができる。したがって、固定子10に備えられる第1~第3アセンブリーの個数は互いに等しい。以下、本明細書では、固定子10の周方向(C)の両方向のうち、第1アセンブリー20aを基準として第3アセンブリー20cが配置される方向を第1周方向(C1)と命名し、第1アセンブリー20aを基準として第2アセンブリー20bが配置される方向を第2周方向(C2)と命名する。
【0043】
続いて図1図3を参照すると、本発明に係る固定子10のアセンブリー20に備えられるバスバー400のうち一部は、複数のバスバー400のうち他の一部と交差することができる。
【0044】
より詳細に、バスバー400は、第1バスバー410、第2バスバー420、第3バスバー430、及び第4バスバー440を含むことができる。
【0045】
この際、本発明によると、第1バスバー410は、第2バスバー420及び第3バスバー430と順次交差することができる。また、第1バスバー410は第4バスバー440とは交差せず、第2~第4バスバー440は互いに交差しない。また、第2バスバー420と第3バスバー430は互いに平行に備えられることができる。より好ましくは、第2バスバー420と第3バスバー430は、互いに同一のサイズ及び形状を有することができる。
【0046】
本発明によると、従来技術に係るモータを電力供給部と連結するためのターミナルを取り除き、複数のバスバーを導入することで、従来のターミナルが占める体積を低減させることができ、ターミナルが占める重量及びコストを低減することができる。
【0047】
特に、本発明によると、アセンブリー20に備えられる複数のバスバー400のうち一部が互いに交差する構造を有するため、従来のターミナルの役割を果たす複数のバスバーが占める体積を最小化させることができる。これにより、本発明に係る自動車用モータの体積及び構造を簡素化することができる。
【0048】
一方、図2及び図3に示されたように、本発明の一実施形態によると、複数のアセンブリー20はそれぞれ、第1バスバー410の周方向(C)の両端部が、第2バスバー420の周方向(C)の両端部から固定子の半径方向(R)に離隔し、かつ周方向(C)にも離隔するように備えられることができる。それだけでなく、図2及び図3に示されたように、本発明の一実施形態によると、複数のアセンブリー20はそれぞれ、第2バスバー420の周方向(C)の両端部が、第3バスバー430の周方向(C)の両端部から半径方向(R)に離隔し、かつ周方向(C)にも離隔するように備えられることができる。
【0049】
後述のように、本発明によると、各バスバーの両端部には折曲部が形成されることができ、折曲部によりバスバー間の接合がなされることで接合領域が形成される。この際、本発明の一実施形態によると、任意のアセンブリー内で、第1~第3バスバーの両端部が互いに対して半径方向(R)及び周方向(C)に離隔した状態で備えられるため、接合領域間の間隔が増大されることができる。これにより、固定子及びモータの絶縁に対する安全性が向上することができる。
【0050】
図3に示されたように、本発明の一実施形態によると、各アセンブリー20a、20b、20c内で、第3バスバー430は第2バスバー420よりも半径方向(R)に外側に備えられることができる。この際、本発明の一実施形態によると、第2バスバー420は、ステータコア100及びボビン300に対して第1周方向(C1)に偏るように備えられることができ、第3バスバー430は、ステータコア100及びボビン300に対して第2周方向(C2)に偏るように備えられることができる。
【0051】
また、図1図3に示されたように、本発明の一実施形態によると、第1~第4バスバー410、420、430、440の周方向(C)の両端部にはそれぞれ、固定子10の軸方向(A)に折り曲げられている折曲部400aが備えられることができる。
【0052】
一方、本発明によると、複数の第1アセンブリー20a同士はバスバー400により互いに電気的に連結されることができ、複数の第2アセンブリー20b同士はバスバー400により互いに電気的に連結されることができ、複数の第3アセンブリー20c同士はバスバー400により互いに電気的に連結されることができる。
【0053】
より詳細に、図3及び図4を参照すると、第1アセンブリー20aの第1バスバー410に備えられた折曲部400aのうち1つは、第2アセンブリー20bの第3バスバー430に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができ、第1アセンブリー20aの第1バスバー410に備えられた折曲部400aのうち他の1つは、第3アセンブリー20cの第2バスバー420に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0054】
また、第1アセンブリー20aの第2バスバー420に備えられた折曲部400aのうち1つは、第2アセンブリー20bの第1バスバー410に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができ、第1アセンブリー20aの第2バスバー420に備えられた折曲部400aのうち他の1つは、第3アセンブリー20cの第3バスバー430に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0055】
また、第1アセンブリー20aの第3バスバー430に備えられた折曲部400aのうち1つは、第2アセンブリー20bの第2バスバー420に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができ、第1アセンブリー20aの第3バスバー430に備えられた折曲部400aのうち他の1つは、第3アセンブリー20cの第1バスバー410に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0056】
また、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cにそれぞれ備えられた第4バスバー440に備えられた折曲部400aは、周方向(C)に隣接した他の第4バスバー440に備えられた折曲部400aと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0057】
また、第2アセンブリー20bの第1バスバー410に備えられた折曲部400aのうち1つは、第3アセンブリー20cの第3バスバー430に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0058】
また、第2アセンブリー20bの第2バスバー420に備えられた折曲部400aのうち1つは、第3アセンブリー20cの第1バスバー410に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0059】
また、第2アセンブリー20bの第3バスバー430に備えられた折曲部400aのうち1つは、第3アセンブリー20cの第2バスバー420に備えられた折曲部400aのうち1つと接合されて接合領域Zを形成することができる。
【0060】
一方、図2及び図3に示されたように、本発明によると、コイル200に備えられた引込線210は、第1バスバー410の折曲部と第3バスバー430の折曲部が接合されて形成された接合領域に接合されることができ、コイル200に備えられた引出線220は、第4バスバー440の折曲部同士が接合されて形成された接合領域に接合されることができる。しかし、図2及び図3に示されたことと異なって、コイル200に備えられた引込線210は、第1バスバー410の折曲部と第2バスバー420の折曲部が接合されて形成された接合領域に接合されてもよい。
【0061】
前述のとおり、本発明によると、バスバーの折曲部同士が接合されることで形成された接合領域に引込線及び引出線も接合されることができるため、引込線及び引出線をバスバーに接合するための別の接合過程が不要である。これにより、本発明によると、固定子またはモータを製造するために必要な接合工程が簡素化されることができる。
【0062】
第1アセンブリー20aに備えられた第1~第3バスバー、第2アセンブリー20bに備えられた第1~第3バスバー、及び第3アセンブリー20cに備えられた第1~第3バスバーが前述の方式により互いに連結される場合、バスバー400により、第1アセンブリー20aのコイル200に形成された引込線同士が互いに電気的に連結されることができ、第2アセンブリー20bのコイル200に形成された引込線同士が互いに電気的に連結されることができ、第3アセンブリー20cのコイル200に形成された引込線同士が互いに電気的に連結されることができる。
【0063】
一方、本発明によると、固定子10は、U相電力、V相電力、及びW相電力の三相交流電力を供給する電力供給部(不図示)から電力の供給を受けることができる。
【0064】
この際、第1アセンブリー20aは、第1アセンブリー20aの引込線を介して電力供給部から前記U相電力の供給を受けることができ、第2アセンブリー20bは、第2アセンブリー20bの引込線を介して電力供給部から前記V相電力の供給を受けることができ、第3アセンブリー20cは、第3アセンブリー20cの引込線を介して電力供給部から前記W相電力の供給を受けることができる。すなわち、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cはそれぞれ、引込線を介して互いに異なる相(phase)を有する電力の供給を受けることができる。
【0065】
一方、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cは、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cの引出線を介して中性線に連結されることができる。したがって、引出線により、第1~第3アセンブリー20a、20b、20cは何れも中性線に連結されることができる。
【0066】
図5は本発明の他の実施形態に係るモータ用固定子の構造を示した斜視図であり、図6は本発明の他の実施形態に係るモータ用固定子を構成するアセンブリーを拡大して示した側面図である。下記では、前述の内容との相異を中心に本発明の他の実施形態に係る固定子を説明する。本発明の他の実施形態に係る固定子についての後述の内容と矛盾しない範囲で、本発明に係る固定子について上述した内容は、本発明の他の実施形態に係る固定子にも同様に適用可能である。
【0067】
図5及び図6に示されたように、本発明の他の実施形態によると、第1バスバー410の周方向(C)の両端部が、第2バスバー420の周方向(C)の両端部から軸方向(A)に離隔し、かつ周方向(C)にも離隔することができ、第2バスバー420の周方向(C)の両端部が、第3バスバー430の周方向(C)の両端部から軸方向(A)に離隔し、かつ周方向(C)にも離隔することができる。すなわち、第1バスバー410の両端部と第2バスバー420の両端部、そして第2バスバー420の両端部と第3バスバー430の両端部が、半径方向(R)ではなく軸方向(A)に離隔しているという点で、本発明の他の実施形態に係る固定子は本発明の一実施形態に係る固定子と異なる。
【0068】
より詳細に、第3バスバー430は、第2バスバー420よりも固定子10の軸方向(A)に上部に備えられることができる。この際、本発明の他の実施形態によると、第2バスバー420は、ステータコア100及びボビン300に対して第1周方向(C1)に偏るように備えられることができ、第3バスバー430は、ステータコア100及びボビン300に対して第2周方向(C2)に偏るように備えられることができる。
【0069】
また、図5及び図6に示されたように、本発明の他の実施形態によると、第1~第4バスバー410、420、430、440の周方向(C)の両端部にはそれぞれ、半径方向(R)の外側に折り曲げられている折曲部400aが備えられることができる。
【0070】
以上で説明した本発明の他の実施形態に係る固定子についての説明以外の、本発明の他の実施形態に係る固定子についての内容は、図1図4を参照して説明した内容を援用する。
【0071】
一方、図3及び図6に示されたように、本発明に係る固定子10において、第1アセンブリー20aに備えられる第1バスバー410の両端部に備えられた折曲部400aは、それぞれ周方向(C)に隣接した第2アセンブリー20b及び第3アセンブリー20cの周方向(C)の幅内に備えられることができる。これは、本発明に係る固定子10を側部から半径方向(R)に視た時に、各アセンブリーに備えられた第1バスバー410の折曲部が隣接したアセンブリーと重なるように備えられると理解されることができる。
【0072】
また、図3及び図6に示されたように、本発明に係る固定子10において、第1アセンブリー20aに備えられる第2バスバー420の両端部に備えられた折曲部400aのうち1つは、第1アセンブリー20aの周方向(C)の幅内に備えられることができ、他の1つは、周方向(C)に隣接した第3アセンブリー20cと第1アセンブリー20aの周方向(C)の間の領域に備えられることができる。
【0073】
また、図3及び図6に示されたように、本発明に係る固定子10において、第1アセンブリー20aに備えられる第3バスバー430の両端部に備えられた折曲部400aのうち1つは、第1アセンブリー20aの周方向(C)の幅内に備えられることができ、他の1つは、周方向(C)に隣接した第2アセンブリー20bと第1アセンブリー20aの周方向(C)の間の領域に備えられることができる。
【0074】
一方、図4に示されたように、本発明によると、隣接した2つの折曲部400aにより形成された接合領域Zのうち互いに隣接した2つの接合領域Zの間には、ボビン300のうち一部領域が配置されることができる。これは、2つの接合領域Zの間の直線経路の最短距離上に、ボビン300のうち一部領域が配置されると理解されることができる。この場合、隣接した2つの接合領域Zの間の距離が増大されることができるため、電気絶縁性が向上することができる。
【0075】
一方、図1図4に示されたように、本発明の一実施形態によると、第1~第3バスバー410、420、430は、ボビン300の半径方向(R)の外側部に配置されることができ、第4バスバー440は、ボビン300の半径方向(R)の内側部に配置されることができる。
【0076】
一方、図5及び図6に示されたように、本発明の他の実施形態によると、第1~第3バスバー410、420、430は、ボビン300の軸方向(A)の上部領域に配置されることができ、第4バスバー440は、ボビン300の軸方向(A)の下部領域に配置されることができる。
【0077】
[モータ]
図1図6を参照すると、本発明に係るモータは、固定子10及び回転子(不図示)を含むことができる。より好ましく、固定子10は、複数のアセンブリー20が周方向(C)に沿って配列され、中央に孔が形成された構造を有することができ、回転子が前記孔内に備えられることができる。
【0078】
この際、本発明によると、複数のアセンブリー20はそれぞれ、ステータコア100と、ステータコア100の外側面を囲むように備えられるボビン300と、ボビン300の周りを複数回にわたって巻回し、両端部に引込線210及び引出線220が備えられるコイル200と、ボビン300に配置される複数のバスバー400と、を含むことができる。
【0079】
また、複数のバスバー400は、第1バスバー410、第2バスバー420、第3バスバー430、及び第4バスバー440を含むことができる。
【0080】
また、複数のアセンブリー20は、第1バスバー410の周方向(C)の両端部が、第2バスバー420の周方向(C)の両端部から半径方向(R)または軸方向(A)に離隔し、かつ周方向(C)にも離隔するように備えられることができる。
【0081】
以上、限定された実施形態と図面により本発明が説明されたが、本発明はこれにより限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と添付の特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0082】
10 固定子
20 アセンブリー
20a 第1アセンブリー
20b 第2アセンブリー
20c 第3アセンブリー
100 ステータコア
200 コイル
210 引込線
220 引出線
300 ボビン
400 バスバー
400a 折曲部
410 第1バスバー
420 第2バスバー
430 第3バスバー
440 第4バスバー
A モータ用固定子の軸方向
C モータ用固定子の周方向
C1 第1周方向
C2 第2周方向
R モータ用固定子の半径方向
Z 接合領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6